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JP4185552B2 - 耐食性に優れた鋼材 - Google Patents
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JP4185552B2 - 耐食性に優れた鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、土木、建築、鉄塔、橋梁、建設機械、鋼管、タンクなどの鋼構造物、特に、硫黄酸化物が多い大気汚染環境において耐食性に優れることが求められる鋼構造物の素材として好適な耐食性に優れた鋼材に関する。
一般に、重化学工業地帯や、石炭の燃焼に伴う硫黄酸化物や粉塵が多量にある大気汚染環境や、硫黄、硫化水素がある温泉地、火山地帯などで鋼材の腐食が激しいのは、硫黄酸化物による弱酸性環境が原因であると考えられている。このような環境に適した耐食材料の一つとして、従来、合金鋼が用いられてきた。
CrやNiを含有させて耐食性を向上させた鋼は、古くから知られており、各種ステンレス鋼として実用化されている。しかし、ステンレス鋼においては、高価な元素であるCrが通常13質量%以上含まれ、材料コストが非常に高価であるため、構造物や構造部材等に用いられることは稀にしかない。
一方、耐食性鋼材には、ステンレス鋼のほかに、保護性の錆により防食を行う低合金鋼も知られている。これら低合金鋼は、Cr、Cu、P等を含有した耐候性鋼およびCr、Cu、Mo等を含有した耐海水鋼に大別される。耐候性鋼は大気環境下で、また、耐海水鋼は海水中で優れた防食効果を発揮する。
これらの低合金鋼は、ステンレス鋼に比して安価であり、普通鋼に比して耐食性に優れるため、構造部材としてもよく使用されている。しかし、酸性雨の環境やSOx環境では耐候性鋼特有の保護性錆が生成されず、所望の耐食性が得られない。
また、「耐硫酸鋼」とよばれるものがある。これは低合金耐食鋼のひとつで、鋼にCuを加え、さらに、少量の補助元素(SbやSnなど)を加えたものである。しかし、日本国内では昭和50年以降、大気中のSO濃度は大幅に減少し、前記のような硫黄酸化物による激しい腐食環境は温泉地などを除いてなくなったに等しいため、特に専用の材料は開発されていない。
以上のとおり、鉄の耐食性向上のためにはCr、Cu、Niなどの耐食性向上元素の添加が常用されている。これらの元素は、一般的に、添加量が多いほど高い耐食性が得られるが、添加量が多くなるにつれて、切断性や機械的特性、溶接性の低下をきたすことが多く、さらに、素材コストも高くなるため、元素添加量はなるべく低く抑えることが望ましい。このように、耐食性の向上と鋼材特性およびコストパフォーマンスの向上とは二律背反の関係にあり、両者を十分に満足するべく多くの検討が実施されているが、どこかのバランス点で妥協せざるをえない。
一方、重油、石炭、ごみ等を燃焼させた排ガスに曝される煙道、煙突、ボイラー空気予熱器などの設備で問題となる耐硫酸露点腐食性環境では、硫酸露点腐食鋼が用いられる。これは、硫黄分を含有する燃料を燃焼させると、排ガス中にSOxが生じ、これが排ガス中の水分と化合して硫酸が生じる。そして、排ガスの温度が低下して硫酸の露点に到達すると、硫酸ガスが凝結して鋼材を腐食させる。このような硫酸露点腐食環境に用いられる鋼材として、従来より硫酸環境において耐食性を発揮する耐硫酸露点腐食鋼材が開発されてきている。一般に、耐硫酸腐食性に有効なSb、Cuを複合添加した低合金鋼が実用に供されてきている。近年でも、低C−低Si−Cu添加の耐硫酸露点腐食鋼が提案されている(特許文献1)。
ところで、近年、東アジア地域では急速な経済発展に伴い、エネルギー需要が急速に増大している。特に、中国では、石炭の生産・消費量が急ピッチで増加し、二酸化硫黄(SO)排出量が年間2000万トンと日本国内での排出量の20倍を超えるとの試算もある。こうした中国での大気汚染が大気循環を通じて長距離輸送され、日本でもSOxが原因とされる酸性雨(pHが4.5以下)が降っている地域も観察されるようになってきた。
特開2006−241476号公報(請求項1)
しかしながら、従来の鋼材では、pHが4.5以下の酸性雨が降り、硫黄酸化物が多い大気汚染環境下において優れた裸耐食性を有するものはなく、土木、建築、鉄塔、橋梁、建設機械、鋼管、タンクなどの鋼構造物の用途に応じて十分に高い耐食性を発揮することができなかった。特に、日本で用いられる鋼材は、それらの用途に応じた耐食性を十分に有するものではなかった。
そこで、本発明の課題は、酸性雨が降り、硫黄酸化物が多い大気汚染環境においても優れた耐食性を発揮する鋼材の提供を目的とする。
