JP4154575B2 - 伝送システム、および伝送システムにおける中継回線の切替処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中継回線を用いた伝送システム、および伝送システムにおける中継回線の切替処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットなどのネットワークの普及により、コンピュータなどで処理されるデータ系トラヒックをネットワークを介して転送することが求められている。遠隔地間のLANトラヒックの透過伝送や、ストレージデータの遠距離伝送を行う場合など、データ系トラヒックをSONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/ Synchronous Digital Hierarchy)、WDM(Wavelength Division Multiplexing)、OTN(Optical Transport Network)などの中継回線に収容し、遠距離伝送を行う需要が高まっている。
【0003】
図9は、中継回線を用いた従来の伝送システムの一構成例を示す図である。
【0004】
図9に示すように、本従来例の伝送システムは、上位プロトコル送信装置111と、上位プロトコル受信装置112と、送信装置121と、受信装置222とを有している。
【0005】
上位プロトコルのデータは、上位プロトコル送信装置111から上位プロトコル受信装置112へ送信されている。送信装置121は、上位プロトコル送信装置111から上位プロトコル回線131を介して上位プロトコルのデータを受信し、中継回線141に収容し、受信装置222へ送信する。受信装置222は、中継回線141に収容された上位プロトコルのデータを取り出し、上位プロトコル回線132を介して上位プロトコル受信装置112に送信する。
【0006】
これにより、図9に示した伝送システムにおいては、仮想的に、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112の間に上位プロトコル回線130が接続されている、とみなすことができる。
【0007】
このとき、中継回線141は、上位プロトコルのデータストリームの透過性を維持する。言い換えれば、送信装置121が上位プロトコル回線131から受信した上位プロトコルのデータストリームは、変更されることなく受信装置222から上位プロトコル回線132へ出力される。その結果、上位プロトコル送信装置111から送信された上位プロトコルのデータストリームが、そのまま上位プロトコル受信装置112へ到達する。これを上位プロトコルの透過伝送と呼ぶ。
【0008】
上位プロトコル回線130では、上位プロトコルのデータ信号と制御信号がやり取りされている。制御信号は、上位プロトコルのフレームの境界情報やリンク管理情報などを送信するために使用される信号である。なお、上記の透過性が保証された中継回線141を用いてデータ信号と制御信号を伝送する場合は、中継回線141を経由して上位プロトコルデータが伝送されたとしても、データ信号や制御信号は変化しない。
【0009】
上位プロトコルの一例として、LANで使用されるギガビットイーサネット(以下、GbEと称する)がある。GbEでは、物理レイヤにおいて8B/10Bブロック符号化を用いて信号が伝送される。なお、8B/10Bブロック符号化は、ANSI (American National Standards Institute) X3.230-1994, Fibre Channel Physical and Signaling Interface (FC-PH)に記載されている。GbE回線(上位プロトコル回線)上では、8ビットを単位としたデータが所定の符号化規則にしたがって変換された10ビットの符号が送信される。この10ビットの符号を10Bキャラクタと呼ぶ。10Bキャラクタには、上位プロトコルのデータ信号と制御情報が定義されている。上記の透過性が保証された中継回線141を用いて上位プロトコルデータであるGbEデータを伝送する場合、上位プロトコル送信装置111から送信されたデータ信号と制御信号は、変化することなく上位プロトコル受信装置112にて受信される。
【0010】
8B/10Bブロック符号化された上位プロトコルのデータストリームを効率よく透過的に転送するためのフレーミング技術として、GFP−T(transparent GFP)方式がある。このGFP−T方式の下位レイヤとしては、SONET/SDH、OTN、WDMなどを使用することができる。GFP−T方式を使用することで、上位プロトコルのデータストリームをSONET/SDHやOTNなどの中継回線141に透過的に収容することが可能である。
【0011】
GbEでは、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112間の回線が正常でデータの送受信が可能な状態をリンクアップ(LinkUp)状態という。一方、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112間の回線に何らかの障害が発生し、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112間でデータの送受信ができない状態をリンクダウン(LinkDown)状態という。上位プロトコル受信装置112が不正な10Bキャラクタを受信した場合や、入力信号が断となった場合などに、リンクダウン状態となる。
