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JP4200187B2 - 腎臓のクリアランスを決定する方法 - Google Patents
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JP4200187B2 - 腎臓のクリアランスを決定する方法 - Google Patents

腎臓のクリアランスを決定する方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、腎臓機能不全の進行を検出し、モニターする方法に関する。より詳しくは、本発明は潜在性の腎臓機能障害の病気の患者をスクリーニングする方法に関する。
発明の背景
医薬と生理学との分野に於いては、腎臓の急性的及び慢性的障害の進行を診断し判断するために、腎機能を正確に評価することが必須である。慢性的腎臓病の進行過程では、一般に腎機能が失われていく速度は一定である。各腎臓の、ネフロン(腎単位)として知られている個々の濾過ユニットに対する損傷の為に、機能の減少が起こることが示されている。各腎臓は、およそ106のネフロンを有している。
慢性の腎臓機能障害(CRF)の患者に対する予後及び治療方法を開発するにあたって、糸球体濾過率(GFR)の残差値が典型的に使用される。このGFRは、両方の腎臓の糸球によって処理される全血濾液の合計容量を表わしている。健康な成人については、GFRは典型的には、1分間の濾過あたり120〜125ミリリットルの範囲である。
標準条件下でGFRを評価するために、幾つかの方法が使用される。1つの方法は、GFRの目安としてイヌリン(inulin)クリアランス(清掃率)を測定するために、イヌリンの静脈内注入を用いる。通常は24時間の期間にわたって、時間を決めて採取される尿試料を集める間に薬剤血漿中濃度を一定に維持するために、イヌリンは注意深く調節されなければならない。時間を決めて行われる尿試料の採取は、尿流の毎日の変化、膀胱を空にすることが不完全なこと、及び試料の部分的な消失の為に、典型的には不正確である。最適の条件下では、GFRと比べてイヌリンクリアランスの変動係数(CV=coefficient of variation)は、健康な患者中でおよそ10%であり、CRF又は他のひどい病気を有する患者においては、より高い。
GFRを評価する別の方法は、糸球体濾過のみによって除去される種々の放射性標識化合物を使用するものである。これらの化合物のほとんどはγエミッター(γ線放射体)であり、そのため、βエミッター(β線放射体)でおきるような血漿試料及び尿試料中での変化の大きいクエンチングによって生じる誤差を回避する。この方法はイヌリン方法よりも使用が容易であり且つ同様のCV(10〜17%)を有するが、この方法は放射線の危険性を生じ、多くの実際的取扱い上の注意を要するものである。
GFRを評価する場合の上記の方法における固有の困難性の為に、臨床医らは代りにクレアチニンクリアランス(清掃率)を測定することに頼ってきた。筋肉代謝の老廃物であるクレアチニンは、ホスホロクレアチニン代謝と平行して生じる代謝的な副生物である。ホスホロクレアチニンはクレアチンから造られる。クレアチンは肝臓でグリシンとアルギニンから製造され、骨格筋に運搬され、そしてエネルギーに富んだ化合物であるホスホロクレアチンに変換される。クレアチンサイクルとしてそれ自身の間および筋肉中のホスホロクレアチンとの間で少量のクレアチンが非可逆的にクレアチニンに変換され、これが腎臓を通じて排泄される。
24時間のクレアチニンクリアランス(清掃率)は、各ネフロンの近位尿細管中でクレアチニンの細管中分泌が行われる為に、イヌリンクリアランスをわずかに越えている。この方法は、患者中に外的な物質を導入することを必要としないが、血液試料を得るの為に静脈穿刺を、そして時間を決めて行う尿試料の採取を必要としている。従って、この方法も、イヌリンクリアランス法につき上に議論した、時間を決めて行う尿試料の採取での誤差を非常に受けやすい。診療所の患者の日毎の変化率についての評価は、典型的には26%もの高さである。この変化率は、一部はクレアチニン代謝の日毎の変化によるものであるものの、主として尿採取の困難性によるものである。
