JP4187243B2 - シリンダ錠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダ錠、主として引出し等に使用されるシリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシリンダ錠としては、たとえば下記特許文献1に記載の発明がある。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2601517 号公報
【0004】
すなわち、このシリンダ錠は、図29及び30に示すように、鍵穴6bを有する内筒5bと、その内筒5bを回転自在に内装着した外筒4bとからなるシリンダ1bが、デッドピン11b を出没自在に収納したピンケース2bにプレート21b を介して取付けられ、しかも前記鍵穴6b内に挿入される鍵の回転によって同図に示すように、ピンケース2bからデッドピン11b が出没しうる構成としたものである。
【0005】
そして、このようなシリンダ錠は、たとえば引き出し等の被取付部材である板材42b に孔43b を穿設し、図31に示すように、後面側からその板材42b の孔43b にシリンダ1bを挿入して該シリンダ1bの鍵穴6bを板材42b の孔43b の前面側に裸出させ、ピンケース2bをの板材42b の後面側に取り付けて使用されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなシリンダ錠は、シリンダ1bがピンケース2bに一体的に取り付けられた構成からなるので、板材42b の孔43b の前面側の位置にシリンダ1bの鍵穴6bの位置を合致させるためには、シリンダ1bの寸法を被取付部材である引き出し等の板材42b の厚みに合わせる必要がある。
【0007】
従って、板材の厚みによってシリンダの寸法も限定されることになり、板材の厚みが変わればシリンダ錠を別に準備する必要があった。
【0008】
また、シリンダの寸法を板材の厚みに合わせて設定したとしても、実際に取り付けると、寸法誤差等により鍵穴が形成されたシリンダの前面側と、板材の前面側との面にずれが生じ、外観が不体裁となる場合があった。
【0009】
そして、上記のような従来のシリンダ錠は、上述のように後面側から板材の孔にシリンダを挿入して取り付けるので、上記のようなシリンダの前面側と板材の前面側との面にずれが生じてもシリンダ錠の取り付け自体に支障が生ずることはなく、従って上記のようなシリンダと板材との前面側における面の不一致により、シリンダの前面が被取付部材の前面より前側に突出し或いは被取付部材の前面より後側に引っ込んで外観体裁が損なわれるようなことが実際に生じていたのである。
【0010】
また、シリンダ1bとピンケース2bとが一体となってシリンダ錠が構成されているので、上記のようにシリンダの前面が板材の前面より前側に突出した場合、たとえば盗難等の目的で前側から強い力でたたくと、後方側に不用意に抜け出るおそれがあった。
【0011】
本発明は、上述のような問題点をすべて解決するためになされたもので、被取付部材の板の厚みが変わっても、シリンダの背面側にピンケースを取り付けることができ、従って板の厚みによってシリンダの寸法が限定されることもなく、且つシリンダの前面側と被取付部材の前面側との面にずれが生ずるおそれがなく、従って取付後の外観が不体裁になることがないシリンダ錠を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決せんとしてなされたもので、その課題を解決するための手段は、被取付部材42の孔43に挿入可能で、正面側に鍵穴6を有する内筒5と該内筒5を回転自在に内装着した外筒4とを具備するシリンダ1と、前記シリンダ1の背面側に取り付け可能で、取り付けられた際に施錠、解錠時の内筒5の回転によってデッドピン11が出没自在となるように構成されたピンケース2と、前記被取付部材42の背面側に取り付け可能で、取り付けられた際に前記被取付部材42の孔43に連通可能で前記シリンダ1を挿入しうる挿入孔29を有するアジャスタープレート3とからなり、前記ピンケース2の取り付け時におけるがたつきを防止するためのホーロービス18を挿入する孔19が前記ピンケース2に穿設され、該ピンケース2の取り付け時に該ピンケース2を案内するためのガイド部33が前記アジャスタープレート3の後面側に形成され、前記シリンダ1を被取付部材42の孔43に挿入した際に、該被取付部材42の前面側の孔43の周辺部に係止されるフランジ7が前記シリンダ1の前面側に形成され、前記シリンダ1に対するピンケース2の取付位置は不変であるが、取り付けられたピンケース2とアジャスタープレート3との間の距離は、被取付部材42の厚みに応じて可変であり、且つ前記シリンダ1にピンケース2が取り付けられた状態において、前記シリンダ1のフランジ7が前記被取付部材42の前面側に位置するとともに、前記アジャスタープレート3とピンケース2とは、シリンダ1のフランジ7とは反対側の被取付部材42の背面側に位置するように構成されていることである。
