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JP4173676B2 - アミンオキシドの製造方法 - Google Patents
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JP4173676B2 - アミンオキシドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、添加剤としてベンゾニトリルを使用してMg−Al−O−t−Buハイドロタルサイトにより第2級および第3級脂肪族アミンから高品質のアミンオキシドを製造するための改良された方法に関する。より詳細には、本発明は、ヘアコンディショナー、シャンプー、練り歯磨き、粉末洗濯洗剤、布帛柔軟剤、棒状化粧石鹸、化粧品および界面活性剤の製造に、並びに合成中間体及び優れたスピントラップ剤としての他の用途において有用なアミンオキシドを第2級及び第3級脂肪族アミンから製造するための改良された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミンN−オキシドは、複素環式化合物の化学および生物工学分野で重要な位置を占めている。第3級アミンオキシドは、布帛の処理や、ヘアコンディショナー、シャンプー、練り歯磨き、粉末洗濯洗剤、布帛柔軟剤、棒状化粧石鹸および化粧品の製造、並びに他の用途で広く使用されている。第3級アミンオキシドは、オレフィンの金属触媒型のジヒドロキシル化およびエポキシド化反応における化学量論的オキシダントとしても使用されている。一方、第2級アミンから誘導されるニトロンと呼ばれる酸化物は非常に利用価値のある合成中間体および優れたスピントラップ剤である。特に、ニトロンは優れた1,3双極子であり、窒素を含有する様々な生体活性化合物、例えばアルカロイド類およびラクタム類の合成に利用されてきた。
【0003】
慣用的には、第3級アミンオキシドは、水、低級アルコール、アセトンまたは酢酸等の溶媒中で過酸化水素水のような強力な酸化剤による各第3級アミンの酸化により製造される。第3級アミンを含む水溶液に薄いまたは好ましくは濃い(30〜90質量%)過酸化水素溶液を化学量論的量以上の量加えてアミンオキシドを得る(米国特許第3,215,741号明細書)。この欠点は、反応物が、反応完了のかなり前に粘稠ペースト様のゲルに変化し、さらなる反応を遅らせる点にある。収量は、アミンオキシドがわずかに30〜40質量%である。その後、生成物の品質および収率を向上させるために、触媒および/またはキレート化剤の添加等の幾つかの方法が開発された。
【0004】
第2級アミンの場合、古典的な方法は、N−モノ置換ヒドロキシルアミンとカルボニル化合物との縮合またはN,N−ジ置換ヒドロキシルアミンの直接酸化を伴う。その後、均一条件下でニトロンを得るために、R2C(μ−O2)、Na2WO4−H22、SeO2、TPAP−HMOおよびUHP−M(M=Mo,W)、MTO−H22等の幾つかの酸化作用のある系を使用する第2級アミンの直接酸化が開発された。これらの場合の全てにおいて、反応混合物から均一系触媒/試薬を回収することが困難であるという欠点がある。
【0005】
米国特許第3,283,007号明細書を参照すると、収率を高めるためにキレート化剤としてジエチレントリアミン五/四酢酸を使用し、場合によって重金属により汚染される第3級アミンの酸化が推奨されている。使用される過酸化水素溶液の濃度は少なくとも30〜75質量%である。この方法の欠点は、40〜100℃の間の高い反応温度と、長い反応時間と、アミンオキシドの低い収率である。
【0006】
米国特許第3,424,780号明細書を参照すると、キレート化剤、テトラアセチレンジアミン、その塩、ポリホスフェート、錫酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩またはポリカルボン酸の塩の存在下で0.01〜2質量%の二酸化炭素を使用して30〜70質量%過酸化水素水による第3級アミンの酸化を行なうことにより高い収率で第3級アミンオキシドが得られる。この方法の欠点は、長い反応時間と、反応を加速するために二酸化炭素雰囲気を使用した場合に形成されたアミンオキシドが強く着色することと、この方法が取扱い設備が必要なガスを注入することを必要とすることである。別の欠点は、30質量%を超える過酸化水素は環境に優しくないことである。
【0007】
