JP4173030B2 - 合せガラスの分離方法及び該方法のための分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のフロントガラスや建材用窓ガラスに用いる合せガラスの分離方法及びこの方法を用い得る分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記したフロントガラスや窓ガラス用途に合せガラスが多用されている。この合せガラスは、外側ガラスと内側ガラスとの一対のガラス間に、例えば、ポリビニルブチラールなどの合成樹脂製中間膜を介在させて形成されるものである。図1は、代表的な合せガラスの断面図であり、約1mmの厚さの中間膜1を介して一対のガラス2、3(それぞれ厚さ約2mm)が積層する構造で合せガラス4が構成されることを示す。合せガラスは、その形成時に加熱を行うことで、ガラス2、3の界面の微小凹凸形状に、中間膜1がアンカー効果によりに固着する。アンカー効果による固着は強固であり、合せガラスの形成に際して接着剤を使用する必要がない。さらに、このような構造を備えることにより、合せガラスに衝撃が加わってガラスが破壊されても中間膜が保護層として機能し、粉砕された無数のガラス片が飛散する事態が防止される。
【0003】
ところで、合せガラスの最終処分に当り、旧来は、そのままシュレッダーダスト化した後に産業廃棄物として地中埋蔵を行っていた。しかしながら、最近は、近年の資源リサイクル化に対応し、分離及び回収したガラス部分の再利用技術を確立することが要望されている。合せガラスにおいては、ガラス部分を分離回収する機会は、ガラス製造工程での端切れ品や取付工程での不具合品の発生時、あるいは、回収廃車からフロントガラスを取出したときに大別される。いずれの場合も共通して行われるのは、合せガラスを粉砕してカレット状ガラス片に断片化した後に、断片化してもなおガラス片が付着したままの中間膜の強固な接着力を低下させることである。
【0004】
図2は、合せガラス粉砕後の、ガラス片5が付着した状態の中間膜1の形状を示すものである。ハンマリング方式、ローラー方式、プレス方式などの単純な破壊方法で粉砕しても、カレット状ガラス片5には変形するものの、中間膜1の強力な付着力により、合せガラスの大部分は剥落せずに中間膜1に付着したまま残り、かろうじて合せガラス4の構造を保っている。上記したガラス部分の再利用のためには、中間膜1からガラス片5を剥離する効率良く分離させることが必要であり、このために、中間膜の接着力を低下させることが必要となるのである。
【0005】
従来、この種のガラス片の分離方法として、断片化されてカレット状ガラス片が付着した状態の中間膜に対して、水への浸漬や高湿度雰囲気を経て中間膜の接着力を弱めた後、振動篩により振動を加えて中間膜とガラスとを分離するものがある(例えば、特許文献1参照)。あるいは、同様にクラックが生じた状態の合せガラスを水中に浸漬した後に、これに対して高圧水を噴射してガラスを分離するものもある(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭51−46308号公報(第52頁)
【0007】
【特許文献2】
特開平9−10695号公報(第2−4頁、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例でガラス部分を分離させるために外力(振動篩による接触振動や噴射水の圧力)は、中間膜の表裏に不連続に付着した状態の表裏両ガラス面のいずれか一方の面に対するものであるため、一方の面側のカレット状ガラスに対して作用する間は、残る他方の面側ガラスの分離は進まない。