GFRの評価は、イヌリンよりもクレアチニンを用いるほうがより容易であるが、そのような手順は通常は24時間の期間にわたる大容量の尿の採取の必要性の為、通常の患者スクリーニングには順応しないものである。従って一般に、腎臓機能障害による身体的な症状を患者が生じた後に、患者は腎機能についてスクリーニングされるに過ぎない。これによって、予防できる可能性のあった潜伏性の損傷の発生をしばしば許してしまうこととなる。
従って、時間を決めて尿試料を採取する必要性及び外的な物質を用いる必要性が無く、腎臓機能障害の患者を決められたやりかたでモニターする為の簡素化された方法を見出す必要性が存在する。従って、本発明は主として、そのような改良方法を提供することに関するものである。
発明のまとめ
本発明の好ましい形態に於いて、クレアチニンクリアランスが腎臓機能障害を検出しモニターするために測定される。人から、尿と血液のスポット試料(ある時点で採取される試料)が得られる。尿試料の比重又は浸透圧モル濃度(osmolality)が測定される。血液試料の血漿クレアチニン濃度及び尿試料のクレアチニン濃度が測定される。次に、測定された尿比重又は浸透圧モル濃度、測定された尿クレアチニン濃度、及び測定された血漿中クレアチニン濃度の関数として、クレアチニンクリアランスが計算される。
図面の簡単な記載
図1は、逆尿クレアチニン排泄係数(RUCEF=reverse creatinine excretion factor) 対 尿容量生産速度係数(UVPRF=urine volume production rate factor)の、実験的に誘導されたグラフであり、それらが線形の関係を有することを示している。
図2は、尿容量生産速度係数(UVPRF) 対 比重係数(SGF=specific gravity factor)の実験的に誘導されたグラフを示しており、それらが線形の関係を有することを示している。
図3は、正規化尿クレアチニン比(normalized-urine creatinine ratio) 対 血漿中クレアチニン比(plasme creatinine ratio)の実験的に誘導されたグラフであり、それらが線形の関係を有することを示している。
図4は、独立したデーターを用いる尿生産速度 対 尿比重係数(SGF)の実験的に誘導されたグラフであり、それらが線形の関係を有することを示している。
図5は、尿生産速度 対 比重比(specific gravity ratio)(1.030/尿SG)の実験的に誘導されたグラフである。
図6は、尿クレアチニン濃度 対 尿生産速度の実験的に誘導されたグラフであり、双曲線を形成する、尿濃度と尿容量速度との間の逆の関係を示している。
図7は、尿容量生産速度係数 対 尿比重係数の、実験的に誘導されたグラフであり、勾配1と切片(直線と直角座標軸の一つとの交点)0を示し、それらが線形の関係を有することを示している。
図8は、独立した試験の患者についての、計算されたクレアチニンクリアランス 対 実際のクレアチニンクリアランスを示す実験的に誘導されたグラフであり、ほぼ線形の関係を示している。
本発明の詳細な記載
糸球体濾過率は、時間を決めて行う尿試料の採取を要しない、新規な単純化された方法を用いるクレアチニンクリアランスの測定により評価される。従って、この場合医者は、普通の外来の間に腎臓機能障害を検出し、モニターすることが出来る。人の尿及び血液のスポット試料(ある時点に於ける試料)が得られる。室温に置ける尿の比重と、尿中及び血漿中クレアチニン濃度が測定される。比重正規化クレアチニン濃度nuが、尿比重のコンパウンド化効果の為に、尿クレアチニン濃度を調整することによって計算される。クレアチニンクリアランスのおよその値が計算され従ってGFRが評価できるように、nuと血漿クレアチンン濃度の間に関係が存在することが発見された。別の方法として、尿の浸透圧モル濃度(osmolality)が測定され、高い蛋白質濃度又はグルコース濃度を有する尿試料に関連する比重測定問題を克服するために比重の代りにその計算中で使用される。
