JP4127780B2 - 放射線測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電離作用を利用した放射線測定装置に関するもので、特にα線によって電離された空気を電離箱内に移送し、イオン化による電離電流を測定することによりα放射線を測定する放射線測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントにおいては、プラントの各プロセスにおける放射能を観測して異常の早期発見をしたり、プラント施設及び作業環境の放射能レベルを監視したりするために放射線測定装置が用いられている。
【0003】
放射線測定装置に使われる放射線検出器にはいろいろな種類のものがあるが、放射線が通過する際に検出器の内部で行われる電離作用を利用して放射線を検出する電離型の検出器が知られている。
【0004】
これは、放射線を空気に入射させ、放射線により電離した空気を吸引して、電離箱により電離電流値を測定して放射線を求めるもので、α線により電離した空気を吸引して、電離箱でα放射線を求めるという米国特許第5194737号明細書記載の技術が知られている。
【0005】
上記特許においては、図12に示すように、イオン化された空気41がファン42によって接地された外板43に囲まれた空間内に吸引され、電源44によって電圧が印加されたグリッド45にイオンが収集され、電流計46によって電離電流を測定することにより放射線の強度、線量、エネルギーが測定される。
【0006】
このように、α線に対しては、従来閉空間内での電離作用に着目し、その限定された空間内の空気の電離量を測定している。α線1崩壊当たりの電離イオン数は多く、α線の飛程は空気中で約5cmと短いため放射線源近傍の空気が高密度で電離されることから、前記の構成でα放射線が測定可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の電離作用を利用した放射線測定装置は、定められた条件の廃棄物に関する放射線測定には効果的である。しかし、現実に原子力施設で発生する廃棄物は、多種多様であり、これらに対しても放射線を精度よく測定することが望まれている。
本発明は以上の点に鑑み、さらに、簡便に精度よく放射線を測定することのできる放射線測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、放射線を測定すべき測定対象物を収納する測定室と、測定室内の気体を吸引し、気体を測定室内に再循環させる吸引機と、前記気体の再循環経路に設けられ、前記測定対象物の近傍から吸引された気体のイオンを収集する電極部及び収集された前記イオンの電離電流を測定する電流測定手段とからなる電離電流測定装置と、この電離電流測定装置による測定値から放射線量を演算処理するデータ処理装置とを備えた放射線測定装置において、前記電極部は、信号収集用電極板、ガード用電極板及び接地用電極板を 1 組とする3枚の電極板からなり、各電極板は気体透過孔を持つ絶縁基板上に複数の電極が配置されるとともに、前記各電極板を気体の経路に対して基板面が直角となるように配置したことを特徴を特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線測定装置において、信号収集用電極板、ガード用電極板及び接地用電極板を2組以上配置したことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の放射線測定装置において、再循環経路に、前記測定室内の気体を収束する気体収束手段と、前記測定室内に再循環させた気体の速度を加速する送風機と、加速された気体を前記測定室内に拡散させる気体拡散手段と、を設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態による放射線測定装置を図1(a)、(b)に示す。図1(b)に示すように、本発明の放射線測定装置は放射線を測定すべき測定対象物1を収納する測定室2と、測定室2の内部の気体を吸引し、測定室2内に再循環させるための吸引機3と、吸引機3により吸引した気体を測定室2内に戻すパイプ4と、再循環される気体中のエアロゾルなどの不純物を吸着するフィルタ5と、測定室2内から吸引され、再循環された気体中のイオンを収集するイオン収集手段6及び収集したイオンの電離電流を測定する電流測定手段7とで構成され、前記気体の再循環経路に設けられた電離電流測定装置8と、データ処理装置9とを備えている。