JP4166351B2 - ポリアミド組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半芳香族ポリアミドとポリイソシアネート化合物からなるポリアミド組成物、該ポリアミド組成物にさらに有機溶剤を含有してなるポリアミド組成物溶液、および該ポリアミド組成物溶液からなる塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器に対する小型高性能化、耐久性向上等の要請から、耐熱性や耐湿熱性により優れた塗料が求められるようになった。しかしながら、従来より用いられていた各種塗料では、このような要請に十分応え得るものはない。例えば、従来から用いられているポリウレタン系塗料では、耐熱性や耐湿熱性が劣っており、また、グリセリン変性ポリエステルイミド系塗料では、耐湿熱性が劣っている等の問題点が指摘されている。その他、ポリエステル系塗料、ポリエステルイミド系塗料は、耐熱性については比較的高いものの、耐湿熱性が劣っている等の問題点が指摘されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の有する欠点を改良した、耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性等に優れた塗膜を形成することができる塗料、および該塗料の製造原料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、半芳香族ポリアミドにポリイソシアネート化合物を配合してなるポリアミド組成物が、耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性等に優れており、塗料の製造原料として非常に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)を5〜100重量部の割合で含有してなるポリアミド組成物に関する。
【0006】
また本発明は、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)を5〜100重量部の割合で含有してなるポリアミド組成物100重量部に対して、さらに有機溶剤を10〜500重量部の割合で含有してなるポリアミド組成物溶液に関する。
【0007】
さらに、本発明は、上記のポリアミド組成物溶液からなる塗料に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明に用いられるポリアミド(A)を構成するジカルボン酸単位としては、テレフタル酸単位を60モル%以上含有している必要があり、75モル%以上含有しているのが好ましく、90モル%以上含有しているのがより好ましい。テレフタル酸単位の含有量が60モル%未満の場合には、得られるポリアミド樹脂組成物の耐薬品性、低吸水性などの諸物性が低下するため好ましくない。テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジメチルマロン酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、あるいはこれらの任意の混合物から誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含有させることができる。これらのなかでも、芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸から誘導される単位を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有させることもできる。
【0009】
本発明に用いられるポリアミド(A)を構成するジアミン単位としては、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を60モル%以上含有している必要があり、75モル%以上含有しているのが好ましく、90モル%以上含有しているのがより好ましい。炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位の含有量が60モル%未満の場合には、得られるポリアミド樹脂組成物の耐熱性、低吸水性、耐薬品性などの諸物性が低下するため好ましくない。かかる炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位としては、例えば、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンなどの直鎖状脂肪族アルキレンジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの分岐鎖状脂肪族アルキレンジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を含有させることができる。これらのなかでも、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンから誘導される単位が好ましい。さらに、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位がより好ましい。1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を併用する場合には、1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は、95:5〜20:80であるのが好ましく、90:10〜30:70であるのがより好ましい。脂肪族アルキレンジアミン単位として、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を上記の割合で併用することにより、特に塗膜の表面外観が優れた塗料を与えるポリアミド組成物が得られる。
【0010】
上記の炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位以外に用いることができるジアミン単位としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミン、あるいはこれらの任意の混合物から誘導される単位を挙げることができる。
【0011】
本発明に用いられるポリアミド(A)の極限粘度[η]は、濃硫酸中30℃で測定した値が0.06〜2.0dl/gであるのが好ましく、0.07〜1.0dl/gであるのがより好ましく、0.1〜0.9dl/gであるのがさらに好ましい。極限粘度[η]がこの範囲内のポリアミド(A)を用いることにより、塗膜の強度や表面外観が優れた塗料を与えるポリアミド組成物が得られる。
【0012】
本発明に用いられるポリアミド(A)の、ジカルボン酸単位(a)とジアミン単位(b)のモル比(a/b)は、0.9〜1.7であるのが好ましく、1.0〜1.5であるのがより好ましく、1.05〜1.4であるのがさらに好ましい。a/bのモル比がこの範囲内のポリアミド(A)を用いることにより、塗膜の強度や表面外観が優れた塗料を与えるポリアミド組成物が得られる。
