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JP4154845B2 - 樹脂組成物、樹脂成形体および樹脂成形体の滅菌方法 - Google Patents
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樹脂組成物、樹脂成形体および樹脂成形体の滅菌方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線滅菌を必要とする樹脂成形体の材料として好適な樹脂組成物、該樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体および該樹脂成形体の滅菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノルボルネン系重合体などの脂環構造含有重合体による樹脂成形体は、防湿性、耐熱性、透明性などが優れていることに加え、不純物も少ないために医薬品や食料品の包装材、包装容器などの包装用成形体として使用されている。医薬品や食料品の包装用成形体は、包装に使用される前に滅菌する必要がある。
樹脂成形体の滅菌の方法としては、従来、スチームによる加熱処理が行われるが、最近は、より簡便な滅菌法としてγ線や電子線などの放射線を照射する方法が多用される趨勢にある。
ところが、脂環構造含有重合体の樹脂成形体は、スチーム滅菌処理により白化して透明性が低下し、また、放射線照射により黄変するという問題を有している。
【0003】
脂環構造含有重合体の樹脂成形体を滅菌しても品質低下させないための試みとして、ノルボルネン系樹脂に多価アルコールの部分エーテル化合物を配合してスチーム滅菌による白化を防止する方法(特開平5−317411号公報)や、ノルボルネン系樹脂にリン系安定剤を配合してγ線による黄変を防止する方法(特開平9−12794号公報)が提案された。しかし、これらの方法はいずれも十分問題を解決したとは言えないものである。
【0004】
一方、脂環構造含有重合体にポリエーテル構造含有重合体を配合する樹脂組成物が開示されている(特開平6−240066号広報)。しかし、この方法は帯電防止性を改善するものであり、これから得られる成形体はγ放射線滅菌による変色を防止できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性に優れ、γ線などの放射線による滅菌によっても黄変しない、医療用や食品用の包装に適した樹脂組成物、樹脂成形体および樹脂成形体の滅菌方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、金属含有量の少ない脂環構造含有重合体にポリエーテル化合物を配合した組成物による樹脂成形体が、γ線などの放射線照射による滅菌に対して黄変せず、また、透明性にも優れるので、医療用や食品用の包装成形体として好適であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば、
(1)金属含有量が10ppm以下である脂環構造含有重合体樹脂、およびポリエーテル化合物を含有し、前記脂環構造含有重合体樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量が0.01〜50重量部である樹脂組成物、
(2)金属含有量が10ppm以下である脂環構造含有重合体樹脂、およびポリエーテル化合物を含有し、前記脂環構造含有重合体樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量が0.01〜50重量部である樹脂組成物からなる樹脂成形体、および、
(3)金属含有量が10ppm以下である脂環構造含有重合体樹脂、およびポリエーテル化合物を含有し、前記脂環構造含有重合体樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量が0.01〜50重量部である樹脂組成物からなる樹脂成形体に、放射線を照射することを特徴とする樹脂成形体の滅菌方法、
が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、金属含有量が10ppm以下、好ましくは5ppm以下、より好ましくは1ppm以下の脂環構造含有重合体樹脂を使用する。金属含有量が10ppmを超えると、樹脂成形体はγ線や電子線などの放射線で滅菌すると黄色から緑色に変色するものとなる。
脂環構造含有重合体とは、主鎖および/または側鎖に脂環構造を有する重合体であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環構造を含有するものが好ましい。本発明においては、脂環構造含有重合体に不飽和結合がある場合は該重合体を水素化して用いることが好ましい。
環を構成する炭素原子数は、重合体の機械的強度、耐熱性、成形加工性の観点から、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。
脂環構造を有する繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあることが透明性および耐熱性の観点から好ましい。
【0009】