米国特許第4,889,954号明細書を参照すると、第3級アミンを高収率で反応させてニトロソアミンの含有量が少ない対応するアミンオキシドを生じさせ、第3級アミンの酸化は触媒としてのジアルキルカルボン酸エステルと、適切であれば補助触媒としてのアスコルビン酸の存在下で45〜70質量%過酸化水素を使用して行なわれる。この方法の欠点は、ゲル形成を避けるために水を頻繁に添加する必要があることと、反応温度が高いことと、反応時間が長いことと、反応混合物から触媒を分離するのが困難なことである。
【0008】
米国特許第4,565,891号明細書を参照すると、オクタシアノモルブデートまたは鉄塩を触媒として使用し、高温高圧で第3級アミンを酸化させるための分子状酸素が使用される。この方法の主な欠点は、90〜130℃の非常に高い温度を必要とすることと、転化率11〜52%と報告されているアミンオキシドの低い収率である。
【0009】
米国特許第5,130,488号明細書を参照すると、アセテートの存在下に二酸化炭素を使用して第3級アミンと過酸化水素を反応させ、そして冷却して生成物を沈殿させることにより固体アミンオキシドが調製される。この方法は、それより先に知られていたアミンオキシド製造方法よりも優れている。しかしながら、その方法の使用は、時によって、溶剤の開裂、沈殿のために使用される容器の壁面の被覆、残留過酸化物による生成物の汚染、および生成物の着色をもたらす。
【0010】
Walter W. Zajac等による論文 J. Org. Chem.; 53, 5856, 1988を参照すると、2−スルホニルオキシアジリジン(Davis試薬)を使用する第2級および第3級アミンの酸化が報告されている。この方法の欠点は、当該試薬を化学量論的量で使用することである。
Shun-Ichi Murahashi等の論文J. Org. Chem.; 55, 1736, 1990を参照すると、タングステン酸ナトリウムが第2級アミンの酸化のための触媒として使用された。この欠点は、均一条件から触媒を回収することが困難であることである。
Murraay等の論文J. Org. Chem.;61, 8099, 1996を参照すると、第2級アミンの酸化にメチルトリオキソレニウムが触媒として使用された。この欠点は、触媒を回収することが困難であることである。
Choudary等の論文Chem. Commun.;2001, 1736を参照すると、第3級アミンの酸化にタングステート交換Mg−Al−LDHが使用された。この反応は3〜4時間かかる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、穏やかな温度で低い百分率の過酸化水素だけを使用して、安価な非腐食性のリサイクル可能な触媒であるアルコキシドアニオンと交換させた層状複水酸化物(LDH)を触媒として使用して高収率で生成物を得る第2級および第3級アミンの環境に優しく単純なN−酸化方法を提供することである。
本発明の別の目的は、洗剤、シャンプー、布帛柔軟剤および生体工学分野で広く使用されている第3級アミンオキシドおよび第2級アミンオキシド(ニトロン)の改良された製造方法を提供することである。
本発明の目的は、非腐食性の安価な不均一系触媒、すなわちtert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドおよびメトキシドのアニオンと交換させた層状複水酸化物の使用方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明で、ベンゾニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、イソブチロニトリル、ベンズアミド、イソブチルアミドの存在下で第2級および第3級アミンの酸化を触媒するリサイクル可能な不均一系触媒、すなわちtert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドまたはメトキシドのアニオンと交換させた層状複水酸化物を述べる。この触媒が安価であること、数回リサイクル可能なこと、および10〜65℃で短時間のうちにアミンを酸化させることができるその能力等の利点は、本発明を、アミンオキシド製造に向けたクリーンで有効な工業的手段の有望な候補にしている。
【0013】
従って、本発明は、有機溶剤中でtert−ブトキシド、エトキシド、イソプロポキシドおよびメトキシドからなる群から選ばれるアニオンと交換させた層状複水酸化物を含んで成るリサイクル可能な不均一系触媒の存在下に、ベンゾニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ベンズアミドおよびイソブチルアミドからなる群から選ばれる添加剤の存在下、第3級または第2級アミンをオキシダントとしての過酸化水素と反応させ、生成物を分離し、そして前記添加剤を回収することを含むアミンオキシドの製造方法を提供する。
