JP4161551B2 - 高圧電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング素子のオン/オフによって昇圧トランスを駆動して、直流電圧を出力するデジタル制御方式の高圧電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式のプリンタには、高圧電源装置が設けられている。プリンタに設けられている高圧電源装置は、出力電圧を検出して、CPUが、この検出した出力電圧が所定の電圧となるようにスイッチング素子をオン/オフするときのデューティ比や周波数を制御することにより、所定の直流電圧を出力するデジタル制御方式が一般的となっている。
【0003】
このようなデジタル制御方式による高圧電源装置には、フォワード方式やフライバック方式などがある。図20には、フライバック方式を用いた一例としての高圧電源装置200を示している。この高圧電源装置200では、CPU202から出力するスイッチング信号によってスイッチング素子204をオンすることにより、直流電源から昇圧トランス206の一次巻線206Aに所定の電圧Vinが印加されて昇圧トランス106に電力が蓄積される。
【0004】
スイッチング素子204をオフすることにより、昇圧トランス206に蓄積された電力は、二次巻線206Bから平滑回路を介して直流電圧(出力電圧Vout)に変換されながら負荷へ供給される。
【0005】
このとき、CPU202は、出力電圧検出回路208とA/D変換部210によって負荷への出力電圧Voutをモニタして、スイッチング素子204のオン時間やスイッチング周期を制御することにより、出力電圧Voutが目標電圧となるようにスイッチング素子204のPWM制御を行っている。
【0006】
ところで、プリンタ等では、高精度の出力電圧が得られる高圧電源装置が要求される。また、高電圧装置から出力する電圧を使用する転写ローラ等は、湿度や温度等の環境条件に応じてインピーダンスが変化する。このために、プリンタ等では、高電圧装置に接続される負荷容量が大きく変化する。
【0007】
一方、デジタル制御方式を用いた高圧電源装置では、例えば負荷が一定であれば、この負荷に応じて回路定数を適切に設定することにより、スイッチング素子のオンデューティ(オン時間)に応じて出力電圧が増加する単調増加特性となり、出力電圧が目標電圧となるように制御する安定化制御が極めて容易である。
【0008】
しかしながら、実際には、負荷が変動することが多く、この負荷変動範囲内や出力電圧の制御範囲内の全域において、単調増加特性が得られることは少なく、カラープリンタ等においては、出力電圧を高精度で制御した高圧電源装置を必要とする。
【0009】
このために、特開2000−102249号公報では、温度や湿度等の負荷のインピーダンスに影響を及ぼす環境条件に基づいてデューティ比を制御する提案がなされている。しかし、負荷の環境条件に基づいてオンデューティを制御しても、必ずしも出力電圧を単調増加特性とし得るものではない。
【0010】
また、上記提案では、複雑な演算処理を行わなければならず、高性能のCPUが必要となるために、低コスト化の妨げとなる。さらに、タンデム方式では、4倍もの電源回路が必要となるために、CPUも4倍の性能が必要とされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、負荷容量の変化等にかかわらず低コストで高精度の出力電圧制御が可能となる高圧電源装置を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、昇圧トランスと、前記昇圧トランスの一次巻線の一方の端子に接続されて昇圧トランスに直流電圧を供給する直流電源と、前記昇圧トランスの一次巻線の他方の端子に接続されて前記直流電源からの昇圧トランスへの電圧供給をオン/オフするスイッチング素子と、前記スイッチング素子のオン/オフによって前記昇圧トランスの二次巻線に昇圧されて生じる電圧を平滑化して負荷へ出力する平滑手段と、前記負荷への出力電圧に基づいてスイッチング素子のオン時間を制御して出力電圧が目標電圧となるようにスイッチング素子のPWM制御を行うPWM制御部と、を含む高圧電源装置であって、前記昇圧トランスの一次巻線の前記他方の端子と接地間の電圧を端子電圧として検出する電圧検出手段と、前記負荷へ出力される出力電圧を検出して、検出した出力電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記電圧検出手段によって検出される前記端子電圧と前記基準電圧とを比較する比較手段と、前記スイッチング素子のオンタイミングを、前記比較手段の比較結果から前記端子電圧が前記基準電圧まで低下したと判断された後にスイッチング素子をオンするように設定する設定手段と、前記出力電圧に基づいたオン時間で前記設定手段によって設定されるオンタイミングに基づいて前記スイッチング素子を駆動する駆動手段と、を含む。
【0013】
この発明によれば、出力電圧に基づいてオン時間を設定し、設定したオン時間に基づいてスイッチング素子を駆動するPWM制御によって出力電圧が目標電圧となるように制御する。このとき、昇圧トランスの一次巻線側の端子電圧の変化を検出し、この端子電圧の変化に基づいてスイッチング素子をオンするタイミングを設定する。
また、基準電圧設定手段が出力電圧に基づいて基準電圧を設定し、端子電圧がこの基準電圧まで下がった(端子電圧が基準電圧以下となった)後にスイッチング素子をオンするように、スイッチング素子のオンタイミングを設定することにより、出力電圧に応じて端子電圧の振幅が変化しても、適切なタイミングでスイッチング素子を駆動することができる。
【0014】