本発明で使用する脂環構造含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、示差走査型熱量計(DSC)により昇温速度10℃/分で測定した値が、通常、50〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは70〜150℃である。
また、脂環構造含有重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン換算の重量平均分子量で、通常、5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。分子量が上記範囲であると、成形体の機械的強度と成形加工性が高度にバランスするので好ましい。
【0010】
このような脂環構造含有重合体の具体例としては、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体などが挙げられる。
これらの中でも、ノルボルネン系重合体およびビニル脂環式炭化水素重合体が好ましく、ノルボルネン系重合体が耐熱性、機械的強度の点から特に好ましい。ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体およびノルボルネン系モノマーの付加重合体などが挙げられ、本発明にはそれらの水素化物が特に好ましい。
ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン;
【0011】
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン;
【0012】
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−3,7−ジエンもしくはトリシクロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7.4.0.110,13 .02,7 ]−トリデカ−2,4,6、11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.111,14 .03,8 ]−テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)などのノルボルナン環を付帯しないノルボルネン系モノマー;
【0013】
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10 ]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1 .13,6 .02,7 .09,13]−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6 .110,13 .02,7 ]−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボルナン環を付帯するノルボルネン系モノマーなどが挙げられる。
上記のノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0014】
上記ノルボルネン系モノマー以外に、共重合可能なモノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;アクリロニトリル、メタクリロニトリルα−クロロアクリロニトリルなどのニトリル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸モノマーなどを全モノマーの50重量%以下の使用量で用いることができる。これらの共重合可能なモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、タングステン、チタン、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、助触媒のトリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて、例えば、溶媒中で−50℃〜100℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力で重合させて得ることができる。
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、または、ノルボルネン系モノマーと上記共重合可能なモノマーとの付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中でチタン、ジルコニウム、またはバナジウム化合物と助触媒の有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で−50℃〜100℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力で重合させて得ることができる。
【0016】
ビニル脂環式炭化水素重合体には、ビニルシクロアルカン重合体とビニルシクロアルケン重合体が含まれる。ビニルシクロアルカン重合体は、3通りの調製法によるものが可能である。その第1はビニルシクロアルカン化合物の重合、その第2はビニルシクロアルケン化合物の重合体の水素化、その第3はビニル芳香族化合物の重合体の水素化である。
