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JP4133856B2 - 吸着燃焼式ガスセンサを用いたガス検知方法及びその装置 - Google Patents
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JP4133856B2 - 吸着燃焼式ガスセンサを用いたガス検知方法及びその装置 - Google Patents

吸着燃焼式ガスセンサを用いたガス検知方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、吸着燃焼式ガスセンサを用いたガス検知方法及びその装置に関する。
従来、ガス漏れ検知等のために、本出願人により下記特許文献1で示すようなガス検知方法及びその装置が提案されている。この方法及び装置は、酢酸やエタノール等の極性の大きなガスの吸着作用に着目して、図12に示すように、通電直後における吸着燃焼式ガスセンサの出力のガス種特有のピーク値を取得し、このピーク値と被検知ガスに対応する予め格納されたピーク値データとを比較し、この比較結果に基づき被検知ガスを検知するようにしている。
すなわち、この方法及び装置は、非通電時にセンサに吸着したガスが、通電時に燃焼する際に得られる通電直後のガス種特有のピーク値を利用することにより、低濃度においても大きなセンサ出力を取得して検出精度を改善している。
なお、この従来例は以下の文献に示されている。
特願2002−228491号公報
ところが、このようなピーク値を利用したガス検知方法及びその装置にも更なる改善の余地があることがわかった。すなわち、上記従来の方法及び装置においては、通電時には吸着燃焼式ガスセンサが400℃程度に過熱される一方で、非通電時には吸着燃焼式ガスセンサは室温付近まで低下する。このため、吸着燃焼式ガスセンサは、非通電時には被検知ガスと共に大気中の水分も吸着してしまう。
そうすると、通電直後に得られるガス種特有のピーク値は、吸着した水分燃焼の影響も受けることになり、これが本来のガス種特有のピーク値にも影響することがわかった。すなわち、上記従来の方法及び装置は、非通電時の温度及び湿度の影響を受けやすい反応機構を含んでいることがわかった。したがって、従来の方法及び装置には、センサ周囲の温度及び湿度により、検出精度が変動する可能性があることがわかった。
よって本発明は、上述した現状に鑑み、センサ周囲の温度や湿度の影響を受けることなく、所望のガスを正確に検知することができる、吸着燃焼式ガスセンサを用いたガス検知方法及びその装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のガス検知方法は、吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するためのピーク値が取得できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返し、前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力のピーク値を取得し、該取得したピーク値と前記被検知ガスに対応する予め格納されたピーク値データとを比較して、その比較結果に基づき前記被検知ガスを検知することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間中には吸着燃焼式ガスセンサに対する水分の吸着を防ぐための温度が100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内に維持されるように通電するようにしている。このため、従来非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載のガス検知方法は、吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するための積分値が演算できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返し、前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力の積分値を演算し、この演算値と前記被検知ガスに対応する予め格納された基準となる積分値データとを比較して、その比較結果に基づき前記被検知ガスを検知することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間中には吸着燃焼式ガスセンサに対する水分の吸着を防ぐための温度が維持されるように通電するようにしている。このため、従来非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。