これにより、出力電圧や負荷容量に応じて変化する端子電圧に対して一定のタイミングでスイッチング素子をオンすることができ、スイッチング素子のオン時間に応じて出力電圧が単調増加するようにできる。
【0015】
したがって、複雑なPWM制御を行う必要がなく、出力電圧の高精度の制御が低コストで可能となる。
【0021】
このような本発明では、前記比較手段の比較結果の読込みを、前記スイッチング素子がオフしてから所定時間の間停止するマスク時間を設定することがより好ましい。
【0022】
スイッチング素子をオンからオフしたときに、リンギング等が発生することがあるが、マスク時間を設定することにより、リンギングによる誤動作の発生を確実に防止することができる。
【0023】
また、本発明は、前記スイッチング素子の駆動開始時に、所定時間以内の間隔でスイッチング素子を強制駆動する起動手段を含むことが好ましく、これにより、一次巻線の端子電圧に基づいてスイッチング素子をスイッチングするときに、確実な駆動が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態ヲ説明する。図1には、本実施の形態に係る高圧電源装置10の概略構成を示している。
【0025】
この高圧電源装置10は、所定電圧Vinを出力する直流電源12と、直流電源12から入力される電圧を昇圧した出力電圧Voutを出力する昇圧部14を備えており、この昇圧部14から出力される電力が、負荷16に供給される。なお、この高圧電源装置10を、電子写真プロセスを用いたカラープリンタ等のプリンタに用いたときには、負荷16として転写ローラなどが接続されるが、これに限らず、高圧電源部14の出力側には、直流電力を使用するものであれば、任意の負荷16を接続することができる。
【0026】
昇圧部14には、昇圧トランス18が設けられている。この昇圧トランス18の一次巻線18A側には、スナバー回路20が設けられており、一次巻線18Aの一方の端子32Aに直流電源12から電圧Vinの直流電力が入力される。また、昇圧トランス18の二次巻線18B側には、平滑回路22が設けられており、この平滑回路22を介して、所定の出力電圧Voutの直流電圧が出力される。
【0027】
一方、昇圧部14には、スイッチング素子24が設けられている。このスイッチング素子24は、昇圧トランス18の一次巻線18Aの他方の端子32Bに直列接続している。また、昇圧部14には、PWM制御部26が設けられている。スイッチング素子24は、PWM制御部26から出力されるスイッチング信号stに応じて、オン/オフ駆動される。
【0028】
このスイッチング素子24は、スイッチング信号stによってオン/オフして、直流電源12から昇圧トランス18の一次巻線18Aへの通電及び遮断を行う。このときのスイッチング素子24としては、バイポーラトランジスタ、パワートランジスタ、MOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)、パワーMOSFET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の公知の半導体素子を適用することができる。
【0029】
この高圧電源装置10は、フライバック方式が用いられており、スイッチング素子24がオン中に、昇圧トランス18の一次巻線18A側に直流電源12から電力が供給されて、昇圧トランス18に電力を蓄積する。この後、スイッチング素子24がオフして、直流電源12からの電力供給が遮断されたときに、昇圧トランス18に蓄積された電力を、平滑回路22を介して直流電圧に変換しながら負荷16へ供給する。すなわち、スイッチング素子24がオフしている時間がフライバック時間となる。
【0030】
また、昇圧部14には、出力電圧検出部28が設けられている。この出力電圧検出部28は、負荷16へ出力する出力電圧Voutに応じた電圧をPWM制御部26へ出力する。
【0031】
PWM制御部26は、出力電圧検出部28から検出する電圧に基づいて、出力電圧Voutがあらかじめ設定している目標電圧となるように、スイッチング素子24をオンするときのオン時間を設定する。すなわち、高圧電源装置10は、出力電圧Voutが目標電圧となるようにスイッチング素子24のPWM制御を行う。
【0032】
ところで、昇圧部14には、電圧検出部30が設けられ、この電圧検出部30が、PWM制御部26に接続している。電圧検出部30は、昇圧トランス18の一次巻線18Aの端子32Bと接地間の電圧である端子電圧V0に応じた信号(例えば電圧)をPWM制御部26へ出力する。すなわち、電圧検出部30は、一次巻線18Aの端子32Aと端子32Bの間の巻線間の電圧V1に応じて変化する端子32Bの端子電圧V0に応じた信号を出力する。これにより、PWM制御部26では、スイッチング素子24のオン/オフに応じた一次巻線18Aの電圧V1の変化が検出可能となっている。
【0033】
PWM制御部26は、電圧検出部30を介して検出する電圧V0に基づいてスイッチング素子24をオンする。すなわち、PWM制御部26は、昇圧トランス18の一次巻線18Aの電圧V1に基づいてスイッチング素子24をオンする。
【0034】
昇圧部14では、スイッチング素子24がオンすることにより、昇圧トランス18の一次巻線18Aの電圧V0が一定となり、スイッチング素子24がオン状態からオフすることにより、二次巻線18B側の電圧V2に応じて電圧V1が変化する。この電圧V1が変化するときの時定数は、主に二次巻線18B側の回路定数や負荷のインピーダンス等の消費電力に応じたものとなる。
【0035】
