JP4133014B2 - 搬送ずれ検出用印字パターン印字方法 - Google Patents
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Description
本発明は、印字ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出して被印字材に画像を印字するインクジェット方式の画像形成装置における、被印字材の搬送ずれ検出用印字パターンの印字方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータやワークステーションなどの出力装置の一つとして、インクを吐出して用紙などの被印字材に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置(インクジェット画像形成装置という)が知られている。このインクジェット画像形成装置は、通常、インクが吐出するノズルが形成された印字ヘッドと、この印字ヘッドを搭載して所定方向に往復移動するキャリッジと、この所定方向に直行する方向(被印字材搬送方向)に被印字材を搬送する被印字材搬送装置とを備えている。
【0003】
用紙に画像を形成する際は、被印字材搬送装置で搬送中の用紙を一時的に停止させ、キャリッジを上記の所定方向に往復動させながら、画像情報を含んだ画像信号に基づいてノズルからインクを吐出し、用紙のうち、ノズルの出口(インク吐出口)に向き合う画像形成領域に位置する部分に1バンド分の画像を形成する。その後、用紙を1バンド分の幅だけ搬送して停止させ、再び、キャリッジを上記した所定方向に往復動させながら、画像信号に基づいてノズルからインクを吐出し、用紙のうち、画像形成領域に新たに位置する部分に画像を形成する。このような動作を繰り返すことにより、用紙に画像を形成する。
【0004】
上記インクジェット方式の画像形成装置などのようにインクを吐出する画像形成装置では、印字ヘッドの印字幅すなわちノズル幅(ノズル列の長さに相当)分の印字を行った後、被印字材をノズル幅分搬送して、再びノズル幅分の印字を行う、という動作を繰り返すので、搬送誤差に起因して、ノズル幅分の用紙搬送量が大きすぎる場合にはバンドのつなぎ目に隙間が発生し、小さすぎる場合にはつなぎ目が重なってしまうという問題が生じる。また、マルチパス印字時においても、搬送誤差がある場合には、ドットが注目画素に対してずれるため画像ムラが生じる。このように被印字材搬送装置には所定の公差がある一方、ヘッドのノズル幅にも所定の公差があり、これも上記のような問題の原因となりうる。
【0005】
また最近ではインクジェット画像形成装置の解像度は微細なものになり調整もより微細に設定可能になっている。
【0006】
これに対して従来はヘッドやメディアを交換するたびにユーザが搬送ずれ検出用印字パターンなどによって、被印字材の搬送量を調整していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、用紙搬送量の分解能の向上とともにその調整量も微細となってきている。例えば、従来1ドットないし1/2ドット程度であった搬送調整量が1/7ドット程度にまで向上してきた。しかし、このような搬送量の微細な調整が可能な装置ではユーザが搬送ずれ検出用印字パターンを印字しても最適値を検知するのは困難な作業であり、その調整値の選択は必ずしも正確ではない場合があった。なお、搬送ずれ検出用印字パターンにおいて人間の目に分からない程度の搬送ずれであれば問題ないとも言えるが、印字の対象となる画像やパターンによってはより顕著にその搬送ずれが認識される場合もありうるので、搬送調整量の微細化を有効に利用するためにも、より正確な搬送ずれ調整が望まれる。
【0008】
本発明の目的は、被印字材の搬送ずれを容易に認識することができる搬送ずれ検出用印字バターン印字方法を提供することにある。
【0009】