前記知見に基づいて、前記の課題を解決するため、請求項1に係る本発明の耐食性に優れた鋼材は、
(A)質量%にて、C:0.02〜0.15%、Si:0.10〜1.0%、Mn:0.1〜1.5%、S:0.02〜0.5%、Ti:0.02〜0.15%、Ca:0.0001〜0.01%およびAl:0.01〜0.50%を必須成分とし、さらに、Cu:0.05〜3.0%およびNi:0.05%〜6.0%から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、Ni、Cu、SおよびTiの含有量の間に[(Ni+4.5×Cu)×S×2500×Ti>5]で表される関係を有し、かつ、
(B)表面が、S:0.3〜5.0質量%を含み、さらに、Ti、Cu、Ni、Nb、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1種を合計で0.5〜10.0質量%含有する錆により被覆されており、かつ、
(C)表面に、β−FeOOH成分のX線回折法により求められる結晶子サイズが50nm未満である錆層が形成され、かつ前記錆層の分子吸着法により求められる比表面積が10m/g以上である
ことを特徴とする。
この鋼材では、大気汚染環境中でNi、Cu、TiおよびSの含有量が前記式(1)で表される特定の関係を有することによって、特有の不溶性硫化物皮膜からなる保護皮膜を作り高い耐食性を得ることができる。すなわち、硫黄酸化物が多い大気汚染環境において、Ni、Cu、Tiは、通常の大気腐食において生成錆(Ni、Cu:安定な非晶質錆生成促進、α錆生成促進、Ti:不安定なβ錆生成抑制)制御を行うほか、SOx環境では不溶性硫化物をつくり耐食性向上皮膜を生成することができる。そして、前記(B)の条件を満足することにより、腐食環境下での高耐食性を再現性よく発揮できる。さらに、前記(C)の条件を満足することによって、塩化物環境や硫黄酸化物が多い大気汚染環境のような厳しい腐食環境下でも、流れ錆や剥離錆を生じることがなく、優れた耐食性を発揮できる。
請求項2に係る本発明の耐食性に優れた鋼材は、さらに、La:0.0001〜0.05質量%、Ce:0.0001〜0.05質量%、Mg:0.0001〜0.05質量%、Mo:0.05〜3.0質量%、Nb:0.005〜0.5質量%、V:0.01〜0.5質量%、Zr:0.005〜0.5質量%、B:0.0003〜0.003質量%、およびW:0.05〜3.0質量%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
この鋼材では、La、Ce、Mg、Mo、Nb、V、Zr、BおよびWから選ばれる少なくとも1種を、それぞれ特定の量含むことによって、さらに耐食性の向上を図ることができる。中でも、La、CeおよびMgは、腐食先端部のpH低下を抑制する作用や孔食の起点となり耐候性を低下させるMnSの生成を抑制する働き、さらに、腐食初期にZnとFeを安定的に腐食させる効果を有する。さらに、Nb、V、Zr、MoおよびBは保護性錆の生成促進に有効であり、また、NbおよびVは焼き入性を向上させ、強度の向上に有効である。Bは焼き入性を上昇させる働きをも有する。
請求項3に係る本発明の耐食性に優れた鋼材は、表面に生成した錆の、X線回折法により求められる非晶質成分の分率が30質量%以上、かつβ−FeOOH成分の分率が30質量%以下であり、錆の分率がα−FeOOH/γ−FeOOH>0.6であることを特徴とする。
この鋼材では、表面に生成する錆において、耐食性の向上に有効な非晶質の錆の分率を30質量%以上、腐食を進行させる起点となる結晶性の錆(β−FeOOH成分)の分率が30質量%以下であり、錆の分率がα−FeOOH/γ−FeOOH>0.6であることによって、優れた耐食性を発揮し、SOx環境でも緻密な保護性錆を維持できる。
本発明に係る鋼材は、pHが4.5以下の酸性雨が降り、硫黄酸化物が多い大気汚染環境においても優れた耐食性を発揮することができる。特に、土木、建築、鉄塔、橋梁、建設機械、鋼管、タンクなどの鋼構造物、特に、硫黄酸化物が多い大気汚染環境において耐食性に優れることが求められる鋼構造物の素材として好適である。
以下、本発明に係る耐食性に優れた鋼材(以下、「本発明の鋼材」という)について詳細に説明する。
本発明の鋼材は、質量%で、C、Si、Mn、S、Ti、CaおよびAlを必須成分とし、CuおよびNiから選ばれる少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物から構成され、Ni、Cu、およびTiの含有量の間に特定の関係を有するものである。以下、本発明の鋼材を構成する各成分の含有量の数値範囲およびその数値範囲の限定理由、ならびにNi、Cu、およびTiの含有量の関係について説明する。