即ち、外力が作用する時間の空費が生じることになり、また、分離対象のカレット付き中間膜の形状が大きいときは、その表裏を反転させるなどの追加工程を要することになり不具合点が多い。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、例えば、合せガラスのガラス部分を回収するなどの目的のため、合せガラスを構成する中間膜とガラスとを効率的に分離する方法及びこの方法を実施し得る分離装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、先ず、一対のガラス板間に中間膜を介在させて成る合せガラスを、ガラスと中間膜とに分離するに際して、合せガラスをカレット状ガラス片に粉砕する第1工程と、このカレット状ガラス片が付着したままの中間膜の接着力を低下させる第2工程と、互いに対向して略水平方向に振動可能な下方ガラス板剥離スクリーンと、略水平方向に揺振自在の上方ガラス板剥離スクリーンとの間に、上記の一対のガラス板から成る両ガラス板面をそれぞれ当接させて合せガラスを装填する第3工程とをこの順で行う。
【0011】
このものは、第1工程での粉砕及び第2工程での接着力低下を経た後に、表裏両面がカレット状ガラス片に変形したガラス板部分と、カレットが依然として付着する中間膜とにより合せガラス構造を保持しているものを、第3工程において上方及び下方の両ガラス板剥離スクリーン間に、それぞれ対向するスクリーンに上記表裏ガラス面を当接させた状態で装填させる。即ち、後の第4工程においてガラス部分を分離させるための外力を、表裏両ガラス面に対して作用させるための整備を行っている。
【0012】
そして、その後の第4工程において、下方ガラス板剥離スクリーンを振動させることにより、カレット状ガラス片付きの中間膜と、上方ガラス板剥離スクリーンとを、それぞれ自励振動させる。このとき、下方ガラス板剥離スクリーン上のカレット状ガラス片付きの中間膜は、このスクリーンに対して当接状態で載置されているだけなので、下方剥離スクリーンの変位よりやや位相が遅れた自励の誘発振動を行う。さらに、この中間膜上の上方ガラス板剥離スクリーンもやはり中間膜に対して当接状態で載置されているだけなので、中間膜の自励振動よりやや位相が遅れて自励の誘発振動を行う。したがって、中間膜の表裏ガラス面が対峙する上方及び下方の両ガラス板剥離スクリーンのそれぞれと相対的に摺動するようになり、このような外力が作用してガラス部分が分離される。
【0013】
即ち、表裏両面において同時に中間膜からガラスが分離されるため、例えばサイクルタイムが短縮されるなど工程効率が良好になる。しかも、カレット付き中間膜の形状が大きくても、反転作業も不要である。
【0014】
この場合、第1工程における合せガラスの粉砕には、合せガラスに対して行うプレス工程が好適であり、または、第2工程における中間膜の接着力低下には、中間膜に対して、合せガラス形成工程のアンカー効果による接着時より高い温度を用いたり、若しくは、水への浸漬を用いたりすることが好適である。
【0015】
さらに、特に上記の第3及び第4工程を行うため、粉砕した合せガラスをガラスと中間膜とに分離する装置を、固定ベース部と、このベース部上方に振動可能に搭載したフレーム部と、このフレーム部を略水平方向に振動させる振動手段と、この振動手段によりフレームと一体的に振動するようにフレーム内に付置した下方ガラス板剥離スクリーンと、分離すべき上記の合せガラスを介して下方ガラス板剥離スクリーン上に載置した揺振自在の上方ガラス板剥離スクリーンとにより構成する。
【0016】
これによれば、振動手段によりフレーム部を振動させると、フレーム部と一体的に下方ガラス板剥離スクリーンが振動し、このスクリーン上にある上記の合せガラス、即ち、表裏両面がカレット状ガラス片に変形したガラス板部分と、カレットが依然として付着する中間膜とにより合せガラス構造を保持しているものに対して、フレーム部及び下方ガラス板剥離スクリーンよりやや位相が遅れた自励の誘発振動を発生させることができる。さらに、同様にして、合せガラス構造物上の上方ガラス板剥離スクリーンに対して、中間膜の自励振動よりやや位相が遅れた自励の誘発振動を発生させることができる。即ち、中間膜の表裏ガラス面が対峙する上方及び下方の両ガラス板剥離スクリーンのそれぞれと相対的に摺動するようになり、このような外力が作用して合せガラスの両面のガラス部分を同時に分離できる。
