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JP4172252B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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JP4172252B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真方式によって可視画像を形成する画像形成装置においては、感光体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写し、転写材上のトナーを定着することにより可視画像が形成される。ここで、転写材の一面に転写されているトナーを当該転写材に定着させるために、転写材の一面に接する加熱ローラと、この加熱ローラに圧接されるよう配置された加圧ローラとを備えてなる定着装置が広く用いられている。
【0003】
このような加熱ローラ型定着装置においては、始動時に加熱ローラが定着可能温度域に達するまでのウォームアップ時間を短縮するためには、肉厚が小さい加熱ローラを用いることが有効である。
【0004】
しかし、肉厚が小さい加熱ローラにおいては、熱容量が小さいために、種々の条件の変動によって生ずる温度変化が大きいという問題がある。例えば、小幅サイズの転写材による画像形成動作が連続して行われたときには、加熱ローラの転写材が通過しない領域(以下、「転写材非通過領域」という。)における外周面では転写材により熱が奪われないために、この転写材非通過領域における温度が中央部領域の温度よりも相当に高くなって加熱ローラの外周面において長さ方向に大きな温度分布が生じ、これが原因となってオフセット現象等の問題が生じることがある。
【0005】
一方、加熱ローラの長さ方向における端部領域においては、その放熱の程度が中央部領域よりも高いことにより、その温度が中央部領域よりも相当に低くなって加熱ローラの外周面において長さ方向に大きな温度分布が生じ、これが原因となって定着不良等の問題が生じることがある。
【0006】
而して、従来においては、加熱ローラの外周面における温度分布を均一化するために、転写材非通過領域を冷却するための送風装置が設けられた構成の定着装置(例えば、特許文献1参照。)や、加熱ローラの外周面を覆うカバーに、当該加熱ローラの両端部上方に放熱用の窓が形成された構成の定着装置(例えば、特許文献2参照。)が用いられることが知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−181382号公報
【特許文献2】
特開平9−44025号公報
【0008】
しかし、これらの構成においては、例えば、画像形成待機モード時において、加熱ローラの端部領域の温度が中央部領域よりも低くなることを十分に抑止することができず、結局、加熱ローラの外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、加熱ローラの長さ方向における端部領域の外周面について、その補助的加熱および適当な冷却が行われることによって、当該加熱ローラの外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができ、その結果、良好な定着を行うことができる定着装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の定着装置を具えてなる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の定着装置は、芯金の厚みが2mm以下の加熱ローラとこの加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなる定着装置において、
空隙を介して加熱ローラの端部領域における外周面に沿って周方向に伸びるよう配設された風路形成部材と、この風路形成部材によって形成される空隙による風路を流れるよう冷却風を発生させる送風装置とが設けられると共に、当該風路形成部材における加熱ローラの外周面に対向する内面が熱反射面とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明の定着装置は、芯金の厚みが2mm以下の加熱ローラとこの加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなる定着装置において、
空隙を介して加熱ローラの端部領域における外周面に沿って周方向に伸びるよう配設された風路形成部材と、この風路形成部材によって形成される空隙による風路を流れるよう冷却風を発生させる送風装置とが設けられると共に、当該風路形成部材における加熱ローラの外周面に対向する内面が熱反射面とされており、
加熱ローラの中央部領域における外周面の中央部温度と、端部領域における外周面の端部温度との温度差によって、送風装置による送風量が制御されることを特徴とする。
【0012】
