JP4192570B2 - 電力変換装置の回路定数設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、MOS電界効果トランジスタおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタに代表される電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置に関し、特に、負荷と電圧駆動型半導体スイッチ素子を含む回路の回路定数に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
MOS電界効果トランジスタおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタに代表される電圧駆動型半導体スイッチ素子は、電圧駆動型であるがゆえの制御の容易性から、家電・情報処理・産業・車両分野等、さまざまな分野での電力変換装置に幅広く適用されている。情報分野でのスイッチング電源、産業および車両分野でのモータ駆動装置などの電力変換装置では、図8に示すような還流ダイオード3を備えた3相インバータ回路(同図(a))および直流チョッパ回路(同図(b))が、基本回路として適用されている。同図では、電圧駆動型半導体スイッチ素子を絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBTと略す)として、適用回路を表している。図中の1はIGBT、5は主回路電源、6はゲート制御電源、7は配線回路である。
【0003】
このような、電圧駆動型半導体スイッチ素子を用いた電力変換装置では、スイッチング過程で主電圧(IGBT1のコレクタ・エミッタ電極間電圧:これはコレクタ領域・エミッタ領域間電圧と等しい)が発振し、この発振でサ─ジ電圧が素子に印加される場合がある。この発振をゲート信号に対して素子の動作遅れを短縮することで抑制し、サージ電圧を低減する方法が開示されている(例えば、特許文献1など)。また、特願2001−314035号には、素子のターンオン時のコレクタ電流の立ち上がりとコレクタ電流の立ち下がりを制御できるように、駆動回路とゲートとの間に複数の抵抗とキャパシタンスを設けることで、素子の主電圧の発振を抑制し、低損失化を図った例がある。
【0004】
つぎに、電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電圧波形およびゲート電圧波形が発振するメカニズムを解明するために、図8の電力変換装置と、その等価回路である図9について説明する。
図8に示す電力変換装置の回路を、ひとつの半導体スイッチ素子で簡素化した回路図で表すと、図9のようになる。すなわち、能動素子である電圧駆動型半導体スイッチ素子(ここではIGBT1)は、電圧源を含むインダクタンス成分・抵抗成分と、素子自身が有する容量成分から構成される配線回路が、IGBT1のゲート・エミッタ間およびコレクタ・エミッタ間に接続されることになる。
【0005】
図9の回路において、コレクタ・エミッタ間のインダクタンス成分・抵抗成分は、例えばモータ駆動の場合では、負荷のモータのインダクタンス成分とモータと配線材のもつ抵抗成分に相当し、コレクタ・エミッタ間の容量成分は、IGBT1がもつコレクタ・エミッタ間の容量成分に相当する。負荷としてコンデンサが存在する場合は、このコンデンサ容量がコレクタ・エミッタ間の容量成分に含まれる。
また、ゲート・エミッタ間のインダクタンス成分・抵抗成分は、ゲートドライブ回路の配線インダクタンス(ゲート制御回路インダクタンス10)およびドライブ用ゲート抵抗と配線材のもつ抵抗成分(ゲート制御回路抵抗11)に相当し、ゲート・エミッタ間の容量成分は、IGBT1がもつゲート・エミッタ間の容量成分に相当する。実際のIGBTでは、ターンオフ時に発生するスパイク電圧を低減するために、ゲート・エミッタ間に外付けでコンデンサが接続される場合がある。この外付けコンデンサは、ターンオフ時の電流傾きを小さくし、スパイク電圧の発生を抑制する働きをもち、外付けコンデンサがある場合は、このコンデンサ容量が、ゲート・エミッタ間の容量成分に含まれる。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−93457号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
つぎに、電圧駆動型半導体スイッチ素子の電圧波形が低いゲート電圧で発振するメカニズムについて説明する。この発振は、負荷がモータのようなインダクタンス負荷の場合には捲線間でショートした場合や、負荷が抵抗やコンデンサの場合で、ゲート電圧がしきい値近傍で動作したときに発生する。
図9に示す回路構成は、図10に示すように、能動素子であるIGBT1による増幅部と、半導体スイッチ素子および外部回路によるインダクタンス・抵抗・容量成分から成る帰還回路部に分割することができ、これは帰還型発振回路の原理回路と同一である。この帰還型発振回路は交流解析する場合の回路として使用される。この交流解析するときの回路では、図9の主電源とゲート制御電源は大きなコンデンサと見做して交流動作では短絡しているものとしている。
【0008】