上記課題を解決するためになされた請求項3記載のガス検知方法は、請求項1又は請求項2記載のガス検知方法において、前記第1所定時間においては、前記燃焼開始温度にできるだけ近い温度で吸着燃焼式ガスセンサを加熱ることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間においては、燃焼開始温度にできるだけ近い温度で加熱することにより、ガス検知時のセンサ出力に対する影響をより小さくすることができる。
上記課題を解決するためになされた請求項4記載のガス検知方法は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガス検知方法において、前記第2所定時間においては、前記吸着燃焼式ガスセンサの出力が飽和状態になるような温度領域で吸着燃焼式ガスセンサを加熱することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するためのピーク値が取得できる、あるいは、積分値が演算できる第2所定時間においては、吸着燃焼式ガスセンサの出力が飽和状態になるような温度領域で吸着燃焼式ガスセンサを加熱することにより、ガス検知時により大きな値のセンサ出力を得ることができる。
上記課題を解決するためになされた請求項5記載のガス検知方法は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のガス検知方法において、前記被検知ガスは、有極性ガスである、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、有極性ガスとして典型的な酒や調味料を起因とする酢酸やエタノール等を正確に検知できる。
上記課題を解決するためになされた請求項6記載のガス検知装置は、吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するためのピーク値が取得できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返すセンサ駆動制御手段と、前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力のピーク値を取得するピーク値取得手段と、前記被検知ガスに対応する前記第2所定時間におけるピーク値データを予め格納する格納手段と、前記ピーク値取得手段にて検知されたピーク値と、前記格納手段に格納されるピーク値データとを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき前記被検知ガスを検知してその結果を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間中には吸着燃焼式ガスセンサに対する水分の吸着を防ぐための温度が維持されるように通電するようにしている。このため、従来非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。
上記課題を解決するためになされた請求項7記載のガス検知装置は、吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するための積分値が演算できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返すセンサ駆動制御手段と、前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力の積分値を演算する積分値演算手段と、前記被検知ガスに対応する前記第2所定時間における基準となる積分値データを予め格納する格納手段と、前記積分値演算手段にて演算された積分値と、前記格納手段に格納される積分値データとを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき前記被検知ガスを検知してその結果を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間中には吸着燃焼式ガスセンサに対する水分の吸着を防ぐための温度が維持されるように通電するようにしている。このため、従来非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。
請求項1及び請求項2記載の発明によれば、、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間中には吸着燃焼式ガスセンサに対する水分の吸着を防ぐための温度が維持されるように通電するようにしている。このため、従来非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。したがって、センサ周囲の温度や湿度の影響を受けることなく、所望のガスを正確に検知することができる。