【0014】
本発明の1つの態様において、前記反応を、連続攪拌の下で10〜65℃の範囲内の温度で0.5〜5時間行ない、生成物を濾過とその後の溶剤の蒸発により分離する。
本発明のさらに別の態様において、前記アニオンと交換させた層状複水酸化物は、Mn-がtert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドおよびメトキシドのアニオンであるとし、An-が硝酸イオン、塩化物イオンおよび炭酸イオンから選ばれる格子間アニオンであるとし、MIIがMg2+,Mn2+,Fe2+,V2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+,Pd2+およびCa2+からなる群から選ばれる2価カチオンであるとし、MIIIがAl3+,Cr3+,V3+,Mn3+,Fe3+,Co3+,Ni3+,Rh3+,Ru3+,Ga3+およびLa3+からなる群から選ばれる3価イオンであるとして、式II:[MII (1-x)III x(OH)2][An-x/2・zH2Oにより表されるLDHから誘導された式I:[MII (1-x)III x(OH)2][Mn-x/2・zH2Oにより表されるものである。
【0015】
本発明の別の態様において、第3級アミンは一般式:R12NR3(式中、R1、R2およびR3は、互いに同じであるかまたは異なり、炭素原子数1〜24のアルキル、アルケニルおよびアラルキルから選ばれる直鎖または枝分かれ基である)により表されるもの、好ましくは、ジメチルデシルアミン、ジメチルドシルアミンおよびジメチルベンジルアミン;並びにイミダゾリン類、ピリジン類;N−置換ピペラジン類;およびN−メチルモルホリン等のN−置換モルホリン類から選ばれるものである。
【0016】
本発明の別の態様において、第2級アミンは一般式:R12NH(式中、R1およびR2は、互いに同じであるかまたは異なり、炭素原子数1〜24のアルキル、アルケニルおよびアラルキル、並びに環状アミンから選ばれる直鎖または枝分かれ基である)により表されるものである。
本発明の別の態様において、第2級アミンは、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−フェニルベンジルアミン、ピペリジンおよび1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから選ばれる。
本発明の別の態様において、規定した前記期間の間に制御された方式で30質量%過酸化水素水を徐々に添加する。
本発明の別の態様において、触媒は、6〜14質量%のtert−ブトキシド、エトキシド、イソプロポキシドおよびメトキシドから選ばれるアルコキシドである。
【0017】
本発明の別の態様において、反応を10〜65℃の範囲内の温度で1〜6時間行なう。
本発明の別の態様において、有機溶剤は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびイソブチルアルコールから選ばれる。
本発明の別の態様において、使用される過酸化水素の量は、第2級または第3級アミン1モル当たり2〜6モルである。
本発明の別の態様において、使用される添加剤の量はアミン1モル当たり1モルである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、連続攪拌の下で10〜65℃の範囲内の温度で有機溶剤中で触媒としてのtert−ブトキシド、エトキシド、イソプロポキシドおよびメトキシドからなる群から選ばれるアニオンと交換させた層状複水酸化物であるリサイクル可能な不均一系触媒の存在下に、ベンゾニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ベンズアミドおよびイソブチルアミドからなる群から選ばれる添加剤の存在下、第3級または第2級アミンをオキシダントとしての過酸化水素と1〜2時間反応させ、生成物を簡単な濾過により分離し、そしてその後に既知の方法により溶剤を蒸発させ、再利用のために添加剤を回収することを含む、非常に高い品質を有するアミンオキシドの改良された製造方法を提供する。使用される不均一系触媒は、tert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドおよびメトキシドからなる群から選ばれるアニオンと交換させた層状複水酸化物であって、式I:[MII (1-x)III x(OH)2][Mn-x/2・zH2Oにより表されるものである。この層状複水酸化物は式II:[MII (1-x)III x(OH)2][An-x/2・zH2Oにより表されるLDHから誘導される。