ビニルシクロアルカン化合物およびビニルシクロアルケン化合物は、炭素数5〜8の脂肪族環を有するビニル脂環式炭化水素化合物であり、2−ビニルシクロペンタン、2−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−ビニルペンタン、2−メチル−4−ビニルペンテン、3−ビニルシクロペンタン、3−ビニルシクロペンテン、3−t−ブチル−4−ビニルペンタン、3−t−ブチル−4−ビニルペンテンなどのビニルシクロペンタン化合物およびビニルシクロペンテン化合物;4−ビニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキサン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキサン化合物およびビニルシクロヘキセン化合物;2−ビニルシクロヘプタン、2−ビニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプタン化合物およびビニルシクロヘプテン化合物;2−ビニルシクロオクタン、2−ビニルシクロオクテン、4−ビニルシクロオクタン、4−ビニルシクロオクテンなどのビニルシクロオクタン化合物およびビニルシクロオクテン化合物などが挙げられる。これらの中で、ビニルシクロヘキサン化合物およびビニルシクロヘキセン化合物が好ましい。
【0017】
ビニル芳香族化合物は、芳香環を有し、かつ、重合性のビニル基を有する化合物である。
ビニル芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレンなどを挙げることができる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレンなどが好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレンなどが特に好ましい。
また、上記のビニル脂環式炭化水素化合物またはビニル芳香族化合物の他に、これらと共重合可能なモノマーを50重量%以下の量共重合してもよい。このような共重合可能なモノマーとしては、前記のノルボルネン系重合体における共重合可能なモノマーと同様なモノマーが例示される。
【0018】
ビニル脂環式炭化水素重合体またはビニル芳香族化合物重合体を製造する重合は、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合のいずれの方法も可能であるが、カチオン重合では重合体の分子量が小さくなり、ラジカル重合では分子量分布が広くなって成形体の機械的強度が低下する傾向があるので、アニオン重合が好ましい。
アニオン重合は、有機溶媒中で、重合触媒としてn−ブチルリチウム、ジリチオメタンなどの有機アルカリ金属を使用する。通常、機械的強度や耐熱性の確保などの目的で、分子量分布の狭い重合体を得るためにジブチルエーテル、トリエチルアミンなどのルイス塩基を添加する。アニオン重合は、通常、反応温度−70〜150℃、反応時間0.01〜20時間で行われる。
カチオン重合を行う場合は、重合触媒としてBF 、BF などを用いることができる。
ラジカル重合を行う場合は、重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシドのごときラジカル開始剤を使用することができる。
【0019】
環状共役ジエン重合体としては、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエンを、例えば特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報の教示する方法によって、1,2−または1,4−付加重合した重合体を用いることができる。
【0020】
上記のように、脂環構造含有重合体の多くは炭素−炭素不飽和結合を有するが、本発明においてはかかる炭素−炭素不飽和結合を水素化して使用することが好ましい。ビニル芳香族化合物の重合体の場合は、芳香環を水素化してシクロヘキサン環含有重合体とする。脂環、主鎖および測鎖のすべての不飽和結合に対する水素添加率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上である。水素添加率が過度に少ないと耐衝撃性が低下するおそれがあるので好ましくない。
水素化の反応溶液の調製は、重合反応後に重合反応溶液から重合体を分離、回収して新たな溶媒に溶解し直してもよいが、重合の溶媒と水素化反応の溶媒とを共通化させることにより、重合後の反応溶液をそのまま水素化反応に供しても良い。
【0021】
脂環構造含有重合体の水素化は、水素化する重合体の種類により、反応温度、水素分圧、反応時間および反応溶液濃度を適宜に最適な範囲に設定する。重合体溶液と水素化触媒とを接触させる方法としては、(1)該重合体溶液に水素化触媒を一定量添加して、反応器内で水素存在下に撹拌混合する方法、および、(2)重合体溶液と水素とを、水素化触媒を充填した固定床式反応器に通過させる方法のいずれの方法も用いることができる。いずれの場合も、脂環構造含有重合体濃度が1〜30重量%である有機溶媒溶液に対して、水素化触媒を重合体100重量部あたり0.01〜50重量部用いて、反応温度25〜300℃、水素分圧0.5〜10MPaにて反応時間0.5〜20時間反応する。
