JP4168511B2 - 一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置およびそれを用いた燃料電池発電システム - Google Patents
一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置およびそれを用いた燃料電池発電システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学的な反応を利用して発電や水素ガスの精製等を行う、例えば電気自動車等で使用される燃料電池や電気化学的水素精製装置に関するものである。さらに詳しくは、例えば燃料電池において、メタノールや天然ガスを水蒸気改質や部分酸化改質によって水素を主成分とする改質燃料ガスに変換した際に含まれる一酸化炭素の濃度を低減する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気化学デバイスの典型例として燃料電池は周知のように、電解質を介して一対の電極を接触させ、この一方の電極に燃料を、他方の電極に酸化剤を供給し、燃料の酸化を電池内で電気化学的に反応させることにより化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。燃料電池には電解質によりいくつかの型があるが、近年高出力の得られる燃料電池として、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が注目されている。燃料極に水素ガスを、酸化剤極に酸素ガスを供給し、外部回路より電流を取り出すとき、下記のような反応が生じる。
燃料極反応:H2→2H++2e- (1)
酸化剤極反応:2H++2e-+1/2O2→H2O (2)
【0003】
このとき電極上の白金等の触媒が有効に作用すれば、式1の反応ではほとんど過電圧を生じず、スムーズに反応が進行する。
一方、燃料として取り扱いが容易なメタノール等の炭化水素を用いる場合には、改質器により、式3のような反応により水素に改質してから供給することになる。
改質反応:CH3OH+H2O→3H2+CO2 (3)
しかし、次のシフト反応により、微量の一酸化炭素(CO)が燃料中に混入する。
シフト反応:CO2+H2→CO+H2O (4)
特に動作温度が低い固体高分子型燃料電池のような電気化学デバイスでは、数十ppmのCOの混入により、触媒が被毒して、アノード反応の過電圧が増大して特性が低下することが問題となっている。
【0004】
そこで、改質燃料ガス中のCO濃度を低減するために、従来より数々の工夫がなされてきた。
図5は、従来例1による燃料電池において一般的なCO濃度低減装置(CO選択酸化器)の構成を模式的に示す図である。図において、29は第1のCO選択酸化器、30は第2のCO選択酸化器、31は改質燃料ガス入口、32は連結配管、33はCO処理済み改質燃料ガス出口、34は第1のCO選択酸化器用空気入口、35は第1のCO選択酸化器用空気入口である。
【0005】
各CO選択酸化器29、30には、白金微粒子触媒が充填されている。COは白金微粒子触媒の表面に強く吸着するので、添加する空気によって水素よりも優先して酸化され、二酸化炭素(CO2)に変換される。しかし、余分の空気は、水素を酸化して水に変換してしまう。従って、第1のCO選択酸化器29と第2のCO選択酸化器30に分け、少量の空気を2回に分けて添加する方法が用いられている。しかしながら、CO濃度が変化する場合には、空気の添加量の制御が難しく、水素の消費量が多いという問題点があった。これは、改質燃料ガスを無駄に消費することを意味しており、固体高分子型燃料電池発電システムの効率を低下させることになる。また、空気には酸素の4倍もの窒素が含まれており、CO濃度低減後の改質燃料ガス中にそのまま残るので、水素濃度を希釈し、固体高分子型燃料電池の性能を低下させるという問題点があった。
【0006】
被処理ガスに空気を添加して水素を消費してしまったり、窒素で水素を希釈してしまうという弊害を改善するための画期的な方法として、パルス状の電圧を印加する手法が発明された。本発明と同一出願人による特開平10ー216461号公報には、『一酸化炭素を含む水素ガスから一酸化炭素を除去する方法、その電気化学デバイス、その運転方法、燃料電池の運転方法および燃料電池発電システム』と題して、電気化学セルで一酸化炭素と水を反応させて対極に水素を発生させる方法が開示されている。図6は、上記公報に記載された従来例2によるCO濃度低減装置の構成を模式的に示す図である。図において、41はCO低減セル、44はパルス電圧印加電源、7は被処理ガス入口、10は連結部、11はCO処理済みガス出口、12は固体高分子電解質膜である。CO低減セル41はイオン導電性の電解質膜の両面に一対のガス拡散電極がそれぞれ白金等の触媒層を介して配設されて構成され、その両側にはそれぞれガス流路が形成されている。
