JP4132107B2 - 塗布具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、修正液、液状化粧料、顔料系マーキングインキなどのような、経時的に沈降する不溶解物質を含有する塗布液を内蔵した弁付塗布具に関する。
【0002】
【従来の技術】
修正液、液状化粧料、顔料系マーキングインキといった、顔料などの経時的に沈降する不溶解物質を含有する塗布液は、ある一定の方向のまま保管すると、不溶解物質が沈降するため、下層部の粘度が上昇して流動性が悪くなり、さらにはハードケーキ層を形成してしまうことがある。ところで、上記のような塗布液を用いる弁付塗布具は、その吐出量を調整し易くするため、一般に、塗布先弁部の開口量を微小とし、使用時において、本体を押圧する、或いは内部を加圧するなどの方法により塗布液を吐出させるという機構を採用している。従って、塗布液中の不溶解物質が上記のように沈降すると、弁付塗布具から塗布液が出にくくなったり、著しい場合には、出なくなったりするという問題が生じる。そこで、この種の塗布液を用いる弁付塗布具は、通常、塗布液収容室に金属製ボール等の攪拌体を内蔵し、弁付塗布具を振って、沈降した不溶解物質を再分散してから使用するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、弁付塗布具の軸筒開口部に固着した前軸や、この前軸に固着した塗布先の内部空間は、塗布液収容室に比べ小さく形成しているので、前記攪拌体は前軸や塗布先の内部空間に入り込めない。従って、上記従来の弁付塗布具は、塗布先を下に向けて保管した場合、使用前に弁付塗布具を振って、再分散しようとしても、前軸内や塗布先内の沈降した不溶解物質を再分散することができない。
【0004】
上記前軸内や塗布先内の沈降した不溶解物質は、少量であれば、本体への押圧や内部の加圧を大きくすることによって塗布先より吐出するので、その後は、通常通りの使用が出来る。しかし、前記不溶解物質が多量であったり、ハードケーキ層を形成してしまった場合、塗布液を吐出するには本体への押圧や内部の加圧を大きく且つ長時間必要とし、回復が不可能である場合も有る。本発明は、塗布先を下に向けて長期間保管しても、前軸内や塗布先内における不溶解物質の沈降が少なく、塗布液の吐出低下や、吐出不能といった問題の発生を極力防止できる弁付塗布具を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、「内部を塗布液収容室となした軸筒の開口部に前軸を固着し、この前軸先端に弁機構を有する塗布先を形成してなる弁付塗布具において、前記塗布液収容室に経時的に沈降する不溶解物質を含有する塗布液を収容すると共に、前記塗布先を下に向けて保管した場合に、その前軸内に前記不溶解物質が沈降する弁付塗布具であって、前記塗布液収容室内に攪拌体を配置すると共に、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とを、前記塗布液収容室の塗布液が軸筒を押圧するか、或いは、内部を加圧することによっては通過するが、前記塗布先を下向き方向としたとき、塗布液が常圧では通過できない孔径から毛細管力によって保持される自然落下では通過しない孔径までの貫通孔によって連通し、また、その貫通孔を前記前軸の内部後方に固着した縦断面凸型の中栓の細径部に形成すると共に、その細径部を塗布先の方向に延設したことを特徴とする弁付塗布具。」を要旨とする。
【0006】
【作用】
本発明に係る弁付塗布具は、塗布液収容室と前軸内部の空間とを、塗布液が自然落下で通過しない貫通孔によって連通しているので、塗布液は本体への押圧や内部の加圧によってのみ前軸内部の空間に吐出される。従って、前軸内や塗布先内には、通常少量の塗布液しか存在しないので、前軸内や塗布先内における不溶解物質の沈降量が少なく、少量の沈降は、本体への押圧や内部の加圧を大きくすることによって塗布先より吐出するので、塗布液の吐出低下や、吐出不能といった問題の発生を極力防止できる。
【0007】