Cは鋼の強度改善に有効な元素であり、390〜630N/mm級またはそれ以上の強度を確保する上で有効な元素であるが、C含有量が0.15質量%を超える場合には鋼の溶接性や裸耐候性を劣化させる。一方、C含有量が0.02質量%未満では、上記強度確保が困難となる。かかる観点から、C含有量は0.02〜0.15質量%、好ましくは0.04〜0.10質量%である。
Siは溶鋼の脱酸や固溶強化に有効な元素であり、また、緻密な安定錆層の形成を促進し、裸耐候性などの耐食性を向上させる効果も有する。しかし、Si含有量が0.10質量%未満では、これらの効果が不十分である。また、Si含有量が1.0質量%を超える場合には、溶接性が低下する。このような観点から、Si含有量は0.10〜1.0質量%であり、好ましくは0.2〜0.8質量%である。
Mnは鋼強度の改善に有効な元素であり、Cに替わり390〜630N/mm級またはそれ以上の強度を確保する上で有用な元素であるが、Mn含有量が1.5質量%を超える場合には、MnSが鋼中に多量に生成して、裸耐候性などの耐食性の劣化を招くおそれがある。また、Mn含有量が0.1質量%未満では、鋼強度の確保が難しくなる。かかる観点から、Mn含有量は0.1〜1.5質量%であり、好ましくは0.3〜1.3質量%である。
Sは、従来、多すぎるとFeS、MnSなどの腐食起点を多く作るので低減するのが望ましい元素であるが、本発明の鋼材では、Cu、NiおよびTiの共存によって、SOx環境では不溶性硫化物を生成して耐食性向上皮膜を形成するため、耐食性の向上に有効な元素である。しかし、0.5質量%を越えて含有すると、機械的特性が劣化するとともに、腐食の起点となるFeS、MnSが鋼中に多量に生成して、前記安定錆層の形成を阻害して、耐食性劣化を招く可能性がある。また、Niなどを過剰に含有した場合に、Sとの反応により、溶接金属の粒界に低融点のNiS化合物を析出させ、凝固金属の粒界の延性を劣化させやすくなる。この観点から、S含有量を0.5質量%以下とすれば、前記低融点のNiS化合物を析出させずに、Niをより多量に含有することが可能になるという利点もある。そこで、S含有量は0.02〜0.5質量%、好ましくは0.01〜0.3質量%である。
Pは、鋼材の表面に生成する錆への塩化物イオンの進入を阻止し、緻密な安定錆層を形成して、耐食性を向上させる効果を有する元素である。そのため、従来の耐候性鋼ではこの耐食性の向上効果を発揮させるため、0.05質量%程度以上、0.15質量%程度以下の含有を必須としていた。一方、0.05質量%程度を超える過度のPの含有は、溶接性を著しく劣化させる。これに対して、本発明では、Ti等の含有により、緻密な安定錆層を形成できるため、Pの過度の含有は不要である。そこで、溶接性の向上をも考慮して、Pを含有する場合は、P含有量は、0.001〜0.15質量%とすることが好ましい。ここで、Pは、通常、鋼の製造過程で低減され、不可避的に鋼中に残存する元素である。しかし、本発明において、Pは、耐食性を向上させるために有効な元素である。そのため、本発明の鋼材の製造工程においては、Pの残存量が多めとなるように、Pの低減の程度を緩和してもよい。
Crは、ステンレス鋼に添加されているように一般には耐食性の向上に有効な元素である。しかし、大気の塩化物環境や海浜環境では却って悪影響を及ぼす。このような環境ではCr含有量を低減することにより、特に、耐孔あき性が向上する。このような耐孔あき性や、耐局部腐食性の改善、塩分環境下における耐食性向上には、特にCr含有量の低減が有効であり、この観点から、本発明の鋼材では、Crを含有する場合は、Cr含有量を0.1質量%以下にすることが好ましい。更にはCrフリー化(Cr含有量を0にする)することは望ましいが、過度に少なくするには経済的にコストが掛かる。また、Crは、鋼の製造過程で、原料の一部として用いられることが多いスクラップからもたらされる不可避的成分である。そこで、本発明においては、JIS−SMAに規定される耐候性鋼のように積極的に添加することは望ましくない。そのため、0.02質量%未満とすることが好ましい。
Tiは、CuおよびNiと同様に、生成錆を緻密化し安定錆層の生成を促進する有益な作用を有しているとともに、非常に優れた耐食性も有しているため、本発明において非常に重要な必須添加元素である。特に、海浜・海洋環境で特徴的に生成するβ−FeOOHの生成を抑制する元素として、CuやNiと複合添加すると優れた効果を発揮する。また、鋼の清浄化という利点も併せ持っている。こうした効果は0.02質量%以上の添加で得られるが、0.03質量%を超えて添加するとその効果は著しく上昇する。しかし、過剰な添加を行っても、その効果は飽和傾向を示し、経済的にも好ましくない。さらに溶接の際にかえって害になる可能性があるので、Tiは0.15質量%を上限とした。また、上記事項は鋼材の腐食生成物の場合であるが、亜鉛の腐食生成物においてもTiを含有することにより緻密性が向上する効果がある。したがって、鋼自体および鉄と亜鉛の腐食生成物にも作用して耐食性を向上させる効果があるので、この観点からも非常に重要な元素である。そこで、Ti含有量は0.02〜0.15質量%であり、好ましくは0.03〜0.10質量%である。