帰還型発振回路では、増幅部の電圧増幅度をAV、帰還回路の電圧帰還率をβVとおくと、これらは、図10に示した電圧駆動型半導体スイッチ素子(IGBT1)のゲート・エミッタ間の電圧V1、コレクタ・エミッタ間の電圧V2、帰還電圧V3によって、以下のように定義される。
【0009】
【数1】
電圧増幅率AV=V2/V1・・・(1)
【0010】
【数2】
電圧帰還率βV=V3/V2・・・(2)
上記の(1)式および(2)式を用いて、帰還型発振回路において発振が開始する発振条件は、以下のように定義される。
【0011】
【数3】
発振条件AV・βV>1・・・(3)
一般に、増幅率および電圧帰還率には、図10に示す回路図の通り、インダクタンス成分と容量成分が含まれるため、AV・βVは複素数となる。従って、上記の(3)式で示される発振条件は、以下のようになる。
【0012】
【数4】
Re(AV・βV)>1, Im(AV・βV)=0・・・(4)
(4)式において、" Re(AV・βV)" はAV・βVの実数部を表し、" Im(AV・βV)" はAV・βVの虚数部を表す。Im(AV・βV)=0 であることは、V1とV3が同相であることを示しており、発振が開始するための必須条件である。
(4)式を解くことは、複素数を含む連立一次方程式を解くことになり、複雑な計算をすることになる。ここでは、簡便な方法として、図10に示す回路において、コレクタ・エミッタ電圧としてある一定の直流電圧を与え、ゲート・エミッタ電圧として交流電圧源を用い、その周波数を変化させた交流解析を行なうことで、発振のしやすさを解析する。
【0013】
すなわち、ゲート・エミッタ間電圧V1と帰還電圧V3の絶対値の比であるゲインや、方向性をもつV1およびV3の位相角を求めることにより、発振する回路定数や発振の周波数を求めることができ、電圧駆動型半導体スイッチ素子の適用回路において、発振の発生有無を解析することができる。
交流解析の例として、図11にMOS電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETと略す)をしきい値近傍のゲート電圧で駆動した場合の、ゲート駆動回路のゲート抵抗値をパラメータとした、ゲート電圧の周波数に対するゲイン(a)およびV1とV3の位相角の回路シミュレーションによる結果(b)を示す。最大ゲインおよびその直後で位相角が大きく変化する様子が観察される。最大ゲインでの周波数は、後述の実際に観測した波形で得られた周波数とほぼ一致している。
【0014】
図12に、図11の結果から求めた、最大ゲインとその直後におけるゲート抵抗値に対するゲインとV1とV3の位相状態を示す((a)〜(c))。位相状態は、V1とV3が同相および逆相状態、更に直交位相状態に対する位相角の差異で表している。V1とV3の位相は、ゲート抵抗値が小さい場合、最大ゲインで逆相に近い状態にあるが、最大ゲイン直後で同相状態となっている。一方、ゲート抵抗値が大きい場合は、最大ゲインおよびその直後で、V1とV3の位相状態に変化はなく、直交状態に近い状態となっている。また、計算される最大ゲインは、ゲート抵抗値が小さいほど大きい値となっている。
【0015】
以上の結果から、発振のメカニズムとして以下のことが考察される。最大ゲインでV3はV1にもっとも影響を与え、V3とV1が逆位相であればV3はV1を下げる方向に作用する。V1が低下することは、その瞬間にV1の方向性がV3と同一となることであり、これが最大ゲイン直後に観られるV1とV3の同位相化となる。このとき、ゲインは依然として高い状態を維持しているので、V3とV1の同位相化により、先に述べた帰還型発振回路の発振条件が満足され、発振が開始するものと推察される。
また、ゲート抵抗値が小さい場合、最大ゲインが大きい値をもつことも発振しやすい要因となっている。一方、ゲート抵抗が大きい場合、V3はV1に影響を及ぼさない直交状態にあり発振は起こらない。
【0016】
帰還型発振回路の発振条件が満足される回路定数や素子特性により、適用回路において発振が起こった場合、発振は高周波の電圧振動を伴い、適用回路の誤動作を引き起こす可能性がある。従って、回路の誤動作や発振による過大なスパイク電圧そのもので、半導体スイッチ素子が破壊に至る可能性があり、素子の安全かつ安定な動作が確保できないという課題があった。
低ゲート電圧の駆動状態は、前記(1)式より電圧増幅率が大きい状態となる。更に、ゲート電圧v1が低いほど、帰還電圧V3の影響を受けやすい状態になるので、これらの相乗効果から、発振しやすい方向となる。以下に、MOS電界効果トランジスタおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタにおいて、発振が発生した場合の事例を示す。半導体スイッチ素子の安全な動作のためには、発振条件が満足されない回路定数や素子特性とする必要がある。
【0017】
つぎに、実例で電圧駆動型半導体スイッチ素子が発振する様子を説明する。
図13は、MOSFETにおいて、しきい値電圧近傍の電圧駆動状態でゲート・ソース配線回路およびドレイン・ソース回路の抵抗成分が極めて小さい場合に、高周波の発振が発生した事例である。同図(a)は発振波形、同図(b)は測定回路である。図中の2はMOSFET、5は主回路電源、6はゲート制御電源、7は配線回路、8は主回路抵抗、9は主回路インダクタンス、10はゲート制御回路インダクタンス、11はゲート制御回路抵抗、13はソース側インダクタンスである。