本発明の画像形成装置は、以上の構成の定着装置を具えてなることを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成装置は、感光体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写し、転写材上のトナーを、芯金の厚みが2mm以下の加熱ローラとこの加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなる定着装置によって定着することにより可視画像が形成される構成を有し、画像形成条件を設定するための制御部を具えている画像形成装置において、
定着装置においては、空隙を介して加熱ローラの端部領域における外周面に沿って周方向に伸びるよう配設された風路形成部材と、この風路形成部材によって形成される空隙による風路を流れるよう冷却風を発生させる送風装置とが設けられると共に、当該風路形成部材における加熱ローラの外周面に対向する内面が熱反射面とされており、
制御部において設定された画像形成条件の内容によって、定着装置における送風装置による送風量が制御されることを特徴とする。
【0014】
以上の構成においては、風路形成部材が設けられる加熱ローラの端部領域は、当該加熱ローラの長さ方向における中央位置からの離間距離が80mm以上の領域であることが好ましい。
また、風路形成部材によって形成される風路の厚さが5mm以下であることが好ましい。
【0015】
以上の構成においては、送風装置は、風路に冷却風を供給する送風ファンおよび風路から冷却風を排出する排風ファンの両方により構成されていることが好ましい。
また、送風ファンによる冷却風は、外部から取り入れられた空気であることが好ましい。
【0016】
【作用】
本発明の加熱ローラ型定着装置においては、厚みが小さい加熱ローラを具えるものであっても、加熱ローラの端部領域における外周面の温度が中央部領域よりも高くなるような条件下では、当該端部領域が冷却されることにより、また、加熱ローラの端部領域における温度が中央部領域よりも低くなるような条件下では、風路形成部材の内面の熱反射によって当該端部領域に対して補助的加熱または保温が行われることにより、加熱ローラの外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の構成の概略を示す説明図、図2は、図1の画像形成装置における定着装置の構成の詳細を示す説明用断面図である。
【0018】
この画像形成装置は、図1において矢印の方向に回転されるドラム状の感光体10と、各々、この感光体10の外周面領域にその回転方向に沿って配設された、感光体10の表面を帯電させる帯電装置11、感光体10の表面を露光することにより潜像を形成する露光装置12、トナーを含む現像剤により潜像を顕在化させてトナー像を形成する現像装置13、感光体10上のトナー像を転写領域において転写材に転写する転写装置14、感光体10から転写材を分離させる分離装置15、並びに、転写領域を通過した感光体10上の未転写トナーを除去するクリーニング装置16を具えてなるものであり、転写装置14より搬送される転写材上の未定着トナー像を定着させて可視画像を形成する定着装置17が配設されている。
【0019】
感光体10は、例えば、ドラム状金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成されてなり、図1において紙面に対して垂直な方向に伸びる状態で配設されている。
【0020】
転写装置14は、感光体10上のトナー像を、例えば普通紙からなる転写材に転写させるためのものであり、例えばコロトロン帯電器よりなるものが用いられる。
【0021】
分離装置15は、感光体10に密着した状態にある転写材の電荷を除去することにより転写材を感光体10から分離させるためのものであり、例えばコロトロン帯電器よりなるものが用いられる。
クリーニング装置16は、例えば、感光体10の回転方向における転写領域の下流側の位置において、先端部分が感光体10の表面に当接されるよう設けられたゴムブレードを具えてなるものである。
【0022】
定着装置17は、図2に示されるように、転写材における未定着のトナー像が担持された面に接するよう配置された加熱ローラ31と、この加熱ローラ31の下面部に圧接されるよう設けられた加圧ローラ32とを備えてなり、加熱ローラ31と加圧ローラ32との圧接部分により定着領域Nが形成されている。Qは転写材の搬送路である。
【0023】
加熱ローラ31は、例えばアルミニウム、鉄、銅などの金属のいずれかまたはそれらの合金からなる円筒状の芯金の表面に、例えばテトラフルオロエチレンとパープルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)からなる離型性樹脂が外周面にコーティングされて離型層が形成されたものよりなり、図2において紙面に対して垂直な方向に伸びる状態で配設されている。この加熱ローラ31においては、芯金の厚みは2mm以下であり、好ましくは1〜2mmである。