Caは、塗膜欠陥部の腐食において重要な役割を有する元素である。つまり、Caは、塗膜欠陥内でのpH低下を緩衝する作用を有する元素であり、塗膜下腐食の進行過程において、鉄の腐食反応に伴う微量溶解でアルカリ性を呈する(アノード溶解先端部の溶液pH緩衝効果)元素である。このため、Caは、塗膜欠陥部での隙間腐食を抑制する作用を有し、溶解時にpHを上げて隙間腐食を抑制する働きを有する元素である。すなわち、腐食の先端部分で、鉄の溶解時にpHを上げるCaが存在すれば、隙間腐食の進行を抑制できる。この観点から、Caの含有量は0.0001〜0.01質量%、好ましくは0.0003〜0.005質量%である。
Alは、Tiと複合添加することにより安定錆層の形成を一層促進し、ひいては耐食性を更に向上させる効果を有する元素である。また、Alは溶接性の向上効果も有する。更に、Alは、溶鋼の脱酸元素として、固溶酸素を捕捉するとともに、ブローホールの発生を防止して、鋼の靱性の向上のためにも有効な元素である。また、Alは表層で酸化物を形成するが、Alの酸化物粒子は小さく、空隙の少ないきわめて安定した緻密なスケールを形成し、レーザー切断性に寄与する。Al含有量が0.01質量%未満では、これらの効果が十分には得られず、一方、Al含有量が0.5質量%を超える場合には、上記の安定錆層形成の促進による耐食性向上の効果は飽和し、逆に、溶接性を劣化させたり、アルミナ系介在物の増加により鋼の靱性を劣化させる。このような観点から、Al含有量は0.01〜0.5質量%とすることが好ましく、特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
また、本発明の鋼材は、C、Si、Mn、S、P、Cr、Ti、CaおよびAl以外に、CuおよびNiから選ばれる少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるものである。
本発明の鋼材において、Cuは、耐食性および溶接性の向上に有効な元素である。すなわち、Cuは、電気化学的に鉄より貴な元素であり、鋼表面に生成する錆を緻密化して、安定錆層の形成を促進し、耐候性などの耐食性を向上させる効果もある元素である。また、溶接性の向上にも寄与する。さらに、表面層において、一部酸化物になるが、多くは固溶状態で濃化し、表面スケールを緻密化し、密着性向上を高めることによりレーザー切断性の向上に有効な元素である。Cu含有量が0.05質量%未満の場合には、耐食性の向上が不充分となり、Cu含有量が3.0質量%を超える場合には耐食性の向上効果が飽和し、また、鋼材製造のための熱間圧延等の加工の際に、素材の脆化(以下、熱間加工脆性ともいう)を引き起こす可能性がある。これらの観点から、また、上記熱間加工脆性の発生をより確実に抑制するためにも、Cu含有量は0.05〜3.0質量%、好ましくは0.3〜1.5質量%である。
Niは、耐食性および溶接性の向上に有効な元素である。NiはCuの場合と同様に、鋼表面に生成する錆を緻密化して、安定錆層の形成を促進し、耐候性等の耐食性を向上させる効果を有する元素である。また、溶接性の向上にも寄与する。更に、Niは、前記熱間加工脆性を抑制する効果もある。従って、NiをCuと併せて含有させることにより、耐食性向上効果、熱間加工脆性の抑制効果の相乗効果が期待できる。また、NiはCuと同様、表面層において、一部酸化物になるが、多くは固溶状態で濃化し、表面スケールを緻密化し、密着性向上を高めることによりレーザー切断性を向上させる。Ni含有量が0.05質量%未満の場合、耐食性の向上が不充分となり、一方、Ni含有量が6.0質量%を超える場合、完全オーステナイト組織における固液凝固温度範囲を広げて、低融点不純物元素のデンドライト粒界への偏析を助長するとともに、Sと反応して溶接金属の粒界に、低融点のNiS化合物を析出させ、凝固金属の粒界の延性を劣化させ、ひいては、耐溶接高温割れ性に悪影響を与える。これらの観点から、Niを含有する場合は、Ni含有量は0.05〜6.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは1.0〜3.0質量%である。