本発明による搬送ずれ検出用印字パターン印字方法は、インクを吐出するための印字ヘッドを被印字材の所定領域に対して複数回走査させるとともに、前記走査と走査の間に前記所定領域の幅だけ前記被印字材を搬送して画像を形成するインクジェット画像形成装置において、前記被印字材の搬送ずれを検出するための搬送ずれ検出用印字パターンを印字する方法であって、前記印字ヘッドの3回以上の走査と該印字ヘッドの3回以上の走査の間に行われる前記被印字材の搬送とにより、第1の分割部分と第2の分割部分とが前記印字ヘッドの走査方向にずれて成る前記搬送ずれ検出用印字パターンを形成する第1の工程と、前記印字ヘッドの3回以上の走査の問に行われる前記被印字材の搬送の搬送量を異ならせて前記第1の工程を繰り返し、前記第1の分割部分と第2の分割部分との前記被印字材の搬送方向に対する相対的なずれ量が異なる複数の前記搬送ずれ検出用印字パターンを形成する第2の工程とを有し、前記第1の工程において、前記第1の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査と前記第2の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査との間に、前記印字ヘッドの3回以上の走査の間に行われる前記被印字材の搬送を複数回介在させ、前記第1の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査および前記第2の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査以外の走査では記録を行わないことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて、詳細に説明する。
【0023】
まず、図1を参照して本発明のインクジェット画像形成装置の一例であるプロッタの主要部の外観構成を説明する。図1は、プロッタの概略構成を示す斜視図である。
【0024】
プロッタ10は、矢印A方向に搬送される用紙(被印字材)12が載置されるプラテン14を備えている。このプラテン14の上方には、プラテン14に対して平行に2本の走査レール(ガイドレール)16が掛け渡されている。この走査レール16にはモータ(図示せず)とベルト18によって矢印B,C方向(矢印A方向に直交する方向)に往復動するキャリッジ20がスライド軸受け(図示せず)を介して取り付けられている。
【0025】
キャリッジ20には、インクを吐出するインク吐出口(ノズルの出口であり、図示せず)を有する4つの印字ヘッド22K(ブラック)、22C(シアン)、22M(マゼンタ)、22Y(イエロー)が搭載されている。インク吐出口の前方は、画像が形成される画像形成領域23である。用紙12のうち画像形成領域23に位置する部分にインク吐出口からインクが吐出され、これにより、この部分に画像が形成される。
【0026】
ロール紙などの用紙12に画像を形成するに当っては、プラテン14に用紙12を載置し、プラテン14に形成された開口部から外周面の一部を露出した搬送ローラ24と、用紙12の両端部を上方から押えるピンチローラ26とによって用紙12を挟持しながら、搬送モータ(図示せず)によって搬送ローラ24を回転させて用紙12を搬送する。用紙12の上方でキャリッジ20を矢印B,C方向に往復動させ、印字制御部102(図2参照)から各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yに送信された画像情報を担持する画像信号に基づいてノズルからインクを吐出して、用紙12のうち、画像形成領域23に位置する部分に画像を形成する。画像を形成し終ると、キャリッジ20に搭載されたカッタ(図示せず)を所定位置まで飛び出させて用紙12を所定サイズに裁断する。
【0027】
図2は、図1に示したプロッタの制御ハードウェアの構成を示すブロック図である。同図に示すプロッタは、印字制御部102およびヘッド22を有し、印字制御部102にはリニアスケールセンサ19、主走査モータ(キャリッジモータ)105および副走査モータ(搬送モータ)118、その他各種センサ等が接続されている。また、印字制御部102には、イメージスキャナ、パソコン、CAD装置等からなる外部装置101を接続することができる。
【0028】
このプロッタは、外部装置101から転送されてくる画像データIN_DATAに基づき、ヘッド22を用いて用紙上に画像を形成する。印字制御部102がそのために必要な信号の生成を行う。印字制御部102は、メモリコントロール部107、画像メモリ108、データマスク部109、マスクメモリ部110(110a,110b)、リニアスケールカウント部111、印字トリガ生成部112、ヘッド制御信号生成部113、主走査モータ制御信号生成部114、CPU115、メモリ116、副走査モータ制御信号生成部117から構成されている。その中でも、CPU115は画像データが転送されてくる外部装置101とのインターフェースを行うと共に、メモリ116やI/O等、印字制御部102全体の動作のコントロールを行う。