【0013】
本発明に用いられるポリアミド(A)は、必要に応じて末端封止剤を重合中に添加することにより、末端構造を任意の形に変えることが出来る。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から、安息香酸、酢酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸;アニリン、ブチルアミン、オクチルアミン等のモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類なども使用できる。また、これらの末端封止剤はポリアミドの末端を封止する官能基以外に、ヒドロキシル基、スルホン酸基、オレフィン、ハロゲンなどの別種ポリマーと反応できる官能基を含んでいてもよい。
【0014】
本発明に用いられるポリアミド(A)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。本発明者らの研究によれば、ジアミン、ジカルボン酸、触媒および蒸留水を一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、温度200〜250℃、圧力15〜40気圧の条件で反応させ、濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.05〜0.60dl/gのプレポリマーとする。さらに、必要に応じて固相重合等の方法で後重合を行うことにより、[η]が1.0dl/gまでの樹脂を容易に得ることができる。固相重合を行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に温度200〜280℃の範囲内で行うことが好ましい。
【0015】
本発明に用いられるポリアミド(A)を製造するに際して、前記の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはその塩またはそのエステル、具体的にはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどの金属塩やアンモニウム塩、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添加することができる。
【0016】
本発明に用いられるポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等の有機ジイソシアネート化合物を挙げることができる。その他、上記ジイソシアネート化合物と以下のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸などの活性水素含有化合物とを反応させることにより得られる、末端にイソシアネート基を有する化合物も使用することができる。該ポリオールの例としては、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオールなどのポリエーテルポリオールを、該ポリアミンの例としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミンなどのジアミン;3,4,4’−トリアミノジフェニルエーテルなどのトリアミン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテルなどのテトラミンを、該ポリカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸などを挙げることができる。
【0017】
本発明のポリアミド組成物は、ポリアミド(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)を5〜100重量部の割合で含有しており、10〜90重量部含有しているのが好ましい。ポリイソシアネート化合物(B)の配合割合が、ポリアミド(A)100重量部に対して5重量部未満の場合には、塗料の製造原料として使用した場合に、塗膜の強度が十分ではなく、100重量部を超えるときには、塗膜の耐熱性、耐薬品性などの諸物性が低下する。
【0018】
本発明のポリアミド組成物には、さらに、必要に応じて、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を配合することができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンビスフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールA型)、4,4’−メチレンビスフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールF型)、2,6,2’,6’−テトラブロモ−4,4’−イソプロピリデンビスフェノールジグリシジルエーテル(臭素化ビスフェノールA型)、フェノールノボラック型ポリグリシジルエーテル、オルソクレゾールノボラック型ポリグリシジルエーテル等の芳香族グリシジルエーテル化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型のジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、2,2’−ジブロモ−ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル化合物;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等のグリシジルアミン化合物;アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の脂環式エポキシ化合物;ジグリシジルヒダントインやトリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物などが挙げられる。
【0019】
上記エポキシ樹脂の配合割合は、ポリアミド(A)100重量部に対して、5〜100重量部であるのが好ましく、10〜90重量部であるのがより好ましい。
【0020】
上記エポキシ樹脂の他に、必要に応じて、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、染料、顔料、滑剤、酸化防止剤、無機物質などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で配合することができる。
【0021】
本発明のポリアミド組成物は、前記のポリアミド(A)、ポリイソシアネート化合物(B)および必要に応じて他の添加剤を混合することにより製造することができる。
【0022】