本発明の鋼材において、Ni、Cu、SおよびTiの含有量の間には、下記式(1)で表される関係を有することが必須である。Ni、Cu、SおよびTiの含有量が、式(1)の関係を満たすとき、SとNi、CuおよびTiとが、SOx環境下で不溶性硫化物皮膜からなる耐食性向上皮膜を形成して、高い耐食性を得ることができる。
(Ni+4.5×Cu)×S×2500×Ti>5 (1)
本発明の鋼材では、(a)保護性の高い非晶質錆の生成促進、(b)保護性が高く、熱力学的にも安定なα錆の生成促進、(c)塩化物環境下で特徴的に生成し、耐食性を劣化させるβ錆の生成抑制、(d)硫黄酸化物や粉塵が多量にある大気汚染環境(SOx環境)下で耐食性を向上させる耐食性向上皮膜生成促進、のすべてが相乗効果を発揮する。そのために、本発明者らは、各種実験を繰り返し、(a)〜(d)のすべての項目を満足させる必要な各元素の量を規定したのが上記の式(1)である。
本発明の鋼材では、Ni、Cu、Tiが通常の大気腐食において錆の生成の制御(Ni、Cu:安定な非晶質錆生成促進、α錆生成促進、Ti:不安定なβ錆生成抑制)が行われるとともに、S含有量が0.02〜0.5質量%の範囲で、Ni、Cu、Tiと共存することによって、重化学工業地帯や石炭の燃焼に伴う硫黄酸化物や粉塵が多量にある大気汚染環境(SOx環境)下で不溶性硫化物からなる耐食性向上皮膜を生成し、優れた耐食性を得ることができる。
さらに、本発明の鋼材において、さらなる耐食性の向上のために、La、Ce、Mg、Mo、Nb、V、Zr、WおよびBから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
La、CeおよびMgは、腐食先端部のpH低下を抑制する作用や孔食の起点となり耐候性を低下させるMnSの生成を抑制する働き、さらに、腐食初期にZnとFeを安定的に腐食させる効果を有する。そこで、La、CeおよびMgを含有させる場合には、La含有量を0.0001〜0.05質量%、Ce含有量を0.0001〜0.05質量%、Mg含有量を0.0001〜0.05質量%とすることが好ましい。
さらに、Mo、Nb、V、ZrおよびBは保護性錆の生成促進に有効であり、また、NbおよびVは焼き入性を向上させ、強度の向上に有効である。Bは焼き入性を上昇させる働きをも有する。したがって、耐食性向上の観点から、Mo、Nb、V、ZrまたはBを含有させる場合は、Mo含有量を0.05〜3.0質量%、Nb含有量を0.005〜0.5質量%、V含有量を0.01〜0.5質量%、Zr含有量を0.005〜0.5質量%、B含有量を0.0003〜0.003質量%とするのが好ましく、さらに好ましくはMo含有量を0.1〜1.0質量%、Nb含有量を0.005〜0.10質量%、V含有量を0.01〜0.20質量%、Zr含有量を0.005〜0.10質量%、B含有量を0.0003〜0.0030質量%である。
また、Wも耐食性の向上に有効な元素であり、Wを含有させる場合は、W含有量を0.05〜3.0質量%とするのが好ましい。
また、本発明の鋼材において、酸性雨が降るSOx環境下で不溶性の硫化物皮膜を形成して耐食性を向上させる効果が得られることから、Be、As、Sb、Bi、Ge、Sn、Pb、Se、Te、ZnおよびCdから選ばれる少なくとも1種を合計で0.002〜0.2質量%含有することが好ましい。これらの元素は、鋼中にあって水や酸にとけない硫化物をMnに変わって形成(Cr、Ti、Vなど)するかわりに、腐食にともない腐食環境中に溶出し、鋼の表面に不溶性の硫化物皮膜を形成する、と考えられる。
本発明の鋼材は、前記のとおり、C、Si、Mn、S、P、Cr、TiおよびCaを必須成分とし、さらに、CuおよびNiから選ばれる少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物から構成され、Ni、Cu、およびTiの含有量の間に前記式(1)で表される特定の関係を有し、また必要に応じて前記La、Ce、Mg、Mo、Nb、V、Zr、WおよびBから選ばれる少なくとも1種を含むことによって、特有の不溶性硫化物皮膜からなる保護皮膜を作り高い耐食性を得ることができる。すなわち、硫黄酸化物が多い大気汚染環境において、Ni、Cu、Tiは、通常の大気腐食において生成錆(Ni、Cu:安定な非晶質錆生成促進、α錆生成促進、Ti:不安定なβ錆生成抑制)制御を行うほか、SOx環境では不溶性硫化物をつくり耐食性向上皮膜を生成することができる。
さらに、本発明の鋼材組織については、基本的にはフェライト+パーライトの混合組織であるが、例えば、橋梁などの構造物としての構造材としての必要強度390〜630N/mm級乃至それ以上の強度や靱性を確保し、また、優れた耐食性を有するためには、フェライト量が90%以上であることが好ましい。フェライト量が多くなり、鋼組織がフェライト相単層に近づくほど、鋼組織自体がミクロ電池を作り難く、裸耐候性などの耐食性が向上する。したがって、鋼材組織は、95%以上のフェライト量とするのがより好ましい。
