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JP4201620B2 - 多気筒1段圧縮機 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の圧縮部を備えた多気筒1段圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、気体を吸入し圧縮する圧縮機は種々の形態のものが知られている。この中で、複数の圧縮部を備えた多気筒型の圧縮機があり、例えば4つの圧縮部が十字型に配置され、対向する2つの圧縮部のピストンが一方のヨークの両端部に同一線上に位置して取り付けられ、他の対向する2つの圧縮部のピストンが前記一方のヨークと90度位相をずらして位置付けられた他方のヨークの両端部に同一線上に位置して取り付けられ、電動機により軸回転するクランクシャフトに設けられたクランクピンにより前記2つのヨークを直交方向に位相を90°ずらして往復動させ、これらのヨークを介してそれぞれ直交方向をなして同一線上に位置して取り付けられている前記ピストンをシリンダ内で往復動させ、4つの圧縮部にてそれぞれ気体を圧縮するように構成したものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−82332号公報
【0004】
このような多気筒型圧縮機は、1段圧縮方式と多段圧縮方式とがある。上記4気筒の場合で説明すると、1段圧縮方式では第1圧縮部で圧縮した圧縮気体と、第2圧縮部で圧縮した圧縮気体とを管路にて合流して第4圧縮部のシリンダヘッド内に送り込むと共に、第3圧縮部で圧縮した圧縮気体を管路にて前記第4圧縮部のシリンダヘッド内に送り込み、更に第4圧縮部で圧縮した圧縮気体をシリンダヘッド内に排出し、第1圧縮部〜第4圧縮部からの圧縮気体をすべて合流させた後、第4圧縮部の吐出部から吐出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の4気筒1段圧縮機において、第4圧縮部のシリンダヘッド内に第1圧縮部〜第3圧縮部で圧縮した圧縮気体が送り込まれるため、第4圧縮部におけるシリンダヘッド内の圧力が高圧となる。このため、第4圧縮部で圧縮した圧縮気体をシリンダヘッド内に排出する際に、シリンダヘッド内の高圧圧縮気体による背圧の影響を受けて排出し難くなる。シリンダヘッド内への排出が円滑に行われないと、第4圧縮部での圧縮が過圧縮となり、ピストンリングが早期に摩耗して耐久性が劣る問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされ、多気筒1段圧縮機において、複数の圧縮部で圧縮された圧縮気体が送り込まれる圧縮部での過圧縮を防止して、ピストンリングを早期摩耗から保護するようにした多気筒1段圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、複数の圧縮部を備え、各圧縮部で圧縮した圧縮気体を特定の圧縮部のシリンダヘッドに送り込むと共に、前記特定の圧縮部で圧縮した圧縮気体を前記シリンダヘッドに排出して合流させ、前記特定の圧縮部の吐出部から吐出するように構成した多気筒1段圧縮機において、前記特定の圧縮部を除く圧縮部のうち少なくとも1つの圧縮部で圧縮した圧縮気体は、前記特定の圧縮部のシリンダヘッドに送り込まずに前記特定の圧縮部の吐出部に送り込むことを特徴とする多気筒1段圧縮機である。
【0008】
又、請求項2の発明は、前記多気筒1段圧縮機は4気筒1段圧縮機であり、前記特定の圧縮機は第4圧縮部とし、第1圧縮部で圧縮した圧縮気体と、第2圧縮部で圧縮した圧縮気体とを合流して前記第4圧縮部のシリンダヘッド内に送り込むと共に、第4圧縮部で圧縮した圧縮気体を前記シリンダヘッドに排出して合流させ、第3圧縮機で圧縮した圧縮気体は前記第4圧縮部のシリンダヘッドに送り込まずに、当該シリンダヘッドに隣接配置された吐出部内に送り込み、この圧縮気体と、前記シリンダヘッド内で合流した圧縮気体とを合流させて前記吐出部から吐出することを特徴とする請求項1記載の多気筒1段圧縮機である。
【0009】
本発明では、複数の圧縮部を備えた多気筒1段圧縮機において、少なくとも1つの圧縮部で圧縮した圧縮気体は、圧縮気体を合流する特定の圧縮部のシリンダヘッド内に送り込まずに、その特定の圧縮部の吐出部に送り込む構成とし、特定の圧縮部のシリンダヘッド内の圧力を低下させることにより特定の圧縮部での圧縮気体の排出を円滑にし、過圧縮を防止することによりピストンリングの早期摩耗を防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る多気筒1段圧縮機の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、4気筒1段圧縮機に適用した実施形態を示す概略断面図である。
【0011】
図1において、1は第1圧縮部、2は第2圧縮部、3は第3圧縮部、4は第4圧縮部であり、第1圧縮部1と第3圧縮部は対向配置され、ヨーク5の両端部に同一線上に位置するように取り付けられ、第2圧縮部2と第4圧縮部4は対向配置され、ヨーク5の下に位置しこのヨーク5と水平面内で90度位相をずらしたヨーク6の両端部に同一線上に位置するように取り付けられている。
