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JP4199982B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク粒子を連続的に噴出するインクジェット記録装置に関し、特にインクの粘度を測定しインクの粘度または濃度を調整するインク物性制御装置を備えたインクジェットプリンタに係わる。
【0002】
【従来の技術】
インク粒子を連続的に噴出するインクジェット記録装置には、インクの粘度を測定し、その粘度または濃度を制御する機能を有するものがある。粘度を測定する装置としては、例えば、ボールの落下させて粘度を測定するものや、ボールに代わる落下物として円筒部材を用いるもの等がある。これらは、インクの充満したシリンダ内で上部から落下物を自由落下させ、その落下に要する時間をセンサ等で検出する。その落下の時間の大きさによって粘度値を算出する。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】
特開平5−60676号公報(第4頁、第1図)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、粘度値を決定付けるのは落下物の落下時間である。落下速度が大きく落下時間が小さい場合は、実際のインク粘度の変化に対する検出値の変化量が少ないため精度が悪くなる。そこで、ある程度の落下時間とするために、落下物と、その落下をガイドするシリンダとの寸法ギャップを小さくしてインクの抵抗を大きくし落下速度を小さくする手段がとられている。
【0004】
しかし、寸法ギャップを小さくすればそのギャップの大きさの差に対して落下時間が大きく影響を受けるようになる。よって、落下物とシリンダ間のギャップは一定に保ちたいが、継続して落下させた場合に摩耗により寸法変化し、ギャップ寸法が経時的に大きくなる可能性がある。また、故障等により修理を行った場合、部品を交換するとギャップ寸法が従来と異なってしまい、落下時間に影響を与えることが考えられる。また、落下物とシリンダの寸法ギャップの個体差は避けられない。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題点に対処し、インク粘度を精度良く行い、良好な印字を安定的に行えるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、印字を行なうためのインクが充填されるインクタンクと、供給ポンプにより前記インクタンクから供給されたインクを噴出させる際にインクに振動を与えてインク粒子を発生させるノズルヘッドと、前記ノズルヘッドより噴出されたインク粒子に帯電させる帯電電極と、前記帯電電極により帯電されたインク粒子の飛翔方向を偏向させる偏向電極と、を備えて記録媒体上の所定の場所へインク粒子を到達させて記録を行うインクジェット記録装置において、インクの粘度を管理する手段と、前記インクタンクと前記ノズルヘッドを接続するインク流路の途中に配置されているとともに、インクが充填されるシリンダを備え、前記シリンダの上部から下部に落下物を自由落下させ、前記落下物の落下時間を計測してインクの粘度を計測する粘度測定器と、この粘度測定器の校正を行う校正手段と、インクの粘度を測定するときにインクの温度を検出する温度センサとを有し、インクジェット記録装置の稼動中にインク粘度を測定するときには、インクジェット記録装置の稼動中またはインクジェット記録装置の稼動に先立って前記校正手段により、インク温度で粘度を特定可能なインクを用いて前記粘度測定器を校正し、前記校正された粘度測定器でインクの粘度を測定するという構成をとる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、各図面にしたがって説明する。
【0008】
まず、図2にインクジェット記録装置の概観を示す。制御系や循環系を収納した本体600と、インクを噴出し粒子を作成するノズルを有するヘッド部610と、本体600とヘッド部610の循環系と制御系を結ぶケーブル620で構成されている。本体600上部には液晶ディスプレイ兼タッチパネル630を有するタッチパネル式液晶ディスプレイ630は、制御内容や装置運転状況等の表示を行うと同時に、ユーザーが印字内容や印字仕様等の入力を行うことが出来る。
【0009】