【0018】
ゲート駆動電圧は直流とし、ドレイン・ソース電極間電圧(ドレイン領域・ソース領域間電圧と等しい)は、発振の電圧依存性を確認するため、主回路電源5の波形を三角波状の電圧としている。温度は常温である。MOSFETのゲートしきい値電圧は、常温で2.4Vである。同図に示すように、ゲート駆動電圧が2.8Vにおいて電圧および電流の発振が起こっている。また、定格電圧の150Vに対して、極めて高い周波数で定格電圧を超えるスパイク電圧が発生している。
また、図14に、図13と同じMOSFETにおける、発振状態のゲート駆動電圧依存性((1)〜(4))を示すが、発振はゲート駆動電圧を大きくすることにより減少、停止する傾向を示し、低ゲート電圧駆動状態が発振しやすい状態であることが確認される。
【0019】
図15は、IGBTにおいて、しきい値電圧近傍の電圧駆動状態でゲート・エミッタ配線回路およびコレクタ・エミッタ回路の抵抗成分が極めて小さく、かつゲート・エミッタ配線回路のインダクタンス成分が大きい場合に、高周波の発振が発生した事例である。図中の1はIGBTであり、12はエミッタ側インダクタンスである。
MOSFET2と同様に、ゲート駆動電圧は直流とし、コレクタ・エミッタ電極間電圧は、発振の依存性を確認するため、前記のように三角波状の電圧としている。温度は常温である。IGBT1のゲートしきい値電圧は、常温で6.1Vである。図15(a)に示すように、ゲート駆動電圧が6.8Vにおいて電圧および電流の高周波発振が起こっている。図16には、IGBTにおける、発振状態のゲート駆動電圧依存性((1)〜(3))を示すが、発振はゲート駆動電圧を大きくすることにより減少、停止する傾向を示し、IGBT1においても低ゲート電圧駆動状態が発振しやすい状態であることを、確認することができる。
【0020】
図17は、IGBTのスイッチング動作波形例を示し、同図(a)はターンオン波形図、同図(b)はターンオフ波形図である。電圧駆動型半導体スイッチ素子のスイッチング過程には、必ず素子ゲート電圧がデバイスのしきい値電圧近傍で過渡的に一定となる期間が存在する。これは素子内部の各容量(ゲート・エミッタ間容量、ゲート・コレクタ間容量、コレクタ・エミッタ間容量)の充放電で発生したゲート電圧がスイッチング過程で図のように一定となるように振る舞う期間が存在するためである。
この期間は、図13および図15に示した状態と同じ状態であり、発振条件が満足する回路条件であれば、この期間で発振が起こる可能性があり、定常的な動作状態でも発振が起こり、素子破壊や回路の異常動作を引き起こす可能性がある。
【0021】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、ゲートしきい値電圧近傍のゲート電圧で動作させたとき、電圧駆動型半導体スイッチ素子が発振することを抑制できる電力変換装置の回路定数設定方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、電圧駆動型半導体スイッチ素子と、該電圧駆動型半導体スイッチ素子を駆動する制御電源を含むゲート回路と、該電圧駆動型半導体スイッチ素子に主電流を流す主電源と負荷を含む主回路と、を具備する電力変換装置の回路定数設定方法において、ゲート・コレクタ間容量を13pF以上、コレクタ・エミッタ間容量を390pF以上、ゲート・エミッタ間容量を1800pF以上とし、前記ゲート回路のインダクタンス値、該ゲート回路の抵抗値、前記主回路のインダクタンス値、該主回路の抵抗値、および前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンス値の回路定数のうち、少なくとも一つを選択し、選択した回路定数が前記ゲート回路のインダクタンスを20nH以下、該ゲート回路の抵抗を5Ω以上、前記主回路のインダクタンスを400nH以上、該主回路の抵抗を2.5Ω以上および前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを2.5nH以下、の条件を満足させ、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制する構成とする。
【0023】
また、前記ゲート回路のインダクタンスを20nH以下としたとき、該ゲート回路の抵抗を4.3Ω以上、前記主回路のインダクタンスを300nH以上、該主回路の抵抗値を1Ω以上、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを5nH以下とすることで、しきい値電圧近傍のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制する。
【0024】
また、前記ゲート回路の抵抗を5Ω以上としたとき、該ゲート回路のインダクタンスを3nH以下、前記主回路のインダクタンスを300nH以上、該主回路の抵抗を1Ω以上、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを5nH以下とすることで、しきい値電圧近傍のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制する。