【0015】
さらに、シリンダ1の外筒4に係止部8を形成するとともに、該係止部8に係止可能な係止部30を、アジャスタープレート3の挿入孔30の内周端縁に形成することも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のシリンダ錠は、シリンダ1と、ピンケース2と、アジャスタープレート3とで構成されている。
【0019】
シリンダ1は、図1及び図2に示すように、略円筒状の外筒4と、該外筒4内に回転自在に内装された内筒5とで構成されており、内筒5の略中央には鍵穴6が形成されている。そして、上記外筒4と内筒5とは、シリンダ錠としての公知の内部機構(図示せず)を具備している。
【0020】
外筒4の前面においては、フランジ7が外向きに突設されており、このフランジ7は、後述する被取付部材である板材の孔の径よりもわずかに大きい径に形成されている。外筒2の側面には係止部8が形成されている。さらに外筒4の後面には,後述するシリンダ取付用ビス36を挿入してシリンダ1をピンケース2に固定するための2条のビス穴9,9が形成されている。また、内筒5の後面の中央には突起10が突設されている。
【0021】
ピンケース2は、図3乃至図6に示すように、全体が縦長の長方形状に形成されており、そのピンケース2の内部には、図4及び図5に示すようにデッドピン11を具備するスライド体12が上下動自在に収納されている。
【0022】
前記スライド体12には凹部13が形成され、該凹部13には、図6に示すように回転体14の背面側に突設された小突起15が挿入され、凹部13の上側端縁に係止されている。そして回転体14には、図5に示すように前記シリンダ1の内筒5の後面に突設された突起10が挿入可能な略正方形状の小穴16が形成されている。また前記ピンケース2の上部には、図7に示すように前記デッドピン11を出没させるための出没用孔17が穿設されている。
【0023】
さらに、ピンケース2の4角コーナー部の近傍には、図3に示すように、ピンケース2の取り付け時におけるがたつきを防止するためのホーロービス18を挿入する孔19,…が穿設されている。また、ピンケース2の左右両側には、前記シリンダ1のビス穴9,9に連通する2条のビス孔20,20 が穿設されている。
【0024】
さらに、図8に示すようにピンケース2と同形の長方形状に形成されたプレート21が、図9に示すようにピンケース2の背面側に嵌め込まれている。このプレート21の4角のコーナー部の近傍には、前記ピンケース2の孔19,…と連通しうる孔22,…が穿設されている。また、プレート21の中央の下側には、回転体14が挿入されるための孔23が穿設されており、その両横には前記ピンケース2のビス孔20,20と連通しうるビス孔24,24 が穿設されている。さらに、プレート21の裏面側の4角のコーナー部の近傍には、図10及び図11に示すように、前記ピンケース2の孔19,…の外側に穿設された小孔25,…に係入される小突起26,…が突設されている。さらに、プレート19の中央下側には、図8及び図9に示すように切欠27が形成されている。
【0025】
デッドピン11には図4及び図5に示すようにコイルスプリング28が外嵌着されており、このコイルスプリング28によって常時はデッドピン11の下側のスライド体12が下向きに付勢されている。
【0026】
アジャスタープレート3には、図12に示すように、前記シリンダ1を挿入するための挿入孔29が穿設されており、この挿入孔29の内周端縁には、前記シリンダ1の外筒2の係止部8に係止可能な係止部30が形成されている。
【0027】
また、このアジャスタープレート3には、図12に示すように、前記ピンケース2を案内しつつ嵌入すべく天板31と1対の側板32,32 とで構成された略箱形のガイド部33が形成されている。そして、ガイド部33の天板31には、図12、13、15に示すように、前記ピンケース2の上部に穿設された出没用孔17に連通して、前記デッドピン11を出没させるための略半円状の出没用溝34が形成されている。
【0028】