【0029】
より具体的には、外部装置101から画像データIN_DATAが転送されてくると、CPU115からの命令下で、メモリコントロール部107を経由して数バンド分の画像データを画像メモリ108に一時保持する。本発明の搬送ずれ検出用印字パターンの印字の指示もメモリコントロール部107で判断される。
【0030】
前記のデータ処理により、画像メモリ108に数バンド分の画像データを格納後、印字スキャンを開始して、順次画像メモリ108から画像データの読み出しを開始する。この際、メモリコントロール部107は、外部装置101からの画像データの入力と、ヘッド22への画像データの読み出しを時分割に行うための、画像メモリ108のバス選択処理を行う。
【0031】
尚、本実施の形態では、前述したようにリニアスケールを配置していて、リニアスケールセンサ19からキャリッジ20のスキャンに同期して出力される90度位相のずれた2相の信号LINSCL_A/LINSCL_Bを用いて、画像データOUT_DATAの出力およびヘッド駆動信号の生成、キャリッジの位置管理、主走査モータの速度制御等の、印字制御の同期をとっている。また2相の信号LNSCL_A/LINSCL_Bの位相関係からキャリッジの移動方向の検出を行う。さらに、この2相の信号からリニアスケールカウント部111で、キャリッジの移動量をカウントし、CPU115で指定された位置情報に基づいて、画像メモリ108からデータを読み出す領域とヘッド制御信号を生成する領域信号(WINDOW)の生成を行う。印字トリガ生成部112では、リニアスケールカウント部111と同様にリニアスケールセンサ19から出力される2相の信号から、印字タイミング信号(HSYNC)を生成する。メモリコントロール部107およびヘッド制御信号生成部113では、WINDOW信号とHSYNC信号の両方がイネーブルとなっているタイミングで、画像メモリ108からの画像データの読み出しとヘッド制御信号の生成が行われる。
【0032】
画像メモリ108から読み出された画像データは、データマスク手段を構成するデータマスク部109でマルチパス印字のためのデータマスク処理が行われる。そのために、ページ印字開始前に、CPU115によりデータマスク部109を経由してマスクメモリ部110aに、印字パス数に応じたマスクパターンをデータライトしておく。印字開始後に、キャリッジ20が駆動されてヘッド22が印字領域に達したときに、HSYNC信号に同期して、画像メモリ108から画像データをリードし、同時にマスクメモリ部110からマスクデータをリードして、データマスク部109で画像データをマスクデータに応じてマスクしてヘッド22に出力する制御を行う。また、本実施の形態における搬送ずれ検出用印字パターンの印字のための予め定めた搬送ずれ検出用マスクパターンをマスクメモリ部110bとして設けている。なお、本明細書では、印字ヘッドのノズル幅の公差に起因するずれも含めて「搬送ずれ」という用語を用いる。
【0033】
ヘッド制御信号生成部113では、前記WINDOW信号とHSYNC信号に応じて、ヘッドの各ブロックの選択信号BENBとヒータ駆動のパルス信号HENBのインクの吐出に必要な信号の生成を行う。本例では、1280ノズルで構成されているヘッド22を24ブロックに分けて使用しているため、24個のブロックイネーブル信号BENBが存在する。ヘッド制御信号生成部113は本発明における、パス数分に分割されたノズル領域単位にノズルマスクを行うノズルマスク手段の機能も有する。データマスク部109から出力される画像データOUT_DATA、および、ヘッド制御信号生成部113から出力されるブロックイネーブル信号BENB0〜23、ヒータ駆動のパルス信号HENB等はヘッド22に転送され、ヘッド22内の制御回路で、各画像データOUT_DATAとイネーブル信号(BENB,HENB)がイネーブルになっているノズルのみヒータがONし、インク滴が吐出されて印字用紙に付着し、複数のパスで1バンド分の画像を形成する。
【0034】
