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JP4147628B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造式中にモルホリン骨格及びウレタン骨格を有する特定のイソシアネート硬化触媒を含有する一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤は、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とするホットメルト接着剤である。
この接着剤は、溶融状態で塗布され、冷却固化後に被着材又は空気中に存在する水分により、末端イソシアネート基の反応が進行して不安定なカルバミド酸基を生成し、さらにアミンと二酸化炭素に分解する。生成したアミノ基は速やかに他のイソシアネート基と反応して、尿素結合を形成し架橋構造を形成するものである。
一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤は、該分子生長反応により他のホットメルト接着剤に比較して、高い接着強度及び高い耐熱性を発現するものである。
【0003】
この湿気硬化反応において、触媒を接着剤系内に添加すると、架橋反応が促進され、それにより接着強度の立ち上がりが短時間で進行することが明らかにされており、硬化触媒の例としては、スズ化合物(例えばジブチルスズジラウリレート)、チタン化合物などの有機金属触媒やトリエチルアミンやトリエチレンジアミンなどの三級アミン化合物が知られている。
【0004】
しかし、これらの触媒を用いた場合には、接着剤の熱安定性を著しく損なうことがあり、塗布機内で接着剤が長時間滞留しているとゲル化してしまうという恐れがある。
すなわち、従来の湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤用硬化剤は、湿気硬化反応性を向上するものの、熱安定性に悪影響を及ぼすことが多いため、硬化促進性及び熱安定性を同時に満たす触媒の開発が課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記に示した硬化促進性及び熱安定性を同時に満たす触媒の開発にあり、湿気硬化性に優れ、短時間で高強度を発現し、かつ使用時の熱安定性においても優れた性能を示す接着剤用としての硬化剤及びそれを含有する接着剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題解決のために鋭意検討し、触媒として特定の構造、すなわち、構造式中にモルホリン骨格及びウレタン骨格を有する新規な化合物を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明は下記式(1)で示される化合物に関するものである。
【0007】
【化2】
Figure 0004147628
【0008】
上記式において、nは1又は2、R1はアルキル基、アルキレン基、アリール基、アリールスルホニル基を示す。
さらに、本発明は構造式中にモルホリン骨格及びウレタン骨格を有する化合物からなることを特徴とするイソシアネート硬化触媒及び該イソシアネート硬化触媒を含有することを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化合物は前記式(1)に示す構造を有する化合物であり、イソシアネート硬化触媒として有用なものである。
上記化学式において、各置換基の具体例としては、アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられ、アルキレン基としてエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基などが挙げられ、アリール基としてフェニル基、トリレン基、キシリレン基、ジフェニルメチレン基などが挙げられ、アリールスルホニル基としてパラトルエンスルホニル基などが挙げられる。
【0010】
上記式(1)で表される化合物の中でも、比較的安価な原材料で合成できる理由から、下記式(2)で表される化合物が本発明にとり好ましい。
【0011】
【化3】
Figure 0004147628
【0012】
上記式(2)において、nは1又は2、R2は炭素数1〜8のアルキレン基、フェニレン基を2個有する低級アルカン、置換基として低級アルキル基を有することもあるフェニレン基又はトルエンスルホニル基である。
上記化学式(1)に示した構造を有する化合物は、アルコールとイソシアネート化合物による公知のウレタン化反応により容易に得られるものであり、ウレタン化反応は溶媒の存在下または非存在下に、加温または常温下に行われる。
本発明の化合物の具体的なものとしては、例えば、ヘキサメチレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、4,4'-ジフェニルメタンジ(2"-モルフォリノエチル)カルバミド酸、2,4-トリレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、2,6-トリレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、イソホロンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、1,3-シクロヘキサンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、キシリレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、ナフタレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸、2-モルフォリノエチルカルバモイルメタンスルホン酸、2-モルフォリノエチルカルバモイル p-トルエンスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
【0013】
