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JP4123771B2 - 広角レンズ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は屋外や屋内に設置するドア監視用カメラ、防犯カメラ、監視用カメラあるいはテレビ電話用カメラなどに用いる広角レンズ、殊に超広角のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドア監視用カメラなどの監視カメラやテレビ電話用カメラなどに用いられる撮像レンズは、解像力の他に撮像エリアが広い超広角タイプの広角レンズが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来このようなレンズはレンズ枚数が多く、小型化が困難である上に安価に製作することができなかった。
【0004】
また、その用途上、周辺に照明光のない状態で、例えばカメラ搭載の近赤外光によって照明して撮影する場合があるが、可視光のみで設計されたものでは近赤外光照明化での撮影ではぼけが生じる。
【0005】
また特許第2015317号などに2群2枚レンズ構成のものが開示されているが、これらでは第1レンズにメニスカスレンズを用いており、このために小型化する場合、第1レンズの像側の曲率を非常にきつくする必要があって、軸ずれ公差に弱い、製造しにくいなどの問題がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型で安価である上に公差が緩くても可視光及び近赤外光において良好な性能を発揮する広角レンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するために、請求項1の発明は、物体側から順に負のパワーを有する両凹レンズである第1レンズと、両凸レンズである第2レンズより構成され、少なくとも第1レンズの像側のレンズ面が非球面であり、第1レンズの像側の面の曲率半径をr2、第2レンズの物体側の曲率半径をr3、第2レンズの像側の曲率半径をr4、第1レンズと第2レンズの面間距離をD2、全系の焦点距離をf、第2レンズの焦点距離をf2、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、第1レンズの像側の面の曲率半径をr2、第1レンズの像側の面における有効半径をh2、第1レンズと第2レンズの面間距離をDとする時、次の条件
1<|r4|/r3<3 (i)
D2<1.5f (ii)
0.7f<f2<1.5f (iii)
0.6D2/f≦|f2/f1|≦2.3D2/f (iv)
0.6h2≦r2≦1.0h2 (v)
を満足することに特徴を有している。
【0008】
第1レンズを両凹レンズとしているために、像側の屈折パワーを物体側へ分配することになり、像側の曲率を弱くすることができるものであり、このために組立公差、特に軸ずれに強いものとなるほか、製造の面でも加工しやすいものである。ただし物体側を凹面とすると、広画角光線の入射角が大きくなり入射パワーの減少傾向があるが、緩い曲率、または平面とすることや、非球面とすることで回避できる。
【0009】
条件式(i)は面間距離D2を短くした場合に第2レンズの屈折パワーを抑える条件式である。下限を越えた場合について、面間距離D2が短くても充分な補正をするためには、第2レンズの像側の曲率r4を非常に強くしなくてはならず、そして曲率を強くすると軸ずれのような組立公差に弱くなってしまう。特に、絞りを第2レンズの後ろに配する場合、レンズ有効径が小さくなり、明るさを確保するために第2レンズを厚くせざるを得なくなって、全長が大きくなることから、望ましくない。一方、上限を越えると第2レンズの物体側の曲率が強くなり、組立公差、特に軸ずれに弱くなる。
【0010】
条件式(ii)は各収差を良好に保ちつつ、小型化を実現する。下限は0.5f<D2程度が良好である。上限を越えると全長が長くなり、望ましくない。
【0012】