血液及び尿試料の採取
血液のアリコートを標準の静脈穿刺技術を用いて集めるが、必要ならば動脈試料を使用してもよい。血液のサンプリングの時間は尿試料のサンプリングと同時である必要はないが、両方の試料が同時に集められるか又は互いに少なくとも数時間内に集められる時には正確さが増強される。
尿試料は、中に患者が尿を出すことが出来る標準の尿採取瓶を、単に患者に提供することによって集められる。別の方法として、試料を、カテーテルによって、又は尿採取バックから抜出すことによって、集めることが出来る。分析の為にわずか数ミリリットルの尿が要求されるにすぎない。このサンプリング方法では、集めた容量を記録する必要はなく、又膀胱を完全に空にする必要も無い。分析の為に十分な試料が残っていさえすれば、試料の一部が消失することも害とはならない。従って、この新しい方法は、以前の臨床方法で要求された時間を決めて尿試料を集める試みと関連する、これまで長く続いてきた問題を克服している。
比重又は浸透圧モル濃度とクレアチニン濃度の測定
一旦代表する尿の試料が得られたならば、尿の比重が室温で測定されるが、その比重は典型的には正常な尿については1.004〜1.035の範囲である。バイオベーション(Biovation)製のデジタルユリノメーター(Digital Urinometer)をこの試験に使用することが出来る。尿試料は時々人工的に上昇した比重値を示し得る。この状況は、ネフローゼ症候群におけるように有意義な量の蛋白質を及び/又は糖尿病におけるように有意義な量のグルコースを尿が含有する時、常に生じ得る。時折、診断目的の為に尿的に透明にされる放射不透明染料が使用される時にも、これは起こり得る。
従って、これらの大きくされた値を避けるために、比重測定の代りに浸透圧モル濃度の測定を用いるのが好ましいことがあり得る。なぜならば、浸透圧モル濃度値は、尿中のグルコース及び蛋白質の存在によって、劇的な影響を受けにくいからであり、そして又、科学文献中にあるように、尿の浸透圧モル濃度と尿の比重との間の認められた関係が存在するからである。
尿と血漿のクレアチニンの濃度は、任意の幾つかのアナライザーで測定することが出来る。それらにはアボットラボラトリーズから入手できるTDXシステム上でのREAクレアチニン分析、及びロッシュダイアグノスティックスから入手できるFAROアナライザーが含まれる。人の尿中のクレアチニン濃度は通常は8〜500mg/dlの範囲である。この範囲は、年齢、性、食事、ライフスタイル及び地理上の位置などの変数によって影響される。血漿中のクレアチニン濃度は一般に、患者の生涯にわたり、個々の患者につき体によって恒常性的に一定値に維持されている。衝突の傷又は退行性の病気が多量の筋肉の損傷を生じない限り、クレアチニンの毎日の発生は一定のままである。健康な成人男性の血漿中のクレアチニン濃度の参照値は、平均で0.6〜1.3mg/dlの間であり、女性は0.5〜1.0mg/dlである。例示されている方法は、血漿中のクレアチニン濃度を用いているが、血中又は血清中のクレアチニン濃度も使用できる。
比重正規化尿クレアチニン濃度の測定
