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JP4152012B2 - ジシアノメチレン化合物の製造方法、電子移動剤の製造方法 - Google Patents
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JP4152012B2 - ジシアノメチレン化合物の製造方法、電子移動剤の製造方法 - Google Patents

ジシアノメチレン化合物の製造方法、電子移動剤の製造方法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キノン系化合物の縮合反応にかかり、特に、電子移動剤に好適なモノキノン構造のジシアノメチレン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザープリンター等の電子写真機器の普及当初は、感光体の感光層は、セレン、セレン−テルル、セレン−砒素、アモルファスシリコン等の無機感光層で構成されていたが、近年では、低価格で環境汚染の少ない有機感光層が主流になりつつある。
【0003】
一般に、有機感光層を構造で分類した場合、単層分散型の感光層と機能分離型の感光層とに大別できる。
【0004】
単層分散型の感光層は、電荷移動剤の媒体中に電荷発生剤を分散させた単層膜から成り、その単層膜一層で電荷発生機能と電荷移動機能の両方の機能を持たせている。
【0005】
他方、機能分離型感光層は、電荷発生層(CGL)と電荷移動層(CTL)とが積層された多層膜で構成されており、電荷発生層に電荷を発生させる機能を持たせ、電荷移動層に発生した電荷を移動させる機能を持たせている。
【0006】
現在では両方の型の感光層が実用化されているが、いずれの型の感光層の場合も、感度を向上させるために、高移動度の電荷移動剤の開発が待たれている。
【0007】
また、有機感光層を帯電型で分類した場合、正帯電型感光層と負帯電型感光層の2種類に大別できるが、現在知られている電荷移動剤のうちで、移動度が高く、実用的なものはホール移動性のものがほとんどであるため、市販されている電子写真機器の感光層は負帯電型が主流である。
【0008】
ところが、その負帯電型の感光層を帯電させるために、コロナ放電現象を利用すると、コロナ放電に伴って多量のオゾンが発生し、電子写真機器を使用している室内の環境が汚染されたり、電子写真感光体の劣化が早まる等、種々の不都合が生じている。
【0009】
このような負帯電の際の不都合は、従来技術の電子写真機器でも対策が試みられており、オゾン捕捉フィルターの付加や、オゾンを発生させない特殊な帯電方式の採用等が検討されている。
【0010】
しかし、上記対策では、装置が大型化したり、電子写真プロセスが複雑になる等、新たな問題が生じてしまい、根本的な解決には到っていない。
【0011】
このような状況を打開するために、最近の市場ではオゾン発生の少ない正帯電型の感光体が要求されており、正帯電型感光層に使用できる高移動度の電子移動剤が必要となっている。
【0012】
そのため、電子移動剤の開発には、従来よりも精力的な研究が行われており、現在のところ、使用可能な電子移動剤として、トリニトロフルオレノン(TNF)、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等が見出されている。
【0013】
しかしながら、上記電子移動剤は、特性が不十分であり、未だ実用になるものは得られておらず、一層の研究が望まれている。
【0014】
そこで、電子移動時の分子構造の変化を分子軌道法により検討した結果、モノキノン構造を有するジシアノメチレン化合物(一般に、芳香族化合物の2個又は4個の[−CH=]が[−CO−]に換えられた構造をキノン構造と称し、ここでは、1個の[−CH=]が[−CO−]に換えられた構造をモノキノン構造と称する。)において特異的な分子振動が観察され、そのジシアノメチレン化合物を用いて有機感光層を形成した場合、高感度で低残留電位の電子写真感光体が得られることを見出した。
【0015】
しかしながら従来知られている合成反応では、原料から目的のジシアノメチレン化合物を合成する際の反応時間が非常に長く、逆に、反応時間を短縮しようとすると収率が悪くなるため、工業化に耐え得るものではなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、モノキノン構造のジシアノメチレン化合物を効率よく得られる技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討を重ね、モノキノン構造を有するジシアノメチレン化合物の効率的な合成例を調査したが、求める反応は見あたらなかった。そこで合成反応に用いる物質を種々のものに換えて実験を行ったところ、従来技術の場合に反応速度が遅い原因が、塩基として用いられているピリジンの塩基の強度に存在することが分かった。
【0018】
そして、種々の塩基のうち反応が速いものは、2,6−ジメチルピリジンよりも大きな解離定数(水溶液中の塩基解離定数を解離定数と称す)を有していることを見出した。
【0019】
本発明は上記知見に基いて創作されたものであり、請求項1記載の発明は、キノン系化合物とマロノニトリルCH2(CN)2とをルイス酸と塩基を用いて反応させ、モノキノン構造のジシアノメチレン化合物を得るジシアノメチレン化合物の製造方法であって、前記塩基に、解離定数が、2,6−ジメチルピリジンの解離定数よりも大きいものを含有させることを特徴とする。
【0020】
その場合、前記キノン系化合物としては、請求項2記載の発明のように、ベンゾキノン化合物、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物から成る群から、少なくとも一種類以上の化合物を選択することができる。
【0021】
2,6−ジメチルピリジンの解離定数は、7.9×10-8であるから、前記塩基については、請求項3記載の発明のように、その値を超えるものを含有させるとよい。
【0022】