【0022】
水素化触媒としては、特に限定されず、一般の水素化触媒が使用できる。例えば、ニッケル、コバルト、鉄、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウムなどの周期律表の第8〜10族の金属から選ばれる少なくとも1種の遷移金属が代表例として挙げられる。これらの金属は、それぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。水素化触媒は均一系触媒でもよいし、金属もしくは金属化合物の粉体のままか、またはそれらを担体に担持させた不均一触媒でもよい。
【0023】
均一系触媒としては、ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄などの金属化合物と、有機アルミニウムや有機リチウムのような有機金属化合物とを組み合わせた触媒;ロジウム、パラジウム、ルテニウム、レニウムなどの有機金属錯体などを用いることができる。
均一系触媒における金属化合物としては、各金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物などが用いられる。有機アルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどのハロゲン化アルキルアルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルキルアルミニウムなどが使用される。
均一系触媒における有機金属錯体としては、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリッド−クロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体などが挙げられる。
【0024】
不均一系触媒に用いる担体としては、アルミナ、ケイソウ土、マグネシア、活性炭、シリカ、硫酸バリウム、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ケイソウ土−ジルコニア、アルミナ−ジルコニアなどが挙げられる。金属を担体に担持させる方法としては、共沈法、沈着法(混練法)、含浸法などがある。
金属の担持量は、担体と合計した重量に対して、通常、0.01〜80重量%、好ましくは0.05〜60重量%となる量である。
水素化触媒の使用量は、水素化対象重合体100重量部当たり触媒金属が、通常、0.03〜50重量部、好ましくは0.16〜33重量部、より好ましくは0.33〜15重量部となる量である。
【0025】
本発明で使用する脂環構造含有重合体は、遊離金属、金属化合物または金属イオンの金属含有量を10ppm以下に低減したものでなければならない。
脂環重合含有重合体中に含まれる金属成分の主なものは、重合触媒および/または水素化触媒の残渣である。金属の種類としては、リチウム、ナトリウム、カリウム;アルミニウム;チタン、ジルコニウム;バナジウム;クローム、モリブデン、タングステン;レニウム;鉄、ルテニウム、オスミウム;ロジウム、イリジウム、コバルト;パラジウム、白金、ニッケル;亜鉛;鉛、カドミウムなどである。
【0026】
脂環構造含有重合体中の金属含有量を10ppm以下にするには、以下の方法によると有効である。
(1)重合反応に高活性触媒を用いる。
高活性重合触媒は、モノマーにより種類が異なるが少量の使用量で重合収率を高くできるので、水素化反応前に必ずしも除去を要しない。重合触媒の使用量が少量のため水素化触媒への被毒が少ないので、水素化触媒も使用量が少なくて済み、金属含有量の少ない重合体を得るのに遊離である。
重合に低活性の触媒を用いる場合は、重合反応後に触媒を沈殿化、不溶化して濾過してから水素化反応を行う。
水素化反応後は水素化触媒を除去する。水素化触媒除去法としては、不均一系触媒の場合は遠心分離または/および濾過が、均一系触媒の場合は沈殿化、不溶化、吸着などが有効である。
金属残渣が多量存在する重合体溶液を用いて水素化反応すると、被毒作用があるので水素化触媒を多量使用しなければならず、また、被毒により水素化反応中に水素化触媒が微細化し、水素化後に濾過分離や吸着だけでは触媒を除去することが困難になる。
(2)水素化反応の触媒として金属担持型触媒を用い、その担体に細孔容積が0.1ml/g以上、好ましくは0.2ml/g以上で、比表面積が100m /g以上、好ましくは150m /g以上のものを用いる。重合触媒の金属残渣が担体の細孔に吸着されるので、水素化触媒の被毒が低減でき、(1)と同様な効果が得られる。また、水素化反応後に反応液中の金属担持型触媒を遠心分離や濾過により除去できて、金属含有量の少ない重合体を得ることができる。
本発明においては、(1)と(2)を組み合わせることが有効である。
【0027】
上記遠心分離や濾過には、濾過助剤を使用すると処理効率が上がるので好ましい。濾過助剤の使用法としては、処理前の溶液中に添加して(ボディフィード)から遠心分離または濾過する方法、また濾過の場合に、予め濾材の上に濾過助剤で濾過床を形成して(プリコート)から濾過する方法がある。濾過助剤には、ケイソウ土、シリカ、合成ゼオライト、パーライト、アルミナなどがある。