上記条件(iii)は、全系のパワー配分を決めるもので、第1レンズと第2レンズの面間距離D2を条件式(ii)の範囲に保つ条件である。特に全系の焦点距離fが小さい場合は、各レンズのパワー増大を抑えるために、f<f2の範囲が良好である。しかし全系の焦点距離fが比較的長い場合、小型化を可能にし、かつ収差補正を適切に行うことができる範囲がf2≦fである。下限を越えると第2レンズの屈折パワーが増大し、収差補正が困難になる。一方上限を越えると面間距離D2を長くせざるを得ず、全長が長くなり望ましくない。
【0014】
また、条件(iv)は、近赤外光を照射した時の性能を良好にするためのものである。一般的に可視光域だけの球面収差補正をしたレンズにおいては、近赤外光についての球面収差が可視光の像点よりもプラス側に大きくずれるが、可視光の像点とのバランスを取るために、可視光の球面収差をやや補正過剰とすることにより、目的の性能を得ている。ここにおいて、凹レンズでは球面収差がオーバーとなり、凸レンズでは球面収差がアンダーになることは周知のことであるが、本発明では第1レンズと第2レンズとの間隔D2が大きくなればなるほど凹レンズで発生した球面収差のオーバー量が強調される。
【0015】
そして、上記条件(iv)において、|f2/f1|の値が0.6D2/fの値よりも小さい時には、球面収差のオーバー量が小さすぎて、可視光域での球面収差は良好であるものの近赤外光での球面収差が大きすぎて著しい性能の低下を招く。逆に|f2/f1|の値が2.3D2/fの値よりも大きい時には、球面収差が補正過剰になりすぎ、結果として性能が悪くなってしまう。
【0016】
さらに条件(v)は、条件(iv)と関連して、球面収差を良好に補正するための条件であって、上述のように球面収差をやや補正過剰とする時、球面収差の中間部と周縁部とのバランスを考えると、球面収差の周縁部が急激に補正過剰になってしまう。この点を良好に保つために、第1レンズの像側の面(第2面)を非球面形状として球面収差の高次の項を閉じ、周縁部の球面収差が急激に補正過剰となることがないようにしている。
【0017】
そして条件(v)において、第2面の曲率半径r2が有効半径h2よりも大きい時には、高次の項の影響が小さすぎて周縁部での球面収差が補正過剰になりすぎるのを補正することが困難となる。また、有効半径h2の0.6倍より小さい時には、周縁部の球面収差の補正には有利であるものの、第2面の曲率半径r2が小さくなりすぎてレンズ加工が困難となってしまう。
【0018】
上記各条件に加えて、
1.0≦D2/f≦1.5 (vi)
を満足するものとしてもよい。この条件は、上記条件(iv)と関連して球面収差の補正を良好にするとともに所要のバックフォーカスを得るためのものである。超広角レンズでは、焦点距離が小さく設定されるために、レンズのバックフォーカスも小さくなってしまうが、このバックフォーカスはある程度の大きさがないと、レンズと結像面との間にフィルターなどを挿入できなくなってしまうほか、結像面の出射角度が大きくなって周辺光量の低下も招いてしまう。
【0019】
そして条件(vi)において、D2/fの値を下限1.0よりも小さくすると、所要のバックフォーカスを得ることができなくなり、上限1.5より大きくするとバックフォーカスを得るためには有利となるものレンズ系が大きくなりすぎて好ましくない。
【0020】
【発明の実施の形態】
CCDなどの撮像素子カメラ用の具体的な実施例を図1に示す。図中11は物体側の第1レンズ、12は像側の第2レンズ、13は第2レンズ2の像側に配置した絞りであり、14はCCDなどの撮像素子のカバーガラス、15はCCDなどの撮像素子の撮像面であり、この広角レンズは図からも明らかなように、両凹レンズである第1レンズ11と、正のパワーを有する両凸レンズである第2レンズ12より構成されている。
【0021】
また図1の例の光学配置について表1に示す。物体側から第i番目の面の曲率半径をRi(i=1〜7)、面間隔をDi(i=1〜7)としており(ただし第5面は絞りの位置)、また、j=1、2はそれぞれ第1レンズ、第2レンズ、j=3はカバーガラス14とし、それぞれの材質のd線の屈折率をNj(j=1〜3)としている。また#印を付した面は非球面であり、その円錐係数K、及び非球面係数Aを表2に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0004123771