【0007】
このように構成されたものにおいて、被処理ガス入口7からCOを含む水素ガスとして改質燃料ガスを供給し、パルス電圧印加電源44によってCO低減セル41の両電極間に被処理ガス入口7側の電極が正となるようにパルス状の電圧を連続的に印加すると、アノードではCOが水分と反応してCO2、プロトンおよび電子に変換され、カソードではプロトンと電子から水素が発生する。このようにして被処理ガス中のCOが酸化分解されて除去され、CO濃度が低減される。
【0008】
この手法では、電解のための電気エネルギーを消費することになるが、空気を添加する必要がないので、被処理ガスが窒素によって希釈されない。また、水素を無駄に消費して水に変換してしまうこともない。しかしながら、白金触媒に充分にCOが吸着していない状態でパルス状の電圧をかけると、水素が酸化されてプロトンと電子になり、対極で水素になってしまう。この現象は、1個の水素が消費されて1個の水素が生成するので、水素を無駄に消費する恐れはないが、その分、余分な電流を流す必要があるので、消費電力が多くなるという問題点があった。
【0009】
また、余分な電力を消費するのを防止するために、特開平10ー216461号公報には、複数個のCO低減セルを直列に連結し、かつ下流側のCO低減セルのパルス幅を上流側のCO低減セルのそれよりも小さくする方法も記載されている。しかしながら、例えば燃料電池発電システムにおいて改質量が変化するような場合には、改質燃料ガスに含まれるCO濃度が、改質器の温度などによって大きく変化するために、この方法では対応できず、COを十分に低減できなかったり、余分な電力を消費してしまうことがあるという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のCO濃度低減装置は以上のように構成されており、従来例1では、CO濃度が変化する場合に、空気の添加量の制御が難しく、水素の消費量が多いという問題点があった。また、従来例2にも、CO濃度が大きく変化する場合にはCOを十分に低減できなかったり、余分な電力を消費してしまうことがあるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解消するためになされたもので、COを選択的に電解によって酸化し、CO濃度が大きく変化するような場合にも、水素や電力を無駄に消費することなく、効率よくしかも確実にCO濃度を低減することができる一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置およびそれを用いた燃料電池発電システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置は、一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなるCO低減第1セルおよびCO低減第2セル、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルにそれぞれ独立にパルス状電圧を加える電圧印加第1電源および電圧印加第2電源、一酸化炭素を含む水素ガスをCO低減第1セルのアノードに供給した後、CO低減第2セルのアノード、CO低減第2セルのカソード、CO低減第1セルのカソードの順に流す手段、並びにCO低減第2セルのアノード出口のCO濃度をモニタするCO濃度モニタ手段を備え、CO低減第1セルに対して電圧印加第1電源を用いて連続的にパルス状電圧を印加し、CO低減第2セルには上記CO濃度モニタ手段の信号をもとに電圧印加第2電源を用いてパルス状電圧を断続的に印加し、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルのアノードで一酸化炭素を水分と反応させて二酸化炭素、プロトンおよび電子に変換し、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルのカソードでプロトンと電子から水素を発生させるものである。
【0013】
第2の発明に係る一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置は、前記第1の発明において、CO低減第2セルにパルス状電圧を印加する間隔が所定の範囲に収まるように、CO低減第1セルのパルス状電圧の周期を制御するものである。
【0014】