請求項3記載の発明によれば、、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間においては、燃焼開始温度にできるだけ近い温度で加熱することにより、ガス検知時のセンサ出力に対する影響をより小さくすることができる。したがって、所望のガスをより正確に検知することができる。
請求項4記載の発明によれば、吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するためのピーク値が取得できる、あるいは、積分値が演算できる第2所定時間においては、吸着燃焼式ガスセンサの出力が飽和状態になるような温度領域で吸着燃焼式ガスセンサを加熱することにより、ガス検知時により大きな値のセンサ出力を得ることができる。したがって、所望のガスを更に正確に検知することができる。
請求項5記載の発明によれば、有極性ガスとして典型的な酒や調味料を起因とする酢酸やエタノール等を正確に検知できる。したがって、これらを正確に検知することにより誤警報を防止することができる。
請求項6及び請求項7記載の発明によれば、、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間中には吸着燃焼式ガスセンサに対する水分の吸着を防ぐための温度が維持されるように通電するようにしている。このため、従来非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。したがって、センサ周囲の温度や湿度の影響を受けることなく、所望のガスを正確に検知することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜図3を用いて、本発明の構成について説明する。図1は、本発明のガス検知装置の一実施形態を示すブロック図である。図2は、図1のガス検知装置に用いられる駆動波形の一例を示すタイムチャートである。図3(A)、図3(B)及び図3(C)はそれぞれ、図1のガス検知装置に用いられる吸着燃焼式ガスセンサの平面図、背面図及びAA線断面図である。
図1に示すように、本ガス検知装置1は、コントローラ10、駆動電源20、ガス検知出力手段30及び検出用のブリッジ回路を含む吸着燃焼式ガスセンサ40を含んで構成される。コントローラ10には、駆動電源20、ガス検知出力手段30及び吸着燃焼式ガスセンサ40が接続されている。
本ガス検知装置1では、図2に示すような駆動パルスが供給されて吸着燃焼式ガスセンサ40が通電制御され、このセンサ40のセンサ出力に基づいて所望のガス種が検知され出力される。この検知の原理は、吸着燃焼式ガスセンサ40の通電開始時点からセンサ出力が安定する定常時点までの立上り期間におけるセンサ出力が、特定種のガスに対して固有のピーク波形を呈することを利用するものである。
例えば、図12に示したように、有極性ガスは特異なピーク波形を呈するが、とりわけ、30秒オフ後の通電期間において最も顕著にピークが現れることがわかっており、本実施形態では、この現象を有効に利用するようにしている。すなわち、図2に示すように、30s(秒)のロー(Low)期間Tl後の200msのハイ(High)期間Thにおいて、センサ出力を取得するようにしている。ハイ期間Thでは、センサが400℃程度に維持され、ロー期間Tlでは、センサが200度程度に維持されるように、通電されることが好ましい。この理由は後述する。このような駆動パルスが継続的に繰り返し吸着燃焼式ガスセンサ40に与えられる。なお、ロー期間Tlは請求項の第1所定時間に対応し、ハイ期間Thは請求項の第2所定時間に対応する。
コントローラ10は、補正手段11、センサ駆動制御手段12、計時手段13、ピーク値取得手段14、格納手段15及び比較手段16を含んで構成される。このコントローラ10は、演算部、記憶部等を有するマイクロコンピュータにて具現化可能である。
コントローラ10に含まれる補正手段11は、後述するブリッジ回路からの検出出力に所定の補正を施したものをセンサ出力として、上記ピーク値取得手段14に供給する。すなわち、ガス漏れのない空気中における上記ブリッジ回路からの検出出力を初期検出出力として予め計測しておき、この初期検出出力を実際に上記ブリッジ回路から得られる検出出力から減算したものを、上記センサ出力として出力する。なお、補正手段11とブリッジ回路との間には、図示しない増幅回路が介設されてもよい。
センサ駆動制御手段12は、吸着燃焼式ガスセンサ40に対して駆動電源20を、計時手段13から供給されるクロック信号を参照しつつ通電制御して図2で示すような30sのロー期間と200msのハイ期間とで1周期が構成される駆動パルスを、電源オンされて所定のトリガーが有るまで、継続的に発生させる。