ここで、イオン収集手段6は図1(a)に示すように、例えばポリイミド、あるいはフッ素樹脂のような抵抗体として優れた電気的特性を有する材料により形成された絶縁基板10にストリップ型のアノード電極11とカソード電極12とを交互に配置して設けた電極部13と、アノード電極11とカソード電極12とに電圧を印加する電圧供給手段14とで構成され、この電極部13は気体が通過する経路の途中に絶縁基板10が経路を囲むように図示していない固定用絶縁部材により固定し、気体中のイオンをアノード電極11とカソード電極12とで収集する。電流測定手段7は、例えばエレクトロメータ、振動容量電位計などの微少電流測定装置を使用する。
【0020】
以上のような構成において、測定室2の内部の気体を測定対象物1の放射線によりイオン化された電離イオンとともに吸引機3で吸引し、吸引機3を出た気体はパイプ4を通ってフィルタ5に送られ、フィルタ5で不純物粒子を除去した後に、測定室2内に再循環される。この循環過程でイオン収集手段6と電流測定手段7とで構成される電離電流測定装置8により電離電流が測定される。
【0021】
さらに具体的な測定手段について説明すると、まず、電極部13のアノード電極11とカソード電極12とに電圧供給手段14より電圧を印加し、測定対象物1が測定室2内に設置されていない状態で、測定室2内の気体を吸引するとともに、吸引気体の電離電流を電離電流測定装置8で測定する。この結果がバックグラウンド電流として、データ処理装置9に記録される。次に、測定室2内に測定対象物1を設置し、測定室2内の気体を吸引するとともに、吸引気体の電離電流を測定し、この結果を信号電流として、データ処理装置9に記録させる。データ処理装置9では、この信号電流値から、前述のバックグランド電流値を減算し正味電流値を求め、この値と、前もって放射線の校正試験により求められた放射線強度と電流値との関係データを使用して、測定対象物1の放射線強度を求める。
【0022】
このような放射線測定装置によれば、測定対象物1の放射線により電離する気体を吸引機3により吸引して測定室2内に再循環させ、イオン収集手段6に設けられたカソード電極12とアノード電極11により気体中に含まれるプラスイオンはカソード電極12に、マイナスイオンはアノード電極11に移動、収集される。アノード電極11とカソード電極12間の長さ、交互に配置するアノード電極11とカソード電極12の数は、測定対象物1の放射線の種類と強度、測定対象物1の寸法、吸引機3の気体吸引率に応じて適切に設定することができる。
【0023】
このような電極構造による放射線測定装置であると、測定対象物1からの放射線の電離によって生成したイオンが、絶縁基板10上にストリップ型アノード電極10とカソード電極12とを交互に配置し、電圧を印加して設けた電極部13と電流測定手段7とにより測定されるので、交互に配置された電極によりイオンが効率よく収集され、精度の高い放射線測定を行うことができる。
【0024】
次に本発明の第2の実施の形態による放射線測定装置を図2(a)、(b)に示す。すなわち、この実施の形態によれば、図2(a)に示すように、イオン収集手段として、絶縁基板10上にカソード電極12、ガード電極15、アノード電極11、ガード電極15、カソード電極12、ガード電極15の順番で電極を配置した電極部13を図2(b)に示すように、気体が通過する経路の途中のイオン収集手段6の空間内に絶縁基板10が経路を囲むように図示していない固定用絶縁材により固定している。ここで、例えば、カソード電極12を接地電極とし、電圧供給手段14によりガード電極15に正の電圧を印加し、アノード電極11とガード電極15間の電流を電流測定手段7で測定する。
【0025】
このような電極構造による放射線測定装置であると、イオン収集のため印加した電圧による漏れ電流はガード電極15とカソード電極12間を流れる。一方、アノード電極11とガード電極15間には、印加電圧による漏れ電流は発生せず、気体中のイオンによる電離電流のみが測定される。従って、ガード電極15を用いた電極により、漏れ電流の影響を省き、高効率でイオンを収集することができる。このような、ガード電極15を備えた電極部13をイオン収集手段6の内面に設置することにより、流通する気体中のイオンを漏れ電流が少なく、高効率で測定でき、その結果、精度よく放射線を測定することができる。
【0026】