図3により、単一インク色ヘッドを用いた4パス印字の場合を例に挙げ、マルチパス印字の一例を説明する。この例では、ヘッドの記録幅に相当する1バンドを4つのノズル領域I, II, III, IVに分割し、用紙は4分の1バンドの移動量ずつ搬送していく。印字開始後の1パス目の印字では、用紙の先端の余白M分だけ内側の位置がヘッドの領域IとIIの境界に一致するように位置決めされる。このとき、領域Iのみが能動化され、領域II, III, IVは無効化(すなわち全ノズルマスク)される。また、領域Iには第1のマスクパターンによるマスクが印字データに掛けられる(印字データとマスクデータの論理積がとられる)。この印字データは1バンド目の先頭4分の1のデータである。
【0035】
2パス目の印字では、用紙が1/4バンドだけ進められ、領域I, IIのみが能動化される。領域Iの印字データには第1のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIの印字データには第2のマスクパターンによるマスクが掛けられる。このときの領域I, IIの印字データは、1バンド目の先頭4分の2のデータである。
【0036】
3パス目の印字では、用紙がさらに1/4バンドだけ進められ、領域I, II, IIIのみが能動化される。このとき、領域Iの印字データには第1のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIの印字データには第2のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIIの印字データには第3のマスクパターンによるマスクが掛けられる。このときの領域I, II, IIIの印字データは、1バンド目の先頭4分の3のデータである。
【0037】
4パス目の印字では、用紙がさらに1/4バンドだけ進められ、以降、ヘッドの全領域I, II, III, IVが能動化される。このとき、領域Iの印字データには第1のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIの印字データには第2のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIIの印字データには第3のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IVの印字データには第4のマスクパターンによるマスクが掛けられる。このときの領域I, II, III, IVの印字データは、1バンド目のすべてのデータである。
【0038】
通常印字のための第1から第4のマスクパターンは元の印字データの一部を間引くものであり、互いに重複せず、かつ、各マスクパターンのマスクを通過するドットの集合は元の印字データに一致するようになっている。マスクパターンの生成方法としては、予め定めた固定的なマスクパターンを用いる方法と、記録ドットと非記録ドットとが乱数的に配列されたランダム・マスタパターンを用いる方法とがある。このときの領域I, II, III, IVの印字データは、1バンド目の全体のデータである。搬送ずれ検出用印字パターンの印字のための第1から第4のマスクパターンの具体例については後述する。
【0039】
いずれにせよ、マルチパス印字により、一つのライン(バンド内の水平ライン)について異なる複数のノズルを用いて印字することになり、ノズル形成精度の影響を排除し、濃度ムラを抑えた高品位な画像を形成することができる。換言すれば、用紙上の1パス分の幅の画像領域内の画像はパス数分の互いに補完する画像部分(ドット群単位)に分割され、各画像部分はヘッドのノズル領域I, II, III, IVに分担して印字される。各パスでどの画像部分を印字するかはマスクパターンによって定まる。また、マルチパス印字では、インクを乾かしながら印字していくという効果も同時に達成できる。
【0040】
図4,図5のマルチパス概略図を用いてマルチパス印字の概略について説明する。
【0041】
図4は、ヘッド22のノズル幅分の1バンドの概略の印字完成図であり、図中aは印字ドット(実際には印字ドット群)を示している。図5は図4に示した1バンドをマルチパス印字する印字手順を説明するための図である。ここでは図3と同様、4パス印字の例を示している。図5中、B,Cはキャリッジ操作方向、Aは紙送り方向、Dは一回の紙送り量を示している。また▲1▼〜▲4▼は印字に使用する不図示の印字ヘッドの使用ノズル番号(実際には複数のノズルに相当)を示している。