患者の尿のパラメーター、例えばpH及び比重は、摂取した食物及び飲料の種類と量に依存して日ごとに変化する。更に人は、内生の物質並びに薬物を異なる速度で代謝する。これらの毎日の尿のパラメーターにおける変化のため、クレアチニン及びその他の内生の化合物類・薬物代謝物類に対する濃度水準も、時間によって変化し得る。多くの内生の化合物類及び薬物は、尿中pHの正常な条件下で弱酸であるので、有意な細管の吸収は生じることがなく、そして腎臓でのクリアランスは主として糸球体濾過の結果である。これらの化合物類について、観測される尿中の代謝物及び薬物の濃度の変化の原因となる主要な変数は、細管の再吸収又は自由水の排泄である。腎臓は、正常な血圧及び血液の浸透圧モル濃度を維持するために、尿生産速度をそのように調節する。この腎臓の性質は尿比重によって示され、これは尿の固形分及び尿容量生産速度と関連する物理的な変数である。尿クレアチニン濃度と尿比重の間に数学的な関係が存在することが発見され、これは本明細書で、比重正規化クレアチニン濃度nuとして与えられる。
クレアチニン又は任意の他の化合物に対するnuについて使用すべき特定の形式を決定するために、薬物及び尿代謝物の腎臓の排泄速度(mg/dl)は、典型的な一日に於いては、任意の患者について比較的一定であることがここで認識される。この一定性は、尿容量生産速度の関数としてメタドン、ベンゾジアゼピン類、他の薬物類、及びクレアチニン、及び他の内生の代謝物の腎臓排泄速度を調べることによって実験的にここに実証された。実験に従う12人の対照被検者の尿の、一連の、完全な(全排出)、時間を決めて取られる(1〜8時間の保有時間)アリコートを、24〜72時間の期間にわたって集めた。各尿アリコートについて尿容量生産速度(ml/分)、比重、及びクレアチニン濃度(mg/dl)を測定した。このデーターを使用して、尿容量生産速度係数(UVPRF)と尿クレアチニン排泄係数(RUCEF)の間に、全ての患者についての同じである、単位がない線形の関係が存在することことがわかった。各々の人、対照、尿採取期間について、このUVPRFは、集められた各々尿アリコートについての尿容量生産速度vの、比重が通常1.030に近い採取期間中の最も濃縮された試料についての尿容量生産速度v'に対する比として定義され
UVPRF=v/v' (1)
である。
RUCEF係数は、比重が通常1.030である最も濃縮された尿アリコートのクレアチニン濃度u’の収集された各尿アリコートのクレアチニン濃度uに対する比として定義され
RUCEF=u’/u (2)
である。
この線形関係が図1に示されている。最もフィットする線形回帰線は次の表現によって与えられる
RUCEF=0.942・UVPRF+0.121 (3)
u’/u=0.942・v/v’+0.121 (4)
ここで統計的な評価は、調節された二乗倍数(squared multiple)R=0.985、推定の標準誤差=0.242、及びFレシオ(F ratio)=4965を生じる。
従って、当業者の伝統的な教えとは逆に、尿の薬物及び代謝物濃度uは、腎臓によって造られた尿の容量vと反比例しており、明白に積(u・v)が任意の特定の時点及び尿pHにおいて一定であることを実証している。
任意の時点における(u・v)は一定、即ち定常値であるから、等式(4)から言えることは、ある経験的な数学的な関係がuとvの間に存在しなくてはならず、そしてその関係は、参照点における任意に選ばれる尿容量生産速度v'と、対応するu'とが与えられれば(比重1.030)、
{u・v}sg actual={u'・v'}sg 1.030 (5)
であるか又はu’について並べかえると
u’=u・(v/v') (6)
となるものである。ここで等式(5)又は(6)中に与えられる積は、実際の比重を有している集められたスポット尿について測定された積、及び朝の放尿時に典型的な補正された比重1.030を有している集められたスポット尿について測定された積である。
制御された尿採取を使用して、1.030の比重における正常な腎臓機能を有すると考えられる人に対し0.44ml/分の尿容量生産速度v’が最初に測定された。尿容量生産速度係数と比重係数(SGF)、{(1.030-1.000)/(sg-1.000)}、(但しsgは尿比重)の間に図2に示されそして以下に与えられるように線形の関係が存在することが発見された
UVPRF=v/v'=2.43・SGF−1.43 (7)