また、前記主回路のインダクタンスを400nH以上としたとき、該主回路の抵抗を0Ω付近以上、前記ゲート回路の配線のインダクタンスを90nH以下、該ゲート回路の抵抗を4.3Ω以上、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続し前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを5nH以下とすることで、しきい値電圧近傍のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制する。
【0025】
また、前記主回路の抵抗を2.5Ω以上としたとき、該主回路のインダクタンスを300nH以上、前記ゲート回路のインダクタンスを5nH以下、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを2.5nH以下とすることで、しきい値電圧近傍のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制する。
また、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを2.5nH以下としたとき、前記ゲート回路のインダクタンスを90nH以下、該ゲート回路の抵抗を4.3Ω以上、前記主回路のインダクタンスを230nH以上とすることで、しきい値電圧近傍のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制する。
【0026】
また、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続し、前記ゲート回路の一部となる配線が、前記主回路の一部の配線を兼ねてもよい。
また、前記電力変換装置が、インバータ回路もしくはチョッパ回路で構成される。
また、前記主回路のインダクタンスが、負荷のインダクタンスを含んでもよい。
〔作用〕
MOSFETおよびIGBTに代表される電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置において、帰還型発振回路の発振条件を満足しない回路定数を設定することにより、高周波の発振現象を回避し、誤動作や素子破壊に至り得る過大なスパイク電圧の発生を防止し、電力変換装置の安全かつ安定な動作を確保する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、従来例と同一部位には同一符号を付した。また、単にインダクタンスと記す場合は、インダクタンスを有するものを示し、単に抵抗と記す場合は、抵抗を有するもの(配線も含む)を示し、インダクタンス値と記す場合はインダクタンスの値を示し、抵抗値と記す場合は抵抗の値を示す。従って、請求項に記したインダクタンスおよび抵抗は、以下で説明する実施例のインダクタンス値および抵抗値に相当する。
図1は、この発明の概要を説明する回路構成図である。電圧駆動型半導体スイッチ素子(ここではIGBTを例に挙げるがMOSFETの場合も同様である)の各容量を点線で示すが、それぞれの容量は、ゲート・コレクタ間容量14が13pF、コレクタ・エミッタ間容量15が390pF、ゲート・エミッタ間容量16が1800pFである。これらの容量が大きくなると発振は停止する傾向となる。
【0028】
電圧駆動型半導体スイッチ素子の発振の有無を調査するための回路構成(図1)について説明する。主回路電源5の高電位側に主回路インダクタンス9と主回路抵抗8が直列に接続され、IGBT1のコレクタ電極に主回路抵抗8の他端が接続され、IGBTのエミッタ電極にエミッタ側インダクタンスが接続され、ゲート制御電源6とゲート制御回路インダクンス10とゲート制御回路抵抗11が直列に接続され、IGBTのゲート電極とゲート制御回路抵抗11の他端が接続され、主回路電源5の低電位側と、ゲート制御電源6の低電位側とエミッタ側インダクタンス12の他端が接続される構成である。
【0029】
主回路電源5は三角波電圧を発生し、この三角波電圧をIGBT1のコレクタへ印加し、ゲート制御電源6から供給されるゲート電圧をしきい値近傍の値(直流値)としてIGBT1を動作させる。主回路インダクタンス9のインダクタンス値をLd、主回路抵抗8の抵抗値をRd、ゲート回路インダクタンス10のインダクタンス値をLg、ゲート回路抵抗11の抵抗値をRg、エミッタ側インダクタンス12のインダクタンス値をLsとしたとき、Rg≧5Ω、Lg≦2.5nH、Ls≦20nH、Ld≧400nH、Rd≧2.5Ωのいずれか一つをこの範囲に設定し、他の条件を所定の範囲に設定することで、しきい値電圧の1.1倍程度の低いゲート電圧で、電圧駆動型半導体スイッチ素子であるIGBT1を動作させた場合でも、コレクタ・エミッタ電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振が抑制され、またゲート電圧波形の発振が抑制されるようにする。ここで、Rg、Ld、Rdは大きくすると発振は停止する傾向にあり、Lg、Lsは小さくすると発振が停止する傾向にあることが実測およびシミュレーションで判明している。
【0030】
つぎに、具体的な実施例について説明する。尚、以下に示す各回路定数の範囲は実用性を考慮して設定した。