また、加熱ローラ31の芯金の内部には、例えば、図2において紙面に対して垂直な方向に伸びるよう配置されたハロゲンランプなどのヒータよりなる熱源が内蔵されている。
【0024】
加圧ローラ32は、例えばアルミニウム、鉄、銅などの金属のいずれかまたはそれらの合金からなる円筒状の芯金と、この芯金の外周面に形成された例えばシリコーンゴムからなる弾性層とからなり、その外周面には例えばPFAからなる離型性樹脂がコーティングされて離型層が形成されている。
【0025】
定着装置17においては、図2および加熱ローラ31の外周面の説明図である図3に示されるように、加熱ローラ31の長さ方向における端部領域Aの外周面に沿って、空隙Pを介して周方向に伸びるよう断面が円弧状に湾曲された風路形成部材35が配設されている。
ここに、端部領域Aは、加熱ローラ31の長さ方向(図3において左右方向)における中央位置Mから長さ方向に離間した領域であって、その離間距離aが80mm以上となる領域である。また、風路形成部材35と加熱ローラ31との間に形成された空隙Pの厚さ、すなわち、風路形成部材35の内面と加熱ローラ31の外周面との離間距離は例えば5mm以下であり、好ましくは1〜5mmであり、さらに好ましくは2〜3mmである。
【0026】
風路形成部材35の内面は、加熱ローラ31からの放射熱を反射する反射面とされている。具体的には、風路形成部材35は内面が鏡面仕上げされたアルミニウム板など熱反射性表面を有する金属板や、熱反射性金属膜が設けられた樹脂板などよりなるものとされる。
【0027】
また、定着装置17においては、図2に示されるように、風路形成部材35に係る空隙Pによって形成される風路の一端部における送風口Rは、加熱ローラ31の外周面における定着領域Nの上流側の領域である接近領域C上に位置されており、この送風口Rには加熱ローラ31の外周面に対して垂直な方向に伸びる送風ダクト34が接続して設けられており、この送風ダクト34には送風ファン33が接続して設けられている。そして、送風ファン33には、画像形成装置の筐体の外部に連通する空気取り入れダクト38が接続されている。
【0028】
また、風路の他端部における排風口Sは、定着領域Nの下流側の領域である通過領域D上において、送風口Rと排風口Sとにおける加熱ローラ31の中心に対する開き角θの大きさが90〜180°とされるよう位置されており、この排風口Sには接線方向に伸びる排風ダクト36が接続して設けられており、この排風ダクト36には排風ファン37が接続して設けられている。
【0029】
送風ファン33および排風ファン37の送風量は、各々、例えば0.2〜1.0m3 /minの範囲において可変とされている。
【0030】
また、加熱ローラ31の中央部領域Bには、その外周面の温度を検知する中央部温度センサが設けられると共に、端部領域Aには、その外周面の温度を検知する端部温度センサが設けられている。中央部領域Bは、加熱ローラ31の中央位置Mから長さ方向において一定の距離内にある領域であって、その中央距離bは例えば10mmである。
【0031】
そして、例えば転写材のサイズ幅や連続画像形成枚数などの情報を入力するための入力機構と、この画像形成装置の動作状態を表示するための表示機構と、例えば入力機構における情報や画像形成装置の動作状態に従って画像形成動作(JOB)などの画像形成条件を設定するための制御機構とからなる制御部が設けられている。
【0032】
また、送風ファン33および排風ファン37によって構成される送風装置による送風量は、中央部温度センサによる中央部温度と端部温度センサによる端部温度との温度差によって制御される構成とされている。具体的には、中央部温度と端部温度との温度差について目標温度差が設定され、実際の温度差がこの目標温度差に近づくように送風量が制御され、例えば実際の温度差が目標温度差よりも大きいときには、実際の温度差が小さくなるように送風量が大きくされる制御が行われ、例えば実際の温度差が60℃であり目標温度差が30℃であるときには、送風量は0.5m3 /minに設定される。
【0033】
以上の構成による画像形成装置においては、次のようにして画像形成動作が行われる。
すなわち、駆動源(図示せず)により感光体10が回転され、この感光体10が帯電装置11によって所定の極性(例えば負極性)に帯電され、次いで、露光装置12によって露光されることにより、照射箇所(露光領域)の電位が低下されて原稿画像に対応した潜像が感光体10上に形成され、現像装置13によってトナーが感光体10上の潜像に付着してトナー像が形成される。転写装置14によって感光体10上のトナー像が転写材に転写された後、転写領域を通過した感光体10上に残留する未転写トナーは、クリーニング装置16により除去される。
【0034】
一方、転写材が感光体10から分離装置15によって分離され、定着装置17における定着領域Nに搬送されると、熱源によって加熱された加熱ローラ31の熱が転写材に与えられると共に圧着されることにより、転写材上の転写トナー像が当該転写材に定着される。