次に本発明の第3の実施の形態による放射線測定装置を図3に示す。すなわち、この実施の形態によれば、イオン収集手段6は、絶縁基板上にアノード電極とカソード電極とを交互に配置した電極部13、あるいは、絶縁基板上にカソード電極、ガード電極、アノード電極、ガード電極、カソード電極、ガード電極の順番で電極を配置した電極部13を気体が通過する経路の途中のイオン収集手段6の空間内に絶縁基板10が経路と並行となるように図示していない固定用絶縁材により固定し、気体中のイオンを収集する。
【0027】
このように、イオンを収集する電極部13を、流動する気体が存在するイオン収集手段6の空間内に配置するので、測定対象物1のイオンに電極を近づけることができ、効率よくイオンを収集することができる。その結果、感度が上がり、精度よく放射線を測定することができる。
【0028】
次に本発明の第4の実施の形態による放射線測定装置を図4に示す。すなわち、この実施の形態によれば、イオン収集手段6は、絶縁基板上にアノード電極とカソード電極とを交互に配置した電極部13、あるいは、絶縁基板上にカソード電極、ガード電極、アノード電極、ガード電極、カソード電極、ガード電極の順番で電極を配置した電極部13を、気体が通過する経路の途中のイオン収集部6の内面に絶縁基板10が経路を囲むように、また、気体が流通する空間内に絶縁基板10が経路と並行になるように図示していない固定用絶縁材によりH型配置となるように固定し、気体中のイオンを収集する。
【0029】
このように、イオンを収集する電極部13を、流動する気体の経路を囲むように、また経路の空間に配置するので、収集対象物1のイオンに電極をさらに近接することができ、効率よくイオンを収集することができる。その結果、感度が上がり、精度よく放射線を測定することができる。
【0030】
次に本発明の第5の実施の形態による放射線測定装置を図5(a)、(b)に示す。すなわちこの実施の形態によれば、図5(a)に示すように絶縁基板10上に複数の電極16を配置し、配置した電極16間の絶縁基板10に気体が通過し易くなるように、気体通過孔17を形成し、図5(b)に示すように気体の通過領域に前もって定めた間隔で3枚で1組を成す少なくとも1組以上の絶縁基板10を基板面が気体の通過方向に対して直角になるように配置する。各電極板の電極は電気的に接続されており、これらを測定室2側から並べて、信号収集用電極板18、ガード用電極板19、接地用電極板20として使用する。接地用電極板20は接地し、電圧供給手段14によりガード用電極板19と接地用電極板20にはプラスの電圧を印加する。そして、信号用電極板18とガード用電極板19との電流を電流測定手段7により測定する。ここで、電圧はガード用電極板19と接地用電極板20間に印加されているので、これによる漏れ電流の影響を受けずに、空気中のイオンを検出することができる。
【0031】
以上のようなイオン収集手段の条件で、測定室2内の気体を吸引機3で吸引すると測定室2内の放射線によって電離された気体は吸引されて、イオン収集手段6内を通過する。ここで、各絶縁基板10に開けられた気体貫通孔17を気体が通過するが、イオンが信号収集用電極板18とガード用電極板19の間に存在するときに、イオンを高い効率で電極板13に収集することができる。収集されたイオンは、電流測定手段7により、電離電流として測定され、データ処理装置9により測定した電流値から放射線強度が測定されるので、高効率、高精度で放射線を測定することができる。
【0032】
以上のような基本機能に加え、各電極板の間隔、気体通過孔17の寸法、各電極板間の設定寸法は任意に設定可能な構造とし、吸引機3の気体吸引容量、印加電圧、放射線強度、測定室2及びイオン収集手段6の内面寸法に応じて、前記の任意設定可能寸法を適切に設定し、測定精度、検出感度を向上する。
【0033】
次に本発明の第6の実施の形態による放射線測定装置を図6(a)、(b)に示す。すなわちこの実施の形態によれば、図6(a)に示すように、図示しないが多数の気体通過孔を形成した絶縁基板22の両面に例えば金属の導体を配置した電極板で、絶縁基板22の気体通過孔と同じ位置に多数の気体通過孔17を備えた電極板21を、図6(b)に示すように、イオン収集手段6の気体通過空間に電極板を気体の経路に対して基板面が直角となるように、すなわち、気体通過孔17の中心軸が気体の経路とほぼ同様な方向となるように配置する。この電極板21間に電圧を印加する電圧供給手段14に接続するとともに、この間の電流を測定するように電流測定手段7を接続する。このような構成で、測定室2に測定対象物1を設置し、測定室2内の気体を吸引機3で吸引すると、イオン収集手段6の電極板21の気体貫通孔17をこの気体が通過する時に、気体中のイオンは気体貫通孔17の入口及び出口の近傍の電極にイオンは収集される。気体貫通孔17が、多数設けられていれば、気体の流量をそれほど大きく減少させることなく通過させることができ、これらの近傍の電極でイオンを効率的に収集することができる。