【0012】
上位プロトコルデータを中継回線141を経由して伝送する場合、中継回線141で障害が発生すると、受信装置222では中継回線141から正常な信号を受信することができず、中継回線141に収容された上位プロトコルデータを取り出すことができない。そのため、受信装置222は、中継回線141から上位プロトコルのデータを取り出して送信する代わりに、上位プロトコル回線132にエラーコードを出力する。特に上位プロトコルがGbEである場合、エラーコードとして10B_ERRを上位プロトコル回線132に出力する。10B_ERRは、8B/10Bブロック符号化において正常な10Bキャラクタを送信できないことを示す制御信号である。上位プロトコル受信装置112にて、上位プロトコル回線132からエラーコードである10B_ERRが受信された場合、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112の間は、リンクダウン状態となり、データ送信ができなくなる。
【0013】
中継回線を用いた伝送システムでは、中継回線の障害によりネットワークサービスが提供不能になることを避けるため、中継回線を冗長化するのが一般的であり、現用系の中継回線に障害が発生した場合、残りの予備系の中継回線の中から正常な回線を選択することで、ネットワークサービスの提供を継続する(冗長回線の切替については、例えば、特許文献1,2参照)。中継回線としては主にSONET/SDHやWDMなどが使用され、冗長化された中継回線を高速に切替える仕組としてはAPS(Automatic Protection Switching)などが備えられている。冗長化された中継回線の切替処理は、概ね50msec程度で完了する。
【0014】
図10は、中継回線を冗長化した従来の伝送システムの一構成例を示す図である。図10において、図9と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0015】
図10に示すように、本従来例の伝送システムは、送信装置121と受信装置222の間の中継回線141,142が冗長化されている。この中継回線141,142で上位プロトコル回線を透過的に収容し、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112の間に上位プロトコル回線130が接続されている、とみなすことができる。
【0016】
さらに、本従来例の伝送システムは、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112の間の上位プロトコル回線130,133が冗長化されている。このように、上位プロトコルにおいても上位プロトコル回線の冗長化を行うことが多い。上位プロトコル回線130,133の切替処理は、現用系の上位プロトコル回線で障害が検出された場合、すなわち上位プロトコル回線がリンクダウン状態となった場合に起動される。例えば、上位プロトコル回線130が現用系で、上位プロトコル回線133が予備系である場合、上位プロトコル回線130がリンクダウン状態になると、上位プロトコル回線の切替処理が起動され、迂回回線である上位プロトコル回線133に現用系が切り替わる。
【0017】
一般に、上位プロトコル回線の切替処理は、経路探索などを伴うために多くの切替時間を要する。例えば、上位プロトコルがGbEである場合、イーサネットで広く使用されているトポロジー検索アルゴリズムであるスパニング・ツリーを利用して、切替経路の探索を行うため、上位プロトコル回線であるGbE回線の切替処理には数秒〜数十秒の切替時間を要する。
【0018】
上述のように、上位プロトコル回線の切替処理は、中継回線の切替処理と比較すると、多くの切替時間を要するため、障害が発生してから回線が復旧するまでにより多くの時間を要する。したがって、中継回線で障害が発生した場合には、上位プロトコル回線の切替処理を行うよりも中継回線の切替処理を行う方が、高速に障害を復旧することができる。
【0019】
以下に、図10に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作について説明する。
【0020】
図11は、図10に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作を時系列で説明する図である。なお、以下の説明では、上位プロトコルがGbEであるものとする。また、送信装置121と受信装置222の間の中継回線141,142に関しては中継回線141が現用系であり、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル送信装置112の間の上位プロトコル回線130,133に関しては上位プロトコル回線130、すなわち送信装置121および受信装置222を経由する側の上位プロトコル回線130が現用系であるものとする。
【0021】
図11に示すように、時刻T1で、受信装置222は、現用系の中継回線141で何らかの障害が発生したことを検出すると、送信装置121と受信装置222の間の中継回線141を中継回線142へ切替える、中継回線の切替処理を起動する。この中継回線の切替処理は約50msec後の時刻T3に完了する。
【0022】