このときに、PWM制御部26は、一次巻線18Aの端子電圧V0が予め設定している所定値に達したときに、スイッチング素子24をオンすることにより、負荷16の大きさ等にかかわらず、スイッチング信号のオン時間の変化に応じて出力電圧Voutを変化させることができるようにしている。すなわち、オン時間を大きく(長く)したときに、出力電圧Voutが増加する単調増加特性となるようにすることができる。
【0036】
以下に、高圧電源装置10の具体例を、図面を参照しながら説明する。
〔第1実施例〕
図2には、実施例1に適用した高圧電源装置10Aを示している。この電源装置10Aには、コンデンサ40と抵抗42が直列接続されたスナバー回路20が設けられ、また、ダイオード44によって半波整流し、コンデンサ46によって平滑化して出力する平滑回路22が設けられている。
【0037】
一方、PWM制御部26として設けられているPWM制御部26Aは、CPU48によって形成されている。また、出力電圧検出部28は、出力電圧Voutを、抵抗50A、50Bによって分圧して出力電圧Voutのモニタ電圧Vout-monとして出力する。CPU48には、A/D変換部52が設けられており、CPU48は、出力電圧検出回路28から入力されるモニタ電圧Vout-monを、A/D変換して読み込む。
【0038】
また、スイッチング素子24は、一例としてパワーMOSFETを用いており、CPU48からスイッチング信号として入力される電圧の変化に基づいてオン/オフするようになっている。
【0039】
ところで、この高圧電源装置10Aの昇圧部14Aには、電圧検出部30として、バッファ54を備えた電圧検出回路56が設けられている。この電圧検出回路56では、抵抗58A、58Bによって分圧された電圧を、バッファ54を介してCPU48に設けているA/D変換部60へ出力する。これにより、CPU48は、昇圧トランス18の一次巻線18Aの端子32Bでの電圧V0をA/D変換して読み込んでモニタすることができる(以下「モニタ電圧Vmon」とする。
【0040】
一方、CPU48では、出力電圧Voutのモニタ電圧Vout-monに基づいて、出力電圧Voutが目標電圧となるように、スイッチング素子24のオン時間tONを設定する。すなわち、出力電圧Voutが目標電圧となるときのモニタ電圧Vout-monを、目標基準電圧として、モニタ電圧Vout-monと目標基準電圧を比較し、モニタ電圧Vout-monが目標基準電圧より高い時には、スイッチング素子24のオン時間tONをワンステップ短くし、逆にモニタ電圧Vout-monが低い時にはワンステップ長くする。
【0041】
昇圧部14Aでは、このようにしてスイッチング素子24のオン時間tONのフィードバック制御を行うことにより、出力電圧Voutを目標電圧に一致させるようにしている。なお、このスイッチング素子24のオン時間tONの設定は、一般的構成を適用でき、本実施の形態では、詳細な説明を省略する。
【0042】
また、CPU48では、電圧検出回路56から入力される端子電圧V0に対するモニタ電圧Vmonから、スイッチング素子24をオンするタイミングを設定する。すなわち、CPU48では、予め設定されている基準電圧Vsとモニタ電圧Vmonを比較して、モニタ電圧Vmonが基準電圧Vsまで下がるとスイッチング信号stを出力して、スイッチング素子24をオンする。
【0043】
このときの基準電圧Vsは、スイッチング素子24がオフして昇圧トランス18に蓄積しているエネルギーを放出するときに、エネルギーの放出がほぼ終了した時の電圧V0を適用している。これにより、高圧電源装置10Aでは、昇圧トランス18に蓄積しているエネルギーの放出が終了したタイミングで、新たなエネルギーの蓄積が開始されるようにしている。
【0044】
ここで、図3及び図4を参照しながら、高圧電源装置10Aの作動の概略を説明する。図3には、CPU48がスイッチング信号を出力するスイッチング処理の概略を示している。このフローチャートは、高圧電源装置10Aが負荷16へ所定の高圧電圧を出力するときに実行される。また、CPU48では、このスイッチング処理と並行して、出力電圧Voutのモニタ電圧Vout-monに基づいたオン時間tONの設定処理を行う。
【0045】
このフローチャートでは、最初のステップ100で、スイッチング信号stを出力し、ステップ102では、スイッチング信号stを出力してからの時間が、別に設定しているオン時間tONに達したか否かを確認に、ステップ102で肯定判定することによりステップ104へ移行して、スイッチング信号stの出力を停止する。すなわち、ステップ100からステップ104では、モニタ電圧Vout-monに基づいて設定したオン時間tONに基づいてスイッチング素子24をオンする。
【0046】
昇圧トランス18の端子電圧V0は、スイッチング素子24をオンすると、所定の電圧となる。この電圧は、スイッチング素子24がオンしているときにの、スイッチング素子24のドレイン−ソース間の電圧VD-Sであり、図4に示すように、モニタ電圧Vmonは、この電圧VD-Sに応じた電圧Vd-s(ON)となる。
【0047】
一方、図3のフローチャートでは、スイッチング信号stをオフすると、ステップ106へ移行して、モニタ電圧Vmonを読込み、このモニタ電圧Vmonが基準電圧Vsよりも高くなっているか否かを確認し(ステップ108)、モニタ電圧Vmonが基準電圧Vsよりも高くなっていると(ステップ108で肯定判定)、ステップ110へ移行し、さらにモニタ電圧Vmonを読み込む。この後、ステップ112では、このモニタ電圧Vmonが基準電圧Vsまで低下したか否か(Vmon≦Vs)を確認する。
【0048】
すなわち、図4に示すように、スイッチング素子24がオフすることにより、フライバックが開始されて昇圧トランス18に蓄積されたエネルギーの放出が開始され、これに伴って端子電圧V0と共にモニタ電圧Vmonが上昇した後、時間経過と共に徐々にする減少する(図4で二点鎖線でも示す)。