図2は、この発明の第1実施例の電力変換装置の回路定数を決めるための測定回路図と波形図であり、同図(a)の(1)〜(5)は波形図、同図(b)は回路図である。同図(a)の20がゲート・エミッタ電極間電圧(ゲート電圧)であり、21がコレクタ・エミッタ電極間電圧であり、22がコレクタ電流である。
同図(a)は、IGBT1において、しきい値電圧近傍のゲート電圧で駆動した状態で、ゲート駆動回路の抵抗成分(ゲート制御回路抵抗11)を0〜10Ωに変化させて発振を停止させた場合の実測波形である。
【0031】
Lg=3nH、Ls=5nH、Ld=300nH、Rd=1Ωの条件で、Rgを0(0Ωとは0.001Ω以下で配線抵抗のみをいう)〜10Ωに変えたとき、Rg≧5Ωで発振が大きく抑制された。
このことから、図9の等価回路で表される電力変換装置のゲート制御回路抵抗11の抵抗値Rgを5Ω以上とし、ゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値Lgを3nH以下とし、エミッタ側インダクタンス12のインダクタンス値Lsを5nH以下とし、主回路インダクタンス9のインダクタンス値Ldを300nH以上とし、主回路抵抗の抵抗値Rdを1Ω以上とすることで、ゲート電圧をしきい値電圧近傍としてIGBTを動作させた場合でも、IGBTのコレクタ・エミッタ電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。勿論、MOSFETなど他の電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置にも同様の効果がある。
【0032】
図3は、この発明の第2実施例の電力変換装置の回路定数を決めるための測定回路図と波形図であり、同図(a)の(1)〜(6)は波形図、同図(b)は回路図である。
同図(a)は、IGBT1において、しきい値電圧近傍のゲート電圧で駆動した状態で、コレクタ・エミッタ配線回路の抵抗成分(主回路抵抗8)を0〜5.0Ωに大きくして発振を停止させた場合の実測波形である。
Lg=5nH、Rg=0Ω、Ls=5nH、Ld=300nHの条件で、Rdを0Ω〜5Ωの範囲で変えたとき、Rd≧2.5Ωで発振が大きく抑制された。
【0033】
このことから、図9の等価回路で表される電力変換装置の主回路抵抗の抵抗値Rdを2.5Ω以上とし、ゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値Lgを5nH以下とし、ゲート制御回路抵抗11の抵抗値Rgを0Ω以上とし、エミッタ側インダクタンス12のインダクタンス値Lsを5nH以下とし、主回路インダクタンス9のインダクタンス値Ldを300nH以上とすることで、ゲート電圧をしきい値電圧近傍としてIGBTを動作させた場合でも、IGBTのコレクタ・エミッタ電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。勿論、MOSFETなど他の電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置にも同様の効果がある。
【0034】
図4は、この発明の第3実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、同図(a)の(1)〜(6)は波形図、同図(b)は回路図(解析回路図)である。図中の2はMOS電界効果型トランジスタ(MOSFET2)で、13はソース側インダクタンス(このインダクタンス値はLs)であり、17はゲート・ソース電極間電圧(ゲート電圧)であり、18はドレイン・ソース電極間電圧である。
同図(a)は、MOSFET2において、しきい値電圧近傍のゲート電圧で駆動した状態において、ゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値を変えた場合の、発振状態を示す回路シミュレーション波形である。
【0035】
Rg=4.3Ω、Ls=5nH、Rd=0Ω、Ld=300nHの条件で、Lgを20nH〜177nHの範囲で変えたとき、Lg≦20nHで振動が抑制された。
このことから、図9の等価回路で表されて、IGBTをMOSFETに代えた電力変換装置のゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値Lgを20nH以下とし、ゲート制御回路抵抗11の抵抗値Rgを4.3Ω以上とし、ソース側インダクタンス13のインダクタンス値Ls(ここではエミッタ側インダクタンス12のインダクタンス値Lsと同一符号とした)を5nH以下とし、主回路抵抗8の抵抗値Rdを0Ω以上とし、主回路インダクタンス9のインダクタンス値Ldを300nH以上とすることで、ゲート電圧をしきい値電圧近傍としてとしてMOSFETを動作させた場合でも、MOSFETのドレイン・ソース電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。勿論、IGBTなど他の電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置にも同様の効果がある。
【0036】