さらにアジャスタープレート3のガイド部33の両外側の部分には、図12に示すように、該アジャスタープレート3を被取付部材である引き出しの板材に取り付けるためのビス35を挿入する2条のビス孔37,37 が穿設されている。さらに、ガイド部33の側板32,32 の外面側には、図12乃至図15に示すように、前記ホーロービス18を操作する図17に示すような六角レンチ38を挿入して保管しておくための六角レンチ保管筒39, …が計4条形成されている。また、この六角レンチ保管筒39, …の背面側には、図15に示すように、孔40,40 が穿設されている。
さらに、アジャスタープレート3には、図15及び図16に示すように、ホーロービス17の先端部が係入されるための凹部41,41 が形成されている。
【0029】
そして、上記のような構成からなるシリンダ錠は、たとえば引き出しの正面部に取り付けて使用されるものである。
【0030】
このようなシリンダ錠を引き出しの板材に取り付ける場合について説明すると、先ず図18に示すようにアジャスタープレート3を板材42の裏面側に取り付ける。このときアジャスタープレート3の孔29を板材42に予め穿設された孔43に合致させ、その状態でアジャスタープレート3のビス孔37にビス35を挿入することによって、アジャスタープレート3は板材42の裏面側に固定して取り付けられることとなる。
【0031】
次に、図19に示すように、シリンダ1を板材42の孔43及びアジャスタープレート3の挿入孔29に挿入する。このとき、アジャスタープレート3の挿入孔29の内周端縁には係止部30が形成されているので、この係止部30にシリンダ1の外筒2の係止部8が係止され、それによってシリンダ1の不用意な回転が禁止されることとなる。また、このとき、シリンダ1の外筒2のフランジ7は板材42の前面側の孔43の周辺部に係止されることとなり、それによって、シリンダ1の背面側への抜け出しが禁止されることとなる。
【0032】
次に、図20に示すように、ピンケース2をアジャスタープレート3のガイド部33に嵌入し、ピンケース2のビス孔20,20 及びプレート21のビス孔24にシリンダ取付用ビス36を挿入するとともに、そのシリンダ取付用ビス36をシリンダ1のビス穴9,9に挿入して固定させる。これによって、ピンケース2とシリンダ1の相互間が固定されることとなる。
【0033】
一方、ピンケース2の4箇所の調整用孔19,…及びプレート21の調整用孔22,…に、図21に示すようにそれぞれホーロービス18,…を挿入し、図17に示す六角レンチ38の先端部をホーロービス18の頭部の孔に嵌入して締め付ける。その締め付けによってホーロービス18はアジャスタープレート3側に移動し、ホーロービス18の先端部がアジャスタープレート3の凹部41に挿入されたときに、ピンケース2の不用意な移動やガタツキが禁止されることとなる。
これによって、アジャスタープレート3とピンケース2の相互間が固定されることとなる。
【0034】
このように、本実施形態においては、シリンダ1を板材42の前面側から孔43に挿入し、シリンダ1のフランジ7を板材42の前面に係止させた状態でシリンダ取付用ビス36によってピンケース2をシリンダ1に固定し、さらにホーロービス18によってピンケース2をアジャスタープレート3に固定することができる。
【0035】
従って、シリンダ1のフランジ7を板材42の前面に係止させてピンケース2をシリンダ1に固定することで、シリンダ1の前面と板材42の前面との位置がずれることなく合致させることができ、しかもその状態でシリンダ取付用ビス36やホーロービス18を締め付けることによって、ピンケース2をシリンダ1に確実に取り付けることができ、またアジャスタープレート3に対しても確実に固定することができる。この結果、被取付部材である板材42の厚みが変わっても、シリンダ1に対するピンケース2の取付位置は不変であるが、取り付けられたピンケース2とアジャスタープレート3との間の距離は、被取付部材42の厚みに応じて可変となるように取り付けることができる。
【0036】
特に、アジャスタープレート3に対するピンケース2の固定を、一般のビスのような頭部の存在しないホーロービス18によって行うので、そのホーロービス18を孔19の内部に深く挿入してねじ込むこともでき、その結果、ピンケース2とアジャスタープレート3との間にある程度の隙間が存在しても、ガタつきを生じさせずにピンケース2とアジャスタープレート3との相互間を固定することができる。
【0037】