濾過の濾材としては、金網を有するリーフフィルター、濾布、合成樹脂フィルターなどが使用可能である。また、濾過を行う際には、一度フィルターを通過した濾液を濾過器の入口に戻し、再びフィルターを通過させる操作を繰り返し、触媒残渣が完全に除去された時点で濾液を採取する方法(サーキュレーション法)を用いることが好ましい。
【0028】
均一系触媒や遊離微細金属触媒を除去するための、沈殿化、不溶化して濾過する方法、および、吸着剤を使用する方法は次のように行う。
沈殿化は、水酸化ナトリウムのような塩を添加して凝集させたり、もしくは、酸化物、水酸化物、アルコキサイドなどの化合物として沈澱させる。また、水、アルコールなどを少量添加して不溶化させることもできる。沈殿化、不溶化後は遠心分離や濾過をして除く。
吸着剤を用いる方法では、吸着剤としてケイソウ土、活性アルミナ、合成ゼオライト、モレキュラーシーブ、カーボン、シリカなどを使用する。吸着剤の備えるべき好ましい細孔容積および比表面積は、上記(2)の金属担持型触媒の担体と同様である。
【0029】
本発明で使用するポリエーテル化合物は、炭素数1〜4のアルキレンオキシドとグリコール類、トリオール類、テトロール類または糖類とから誘導される下記一般式で顕わされるものである。
【0030】
−〔O−CH−C(R)H〕−OR
【0031】
ここで、Rは、独立に水素、または炭素数1〜4のアルキル基を、Rは、独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基を、またnは1〜200の平均値を意味する。
【0032】
本発明に好適なポリエーテル化合物としては、Rの炭素数が好ましくは8以下、より好ましくは3以下のポリアルキレングリコールで、代表例としてはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが挙げられる。特に好ましくはポリプロピレングリコールが挙げられる。
ポリエーテル化合物の分子量は、好ましくは100〜10,000、より好5ましくは200〜5,000、特に好ましくは300〜1,000である。分子量が過度に大きいと脂環構造含有重合体に均一に分散せず、成形体の透明性を低下させるおそれがあり、逆に、分子量が過度に小さいと樹脂成形体の放射線による変色の防止力が不十分となる可能性がある。
本発明におけるポリエーテル化合物の配合量は、脂環構造含有重合体100重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは0.05〜30重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。ポリエーテル化合物の配合量が過度に少ないと樹脂成形体の放射線による変色の防止力が不十分となるおそれがあり、逆に、ポリエーテル化合物の配合量が過度に多いと脂環構造含有重合体中に均一に分散せず、成形体の透明性を低下させる可能性がある。
【0033】
本発明の樹脂組成物には、ポリエーテル化合物の他、所望により、フェノール系、フォスファイト系、チオエーテル系などの酸化防止剤;ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤;帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステルおよび部分エーテルなどの滑剤;染料;顔料;無機繊維、有機繊維、フィスカーなどの強化材など各種の添加剤を配合することができる。また、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、ゴム質重合体などを混合して用いることもできる。
これらの配合剤を添加して調製した脂環構造含有重合体樹脂組成物は、例えば押出機によりペレット化して成形品の加工に供する。
【0034】
本発明の樹脂成形体は、上記樹脂組成物を成形して得られるものである。樹脂成形体は、フィルム・シート状、筒状、容器状など種々の形状で使用することができる。また、該成形体は、透明性、防湿性および低不純物性などの本来脂環構造含有重合体が保有する特徴を維持し、かつ、γ線や電子線などの放射線による滅菌操作を受けても黄変などの変色を起こさない。これにより、本発明の樹脂成形体は、滅菌を必要とする医療用、食品用などの包装資材として好適に使用することができる。
【0035】
成形体を得るための方法は、用途、形状などに応じて従来から知られている樹脂成形法がすべて適用できる。例えば、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、押出成形法、インフレーション成形法、真空成形法、キャスト成形法などが用いられる。
これらの方法によって得られた成形体は、例えば、薬品容器、アンプル、バイアル、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・パッケージなどの容器;シリンジ、プレフィルド・シリンジ、医療用輸液チューブなどの医療器具および医療用器材;ラップ・フィルム、シュリンク・フィルム、ストレッチ・フィルムなどのフィルム;ブリスター・パッケージ、トレー、食器などの食品容器などとして利用される。
【0036】