そのような塩基には、3級アミンや環式アミンが存在するから、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発明の場合、請求項4記載の発明のように、前記塩基に3級アミンを含有させたり、請求項5記載の発明のように、環式アミンを含有させることができる。
【0023】
現在のところ、2,6−ジメチルピリジンを超え、且つ2,6−ジメチルピリジンに最も近い解離定数については、5.2×10-4の塩基について実験が終了しており、解離定数がそれ以上の値の塩基については、反応速度を早める効果が認められている。従って、請求項6記載の発明のように、前記塩基の解離定数は、5.2×10-4以上の値のものであることが望ましい。
【0024】
以上説明した請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のジシアノメチレン化合物の製造方法については、反応速度が速く、原料が急速に消失する一方で、目的物質であるモノキノン構造を有するジシアノメチレン化合物の分解反応も伴うので、反応速度の制御が重要である。従って、請求項7記載の発明のように、前記キノン系化合物が存在する有機溶剤中に、前記塩基を添加することが望ましい。
【0025】
反応時間を一層正確に制御するためには、キノン系化合物とルイス酸とマロノニトリルとを混合した後、前記塩基を添加することが望ましい。
【0026】
以上説明した請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の製造方法によって得られたジシアノメチレン化合物は電子移動時に特異的な分子振動を示し、電子移動剤として用いることができる。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の製造方法によって、ジシアノメチレン化合物から成る電子移動剤を製造する電子移動剤の製造方法である。
【0027】
本発明は上記のように構成されており、原料として用いることができるキノン系化合物のうち、ベンゾキノン化合物、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物は、それぞれ下記一般式[I]〜[III]で表わされる。
【0028】
【化1】
Figure 0004152012
【0029】
【化2】
Figure 0004152012
【0030】
【化3】
Figure 0004152012
【0031】
(但しR1〜R18は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環、非環式炭化水素、環式炭化水素、非環式炭化水素のアルコキシ基、環式炭化水素のアルコキシ基で水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基以外は置換基を有しているものも含まれる。)
【0032】
なお、一般式[I]〜[III]の各キノン系化合物において、いずれか1個以上の置換基Rが水素原子以外であるときに、反応速度が速くなる効果は特に顕著である。
【0033】
その理由としては、例えば一般式[I]では、R1〜R4の3つ以上が水素原子以外のものである場合、それが立体障害となり酸素原子がジシアノメチレン基に置換されずらくなり、反応は遅くなる傾向があるが、本発明のように解離定数の大きい塩基を用いた場合には、塩基の作用が強く、置換基による立体障害があっても反応が急速に進行し、短時間で目的物質を得ることができると考えられる。この傾向は一般式[II]及び[III]で表されるキノン系化合物のうち、水素以外の置換基が多いものを原料として用いたときにも同様である。
【0034】
このように、本発明に用いる塩基は、解離定数が2,6−ジメチルピリジンの値を超えており、例えばトリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、トリエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ジエチルプロピルアミンなどの3級アミンや1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等の環式アミンを本発明に用いることができる。
【0035】
他方、ルイス酸としては四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などがあげられるが、本発明に用いるルイス酸は特に限定されるものではない。
【0036】
本発明方法の反応速度を制御するためには、反応温度を制御する他に、原料となるキノン系化合物の量、塩基の添加量、触媒となるルイス酸の添加量、又は反応物質であるマロノニトリルCH2(CN)2の添加量を変えることが考えられる。
【0037】
塩基の添加量としては、原料となるキノン系化合物1モルに対し、2モル以上が望ましく、収率や反応時間の点では5モル以上がさらに望ましい。
同様に、触媒であるルイス酸の添加量としては、原料のキノン系化合物1モルに対し1モル以上添加することが望ましく、収率の点では2モル以上添加することが望ましい。
【0038】
反応物質であるマロノニトリルの添加量としては、原料のキノン系化合物1モルに対し1モル以上添加することが望ましく、収率の点では2モル以上添加することが望ましい。
【0039】
塩基の種類については、二種類以上の塩基を混合して用いることができ、複数の塩基を用いる場合、それらのうちの一種類以上の塩基が2,6−ジメチルピリジンの解離定数よりも大きければよいが、全種類の塩基の解離定数が、2,6−ジメチルピリジンの解離定数を超えている場合に特に効果的である。
【0040】
本発明方法によって合成されるモノキノン構造のジシアノメチレン化合物は、原料となるキノン系化合物の構造によって異なるが、上記[I]〜[III]式で表されたキノン系化合物を用いた場合、下記一般式[IV]〜[VI]で表されるモノキノン構造のジシアノメチレン化合物をそれぞれ得ることができる。
【0041】
【化4】
Figure 0004152012
【0042】
【化5】
Figure 0004152012
【0043】
【化6】
Figure 0004152012
【0044】