【0017】
なお、本装置の周辺近傍に上記の第1及び第2の両工程に係る装置を配置することにより効率向上が得られることは言うまでもない。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明の合せガラス分離方法は、合せガラスをカレット状ガラス片に粉砕する第1工程と、このカレット状ガラス片が付着したままの中間膜の接着力を低下させる第2工程と、互いに対向して略水平方向に振動可能な下方ガラス板剥離スクリーンと、略水平方向に揺振自在の上方ガラス板剥離スクリーンとの間に、上記の一対のガラス板から成る両ガラス板面をそれぞれ当接させて合せガラスを装填する第3工程と、下方ガラス板剥離スクリーンを振動させることにより、カレット状ガラス片付きの中間膜と、上方ガラス板剥離スクリーンとを、それぞれ自励振動させる第4工程で構成される。
【0019】
各工程につき以下図面を参照しながら詳述する。
【0020】
図3(a)は、第1工程に用いる合せガラス粉砕装置の概略斜視図であり、略水平状態の合せガラス4が、互いに対向する上型6と下型7との間に挿入される。そして、上型6及び下型7が接近したときに交互に嵌合するように設けられた複数の刃具8、9による型押しのプレス工程で、合せガラス4のガラス2、3(図示せず)に亀裂が生じる。なお、合せガラス4として曲面形状をもつ自動車用フロントガラスを用いるときは、挿入前にハンマー等で叩くことにより、これを略平面状にしておくと良い。
【0021】
刃具8、9は相対位置が反転しているだけで同形であり、その詳細を図3(b)に示す。図に示すように、刃具8、9は頂部Tが台座状に形成された四角推台であり、その寸法の一例は、頂部Tの台座正方形が一辺2mm、底部Bの断面正方形が一辺7mm、高さHが7mmであり、底部Bからはさらに高さH´が3mmの台座部Sが延在している。また、頂部Tの頂角を40°として隣接する型同士で頂部Tのピッチを14mmに設定している。
【0022】
そして、図3(c)の拡大図に示すように、複数の刃具8、9が、互いに他方側刃具の凹部形状Fに一方側刃具の凸部形状Mが対向するようにして行列配置され、それぞれ上下型を構成する。図3(c)は、型押し時の状態を示しており、このとき上下両型が合せガラス4(図示せず)を貫通してしまうと合せガラス4をその後の工程に搬送し難くなるため、これを上下型のストローク量や重なり量の設計時に考慮する必要がある。この場合は一例として、相対的なストローク量Lを6mmとし、重なり量Oを1.5mmとしている。
【0023】
次に、合せガラス粉砕装置による型押し時の粉砕工程について、図4を用いて詳説する。
【0024】
図4の各工程I〜IVで共通に示されるのは、型押し時における上下両型8、9及び合せガラス4の状態を示す断面図(a)及び上面図(b)である。
【0025】
図4(I)は、上記した自動車用フロントガラスなどにハンマー等による変形を行う予備粉砕を行って略平面形状にした合せガラス4に対し、刃具8、9の頂部Tの台座状平面が、合せガラス4の表裏両ガラス面2、3にそれぞれ当接した状態、即ち、図4(I−a)に示すように上下の両型6、7の間隙を合せガラス4の厚み分としたものである。このとき、図4(I−b)の上面図に示すように、刃具8の頂部T1と刃具9の頂部T2とが千鳥状に周期配置される。そして、図4(I)の状態を本実施の形態においては、初期値としてストローク量0mmと定義する。
【0026】
次の図4(II)は、上下両型6、7を相対的に1mm接近(ストローク量1mm)させた状態である。このとき、図4(II−a)及び(II−b)に示すように刃具8、9の圧接による垂直応力で、頂部T1、T2を起点としてガラス面2、3内に中間膜1まで到達するようなクラック(亀裂)Cがそれぞれ発生し、これに伴い中間膜1の直線形状が褶曲変形する。
【0027】