式中、調節された二乗倍数R=0.856、推定の標準誤差=0.787、Fレシオ(F ratio)=482である。
等式(7)を等式(6)中に置換し、比重正規化クレアチニン濃度nuが、尿比重のコンパウンディング効果について実際の尿中クレアチニン濃度を調節することによって計算される。
nu=u'=u・(v/v')=u・[2.43・SGF−1.43] (8)
クレアチニンクリアランスの計算
クレアチニンクリアランスは3つの変数、即ち血漿中クレアチニン濃度、尿中クレアチニン濃度、及び24時間の採取期間にわたって集められた尿の容量を評価することによって計算される。クレアチニンクリアランスは、
cl=(u・v)/p (9)
である腎臓のクリアランス式として知られている標準の次元的に正しい関係を用いることによって計算される。ここでclは腎臓のクリアランス(ml/分)であり、uは実際の尿濃度(mg/dl)であり、vは期間中に集められた尿の容量(ml/分)又は尿容量生産速度として知られているものであり、そしてpは採取期間の中点に於ける測定された血漿中濃度(mg/dl)である。血漿と実際の尿中のクレアチニン濃度は、既知の化学的方法又は他の方法を用いることによって、上に議論したように測定される。しかしながら正常な臨床的スクリーニングの状況下では、尿容量生産速度vの実際の値は、通常の健康チェックの間に診療所の患者について時間を決めた尿試料を集めることによってこの値を得るために要求される大きな努力と費用のために医者にとっては入手できないものである。
等式(5)及び(8)を、腎臓のクリアランス式の等式(9)中に置換することによってクレアチニンクリアランスが以下の様に本発明に従って計算される。
Figure 0004200187
等式(10)の全ての値は容易に入手でき、v'は0.44ml/分に等しくu、p及び尿比重は標準の測定技術を用いて得ることが出来る。尿容量生産速度を得る問題は、GFRを評価するために時間を決めて取られる尿試料ではなくて、スポット尿試料を集めることが出来るので、もはや除去されている。尿試料はしばしば他の理由で患者から採取されるから、患者にとっては追加的な不都合は存在しない。そのうえ、個々の患者からの一連の試料を評価することによって、クレアチニンクリアランスとGFRの正確な個々のベース値が得られる。
血漿中/尿中クレアチニン濃度の生物学的な変化
過去の文献の引用に基づくと、尿及び血漿中のクレアチニン濃度の繰り返しの測定では、ある程度の生物学的な変化を予測すべきであった。しかしながら変化を示す実際に入手できる定量データーは、最小限しかなかった。従って、クレアチニン濃度の変化に関するデーターを造った。
血漿中のクレアチニン濃度の毎日の変化を評価するために、朝と午後の血液試料を、13人の対照の被験者用に採血した。各被験者用に測定された実際の午前(AM)と午後(PM)の血漿中クレアチニン濃度が表Aに示され、またPM/AM比も示される。比のデーターを用いると、平均の比は1.02であり、標準偏差(SD)0.12、そしてCV 11.6%である。血漿中クレアチニン濃度は、蛋白質の摂取や運動とともにわずかに増加することが知られているので、わずかに高い比が予測された。
Figure 0004200187
血漿中のクレアチニン濃度におけるこの毎日の変化の影響の可能性が調べられた。同時の血漿中のクレアチニン濃度と尿中のクレアチニン濃度のAM及びPM測定を、数人の被験者で行った。血漿の参照値として最も低い血漿クレアチニン濃度を用い、そして対応する比重正規化尿中クレアチニン濃度を尿参照値として使用して、形式X/XRcfの比を計算した。図3は、血漿中のクレアチニン比 対 比重正規化尿中クレアチニン比としてプロットした9人の被験者についてのデーターを示している。
この曲線を調べると、比重正規化尿中クレアチニン濃度は本質的に血漿中クレアチニン濃度と線形的に関係していることが示される。従って、血漿中のクレアチニン濃度における小さな毎日の変化は、実際にはクレアチニンクリアランスが事実上一定のままであるように、尿中で正確に関係づけられているのである。