施錠及び解錠は、一般のシリンダ錠と同様に行う。すなわち、シリンダ1、ピンケース2、及びアジャスタープレート3が板材42に固定された状態で、鍵44を内筒5の鍵穴6内に差し込んで一方向に回動させると、内筒5も同方向に回動する。この結果、ピンケース2内の回転体14が同方向に回転し、その回転体14が回転し、該回転体14の小突起15が円弧状軌道を描いてスライド体12の凹部13内で上方へ移動する結果、スライド体12はコイルスプリング28の付勢力に抗して上向きに押し上げられ、それによって該スライド体12と一体形成されたデッドピン11が、上方へ移動ピンケース2の出没用孔17から突出する。
【0038】
このようにしてデッドピン11がピンケース2から突出すると、デッドピン11は被取付部材の凹部(図示せず)内に挿入し、それによって引き出しを引き出すことが禁止されて施錠状態となる。一方、開錠する場合には、鍵44を逆方向に回動させることで、回転体14の小突起13がスライド体12の凹部13内で逆方向に移動し、その結果、コイルスプリング28の付勢力が作用してスライド体12は下向きに押し下げられ、それによってデッドピン11は出没用孔17からピンケース2内に没入し、開錠されることとなる。
【0039】
上述のように、本実施形態においては、被取付部材である板材42の厚みが変わっても、ピンケース2をシリンダ1の背面側に取り付け、さらにホーロービス18によってピンケース2のがたつきを防止できるので、たとえば図26に示すように板材42の厚みが相違するような場合にも、同じシリンダ1を用いて、ピンケース2及びアジャスタープレート3に取り付けることができるのである。
【0040】
たとえば、図26に示す実施形態では、板材42として上記実施形態の板材より厚い板材を用いている。従って、上記図21に示す実施形態では、図26の場合に比べて板材42が薄い分、ホーロービス18が調整用孔19のより深い位置までねじ込まれてアジャスタープレート3の凹部41に係入される前に、シリンダ取付用ビス36がシリンダ1のビス穴9に係入され、その後、ホーロービス18をかなりねじ込む必要があるので、図21に示すようにピンケース2とアジャスタープレート3との間にある程度の隙間が生ずるが、図26の実施形態では、ホーロービス18がアジャスタープレート3の凹部41に係入される時期と、シリンダ取付用ビス36がシリンダ1のビス穴9に係入される時期とがほぼ同じであるので、図26に示すようにピンケース2とアジャスタープレート3との間にほとんど隙間が生ずることもない。
【0041】
また、図27及び図28は、前記図21や図26のシリンダ1と寸法の異なる(上記実施形態よりシリンダの寸法が長い)別のシリンダを具備するシリンダ錠の他の実施形態であるが、板材42が薄い場合は図27に示すようにピンケース2とアジャスタープレート3との間に隙間が生じ、板材42が厚い場合は図28に示すようにピンケース2とアジャスタープレート3との間にほとんど隙間が生ずることがない。
【0042】
尚、本発明においては、上記のように頭部の存在しないホーロービス18を用いることによって、孔19の内部に深く挿入してねじ込むことができるので、ピンケース2とアジャスタープレート3との間の距離が板材42の厚みに応じて変わっても、両者間にがたつきを生じさせることなく固定することができる。
【0043】
また該実施形態では、ピンケース2のビス孔20にシリンダ取付用ビス36を挿入するとともに、そのシリンダ取付用ビス36をシリンダ1のビス穴9内に係入してシリンダ1の背面側にピンケース2を取り付けたが、ピンケース2をシリンダ1に取り付ける手段も該実施形態に限定されるものではない。
【0046】
さらに、上記実施形態では、アジャスタープレート3に挿入孔29を穿設するとともに、その挿入孔29の内周端縁に、シリンダ1の外筒2の係止部8に係止可能な係止部30を形成したため、両係止部8、30が係止されることにより、シリンダ1がアジャスタープレート3に対して不用意に回転するのが好適に防止されるという好ましい効果が得られたが、このような係止部8、30をそれぞれアジャスタープレート3及びシリンダ1に形成することは本発明に必須の条件ではない。
【0047】
さらに、上記実施形態では、ホーロービス18を操作するための専用の六角レンチ38を保管する六角レンチ保管筒39をアジャスタープレート3に形成したため、六角レンチ38を使用しない場合には六角レンチ保管筒39に差し込んでおいて保管することができるとともに、ホーロービス18を操作する場合には六角レンチ保管筒39から取り出して直ちに使用することができるので、六角レンチ38の取り扱いが非常に容易であるとともに、六角レンチ38を紛失するおそれがないという好ましい利点が得られたが、このような六角レンチ保管筒39をアジャスタープレート3に形成することも本発明に必須の条件ではない。