受信装置222は、中継回線の切替処理中も、現用系の中継回線141からデータを受信しようとするが、中継回線141に障害が発生しているため、有効なデータを受信できない。そのため、受信装置222は、中継回線の切替処理を起動すると同時に、エラーコードである10B_ERRを上位プロトコル回線132を介して上位プロトコル受信装置112に送出する。
【0023】
上位プロトコル受信装置112は、上位プロトコル回線132から10B_ERRを受信すると、上位プロトコル回線130がリンクダウン状態となり、何らかの障害が発生したと判断する。
【0024】
そして、時刻T2で、上位プロトコル受信装置112は、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112の間の上位プロトコル回線130を上位プロトコル回線133へ切替える、上位プロトコル回線の切替処理を起動する。この上位プロトコル回線の切替処理は数秒〜数十秒後の時刻T4に完了する。
【0025】
【特許文献1】
特開2000−4239号公報
【特許文献2】
特開2001−285196号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示した従来の伝送システムにおいては、図11に示すような中継回線切替処理において、全ての切替処理が完了し、上位プロトコルのネットワークが安定するのは、上位プロトコル回線の切替処理が完了した時刻T4であるため、障害発生から上位プロトコルのネットワークが安定するまでに数秒〜数十秒の長い時間がかかってしまうという問題点がある。
【0027】
上記の障害は中継回線141で発生したものなので、現用系の中継回線141を中継回線142へ切替えることで、回線を復旧させることが可能である。したがって、上位プロトコル回線の切替処理が起動されず、中継回線の切替処理のみが起動されるならば、本障害の発生による回線切替は中継回線の切替処理が完了する時刻T3で完了する。中継回線の切替処理は約50msec程度で終了し高速であり、上位プロトコル回線の切替処理が起動された場合に比べて、1/100〜1/1000という非常に短い時間で回線切替処理が完了する。
【0028】
そこで本発明の目的は、中継回線が冗長化されている場合、現用系の中継回線に障害が発生した際に、上位プロトコル回線の切替処理を起動させず、中継回路の切替処理のみを起動させることができる伝送システム、および伝送システムにおける中継回線の切替処理方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の伝送システムは、上位プロトコル回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し中継回線に透過的に収容し伝送する送信装置と、前記中継回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し前記上位プロトコル回線に送出する受信装置とを少なくとも有してなる伝送システムにおいて、前記受信装置は、前記中継回線の少なくとも一部が冗長化されている場合、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出した際に、障害が発生したことを検出してから一定の保護時間が経過するまでの間、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを特徴とするものである。なお、前記保護時間は、現用系の中継回線で障害が発生してから予備系の中継回線の切替処理が完了するまでの時間よりも大きな値に設定することが望ましい。
【0030】
この構成によれば、中継回線で障害が発生したことを検出してから保護時間が経過するまでの間、上位プロトコル回線には上位プロトコルのアイドルデータが送出され、エラーコードが送出されることが防止される。
【0031】
したがって、保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了し中継回線が復旧した場合には、上位プロトコルに対して下位レイヤである中継回線の障害を隠蔽することが可能となる。それにより、上位プロトコル回線の切替処理を起動させず、中継回線の切替処理のみを起動させることによって回線を復旧させることが可能であるため、障害発生による上位プロトコルのネットワークを素早く安定化させることが可能となる。
【0032】
また、上位プロトコルに対して中継回線の障害を隠蔽することで、上位プロトコルでの不要な制御(例えば、上位プロトコル回線の切替処理の起動など)の起動を防止し、上位プロトコルの安定性を増強することができる。
【0033】
また、前記受信装置は、前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了している場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の切替処理が完了した時点で、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除することとしても良い。
【0034】
また、前記受信装置は、前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了していない場合、前記保護時間が経過した時点で、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除することとしても良い。