次に、本体600の内部構成について図3を用いて説明する。本体600上部には制御基盤640等の電気系部品が配置されている。本体600下部のA部には、電磁弁650や、ポンプユニット655等の循環系制御部品が配置されており、B部には粘度測定器17や、インクを貯めた容器、溶剤を貯めた容器が納められている。ドア670は、図3のように開閉可能で、インク容器や溶剤容器、粘度測定器17がドア670側に引き出せるようになっており、インク、溶剤の補給、廃棄、および粘度測定器17のメンテナンスが容易にできる。
【0010】
次に、インク循環系の概略構成について図4を引用して説明する。インク供給経路21は、インクを貯めておく容器1、インクを圧送するポンプ2、インク圧力を調節する調圧弁3、供給インクの圧力を表示する圧力計4,フィルタ5から成り、ノズル6にインクを供給する。帯電電極7には、記録信号源(図示せず)が接続されており、帯電電極7に記録信号電圧を印加することによって、ノズル6より規則的に噴射するインク粒子8を帯電する。上部偏向電極9には高電圧源(図示せず)が印加され、下部偏向電極10は接地されている。そのため上部偏向電極9と下部偏向電極10との間に静電界が形成されており、帯電したインク粒子8は、その帯電量に応じて偏向され、印字が行われる。インク回収経路22は、ガタ−11、フィルタ12、ポンプ14から成り、帯電電極7で帯電されず記録に関与しないインク粒子8を回収し、インクを再利用するために容器1へ戻す。
【0011】
粘度測定装置用インク経路24は、ポンプ32、電磁弁18、フィルタ34、粘度測定器17からなり、粘度測定器17に容器1の液体を、電磁弁18を開くことによりフィルタ34を介して供給する。溶剤補給経路26aは、希釈液としてインクの溶剤を貯めた容器30a、ポンプ31a、電磁弁29aからなり、電磁弁29aを開くことにより溶剤を容器1に供給し、容器1のインク濃度を希釈する。またインク補給経路26bは、100%濃度のインクもしくは濃縮したインクを貯めた容器30b、ポンプ31b、電磁弁29bからなり、電磁弁29bを開くことにより容器30b内のインクを容器1に供給し、容器1のインク濃度を高濃度化する。高濃度化は、溶剤が揮散することだけでも図れるので、インク補給経路26aはなくとも良い。
【0012】
次に、粘度測定器17の構成および動作原理の一実施例について図5を用いて説明する。プランジャ700は磁性材料でできておりSUS430等である。プランジャ700は、シリンダ701内をシリンダ701の軸方向に移動することが出来る。シリンダ701は、非磁性材料でできており例えばSUS304である。シリンダ701内には、インクが満たされており両端は粘度測定装置用インク経路24につながっている。シリンダ701の外周には、電磁コイル702がある。電磁コイル702は通電することにより電磁場を発生することができ、プランジャ700を引き上げることができる。引き上げられたプランジャ700はストッパ703の端部に接触するとその位置に保持される。電磁コイル702の通電を切断するとプランジャ700は落下し落下最下面704に到達する。落下最下面704の下部にはプランジャ700の下端を検出できるプランジャ検出器705がある。電磁コイル702の通電切断からプランジャ検出器705がプランジャ700を検出するまでの時間を測定しこれを落下時間とする。
【0013】
前述のように、シリンダ701内にはインクが満たされているのでプランジャ700の外周とシリンダ701の内面にできるギャップにはインクが存在し、そのインクの抵抗を受けながらプランジャ700が落下する。インクの粘度が異なれば抵抗が異なり落下時間に差を生み粘度差を測定できるのである。また、温度センサ706をシリンダ701内のインク温度を検出すべく設置しておき、落下時間測定時のインク温度を検出しておく。
【0014】
前述は落下時間を測定する動作を説明したが、引上げ時間を測定することでも検出できる。この時は、電磁コイル702に通電してからストッパ703に到達する時間を測定する。プランジャ検出器705はストッパ703付近に設置すれば良い。
【0015】