(但しR19〜R36は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環、非環式炭化水素、環式炭化水素、非環式炭化水素のアルコキシ基、環式炭化水素のアルコキシ基で水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基以外は置換基を有しているものも含まれる。)
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に本発明における電子移動剤の製造方法の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものでない。
【0046】
<実施例1>
ルイス酸として塩化チタン(IV)0.74mlを用い、有機溶剤(ジクロロメタン)25mlに混合して希釈溶液を用意し、次いで、窒素雰囲気下で、キノン系化合物である2,3,5−トリメチルベンゾキノン0.41gを同じ有機溶剤(ジクロロメタン)25mlに溶解させ、その溶液にマロノニトリル0.42mlを加え、0〜5℃の温度範囲で攪拌しながら、上記ルイス酸の希釈溶液を5分間かけて滴下した。
【0047】
その後、塩基であるトリエチルアミン1.88mlを攪拌しながら10分間かけて滴下し、反応溶液を室温にして5分間攪拌した後、水50mlで4回洗浄し有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0048】
シリカゲル300gを充填したカラムを用いて分取精製した後、得られた粗結晶をヘキサンより再結晶し、0.26gの橙色針状結晶を得た。
【0049】
得られた物質は、下記測定値より、2,3,5−トリメチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデンプロパンジニトリルであると同定された。この物質は、モノキノン構造を有するジシアノメチレン化合物であり、収率は50%であった。
【0050】
mp 104〜105 ℃
IR(KBr) : 670, 780, 875, 1285,
1580, 1630, 2225, 2930,
2960, 3235 cm-1.
1H-NMR(CDCl3) δ : 2.12 (S, 6H, CH3),
2.52 (S, 3H, CH3),
7.46 (S, 1H, aromatic H).
MS(m/z) : 198 (M+).(分子量:198.23)
【0051】
<実施例2>
前記実施例1の反応条件のうち、塩基であるトリエチルアミンをトリプロピルアミンに代えた他は実施例1と同一の条件により反応を行った。得られた物質は、実施例1と同一物質(2,3,5−トリメチル−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデンプロパンジニトリル)であり、収率は25%であった。
【0052】
<実施例3>
前記実施例1の反応条件のうち、塩基であるトリエチルアミンを1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBU)に代えた他は実施例1と同一の条件により反応を行った。得られた物質は、実施例1と同一物質であり、収率は45%であった。
【0053】
<比較例1>
前記実施例1の反応条件のうち、塩基であるトリエチルアミンをピリジンに代え、また、ピリジンを滴下した後の反応溶液を、室温で5分、1時間、15時間攪拌した。それ以外は実施例1と同一の条件で反応を行った。
【0054】
得られた物質は、実施例1と同一のジシアノメチレン化合物であったが、収率は、攪拌時間が5分間のとき5%、1時間のとき10%、15時間のとき32%であった。
【0055】
<比較例2>
前記比較例1の反応条件のうち、塩基であるトリエチルアミンを2,6−ジメチルピリジンに代え、その他の条件は比較例1と同一条件にして反応を行った。収率は、攪拌時間が5分間のとき10%、1時間のとき15%、15時間のとき35%であった。
【0056】
以上の結果から、塩基滴下後の攪拌時間が5分間の場合は、実施例1〜3では収率が50%、25%、45%であるのに対し、比較例1、2の場合は、それぞれ5%、10%であり、目的とするジシアノメチレン化合物がほとんど合成されていない。
【0057】
攪拌時間が1時間の場合でも、比較例1、2では15%程度の収率しか得られず、5分間しか攪拌していない実施例1〜3の方が収率は大きい。
【0058】
比較例1、2の場合は、攪拌時間が15時間に達したときに、収率がそれぞれ32%、35%になり、やっと実施例1〜3と同程度になっている。
以上の結果を、下記表1にまとめて示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004152012
【0060】
本発明の電子写真感光体は、本発明の製造方法によって合成されたジシアノメチレン化合物を感光層に含有させてなるものである。
【0061】
以下に本発明に係る電子写真感光体の好ましい実施の形態の構成を示す。
一般に、有機感光層を構造で分類した場合、単層分散型の感光層と機能分離型の感光層とに大別できる。
【0062】
単層分散型の感光層は、電荷移動剤の媒体中に電荷発生剤を分散させた単層膜から成り、その単層膜一層で電荷発生機能と電荷移動機能の両方の機能を持たせている。
【0063】
他方、機能分離型感光層は、電荷発生層(CGL)と電荷移動層(CTL)とが積層された多層膜で構成されており、電荷発生層に電荷を発生させる機能を持たせ、電荷移動層に発生した電荷を移動させる機能を持たせている。
【0064】
上述した電子写真感光体に用いることができる基体は、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体を用いることができる。
【0065】
上記金属や炭素等の基体表面に、更に蒸着、メッキ等により、導電性物質の薄膜を形成してもよい。基体自体を導電性物質で構成してもよいが、非導電性のプラスチック板およびフィルム表面に、上記金属や炭素等の薄膜を蒸着、メッキ等の方法により形成し、導電性を持たせてもよい。
更に、基体にガラスを用いる場合、その表面に、酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで被覆し、導電性を持たせてもよい。