以上において、加熱ローラ31における芯金の厚みが2mm以下であることにより、始動時に加熱ローラ31が定着可能温度域に達するまでのウォームアップ時間は短いものである。
【0035】
而して、この加熱ローラ31の端部領域Aにおける温度が中央部領域Bよりも低くなるような条件下、例えば転写材に対して画像形成動作を行わない画像形成待機モード時においては、送風ファン33および排風ファン37が駆動されず、従って風路形成部材35によって形成される風路に冷却風が送られない。この状態では、加熱ローラ31からの放射熱が風路形成部材35の内面により反射されるために端部領域Aに対して補助的加熱または保温が行われる。一方、加熱ローラ31の端部領域Aにおける温度が中央部領域Bよりも高くなるような条件下、例えば小幅サイズの転写材に対する画像形成が連続して行われる時においては、送風ファン33および排風ファン37が駆動されて風路に冷却風が送られ、これにより加熱ローラ31の端部領域Aが冷却される。そして、以上の結果、加熱ローラ31の外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができる。
【0036】
以上において、送風装置による送風量が、加熱ローラ31の中央部領域Bにおける中央部温度と端部領域Aにおける端部温度との温度差によって制御されることにより、確実に加熱ローラ31の外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができる。
【0037】
また、風路形成部材35によって形成される風路の厚さが5mm以下であることにより、加熱ローラ31からの放射熱の広がりを防止することができるため、加熱ローラ31の端部領域Aにおける温度が中央部領域Bよりも低くなるような条件下では、当該加熱ローラ31の端部領域Aに対して十分な補助的加熱または保温が行われる。
【0038】
さらに、送風ファン33および排風ファン37の両方が設けられていることにより、風路形成部材35によって形成される風路への冷却風の供給と風路からの冷却風の排出との両方が行われるため、送風ファン33または排風ファン37のいずれか一方のみの場合に比して、冷却風の広がりを防止することができ高い冷却効果が得られる。
【0039】
また、送風口Rにおける送風ダクト34の伸びる方向が送風口R付近の加熱ローラ31の外周面に対して垂直な方向であることにより、送風口Rにおいて加熱ローラ31に接触される冷却風の量を大きくすることができ、また、排風口Sにおける排風ダクト36の伸びる方向が加熱ローラ31における接線方向であることにより、冷却風を風路から円滑に排出することができる。
【0040】
さらに、送風口Rと排風口Sとにおける加熱ローラ31の中心に対する開き角θが90〜180°とされていることにより、風路を流れる冷却風が加熱ローラ31に接触する時間を十分に確保することができ、したがって、加熱ローラ31の端部領域Aにおける温度が中央部領域Bよりも高くなるような条件下では、送風装置によって風路に冷却風が送られることによって加熱ローラ31の端部領域Aに対して十分な冷却が行われる。
【0041】
また、本発明においては、送風装置による送風量は、制御部において設定された画像形成条件の内容によって制御される構成とすることができる。具体的には、例えば、連続画像形成枚数が多いときには送風装置における送風量が大きくなるように制御部によって制御され、例えば、縦送りのA4サイズの普通紙に対して画像形成が行われるときにおいて、連続画像形成枚数が100枚のときには送風量は0.4m3 /minに設定される。
【0042】
このような構成による画像形成装置においては、加熱ローラ31の端部領域Aを冷却するために送風装置から送られる冷却風の送風量が、制御部において設定された画像形成条件によって制御されることにより、加熱ローラ31の外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができる。
【0043】
以上の構成による画像形成装置においては、様々な変更を加えることができる。例えば、風路形成部材は加熱ローラの長さ方向における片方のみの端部領域の外周面に沿って配設されたものであってもよい。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0045】
〔実施例1〕
図1および図2に示される構成からなり詳細が下記に示される画像形成装置においてテストを行った。
【0046】
感光体としては、外径が80mmであるアルミニウム製のドラム状金属基体の外周面に、厚みが25μmの感光層が形成されてなる負帯電特性を有するものを用い、回転速度を320mm/secに設定した。
【0047】
帯電装置としては、正放電特性を有し帯電電圧が−750Vであるスコロトロン帯電器よりなるもの、露光装置としては、表面標準出力が490μWである半導体レーザー照射装置よりなるものを用いた。現像装置としては、現像スリーブの外径が40mmであり、現像バイアスが−600Vである接触式現像器よりなるものを用い、トナーとしては、負帯電トナーを用いた。