このように、効率よくイオンを収集できるので、その結果感度が上がり、精度よく放射線を測定することができる。
【0034】
次に本発明の第7の実施の形態による放射線測定装置を図7に示す。すなわちこの実施の形態によれば、測定対象物1を収納する測定室2と、測定室2内の気体を収束して吸引するように例えば吸引口方向に向かって気体を収束させるよう配置された多層の円錐プレートで構成される気体収束手段23と、測定室2内の気体をパイプ4を介して吸引する吸引機3と、パイプ4の途中に設けられ気体のイオンを収集し電離電流を測定する電離電流測定装置8と、データ処理装置9と、吸引した気体をパイプ4とフィルタ5を介して測定室2内に再循環させる再循環系統と、測定室2内に注入した気体の速度を加速する送風機24と、加速された気体を例えば測定室2の吸引口方向に向かって気体を拡散させるよう配置された多層の円錐プレートで構成される流体拡散手段25で構成される。
【0035】
このような構成の放射線測定装置において、測定対象部1から放出される放射線により電離された気体は、送風機24と気体拡散手段25により、測定室2の吸引口方向に向かって移動し、さらに気体収束手段23により吸引口に向かって移動される。このように、生成したイオンが吸引口方向に向かうように強制的に気体の流れを作るので、効率的に、しかもイオン生成位置による移送効率差を少なくすることができる。吸引口に達した気体は、パイプ4を経て電離電流測定装置8に入り、ここでイオンが電離電流として測定され、電流値からデータ処理装置9により放射線が測定される。電離電流測定装置8を通過した気体は、吸引機3、パイプ4、フィルタ5を経て、測定室2内に再循環される。ここで、測定室2内に入った気体は、送風機24により加速され、前記のような手順の操作が繰り返される。以上記したように、測定室2内の気体を再循環させることにより、空気中に存在するラドン・トロンの放射性崩壊に伴うイオンの生成、空気中に存在するイオン、空気中の湿度、温度などの影響が減少し、測定精度、感度が向上する。また、送風機24、気体拡散手段25、気体収束手段23により、測定室2内のイオン移送効率の向上とともに、効率差を減少することができ、測定感度と精度を向上することができる。
【0036】
次に本発明の第8の実施の形態による放射線測定装置を図8に示す。すなわちこの実施の形態によれば、放射能の汚染の有無を測定すべき被検体を収容する測定室2と、測定室2内の気体を気体吸引口26に向かって移送する送風機24と、右手を収納してその周囲の気体を吸引する右手用気体吸引口27と、左手用気体吸引口28と、靴底用気体吸入口29と、被検体の近傍を通過した空気を吸引する少なくとも2個以上の気体吸引口26と、各気体吸引口26に対応して接続された電離電流測定装置8と、測定された各位置の電離電流計値を演算処理して被検体各部の放射線量を演算処理するデータ処理装置9と、その表示装置30で構成される。
【0037】
このような構成において、放射能汚染を検査する被検体を測定室2に入れ、送風機24により被検体近傍に気体を送ると、仮に被検体に放射能汚染があった場合には、その汚染場所から放出される放射線により気体は電離される。被検体の各部位近傍で生成したイオンは、送風機24により各部位に対応する各々の気体吸引口26に向かって移送され、吸引機3により吸引される。これらの気体吸引口26に対応して設けられた電離電流測定装置8によりイオンが測定される。測定された各電流値はデータ処理装置9により、換算定数を使用して被検体各部の放射能強度に変換され、表示装置30により、各部の放射能強度が表示される。
【0038】
このように、測定対象とする被検体の左手、右手、靴底、少なくとも2個以上に領域分けした被検体の各部の電離電流を精度よく測定することができる。従って、前記被検体各部の放射能汚染を精度よく測定することができる。
【0039】