比重正規化尿中クレアチニン濃度に対する日ごとの変化を週1回又は週2回の尿試験を用いて患者群で追跡した。このデーターの分析は平均CV15.5%を示し標準偏差は4.4%であった。これらの結果に基づいて血漿中クレアチニン濃度に於いてみられるわずかな量の生物学的な変化は、この新しい方法を利用することに有意に影響しないことが予測される。
クレアチニンクリアランスに対する標準の評価対提案された評価
慣用のクレアチニンクリアランスの臨床的な評価と、本発明の評価の間の受け入れられる一致を示す比較データーが発生された。各被験者は、各放尿の量と時間を測定し且つ記録することを求められた。比重と尿及び血漿中のクレアチニン濃度を各被験者について測定した。このデーターを使用してクレアチニンクリアランスを等式(10)を用いて計算した。表Bに示されているのは血漿クレアチニン濃度およそ1.29mg/dlを有する単一の被験者についての詳細な収集されたデーターである。表Cに示されているのは6人の被験者についてまとめたデーターである。
Figure 0004200187
Figure 0004200187
計算中での比重測定の代りの浸透圧モル濃度測定の使用
尿形成速度(ml/分)と尿中のクレアチニン濃度との間に、特定の数学的な関係が存在することが認められている。これらの変数と尿の比重の間にも関係が存在する。一般にSGFとv/v'の間の関係が正常な腎機能を有する人に適応される。しかしながらSGF、特にレフラクトメトリー(屈折率測定)又はヒドロメーターによって測定される時のSGFがv/v'と比例せず、従ってこれまで記載した関係に於いて不正確さを生じる状況が存在する。この状況は尿が有意な量の蛋白質及び/又はグルコースを含有している時におきるものである。時折これは又尿で透明化される放射性不透明染料が診断目的で使用された時にも生じ得る。これらの化合物の各々は、屈折率に、又はスピンしているヒドロメーターに対するドラッグ係数に影響し得る。これらの様な状況に於いては、異常な成分の存在は比重値の人工的な上昇を生じる。例えば尿中の蛋白質は主としてアルブミンであるが、100mlの尿あたりの各1000mgの蛋白質について、約0.003単位だけ比重を増加する。グルコースの存在は、100mlの尿あたりの各1000mgのグルコースについて、約0.004単位の増加を生じる。もしこれらの影響を与える化合物類の存在が考慮されないならば、相関関係で用いられた比重は不正確である。この不正確さは、容易に解ることである。なぜならば、計算されたSGFからのv/v'が予測される範囲の外にくるので、臨床者に異常な状況となった可能性があると警告されるためである。尿の比重は、生産される尿の量について高すぎるように見えるであろう。このシナリオにおいて、蛋白質、グルコース及び、放射性不透明染料の量を計量する為に、追加的な尿試験が成され得る。一旦これらの数学が得られたならば、計算に補正を加えることができる。例えば放射性不透明染料が尿から出てしまった後に、別の尿試料を集め、そしてレフラクトメーター(屈折計)又はヒドロメーター比重値に対する数学的な補正を、蛋白質及び/又はグルコースのために行うことが出来る。補正された比重は、異常な尿成分の影響を除去するように差引くことによって決定される。これらの補正が一旦成されれば、通常予測されるSGFとv/v'の間の関係を認めることが出来る。
比重は、溶液単位容量質量/純粋溶媒単位容量質量 であるから、尿濃縮力の目安としてのSGFを使用する代りに、尿浸透圧モル濃度係数(以後UOFと述べる)も使用することが出来る。浸透圧モル濃度は、純粋な溶媒の単位容量あたりの浸透圧粒子の数である。尿比重 対 尿浸透圧モル濃度に関する科学文献中には、共通の関係が存在するとある。例えばmOSMとして測定される尿浸透圧モル濃度は、37500に等しい(SG−1.000)。尿浸透圧モル濃度係数(UOF)は、1.030の比重における尿浸透圧モル濃度の、後に示す実際の尿比重における尿浸透圧モル濃度等量に対する比として定義できる。この等式を使用して次の数的な関係が蛋白質/グルコースのない尿に対し発生できる。