図5は、この発明の第4実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、同図(a)の(1)〜(8)は波形図、同図(b)は回路図(解析回路図)である。
同図(a)は、MOSFET2において、しきい値電圧近傍のゲート電圧で駆動した状態において、ソース側インダクタンス13のインダクタンス値を変えた場合の、発振状態を示す回路シミュレーション波形である。
Rg=4.3Ω、Lg=90nH、Ld=230nH、Rd=0Ωの条件で、Lsを1nH〜5nHの範囲で変えたとき、Ls≦2.5nHで発振が大きく抑制された。
【0037】
このことから、図9の等価回路で表されて、IGBTをMOSFETに代えた電力変換装置のソース側インダクタンス13のインダクタンス値Lsを2.5nH以下とし、ゲート制御回路抵抗11の抵抗値Rgを4.3Ω以上とし、ゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値Lgを90nH以下とし、主回路インダクタンス9のインダクタンス値Ldを230nH以上とし、主回路抵抗8の抵抗値Rdを0Ω以上とすることで、ゲート電圧をしきい値電圧近傍としてとしてMOSFETを動作させた場合でも、MOSFETのドレイン・ソース電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。勿論、IGBTなど他の電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置にも同様の効果がある。
【0038】
図6は、この発明の第5実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、同図(a)の(1)〜(6)は波形図、同図(b)は回路図(解析回路図)である。
同図(a)は、MOSFET2において、しきい値電圧近傍のゲート電圧で駆動した状態において、主回路インダクタンス9のインダクタンス値を変えた場合の、発振状態を示す回路シミュレーション波形である。
Rg=4.3Ω、Lg=90nH、Ls=5nH、Rd=0Ωの条件で、Ldを91nH〜770nHの範囲で変えたとき、Ld≧400nHで発振が大きく抑制された。
【0039】
このことから、図9の等価回路で表されて、IGBTをMOSFETに代えた電力変換装置の主回路インダクタンス9のインダクタンス値Ldを400nH以上とし、主回路抵抗8の抵抗値Rdを0Ω以上とし、ゲート制御回路抵抗11の抵抗値Rgを4.3Ω以上とし、ゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値Lgを90nH以下とし、ソース側インダクタンス13のインダクタンス値Lsを5nH以下とし、主回路抵抗8の抵抗値Rdを0Ω以上とすることで、ゲート電圧をしきい値電圧近傍としてとしてMOSFETを動作させた場合でも、MOSFETのドレイン・ソース電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。勿論、IGBTなど他の電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置にも同様の効果がある。
【0040】
図7は、この発明の第6実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、同図(a)の(1)〜(12)は波形図、同図(b)は回路図(解析回路図)である。これは、第1実施例(図2)の一つの変形例であり、Rgの下限値を図2の下限値(5Ω)より大きい方にずらした場合に、発振を抑制するための条件である。
同図(a)は、MOSFET2において、しきい値電圧近傍のゲート電圧で駆動した状態において、ゲート駆動回路に接続される抵抗成分(ゲート制御回路抵抗11)を変えた場合の、発振状態を示す回路シミュレーション波形である。
【0041】
Lg=90nH、Ls=5nH、Ld=230nH、Rd=0Ωの条件で、Rgを4.3Ω〜2500Ωに変えたとき、Rg≧13Ωで発振が大きく抑制された。
このことから、図9の等価回路で表されて、IGBTをMOSFETに代えた電力変換装置のゲート制御回路抵抗11の抵抗値Rgを13Ω以上とし、ゲート制御回路インダクタンス10のインダクタンス値Lgを90nH以下とし、ソース側インダクタンス13のインダクタンス値Lsを5nH以下とし、主回路インダクタンス9のインダクタンス値Ldを230nH以上とし、主回路抵抗8の抵抗値Rdを0Ω以上とすることで、主回路抵抗8の抵抗値Rdを0Ω以上とすることで、ゲート電圧をしきい値電圧近傍としてMOSFETを動作させた場合でも、MOSFETのドレイン・ソース電極間の電圧波形とゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。勿論、IGBTなど他の電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置にも同様の効果がある。 このように、Rgの下限値を図2より大きくすることで、Ld、Rdの下限値を図2より小さくし、またLgの上限値を図2より大きくても発振は抑制される。
【0042】
このように、主電極間の電圧波形およびゲート電圧波形の発振を抑制することで、回路の誤動作や素子破壊に至り得る過大なスパイク電圧の発生を防止し、電力変換装置の安全かつ安定な動作を確保することができる。