次に本発明の第9の実施の形態による放射線測定装置を図9に示す。すなわちこの実施の形態によれば図9(b)に示すように、放射能の汚染の有無を測定すべき被検体を収納する排気口31付の測定室2と、右手用の電離電流測定装置32と、左手用電離電流測定装置33と、靴底用電離電流測定装置34と、測定室2内に均等に気体を送る多数の気体噴出口35及び気体圧縮手段36で構成される送風機24と、図9(a)に示すようにアノード電極11とカソード電極12とを交互に配置した誘電板38と、前記アノード電極11、カソード電極12に直交する少なくとも2個以上のバックストリップ電極37とを有する2次元電離電流測定装置と、測定した電流値から被検体各部の放射線量を演算処理するデータ処理装置と、その表示装置30で構成される。
【0040】
このような構成において、放射能汚染を検査する被検体を測定室2内に入れ、例えば、コンプレッサのような気体圧縮手段36により圧縮された気体を多数の気体噴出口35より被検体に向かって直角に噴出させる。
【0041】
仮に被検体に放射能汚染があった場合には、その汚染場所から放出される放射線により気体は電離され、生成したイオンは、前記の2次元電離電流測定装置39の方向に向かい、この2次元電離電流測定装置39で電流値の2次元分布が測定される。
【0042】
ここで、データ処理装置9により、前もって求めた被検体の各部位の位置と2次元電離電流測定装置39の2次元位置の対応関係を使用して、測定した電流値の2次元分布から被検体の各部の汚染放射能分布を求める。このようにして、被検体の汚染状況の2次元分布を精度よく測定することができる。
【0043】
これにより、測定対象とする被検体の左手、右手、靴底、2次元に領域分けした被検体の部分の電流を精度よく測定することができる。従って、前記被検体各部の放射能を精度よく測定することができる。
【0044】
次に本発明の第10の実施の形態による放射線測定装置を図10(a)、(b)に示す。すなわちこの実施の形態によれば、図10(b)に示すように、測定位置の近傍に設置した少なくとも2個以上の気体吸引口29と、これらを接続するパイプ4と、各パイプ4から電離電流測定装置8に送る気体を切替える例えば電磁バルブのような切替手段40と、各気体吸引口29の電離電流測定値から放射線量を演算処理するデータ処理装置9と、気体吸引口29に対応して放射線測定結果を表示する表示装置30と、図10(a)に示すように絶縁基板10上にストリップ型のアノード電極11とカソード電極12とを交互に配置した電極部13、あるいは絶縁基板10上にストリップ型のアノード電極11、ガード電極15、カソード電極12、ガード電極15、アノード電極11、ガード電極15の順番で電極を配置した電極部などを使用した電離電流測定装置8で構成される。
【0045】
この構成において、切替手段40により、気体吸引口29の接続を順次切替え、それぞれの吸引口近傍の気体を吸引機3で吸引しつつ、電離電流測定装置8で電離電流を測定する。測定した電流値と前もって求めた電流値とから放射線強度への換算定数を使用して、各吸引口近傍の放射線強度を求める。このような測定を行えば、効率的にしかも精度よく、測定対象とする場所の放射線強度を測定することができる。
【0046】
次に本発明の第11の実施の形態による放射線測定装置を図11(a)、(b)に示す。すなわち図11(b)に示すように、測定対象物1の表面に直面する面2aを開放した測定室2と、図11(a)に示すように測定室2の内面に取り付けたアノード電極11とカソード電極12とを交互に配置した電極部13と、この電極部13に電圧を印加する電圧印加手段14と、電極が収集したイオンを電離電流として測定する電流測定手段7と、測定した電流値から放射線量を演算処理するデータ処理装置9で構成される。
【0047】
測定対象物1の表面近傍に、測定室2の開口部2aを近接あるいは密着させると、測定室2内の空間2dを、測定対象物1の表面で閉塞することになり、測定対象物1の表面の放射性核種から放出された放射線の電離で生成したイオンは、前記空間内に一定の寿命で滞在する。この空間2dは、例えば、α線の場合には、空気中の飛程が約5cmということから、測定室2の空間2dの厚さを5cm程度に設定すると、電極部13近傍には生成したイオンが存在する。このイオンを前記電極部13で効率的に収集し、電流測定手段12で電流を測定し、データ処理装置9により測定した電流から換算定数を使用して放射線を測定する。
このように、簡便な装置構成で放射能を精度よく測定することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡便に精度よく、かつ高効率で放射能を測定することのできる放射線測定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は全体斜視図。