ピーク値取得手段14は、計時手段13から供給されるクロック信号を参照しつつ、通電直後、正確には、駆動パルスがローからハイに変化した直後、の吸着燃焼式ガスセンサ40の出力のピーク値を取得する。詳しくは、ピーク値取得手段14は、検知すべきガスのピーク値を検出するのに十分な通電直後の時間にわたって、補正手段11からのセンサ出力をサンプリングすると共にこれらをそれぞれ保持しておき、この時間内におけるピーク値を取得する。サンプリングする時間は、例えば、被検知ガスがエタノールの場合、200〜300ms程度である。
格納手段15には、被検知ガスに対応する通電直後のピーク値データが予め格納されている。詳しくは、被検知ガスに特有のピーク値は、実験等により事前に取得可能なので、これがピーク値データとして格納されている。例えば、エタノールの場合には、図12に示すように1.3V程度とする。また、比較手段16では、ピーク値取得手段14にて検知されたピーク値と、格納手段15に格納されるピーク値データとが比較されその結果が出力手段30に出力される。
コントローラ10に接続される出力手段30は、比較手段16による比較結果に基づき被検知ガスを検知してその結果を出力する。この結果の出力は、例えば、発光ダイオード等の可視信号による方法やブザー等の可聴信号による方法が想定される。或いは、電話回線等の通信手段を利用した方法であってもよい。出力手段30は、これら可視又は可聴信号を発生するデバイスやそのドライバ回路や通信装置等を含んで構成される。なお、コントローラ10に接続される駆動電源20は、周知の電池等や商用電源が利用可能である。
吸着燃焼式ガスセンサ40は、センサ駆動制御手段12にて図2で示すような駆動パルスが供給されて、上記2つの温度を繰り返しながら駆動する。この吸着燃焼式ガスセンサ40は、基本的に、感応素子部Rs及び補償素子部Rrから構成されている。感応素子部Rsは(白金)Ptヒータ42及びPd/γAl23触媒層43を含み、補償素子部RrはPtヒータ44及びγAl23触媒層45を含む。上記Ptヒータ42、44は、固定抵抗R1、R2及び可変抵抗Rvと共にブリッジ回路を構成している。そして、このブリッジ回路のPtヒータ44及び固定抵抗R1の接続点、並びにPtヒータ42及び固定抵抗R2の接続点には、上記コントローラ10を介して駆動パルスが所定のインターバルで間欠的に供給される。また、Ptヒータ42及び44の接続点、並びに可変抵抗Rvからは、センサ出力としての電圧値がコントローラ10に供給される。
この吸着燃焼式ガスセンサ40を使用するに際しては、まず、検出動作開始前に、上記補正手段11からのセンサ出力がゼロになるように上記可変抵抗Rvを調整する。この状態において、エタノール等が感応素子部Rsに触れると触媒作用により、この素子の表面で酸化されて反応熱が生じる。この反応熱により、Ptヒータ42の抵抗値が上昇し、この抵抗値の上昇によりブリッジ回路の平衡が崩れ、コントローラ10に上記センサ出力が供給される。この場合、Ptヒータ44は室温の変動によるPtヒータ42の抵抗値の変動を相殺し、反応熱に起因するPtヒータ42の抵抗値の変動成分のみを取り出せるように補償する。上記吸着燃焼式ガスセンサ40の構造については、以下に図3を用いて後述する。
図3(A)及び図3(B)に示すように、この吸着燃焼式ガスセンサは、400μm程度の(シリコン)Siウエハ41の上に、(酸化)SiO2膜48c、(窒化)SiN膜48b、及び(酸化ハフニウム)HfO2膜48aからなる1μm程度の絶縁薄膜が生膜され、その上に、感応素子部Rsとして(白金)Ptヒータ42、Al23層及びPd/γAl23触媒層43、並びに、補償素子部Rrとして(白金)Ptヒータ44、Al23層及びγAl23触媒層45が形成されている。これらの厚さは10μm程度である。また、図3(C)に示すように、異方性エッチングして凹部46及び47を形成して、それぞれ薄膜ダイヤフラムDs及びDrを形成している。なお、上記触媒としては、Au、Ni、Pt等の金属触媒でも可能である。また、触媒担体としては、シリカ、活性炭等の多孔質材料でも可能である。
このような構成のガス検知装置1において、センサ駆動制御手段12に制御されて図2に示すような駆動パルスが継続的に出力されている。通電開始と同時に触媒担体上へ吸着したガス分子が燃焼され、この燃焼熱によってPtヒータの抵抗変化を引き起こす。これがブリッジ回路において電位差として検出される。このように被検知ガスが吸着燃焼式ガスセンサ40にて検出されると、そのセンサ出力は補正手段11を介してピーク値取得手段14に与えられる。ピーク値取得手段14ではセンサ出力からピーク値が検出されて、これが比較手段16に与えられて格納手段15に格納されるピーク値データと比較される。そして、比較結果が出力手段30に出力されて、所定の出力方法で警報出力等が行われる。