転写装置としては、正放電特性を有するコロトロン帯電器よりなるもの、分離装置としては、負放電特性を有するコロトロン帯電器よりなるものを用いた。
【0048】
定着装置としては、図2に示されるように、加熱ローラと加圧ローラとにより構成されるものを用い、加熱ローラは、長さが400mm、外径が40mm、厚さが0.7mmの鉄からなる芯金の外周面に厚さが30μmのPFA樹脂がコーティングされて離型層が形成されたものを用い、加圧ローラとしては、長さが330mm、外径が40mm、厚さが2mmの鉄からなる芯金および厚さが5mmのLTVシリコーンからなる弾性層の外周面にPFA樹脂がコーティングされて離型層が形成されたものを用いた。
加熱ローラの芯金の内部に設けられた熱源としては、熱源分布が均一であり、長さが320mmである誘導加熱方式のものを用い、この熱源により保温される加熱ローラの中央部領域における温度を190℃に設定した。
【0049】
風路形成部材としては、加熱ローラの長さ方向における中央位置からの離間距離を110mmに設定した端部領域の外周面に沿って、厚さを3mmに設定した空隙を介して周方向に伸びるよう断面が円弧状に湾曲されたアルミニウムの薄板からなるものを用い、風路形成部材によって形成される風路の両端部である送風口と排風口とにおける加熱ローラの軸に対する開き角θを120°とした。
【0050】
送風装置としては、各々、冷却風の送風量を0.2〜1.0m3 /minの範囲において可変制御することができる送風ファンおよび排風ファンの両方を用いた。送風ファンによる冷却風は、画像形成装置の筐体の外部に連通する空気取り入れダクトを介して外部から取り入れられた25℃の空気であった。
【0051】
そして、送風ファンおよび排風ファンにおける送風量を各々0.5m3 /min、画像形成速度を毎分70枚に設定して、縦送りのA4サイズの普通紙に対して連続して500枚の画像形成を行った。このA4サイズの普通紙の幅は210mmである。この連続画像形成動作の終了時において端部温度から中央部温度を引いた値で示される温度差(以下、「長さ方向温度差」という。)を表1に示す。
【0052】
また、転写材に対して画像形成動作を行わない画像形成待機モード時において、この画像形成待機モード開始後5〜10分間経過して加熱ローラにおける温度が安定した時(以下、「画像形成待機モード安定時」という。)における長さ方向温度差を表1に示す。
【0053】
〔比較例1〕
風路形成部材と、送風ファンおよび排風ファンの両方とが除却されたこと以外は実施例1と同様の構成による画像形成装置において、実施例1と同様にテストを行った。
【0054】
〔比較例2〕
送風ファンおよび排風ファンの両方が除却されたこと以外は実施例1と同様の構成による画像形成装置において、実施例1と同様にテストを行った。
【0055】
〔比較例3〕
排風ファンのみが除却されたこと以外は実施例1と同様の構成による画像形成装置において、実施例1と同様にテストを行った。
【0056】
〔比較例4〕
送風ファンのみが除却されたこと以外は実施例1と同様の構成による画像形成装置において、実施例1と同様にテストを行った。
以上の比較例1〜比較例4のテストにおいて、連続画像形成動作の終了時および画像形成待機モード安定時における長さ方向温度差を表1に示す。
【0057】
定着装置において良好な定着を行うことができるための評価基準としては、加熱ローラの長さ方向温度差の絶対値が40℃以下であることとされた。
【0058】
【表1】
Figure 0004172252
【0059】
表1から明らかなように、画像形成待機モード安定時において、比較例1に示されるように、風路形成部材が除却された画像形成装置においては長さ方向温度差は−25℃であるのに対し、実施例1および比較例2〜比較例4に示されるように、風路形成部材を具えた画像形成装置においては長さ方向温度差は−10℃であった。これにより、風路形成部材が設けられることにより、加熱ローラの端部領域における温度が中央部領域よりも低くなるような条件下であっても、加熱ローラの外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができることが確認された。
【0060】
また、連続画像形成動作終了時において、比較例1および比較例2に示されるように、送風ファンおよび排風ファンの両方が除却された画像形成装置においては長さ方向温度差は70℃であり、比較例3および比較例4に示されるように、送風ファンまたは排風ファンのみを具えた画像形成装置においては長さ方向温度差はそれぞれ55℃、60℃であるのに対し、実施例1に示されるように、送風ファンおよび排風ファンの両方を具えた画像形成装置においては、長さ方向温度差は30℃であり、定着装置において良好な定着を行うことができる評価基準範囲(この例の装置では40℃)内の値であった。これにより、送風ファンおよび排風ファンの両方が設けられることにより、加熱ローラの端部領域における温度が中央部領域よりも高くなるような条件下であっても、加熱ローラの外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができたことが確認された。