【0043】
【発明の効果】
この発明によれば、電圧駆動型半導体スイッチ素子を搭載した電力変換装置において、各回路定数を実施例で示した範囲に設定することで、帰還型発振回路の発振条件を満足しないようにすることができる。その結果、ゲート電圧をしきい値電圧近傍の低い電圧にして動作させた場合でも、電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形およびゲート電圧波形の発振を抑制できる電力変換装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の概要を説明する回路構成図
【図2】この発明の第1実施例の電力変換装置の回路定数を決めるための測定回路図と波形図であり、(a)の(1)〜(5)は波形図、(b)は回路図
【図3】この発明の第2実施例の電力変換装置の回路定数を決めるための測定回路図と波形図であり、(a)の(1)〜(6)は波形図、(b)は回路図
【図4】この発明の第3実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、(a)の(1)〜(6)は波形図、(b)は回路図
【図5】この発明の第4実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、(a)の(1)〜(8)は波形図、(b)は回路図
【図6】この発明の第5実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、(a)の(1)〜(6)は波形図、(b)は回路図
【図7】この発明の第6実施例の電力変換装置の回路定数を決めるためのシミュレーション回路図とシミュレーション波形図であり、(a)の(1)〜(12)は波形図、(b)は回路図
【図8】電力変換装置の回路図で、(a)は還流ダイオードを備えた3相インバータ回路図、(b)は直流チョッパ回路図
【図9】図8の等価回路図
【図10】図9の等価回路を交流解析用に変形した回路図(交流解析回路図)
【図11】ゲート抵抗値をパラメータとした、ゲート電圧の周波数に対するゲイン(a)およびV1とV3の位相角(b)の回路シミュレーションによる結果を示す図
【図12】(a)〜(c)は図11の結果から求めた、最大ゲインとその直後におけるゲート抵抗値に対するゲインとV1とV3の位相状態を示す図
【図13】MOSFETにおいて、しきい値電圧近傍の電圧駆動状態でゲート・ソース配線回路およびドレイン・ソース回路の抵抗成分が極めて小さい場合に、高周波の発振が発生した事例を示す図であり、(a)は波形図、(b)は回路図
【図14】(1)〜(4)は図13と同じMOSFETにおける、発振状態のゲート駆動電圧依存性を示す図
【図15】IGBTにおいて、しきい値電圧近傍の電圧駆動状態でゲート・エミッタ配線回路およびコレクタ・エミッタ回路の抵抗成分が極めて小さく、かつゲート・エミッタ配線回路のインダクタンス成分が大きい場合に、高周波の発振が発生した事例を示す図であり、(a)は波形図、(b)は回路図
【図16】(1)〜(3)はIGBTにおける、発振状態のゲート駆動電圧依存性を示す図
【図17】IGBTのスイッチング動作波形例を示し、(a)はターンオン波形図、(b)はターンオフ波形図
【符号の説明】
1 IGBT
2 MOSFET
3 還流ダイオード
4 負荷インダクタンス
5 主回路電源
6 ゲート制御電源
7 配線回路
8 主回路抵抗
9 主回路インダクタンス
10 ゲート制御回路インダクタンス
11 ゲート制御回路抵抗
12 エミッタ側インダクタンス
13 ソース側インダクタンス
14 ゲート・コレクタ間容量
15 コレクタ・エミッタ間容量
16 ゲート・エミッタ間容量
17 ゲート・ソース電極間電圧(ゲート電圧)
18 ドレイン・ソース電極間電圧(ドレイン電圧)
19 ドレイン電流
20 ゲート・エミッタ電極間電圧
21 コレクタ・エミッタ電極間電圧(コレクタ電圧)
22 コレクタ電流
23 ゲート・エミッタ電極間電圧(ゲート電圧)
Rg ゲート制御回路抵抗の抵抗値
Lg ゲート制御回路インダクタンスのインダクタンス値
Rd 主回路抵抗の抵抗値
Ld 主回路インダクタンスのインダクタンス値
Ls エミッタ側/ソース側インダクタンスのインダクタンス値
Claims (9)
- 電圧駆動型半導体スイッチ素子と、該電圧駆動型半導体スイッチ素子を駆動する制御電源を含むゲート回路と、該電圧駆動型半導体スイッチ素子に主電流を流す主電源と負荷を含む主回路と、を具備する電力変換装置の回路定数設定方法において、
ゲート・コレクタ間容量を13pF以上、コレクタ・エミッタ間容量を390pF以上、ゲート・エミッタ間容量を1800pF以上とし、
前記ゲート回路のインダクタンス値、該ゲート回路の抵抗値、前記主回路のインダクタンス値、該主回路の抵抗値、および前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンス値の回路定数のうち、少なくとも一つを選択し、