【0048】
さらに、上記実施形態では、ピンケース2をシリンダ1に取り付けて施錠及び解錠を行う際に、鍵44の回転により内筒5が回転し、その内筒5の裏面側に突設された突起10が挿入可能な略正方形状の小穴16を具備する回転体14が回転し、その回転体14の回転によりスライド体12をスライドさせてデッドピン11がピンケース2の外側に突出する構成にしてなるが、デッドピン11をピンケース2から突出させるための構造は上記実施形態に限定されるものではなく、要は、内筒5の回転によってデッドピン11がピンケース2から突出するように構成されていればよいのである。
【0049】
また、シリンダ錠の施錠場所も上記実施形態のような引出しに限定されるものではなく、扉やその他の設置場所に使用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、被取付部材の孔に挿入可能で正面側に鍵穴を有する内筒と該内筒を回転自在に内装着した外筒とを具備するシリンダと、前記シリンダの背面側に取り付け可能で、取り付けられた際に施錠、解錠時の内筒の回転によってデッドピンが出没自在となるように構成されたピンケースと、前記被取付部材の背面側に取り付けられた際に、該被取付部材の孔に連通可能で前記シリンダを挿入しうる挿入孔を前面側に有するとともに、アジャスタープレートとからなり、前記シリンダに対するピンケースの取付位置は不変であるが、取り付けられたピンケースとアジャスタープレートとの間の距離は、被取付部材の厚みに応じて可変であるように構成されたものであるため、シリンダ、ピンケース、アジャスタープレートからなる1つのシリンダ錠を、被取付部材である板材等の厚みに合わせて取り付けることができ、従って従来のように板材の厚みによってシリンダ錠を複数準備する必要がなくなるという効果がある。
【0051】
また、被取付部材の孔の前面側の位置にシリンダの鍵穴の位置を合致させた状態で、シリンダとピンケース、及びピンケースとアジャスタープレートとが相互に取り付けられることとなるので、寸法誤差等により鍵穴が形成されたシリンダの前面側と、板材の前面側との面にずれが生じるおそれもなく、従って、取り付けた状態の正面側における外観体裁が従来に比べて著しく良好になるという効果がある。
【0052】
さらに、従来のようにシリンダとピンケースとが一体となって構成されたようなものではなく、アジャスタープレートが被取付部材に取り付けられ、シリンダとピンケース、及びピンケースとアジャスタープレートとが相互に固定されて全体が取り付けられた状態となるので、たとえば盗難等の目的で前側から強い力でたたいても、後方側に不用意に抜け出るおそれがない。
【0053】
さらに、ピンケース2の取り付け時におけるがたつきを防止するためのホーロービスを挿入する孔が、前記ピンケースに穿設され、頭部の存在しないホーロービスを、その孔に挿入して締め付ける手段を採用した場合には、その頭部の存在しないホーロービスを孔の内部に深く挿入してねじ込むことができ、その結果、ピンケースとアジャスタープレートとの間にある程度の隙間が存在しても、ガタつきを生じさせずにピンケースとアジャスタープレートとの相互間を固定することができるという効果がある。
【0054】
さらに、ピンケースの取り付け時に該ピンケースを案内するためのガイド部が、アジャスタープレートの後面側に形成されている場合には、ピンケースを位置決めしながらシリンダに取り付ける作業をより容易且つ確実に行うことができるという効果がある。
【0055】
さらに、シリンダの外筒に係止部を形成するとともに、その係止部に係止可能な係止部をアジャスタープレートの挿入孔の内周端縁に形成した場合には、両係止部が係止されることにより、シリンダがアジャスタープレートに対して不用意に回転するのが好適に防止され、シリンダの固定や位置決めをより容易に行えるという効果がある。
【0056】
さらに、シリンダの前面側にフランジを形成した場合には、そのフランジを板材の前面側に係止して、鍵穴が位置するシリンダの前面と板材の前面とを同面上に位置決めした状態で、ピンケースとシリンダとの固定、及びピンケースとアジャスタープレートとの固定を行うことができるので、シリンダと板材との前面側における面の不一致により、シリンダの前面が板材の前面より前側に突出し或いは板材の前面より後側に引っ込んで外観体裁が損なわれるようなことをより確実に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態としてのシリンダ錠の分解斜視図。