【図2】本発明の第2の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は全体斜視図。
【図3】本発明の第3の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す全体斜視図。
【図4】本発明の第4の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す全体斜視図。
【図5】本発明の第5の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は全体斜視図。
【図6】本発明の第6の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は全体斜視図。
【図7】本発明の第7の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す正面図。
【図8】本発明の第8の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す正面図。
【図9】本発明の第9の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は正面図。
【図10】本発明の第10の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は正面図。
【図11】本発明の第11の実施の形態による放射能測定装置の構成を示す図で、(a)は電極部分詳細図、(b)は正面図。
【図12】従来の放射線測定装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…測定対象物、2…測定室、3…吸引機、4…パイプ、5…フィルタ、6…イオン収集手段、7…電流測定手段、8…電離電流測定装置、9…データ処理装置、10…基板、11…アノード電極、12…カソード電極、13…電極部、14…電圧供給手段、15…ガード電極、16…電極、17…気体貫通孔、18…信号収集電極、19…ガード電極、20…接地電極、21…電極板、22…絶縁材、23…気体収束手段、24…送風機、25…気体拡散手段、26…気体吸引口、27…右手用気体吸引口 28…左手用気体吸引口、29…靴底用気体吸引口、30…表示装置、31…排気口、32…右手用電離電流測定装置、33…左手用電離電流測定装置、34…靴底用電離電流測定装置、35…多数気体吸引口、36…気体圧縮手段、37…バックストリップ、38…誘電版、39…2次元電離電流測定装置、40…切替手段。
Claims (3)
- 放射線を測定すべき測定対象物を収納する測定室と、測定室内の気体を吸引し、気体を測定室内に再循環させる吸引機と、前記気体の再循環経路に設けられ、前記測定対象物の近傍から吸引された気体のイオンを収集する電極部及び収集された前記イオンの電離電流を測定する電流測定手段とからなる電離電流測定装置と、この電離電流測定装置による測定値から放射線量を演算処理するデータ処理装置とを備えた放射線測定装置において、
前記電極部は、信号収集用電極板、ガード用電極板及び接地用電極板を1組とする3枚の電極板からなり、各電極板は気体透過孔を持つ絶縁基板上に複数の電極が配置されるとともに、前記各電極板を気体の経路に対して基板面が直角となるように配置したことを特徴とする放射線測定装置。 - 前記信号収集用電極板、ガード用電極板及び接地用電極板を2組以上配置したことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
- 前記再循環経路に、前記測定室内の気体を収束する気体収束手段と、前記測定室内に再循環させた気体の速度を加速する送風機と、加速された気体を前記測定室内に拡散させる気体拡散手段と、を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の放射線測定装置。
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| JP2002249850A JP4127780B2 (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 放射線測定装置 |
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