次に、インク調整制御装置のコントローラ(図示せず)の回路構成について図6を用いて説明する。CPU300は、本実施例のインクジェット記録装置の制御を司る中央演算処理装置である。ROM310は、CPU300が動作するのに必要なプログラムや制御データを記憶する読み出し専用のメモリである。RAM305は、プログラム実行途上でCPU300が扱うデータ等を一時的に置きかえ可能なメモリである。バスライン380はCPU300からのデータ、アドレス信号、コントロール信号全てを含む信号ラインである。インターフェイス回路315は、データ、アドレス信号、コントロール信号等の入出力を仲介する。ポンプ制御回路320は、ポンプ31a,31b,32の駆動制御を行う。電磁弁制御回路340は、電磁弁18,29a,29bの開閉の動作制御を行う。電磁コイル制御回路330は、インク粘度測定器17の電磁コイル702への通電のオン・オフ制御を行う。プランジャ検出器705は、プランジャ700の検出有無の信号を、インターフェイス回路315を介してCPU300に入力する。インク粘度測定器17の温度センサ706の信号は、A/D変換器355、インターフェイス回路315を介してCPU300に入力する。インク容器1の液面を検出するレベルセンサ40の信号は、インターフェイス回路315を介してCPU300に入力する。タイマー370は、クロック発生器371、分周回路372、カウンタ回路373で構成される。分周回路372はクロック発生器371から出力される信号を分周する。カウンタ回路373は、CPU300の命令により分周回路372で分周された信号を計数し、CPU300でプランジャ700の移動時間を求める。またCPU300の命令によりリセットが可能で、分周回路372の分周割合は、CPU300の命令により変更ができる。
【0016】
次に、粘度測定器17の校正について図1を用いて説明する。粘度測定器17の校正は、まず本体600上の液晶ディスプレイ兼タッチパネル630に表示の校正キー100のキー入力でスタートする。作業者の操作は、このキー入力のみである。キー入力を受けつけるとインク粘度測定動作に移行する。
【0017】
この時、測定に使用するインクはインクジェット記録装置の据付け時であれば新品のインクである。据付け時に行う校正では新品インクが基準インク101となる。新品インクであればインク温度が解れば粘度値は決定されている。インク温度は温度センサ706で検出しているので基準インク101の現在の粘度値は算出でき、これを基準インク粘度値と呼ぶことにする。そして、インク粘度測定器17の落下時間データt102とこの基準粘度値によって基準インク粘度値を落下時間データtで除することで係数を算出する。
【0018】
インクジェット記録装置の稼働中のインク粘度測定は、制御部から測定命令103が発せられた時に行い、その時の本体インク104での落下時間データt105と前述で決定している係数を乗することで現在粘度値を算出する。算出した現在粘度値と校正時の基準インク粘度値を比較し、インクの粘度の高低を判断し、基準インク粘度値に近づくようにポンプ31aと電磁弁29a、もしくはポンプ31bと電磁弁29bを制御している。この制御によればインクは常に校正した時に使用したインクに物性を合わせようとする。
【0019】
インク粘度測定器17のプランジャ700やシリンダ701は、寸法公差を持っており複数のインク粘度測定器17を製造すれば当然プランジャ700外周とシリンダ701内面とのギャップには、寸法のばらつきが生じる。このギャップが落下時間に影響を与えるため、寸法のばらつきは、そのまま粘度測定値のばらつきにつながる。しかし、前述したように校正を行えば、インク粘度測定器17が製造時に個々に個体差を持っていても個々の個体にて係数を決定するため個体差を問題としない。また、これから稼動するインクジェット記録装置に使用する現物インクの未使用状態にて校正しそれを基準とするため、初期的な良好な印字が行えるインク物性に常に管理される。
【0020】
ここまでは、インクジェット記録装置の現地据付けで校正した場合について記述したが、校正はいかなる時でも任意に行うことができる。例えば粘度測定器17の修理を行い一部の部品を交換した場合、その時点で校正を行えば前述ギャップ寸法が変化しても問題が無い。この時、インクを新品に交換して行えば正確に校正できるが、インクジェット記録装置内にある使用中のインクにて校正を行った場合、この使用中のインクが基準インク101となってしまい、本来の基準インク粘度値と校正に使用したインクの実際粘度値に差がある可能性があるが、そのインクにて良好な印字が行えているのであれば、そのインク物性になるよう制御していくので問題は無い。
【0021】
このように、インクジェット記録装置にインク粘度測定器17を搭載したまま、タッチパネル630の校正キー100の入力のみで校正が行えるので、現地据付け時や、その後のユーザーやサービスマンによっての操作も簡単であり、短時間で実行できる。
【0022】