図1は参考例を示す全体図であり、図2は図1の要部拡大図である。参照符号1は内部が修正液、液状化粧料、顔料系マーキングインキなどの塗布液収容室2である有底の軸筒である。この軸筒1は、側面を押圧して塗布液を吐出できるように、合成樹脂などの可撓性材料よりなっている。但し、従来知られている加圧ポンプ機構を軸筒1に取り付け、塗布液収容室2を加圧するようになした場合、軸筒1は金属などの剛性材料を用いることもできる。また、この軸筒1の塗布液収容室2内には、沈降した着色材などの不溶解物質を攪拌して、再分散する棒状の攪拌体3が配置されている。この攪拌体3は、沈降した不溶解物質を良好に再分散可能なように、金属などの比重の大きな材質を用いることが好ましい。形状や、個数は任意であって、使用する塗布液の種類や弁付塗布具の大きさなどに合わせて、適宜選択すればよい。上記軸筒1の開口部には、貫通孔4を有する前軸5が螺合、接着、圧入などの適宜手段で固着されている。更に、この前軸5の先端には、塗布液を吐出させる塗布先6が挿入固着されている。この塗布先6は、先端孔7a後端内方に座部7bを形成した管状先体7と、前記先端孔7aより塗布部8aを突出させ、前記座部7bに弁部8bを圧接するよう前方へ、コイルバネよりなる弾撥体9により付勢された弁体8とより形成されている。前記管状先体7は、細い塗布跡を得たい場合には、細い径の管を使用する方が有利である。従って、細い塗布跡用の管状先体7は金属製である方が、強度的に有利である。但し、管状先体7を前軸5と同じ材質で形成することも可能であり、よって、管状先体7を前軸5と一体に形成することも可能である。前記座部7bと弁部8bとは、弁体8が前方に付勢されて圧接する事によって閉弁し、弁体8が後退し圧接が解除される事によって開弁する弁機構を形成している。
【0008】
参照符号10は、前記前軸5内部後方に接着、圧入など適宜の方法で固着された中栓である。この中栓10の中央部には、塗布液が自然落下で通過しない大きさの直管状の貫通孔10aが形成されており、この貫通孔10aによって、前記塗布液収容室2と前軸5内部の空間である貫通孔4とが連通している。中栓10を形成する材料は、塗布液によって亀裂や膨潤などといった、変形を起こさない物質であれば、特に限定されない。また、中栓10の貫通孔10aの長さは特に限定されないが、不溶解物質の沈降により粘度が高くなった一部の塗布液をスムーズに通過させるためには短いほど良い。なお、塗布液が自然落下で通過しない貫通孔10aの大きさとは、塗布先6を下向き方向としたとき、常圧では塗布液が侵入できない程度の孔径から、塗布液が貫通孔10aの毛細管力によって貫通孔内に保持され、孔内の塗布液が、下方からの空気の侵入を防止する程度の孔径(直径約2mm)までを示す。貫通孔10aの横断面形状は、塗布液が自然落下で通過しないという条件を満足すればよく、円形であっても、異形であってもよく、特に限定されない。
【0009】
参考例の弁付塗布具を塗布先6を下にして、保管した場合、塗布液収容室2内の塗布液は、中栓10の貫通孔10aによって前軸5内には移動しない。従って、塗布液収容室2内の塗布液中の顔料などの不溶解性物質が沈降しても、その沈降は、中栓10の塗布液収容室2側端面11bによって停止し、前軸5内や、塗布先6内には入らない。そして、前記端面11b上の沈降物は、攪拌体3によって再分散されるので、塗布液の吐出低下や、吐出不能の原因とはならない。また、前軸5の貫通孔4内に存在する塗布液は小量なので、不溶解性物質が沈降してもその量は少量であり、こちらも塗布液の吐出低下や、吐出不能の原因とはならない。
【0010】
実施例1
図3に実施例1を示す。実施例1は、参考例における中栓10の替わりに、縦断面凸型であり、細径部110c先端を塗布先6側に向け、細径部110c先端110dを塗布先6側に延在した中栓110を用いた以外は、参考例と同様である。本実施例による弁付塗布具は、中栓110の先端110dが実施例1より塗布先6側に位置しているので、参考例の弁付塗布具に比較して、前軸5内に存在する塗布液の量が少なく、沈降量が、より少ない。よって、塗布液の吐出低下や、吐出不能がより抑制される。
【0011】
実施例2
図4に実施例2を示す。実施例2は、参考例における中栓10の替わりに、雄ねじ部320aを有するねじ320と、大径孔部330aと小径孔部330bとを有する管体330とよりなる中栓310を用いた以外は、参考例と同様である。中栓310において、ねじ320は、その雄ねじ部320aを大径孔部330a内に圧入しているが、雄ねじ部320a外壁と大径孔部330a内壁との空間が、塗布液が自然落下で通過しない貫通孔となっている。本実施例による弁付塗布具は、貫通孔が螺旋状になっているため、貫通孔内の沈降量が少なく、塗布液の吐出低下や、吐出不能がより抑制される。
【0012】
【発明の効果】