【0049】
これにより、昇圧トランス18に蓄積しいたエネルギーの放出がほぼ終了して、モニタ電圧Vmonが基準電圧Vsに達すると、図3に示すフローチャートでは、ステップ112で肯定判定してステップ100へ戻り、次のスイッチング信号stの出力を開始する。すなわち、スイッチング素子24がオンされ、昇圧トランス18の二次巻線18B側に、新たなエネルギーの蓄積が開始される(図4参照)。
【0050】
このように、スイッチング信号stの周波数(周期TF)を固定することなく、昇圧トランス18からのエネルギーの放出に合わせて、スイッチング素子24のオフ時間tOFFであるフライバック時間を設定するために、負荷の容量等に応じて最適なフライバック時間となるようにスイッチング素子24のスイッチングを行うことができる。
【0051】
したがって、負荷の容量の変化にかかわらず、スイッチング素子24のオン時間tONと出力電圧Voutの関係を単調増加となるようにすることができ、複雑なPWM制御を行わなくとも出力電圧Voutの高精度な安定化制御が可能となる。
【0052】
また、昇圧トランス18に蓄積したエネルギーの放出に合わせた適切なタイミングでスイッチング素子24のスイッチングを行うことができるので、効率的な昇圧が可能となる。
〔第2実施例〕
次に第2実施例を説明する。なお、第2実施例で第1の実施例と同じ部品には、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0053】
図5には、第2実施例に適用した高圧電源装置10Bの概略を示している。この高圧電源装置10Bでは、PWM制御部26として、CPU48Aとスイッチング制御回路62によって構成されたPWM制御部26Bを昇圧部14Bに設けている。
【0054】
また、昇圧部14Bには、電圧検出部30として、比較器64と、この比較器64に基準電圧Vsを入力する基準電源66を備えた電圧検出回路68が設けられている。
【0055】
CPU48Aは、出力電圧Voutのモニタ電圧Vout-monに基づいて、スイッチング信号stのオン時間tONを設定して、このオン時間tONを、スイッチング制御回路62へ出力する。また、CPU48Aは、スイッチング制御を開始するスタート信号startを出力する。
【0056】
電圧検出回路68は、昇圧トランス18の端子電圧V0が、基準電圧Vsを越えることにより、比較器64から出力する比較信号Cをオンし、端子電圧V0が基準電圧Vsまで下がると比較信号Cがオフする。
【0057】
スイッチング制御回路62は、CPU48Aで設定されたオン時間tONに基づいたスイッチング信号stを、比較信号Cに応じてスイッチング素子24へ出力する。
【0058】
このとき、図6に示すように、スイッチング制御回路62は、電圧検出回路68から入力される比較信号Cオフすると、スイッチング信号stをオンして、スイッチング素子24を駆動する。なお、比較信号Cがオフしてからスイッチング信号stがオンするまでに、遅れ時間αが生じる。このために、遅れ時間αを考慮して基準電圧Vsを設定するようにしても良い。
【0059】
このように、構成している高圧電源装置10Bにおいても、スイッチング信号stの周波数(周期)を固定することなく、昇圧トランス18からのエネルギーの放出に合わせて、スイッチング素子24のオフ時間tOFFであるフライバック時間を設定するために、負荷の容量等に応じて最適なフライバック時間となるようにスイッチング素子24のスイッチングを行うことができる。
【0060】
したがって、負荷の容量の変化にかかわらず、スイッチング素子24のオン時間tONと出力電圧Voutの関係を単調増加となるようにすることができ、複雑なPWM制御を行わなくとも出力電圧Voutの高精度な安定化制御が可能となる。また、昇圧トランス18に蓄積したエネルギーの放出に合わせた適切なタイミングでスイッチング素子24のスイッチングを行うことができるので、効率的な昇圧が可能となる。
【0061】
これと共に、CPU48Aと別に設けたスイッチング制御回路62を用いてスイッチング信号stを出力するようにしているため、CPU48Aの負担を軽減できる。したがって、CPU48Aとして、PWM制御を行うために処理能力の高い高価なものを用いる必要がなく、低コスト化が可能となる。
〔第3実施例〕
次に第3実施例を説明する。なお、第3実施例において、第1又は第2実施例と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0062】
図7には、第3実施例に係る高圧電源装置10Cの概略構成を示している。この高圧電源装置10Cの昇圧部14Cでは、予め端子電圧V0に基づいてスイッチング信号stを出力するときにの遅延時間Δtが設定されている。すなわち、スイッチング制御部26CのCPU48Bは、スイッチング信号stのオン時間tONと共に遅延時間Δtをスイッチング制御回路62Aへ出力する。
【0063】
スイッチング制御回路62Aは、比較信号Cに基づいてスイッチング素子24をオンするときに、この遅延時間Δtだけ遅らせるようになっている。
【0064】
図8(A)乃至図8(C)に示すように、フライバック中は、端子電圧V0が、直流電源12の電圧Vinを中心に減衰振動する。このとき、図8(A)や図8(B)に示すように、出力電圧Voutが低いか比較的高くない場合、一次巻線18Aの電圧V1が、直流電源12の電圧Vinを越えない。この状態でのフライバック中の端子電圧V0は、スイッチング素子24がオンしているときの電圧VD-S(ON)に達することはない。
【0065】