【0035】
また、前記受信装置は、前記保護時間が経過するまでに中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した時点で、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除することとしても良い。
【0036】
上記目的を達成するために本発明の伝送システムにおける中継回線の切替処理方法は、上位プロトコル回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し中継回線に透過的に収容し伝送するとともに、前記中継回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し前記上位プロトコル回線に送出する伝送システムにおける中継回線の切替処理方法において、前記中継回線の少なくとも一部が冗長化されている場合、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出した際に、障害が発生したことを検出してから一定の保護時間が経過するまでの間、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを特徴とするものである。なお、前記保護時間は、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出してから予備系の中継回線の切替処理が完了するまでの時間よりも大きな値に設定することが望ましい。
【0037】
また、前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了している場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の切替処理が完了した時点で、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除することとしても良い。
【0038】
また、前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了していない場合、前記保護時間が経過した時点で、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除することとしても良い。
【0039】
また、前記保護時間が経過するまでに中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した時点で、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除することとしても良い。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による伝送システムを示す図である。図1において、図10と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
図1に示すように、本実施形態の伝送システムは、図10に示した伝送システムと比較すると、受信装置222の代わりに、受信装置122が設けられている。なお、それ以外は図10に示した伝送システムと同様である。
【0043】
受信装置122は、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出した場合、障害発生を検出してから予め決められた一定の保護時間が経過するまでの間、上位プロトコルのデータストリームにアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線132に送出する。したがって、保護時間が経過するまでに、中継回線の切替処理が完了した場合には、上位プロトコル回線の切替処理を起動させず、中継回線の切替処理のみを起動させることによって回線を復旧させることができるため、障害発生による上位プロトコルのネットワークを高速に安定させることができる。なお、上記の保護時間は、中継回線の障害を検出してから中継回線の切替処理が完了するまでの時間よりも大きな値に設定するのが望ましい。
【0044】
図2は、図1に示した受信装置122の一構成例を示す図である。
【0045】
図2に示すように、受信装置122は、中継回線監視部301−1,301−2と、中継回線切替部302と、中継レイヤ終端部303と、送信データ制御部304と、中継回線切替判断部305とを有している。
【0046】
中継回線監視部301−1は、中継回線141の信号311−1を中継回線切替部302へ出力するとともに、中継回線141の回線状況を監視し、その結果を監視結果321−1として中継回線切替判断部305に出力する。
【0047】
同様に、中継回線監視部301−2は、中継回線142の信号311−2を中継回線切替部302へ出力するとともに、中継回線142の回線状況を監視し、その結果を監視結果321−2として中継回線切替判断部305に出力する。
【0048】
なお、中継回線監視部301−1,301−2は、中継回線141,142の信号の通信品質を監視し、所定の障害検出条件に基づき障害検出を行う。
【0049】
中継回線切替部302は、中継回線切替判断部305からの中継回線切替指示322に基づいて、中継回線141,142の各々の信号311−1,311−2のいずれか一方を選択し、選択した信号を信号312として中継レイヤ終端部303へ出力する。