ここで、本発明の鋼材の表面における錆および錆層について以下に説明する。
本発明の鋼材の表面は、Sと、Ti、Cu、Ni、Nb、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1種とを含有する錆により被覆される。これによって、塩分腐食環境下および硫黄酸化物が多い大気汚染環境下において、緻密で微細なα−FeOOH錆や非晶質の錆として生成するとともに、β−FeOOHの発生が極力抑制され、高い耐食性を再現性よく得ることができる。すなわち、鋼材表面乃至鋼材錆層に前記のSと、Ti、Cu、Ni、Nb、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1種とを含有乃至存在させれば、その後、この鋼材表面乃至鋼材錆層に大気環境下で生成する錆が、これらの元素によって、塩分腐食環境下、大気汚染環境下であっても、微細で緻密なα−FeOOH錆や非晶質の錆として生成するとともに、この過程で、β−FeOOHの発生が極力抑制される。
これらのTiやSなどの、錆生成に対する作用は、錆の生成・成長段階に、イオン、コロイド的な性質を持つ微細化合物粒子または微細析出物(TiあるいはTiイオンが酸化、加水分解などによって生成したTiの水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、あるいは他の物質元素との反応性生物)などの形態で影響し、錆の結晶構造を乱し、成長を抑制して、錆の欠陥部分を埋める等の作用や硫化物形成により、腐食や剥離の起点になることを抑制するものと推察される。
この鋼材の表面を被覆する錆において、Sの含有量は0.3〜5.0質量%である。Sが錆層中に含まれると、錆層自体が緻密で高い耐食性を有するものとなる。このメカニズムは明らかではないが、鋼材表面の不溶性硫化物とSやNi,Cu、Tiを含む微細で緻密な鉄錆が相乗効果をもたらして、耐食性が一層向上すると考えられる。表面の錆中のS含有量が0.3質量%未満では、耐食性の向上効果が発揮されず、5質量%を超えると、腐食に起点となり、却って耐食性を劣化させる虞がある。
さらに、表面の錆において、Sと、Ti、Cu、Ni、Nb、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1種との合計含有量は0.5〜10.0質量%である。また、表面を被覆する錆において、Sと、Ti、Cu、Ni、Nb、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1種との合計含有量の下限は、2.0質量%以上とすることが好ましく、さらに3.0質量%以上とすることが好ましい。
また、本発明の鋼材の表面に形成される錆層において、X線回折法により求められるβ−FeOOH成分の結晶子サイズが50nm未満である。さらに、前記錆層の分子吸着法により求められる比表面積が10m/g以上である。これによって、塩化物環境や硫黄酸化物が多い大気汚染環境のような厳しい腐食環境下でも、流れ錆や剥離錆を生じることがなく、優れた耐食性を発揮し、かつ外観の美しさも保持できる。特に、塩分腐食環境下では、錆層安定化はβ−FeOOH錆の存在に左右されるが、本発明者らは、特にβ−FeOOH錆の結晶子サイズと錆粒子の比表面積が錆層の耐食性の向上を決定する因子であり、β−FeOOH錆の結晶子サイズが50nmを超えると剥離錆層が形成し易くなるため、β錆の結晶子サイズを50nm未満とすることが有用である。つまり、錆層を構成する錆粒子の結晶子サイズを、錆の種類に関係なくむやみに下げるだけでは耐食性の著しい向上を達成することはできず、特にβ錆の結晶子サイズに着目してそのサイズを下げることが耐食性の向上には重要である。
本発明では、錆の主成分がα−FeOOHおよび/または非晶質の錆からなるものとする。この内、特に非晶質の錆は、結晶性の錆よりも極めて微細で緻密な安定錆層を形成し、錆皮膜としての「欠陥部分」が形成されたとしても、非晶質の錆部分がこの穴埋めを行う「欠陥補修機能」を有する。したがって、鉄錆中の非晶質の錆の割合(非晶質度)が高いほど高い耐食性を示す。このため、本発明では、鋼材表面に生成する錆において、X線回折法により求めた非晶質成分の分率を30質量%以上とすることが好ましい。