このように、ピーク値を利用してガス検知しているので、従来の接触式ガスセンサと比べて大きなセンサ出力が得られる。センサ出力のピーク値は、濃度の対数に依存することが確かめられており、低濃度においても大きなセンサ出力が得られるようになる。この結果、検出精度が向上する。
特に、本実施形態においては、従来のように吸着燃焼式ガスセンサ40を電源断とする替わりに、この時間中にはセンサ40に対する水分の吸着を防ぐための温度、例えば、200℃が維持されるように通電するようにしている。このため、従来装置や方法では非通電時に吸着していた水分のセンサへの吸着を防ぐことができる。したがって、温度や湿度の影響を受けることなく、所望のガスを正確に検知することができる。この結果、検出精度が大幅に向上する。
更に、図4〜図11を用いて、本発明による効果について説明を加える。図4は、トルエン濃度500ppmにおける、各ヒータ温度によるセンサ出力を示すグラフである。図5は、Hi温度とセンサ出力の積分感度との関係を示すグラフである。図6は、絶対湿度変化に対するセンサ出力を示すグラフである。図7は、絶対湿度に対するセンサ出力変化率を示すグラフである。図8は、温度変化に対するセンサ出力を示すグラフである。図9は、各Lo温度における1℃当りのセンサ出力変量を示すグラフである。図10は、トルエン濃度100ppm及び500ppmにおける、Lo温度変化に対するセンサ出力(積分値)を示すグラフである。図11は、Lo=200℃における、トルエン濃度変化に対するセンサ出力(積分感度)を示すグラフである。なお、センサ出力とは、正確にはセンサ出力のピーク値を意味するが、以下これを単にセンサ出力とよぶこともある。
図4において、T450、T400、T350、T300及びT250はそれぞれ、トルエン濃度500ppmにおいて、上記ハイ期間のヒータ温度を450℃、400℃、350℃、300℃及び250℃以下とした場合のセンサ出力を示す。
図4のグラフから、所定温度を超えない範囲では、ヒータ温度が高い方がより大きなセンサ出力を得ることがわかる。すなわち、ハイ期間においては、所定温度にできるだけ近く、この温度を超えない温度で加熱することが好ましい。こうすることにより、所望のガスをより正確に検知することができる。これらの温度に関して以下に補足説明する。
すなわち、Hi温度(センサ駆動温度)は、図5のグラフに示すように、センサ出力(積分感度)が飽和状態になる領域が望ましい。例えば、図5のグラフに示すように、1−ブタノールでは、飽和を出力の80%からとすると、Hi温度350℃以上が望ましいことになる。但し、このHi温度は、測定対象ガスによって異なる。なお、測定対象ガスが燃焼する温度からセンサ出力は現れる(例えば、1−ブタノールでは、200℃)ので、Hi温度は燃焼開始温度以上となる。
図6において、Lo=60℃、Lo=120℃、Lo=160℃、及びLo=200℃はそれぞれ、上記ロー期間Tlにおける吸着燃焼式ガスセンサの温度を示す。また、Lo=offは、上記ロー期間Tlにおいて通電断とされていることを示す(吸着燃焼式ガスセンサの温度は室温)。図6に示すように、絶対湿度を4.7〜88.3g/m3に変化させたとき、Lo=200℃のセンサ出力が大きく改善されていることがわかる。詳しくは、絶対湿度を4.7〜88.3g/m3に変化させたとき、Lo=offは58.92%、Lo=60℃は56.78%、Lo=120℃は41.94%、Lo=160℃は35.38%、及びLo=200℃は31.47%という具合に、Lo温度(上記ロー期間Tlでの温度)を上げることによって、絶対湿度の影響は半減していることがわかり、特に、Lo=200℃でその傾向が著しいことがわかる。
図7は、図6のグラフに基づいて、絶対湿度4.7〜88.3g/m3に対する、センサ出力変化率をグラフ化したものである。図7から、Lo温度を最適化することにより、センサ出力に対する温度の影響が、Lo=offに比べて、半減していることがわかる。
図8においても、Lo=60℃、Lo=120℃、及びLo=200℃はそれぞれ、上記ロー期間Tlにおける吸着燃焼式ガスセンサの温度を示す。また、Lo=offも、上記ロー期間Tlにおいて通電断とされていることを示す(吸着燃焼式ガスセンサの温度は室温)。図8は、温度変化に対するセンサ出力を示しているが、詳しくは、絶対湿度を一定に保つように相対湿度を制御し、温度を16℃〜45℃まで変化させたときの、Lo=off、Lo=60℃、Lo=120℃、及びLo=200℃におけるセンサ出力を示している。図8に示すように、Lo=offは27.03%、Lo=60℃は24.57%、Lo=120℃は12.90%、及びLo=200℃は0.93%という具合に、Lo温度を上げることによって、温度の影響は減少していることがわかり、特に、Lo=200℃で温度の影響はほとんど無くなっていることがわかる。参考のために、Lo=off(接燃)、Lo=60℃(接燃)、Lo=120℃(接燃)、及びLo=200℃(接燃)で示すように、接触燃焼式に関しては、従来通り温度特性は無いが、ピーク値出力も低いことが示されている。