第3の発明に係る燃料電池発電システムは、改質器で改質された改質燃料ガスを燃料電池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃料電池の酸化剤極に供給して発電を行う燃料電池発電システムにおいて、上記改質器と上記燃料極との改質燃料ガスの経路中に、上記第1または2の発明による一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置を配置し、上記改質燃料ガス中に含まれる一酸化炭素濃度を低減して上記燃料極に供給するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて従来と同一または相当部分には同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置すなわちCO濃度低減装置の構成を模式的に示す図である。図において、1はCO低減第1セル、2はCO低減第2セル、3はCOモニタセルであり、これらのセルはいずれも一対のガス拡散電極をイオン伝導性の電解質膜すなわち固体高分子電解質膜12の両面にそれぞれ触媒層を介して配設して構成される。4はパルス電圧印加第1電源、5はパルス電圧印加第2電源、6は電流計、7は被処理ガス入口、8はガス配管、9は直流電源、10はCO処理済みガス配管、11はCO処理済みガス出口、12は固体高分子電解質膜である。一例として、CO低減第1セル1およびCO低減第2セル2の電極有効面積は225cm2、COモニタセル3の有効面積は1cm2である。なお、COモニタセル3については、温度を一定にしてCO濃度の絶対値を知るために80℃に加温されている。
なお、COモニタセル3の代りにCO処理済みガス配管10にサンプリングポートを設けて、赤外線式のCOガスセンサーでCO濃度がモニタできるようにしてもよい。
【0016】
CO低減第1セル1には、パルス電圧印加第1電源4によって、パルス状の電圧が印加され、被処理ガスに含まれていて、陽極(アノード)の触媒に吸着していた一酸化炭素は酸化されて二酸化炭素となる。すなわち、式5の反応により、一酸化炭素と水から二酸化炭素とプロトンと電子が生じる。一方、陰極(カソード)では、プロトンと電子から水素が発生する。
CO+H2O → CO2+2H++2e- (5)
2H++2e- → H2 (6)
【0017】
これらの反応により、CO低減第1セル1において被処理ガスに含まれていた一酸化炭素の大部分は二酸化炭素に変換される。処理されなかった一酸化炭素は徐々にCO低減第2セル2のアノードの触媒に吸着して蓄積していく。一方、COモニタセル3では、直流電源9によって常に0.5Vの印加電圧がかけられている。有効面積が小さいので、0.5アンペアのわずかな電流が流れ、CO被毒を受けると、流れる電流が低下するので、電流計6によって簡単に検知できる。一酸化炭素がCO低減第2セル2のアノードの触媒に吸着しきれなくなって、COモニタセル3の方にスリップしてくると、電流計6によって検知され、パルス電圧印加第2電源5が起動されて、CO低減第2セル2にパルス電圧が印加され、上記式5と式6の反応により、CO低減第2セル2においてCO低減第1セル1では除去できなかった一酸化炭素が二酸化炭素に変換される。
【0018】
CO処理済みガス出口11のCO濃度は、CO低減第1セル1の連続的なCO酸化処理と、CO低減第2セル2の断続的なCO酸化処理によって、効果的に低減される。もし、触媒に一酸化炭素が充分吸着していない時に、電圧が印加されると、アノードとカソードではそれぞれ式7と式8の反応が起こり、電力が無駄に消費されることになるが、本実施の形態では、COモニタセル3で、CO低減第2セル2での一酸化炭素の吸着を確認してから電圧を印加するので、無駄に消費される水素の比率が小さくなる。
H2 → 2H++2e- (7)
2H++2e- → H2 (8)
【0019】
図2は、本実施の形態によるCO濃度低減第1セルの構成を示す断面図である。図において、13はアノード流路板、14はカソード流路板、15はアノード、16はカソード、17はアノードガス流路、18はカソードガス流路である。アノード15およびカソード16は、触媒層として白金微粒子を担持したカーボンを、溶媒と液化した固体高分子電解質を混ぜてペースト化した後、外形15cm×15cm、厚さ0.2mmのカーボンペーパーの片面に20μmの厚さに塗布して乾燥することによりそれぞれ製作した。次に固体高分子電解質膜12の両面にアノード15とカソード16をそれぞれ触媒層を介して重ね合わせ、ホットプレスして電極・膜接合体を作製した。このようにして作製された電極・膜接合体の両側にアノードガス流路17が形成されたアノード流路板13とカソードガス流路18が形成されたカソードガス流路板14が配置されてCO濃度低減第1セル1が形成されている。なお、液化した固体高分子電解質としてアルドリッチ社製のナフィオン溶液を用い、固体高分子電解質膜12としてデュポン社製のナフィオン112を用いた。
【0020】