【0042】
通常、図4のように所定の紙送りDを繰り返し更にこの紙送り1回に対して一回のキャリッジ操作によって画像を形成していくとき、図4のドットを4パスのマルチパス印字により形成する為には、一例として、図4の各印字ドットに対して図5に示したような使用ノズルのような関係になる。
【0043】
図6以降は本実施の形態にかかる用紙の搬送量の具体的な調整方法について説明する。
【0044】
図6(a)は1パス目画像(第1の分割部分)51と2パス目画像(第2の分割部分)52が用紙搬送方向において一致している適正な印字画像を模式的に示した図である。ずれ量d1は0である。図6(b)は図6(a)と同じ画像であるが、紙送り量に誤差があるために1パス目画像51と2パス目画像52とが用紙搬送方向においてずれている状態を示している。そのずれ量d2は非0である。
【0045】
通常、図6(b)のように紙送りが適正でないと、完成する画像は行間に黒いスジや白いスジが発生し汚い画像になってしまう。しかしながら、前述したように現在のインクジェット画像形成装置の出力解像度は非常に精細になっているので、ずれ量が小さい場合には1パス目と2パス目でずれを例えば目視で比較しても、適正値を判断することは非常に難しくなってきている。ましてや通常のnパス印字においてnパスの重ね印字をした状態で紙送り状態を確認するのは困難である。
【0046】
そこで、本実施の形態では搬送ずれ検出用印字パターンを1パス目と2パス目で印字するのではなく、2パス以上の差を設けて、例えば、本例では1パス目と4パス目で搬送ずれ検出用印字パターンを印字するようにした。これにより、図7に示すように、1パス目画像51と4パス目画像54では、そのずれ量d3は、図6(b)と同じ条件であれば、そのずれ量d2を3倍に拡大されることになる。その拡大率は使用するパスの差に相当する。すなわち、nパス目とmパス目(m>n)を利用する場合には1パス差の場合の(m−n)倍の拡大率が得られる。本発明では(m−n)が2以上となるように使用するパスを選定する。
【0047】
図8は、単位補正量を基準にして搬送方向の補正量を段階的に(−2から+2まで)変化させた場合の搬送ずれ検出用印字パターンの印字結果を示している。この印字の指示は、外部からまたはプロッタの操作パネル(図示せず)から行うことができる。この搬送ずれ検出用印字パターンは、搬送ずれを目視で認識しやすくなるように、プロッタの搬送量の補正値を段階的に変えて搬送ずれ検出用印字パターン50を複数回印字したものである。図中、点線部55が補正値切り換えタイミングを示している。(この点線部55は説明のためのものであり、実際に印字されるものではない。)図8の印字結果は、搬送ずれが0の場合を示しており、補正値が0の位置で1パス目画像51と4パス目画像54とはその高さ(搬送方向位置)が一致している。これに対して、図9の同様の出力結果を見ると、補正値が+1の搬送ずれ検出用印字パターンについて1パス目画像51と4パス目画像54の高さが一致している。これは、補正値+1に相当する搬送ずれがあることを示している。手動補正の場合、例えば、ユーザはこの補正値を入力または選択することにより、プロッタに対して適正な補正量を知らせて、当該搬送ずれを適正に補正することができる。
【0048】
なお、図における「補正値」の文字(−2,−1,0,+1,+2)は予め所定位置に印刷されている用紙を用いてもよいし、図11で後述するように、マスクパターンに文字印刷領域を設けて、所定のパスで補正値を表す識別子(数字等)を印字するようにしてもよい。
【0049】
この例では、4パス送りによってずれを確認し最適値を見つけ出したとき、実際に印字するモードが2パス印字のときは4パスで測定したときの値を2倍にし、また8パスで印字するときには1/2の値を計算によって出すことができ、実際のマルチパス印字時の印字パス数によらず最適な紙送り補正(搬送量補正)を可能とする。
【0050】
また、この調整方法ではnパス目を4パス印字の1パス目、mパス目を4パス印字の4パス目としたが、本発明で用いうるパス数は4パスに限るものではなく、最小3パス以上であればよい。また、そのうちのどのパスを利用するかは、搬送ずれの拡大率を上げる意味からは最初と最後のパスを利用することが好ましいが、少なくとも2パス以上離れたパスであれば足りる。搬送ずれ検出パターン印字に用いる最大パス数は本体の印字で利用される最大の印字パス数を上限とする必要もない。