一方、これ以外の錆、特にβ−FeOOHなどの結晶性の錆は、錆中の前記非晶質やα−FeOOHの割合が高くても、この錆が起点となって腐食を進行させるため、極力抑制する必要がある。このため、本発明では、鋼材表面に生成する錆の、X線回折法により求められるβ−FeOOH成分の分率を30質量%以下とすることが好ましい。錆の非晶質成分の分率が30質量%未満、およびβ−FeOOH成分(β錆)の分率が30質量%を越える場合には、前記α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOOHおよびFeの結晶性の錆成分が多くなり、鋼材表面の錆が緻密な安定錆層を形成していないので、鋼材の高耐食性を保証出来なくなる可能性がある。
また、環境によっては非晶質錆が生成しない場合もあり、その場合はα錆(安定;酸性で生成しやすい)とγ錆(不安定;中性で生成しやすい)を比較して錆の保護性を評価することが有効である。そこで、本発明の鋼材では、錆の分率がα−FeOOH/γ−FeOOH>0.6であることが好ましい。ここで、本発明において、鋼材表面に生成した錆の、高い耐食性とは、SOx環境下での鋼材の耐食性を意味する。したがって、この高い耐食性を保証するためには、鋼材の0.5年間の大気暴露、もしくは、大気環境を模擬した酸性雨散布試験での評価結果に基づいて鋼材の耐食性を評価する必要がある。
本発明において、錆の非晶質度を測定する手段としては、「腐食防食95C−306(341〜344頁)」の「粉末X線回折法による鉄錆成分の定量化およびその応用」に開示された粉末X線回折法が有効である。この文献では耐候性鋼材を対象に粉末X線回折法により、鋼材表面の前記鉄錆成分の定量化を試み、鉄錆中の非晶質の錆の割合(非晶質度)が高いほど、緻密な安定錆層となる耐食性改善モデルを裏付けている。より具体的な粉末X線回折法として、内部標準として一定質量比のCaFあるいはZnOなどを鋼材から採取した錆試料に混合し粉末化したものを通常のX線回折法により同定し、前記5種類の錆の各々の固有の回折ピークの積分強度比と、予め求めた各々の錆成分の検量線から、各々の結晶性の錆成分の定量化を行い、錆の合計量からこれら各々の結晶性の錆成分量を差し引いて非晶質成分の割合を算出する。これは、非晶質成分自体の回折ピークの積分強度比が求めにくく、定量化しにくいためである。
次に、本発明の鋼材の製造方法を説明する。本発明の鋼材は、通常の厚鋼板の製造方法により製造可能である。即ち、鋼の連続鋳造や造塊法による溶製後、分塊圧延乃至熱間鍛造や、厚板圧延などの熱間加工を行い、所定の製品板厚に製造される。なお、これらの熱間加工条件や熱間加工後の冷却や熱処理の条件は、鋼材の、例えば橋梁の構造材としての、390〜630N/mm級乃至それ以上の強度などの機械的性質の要求や仕様に応じて、適宜決定される。したがって、通常の熱間加工の他に、溶接性を保障する低合金化乃至低炭素当量化を確保した上で、前記強度等の機械的性質を確保する方法を選べばよい。たとえば、本発明の鋼材組織を、フェライト量が90%以上とするために、熱間加工後の加速冷却などの強制冷却や制御圧延が施されても良い。また、熱間加工後の熱処理も、必要により、圧延オンラインでの直接焼入れ(DQ)やオフラインでの焼入れ焼戻し(QT)などが適宜施される。
以下、本発明について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを対比して具体的に説明する。なお、以下の実施例は代表的なものであって、本発明はこれらの実施例に限定されるものでなない。
(例1〜21)
表1に示す化学組成を有する鋼塊を各々実験室レベルで大気溶解した。鋳型は薄板用45kgf角鋳型を用い、表1に示す化学組成のインゴットを製造した。次に、これらのインゴットを粗圧延した。加熱条件は1100℃×30分保持、熱延パススケジュールは特に指定せずに、仕上厚を25mm厚×有り幅×長さとした(ここで、「有り幅」とは、特に板の幅を規定せずに圧延に応じた幅のままにしたことを意味する。また、長さについても同様である。以下、同様)。その後、ガス切断を行い、各材とも300mm長さの板材を作成した。次いで、仕上圧延を行った。熱延条件は加熱1100℃×2hr、パス回数は5パス、仕上温度は900℃±50℃とした。仕上サイズは6mm厚×有り幅×長さ、冷却速度は70℃/secで、停止温度は650℃とした。その後、保持炉:600℃×60分で炉冷し、鋼板を製造した。これらの鋼板について、各々試験片を採取した。
Figure 0004185552
Figure 0004185552
さらに、採取した試験片から、50mm×50mm幅×3mm厚さの供試材を作製し、下記試験により耐食性を評価した。
耐食性評価試験
複合サイクルタイプの促進ラボ試験を7日間行った。この複合サイクル試験は、1サイクルをpH=3.5の人工酸性雨噴霧を2時間、乾燥(温度60℃、湿度40%)を2時間、湿潤環境(温度40℃、湿度95%)に2時間置く工程を1サイクルとし、1日で4サイクル行った。そし、試験後に、液体ホーニングにより除錆後、重量測定を行い、腐食減量を測定した。No.1の腐食減量を100として各試験片の腐食量を標準化した。