ただし、Mn-はtert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドおよびメトキシドのアニオンであり、An-は硝酸イオン、塩化物イオンおよび炭酸イオンから選ばれる格子間アニオンであり、MIIはMg2+,Mn2+,Fe2+,V2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+,Pd2+またはCa2+からなる群から選ばれる2価カチオンであり、MIIIはAl3+,Cr3+,V3+,Mn3+,Fe3+,Co3+,Ni3+,Rh3+,Ru3+,Ga3+またはLa3+からなる群から選ばれる3価イオンである。使用される第3級アミンは一般式:R12NR3(式中、R1、R2およびR3は、互いに同じであっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜24のアルキル、アルケニルおよびアラルキルから選ばれる直鎖または枝分かれ基である)により表されるもので、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、並びにイミダゾリン類、ピリジン類、N−置換ピペラジン類、N−置換ピペジン類またはN−置換モルホリン類、例えばN−メチルモルホリンから選ばれる環状アミンから選ばれる。使用される第2級アミンは一般式:R12NH(式中、R1およびR2は、互いに同じであっても異なっていてもよく、炭素原子数1〜24のアルキル、アルケニルおよびアラルキルから選ばれる直鎖または枝分かれ基である)により表されるもの、例えばジブチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、及びN−フェニルベンジルアミン、並びにピペリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから選ばれる環状アミンから選ばれる。本発明の過酸化水素水は、制御された方式で0〜15分間の時間で徐々に添加される。系に導入される触媒は、6〜14質量%のtert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドおよびメトキシドから選ばれるアルコキシドのアニオンである。有機溶剤は、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびtert−ブチルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロエタンである。
【0019】
反応は、10〜65℃の範囲内の温度で0.5〜5時間行なう。使用される過酸化水素の量は、アミン1モル当たり2〜6モルである。使用される添加剤であるベンゾニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、イソブチロニトリル、ベンズアミドまたはイソブチルアミドの量はアミン1モル当たり1モルであり、この添加剤を定量的に回収して再利用でき、当該方法をより経済的なものにしている。本発明の新規性は、第2級および第3級アミンのN−酸化に初めて固相触媒を使用した点にある。層状複水酸化物中にインターカレートしたアルコキシドのアニオンは、アミンのアミンオキシドへの酸化を有効に触媒する。生成物を含む濾液をデカンテーションにより分離し、そしてフレッシュな触媒を添加せずにフレッシュな基質および溶剤を添加することにより固相触媒を数回リサイクルする。穏やかな反応条件下、短い反応時間での数サイクルの一貫した活性は、本発明を経済的なものにしており、工業的に実現可能である。
【0020】
【化1】
Figure 0004173676
【0021】
第3級および第2級アミンの酸化のもっともらしい反応機構をスキーム1に示す。最初に、過酸化水素がMg−Al−O−t−Buハイドロタルサイト(I)の塩基性のtert−ブトキシドと反応してHOO-化学種(II)を形成し、HOO-化学種(II)はニトリル(IV)に攻撃して活性中間体オキシダントとしてペルオキシカルボキシイミド酸(III)を生成する。この活性ペルオキシカルボキシイミド酸は、さらに、tert−アミン(VI)の窒素原子に求電子性酸素を送り、所望のN−オキシド(VII)および副生成物としてのアミン(V)を形成する。第2級アミン(IX)は、ペルオキシカルボキシイミド酸(III)化学種による求核反応を受けてヒドロキシルアミン(X)を生じる。ヒドロキシルアミン(X)のさらなる酸化と、その後の脱水によりニトロン(XI)が生じる。