【0051】
図10に、マスクメモリ部110bに格納する搬送ずれ検出用マスクパターン90の一例を示す。このマスクパターン90は、搬送ずれ検出用印字パターンとしてヘッド走査方向に伸びる直線状の画像を形成するためのものであり、縦1280ドット×横512ドットのサイズを有する。縦1280ドットはヘッドの全ノズル数に相当している。このマスクパターンの全体の領域を4パス印字のために均等に4行に分割し、各行を左右に2等分している。このような領域分割された1パス目の左側領域91と4パス目の右側領域92のみを非マスク領域とし、他の領域をマスク領域とする。但し、領域91,92の非マスク領域は、必ずしもその領域内の全ドットを非マスク状態にする必要はない。1パス目と4パス目のマスクパターンは補完関係にあるが、領域91と領域92のマスクパターンは同じであってよい。(図においてハッチの種類を異ならせているのは単にパスの違いを表すためである。)領域91と領域92のマスクパターンは全ドット非マスクであってもよいし、所定の濃度(例えば50%)のハーフトーン状のマスクであってもよい。印字画像データとしては1パス分の搬送量に相当する1/4バンド分の全ドットONのいわゆるベタ画像に対し、このマスクパターンを用いて4パス印字すれば、印字ヘッドの走査方向に沿って伸びる直線状の画像(縦320×横256ドット)が得られる。但し、搬送ずれがある場合には、その画像の第1の分割部分と第2の分割部分とは上下にずれることになる。すなわち、1パス目の左側領域91と4パス目の右側領域92とは、印字ヘッドの走査方向に沿って伸びる直線状の画像の第1の分割部分と第2の分割部分とに相当する。なお、図10の例では領域91,92の全体を直線状画像の出力に利用したが、その一部のみ(例えば縦数ドット分の高さ分のみ)を利用するようにしてもよい。すなわち、1/4パスの領域幅の範囲内で「直線状画像」の太さは任意である。その場合、領域91,92でその領域内の位置を合わせる必要がある。
【0052】
図10に示したような搬送ずれ検出用マスクパターンを用いて、通常印字と同じように印字することで図7に示したような簡単に搬送ずれ検出用印字パターンを印字することができる。更に段階的に補正値を切り換えながら、この搬送ずれ検出用マスクパターンを使用することにより、図8,9に示したような搬送ずれ検出用印字パターンを印字することができる。
【0053】
次に、マスクメモリ部110bに格納する他の搬送ずれ検出用マスクパターンの例を本発明の第2の実施の形態として説明する。プロッタ本体の構成は第1の実施の形態と同様である。また搬送ずれを拡大して搬送ずれ検出用印字パターンを印字する方法も同じである。
【0054】
図11は本実施の形態で使用する搬送ずれ検出用マスクパターン70の構成例を示している。このマスクパターン70は、第1の実施の形態における図10のマスクパターン90がヘッド走査方向(水平方向)に伸びる直線状の画像(横線)によって紙送りのずれを表現しているのに対して、本実施の形態では紙送りのずれを面で表現できるように構成されている。このマスクパターンは、その全体の領域を4パス分に相当する4行に均等領域に分けるとともに、各行の領域を均等の4列に分割している。図の例では、各列は文字印字領域71、基準領域72、比較領域73および基準領域74を構成している。1行の高さは320ドット、1列の幅は128ドットである。図中ハッチを施した部分が非マスク領域である。但し、前述したように非マスク領域であってもその中の全ドット非マスク状態である必要はない。ここで搬送ずれ検出の用途として重要な領域は比較領域73である。比較領域73はさらにその内部で4行に均等に分割されている。各行の高さは80ドットである。分割部分731、732が本発明における第1の分割部分に相当し、分割部分733、734が第2の分割部分に相当している。比較領域73以外の他の領域は必ずしも必須ではないが、比較領域73に対して水平方向の少なくとも1側に隣接して基準領域72を設けることにより、比較領域内73での搬送ずれに起因する画像むらの認識が容易になる。図の例では、比較領域73をその左右両側から挟み込むように2つの基準領域72,74を設けている。図11の例ではさらに、各行に文字印字領域71を設けている。この位置は図では行の先頭位置であるが、これに限らない。例えば、行の最後の位置であってもよい。この文字領域71は、段階的に補正値を変えた複数の搬送ずれ検出用印字パターンを印字する際に、その補正値を表す識別子(ここでは数字)を印字するために使用する。この場合、文字領域71について用いる印字データはベタ画像ではなく当該識別子を表すフォントのデータである。基準領域72,74および比較領域73については1パス分の搬送量に相当する1/4バンド分の全ドットONのいわゆるベタ画像を用いる。