【図2】シリンダの背面図。
【図3】ピンケースの正面図。
【図4】ピンケースの背面図(プレートを取り外し、回転体が取り付けられていない状態)。
【図5】ピンケースの背面図(プレートを取り外し、回転体が取り付けられた状態)。
【図6】回転体の小突起がスライド体の凹部に係合されている状態を示したピンケースの背面図。
【図7】ピンケースの平面図。
【図8】ピンケースに嵌めるプレートの正面図。
【図9】ピンケースの背面図(プレートを嵌めた状態)。
【図10】ピンケースに嵌めるプレートの平面図。
【図11】ピンケースに嵌めるプレートの側面図。
【図12】アジャスタープレートの正面図。
【図13】アジャスタープレートの底面図。
【図14】アジャスタープレートの側面図。
【図15】図12のA−A線断面図。
【図16】図15のB部拡大断面図。
【図17】六角レンチ及びホーロービスの斜視図。
【図18】板材にアジャスタープレートを取り付けた状態を示す断面図。
【図19】板材にシリンダを取り付けた状態を示す断面図。
【図20】シリンダにピンケースを設置した状態を示す断面図。
【図21】ビスでピンケースをシリンダに取り付けた状態を示す断面図。
【図22】シリンダを板材に取り付けた状態の正面図。
【図23】回転体を回転した際の回転体の小突起とスライド体の凹部との係合状態を示す概略背面図。
【図24】デッドピンを突出させた状態のピンケースの背面図(プレートを取り外し、回転体が取り付けられた状態)。
【図25】シリンダ錠を板材に取り付けた状態の側面断面図。
【図26】他実施形態の取り付け状態を示す平面断面図。
【図27】他実施形態の取り付け状態を示す平面断面図。
【図28】他実施形態の取り付け状態を示す平面断面図。
【図29】従来のシリンダ錠の正面図。
【図30】従来のシリンダ錠の側面図。
【図31】従来のシリンダ錠の取り付け状態を示す一部断面平面図。
【符号の説明】
1…シリンダ 2…ピンケース
3…アジャスタープレート
4…外筒 5…内筒
8…係止部 18…ホーロービス
19…調整用孔 29…挿入孔
30…係止部 33…ガイド部
Claims (3)
- 被取付部材(42)の孔(43)に挿入可能で、正面側に鍵穴(6)を有する内筒(5)と該内筒(5)を回転自在に内装着した外筒(4)とを具備するシリンダ(1)と、前記シリンダ(1)の背面側に取り付け可能で、取り付けられた際に施錠、解錠時の内筒(5)の回転によってデッドピン(11)が出没自在となるように構成されたピンケース(2)と、前記被取付部材(42)の背面側に取り付け可能で、取り付けられた際に前記被取付部材(42)の孔(43)に連通可能で前記シリンダ(1)を挿入しうる挿入孔(29)を有するアジャスタープレート(3)とからなり、前記ピンケース(2) の取り付け時におけるがたつきを防止するためのホーロービス(18)を挿入する孔(19)が前記ピンケース(2)に穿設され、該ピンケース(2)の取り付け時に該ピンケース(2)を案内するためのガイド部(33)が前記アジャスタープレート(3)の後面側に形成され、前記シリンダ(1)を被取付部材(42)の孔(43)に挿入した際に、該被取付部材(42)の前面側の孔(43)の周辺部に係止されるフランジ(7)が前記シリンダ(1)の前面側に形成され、前記シリンダ(1) に対するピンケース(2) の取付位置は不変であるが、取り付けられたピンケース(2) とアジャスタープレート(3) との間の距離は、被取付部材(42)の厚みに応じて可変であり、且つ前記シリンダ(1)にピンケース(2)が取り付けられた状態において、前記シリンダ(1)のフランジ(7)が前記被取付部材(42)の前面側に位置するとともに、前記アジャスタープレート(3)とピンケース(2)とは、シリンダ(1)のフランジ(7)とは反対側の被取付部材(42)の背面側に位置するように構成されていることを特徴とするシリンダ錠。
- シリンダ(1)の背面側にピンケース(2)を取り付けるためのシリンダ取付用ビス(36)を挿入するビス孔(20)が、前記ピンケース(2)に穿設されている請求項1記載のシリンダ錠。
- シリンダ(1)の外筒(4)に係止部(8)が形成されているとともに、該係止部(8)に係止可能な係止部(30)が、アジャスタープレート(3)の挿入孔(29)の内周端縁に形成されている請求項1又は2記載のシリンダ錠。
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