Figure 0004200187
このデーターから、SGFとUOF値が等しいものであって、何れか一方が本発明の応用において使用できることが明らかである。
クレアチニンクリアランス等式の純化
腎臓病クリニック中で、追跡されている96人の患者からの独立のデーターが集められた。これらの患者から入手できたデーターは、24時間の尿容量、尿比重、尿クレアチニン濃度、血清クレアチニン濃度、24時間の採取から測定されるクレアチニンクリアランス、尿中の蛋白質とグルコースの存在、尿浸透圧モル濃度、患者の性、年齢、痩せ状態の体重(lean body weight)、合計体重(total body weight)、身長及び診断が含まれる。
独立のデーターをまず尿容量生産速度(ml/分) 対 尿比重の種々の数学的な式として、図4及び図5中に図解するようにプロットした。x軸上に比重又はその均等物、即ち浸透圧モル濃度をプロットする幾つかの方法、即ちSG比=1.030/SG、SGF、またSG自身をプロットすることなどの方法が存在するが、SGF及びUOFを用いた関係をプロットすることが好ましい。
尿クレアチニンと尿容量速度の間の逆関係(反比例)をより詳細に説明するために、尿クレアチニン濃度を尿生産速度に対しプロットすると、図6中の双曲線が現れた。
図7はv'=0.58ml/分を使用するv/v'の比をSGFに対してプロットしている。このデーターをプロットすることは勾配1と切点0を与える。正常な被験者から集められたデータは、この同じ結論を支持している。
これらの関数は、v'が0.44に等しい場合のv=(2.43・SGF−1.43)・v'であった以前の式と比較して、ここではv'=0.58でv=SGF・v'であるという点で、以前に記載した関数と異なっている。純化した等式は、一般に次の様に表現できる。
cl=v'・u・SGF/p (11)
式中clはクレアチニンクリアランスであり、v'は正常な腎機能を有すると考えられる人の尿容量生産速度であり、uは測定された尿クレアチニン濃度であり、SGFは計算された比重係数であり、pは測定された血漿クレアチニン濃度である。
以前に記載した関数は、信頼できる尺度を生じる助けとなるが、0.58を用いるこの後者の関数は、それが前の式よりもより大きな量の、SG 対 尿容量及び尿濃度データに基づいており、従ってより信頼性のある予測(プレディクター)を提供するので好ましい。非常に薄い尿、そして低比重である場合は例外とするが、これらの結果はSGF関数及びv'が逆関係であるので、類似している。
別の方法として、SGFを使用する代りに、尿濃縮力を示す尺度としてUOFを使用することが出来る。この場合に次の等式を使用できる。
cl=v'・u・UOF/p (12)
式中clはクレアチニンクリアランスであり、v'は正常な腎機能を有すると考えられる人の尿容量生産速度であり、uは測定された尿クレアチニン濃度であり、UOFは計算された尿浸透圧モル濃度係数であり、pは測定された血漿クレアチニン濃度である。
図8は、計算されたクレアチニンクリアランス 対 独立の試験の患者についての実際のクレアチニンクリアランスを示し、ほぼ線形のグラフを図解しており、この後者の関係の有用性を示すものである。
まとめ
時間を決めた尿試料の採取ではなくて、スポット尿試料を使用する診療所における及び入院患者のクレアチニンクリアランスをモニターする方法がここに提供されたことがわかる。この方法は、比重正規化された尿クレアチニン濃度を測定する為に、患者の尿試料の評価から容易に得られる尿クレアチニン濃度を用いている。別の方法として、補償の為の調節を必要とする人工的に大きくなった比重値によって生じる不正確さを避ける為に、比重係数値の代りに尿の浸透圧モル濃度係数値を使用して、クレアチニン係数値が測定される。浸透圧モル濃度係数値は、患者の尿試料中に高い蛋白質又はグルコース水準がある病歴を患者が有していることが知られているときには好ましい。腎臓のGFRにおける傾向に従う為に、全てを患者の病歴データーと比較することができる。本発明は、高い実験室コスト又は時間を決めた尿試料の採取の必要性がなく、又は外的なマーカーの使用がないので、臨床に於いて実際的である。