【0023】
【表2】
Figure 0004123771
【0024】
上記非球面は、光軸との交点を原点として光軸方向の座標をX、上記原点を通り光軸に直行する方向の座標をYとするとき、以下の公知の非球面式で表される。
【0025】
X=[CY2/{1+(1-(K+1)(CY)2)1/2}] + AY4 + …
ただし、C=1/Ri
この広角レンズは|r4|/r3=1.75、D2=1.4f、f2=1.33fであり、前記条件式(i)、(ii)、(iii)を全て満足している。
【0026】
そして上記広角レンズの光学特性における可視光の球面収差、非点収差、歪曲収差を図2に、横収差を図3に示す。図中CはC線、dはd線、FはF線での特性、mはメリジオナル面、sはサジッタル面での特性を示す。
【0027】
図4に他例を示す。基本構成は前記のものと同じであり、両凹レンズである第1レンズ11と、正のパワーを有する両凸レンズである第2レンズ12より構成されている。このものにおける光学配置を表3に、#印を付した非球面の円錐係数K及び非球面係数Aを表4に示す。
【0028】
【表3】
Figure 0004123771
【0029】
【表4】
Figure 0004123771
【0030】
この広角レンズも|r4|/r3=1.1、D2=0.63f、f2=0.95fであることから、前記条件式(i)、(ii)、(iii)を全て満足している。また、その光学特性における可視光の球面収差、非点収差、歪曲収差を図5に、横収差を図6に示す。図中CはC線、dはd線、FはF線での特性、mはメリジオナル面、sはサジッタル面での特性を示す。
【0031】
なお、上記の2例で示したものは、近赤外光照明波長を940nmとした際の各収差も同焦点位置でいずれも良く補正されており、近赤外光も併せて良好な特性を示すものとなっていた。
【0032】
図5に別の例を示す。これも基本構成は前記のものと同じで両凹レンズである第1レンズ11と、正のパワーを有する両凸レンズである第2レンズ12より構成された最大画角130°のもので、ここでは第1レンズ11の第1面及び第2面、第2レンズ12の第1面と第2面の4面を非球面としている。
【0033】
光学配置を表5に示す。物体側から第i番目の面の曲率半径をRi(i=1〜7)、面間隔をDi(i=1〜7)、有効半径をhi(i=1〜5)としており(ただし第5面は絞りの位置)、また、j=1,2はそれぞれ第1レンズと第2レンズ、j=3はCCDのカバーガラス14とし、それぞれの材質のd線の屈折率をNj(j=1〜3)としている。また#を付した面は非球面であり、その円錐係数K、及びk乗の非球面係数ARk(k=3、4、6、8、10)を表6に示す。
【0034】
【表5】
Figure 0004123771
【0035】
【表6】
Figure 0004123771
【0036】
上記非球面は、光軸との交点を原点として光軸方向の座標をX、上記原点を通り光軸に直交する方向の座標をYとするとき、以下の公知の非球面式で表される。
【0037】
X=[CY2/{1+(1-(K+1)(CY)2)1/2}] +ΣARYk
ただし、C=1/Ri
この広角レンズ(超広角レンズ)は、|f2/f1|=0.788(d2/f)、r2=0.984hi、(d2/f)=1.255であり、前記条件式(iv)、(v)、(vi)を全て満足している。
【0038】
そして上記広角レンズの光学特性における可視光の球面収差、非点収差、歪曲収差を図8、横収差を図9に、また波長を940nmとした近赤外照明光での球面収差、非点収差、歪曲収差を図10、横収差を図11に示す。図中CはC線、dはd線、FはF線での特性、mはメリジオナル面、sはサジッタル面での特性を示す。
【0039】
図12に他例を示す。基本構成は前記のものと同じであり、両凹レンズである第1レンズ11と正のパワーを有する両凸レンズである第2レンズ12より構成されており、最大画角は130°である。このものにおける光学配置を表7に、#印を付した非球面の円錐係数K及びk乗の非球面係数ARk(k=3、4、6、8)を表8に示す。
【0040】
【表7】