選択した回路定数が前記ゲート回路のインダクタンスを20nH以下、該ゲート回路の抵抗を5Ω以上、前記主回路のインダクタンスを400nH以上、該主回路の抵抗を2.5Ω以上および前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを2.5nH以下、の条件を満足させ、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制することを特徴とする電力変換装置の回路定数設定方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の回路定数設定方法において、
前記回路定数として前記ゲート回路のインダクタンス値を選択し、該ゲート回路のインダクタンス値が20nH以下の条件を満足し、かつ、該ゲート回路の抵抗を4.3Ω以上、前記主回路のインダクタンスを300nH以上、該主回路の抵抗値を1Ω以上、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを5nH以下とすることで、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制することを特徴とする電力変換装置の回路定数設定方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の回路定数設定方法において、
前記回路定数として
前記ゲート回路の抵抗値を選択し、該ゲート回路の抵抗値が5Ω以上の条件を満足し、かつ、該ゲート回路のインダクタンスを3nH以下、前記主回路のインダクタンスを300nH以上、該主回路の抵抗を1Ω以上、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを5nH以下とすることで、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制することを特徴とする電力変換装置の回路定数設定方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の回路定数設定方法において、
前記回路定数として前記主回路のインダクタンス値を選択し、該主回路のインダクタンス値が400nH以上の条件を満足し、かつ、該主回路の抵抗を0Ω付近以上、前記ゲート回路の配線のインダクタンスを90nH以下、該ゲート回路の抵抗を4.3Ω以上、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを5nH以下とすることで、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制することを特徴とする電力変換装置の回路定数設定方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の回路定数設定方法において、
前記回路定数として前記主回路の抵抗値を選択し、該主回路の抵抗値が2.5Ω以上の条件を満足し、かつ、該主回路のインダクタンスを300nH以上、前記ゲート回路のインダクタンスを5nH以下、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続し前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンスを2.5nH以下とすることで、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制することを特徴とする電力変換装置の回路定数設定方法。 - 請求項1に記載の電力変換装置の回路定数設定方法において、
前記回路定数として、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続し前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンス値を選択し、該電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続し前記ゲート回路の一部となる配線のインダクタンス値を2.5nH以下としたとき、前記ゲート回路のインダクタンスを90nH以下、該ゲート回路の抵抗を4.3Ω以上、前記主回路のインダクタンスを230nH以上とすることで、ゲート電圧を前記半導体スイッチ素子のゲートしきい値より大きくゲートしきい値の1.2倍以下のゲート電圧で、前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の主電極間の電圧波形とゲート電圧波形が発振することを抑制することを特徴とする電力変換装置の回路定数設定方法。 - 前記電圧駆動型半導体スイッチ素子の低電位側の主電極と接続して前記ゲート回路の一部となる配線が、前記主回路の一部の配線を兼ねることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置の回路定数設定方法。
- 前記電力変換装置が、インバータ回路もしくはチョッパ回路からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置の回路定数設定方法。
- 前記主回路のインダクタンスが負荷のインダクタンスを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置の回路定数設定方法。
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