これに対して、図8(C)に示すように、出力電圧Voutが高い場合、一次巻線18Aの電圧V1が電圧Vinを越え、これにより、端子電圧V0が、スイッチング素子24がオンしている時の電圧VD-S(ON)より低くなってしまうことがある。なお、図8(A)乃至図8(C)は、スイッチング信号stを出力した後、スイッチングを停止することによりフライバック時間を長く取った状態を示している。
【0066】
このために、出力電圧Voutにかかわらず、端子電圧V0の変化を検出するためには、基準電圧Vsを高くする必要がある。しかし、基準電圧Vsを高くした状態で、出力電圧Voutが高くなると、昇圧トランス18に蓄積しているエネルギーの放出途中で、昇圧トランス18へのエネルギーの蓄積を開始してしまうことになり、効率が低下する。
【0067】
ここで、高圧電源装置10Cでは、基準電圧Vsを直流電源12の電圧Vinの近くに設定する(Vin>Vs)と共に、出力電圧Voutに基づいて、比較信号Cが入力されてからスイッチング信号stを出力するまでの遅延時間Δtを設定するようにしている。
【0068】
この遅延時間Δtとしては、例えば図9(A)に示すように、出力電圧Voutが低い時に、端子電圧V0が、基準電圧Vsに達してから最低電圧VLOWに達するまでの時間に設定することができる。
【0069】
このようにして遅延時間Δtを設定し、この遅延時間Δtに基づいて、スイッチング信号stのオン時間tONを遅らせることにより、図9(A)に示すように、出力電圧Voutが低く、端子電圧V0の変化が少ない時には、端子電圧V0が、最低電圧VLOWを越えて、上昇してからスイッチング素子24のスイッチングが開始されてしまうのを防止することができる。
【0070】
また、図9(B)に示すように、出力電圧Voutが高かったり、負荷容量が大きいときには、端子電圧V0が下がり過ぎてしまう前に、スイッチング素子24のスイッチングを開始することができる。
【0071】
これにより、出力電圧Voutや負荷容量にかかわらず、出力電圧Voutが単調増加特性となる適切なタイミングでスイッチング素子24のスイッチングを行うことができる。
【0072】
一方、この遅延時間Δtは、出力電圧Voutや負荷16の容量に応じて変更するものであっても良い。例えば、出力電圧Voutに基づいて遅延時間Δtを設定するときには、出力電圧Voutのモニタ電圧Vout-monに基づいて、出力電圧Voutが高い時には、遅延時間Δtを短くし、出力電圧Voutが低い時には、遅延時間Δtを長くするようにしても良い。
【0073】
ここで、図10を参照しながら出力電圧Voutに基づいた遅延時間Δtの設定の概略を説明する。なお、ここでは、出力電圧Voutのモニタ電圧Vout-monが電圧Vaより低い低圧域と、電圧Vb(Va<Vb)より高い高圧域及び電圧Vaと電圧Vbの間(Va≦Vout-mon≦Vb)の中圧域に設定し、低圧域、中圧域及び高圧域で、遅延時間ΔtをΔt1、Δt2、Δt3(Δt1>Δt2>Δt3)に設定するものとする。
【0074】
このフローチャートでは、高圧電源装置10Cが作動を開始することにより実行され、最初のステップ120では、遅延時間Δtの初期設定を行う。なお、遅延時間Δtの初期値としては、遅延時間Δt2を用いても良く、また、最も短い遅延時間Δt3を用いても良い。
【0075】
この後、ステップ122では、モニタ電圧Vout-monを読込み、ステップ124では、このモニタ電圧Vout-monが、電圧Vaより低いか否かを確認する。これにより、モニタ電圧Vout-monが電圧Vaより低い時(Vout-mon<Va)には、出力電圧Voutが低圧域にあると判断(ステップ124で肯定判定)して、ステップ126へ移行し、遅延時間Δtを時間t1に設定する。
【0076】
また、モニタ電圧Vout-monが、電圧Vaよりも高い時(Vout-mon≧Va)には、ステップ124で否定判定して、ステップ128へ移行し、モニタ電圧Vout-monが電圧Vbより高いか否かを確認する。
【0077】
これにより、モニタ電圧Vout-monが電圧Vbより高い時(Vout-mon>Vb)には、出力電圧Voutが高圧域にあると判断(ステップ128で肯定判定)して、ステップ130へ移行し、遅延時間Δtを時間Δt3に設定する。
【0078】
一方、モニタ電圧Vout-monが、電圧Va以上で、かつ電圧Vb以下であるときには(Va≦Vout-mon≦Vb、ステップ124、128で否定判定)、出力電圧Voutが中圧域であると判断してステップ132へ移行し、遅延時間Δtを時間Δt2に設定する。
【0079】
このようにして、出力電圧Voutに応じて遅延時間Δtを設定することにより、例えば図11(A)に示すように、出力電圧Vout-が低く、端子電圧V0が変化する時の振幅が小さく減衰周期の長い状態では、遅延時間Δtを長くすることができる。また、図11(B)に示すように、出力電圧Voutが中圧域であるときには、遅延時間Δtを出力電圧Voutが低圧域であるときより短くすることができる。さらに、出力電圧Voutが高圧域であるときには、遅延時間Δtを最も短くすることができる。
【0080】
したがって、出力電圧Voutにかかわらず、出力電圧Voutが単調増加特性となるように適切なタイミングでスイッチング素子24のスイッチングを行うことができる。
【0081】
なお、出力電圧Voutが一定の時には、負荷容量によって変化する出力電流を検出し、この出力電流によって遅延時間Δtを設定すれば良い。また、遅延時間Δtは、出力電圧Voutと出力電流に基づいて設定するものであっても良く、これにより、負荷16の容量や負荷16に供給する電圧にかかわらず、出力電圧Voutが単調増加特性となるようにすることができる。
〔第4実施例〕
次に第4実施例を説明する。なお、第4実施例において第1乃至第3実施例と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0082】