【0066】
その種類や形状は、特に制限されることはなく、導電性を有する種々の材料を使用して基体を構成することができる。
【0067】
一般に基体としては、円筒状のアルミニウム管単体やその表面をアルマイト処理したもの、またはアルミニウム管上に樹脂層を形成したものがよく用いられる。この樹脂層は接着向上機能、アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー機能、アルミニウム管表面の欠陥被覆機能等をもつ。この樹脂層には、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。
【0068】
これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成してもよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。また、層中に金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末等を分散させることもできる。更に、特性改善のために各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有させることもできる。
【0069】
電荷発生物質としては、適切な光感度波長や増感作用を得るために、例えば、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、スレン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を用いることができる。
【0070】
感光層を形成するためのバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。
【0071】
それらは単体で用いても、共重合体を用いてもよく、また、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。
【0072】
塗布液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。これらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
【0073】
電荷移動物質としては、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール、等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブタジエン化合物等を使用することができる。また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。
【0074】
さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。
【0075】
なお、本発明の電子写真感光体を製造するための塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗布液の寿命を改善できる。
【0076】
加えて、感光層上に、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シランカップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構造体から成る薄膜を成膜して表面保護層を設けてもよく、その場合には、感光体の耐久性が向上するので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他の機能を向上させるために設けてもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、工業的に安価な電子移動剤及びその電子移動剤を用いた電子写真感光体を提供できる。

Claims (8)

  1. キノン系化合物とマロノニトリルCH2(CN)2とをルイス酸と塩基を用いて反応させ、モノキノン構造のジシアノメチレン化合物を得るジシアノメチレン化合物の製造方法であって、
    前記塩基に、解離定数が、2,6−ジメチルピリジンの解離定数よりも大きいものを含有させることを特徴とするジシアノメチレン化合物の製造方法。
  2. 前記キノン系化合物は、ベンゾキノン化合物、ナフトキノン化合物、アントラキノン化合物から成る群から、少なくとも一種類以上の化合物を選択することを特徴とする請求項1記載のジシアノメチレン化合物の製造方法。
  3. 前記塩基に、解離定数が7.9×10-8を超える値のものを含有させることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のジシアノメチレン化合物の製造方法。
  4. 前記塩基に、3級アミンを含有させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のジシアノメチレン化合物の製造方法。
  5. 前記塩基に、環式アミンを含有させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のジシアノメチレン化合物の製造方法。
  6. 前記塩基に、解離定数が5.2×10-4以上の値のものを含有させることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれか1項記載のジシアノメチレン化合物の製造方法。
  7. 前記キノン系化合物が存在する有機溶剤中に、前記塩基を添加することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のジシアノメチレン化合物の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の製造方法によって、ジシアノメチレン化合物から成る電子移動剤を製造する電子移動剤の製造方法。
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