そして、図4(III)に示すようにストローク量2mmの状態では、図4(III−a)及び(III−b)に示すように、刃具8、9の垂直応力により、ガラス面2、3のガラスが平面形状を保てなくなり粉砕が始まり、これによりカレット状ガラス片10が剥落する。
【0028】
その後、図4(IV)に示すように、ストローク量6mmの状態に至ると、ガラス面2、3の相当部分の粉砕が進行してガラス片10として剥落する。また、その一方で、中間膜1の褶曲が進むことにより褶曲部分で著しく伸張し、カレット状に変形しながらもかろうじて中間膜1への付着状態を保持していたガラス片11が付着面の端部から剥離し始め、これによりカレット状ガラス片10、11の剥落が加速される。なお、ストローク量6mmの段階での刃具8、9の重なり量は上記したように1.5mmであり、これにより生じる中間膜1の伸び量は、その破断限界を下回るものであるため、中間膜1自体が破断されることはない。
【0029】
図4に示すプレス工程I〜IV、特に、III〜IVで剥落する極微粒状ガラス片10は、ガラス面2、3の全体積の概ね20%程度である。残る概ね80%のガラス部分は、中間膜1への付着を維持したカレット状ガラス片11の状態となっている。このガラス片11は、最大長約5mm程度、即ち、最大面積約25mm2程度であることが望ましい。粒度が小さすぎると後述するように、その後の第2工程において効果的に接着力を低下し難くなるためである。
【0030】
なお、本実施の形態では、第1工程の粉砕手段として、型押しによるプレス式粉砕装置を用いたが、これ以外にも、例えば図5や図6に示すような粉砕装置を用いても良い。
【0031】
図5に示すものは、ベンディング方式の粉砕装置であり、押し出した合せガラス4を折り曲げながら、これに伴う褶曲部分にカッター12により垂直応力を加えて短冊状にクラックを生じさせる。
【0032】
また、図6は、ローラ方式粉砕装置の概略図であり、表面に沿って複数の刃具8、9を設けた一対のローラ13、14の間に、合せガラス4を送り出し、ローラ13、14の回転に伴う刃具8、9の圧入により、クラックを生じさせるものである。
【0033】
図3乃至図6のガラス面の粉砕を行う第1工程に続く、中間膜1の接着力低下のための第2工程を示すものが図7である。
【0034】
第1工程で得られたカレット状ガラス片11付き中間膜1の状態の合せガラス4を、水槽15内の水に浸漬することにより中間膜1の接着力が低下して、ガラス片11の強固な付着状態が緩和される。具体的には、水温80℃で3時間の水浸漬を経ると、カレット状ガラス片11の一片あたりの接着力が約2kgfから約0.5kgfに低下することが判明している。なお、水温を上昇させるとガラス片11の回収率が向上する傾向が認められるが、水温80℃を境にこの回収率は高原状態となるため、この温度が回収率の飽和点であると推察される。浸漬時間についても3時間を境に回収率は反転して低下する。これらにより、水温80℃及び浸漬3時間の工程条件が望ましい。
【0035】
浸漬による接着力低下は次のように説明できる。即ち、図8に示すようにカレット10(図示せず)の剥離面(クラックの拡大したところ)16から網目状に膨潤し、これにより白濁する。この白濁は徐々に網目内部で拡散し、ついには中間膜1の全体に及ぶことから、全体的な膨潤が進行することになる。このとき、中間膜1は、その表面積が伸張することによる剪断応力が生じるため、これに伴いガラス面の微細凹凸形状に密着するアンカー効果による接着力が低下するのである。なお、このときにカレット10の粒径が極端に小さいと生じるクラックも小さくなり、空気巻き込みによる気泡がクラック間に発生しやすくなる。このような気泡は、中間膜1への水温伝達を妨げる要因となり、この結果、所期の効果的な接着力低下を果せぬおそれがある。このため、上記のように、カレットのサイズは、最大長約5mm程度、即ち、最大面積約25mm2程度であることが望ましい。
【0036】