図12には、第4実施例に適用した高圧電源装置10Dの概略構成を示している。この高圧電源装置10Dの昇圧部14Dに設けられているスイッチング制御部26Dは、CPU48CにD/A変換部70が設けられている。CPU48Cは、このD/A変換部70から基準電圧Vsを、電圧検出回路68Aの比較器64に出力する。
【0083】
一方、CPU48Cは、出力電圧Voutに応じて基準電圧Vsを変更するようになっている。すなわち、前記した第3実施例では、出力電圧Voutに応じて遅延時間Δtを変更するようにしたが、第4実施例では、出力電圧Voutに応じて基準電圧Vsを変更するようにしている。
【0084】
このような基準電圧Vsは、出力電圧Voutに応じて変化するもモニタ電圧Vout-monに基づいて設定する任意の方法を用いることができる。
【0085】
例えば、電圧Va、Vb(Va<Vb)を基準として、低圧域、中圧域及び高圧域に分け、それぞれの基準電圧Vsを、Vs1、Vs2、Vs3(ただしVs1>Vs2>Vs3)したときに、モニタ電圧Vout-monに応じて基準電圧Vsを設定する。
【0086】
ここで、この基準電圧Vsの設定の一例を図13に沿って説明する。このフローチャートでは、最初のステップ140で基準電圧Vsの初期設定を行う。このときは、基準電圧Vsとしては、最も高く直流電源の電圧Vinに近い電圧(例えば電圧Vs1)に設定することが好ましい。
【0087】
この後、ステップ142では、モニタ電圧Vout-monを読込み、次のステップ144で、このモニタ電圧Vout-monが、電圧Vaより低いか否かを確認する。これにより、モニタ電圧Vout-monが電圧Vaより低い時(Vout-mon<Va)には、出力電圧Voutが低圧域にあると判断(ステップ144で肯定判定)して、ステップ146へ移行し、基準電圧Vsを電圧Vs1に設定する。
【0088】
また、モニタ電圧Vout-monが、電圧Vaよりも高い時(Vout-mon≧Va)には、ステップ144で否定判定して、ステップ148へ移行し、モニタ電圧Vout-monが電圧Vbより高いか否かを確認する。
【0089】
これにより、モニタ電圧Vout-monが電圧Vbより高い時(Vout-mon>Vb)には、出力電圧Voutが高圧域にあると判断(ステップ148で肯定判定)して、ステップ150へ移行し、基準電圧Vsを電圧Vs3に設定する。
【0090】
一方、モニタ電圧Vout-monが、電圧Va以上で、かつ電圧Vb以下であるときには(Va≦Vout-mon≦Vb、ステップ144、148で否定判定)、出力電圧Vout-monが中圧域であると判断してステップ152へ移行し、基準電圧Vsを電圧Vs2に設定する。
【0091】
これにより、図14(A)に示すように、出力電圧Voutが低く端子電圧V0の振幅が小さい時には、基準電圧Vsを直流電源12の電圧Vinに近づけ、図14(B)に示すように、出力電圧Vout-monが比較して高い時には、基準電圧Vsを電圧Vinから離すことができる。また、図14(C)に示すように、出力電圧Vout-monがさらに高く、端子電圧V0の振幅が電圧Vinの2倍を越えるときには、基準電圧Vsを大きく下げることができる。
【0092】
このように基準電圧Vsを変化させることにより、出力電圧Voutをスイッチング素子24のオン時間tONの増加に応じた単調増加とすることができる。
【0093】
なお、本発明を適用する高圧電源装置としては、出力電流及び出力電圧Vout-monに基づいて基準電圧Vsを変更するものであっても良い。
〔第5実施例〕
次に第5実施例を説明する。なお、第5実施例において第1実施例乃至第4実施例と同一の部品には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0094】
第5実施例に適用した高圧電源装置10Eの昇圧部14Eでは、CPU48Dに、スイッチング素子24を強制的にオンするまでの時間としてスイッチング信号stの強制オン時間が設定されている。また、CPU48Dには、比較信号Cがオフからオンに切り替ったとき(スイッチング信号stがオンからオフに切り替わったとき)に、所定時間の間、比較信号Cのオンからオフの切り替りを検出しないマスク時間tmが設定されている。
【0095】
スイッチング制御回路62Bは、スイッチング処理を開始するときに、CPU48Dから強制スイッチングを行うときにスイッチング素子24を強制的にオンするまでの時間 (以下「オーバーフロー時間tOF」とする)を読み込む。また、スイッチング制御回路62Bは、比較信号Cのマスキングが設定されているときには、CPU48Dから入力されるマスク時間tmを読み込むようになっている。
【0096】
これにより、スイッチング制御回路62Bは、スイッチング起動時に、スイッチング信号stの強制オン時間が経過しても、比較信号Cがオンからオフに切り替らないときに、オーバーフロー時間t OF に基づいてスイッチング素子24を強制的にオンする。また、スイッチング制御回路62Bは、起動処理が終了すると、比較信号Cがオフからオンに切り替ったときに、マスク時間tmの間、比較信号Cの切り替りを検出しないようになっている。
【0097】
図16には、起動処理の概略を示しており、このフローチャートは、CPU48Dからスイッチングを開始するスタート信号startが入力されることにより実行され、最初のステップ160では、スイッチング信号stのオン時間tONの初期値及びオーバーフロー時間tOFを読み込む。
【0098】
この後ステップ162では、所定のタイミングでスイッチング信号stをオンして、スイッチング素子24の駆動を開始する。