本発明の構造式中にモルホリン骨格及びウレタン骨格を有する化合物からなるイソシアネート硬化触媒は短時間硬化性、耐熱性を同時に満たす硬化触媒であり、種々のイソシアネート化合物の硬化に利用できるものである。
○ イソシアネート化合物
本発明のイソシアネート硬化触媒が適用されるイソシアネート化合物として、特に限定されるものはなく、分子内に2個以上の−NCO基を有するイソシアネート化合物で従来より公知のものが使用可能である。
具体的なイソシアネート化合物としては、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニレンジイソシアネート、1,5-オクチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイネシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン 、イソホロンジイソシアネート及びカルボジイミド変性4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
本発明のイソシアネート硬化触媒の使用量としては、イソシアネート化合物100重量部に対して、0.01〜0.2重量部が好ましく、より好ましくは0.02〜0.1重量部である。添加量が0.01重量部未満では湿気硬化反応を促進する効果が得られず、一方、0.2重量部を超えて添加した場合には熱安定性を低下させる恐れがあり、使用時にゲル化することがあるため好ましくない。
本発明のイソシアネート硬化触媒としては固体となるものが、取扱いが容易なうえ、三級アミン化合物と異なり臭気が全くないので、作業性においても有用であるため好ましい。
【0014】
○ 一液硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤
本発明の硬化触媒は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに配合し一液硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤用として好適に使用される。末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとしては、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール1種以上と分子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート1種以上との反応生成物が挙げられる。当該ウレタンプレポリマーは単独で使用されても、2種以上併用しても良い。
【0015】
○ ポリオール
ウレタンプレポリマーの原料として使用される分子内に2個以上の水酸基を有するポリオールとしては、従来より公知のものが使用可能である。具体例を以下に示す。
○ ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは、1種以上のポリカルボン酸と1種以上のポリオールとをランダム共縮重合させて得られる。ポリカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコ酸二酸、ε-カプロラクトン、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、パラオキシ安息香酸などが挙げられるが、これらに限られるものでく、分子内に2個以上の−COOH基を有するものであれば良い。
また、ポリオールはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオールなどが挙げられるが、これらに限られるものでく、分子内に2個以上の−OH基を有するものであれば良い。
○ ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンなどが挙げられるが、これらに限られるものでく、分子内にエーテル結合を1個以上有するものであれば良い。
○ ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールとしては、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオールなどのポリアルキレンポリオールの水素化物及びα−オレフィンの共重合物が挙げられるが、これらに限られるものではない。
○ その他ポリオール
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール及びポリカーボネートポリオールが挙げられるがこれらに限られるものではない。
【0016】
○ ポリイソシアネート
ウレタンプレポリマーの原料として使用されるポリイソシアネートとしては、イソシアネート化合物の項に挙げたものと同様のものが使用可能である。
本発明に用いられるウレタンプレポリマーとしては、製造する際のポリオールに対するポリイソシアネートの量(基−NCO/基−OHの当量比)が1〜5となるような範囲のものが好ましく、より好ましくは1.2〜3の範囲のものである。
【0017】
本発明の一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物には、ホットメルト接着剤に用いられている各種の添加剤、すなわち熱可塑性ポリマー、粘着付与剤(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂)、充填剤(例えば炭酸カルシウム)、可塑剤(例えばメタクリル酸エステル重合体)、ワックス(例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス)、安定剤、酸化防止剤などが必要に応じて添加される。
【0018】
これらその他の添加剤の配合割合としては、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー100重量部に対して、熱可塑性ポリマーは40重量部以下、粘着性付与剤は100重量部以下、可塑剤は30重量部以下、充填剤は70重量部以下であることがが好ましい。