本発明の樹脂成形体は、放射線滅菌を行っても黄変や濁りを生じずに、透明な状態を維持することができる。これにより、上記のような薬品容器、医療用器材、食品包装材料などにおいて、放射線滅菌操作を施して使用することができる。滅菌に使用する放射線の種類としては、γ線、電子線、X線、紫外線などが挙げられるが、成形体の厚みなどに拘わらず内層まで均一に滅菌できるγ線、および、エネルギー制御ができ、高出力容量を持つ電子線が好ましく、γ線が特に好ましい。
γ線および電子線のいずれの場合も、樹脂成形体に対する放射線の最大吸収線量は、1〜10Mrad、好ましくは1.5〜8Mrad、より好ましくは2〜6Mradである。最大吸収線量が過度に小さいと滅菌効果が低減するおそれがあり、逆に、過度に大きいと成形体が着色を帯びたり機械的強度が低下する可能性がある。
γ線の線源にはコバルトを用い、電子線源では電子線加速装置(EB装置)を用いて発生させる。また、放射線照射は無菌室で行うことが好ましい。
本発明の樹脂成形体は、上記方法で滅菌した後は、無菌室の中に保管し、無菌室の中で樹脂成形体への内容物充填および包装などを行うことが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下に実施例、比較例および参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、部および%は、特記のない限り重量基準である。測定法は以下によった。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)
脂環構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、重合体をシクロヘキサンを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリイソプレンのMwおよびMnに換算して求めた。
(2)水素添加率
水素添加率は、 H−NMRにより測定した。
【0038】
(3)金属含有量
水素化およびそれに続く濾過後の一定濃度の重合体溶液を用い、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定した。
(4)全光線透過率(透明性)
ASTM D1003に則り、全光線透過率(単位%)を測定した。
(5)γ線照射試験
樹脂成形体にコバルト−60を線源とするγ線を最大吸収線量が2.5Mradとなるように照射して、着色の全く見られないものを◎、ごくわずかに黄変したものを○、濃黄色から緑色に変色したものを×と記した。
【0039】
脂環構造含有重合体製造例1
室温の反応器に窒素雰囲気下で、脱水シクロヘキサン500部、1−ヘキセン0.55部、ジブチルエ−テル0.11部および助触媒トリイソブチルアルミニウム0.22部を入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカ−3−エン(以下DCPと略す)76部、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下TCDと略す)70部およびテトラシクロ[7.4.0.110,13.02,7]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(以下MTFと略す)54部および触媒六塩化タングステンの0.7%トルエン溶液30部を2時間かけて連続的に添加し、重合した。
得られた重合反応液を耐圧反応器に移送し、不均一系水素化触媒であるケイソウ土担持ニッケル触媒(ニッケル担持率58重量%、細孔容積0.25ml/g、比表面積180m/g)10部およびシクロヘキサン200部を加え、150℃、水素圧4.4MPaで8時間反応させた。ステンレス製金網を備えた濾過器の、金網上に珪藻土を濾過助剤として敷きつめ、水素化反応液を濾過して、水素化触媒を除去した。濾過した反応溶液を3000部のイソプロピルアルコ−ル中に攪拌下に注いで水素添加物を沈殿させ、濾別してDCP−TCD−MTF開環共重合体水素添加物を回収した。これをアセトン500部で洗浄した後、圧力133Pa以下、温度100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、DCP−TCD−MTF開環重合体水素添加物(脂環構造含有重合体1)190部を得た。脂環構造含有重合体1の主鎖水素添加率は99.9%、Mwは、38,000、共重合組成(重量比)はDCP/TCD/MTF=38/35/27、Tgは140℃であった。重合体中の金属としては、アルミニウム、タングステン、ニッケルの総含有量が1ppm未満であった。
【0040】
脂環構造含有重合体製造例2
脂環構造含有重合体製造例1において、触媒系のトリイソブチルアルミニウム0.22部および六塩化タングステン正味0.21部の代わりに、トリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液33.3部(正味5部)、トリエチルアミン16.7部および四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液33.3部(正味6.66部)からなる触媒を用いた他は脂環構造含有重合体製造例1と同様にして重合反応を行った。得られた重合反応液にイソプロピルアルコール3部およびイオン交換水23.3部を添加して1時間攪拌した。析出した重合触媒を800メッシュのケイソウ土(ラジオライト800、昭和化学株式会社製)の濾過床を通して除去した。