【0099】
ここで、スイッチング起動開始時には、スイッチング素子24をオンからオフすると、ステップ164へ移行して、図示しないタイマーをリセット/スタートさせ、スイッチング素子24をオフしている時間(オフ時間tOFF)の計測を開始すると共に、ステップ166では、比較信号Cを読込み、この比較信号Cがオンからオフに切り替ったか否かを確認する(ステップ168)。
【0100】
このとき、比較信号Cがオンからオフに切り替らずにステップ168で否定判定されているときには、ステップ170へ移行して、タイマーによって計測しているオフ時間tOFFが、オーバーフロー時間tOFに達したか否かを確認する。
【0101】
これにより、比較信号Cがオンからオフに切り替る前にオフ時間tOFFがオーバーフロー時間tOFに達して(tOFF≧tOF)、ステップ170で肯定判定されると、ステップ162へ移行して、スイッチング信号stをオンし、再度、スイッチング素子24の強制駆動を行う。
【0102】
このようにして、オーバーフロー時間tOFの間隔で、スイッチング素子24を強制的にオンすることにより出力電圧Voutが徐々に上昇し、端子電圧V0の振幅が大きくなる。これにより、端子電圧V0が基準電圧Vsよりも下がると、比較器64から出力する比較信号Cがオンからオフに切り替る。
【0103】
これにより、ステップ168で肯定判定されると、ステップ172へ移行して、起動処理を終了すると共に、比較信号Cに基づいたタイミングでスイッチング信号stを出力してスイッチング素子24を駆動する通常制御に移行する。
【0104】
すなわち、図17に示すように、スイッチング素子24のスイッチングを開始(起動開始)した時には、出力電圧Voutが上がらないため、端子電圧V0の変化も少なく、端子電圧V0又はモニタ電圧Vmonが基準電圧Vsよりも低下しないことがある。このために、比較信号Cが出力されず、スイッチング素子24のスイッチングが停止してしまう。このとき、基準電圧Vsを直流電源12の電圧Vinに近づけると誤動作の原因となる、
ここで、高圧電源装置10Eでは、端子電圧V0にかかわら強制的にスイッチング素子24を駆動することにより、端子電圧V0に基づいてスイッチングを行うときに、的確な起動開始が可能となるようにしている。
【0105】
なお、このような起動処理は、前記した第1乃至第4実施例の何れにも適用可能である。
【0106】
一方、昇圧部14のスイッチング制御回路62Bは、起動処理を終了すると、CPU48Dから遅延時間Δtと共にマスク時間tmを読み込んで、マスク時間tmに用いた比較信号Cの検出を行う。
【0107】
ここで、図18を参照しながら、マスク時間tmを用いたスイッチング処理の流れを説明する。このフローチャートでは、ステップ100〜ステップ104で、所定のオン時間tONに基づいたスイッチング素子24のスイッチングを行うと、ステップ180で図示しないタイマーをリセット/スタートさせて時間計測を開始し、ステップ182では、計測時間がマスク時間tmに達したか否かを確認する。
【0108】
これにより、スイッチング素子24をオフしてからの経過時間がマスク時間tmに達して、ステップ182で肯定判定されると、ステップ184へ移行して、比較信号Cを読込み、比較信号Cがオンからオフに切り替った否かを確認する(ステップ186)。すなわち、スイッチング素子24をオフ(スイッチング信号stをオフ)してから、マスク時間tmだけ経過した後に、比較信号Cの読込みを行う。
【0109】
これにより、比較信号Cがオンからオフに切り替って、ステップ186で肯定判定されると、ステップ188へ移行して、図示しないタイマーをリセット/スタートさせることにより、遅延時間Δtの計測を開始し、遅延時間Δtが経過してステップ190で肯定判定されることにより、ステップ100へ移行して、次のスイッチングを行う。
【0110】
すなわち、スイッチング素子24がオン状態からオフすることにより、端子電圧V0が上昇するが、このときに、昇圧トランス18やこの昇圧トランス18の一次巻線18Aや二次巻線18Bに接続している回路の特性等によっては、リンギングが発生することがある。
【0111】
これにより、図19に示すように、端子電圧V0は、一旦、基準電圧Vsより低くなることがあり、比較信号Cがオンからオフする。このタイミングでスイッチング素子24をオンすると、昇圧トランス18の二次巻線18Bからのエネルギーの放出途中で、エネルギーの蓄積が開始されてしまい、適性な出力電圧Voutが得られなくなってしまう。
【0112】
このときに、マスク時間tmを設けることにより、リンギングによる誤動作を防止して、適切な出力電圧Voutが得られるようにすることができる。
【0113】
なお、起動処理及びマスク処理は、スイッチング制御回路62Bでハードウエアによって構成しても良く、また、スイッチング制御回路62Bに、スイッチング信号発生用のCPUを設けているときには、このCPUによって処理を行うものであっても良い。
【0114】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。例えば、負荷16の容量(インピーダンス等)が転写ローラなどのように、温度や湿度等の環境条件の影響を受けるときには、温度、湿度等の環境条件を検出する環境条件検出手段を設け、この環境条件検出手段の検出結果に基づいて、基準電圧Vsや遅延時間Δtを補正するようにしても良い。これにより、より適性な出力電圧Voutの制御が可能となる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、出力電圧に基づいて基準電圧を設定し、この基準電圧と昇圧トランスの一次巻線側の電圧変化に基づいてスイッチング素子をオン/オフすることにより、出力電圧をスイッチング素子のオン時間の増加に応じた単調増加とすることができるので、複雑なPWM制御をしなくとも出力電圧の高精度の制御が可能となるとともに、CPUの負担を軽減できるため、処理能力の低いCPUを使用して低コストな高圧電源装置の提供が可能となるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に適用した高圧電源装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 第1実施例に適用した高圧電源装置の概略構成図である。