【0022】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
例1:様々な触媒の調製
1.Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)ニトレートの調製:
硝酸マグネシウム6水和物(30.8g,0.12モル)および硝酸アルミニウム9水和物(15.0g,0.04モル)を100mlの脱イオン化および脱炭酸化した水に溶解させた。2MのNaOHを添加することによって、この溶液のpHを10に調節した。得られた懸濁液を室温で2時間攪拌した。析出したハイドロタルサイトを、N2雰囲気下で濾過し、そして80℃で一晩乾燥させた。
a)Mg−Al−O−t−Buハイドロタルサイト(触媒A)の調製:
100mlのTHF(金属ナトリウムにより新たに乾燥させた)に1.12gのカリウム−tert―ブトキシドを溶解させることにより調製した0.1Mのカリウム−tert−ブトキシド溶液を2口丸底フラスコに入れた。合成したままのMg−Alハイドロタルサイトニトレート1.214gを1回で加え、溶液を24時間攪拌し、次に濾過し、THFで数回洗浄して1.38gの白色固形物を得た。
b)Mg−Al−O−t−Buハイドロタルサイト(触媒B)の調製:
100mlのTHF(金属ナトリウムにより新たに乾燥させた)に1.12gのカリウム−tert―ブトキシドを溶解させることにより調製した0.1Mのカリウム−tert−ブトキシド溶液を2口丸底フラスコに入れた。この溶液に、焼成(空気の流れの中、723Kで6時間)したMg−Alハイドロタルサイトニトレート1.214gを1回で加え、溶液を24時間攪拌し、次に濾過し、THFで数回洗浄して1.442gの白色固形物を得た。
【0023】
2.Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)クロライドの調製:
Mg−Al−Clハイドロタルサイト(3:1)を以下のように調製した:脱イオン化および脱炭酸化した水(200ml)中のAlCl3・9H2O(12.07g,0.25モル/リットル)およびMgCl2・6H2O(30.49g,0.75モル/リットル)の混合溶液と脱イオン化および脱炭酸化した水(200ml)中の水酸化ナトリウム(16g,2モル/リットル)の水溶液とを各ビュレットから丸底フラスコに同時に滴下添加した。反応混合物のpHを、2MのNaOH溶液を連続添加することにより一定(10.00〜10.2)に保った。このようにして得られた懸濁液を窒素雰囲気下で2時間攪拌した。固体生成物を濾過により単離し、脱イオン化および脱炭酸化された水で十分に洗浄し、そして70℃で15時間乾燥させた。
a)Mg−Al−O−t−Buハイドロタルサイト(触媒C)の調製:
100mlのTHF(金属ナトリウムにより新たに乾燥させた)に1.12gのカリウム−tert―ブトキシドを溶解させることにより調製した0.1Mのカリウム−tert−ブトキシド溶液を2口丸底フラスコに入れた。この溶液に、Mg−Alハイドロタルサイトクロライド1.214gを1回で加え、溶液を24時間攪拌し、次に濾過し、THFで数回洗浄して1.382gの白色固形物を得た。
b)Mg−Al−O−t−Buハイドロタルサイト(触媒D)の調製:
100mlのTHF(金属ナトリウムにより新たに乾燥させた)に1.12gのカリウム−tert―ブトキシドを溶解させることにより調製した0.1Mのカリウム−tert−ブトキシド溶液を2口丸底フラスコに入れた。この溶液に、焼成(空気の流れの中、723Kで6時間)したMg−Alハイドロタルサイトクロライド1.214gを1回で加え、溶液を24時間攪拌し、次に濾過し、THFで数回洗浄して1.478gの白色固形物を得た。
【0024】
3.Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)炭酸塩の調製:
Mg−Al−CO3ハイドロタルサイト(3:1)を以下のように調製した:Mg(NO32・6H2O(0.2808モル)およびAl(NO33・9H2O(0.093モル)(スイス国所在のM/s. Fluka, Sigma Aldrich Companyから入手)を含む水溶液(0.280リットル)を、激しく攪拌した状態にある1リットル丸底フラスコ内のNaOH(0.6562モル)およびNa2CO3(0.3368モル)を含む第2の溶液に徐々に添加した。この添加は約3時間かかった。次に、スラリーを338Kに16時間加熱した。形成された析出物を濾過により取り出し、そして濾液のpHが7になるまで温蒸留水で洗浄した。析出物を353Kのオーブン内で15時間乾燥させた。
a)Mg−Al−O−t−Buハイドロタルサイト(触媒E)の調製:
100mlのTHF(金属ナトリウムにより新たに乾燥させた)に1.12gのカリウム−tert―ブトキシドを溶解させることにより調製した0.1Mのカリウム−tert−ブトキシド溶液を2口丸底フラスコに入れた。この溶液に、焼成(空気の流れの中、723Kで6時間)したMg−Alハイドロタルサイトクロライド1.214gを1回で加え、溶液を24時間攪拌し、次に濾過し、THFで数回洗浄して1.428gの白色固形物を得た。
【0025】
例2
ベンゾニトリルの存在下で過酸化水素水を使用するMg−Al−O−t−Buハイドロタルサイトにより触媒されるN−メチルモルホリンの酸化
2口フラスコに、10mlのメタノール中の0.22ml(2ミリモル)のN−メチルモルホリン、10mgの触媒Bおよびベンゾニトリル(2ミリモル)を入れた。この混合物に、過酸化水素の30質量%水溶液0.66ml(6ミリモル)を15分間滴下添加した。65℃に昇温し、反応をさらに15分間続けた。反応完了(次にTLC)後、触媒を濾過して取り出し、メタノールで洗浄した。その濾液に少量の二酸化マンガンを加えて未反応の過酸化水素を分解した。処理した反応混合物を濾過して固体MnO2を取り出し、減圧濃縮して生成物を得た。このようにして得られた生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、対応するアミンオキシドを得た。98%の収率でN−メチルモルホリンN−オキシドを得た。この生成物は、Fluka、Aldrich、Lancaster およびMerckの各企業から市販されている。
【0026】
例3
ベンゾニトリルの存在下で過酸化水素水を使用するMg−Al−O−t−Buハイドロタルサイトにより触媒されるN−メチルモルホリンの酸化:リサイクルI
リサイクルを検討するため、異なるプロトコールを採用した。上記のように反応を行なった後、濾液をサイフォンで吸い上げて生成物であるN−メチルモルホリンN−オキシドをカラムクロマトグラフィーにより収率98%で得た。使用した触媒を含むフラスコに、新たにN−メチルモルホリン(2ミリモル)およびベンゾニトリル(2ミリモル)を入れた。この混合物に、過酸化水素の30質量%溶液を0.66ml(6ミリモル)を15分間滴下添加した。65℃に昇温し、そして反応をさらに15分間続けた。このプロトコールを採用し、生成物を得るとともにさらなるリサイクルを行ない、それらの結果を表1にまとめた。
【0027】
例4〜7
例3における手順に従った。結果を表1に示す。
例8〜12
触媒A、C、D、EおよびKOtBuを使用するN−メチルモルホリンの酸化を例2における手順に従って行った。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004173676
【0029】
例13〜20
例2における手順に従って触媒Bを使用して様々な第3級アミンの酸化を行なった。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
Figure 0004173676
【0031】
例21〜25
例2における手順に従って触媒A、B、C、D、Eを使用してジブチルアミンの酸化を行なった。結果を表3に示す。
例26〜31
例2における手順に従って触媒Bを使用して様々な第2級アミンの酸化を行なった。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
Figure 0004173676
【0033】
例32
ベンズアミドからのベンゾニトリルの再生
2口フラスコに、10mlのメタノール中のベンズアミド(0.0054モル)および五酸化リン(1.2g)を入れた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応完了(次にTLC)後、混合物をロータリーエバポレーターにより濃縮し、そしてベンゾニトリルを減圧蒸留により定量的に得た。
【0034】
本発明の主な利点は以下の通りである:
1. 本発明の方法は環境に優しく、非常に単純であること。
2. 触媒が安価で非腐食性で、数回リサイクル可能であり、事実上不均一であること。
3. 反応条件が穏やかであり、反応温度が10〜65℃の間であること。
4. 使用される過酸化水素が30質量%であり、より環境に優しいこと。
5. 当該方法が経済的であること。
6. 当該方法が短時間で達成され、高い生産性をもたらすこと。
7. 当該方法で形成される流出物の量は、触媒および溶剤を回収/再利用および再利用するため、最低限に抑えられること。
8. 当該方法が、反応中のゲル形成を引き起こさずに、高い品質の生成物を与えること。