生成した錆の分析
耐食性評価試験を行った供試材から採取した錆試料について、β−FeOOH錆(ミラー指数:110)の結晶子サイズをX線回折法で測定した。一部の試料については、γ−FeOOH錆(β錆)(020)またはマグネタイト(220)の結晶子サイズを測定した。
また、供試材から採取した錆試料を前述のX線回折法により同定し、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOOHおよびFeの3種類の錆の各々の固有の回折ピークの積分強度比と、予め求めた各々の錆成分の検量線から、各々の結晶性の錆成分の定量化を行い、錆の合計量からこれら各々の結晶性の錆成分量を差し引いて非晶質成分の割合およびさびの分率:α−FeOOH/γ−FeOOHを算出した。
錆層の比表面積
自動容量吸着装置を用いて液体窒素温度でN吸着等温線を求め、この吸着等温線を用いてBETプロットを行い比表面積を求めた。
錆中の元素分析
また、試験片を切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて100〜2000倍程度で観察し、表面の鉄層と地鉄が密着している箇所を任意に抽出し、錆層の合金元素(S、Ti、Cu、Ni、Nb、Zr、V)の濃縮度合い(含有量)を電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)により測定した。
前記の耐食性評価試験、生成した錆の分析、錆層の比表面積および細孔径の測定、および錆中の元素分析の結果を表2に示す。
Figure 0004185552
Figure 0004185552
表2に示すとおり、本発明例(No.6〜16)は比較例(No.1〜5)に比べて優れた耐食性を示した。また、本発明例は、耐食性も優れているだけでなく、β−FeOOH錆の結晶子サイズも小さく、さび層の比表面積も大きい。すなわち、本発明例は、耐食性も優れており、X線回折法により求めた非晶質成分の分率が30質量%以上で、β−FeOOH(β錆)成分の分率が30質量%以下で、さびの分率(α−FeOOH/γ−FeOOH)が0.6を超えるものが多い。これに対して、比較例は、この条件をいずれも満足せず、耐食性に劣ることが分かる。
また、本発明例(No.6〜16)では、錆層中にSをはじめ、Cu、Ni、Tiなどの有効元素が濃縮しており、前記耐食性試験の結果が裏付けられた。

Claims (3)

  1. (A)質量%にて、C:0.02〜0.15%、Si:0.10〜1.0%、Mn:0.1〜1.5%、S:0.02〜0.5%、Ti:0.02〜0.15%、Ca:0.0001〜0.01%およびAl:0.01〜0.50%を必須成分とし、さらに、Cu:0.05〜3.0%およびNi:0.05%〜6.0%から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、Ni、Cu、SおよびTiの含有量の間に[(Ni+4.5×Cu)×S×2500×Ti>5]で表される関係を有し、かつ、
    (B)表面が、S:0.3〜5.0質量%を含み、さらに、Ti、Cu、Ni、Nb、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1種を合計で0.5〜10.0質量%含有する錆により被覆されており、かつ、
    (C)表面に、β−FeOOH成分のX線回折法により求められる結晶子サイズが50nm未満である錆層が形成され、かつ前記錆層の分子吸着法により求められる比表面積が10m/g以上である
    ことを特徴とする耐食性に優れた鋼材。
  2. さらに、La:0.0001〜0.05質量%、Ce:0.0001〜0.05質量%、Mg:0.0001〜0.05質量%、Mo:0.05〜3.0質量%、Nb:0.005〜0.5質量%、V:0.01〜0.5質量%、Zr:0.005〜0.5質量%、B:0.0003〜0.003質量%、およびW:0.05〜3.0質量%から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた鋼材。
  3. 表面に生成した錆の、X線回折法により求められる非晶質成分の分率が30質量%以上、かつβ−FeOOH成分の分率が30質量%以下であり、錆の分率がα−FeOOH/γ−FeOOH>0.6であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性に優れた鋼材。
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