【0061】
〔実施例2〕
実施例1に示されたものと同様の構成を有する画像形成装置において、送風ファンおよび排風ファンにおける冷却風の送風量を、各々、表2に示される値に設定した他は実施例1と同様にして連続画像形成動作におけるテストを行った。この連続画像形成動作の終了時における長さ方向温度差を表2に示す。
【0062】
【表2】
Figure 0004172252
【0063】
表2から明らかなように、送風ファンおよび排風ファンにおける送風量が大きくなると、加熱ローラにおける長さ方向温度差が小さくなることが確認された。すなわち、加熱ローラの中央部領域における温度を検知する中央部温度センサ、端部領域における温度を検知する端部温度センサおよび制御部を配設し、この制御部における画像形成条件として長さ方向温度差についての目標温度差を設定し、例えば実際の長さ方向温度差が目標温度差よりも大きいときには、送風ファンおよび排風ファンにおける送風量が大きくなり、実際の長さ方向温度差が目標温度差よりも小さいときには、送風量が小さくなるよう制御することにより、実際の長さ方向温度差を小さいものとすることができる。
具体的には、表2に示されるように、実際の長さ方向温度差が60℃であり設定した目標温度差が30℃であるときには、送風ファンおよび排風ファンにおける送風量が各々0.5m3 /minに設定される制御が行われることにより、長さ方向温度差が目標温度差である30℃に近づけられ、定着装置において良好な定着を行うことができる評価基準範囲内の値とされることが確認された。
【0064】
以上のように、長さ方向温度差によって送風ファンおよび排風ファンにおける送風量が制御されることにより、長さ方向温度差を小さくすることができ、したがって、加熱ローラの長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができることが確認された。
【0065】
〔実施例3〕
実施例1に示されたものと同様の構成を有する画像形成装置において、送風ファンおよび排風ファンにおける送風量および連続画像形成枚数を、各々、表3に示される値に設定した他は実施例1と同様にして、連続画像形成動作におけるテストを行った。この連続画像形成動作の終了時における長さ方向温度差を表3に示す。
【0066】
【表3】
Figure 0004172252
【0067】
表3から明らかなように、連続画像形成枚数が増えると加熱ローラにおける長さ方向温度差が大きくなることが確認された。
すなわち、加熱ローラの中央部領域における温度を検知する中央部温度センサ、端部領域における温度を検知する端部温度センサおよび制御部を配設し、この制御部における画像形成条件として長さ方向温度差についての目標温度差を設定し、実際の長さ方向温度差が目標温度差に近づくように連続画像形成枚数に対応する送風量が設定されるよう制御することにより、具体的には、表3に示されるように、例えば長さ方向温度差が30℃となるように、連続画像形成枚数が50枚までのときは送風量が0.2m3 /minに、画像形成枚数が100枚のときは送風量が0.4m3 /minに、画像形成枚数が200〜500枚のときは送風量が0.5m3 /minに設定される制御が行われることにより、実際の長さ方向温度差が30℃に近づけられ、定着装置において良好な定着を行うことができる評価基準範囲内の値とされることが確認された。
以上のように、制御部において設定された画像形成条件の内容によって送風ファンおよび排風ファンにおける送風量が制御されることにより、長さ方向温度差を小さくすることができ、したがって、加熱ローラの長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができることが確認された。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、加熱ローラの長さ方向における端部領域の外周面について、その補助的加熱および適当な冷却が行われることによって、当該加熱ローラの外周面の長さ方向において均一性の高い温度分布状態を得ることができ、その結果、良好な定着を行うことができる定着装置を提供することができる。
また、上記の定着装置を具えてなる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の構成の概略を示す説明図である。
【図2】図1の画像形成装置における定着装置の構成の詳細を示す説明用断面図である。
【図3】図2の加熱ローラの外周面の説明図である。
【符号の説明】
10 感光体
11 帯電装置
12 露光装置
13 現像装置
14 転写装置
15 分離装置
16 クリーニング装置
17 定着装置
31 加熱ローラ
32 加圧ローラ
33 送風ファン
34 送風ダクト
35 風路形成部材
36 排風ダクト
37 排風ファン
38 空気取り入れダクト
A 端部領域
B 中央部領域
C 接近領域
D 通過領域
M 中央位置
N 定着領域
P 空隙
Q 搬送路
R 送風口
S 排風口
a 離間距離