本発明に係る弁付塗布具は、内部を塗布液収容室となした軸筒の開口部に前軸を固着し、この前軸先端に弁機構を有する塗布先を形成してなる弁付塗布具において、前記塗布液収容室に経時的に沈降する不溶解物質を含有する塗布液を収容すると共に、前記塗布先を下に向けて保管した場合に、その前軸内に前記不溶解物質が沈降する弁付塗布具であって、前記塗布液収容室内に攪拌体を配置すると共に、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とを、前記塗布液収容室の塗布液が軸筒を押圧するか、或いは、内部を加圧することによっては通過するが、前記塗布先を下向き方向としたとき、塗布液が常圧では通過できない孔径から毛細管力によって保持される自然落下では通過しない孔径までの貫通孔によって連通し、また、その貫通孔を前記前軸の内部後方に固着した縦断面凸型の中栓の細径部に形成すると共に、その細径部を塗布先の方向に延設したので、塗布先を下に向けて保管した場合、塗布液に沈降が発生しても、前軸内部や塗布先内部における沈降量が少なく、塗布液の吐出低下や、吐出不能といった問題の発生を極力防止できる優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 先行技術の参考例の縦断面図。
【図2】 図1の要部縦断面図。
【図3】 本発明の第1実施例の要部縦断面図。
【図4】 本発明の第2実施例の要部縦断面図。
【符号の説明】
1 軸筒
2 塗布液収容室
3 攪拌体
4 貫通孔
5 前軸
6 塗布先
10 中栓
10a 貫通孔
110 中栓
110a 貫通孔
310 中栓
Claims (1)
- 内部を塗布液収容室となした軸筒の開口部に前軸を固着し、この前軸先端に弁機構を有する塗布先を形成してなる弁付塗布具において、前記塗布液収容室に経時的に沈降する不溶解物質を含有する塗布液を収容すると共に、前記塗布先を下に向けて保管した場合に、その前軸内に前記不溶解物質が沈降する弁付塗布具であって、前記塗布液収容室内に攪拌体を配置すると共に、前記塗布液収容室と前軸内部の空間とを、前記塗布液収容室の塗布液が軸筒を押圧するか、或いは、内部を加圧することによっては通過するが、前記塗布先を下向き方向としたとき、塗布液が常圧では通過できない孔径から毛細管力によって保持される自然落下では通過しない孔径までの貫通孔によって連通し、また、その貫通孔を前記前軸の内部後方に固着した縦断面凸型の中栓の細径部に形成すると共に、その細径部を塗布先の方向に延設したことを特徴とする弁付塗布具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18830196A JP4132107B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 塗布具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18830196A JP4132107B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 塗布具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1015470A JPH1015470A (ja) | 1998-01-20 |
| JP4132107B2 true JP4132107B2 (ja) | 2008-08-13 |
Family
ID=16221226
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18830196A Expired - Fee Related JP4132107B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 塗布具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4132107B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4795680B2 (ja) * | 2004-12-22 | 2011-10-19 | ゼブラ株式会社 | 液式筆記具並びに液式筆記具の液タンク及び該液タンクに接続するための先口 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP18830196A patent/JP4132107B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1015470A (ja) | 1998-01-20 |
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