Claims (16)

  1. 有機溶剤中でtert−ブトキシド、エトキシド、イソプロポキシドおよびメトキシドからなる群から選ばれるアニオンと交換させた層状複水酸化物を含んで成るリサイクル可能な不均一系触媒の存在下に、ベンゾニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ベンズアミドおよびイソブチルアミドからなる群から選ばれる添加剤の存在下、第3級または第2級アミンをオキシダントとしての過酸化水素と反応させ、生成物を分離し、そして前記添加剤を回収することを含むアミンオキシドの製造方法。
  2. 前記反応を連続攪拌の下で10〜65℃の範囲内の温度で0.5〜5時間行なう請求項1記載の方法。
  3. 前記生成物を濾過とその後の溶剤の蒸発により分離する請求項1記載の方法。
  4. 前記アニオンと交換させた層状複水酸化物が、Mn-がtert−ブトキシド、イソプロポキシド、エトキシドおよびメトキシドのアニオンであるとし、An-が硝酸イオン、塩化物イオンおよび炭酸イオンから選ばれる格子間アニオンであるとし、MIIがMg2+,Mn2+,Fe2+,V2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+,Pd2+およびCa2+からなる群から選ばれる2価カチオンであるとし、MIIIがAl3+,Cr3+,V3+,Mn3+,Fe3+,Co3+,Ni3+,Rh3+,Ru3+,Ga3+およびLa3+からなる群から選ばれる3価イオンであるとして、式II:[MII (1-x)III x(OH)2][An-x/2・zH2Oにより表される層状複水酸化物から誘導された式I:[MII (1-x)III x(OH)2][Mn-x/2・zH2Oにより表されるものである請求項1記載の方法。
  5. 前記第3級アミンが一般式:R12NR3(式中、R1、R2およびR3は、互いに同じであるかまたは異なり、炭素原子数1〜24のアルキル、アルケニルおよびアラルキルから選ばれる直鎖または枝分かれ基である)により表されるものである請求項1記載の方法。
  6. 前記第3級アミンが、イミダゾリン類、ピリジン類、N−置換ピペラジン類およびN−置換モルホリン類からなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  7. 前記第3級アミンが、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルドシルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミンからなる群から選ばれる請求項記載の方法。
  8. 前記N−置換モルホリンがN−メチルモルホリンである請求項6記載の方法。
  9. 前記第2級アミンが一般式:R12NH(式中、R1およびR2は、互いに同じであるかまたは異なり、炭素原子数1〜24のアルキル、アルケニルおよびアラルキルから選ばれる直鎖または枝分かれ基である)により表されるもの及び環状アミンから選ばれる請求項1記載の方法。
  10. 前記第2級アミンが、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−フェニルベンジルアミン、ピペリジンおよび1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  11. 規定した前記期間の間に制御された方式で30質量%過酸化水素水を徐々に添加する請求項1記載の方法。
  12. 系に導入される前記触媒が、6〜14質量%のtert−ブトキシド、エトキシド、イソプロポキシドおよびメトキシドから選ばれるアルコキシドである請求項1記載の方法。
  13. 前記反応を10〜65℃の範囲内の温度で1〜6時間行なう請求項1記載の方法。
  14. 前記有機溶剤が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびイソブチルアルコールからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  15. 使用される過酸化水素の量が、第2級または第3級アミン1モル当たり2〜6モルである請求項1記載の方法。
  16. 使用される添加剤であるベンゾニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、イソブチロニトリル、ベンズアミド、イソブチルアミドの量がアミン1モル当たり1モルである請求項1記載の方法。
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