濾過した重合体溶液を耐圧反応器に仕込み、以後の水素化反応およびその後の水素化触媒除去は脂環構造含有重合体製造例1と同様にして行い、DCP−TCD−MTF開環重合体水素化物(脂環構造含有重合体2)193部を得た。脂環構造含有重合体2の主鎖水素添加率は99.9%、Mwは、38,000、共重合組成(重量比)はDCP/TCD/MTF=38/35/27、Tgは140℃であった。重合体中の金属としては、アルミニウム、チタン、ニッケルの総含有量が3ppmであった。
【0041】
脂環構造含有重合体製造例3
脂環構造含有重合体製造例2において、重合反応後の反応液にイソプロピルアルコールおよびイオン交換水を添加せずにそのまま耐圧容器に移し、水素化触媒のケイソウ土担持ニッケル触媒を20部用いた他は脂環構造含有重合体製造例2と同様に行い、DCP−TCD−MTF開環重合体水素化物(脂環構造含有重合体3)195部を得た。脂環構造含有重合体3の主鎖水素添加率は99.9%、Mwは、38,000、共重合組成(重量比)はDCP/TCD/MTF=38/35/27、Tgは140℃であった。重合体中の金属としては、アルミニウム、タングステン、ニッケルの総含有量が15ppmであった。
【0042】
実施例1〜3
脂環構造含有重合体1に対して、表1に記す種類と量の成分を混合してから2軸押出機(TEM−35B、東芝機械社製、スクリュー径37mm、L/D32,スクリュー回転数250rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10kg/h)で押し出してペレットを作製した。
ペレットを射出成形機(AUTOSHOTC MODEL30A、ファナック社製、型締力30t、樹脂温度260℃、型温度100℃、射出圧力900kg/cm )で縦100mm、横50mm、厚さ3mmの板を成形した。このとき樹脂温度が250℃を超える時間は2分以下であった。
得られた成形品につき、全光線透過率測定およびγ線照射試験を行った。結果を表1に記す。
【0043】
実施例4
脂環構造含有重合体として、脂環構造含有重合体2を使用した他は実施例3と同様にして行った。
得られた成形品につき、全光線透過率測定およびγ線照射試験を行った。結果を表1に記す。
比較例1
脂環構造含有重合体として、脂環構造含有重合体1を用い、ポリエーテル化合物を配合しなかった他は実施例1と同様してに行った。
得られた成形品につき、全光線透過率測定およびγ線照射試験を行った。結果を表1に記す。
比較例2
脂環構造含有重合体として、脂環構造含有重合体3を用いた他は実施例1と同様にして行った。
得られた成形品につき、全光線透過率測定およびγ線照射試験を行った。結果を表1に記す。
【0044】
【表1】
Figure 0004154845
【0045】

*1:分子量400のポリプロピレングリコール
*2:分子量20,000のポリプロピレングリコール
*3:イルガノックス1010、チバガイギー社製、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン。
【0046】
表1より、金属含有量が10ppm未満である脂環構造含有重合体にポリエーテル化合物を規定量配合して得られる成形体は、透明性が良好な上に、γ線照射によって全く変色しないことが示された(実施例1〜4)。
これに対して、金属含有量の少ない脂環構造含有重合体であっても、ポリエーテル化合物を配合しないと透明性は樹脂の特性上良好であるが、γ線照射で黄変した(比較例1)。また、金属含有量が10ppmを超える脂環構造含有重合体に対してポリエーテル化合物を規定量配合しても、γ線照射で黄変することが示された(比較例2)。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、透明性に優れ、γ線などの放射線による滅菌によっても黄変しない、医療用や食品用の包装に適した樹脂組成物、樹脂成形体および樹脂成形体の滅菌方法が提供される。

Claims (4)

  1. 金属含有量が10ppm以下である脂環構造含有重合体樹脂、およびポリエーテル化合物を含有し、前記脂環構造含有重合体樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量が0.01〜50重量部である樹脂組成物。
  2. 前記ポリエーテル化合物の分子量が、150〜10,000である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 金属含有量が10ppm以下である脂環構造含有重合体樹脂、およびポリエーテル化合物を含有し、前記脂環構造含有重合体樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量が0.01〜50重量部である樹脂組成物からなる樹脂成形体。
  4. 金属含有量が10ppm以下である脂環構造含有重合体樹脂、およびポリエーテル化合物を含有し、前記脂環構造含有重合体樹脂100重量部に対するポリエーテル化合物の配合量が0.01〜50重量部である樹脂組成物からなる樹脂成形体に、放射線を照射することを特徴とする樹脂成形体の滅菌方法。
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