【0055】
図11のマスクを用いて搬送ずれ検出用印字パターンを印字すると、基準領域72,74は1パスで画像を形成する為、均一なパターンになる。これに対して比較領域は1パス目と4パス目が組み合わさって均一なパターンを形成する様にできている。そのため、搬送ずれがあると均一なパターンが形成できない。
【0056】
図12及び図13に補正値を段階的に変えた場合の搬送ずれ検出用印字パターンの比較部のみを拡大して模式的に図示した印字例を示す。図において、斜め線のハッチを施した部分が1パス目で印字される領域であり、縦線のハッチを施した部分が4パス目で印字される領域である。ここでは、搬送ずれがない場合を示している。すなわち、補正値0で比較領域内の画像濃度が均一となっている。0以外の補正値では面状の画像の重複や離間が生じ、これが画像ムラとなっていることが分かる。搬送ずれがある場合にはそのずれ量に応じた補正値の印字パターンについて画像ムラがなくなる。したがって、画像ムラのない印字パターンの補正値が目的の補正値となる。
【0057】
図14は、図11に示した搬送ずれ検出用マスクパターンを用い、補正値を複数段階に変えて複数の搬送ずれ検出用印字パターンを印字した例を示す。ここでは補正値として−4から+4まで段階的に変化させている。ここでは搬送ずれがない場合(補正値0で濃度均一)を示している。この図では「補正値切り換えタイミング」は図示しないが、図8、図9と同様である。
【0058】
このような搬送ずれ検出用印字パターンは目視による適切な補正値の確認が簡単にできるが、キャリッジなどに印字濃度が検出できるセンサを取り付けて印字領域をスキャンして濃度比較で最適な補正値を自動で決定することも可能である。
【0059】
また、本発明にあげる調整方法では1パス目の印字と最後のパスの印字の画像を補完させて調整を行う場合、その間のパスでのキャリッジ走査(およびヘッドによる印字)は不要のため、途中は紙送りだけを行いキャリッジ走査を省略することで印字時間を短縮することができる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、請求の範囲を逸脱することなく、種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、プロッタについて説明したが、本発明はマルチパス印字の機能を有する任意の画像形成装置に適用可能である。また、上述した実施の形態における具体的な各種数値、個数、順序等はあくまで例示であり、本発明は必ずしもそれらに限定されるものではない。図8,図9,図14に示した印字パターンはヘッド走査方向に反復して形成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送ずれ検出用印字パターンを第1の分割部分と第2の分割部分に分割して、それぞれを2パス以上離れた別のパスで印字することにより、1パス当たりの搬送ずれを拡大して印字することが可能となる。これにより、目視であれ、自動であれ、より適切な搬送ずれ補正値を求めることが容易になる。
【0062】
また、インクジェット画像形成装置に内蔵するマルチパス印字のためのマスク機能を用いることにより、搬送ずれ検出用印字パターンの印字が簡単に行える。
【0063】
更に第1の分割部分の印字から第2の分割部分の印字までの間はキャリッジ動作を行わず被印字材の搬送のみを行うようにすれば、搬送ずれ検出用印字パターンの印字時間を短縮することもできる。
【0064】
さらにまた、ヘッドのノズル列の用紙搬送方向の最上流領域の数ノズルで印字し、用紙を数パス分搬送後、ヘッドのノズル列の最下流領域の数ノズルで先に印字した画像に補完するように印字することにより、搬送ずれがある場合は拡大して確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したプロッタの制御ハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図3】単一インク色ヘッドを用いた4パス印字の説明図である。