第2工程までで粉砕された合せガラス4から、第3及び第4工程にて、ガラスと中間膜との分離を行うための装置の概略断面図(a)及び上面図(b)を図9に示す。図9(a)及び(b)を参照して、分離装置17は、接地固定したベース18と、このベース18の上方に振動可能に搭載させたフレーム19と、このフレーム19を略水平方向に振動させる振動機構20と、この振動機構20によりフレーム19と一体的に振動するようにフレーム19内に付置させた下方ガラス板剥離スクリーン21と、第1及び第2工程を経た合せガラス4を介して下方ガラス板剥離スクリーン21上に載置した揺振自在の上方ガラス板剥離スクリーン22とにより構成され、さらにフレーム19の下方には、ホッパー19aにより案内された剥離ガラス片を回収する回収用バケット19bを設けている。
【0037】
上下両方のガラス板剥離スクリーン21、22の詳細を示すのが図10である。本図に示すように、スクリーン21、22はクリンプ織メッシュ構造で、その一例の寸法として、目開きNが15mm、線径rが2mmで全体の重量が約40kg程度のものを用いている。
【0038】
ところで、第3工程は、上記中での第1及び第2工程を経た合せガラス4を両スクリーン21、22の間に装填するもので、下方ガラス板剥離スクリーン21上に合せガラス4と上方ガラス板剥離スクリーン22とをこの順に重ねて載置することにより、合せガラス4の両ガラス面2、3(図示せず)は、それぞれ対峙するスクリーン21、22と当接状態とする。
【0039】
この状態で、両スクリーン21、22及び合せガラス4を振動させる第4工程を開始する。即ち、図9(b)の振動機構20を駆動させて、フレーム19を、例えば700回/分の周波数で35秒間振動させると、フレーム19と一体的に下方ガラス板剥離スクリーン21が振動し、当接状態でスクリーン21上にある合せガラス4、即ち、表裏両面がカレット状ガラス片10(図示せず)に変形したガラス板3とカレット10が依然として付着した状態の中間膜1とにより合せガラス4の構造を維持しているものに対して、下方ガラス板剥離スクリーン21よりやや位相が遅れた自励の誘発振動が発生する。さらに、同様にして、当接状態で合せガラス構造物4上にある上方ガラス板剥離スクリーン22に対して、中間膜1の自励振動よりやや位相が遅れた自励の誘発振動が発生する。
【0040】
そして、中間膜1の表裏ガラス面2、3が対峙する上方及び下方の両ガラス板剥離スクリーン21、22のそれぞれと相対的に摺動するようになり、このような外力が作用してガラス面2、3の両面において同時に中間膜1からガラスが分離される。この際のガラス分離の実際を図11により説明する。
【0041】
即ち、振動機構20によりフレーム19と一体的に下方ガラス板剥離スクリーン21が水平方向に振動すると、図11(a)を参照して、カレット状ガラス片11が付着したままの中間膜1は、スクリーン21に対して当接状態で載置されているだけなので、下方剥離スクリーン21よりやや位相が遅れた自励の誘発振動を行う。スクリーン21と中間膜1とは振動位相が異なるため、相対的に摺動することになる。そして、この際に、クリンプ織メッシュの線断面23とガラス片11とが互いに圧接して、中間膜1に対して剪断応力が作用する。これにより、カレット状ガラス片11が中間膜1から剥離するのである。
【0042】
上方ガラス板剥離スクリーン22と中間膜1とについても同様で、スクリーン22は、中間膜1に対して当接状態で載置されているだけなので、振動位相の異なる相対的に摺動が行われ、カレット状ガラス片11が中間膜1から剥離する(図11(b)参照)。
【0043】
なお、本実施の形態では、クリンプ織メッシュの線断面23の線断面直径rを2mmとしたが、図1におけるガラス面2、3の肉厚と同等としたもので、これより極端に乖離すると、即ち、この場合は線断面直径を、例えば1mm以下あるいは3mm以上とするとガラス片11の剥離率が低下することが判明している。
【0044】
そして、剥離したガラス片11は、上方及び下方ガラス板剥離スクリーン21、22の目開き部分を通過して、図9における回収用バケット19bにて回収されて、再利用等の次の工程に用いられる。