図9は、図8のグラフに基づいて、単位温度としての雰囲気温度1℃当りのセンサ出力変化量をグラフ化したものである。図9から、Lo温度が上昇するにしたがって、センサ出力変化量が小さくなることがわかる。すなわち、この図9及び上記図7のグラフから、燃焼開始温度(例えば、トルエンの場合250℃)にできるだけ近い温度(例えば、200〜220℃程度)で加熱することにより、ガス検知時のセンサ出力に対する影響をより小さくすることができることがわかる。こうすることにより、所望のガスをより正確に検知することができる。
図10において、横軸のLo温度は、上記ロー期間Tlにおける吸着燃焼式ガスセンサの温度を示す。図10に示すように、Lo温度を、off(図中、両折れ線グラフの左端部)から徐々に上げていくと、トルエン濃度500ppmのときは120℃付近から、トルエン濃度100ppmのときは70℃付近から、センサ出力は上昇することがわかる。例えば、トルエン濃度100ppmのときには、Lo温度が200℃になると、Lo温度がoffのときに比べて、センサ出力が約1.4倍を得ることができることがわかる。
図11において、On−Offは、上記ハイ期間Th及びロー期間Tlにおける吸着燃焼式ガスセンサの温度がそれぞれ、400℃及び室温(通電断)に制御されたときの特性を示し、High−Lowは、上記ハイ期間Th及びロー期間Tlにおける吸着燃焼式ガスセンサの温度がそれぞれ、400℃及び200℃に制御されたときの特性を示す。図11に示すように、On−Off及びHigh−Lowで示される特性を比較すると、トルエン濃度が低下するにしたがって、On−Off及びHigh−Lowとも、センサ出力も低下する傾向を呈するが、100ppmより小さい範囲では、High−Lowの方がOn−Offよりもセンサ出力が大きくなっていることがわかる。したがって、例えば、トルエン濃度が1ppmの場合、High−Lowの方がOn−Offに対して、約3倍のセンサ出力を得ることができることがわかる。これによって、従来、1pmmが限界であったガス濃度の検出が0.1ppmまで検出可能となる。したがって、High−Low駆動することにより、温湿度の影響の低減に加えて、高分解能でガス検知することができる。
以上のように、本発明の実施形態によれば、センサ周囲の温度や湿度の影響を受けることなく、所望のガスを正確かつ高分解能で検知することができる。
なお、上記実施形態においては、被検知ガスとしてトルエンを例に挙げて説明したが、本発明はトルエンのみならず、エタノールや酢酸等の吸着性のあるガスを検知にも同様の効果を得ることができる。したがって、本発明によれば、種々のガスについて高感度のガス検知が可能になる。勿論、ガス種によって、ハイ期間Th及びロー期間Tlにおける最適に設定温度は変更になる。また、例示したハイ期間Th及びロー期間Tl等の長さも適宜変更可能である。
更に、上記実施形態においては、ピーク値を利用してガス検知する例を示したが、ピーク値に替えて、センサ出力の積分値を利用して、ガス検知するようにしてもよい(請求項2、7に対応)。この場合には、ハイ期間Thにおけるセンサの出力値の積分値を演算し、この演算値と被検知ガスに対応する予め格納された基準となる積分値データとを比較して、その比較結果に基づき被検知ガスを検知するようにする。
本発明のガス検知装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1のガス検知装置に用いられる駆動波形の一例を示すタイムチャートである。 図3(A)、図3(B)及び図3(C)はそれぞれ、吸着燃焼式ガスセンサの平面図、背面図及びAA線断面図である。 トルエン濃度500ppmにおける、各ヒータ温度によるセンサ出力を示すグラフである。 Hi温度とセンサ出力の積分感度との関係を示すグラフである。 絶対湿度変化に対するセンサ出力を示すグラフである。 絶対湿度に対するセンサ出力変化率を示すグラフである。 温度変化に対するセンサ出力を示すグラフである。 各Lo温度における1℃当りのセンサ出力変量を示すグラフである。 トルエン濃度100ppm及び500ppmにおける、Lo温度変化に対するセンサ出力(積分値)を示すグラフである。 Lo=200℃における、トルエン濃度変化に対するセンサ出力(積分感度)を示すグラフである。 吸着燃焼式ガスセンサによる酢酸及びエタノールのセンサ出力特性を示すグラフである。
符号の説明