Figure 0004123771
【0041】
【表8】
Figure 0004123771
【0042】
この超広角レンズも、|f2/f1|=0.722(d2/f)、r2=0.789hi、(d2/f)=1.459であり、前記条件式(iv)、(v)、(vi)を全て満足している。また、その光学特性における可視光の球面収差、非点収差、歪曲収差を図13、横収差を図14に、また波長を940nmとした近赤外照明光での球面収差、非点収差、歪曲収差を図15、横収差を図16に示す。図中CはC線、dはd線、FはF線での特性、mはメリジオナル面、sはサジッタル面での特性を示す。
【0043】
上記2例において球面収差を始めとする各収差が可視光域はもちろん近赤外域においても良好に補正されていることが分かる。ここで示した上記2例もその数値から明らかなように前記条件式(i)、(ii)、(iii)も満足している。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかる広角レンズは、2枚組という少ないレンズ枚数である上に第1レンズと第2レンズの面間距離が小さいために、安価で小型なものであり、しかも各レンズの屈折パワーが抑えられているために、加工が容易であるとともに組立公差に強いものである。また、固定焦点で可視光だけでなく近赤外光においても良好な結像を得ることができる。
【0045】
しかも、固定焦点で可視光だけでなく、近赤外光においても非常に良好な結像を得ることができ、照度不足の際の照明光を被写体にまぶしさを感じさせることがない近赤外光とすることができる。
【0046】
また請求項の発明において、2枚組という少ないレンズ枚数である上に第1レンズと第2レンズの面間隔が小さいために、安価で小型であるばかりか、所要のバックフォーカスを確保できており、色補正のためのフィルタ挿入も可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の光路を同時に示した光学配置図である。
【図2】同上の球面収差、非点収差、歪曲収差図である。
【図3】同上の横収差図である。
【図4】同上の他例における光路を同時に示した光学配置図である。
【図5】同上の球面収差、非点収差、歪曲収差図である。
【図6】同上の横収差図である。
【図7】本発明の実施形態の他例の光路を同時に示した光学配置図である。
【図8】同上の可視光での球面収差、非点収差、歪曲収差図である。
【図9】同上の可視光での横収差図である。
【図10】同上の近赤外光での球面収差、非点収差、歪曲収差図である。
【図11】同上の近赤外光での横収差図である。
【図12】同上の他例における光路を同時に示した光学配置図である。
【図13】同上の可視光での球面収差、非点収差、歪曲収差図である。
【図14】同上の可視光での横収差図である。
【図15】同上の近赤外光での球面収差、非点収差、歪曲収差図である。
【図16】同上の近赤外光での横収差図である。
【符号の説明】
11 第1レンズ
12 第2レンズ

Claims (2)

  1. 物体側から順に負のパワーを有する両凹レンズである第1レンズと、両凸レンズである第2レンズより構成され、少なくとも第1レンズの像側のレンズ面が非球面であり、次の条件
    1<|r4|/r3<3
    D2<1.5f
    0.7f<f2<1.5f
    0.6D2/f≦|f2/f1|/≦2.3D2/f
    0.6h2≦r2≦1.0h2
    ただし r2:第1レンズの像側の面の曲率半径
    r3:第2レンズの物体側の曲率半径
    r4:第2レンズの像側の曲率半径
    D2:第1レンズと第2レンズの面間距離
    f:全系の焦点距離
    f1:第1レンズの焦点距離
    f2:第2レンズの焦点距離
    h2:第1レンズの像側の面における有効半径
    D2:第1レンズと第2レンズの面間距離
    を満足することを特徴とする広角レンズ。
  2. 次の条件
    1.0≦D2/f≦1.5
    を満足することを特徴とする請求項1記載の広角レンズ。
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