b 中央距離
θ 開き角

Claims (14)

  1. 芯金の厚みが2mm以下の加熱ローラとこの加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなる定着装置において、
    空隙を介して加熱ローラの端部領域における外周面に沿って周方向に伸びるよう配設された風路形成部材と、この風路形成部材によって形成される空隙による風路を流れるよう冷却風を発生させる送風装置とが設けられると共に、当該風路形成部材における加熱ローラの外周面に対向する内面が熱反射面とされていることを特徴とする定着装置。
  2. 芯金の厚みが2mm以下の加熱ローラとこの加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなる定着装置において、
    空隙を介して加熱ローラの端部領域における外周面に沿って周方向に伸びるよう配設された風路形成部材と、この風路形成部材によって形成される空隙による風路を流れるよう冷却風を発生させる送風装置とが設けられると共に、当該風路形成部材における加熱ローラの外周面に対向する内面が熱反射面とされており、
    加熱ローラの中央部領域における外周面の中央部温度と、端部領域における外周面の端部温度との温度差によって、送風装置による送風量が制御されることを特徴とする定着装置。
  3. 風路形成部材が設けられる加熱ローラの端部領域は、当該加熱ローラの長さ方向における中央位置からの離間距離が80mm以上の領域であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 風路形成部材によって形成される風路の厚さが5mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 送風装置は、風路に冷却風を供給する送風ファンおよび風路から冷却風を排出する排風ファンの両方により構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 送風ファンによる冷却風は、外部から取り入れられた空気であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を具えてなることを特徴とする画像形成装置。
  8. 感光体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写し、転写材上のトナーを、芯金の厚みが2mm以下の加熱ローラとこの加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなる定着装置によって定着することにより可視画像が形成される構成を有し、画像形成条件を設定するための制御部を具えている画像形成装置において、
    定着装置においては、空隙を介して加熱ローラの端部領域における外周面に沿って周方向に伸びるよう配設された風路形成部材と、この風路形成部材によって形成される空隙による風路を流れるよう冷却風を発生させる送風装置とが設けられると共に、当該風路形成部材における加熱ローラの外周面に対向する内面が熱反射面とされており、
    制御部において設定された画像形成条件の内容によって、定着装置における送風装置による送風量が制御されることを特徴とする画像形成装置。
  9. 風路形成部材が設けられる加熱ローラの端部領域は、当該加熱ローラの長さ方向における中央位置からの離間距離が80mm以上の領域であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 風路形成部材によって形成される風路の厚さが5mm以下であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 送風装置は、風路に冷却風を供給する送風ファンおよび風路から冷却風を排出する排風ファンの両方により構成されていることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 送風ファンによる冷却風は外部から取り入れられた空気であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御部は、連続画像形成枚数が多くなるほど送風装置における 送風量を大きくすることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記制御部は、加熱ローラの中央部領域における外周面の中央部温度と、端部領域における外周面の端部温度との長さ方向温度差についての目標温度差が設定可能であり、実際の長さ方向温度差が前記目標温度差よりも大きいときには送風量を大きくし、前記実際の長さ方向温度差が前記目標温度差よりも小さいときには送風量が小さくなるよう制御することを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれかに記載の画像形成装置。
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