これらの新規な方法はその好ましい具体例を特に参照して詳細に記載されてきたが以下の特許請求の範囲に述べられる発明方法の精神と範囲から離れることなしに多くの変更、追加及び削除がなされることが理解されるべきである。

Claims (3)

  1. (a)人から尿及び血液のスポット試料を得ること、
    (b)該尿試料の比重とクレアチニン濃度を測定すること、
    (c){(1.030-1.000)/(sg-1.000)}(ここで、sgは測定された尿比重を示す)で表される比重係数を計算すること、
    (d)該血液試料の血漿のクレアチニン濃度を測定すること、及び
    (e)該計算された尿の比重係数、該測定された尿クレアチニン濃度、及び該測定された血漿クレアチニン濃度の関数
    cl=v'・u・SGF/p
    (ここでclはクレアチニンクリアランスであり、v’は正常な腎機能を有していると考えられる人に対する尿容量生産速度であり、uは測定された尿クレアチニン濃度であり、SGFは計算された比重係数であり、そしてpは測定された血漿クレアチニン濃度であるを意味する)として、クレアチニンクリアランスを計算すること、以上の段階を含んでいる、腎臓機能障害を検出しモニターするのに使用するためにクレアチニンクリアランスを測定する方法。
  2. (a)人から尿及び血液のスポット試料を得ること、
    (b)該尿試料の浸透圧モル濃度とクレアチニン濃度を測定すること、
    (c)1.030の比重における尿浸透圧モル濃度の、実際の尿比重における尿浸透圧モル濃度等量に対する比として定義される尿浸透圧モル濃度係数を計算すること、
    (d)該血液試料の血漿のクレアチニン濃度を測定すること、及び
    (e)該計算された尿浸透圧モル濃度係数、該測定された尿クレアチニン濃度、及び該測定された血漿クレアチニン濃度の関数
    cl=v'・u・UOF/p
    (ここでclはクレアチニンクリアランスでありv'は正常な腎機能を有すると考えられる人に対する尿容量生産速度であり、uは測定された尿クレアチニン濃度であり、UOFは計算された尿浸透圧モル濃度係数であり、pは測定された血漿クレアチニン濃度である)として、クレアチニンクリアランスを計算すること、
    以上の段階を含んでいる、腎臓機能障害を検出しモニターするためにクレアチニンクリアランスを測定する方法。
  3. (a)人から尿及び血液のスポット試料を得ること、
    (b)該尿試料の浸透圧モル濃度及びクレアチニン濃度を測定すること、
    (c)1.030の比重における尿浸透圧モル濃度の、実際の尿比重における尿浸透圧モル濃度等量に対する比として定義される尿浸透圧モル濃度係数を計算すること、
    (d)該血液試料の血清のクレアチニン濃度を測定すること、及び
    (e)該計算された尿浸透圧モル濃度係数、該測定された尿クレアチニン濃度、及び、該測定された血清クレアチニン濃度の関数
    cl=v'・u・UOF/p
    (ここでclはクレアチニンクリアランスであり、v'は正常な腎臓機能を有していると考えられる人の尿容量生産速度であり、uは測定された尿クレアチニン濃度であり、UOFは尿浸透圧モル濃度係数であり、そしてpは測定された血清クレアチニン濃度である)として、クレアチニンクリアランスを計算すること、
    以上の段階を含んでいる、腎臓機能障害の検出及びモニターのためにクレアチニンクリアランスを測定する方法。
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