本発明のポリアミド組成物は、金属、ガラス、樹脂、木材など種々の成形品との接着性が良好であるので、例えば、そのままホットメルト接着剤として使用することも可能であるし、有機溶剤に溶解または分散させた後、塗料や接着剤として使用することも可能である。特に、金属、ガラス、樹脂、木材など種々の成形品表面に、耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性等に優れた塗膜を形成することができるので、電気絶縁塗料等の産業資材用の塗料として使用するのが好ましい。
【0023】
本発明のポリアミド組成物を溶解または分散させるために使用する有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールなどのキシレノール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステルなどのグリコールエステル類、γーブチルラクトン、ジメチルスルフォキサイド、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、フルフラールなどを挙げることができる。これらのなかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの極性の有機溶剤が好ましい。有機溶剤の使用割合は、本発明のポリアミド組成物100重量部に対して、10〜500重量部であるのが好ましく、20〜200重量部であるのがより好ましい。
【0024】
本発明のポリアミド組成物を有機溶剤に溶解または分散させるのは、室温で行っても良いし、あるいは加熱しながら行ってもよい。加熱しながら行う場合には、200℃以下の温度で、0.1〜10時間程度加熱するのが好ましい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の塗膜の耐薬品性、塗膜の耐湿熱性、塗膜の耐熱性は以下の方法により測定した。
【0026】
塗膜の耐薬品性:
キシレンを染み込ませたガーゼで塗膜を軽く100回こすり、塗膜の外観(艶引け、溶解の有無)を目視で観察した。
【0027】
塗膜の耐湿熱性:
塗膜を121℃のスチームで24時間処理したときの、塗膜の外観(艶引け、溶解の有無)を目視で観察した。
【0028】
塗膜の耐熱性:
熱天秤を使用して、空気中、10℃/分で昇温した時、熱分解により試料の重量が5%減少した時点の温度を測定し、耐熱性の指標とした。
【0029】
参考例1
テレフタル酸3987.24g(24.0モル)、1,9−ノナンジアミン2960.9g(17.0モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン474.9(3.0モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物7.4g(原料に対して0.1重量%)および蒸留水2.2リットルを内容積20リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは22kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで下げ、更に1時間反応させて、極限粘度[η]が0.18dl/gのプレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、0.5mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.1mmHg下にて、5時間固相重合し、極限粘度[η]が0.45dl/gである白色のポリアミドを得た。
【0030】
参考例2〜4
ジカルボン酸成分、ジアミン成分を、下記の表1に示した割合で用いる以外は、参考例1と同様にして各種ポリアミドを製造した。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例1
参考例1で得られたポリアミド100重量部およびポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートC−2503」)70重量部を、N−メチル−2−ピロリドン200重量部に混合し、150℃で2時間加熱した。次に、この溶液をガラス板上に、膜厚約100μmとなるように塗布したのち、100℃で1時間、200℃及び250℃で各30分間乾燥を行ない、膜厚約20μmの塗膜を作製し、この塗膜の耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性を評価した。得られた結果を下記の表2に示す。
【0033】
実施例2〜3
ポリアミドとして下記の表2に示したものを使用した以外は実施例1と同様の方法で塗料を作製した。この塗料から形成された塗膜の耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性を評価し、得られた結果を下記の表2に示す。
【0034】
実施例4
参考例1で得られたポリアミド100重量部および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「MILLIONATE MT」)10重量部を、N−メチル−2−ピロリドン200重量部に混合し、150℃で2時間加熱した後、エポキシ樹脂(三井石油化学工業株式会社「EPOMIK R140」)10重量部を添加し、150℃で更に2時間加熱した。次に、この溶液をガラス板上に、膜厚約100μmとなように塗布したのち、100℃で1時間、200℃及び250℃で各30分間乾燥を行ない、膜厚約20μmの塗膜を作製し、この塗膜の耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性を評価した。得られた結果を下記の表2に示す。
【0035】
比較例1
参考例4で得られたポリアミドを使用した以外は、実施例1と同様の方法で塗料を作製した。この塗料から形成された塗膜の耐薬品性、耐湿熱性、耐熱性を評価し、得られた結果を下記の表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明のポリアミド組成物は、塗料の製造原料として好適に使用することができ、該ポリアミド組成物から製造された塗料は、耐薬品性、耐湿熱性および耐熱性等に優れた塗膜を形成することができる。
Claims (3)
- テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)を5〜100重量部の割合で含有してなるポリアミド組成物100重量部に対して、さらに有機溶剤を10〜500重量部の割合で含有してなるポリアミド組成物溶液。
- 請求項1のポリアミド組成物溶液からなる塗料。
- テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミド(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)を5〜100重量部の割合で含有してなるポリアミド組成物。
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