【0050】
中継レイヤ終端部303は、中継回線切替部302にて選択された中継回線の信号312の中から、上位プロトコルのデータを中継回線に収容するために使用したフレーミング手段や中継回線の制御信号などを終端させ、それ以外を上位プロトコルのデータストリーム313として取り出し、送信データ制御部304へ出力する。中継レイヤとしては、上位プロトコルの透過性を保証するアダプテーション方式であれば何を用いてもよい。中継レイヤの例としては、8B/10Bブロック符号化を用いたGbEなどの上位プロトコルをSONET/SDHやOTNなどの中継回線に収容する際に、上位プロトコルを効率的に収容可能することができるGFP−Tが挙げられる。
【0051】
送信データ制御部304は、中継回線切替判断部305からのアイドルデータ挿入指示323がない場合、中継レイヤ終端部303にて中継回線から取り出された上位プロトコルのデータストリーム313に対して全く処理を行わず、そのまま上位プロトコルのデータストリーム314として上位プロトコル回線132へ送出する。一方、中継回線切替判断部305からのアイドルデータ挿入指示323がある場合、中継レイヤ終端部303にて中継回線から取り出された上位プロトコルのデータストリーム313に、上位プロトコルのアイドルデータを挿入した後、上位プロトコルのデータストリーム314として上位プロトコル回線132へ送出する。なお、上位プロトコルのアイドルデータとは、上位プロトコルにおいて送信すべき有効なペイロードデータが存在しない場合に、有効なペイロードデータが存在しないことを示す制御信号である。
【0052】
図3に示すように、送信データ制御部304は、上位プロトコルのデータストリーム313に上位プロトコルの有効なペイロードデータとしてデータ信号または制御信号がある場合は、データ信号または制御信号を優先し、アイドルデータの挿入は行わない。一方、上位プロトコルのデータストリーム313に上位プロトコルの有効なデータ信号および制御信号が含まれていない場合、すなわちエラーコードである場合は、エラーコードの代わりに上位プロトコルのアイドルデータの挿入を行う。
【0053】
中継回線切替判断部305は、中継回線監視部301−1,301−2からの中継回線141,142の監視結果321−1,321−2を受信し、回線状況に基づき冗長化された中継回線の切替処理を行うか判断し、中継回線切替指示322を中継回線切替部302に通知する。具体的には、中継回線切替判断部305は、現用系の中継回線で障害が検出され、かつ予備系の中継回線で障害が検出されていない場合に、予備系の中継回線への中継回線切替指示322を中継回線切替部302に通知する。
【0054】
さらに、中継回線切替判断部305は、上位プロトコルのデータストリーム131へのアイドルデータ挿入処理を行うか判断し、アイドルデータ挿入指示323を送信データ制御部304に通知する。
【0055】
以下に、図1および図2に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作について説明する。
【0056】
図4〜図6は、図1および図2に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作を時系列で説明する図である。なお、以下の説明では、上位プロトコルがGbEであるものとする。また、送信装置121と受信装置122の間の中継回線141,142に関しては中継回線141が現用系であり、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル送信装置112の間の上位プロトコル回線130,133に関しては上位プロトコル回線130、すなわち送信装置121および受信装置122を経由する側の上位プロトコル回線130が現用系であるものとする。
【0057】
図4〜図6に示すように、時刻T1で、受信装置122内の中継回線切替判断部305は、現用系の中継回線141で何らかの障害が発生したことを検出すると、中継回線141を中継回線142へ切替えるための中継回線切替指示322を中継回線切替部302に通知し、中継回線の切替処理を起動する。これと同時に、中継回線切替判断部305は、上位プロトコル回線へのアイドルデータ挿入指示323を送信データ制御部304に通知し、障害発生の検出後、予め決められた一定の保護時間が経過するまでアイドルデータ挿入指示323を継続する。保護時間が経過すると、アイドルデータ挿入指示323を解除する。
【0058】
図4に示した例では、保護時間が経過する前に、時刻T3で中継回線切替部302における中継回線の切替処理が完了した状況になっている。このような状況下では、中継回線切替判断部305は、時刻T3で中継回線の切替処理が完了した時点で、保護時間が経過しているかどうかに関わらずアイドルデータ挿入指示323を解除する。これは、中継回線の切替処理が完了して、予備系の中継回線142に切り替わったことで、中継回線の障害が復旧したことが保証できるからである。
【0059】
したがって、図4に示した例では、中継回線141に障害が発生した場合にも、エラーコードが上位プロトコル受信装置112に到着することがないため、上位プロトコル送信装置111と上位プロトコル受信装置112の間がリンクダウン状態になったり、それに伴い上位プロトコル回線であるGbE回線の切替処理が起動したりすることがない。そのため、中継回線の切替処理が完了した時刻T3で全ての切替処理が完了し、この中継回線の切替処理によって回線が復旧する。そして、時刻T3以降、上位プロトコルの正常なデータの透過的な伝送が再開され、上位プロトコルであるGbEのネットワークが安定する。