【0045】
また、このようにして剥離できるガラス片は、ガラス面2、3の全体積の概ね60%程度である。この後の中間膜には概ね20%程度のガラス片が付着したままであるが、ガラス片の回収量としては概ね満足できる程度であるため、装置からの取出し後にサーマルリサイクル燃料などとして再利用できる。
【0046】
なお、本実施の形態にて用いた数値例は一例に過ぎず、これらにより本発明を限定するものではない。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の分離方法を用いれば、合せガラス構造における中間膜の表裏ガラス面が、対峙する上方及び下方の両ガラス板剥離スクリーンのそれぞれと相対的に摺動するようになり、このような外力が作用してガラス部分が分離される。即ち、表裏両面において同時に中間膜からガラスが分離されるため、例えばサイクルタイムが短縮されるなど工程効率が良好になる。しかも、カレット付き中間膜の形状が大きくても、反転作業も不要である。
【0048】
さらに、本発明の分離装置は、自励の振動発生を利用するため、搭載する振動機構が簡素になり、装置の複雑化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合せガラスの略断面図
【図2】粉砕後の中間膜形状を示す概略図
【図3】(a)合せガラス粉砕装置の斜視図
(b)刃具の要部拡大図
(c)上下両型の嵌合状態を示す概略図
【図4】(I)〜(IV) 粉砕工程図
(a)略断面図
(b)略上面図
【図5】ベンディング式粉砕装置
【図6】ローラ式粉砕装置
【図7】浸漬工程図
【図8】浸漬工程時の中間膜の略断面図
【図9】(a)合せガラス分離装置の略断面図
(b)合せガラス分離装置の略上面図
【図10】ガラス板剥離スクリーンの拡大図
【図11】(a)〜(b)分離工程時の中間膜の略断面図
【符号の説明】
1 中間膜
2、3 ガラス板
4 合せガラス
6 上型
7 下型
8、9 刃具
10、11 カレット状ガラス片
15 水槽
17 分離装置
18 ベース
19 フレーム
21 下方ガラス板剥離スクリーン
22 上方ガラス板剥離スクリーン
20 振動機構
Claims (3)
- 一対のガラス板間に中間膜を介在させて成る合せガラスを、ガラスと中間膜とに分離する方法において、前記合せガラスをカレット状ガラス片に粉砕する第1工程と、該カレット状ガラス片が付着したままの前記中間膜の接着力を低下させる第2工程と、互いに対向して略水平方向に振動可能な下方ガラス板剥離スクリーンと、略水平方向に揺振自在の上方ガラス板剥離スクリーンとの間に、前記両ガラス板面をそれぞれ当接させて前記合せガラスを装填する第3工程と、前記下方ガラス板剥離スクリーンを振動させることにより、前記カレット状ガラス片付きの中間膜と、前記上方ガラス板剥離スクリーンとを、それぞれ自励振動させる第4工程とを行うことを特徴とする合せガラスの分離方法。
- 前記第1工程において、前記合せガラスの粉砕のため、該合せガラスに対してプレス工程を行い、または、前記第2工程において、前記中間膜の接着力低下のため、該中間膜に対して、合せガラス形成工程のアンカー効果による接着時より高い温度、若しくは、水への浸漬を用いることを特徴とする請求項1に記載の合せガラスの分離方法。
- 粉砕した合せガラスをガラスと中間膜とに分離する装置において、固定ベース部と、該ベース部上方に振動可能に搭載したフレーム部と、該フレーム部を略水平方向に振動させる振動手段と、該振動手段により前記フレームと一体的に振動するように該フレーム内に付置した下方ガラス板剥離スクリーンと、分離すべき前記合せガラスを介して該下方ガラス板剥離スクリーン上に載置した揺振自在の上方ガラス板剥離スクリーンとを備えることを特徴とする合せガラスの分離装置。
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