【図3】 第1実施例でのスイッチング処理の概略を示す流れ図である。
【図4】 第1実施例における端子電圧のモニタ電圧の変化とスイッチング信号のオン/オフの概略を示すタイミングチャートである。
【図5】 第2実施例に適用した高圧電源装置の概略構成図である。
【図6】 第2実施例における端子電圧の変化、比較信号の変化及びスイッチング信号のオン/オフの概略を示すタイミングチャートである。
【図7】 第3実施例に適用した高圧電源装置の概略構成図である。
【図8】 (A)乃至(C)はそれぞれ、スイッチング信号をオフした後の端子電圧の変化及び比較信号の変化の概略を示すタイミングチャートであり、(A)は出力電圧が低い低圧域での変化を示し、(C)は出力電圧の中圧域での変化を示し、(C)は出力電圧が高い高圧域での変化の一例を示している。
【図9】 (A)及び(B)は出力電圧の低いときの端子電圧に基づいて遅延時間による端子電圧の変化、比較信号の変化及びスイッチング信号のオン/オフを示すタイミングチャートであり(A)は出力電圧の低中圧域を示し、(B)出力電圧の高圧域を示している。
【図10】 出力電圧に基づいた遅延時間の設定の概略を示す流れ図である。
【図11】 (A)乃至(C)は出力電圧から設定した遅延時間に基づく端子電圧の変化、比較信号の変化及びスイッチング信号のオン/オフの概略を示しタイミングチャートであり、(A)は出力電圧が低圧域、(B)は出力電圧が中圧域、(C)は出力電圧が高圧域をそれぞれ示している。
【図12】 第4実施例に適用した高圧電源装置の概略構成図である。
【図13】 出力電圧に基づいた基準電圧の設定の概略を示す流れ図である。
【図14】 (A)乃至(C)は出力電圧から設定した基準電圧に基づく端子電圧の変化、比較信号の変化及びスイッチング信号のオン/オフの概略を示しタイミングチャートであり、(A)は出力電圧が低圧域、(B)は出力電圧が中圧域、(C)は出力電圧が高圧域をそれぞれ示している。
【図15】 第5実施例に適用した高圧電源装置の概略構成図である。
【図16】 端子電圧に基づいてスイッチングを開始する時の起動処理の概略を示し流れ図である。
【図17】 起動時の端子電圧の変化、比較信号の変化及びスイッチング信号のオン/オフの概略を示すタイミングチャートである。
【図18】 比較信号のマスク時間を用いたスイッチング処理の概略を示す流れ図である。
【図19】 リンギングが発生した端子電圧の変化と比較信号の変化及びマスク時間を用いたスイッチング信号のオン/オフの概略を示すタイミングチャートである。
【図20】 従来の高圧電源装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10(10A〜10E) 高圧電源装置
12 直流電源
14(14A〜14E) 昇圧部
16 負荷
18 昇圧トランス
18A 一次巻線
18B 二次巻線
22 平滑回路
24 スイッチング素子
26(26A〜26E) PWM制御部
28 出力電圧検出部
30 電圧検出部
48、48A、48B、48C、48D CPU
56、68 電圧検出回路
62、62A、62B スイッチング制御回路
64 比較器
66 基準電源
Claims (3)
- 昇圧トランスと、
前記昇圧トランスの一次巻線の一方の端子に接続されて昇圧トランスに直流電圧を供給する直流電源と、
前記昇圧トランスの一次巻線の他方の端子に接続されて前記直流電源からの昇圧トランスへの電圧供給をオン/オフするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のオン/オフによって前記昇圧トランスの二次巻線に昇圧されて生じる電圧を平滑化して負荷へ出力する平滑手段と、
前記負荷への出力電圧に基づいてスイッチング素子のオン時間を制御して出力電圧が目標電圧となるようにスイッチング素子のPWM制御を行うPWM制御部と、
を含む高圧電源装置であって、
前記昇圧トランスの一次巻線の前記他方の端子と接地間の電圧を端子電圧として検出する電圧検出手段と、
前記負荷へ出力される出力電圧を検出して、検出した出力電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、
前記電圧検出手段によって検出される前記端子電圧と前記基準電圧とを比較する比較手段と、
前記スイッチング素子のオンタイミングを、前記比較手段の比較結果から前記端子電圧が前記基準電圧まで低下したと判断された後にスイッチング素子をオンするように設定する設定手段と、
前記出力電圧に基づいたオン時間で前記設定手段によって設定されるオンタイミングに基づいて前記スイッチング素子を駆動する駆動手段と、
を含む高圧電源装置。 - 前記比較手段の比較結果の読込みを、前記スイッチング素子がオフしてから所定時間の間停止するマスク時間が設定されている請求項1に記載の高圧電源装置。
- 前記スイッチング素子の駆動開始時に、所定時間以内の間隔でスイッチング素子を強制駆動する起動手段を含む請求項1又は請求項2に記載の高圧電源装置。
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