【図4】図1のプロッタのヘッドのノズル幅分の1バンドの概略の印字完成図である。
【図5】図4に示した1バンドをマルチパス印字する印字手順を説明するための図である。
【図6】1パス目画像(第1の分割部分)と2パス目画像(第2の分割部分)が用紙搬送方向においてずれる例(a)(b)を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかる、搬送ずれを拡大して印字する搬送ずれ印字パターンの説明図である。
【図8】単位補正量を基準にして搬送方向の補正量を段階的に(−2から+2まで)変化させた場合の、図7の搬送ずれ検出用印字パターンの印字結果を示す図である。
【図9】搬送ずれがある場合の図8相当の搬送ずれ検出用印字パターンの印字結果を示す図である。
【図10】図1のマスクメモリ部110bに格納する搬送ずれ検出用マスクパターンの一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態で使用する搬送ずれ検出用マスクパターンの構成例を示す図である。
【図12】補正値を段階的に変えた場合の図11の搬送ずれ検出用印字パターンの比較部のみを拡大して模式的に図示した印字例(a)(b)(c)(d)(e)を示す図である。
【図13】図12と異なる補正値の搬送ずれ検出用印字パターンの比較部のみを拡大して模式的に図示した印字例(a)(b)(c)(d)を示す図である。
【図14】図11に示した搬送ずれ検出用マスクパターンを用い、補正値を複数段階に変えて複数の搬送ずれ検出用印字パターンを印字した例を示す図である。
【符号の説明】
10 プロッタ
20 キャリッジ
22,22K,22C,22M,22Y 印字ヘッド
70,90 搬送ずれ検出用マスクパターン
101a,101b マスクメモリ部
102 印字制御部
105 主走査モータ
107 メモリコントロール部
109 データマスク部
113 ヘッド制御信号生成部
114 主走査モータ制御信号生成部
115 CPU
117 副走査モータ制御信号生成部
118 副走査モータ(搬送モータ)
Claims (2)
- インクを吐出するための印字ヘッドを被印字材の所定領域に対して複数回走査させるとともに、前記走査と走査の間に前記所定領域の幅だけ前記被印字材を搬送して画像を形成するインクジェット画像形成装置において、
前記被印字材の搬送ずれを検出するための搬送ずれ検出用印字パターンを印字する方法であって、
前記印字ヘッドの3回以上の走査と該印字ヘッドの3回以上の走査の間に行われる前記被印字材の搬送とにより、第1の分割部分と第2の分割部分とが前記印字ヘッドの走査方向にずれて成る前記搬送ずれ検出用印字パターンを形成する第1の工程と、
前記印字ヘッドの3回以上の走査の問に行われる前記被印字材の搬送の搬送量を異ならせて前記第1の工程を繰り返し、前記第1の分割部分と第2の分割部分との前記被印字材の搬送方向に対する相対的なずれ量が異なる複数の前記搬送ずれ検出用印字パターンを形成する第2の工程とを有し、
前記第1の工程において、前記第1の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査と前記第2の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査との間に、前記印字ヘッドの3回以上の走査の間に行われる前記被印字材の搬送を複数回介在させ、前記第1の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査および前記第2の分割部分を形成する前記印字ヘッドの走査以外の走査では記録を行わないことを特徴とする搬送ずれ検出用印字パターン印字方法。 - 前記第1の分割部分および前記第2の分割部分を形成する前記印字ヘッドの3回以上の走査のうち、最初の走査により前記第1の分割部分が形成され、最後の走査により前記第2の分割部分が形成されることを特徴とする請求項1に記載の搬送ずれ検出用印字パターン印字方法。
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