以上のような、インク粘度測定器17を校正する手段を有すれば、インク粘度を精度よく検出および制御でき、良好な印字を安定的に行える。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、容易にインク粘度測定器の校正を行うことができ、インク粘度を精度よく検出および制御でき、良好な印字を安定的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる粘度測定器の校正を表すブロック図。
【図2】本発明の一実施例にかかるインクジェット記録装置の外観図。
【図3】本発明の一実施例にかかるインクジェット記録装置本体の構成図。
【図4】本発明の一実施例にかかるインクジェット記録装置の循環系の外略図
【図5】本発明の一実施例にかかる粘度測定器の構成図。
【図6】本発明の一実施例にかかるインク調整装置の回路構成図。
【符号の説明】
1…容器、2…ポンプ、3…調圧弁、4…圧力計、5…フィルタ、6…ノズル、7…帯電電極、8…インク粒子、9…上部偏向電極、10…下部偏向電極、11…ガター、12…フィルタ、14…ポンプ、17…粘度測定器、21…インク供給経路、22…インク回収経路、24…粘度測定装置用インク経路、26a…溶剤補給経路、26b…インク補給経路、29a…電磁弁、29b…電磁弁、30a…容器、30b…容器、31a…ポンプ、31b…ポンプ、40…レベルセンサ、100…校正キー、101…基準インク、102…落下時間データt、103…測定命令、104…本体インク、105…落下時間データt、300…CPU、305…RAM、310…ROM、315…インターフェイス回路、320…ポンプ制御回路、330…電磁コイル制御回路、340…電磁弁制御回路、355…A/D変換器、370…タイマー、371…クロック発生器、372…分周回路、373…カウンタ回路、600…本体、610…ヘッド部、620…ケーブル、640…制御基板、650…電磁弁、655…ポンプユニット、670…ドア、700…プランジャ、701…シリンダ、702…電磁コイル、703…ストッパ、704…落下最下面、705…プランジャ検出器、706…温度センサ

Claims (4)

  1. 印字を行なうためのインクが充填されるインクタンクと、
    供給ポンプにより前記インクタンクから供給されたインクを噴出させる際にインクに振動を与えてインク粒子を発生させるノズルヘッドと、
    前記ノズルヘッドより噴出されたインク粒子に帯電させる帯電電極と、
    前記帯電電極により帯電されたインク粒子の飛翔方向を偏向させる偏向電極と、
    を備えて記録媒体上の所定の場所へインク粒子を到達させて記録を行うインクジェット記録装置において、
    インクの粘度を管理する手段と、
    前記インクタンクと前記ノズルヘッドを接続するインク流路の途中に配置されているとともに、インクが充填されるシリンダを備え、前記シリンダの上部から下部に落下物を自由落下させ、前記落下物の落下時間を計測してインクの粘度を計測する粘度測定器と、
    この粘度測定器の校正を行う校正手段と、
    インクの粘度を測定するときにインクの温度を検出する温度センサとを有し、
    インクジェット記録装置の稼動中にインク粘度を測定するときには、
    インクジェット記録装置の稼動中またはインクジェット記録装置の稼動に先立って前記校正手段により、インク温度で粘度を特定可能なインクを用いて前記粘度測定器を校正し、前記校正された粘度測定器でインクの粘度を測定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1において、前記粘度測定器の校正は、インクジェット記録装置本体に前記粘度測定器を搭載した状態で行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1又は2の何れかにおいて、前記粘度測定器の校正は、インクジェット記録装置に設けられた操作パネル上からのキー入力により行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1から3の何れかにおいて、前記粘度測定器の測定値から粘度値を算出するための係数は、基準インクを前記粘度測定器に充填して前記粘度測定器を動作させたときの測定値を基準とし決定していることを特徴とするインクジェット記録装置。
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