【0060】
一方、図5に示した例では、保護時間が経過した時点で、中継回線切替部302における中継回線の切替処理が未完了であり、アイドルデータ挿入指示323が継続している状況となっている。この状況は、中継回線の切替処理を開始したが、現用系・予備系の両方の中継回線に障害が発生し、中継回線の切替処理を行うことができなかった場合などに起こり得る。このような状況下では、中継回線の切替では回線障害を救済することができないため、中継回線切替判断部305は、保護時間が経過した時点でアイドルデータ挿入指示323を解除し、送信データ制御部304は、GbEのエラーコードである10B_ERRをそのまま上位プロトコル回線132に送出し、上位プロトコル受信装置112に障害を通知する。そして、時刻T2で、上位プロトコル受信装置112は、上位プロトコル回線130を上位プロトコル回線133へ切替える、上位プロトコル回線の切替処理を起動する。
【0061】
したがって、図5に示した例では、上位プロトコル回線の切替処理が完了した時刻T4で全ての切替処理が完了し、上位プロトコル回線の切替処理によって回線が復旧する。そして、時刻T4以降、上位プロトコルの正常なデータの透過的な伝送が再開され、上位プロトコルであるGbEのネットワークが安定する。
【0062】
このように、図5に示した例では、中継回線切替判断部305は、中継回線の現用系・予備系の両回線に障害が発生した場合、保護時間が経過した時点で、上位プロトコル回線へのアイドルデータ挿入指示323を解除し、送信データ制御部304から上位プロトコル回線132へ、GbEのエラーコードである10B_ERRを送出させている。
【0063】
これに対して、図6に示した例では、中継回線切替判断部305は、中継回線の現用系・予備系の両回線に障害が発生したことを検出した場合、中継回線の現用系・予備系の両回線に障害が発生したことを検出した時点で、上位プロトコル回線へのアイドルデータ挿入指示323を解除し、送信データ制御部304から上位プロトコル回線132へ、GbEのエラーコードである10B_ERRを送出させている。
【0064】
したがって、図6に示した例では、図5に示した例と比較して、アイドルデータ挿入指示323を解除するタイミング、すなわち上位プロトコル回線の切替処理を起動するタイミングが早いため、最終的に上位プロトコル回線の切替処理が完了する時間が早くなる可能性が高くなる。
【0065】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態による伝送システムを示す図である。図7において、図1と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0066】
図7に示すように、本実施形態の伝送システムは、図1に示した伝送システムと比較すると、受信装置122の代わりに受信装置124が設けられ、送信装置121と受信装置124との間に中継装置123が設けられている。さらに、送信装置121と中継装置123の間の中継回線141,142が冗長化されており、中継装置123と受信装置122の間の中継回線143が冗長化されていない。なお、それ以外は図1に示した伝送システムと同様である。
【0067】
本実施形態では、例えば、送信装置121と中継装置123の間の現用系の中継回線141で障害が発生すると、中継装置123は中継回線の切替処理を起動し、中継回線142に現用系が切り替わる。しかし、送信装置121と中継装置123の間の切替処理が完了するまでは、中継回線143へは現用系の中継回線141の信号が出力される。その結果、受信装置124に入力される中継回線143の信号は中継回線141にて発生した障害の影響を受けるため、受信装置124では中継回線143に収容された上位プロトコルのデータを取り出すことができず、上位プロトコル回線132へはエラーコードが出力される、という問題が発生する。
【0068】
通常、中継回線では、上流で発生した障害情報を下流に転送する仕組を有しているため、送信装置121と中継装置123の間で発生した障害情報は受信装置124にも転送され、受信装置124は上流で障害が発生していることを知ることが可能である。
【0069】
本実施形態では、上記の障害情報を転送する仕組を利用し、受信装置124が、上流における障害発生を検出した場合、障害発生を検出してから予め決められた一定の保護時間が経過するまでの間、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線132に送出することにより、上記の問題を解決することとしている。なお、上記の保護時間は、上流の冗長化された中継回線の障害を検出してからその中継回線の切替処理が完了するまでの時間よりも大きな値に設定するのが望ましい。
【0070】
図8は、図7に示した受信装置124の一構成例を示す図である。図8において、図2と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
図7に示すように、受信装置124は、図2に示した受信装置122と比較すると、中継回線切替部302が削除され、中継回線監視部301−1,301−2および中継切替判断部305の代わりに、中継回線監視部301および中継切替判断部306が設けられている。なお、それ以外は図2に示した受信装置122と同様である。