1 ガス検知装置
10 コントローラ
20 駆動電源
30 出力手段
40 吸着燃焼式ガスセンサ
42、44 Ptヒータ
43 Pd/γAl23触媒層
45 γAl23触媒層
Rs 感応素子部
Rr 補償素子部

Claims (7)

  1. 吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するためのピーク値が取得できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返し、
    前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力のピーク値を取得し、
    該取得したピーク値と前記被検知ガスに対応する予め格納されたピーク値データとを比較して、その比較結果に基づき前記被検知ガスを検知す
    とを特徴とするガス検知方法。
  2. 吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するための積分値が演算できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返し、
    前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力の積分値を演算し、
    この演算値と前記被検知ガスに対応する予め格納された基準となる積分値データとを比較して、その比較結果に基づき前記被検知ガスを検知す
    とを特徴とするガス検知方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のガス検知方法において、
    前記第1所定時間においては、
    前記燃焼開始温度にできるだけ近い温度で吸着燃焼式ガスセンサを加熱
    とを特徴とするガス検知方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガス検知方法において、
    前記第2所定時間においては、
    前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力が飽和状態になるような温度領域で吸着燃焼式ガスセンサを加熱
    とを特徴とするガス検知方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のガス検知方法において、
    前記被検知ガスは、有極性ガスであ
    とを特徴とするガス検知方法。
  6. 吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するためのピーク値が取得できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返すセンサ駆動制御手段と、
    前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力のピーク値を取得するピーク値取得手段と、
    前記被検知ガスに対応する前記第2所定時間におけるピーク値データを予め格納する格納手段と、
    前記ピーク値取得手段にて検知されたピーク値と、前記格納手段に格納されるピーク値データとを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づき前記被検知ガスを検知してその結果を出力する出力手段
    有することを特徴とするガス検知装置。
  7. 吸着燃焼式ガスセンサを、燃焼によって被検知ガスを検知するためガス吸着作用により被検知ガスを吸着する第1所定時間だけ、100℃から被検知ガスの燃焼が始まる燃焼開始温度までの温度範囲内で加熱した後、前記燃焼開始温度以上の前記被検知ガスが適正に燃焼する温度で、前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力から被検知ガスを検知するための積分値が演算できる第2所定時間だけ加熱することを繰り返すセンサ駆動制御手段と、
    前記第2所定時間における前記吸着燃焼式ガスセンサのセンサ出力の積分値を演算する積分値演算手段と、
    前記被検知ガスに対応する前記第2所定時間における基準となる積分値データを予め格納する格納手段と、
    前記積分値演算手段にて演算された積分値と、前記格納手段に格納される積分値データとを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づき前記被検知ガスを検知してその結果を出力する出力手段
    有することを特徴とするガス検知装置。
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