アノード流路板13とカソード流路板14はカーボンの板を用い、アノードガス流路17およびカソードガス流路18としてサーペンタイン型の流路を用いた。これらは、PEFC(固体高分子型燃料電池)の225cm2級の単セルハウジングと似た構造のものであるが、多くの流量を流すために流路の深さを通常(1.5mm)の3倍にした。金メッキを施した銅板2枚でCO濃度低減第1セル1を挟み、銅板にパルス電圧印加第1電源4へのリード線を取り付けた。CO濃度低減第2セル2についても同様の構成とし、パルス電圧印加第1電源4およびパルス電圧印加第2電源5にはそれぞれ、ポテンショスタット(北斗電工社製)とファンクションジェネレーター(北斗電工社製)を組み合わせたものを用いた。
【0021】
COモニタセル3については、棒状電気ヒータを備えたPEFCの25cm2級の単セルハウジングを用いて構成したが、多くの流量を流すために、流路の深さを通常(1.5mm)の5倍にした。白金−ルテニウム合金をカーボンに担持した触媒を用いたアノードを5cm×5cm(25cm2)の大きさに、白金を担持したカーボンを用いたカソードを1cm×1cm(1cm2)の大きさにそれぞれ形成し、両電極の間にナフィオン112(デュポン社製)を挟んで触媒層を介して重ね合わせ、ホットプレスして有効面積1cm2級の電極・膜接合体を作製した。COモニタセル3は、直流電源9と電流計6に接続し、電流計6のシグナル(電圧出力)をパルス電圧印加第2電源5のファンクションジェネレータの起動用トリガーとして用いた。
【0022】
図3は、本実施の形態によるCO濃度低減装置の作用を説明するグラフである。図中、23は被処理ガス入口におけるCO濃度を示す破線、24はCO低減第2セルアノードの出口におけるCO濃度を示す実線である。改質燃料ガスを模擬したガスとして、一酸化炭素400ppm、二酸化炭素25%、水素75%の混合ガスを用い、80℃に保温した外部加湿器で加湿して図1に示した本実施の形態によるCO濃度低減装置に供給した。通過させるガスの量は、500mA/cm2、水素利用率70%の水素に換算して225cm2×40セル分とした。
【0023】
図3に示すように、CO低減第1セル1では、連続的なパルス電位印加によってCO濃度が激減するが、処理されなかった一酸化炭素が少しずつCO低減第2セル2にも蓄積し、さらにCO低減第2セル2に吸着しきれなかった一酸化炭素が徐々に増えて、一分を経過した頃にはCO低減第2セル2出口の一酸化炭素濃度が100ppmを超えるレベルにまで増加している。これに対応して、COモニタセル3の電流値が増大し、パルス電圧印加第2電源5のファンクションジェネレータに起動トリガ2ーがかかってCO低減第2セルにパルス電圧が印加され、吸着していた一酸化炭素が一掃される。この繰り返しがおよそ1分間隔で安定に続き、この間、第2セルアノード出口のCO濃度は、一時的に100ppmを超えてはいるものの、平均値では40ppm程度と被処理ガス入口での400ppmに比べ10分の1にまで低減できた。
【0024】
この装置を用いて、1%の一酸化炭素を含む改質燃料ガスを処理した所、400ppmにまでCO濃度を低減できた。そこで、CO低減第1セル1とCO低減第2セル2の間にさらにもう1セル追加し、追加したCO低減セルに対しても連続的にパルス電圧を印加した所、1%のCO濃度が平均40ppm、最大100ppmのCO濃度にまで低減できた。
【0025】
このように、CO低減第1セル1およびCO低減第2セル2は少なくとも一方が複数のセルで構成されていてもよく、数セルを積層したスタックであっても同様の効果が得られる。さらに、CO低減第1セル1およびCO低減第2セル2の少なくとも一方が複数のセルの直列接続体で構成されていてもよい。
要するに、CO低減セルを定常的にパルス電圧を印加するセルと、非定常的にパルス電圧を印加するセルとに分けることで、無駄に消費される電力の量を少なくすることを意図しており、この発明の趣旨の範囲内でさまざまな構成の応用が考えられる。
【0026】
なお、図3では供給される被処理ガス中のCO濃度が一定である場合について説明したが、CO濃度が大きく変動する場合にも、モニタセル3の信号に応じてCO低減第2セル2に電圧を印加するので電解量を常に必要最小限にとどめ、電力を無駄に消費することなくしかも確実にCO濃度を低減することができる。
【0027】
ここで、改質器で改質された改質ガスを燃料電池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃料電池の酸化剤極に供給して発電を行う燃料電池発電システムにこのCO濃度低減装置を適用した場合について述べる。