【0072】
中継回線監視部301は、中継回線143を通じて通知される上流の障害情報を監視し、上流の冗長化された中継回線141,142に障害があったことを検出した場合は、その旨を中継切替判断部306に通知する。
【0073】
中継切替判断部306は、上流の冗長化された中継回線141,142における障害情報を収集するだけであり、中継回線の切替処理を行うかは判断しないが、第1の実施形態の中継切替判断部305と同様に、上位プロトコルのデータストリーム313へのアイドルデータ挿入処理を行うか判断し、アイドルデータ挿入指示323を送信データ制御部304に通知する。
【0074】
以下に、図7および図8に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作について説明する。
【0075】
受信装置124内の中継切替判断部306は、上流の中継回線141,142における障害情報を検出すると、アイドルデータ挿入指示323を送信データ制御部304へ通知し、予め決められた一定の保護時間が経過するまでアイドルデータ挿入指示323を継続する。保護時間が経過すると、アイドルデータ挿入指示323を解除する。
【0076】
ここで、上流の中継回線141,142における障害情報の検出後、保護時間が経過する前に、上流の中継回線の障害情報が検出されなくなった状況、すなわち上流の中継装置123における中継回線の切替処理が完了した状況を考える。このような状況下では、中継切替判断部306は、上流の中継回線の障害情報が検出されなくなった時点で、保護時間が経過しているかどうかに関わらずアイドルデータ挿入指示323を解除する。これは、上流の中継回線の切替処理が完了して、予備系の中継回線142に切り替わったことで、中継回線の障害が復旧したことが保証できるからである。
【0077】
一方、上流の中継回線141,142における障害情報の検出後、保護時間が経過するまでアイドル情報挿入指示323が継続している状況、すなわち上流の中継装置123における中継回線の切替処理が完了していない状況を考える。この状況は、上流の中継回線で切替処理を開始したが、現用系・予備系の両方の中継回線に障害が発生し、上流の中継回線の切替処理を行うことができなかった場合などに起こり得る。このような状況下では、冗長化による中継回線の切替では回線障害を救済することができないため、中継切替判断部306は、アイドルデータ挿入指示323を解除し、送信データ制御部304は、GbEのエラーコードである10B_ERRをそのまま上位プロトコル回線132に送出し、上位プロトコル受信装置112に障害を通知する。そして、上位プロトコル受信装置112は、上位プロトコル回線130を上位プロトコル回線133へ切替える、上位プロトコル回線の切替処理を起動し、この上位プロトコル回線の切替処理によって回線の障害が復旧する。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、中継回線の少なくとも一部が冗長化されている場合、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出した際に、障害が発生したことを検出してから一定の保護時間が経過するまでの間、現用系の中継回線から取り出した上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出する。
【0079】
そのため、中継回線で障害が発生したことを検出してから保護時間が経過するまでの間、上位プロトコル回線には上位プロトコルのアイドルデータが送出され、エラーコードが送出されることが防止される。したがって、保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了し中継回線が復旧した場合には、上位プロトコルに対して下位レイヤである中継回線の障害を隠蔽することができる。それにより、上位プロトコル回線の切替処理を起動させず、中継回線の切替処理のみを起動させることによって回線を復旧させることができるため、障害発生による上位プロトコルのネットワークを素早く安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による伝送システムを示す図である。
【図2】図1に示した受信装置の一構成例を示す図である。
【図3】図2に示した送信データ制御部におけるアイドルデータ挿入処理時の動作を説明する図である。
【図4】図1および図2に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作の一例を時系列で説明する図である。
【図5】図1および図2に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作の他の例を時系列で説明する図である。
【図6】図1に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作のさらに他の例を時系列で説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による伝送システムを示す図である。
【図8】図7に示した受信装置の一構成例を示す図である。
【図9】従来の伝送システムの一構成例を示す図である。