それらの配合は、通常配合物の一括混合によるが、ポットライフや作業効率上2分割以上に分割して調整し、塗布直前に混合機を用いて混合しても良い。
【0019】
本発明の一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤の調整は、これらの原料を予め、加熱真空乾燥等の方法により、脱水、脱湿した後、加熱可能な通常の攪拌機から成る混合機、プラネタリーおよびニーダーなどを用いて、80〜150℃で、乾燥窒素ガスをパージするなどの方法で、湿気を含んだ外気を遮断して混合して行う。
【0020】
【実施例】
○ 化合物の合成1
ヘキサメチレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸の合成(触媒1)
ヘキサメチレンジイソシアネート8.4gをトルエン100mlと共に300ml三口フラスコに入れ、窒素気流下で50℃に加熱撹拌をしながら、2-ヒドロキシエチルモルフォリン15.9gを滴下漏斗を介して添加したところ、白色の沈殿物が生じた。滴下終了後1時間ほど撹拌させた後、室温に戻し、ガラスフィルターを用いて沈殿物を濾別した。トルエンで数回洗浄し、残査中のトルエンを留去することにより、白色固体の目的生成物が得られた。1H−NMRチャートを図1に示す。融点は82℃であった。
○ 化合物の合成2
4,4'-ジフェニルメタンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸の合成(触媒2)
ヘキサメチレンジイソシアネートを4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートに替えた以外は同様の操作を行い、目的生成物を得た。1H−NMRチャートを図2に示す。融点は81℃であった。
○ 化合物の合成3
2,4-トリレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸の合成(触媒3)
ヘキサメチレンジイソシアネートを2,4-トリレンジイソシアネートに替えた以外は同様の操作を行い、目的生成物を得た。1H−NMRチャートを図3に示す。融点は135℃であった。
○ 化合物の合成4
モルフォリノエチルカルバモイル p-トルエンスルホン酸の合成(触媒4)
ヘキサメチレンジイソシアネートをパラトルエンスルホニルイソシアネートに替えた以外は同様の操作を行い、目的生成物を得た。1H−NMRチャートを図4に示す。融点は145℃であった。
【0021】
○ 末端イソシアネートウレタンプレポリマーの合成
アジピン酸と1,6-ヘキサンジオールを主成分とするポリエステルポリオール83重量部と4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート17重量部とを混合撹拌しながら、窒素雰囲気下で80℃4時間反応して合成を完了した。
合成したプレポリマーは、融点51℃で赤外分光分析で2267cm-1、1737cm-1に特性ピークを有する化合物であった。
【0022】
○ 接着剤組成物の調整
溶融して温度を80℃に調整した末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、下表の通り触媒を添加して、1時間撹拌することにより、一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0023】
上記のようにして得られた接着剤組成物の性能評価を以下の様に行った。
▲1▼ 硬化促進性の評価
各接着剤組成物をカバ材(25mm×50mm×3mm)に塗布および接着を行い(接着面積25mm×12.5mm)、接着サンプルを30℃65%RHに所定時間養生して、引張り剪断接着強さ(N/cm2)を測定し、養生時間と強度の相関を調べた。引張り剪断接着強さの測定は、JIS−K6850に準拠して行った。
▲2▼ 熱安定性の評価
各接着剤組成物を試験管に5cm入れ、120℃一定で加熱溶融した状態でBM型粘度計のローターを接着剤中で継続的に回転させながら、溶融粘度(mPa・s)の経時変化を追跡した。
【0024】
【表1】
Figure 0004147628
※DBTL:ジブチルスズジラウリレート
【0025】
表から明らかなように、組成物1〜3は湿気硬化性および熱安定性共に十分な特性を示すのに対し、比較例1は熱安定性に欠け、また比較例2は硬化促進性の問題があることがわかる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、末端にイソシアネート基を有する一液湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤において、湿気硬化性が高く優れた熱安定性を示すことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物の合成1で合成したヘキサメチレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸の1H−NMRチャートである。
【図2】化合物の合成2で合成した4,4'-ジフェニルメタンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸の1H−NMRチャートである。
【図3】化合物の合成3で合成した2,4-トリレンジ(2'-モルフォリノエチル)カルバミド酸の1H−NMRチャートである。
【図4】化合物の合成4で合成したモルフォリノエチルカルバモイル p-トルエンスルホン酸の1H−NMRチャートである。

Claims (1)

  1. 下記式(1)で示されるイソシアネート硬化触媒を含有することを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤組成物。
    Figure 0004147628
    式中、nは1又は2、R1はアルキル基、アルキレン基、アリール基、アリールスルホニル基を示す。
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