図4は、本実施の形態によるCO濃度低減装置を含む固体高分子型燃料電池発電システムの構成図である。図において、19は燃料改質器、20は本実施の形態によるCO濃度低減装置、21は固体高分子型燃料電池、22は燃料入口である。CO濃度低減装置20は、被処理ガス入口7を改質器19と連結し、出口11を燃料極のガス供給口と連結するように該燃料電池発電システムに接続される。そして、改質器19で改質された改質ガスは、CO濃度低減装置20に供給され、CO濃度低減装置20を通過する際に改質燃料ガス中に含まれるCOが上述のようにして除去され、燃料極に導入される。1%のCO濃度は改質器19直後の一酸化炭素濃度であり、平均40ppm、最大100ppmのCO濃度は、PEFC21で許容されるCO濃度である。
【0028】
このように、改質器19とPEFC21の間に、本実施の形態によるCO濃度低減装置20を配置すれば、従来のようなCO選択酸化装置を用いなくても燃料電池における触媒の被毒が抑えられ、安定して発電することができる。また、改質燃料ガスに空気を添加することがないので、水素が空気中の酸素によって無駄に消費されることもなく、添加した空気中の窒素で水素濃度が希釈されることもない。これにより、トータルの発電効率が2%程度も上昇する大きな効果が得られる。さらに、モニタセル3の信号に応じてCO低減第2セル2に電圧を印加するので、CO濃度が大きく変動するような場合にも電解量を常に必要最小限にとどめ、電力を無駄に消費することなくしかも確実にCO濃度を低減できる。したがって、高特性・高出力の燃料電池発電システムが得られる。
【0029】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2によるCO濃度低減装置について説明する。本実施の形態によるCO濃度低減装置の基本的な構成は、図1と同様としたが、CO低減第2セル2にパルス状電圧を印加する間隔が所定の範囲例えば10秒から60秒の範囲に収まるように、CO低減第1セル1のパルス状電圧の周期を制御する回路を組み込んだ。この回路としては、ポテンショ・ガルバノスタットとファンクションジェネレーター組み合わせたものを用いたが、直流のパルス電圧発生器を用いてもよい。
すなわち、CO低減第2セル2にパルス状電圧を印加する間隔が例えば10秒より小さくなった場合は、CO低減第1セル1のパルス状電圧の印加周期を例えば2倍にして、パルス状電圧がCO低減第1セル1にかかる時間を2倍に増やし、CO低減第2セル2にパルス状電圧を印加する間隔が例えば60秒を超えた場合には、CO低減第1セル1のパルス状電圧の印加周期を例えば半分にして、パルス状電圧がCO低減第1セル1にかかる時間を半分に減らすように構成した。
【0030】
このように構成されたものにおいて、供給するCO濃度1%の被処理ガスの量を、500mA/cm2、水素利用率70%の水素に換算して225cm2×10セル分から225cm2×40セル分の間で変化させることを繰り返したところ、10セル分まで減らした場合に、CO低減第1セル1のパルス状電圧の周期が半分になり、40セル分まで増やした場合には、CO低減第1セルのパルス状電圧の周期が2倍になったが、平均40ppm、最大100ppmのCO濃度が保たれた。これに対して、実施の形態1のままで、同様の試験を行った場合には、40セル分まで増やした場合に、CO低減第2セル2の電解が頻繁になり、一酸化炭素濃度が200ppmを超える状況が出現した。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、第1の発明によれば、一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなるCO低減第1セルおよびCO低減第2セル、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルにそれぞれ独立にパルス状電圧を加える電圧印加第1電源および電圧印加第2電源、一酸化炭素を含む水素ガスをCO低減第1セルのアノードに供給した後、CO低減第2セルのアノード、CO低減第2セルのカソード、CO低減第1セルのカソードの順に流す手段、並びにCO低減第2セルのアノード出口のCO濃度をモニタするCO濃度モニタ手段を備え、CO低減第1セルに対して電圧印加第1電源を用いて連続的にパルス状電圧を印加し、CO低減第2セルには上記CO濃度モニタ手段の信号をもとに電圧印加第2電源を用いてパルス状電圧を断続的に印加し、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルのアノードで一酸化炭素を水分と反応させて二酸化炭素、プロトンおよび電子に変換し、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルのカソードでプロトンと電子から水素を発生させるので、COを選択的に電解によって酸化し、CO濃度が大きく変化するような場合にも、水素や電力を無駄に消費することなく、効率よくしかも確実にCO濃度を低減することができる。