【図10】従来の伝送システムの他の構成例を示す図である。
【図11】図10に示した伝送システムにおける中継回線切替処理時の動作の一例を時系列で説明する図である。
【符号の説明】
111 上位プロトコル送信装置
112 上位プロトコル受信装置
121 送信装置
122,124 受信装置
123 中継装置
130,133 上位プロトコル回線
141〜143 中継回線
301,301−1,301−2 中継回線監視部
302 中継回線切替部
303 中継レイヤ終端部
304 送信データ制御部
305,306 中継回線切替判断部
Claims (10)
- 上位プロトコル回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し中継回線に透過的に収容し伝送する送信装置と、前記中継回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し前記上位プロトコル回線に送出する受信装置とを少なくとも有してなる伝送システムにおいて、
前記受信装置は、前記中継回線の少なくとも一部が冗長化されている場合、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出した際に、障害が発生したことを検出してから一定の保護時間が経過するまでの間、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを特徴とする伝送システム。 - 前記保護時間は、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出してから予備系の中継回線の切替処理が完了するまでの時間よりも大きな値に設定される、請求項1に記載の伝送システム。
- 前記受信装置は、前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了している場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の切替処理が完了した時点で、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除する、請求項1または2に記載の伝送システム。
- 前記受信装置は、前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了していない場合、前記保護時間が経過した時点で、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除する、請求項1または2に記載の伝送システム。
- 前記受信装置は、前記保護時間が経過するまでに中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した時点で、上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除する、請求項1または2に記載の伝送システム。
- 上位プロトコル回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し中継回線に透過的に収容し伝送するとともに、前記中継回線から上位プロトコルのデータストリームを取り出し前記上位プロトコル回線に送出する伝送システムにおける中継回線の切替処理方法において、
前記中継回線の少なくとも一部が冗長化されている場合、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出した際に、障害が発生したことを検出してから一定の保護時間が経過するまでの間、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを特徴とする中継回線の切替処理方法。 - 前記保護時間は、現用系の中継回線で障害が発生したことを検出してから予備系の中継回線の切替処理が完了するまでの時間よりも大きな値に設定する、請求項6に記載の中継回線の切替処理方法。
- 前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了している場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の切替処理が完了した時点で、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除する、請求項6または7に記載の中継回線の切替処理方法。
- 前記保護時間が経過するまでに中継回線の切替処理が完了していない場合、前記保護時間が経過した時点で、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除する、請求項6または7に記載の中継回線の切替処理方法。
- 前記保護時間が経過するまでに中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した場合、前記保護時間の経過を待たず、中継回線の現用系・予備系の両回線で障害が発生したことを検出した時点で、前記中継回線の終端部分にて上位プロトコルのデータストリームに上位プロトコルのアイドルデータを挿入して上位プロトコル回線に送出することを解除する、請求項6または7に記載の中継回線の切替処理方法。
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