【0032】
第2の発明によれば、第1の発明において、CO低減第2セルにパルス状電圧を印加する間隔が所定の範囲に収まるように、CO低減第1セルのパルス状電圧の周期を制御するので、より安定してCO濃度を低減することができる。
【0033】
第3の発明によれば、改質器で改質された改質燃料ガスを燃料電池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃料電池の酸化剤極に供給して発電を行う燃料電池発電システムにおいて、上記改質器と上記燃料極との改質燃料ガスの経路中に、上記第1または2の発明による一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置を配置し、上記改質燃料ガス中に含まれる一酸化炭素濃度を低減して上記燃料極に供給するようにしたので、改質燃料ガス中のCO濃度を低減し、燃料極側の触媒のCO被毒を抑え、特性の高い発電を起こすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるCO濃度低減装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】 実施の形態1に係るCO濃度低減第1セルの構成を示す断面図である。
【図3】 実施の形態1によるCO濃度低減装置の作用を説明するグラフである。
【図4】 実施の形態1によるCO濃度低減装置を含む燃料電池発電システムの構成を示す図である。
【図5】 従来例1によるCO濃度低減装置の構成を模式的に示す図である。
【図6】 従来例2によるCO濃度低減装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 CO低減第1セル、2 CO低減第2セル、3 COモニタセル、4 パルス電圧印加第1電源、5 パルス電圧印加第2電源、6 電流計、7 被処理ガス入口、8 ガス配管、9 直流電源、10 CO処理済みガス連結部、11CO処理済みガス出口、12 固体高分子電解質膜、13 アノード流路板、14 カソード流路板、15 アノード、16 カソード、17 アノードガス流路、18 カソードガス流路、19 燃料改質器、20 実施の形態1によるCO濃度低減装置、21 固体高分子型燃料電池、22 燃料入口、29 第1のCO選択酸化器、30 第2のCO選択酸化器、31 被処理ガス入口、32連結配管、33 CO処理済みガス出口、34 第1のCO選択酸化器用空気入口、35 第2のCO選択酸化器用空気入口、41 CO低減セル、44 パルス電圧印加電源。
Claims (3)
- 一対のガス拡散電極がイオン伝導性の電解質膜の両面にそれぞれ触媒層を介して配設されてなるCO低減第1セルおよびCO低減第2セル、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルにそれぞれ独立にパルス状電圧を加える電圧印加第1電源および電圧印加第2電源、一酸化炭素を含む水素ガスをCO低減第1セルのアノードに供給した後、CO低減第2セルのアノード、CO低減第2セルのカソード、CO低減第1セルのカソードの順に流す手段、並びにCO低減第2セルのアノード出口のCO濃度をモニタするCO濃度モニタ手段を備え、CO低減第1セルに対して電圧印加第1電源を用いて連続的にパルス状電圧を印加し、CO低減第2セルには上記CO濃度モニタ手段の信号をもとに電圧印加第2電源を用いてパルス状電圧を断続的に印加し、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルのアノードで一酸化炭素を水分と反応させて二酸化炭素、プロトンおよび電子に変換し、CO低減第1セルおよびCO低減第2セルのカソードでプロトンと電子から水素を発生させることを特徴とする一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置。
- CO低減第2セルにパルス状電圧を印加する間隔が所定の範囲に収まるように、CO低減第1セルのパルス状電圧の周期を制御することを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置。
- 改質器で改質された改質燃料ガスを燃料電池の燃料極に供給し、酸化剤ガスを燃料電池の酸化剤極に供給して発電を行う燃料電池発電システムにおいて、上記改質器と上記燃料極との改質燃料ガスの経路中に、上記請求項1または2に記載された一酸化炭素を含む水素ガス中の一酸化炭素濃度を低減する装置を配置し、上記改質燃料ガス中に含まれる一酸化炭素濃度を低減して上記燃料極に供給するようにしたことを特徴とする燃料電池発電システム。
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