【0012】
前記ヨーク5、6は電動機(図略)により軸回転するクランクシャフト7に偏心させて設けたクランクピン(図略)を介して作動され、クランクピンの回転に伴ってヨーク5は図1の上下方向にのみ往復動して第1圧縮部1と第3圧縮部3とを動かし、ヨーク6は図1の左右方向にのみ往復動して第2圧縮部2と第4圧縮部とを動かす。
【0013】
この4気筒1段圧縮機では、第1圧縮部1と第2圧縮部2で圧縮した圧縮気体を合流させて第4圧縮部4に送り込む管路P1、P2が形成され、第3圧縮部3で圧縮した圧縮気体を第4圧縮部4に送り込む管路P3が形成されている。
【0014】
本発明では、図2に示すように第3圧縮部3で圧縮した圧縮気体は、第4圧縮部4のシリンダヘッド4a内に送り込まずに、前記管路P3により第4圧縮機4に設けられた吐出部8に送り込む。
【0015】
吐出部8とシリンダヘッド4aとは隣接配置され、図3のようにシリンダヘッド4a内に設けられた通気路9と吐出部8内に設けられた通気路10とが連通し、通気路9には第4圧縮部で圧縮された圧縮気体の排出路4bが合流し、通気路10には前記管路P3により送り込まれる第3圧縮部3からの圧縮気体の導入路8aが合流している。又、通気路9の端部は前記管路P1、P2とが合流した管路が接続されている。
【0016】
本発明における管路P3は上記のように吐出部8に接続されているので、第3圧縮部3で圧縮された圧縮気体がシリンダヘッド4a内に送り込まれた第1圧縮部1及び第2圧縮部で圧縮された圧縮気体に直接合流することはない。従って、シリンダヘッド4a内の圧縮気体の圧力は従来よりも低圧となる。
【0017】
図4は第4圧縮部4のシリンダ内の圧力波形を測定したグラフであり、ピストンによる圧縮時でのピーク圧力を比較すると、従来では約0.64MPaであったのが本発明では約0.6MPaであり、約0.04MPaだけ圧力を低下させることができた。
【0018】
前記のようにシリンダヘッド4aの通気路9内の圧力が従来よりも小さくなり、即ち背圧側の圧力が小さいため第4圧縮部4からの圧縮気体の排出がし易くなったものと考えられる。その結果として、第4圧縮部4での過圧縮が防止され、ピストンリングを早期摩耗から保護することができる。
【0019】
前記シリンダヘッド4aの通気路9内で合流した圧縮気体は、更に吐出部8の通気路10内で第3圧縮部3からの圧縮気体と合流した後、吐出部8の吐出口8bから外部に吐出される。この吐出口8bには吐出管11(図1)が接続される。
【0020】
この場合、各圧縮部は同一の構成が採用されており、第1圧縮部1を例にあげて説明すると、シリンダ12内を往復動するピストン13の前後に第1圧縮室14と第2圧縮室15とが形成され、1つのシリンダ12内で二重に圧縮するように構成されている。各圧縮部はこれに限定されず、第1圧縮部1のみ二重圧縮とし、他の圧縮部は二重圧縮としない構成にする場合もある。
【0021】
そして、図5のようにシリンダ12の上部には上部弁機構が設けられ、この上部弁機構は円盤状の弁座16に複数の吸入ポート16aが円周方向に等間隔で設けられ、同じく円盤状の弁座押さえ部材17に凹部が設けられ、この凹部内に円錐形ばね18を介してバルブ19が設けられ、円錐形ばね18の付勢力により弁座16に接地して吸入ポート16aをそれぞれ閉じている。又、弁座押さえ部材17には複数の排出ポート17aが円周方向に等間隔で設けられ、更に連通孔17bが設けられて前記バルブ19が開いた時に吸入ポート16aとそれぞれ連通するように構成されている。
【0022】
又、シリンダ12の下部に下部弁機構が設けられ、この下部弁機構は上部弁機構と同様に円盤状の弁座26に複数の吸入ポート26aが円周方向に等間隔で設けられ、同じく円盤状の弁座押さえ部材27に凹部が設けられ、この凹部内に円錐形ばね28を介してバルブ29が設けられ、円錐形ばね28の付勢力により弁座26に接地して吸入ポート26aをそれぞれ閉じている。又、弁座押さえ部材27には複数の排出ポート27aが円周方向に等間隔で設けられ、更に連通孔27bが設けられて前記バルブ29が開いた時に吸入ポート26aとそれぞれ連通するように構成されている。
【0023】
前記ピストン13にも弁機構が設けられており、このピストン弁機構はピストン本体を兼ねている弁座36に複数の吸入ポート36aが円周方向に等間隔で設けられ、同じく円盤状の弁座押さえ部材37に凹部が設けられ、この凹部内に円錐形ばね38を介してバルブ39が設けられ、円錐形ばね38の付勢力により弁座36に接地して吸入ポート36aをそれぞれ閉じている。又、弁座押さえ部材37には複数の排出ポート37aが円周方向に等間隔で設けられ、更に連通孔37bが設けられて前記バルブ39が開いた時に吸入ポート36aとそれぞれ連通するように構成されている。
【0024】
このように構成された第1圧縮部1において、ピストン13が上死点側に移動すると、バルブ29が開いて第1圧縮室14に気体が流入し、ピストン13が下死点側に移動すると第1圧縮室14内の気体が所定の圧力に圧縮されると共に、この圧縮気体はバルブ39を開いて第2圧縮室15に流入する。ピストン13が再度上死点側に移動すると、第2圧縮室15内の圧縮気体が高圧に圧縮され、所定の圧力に達するとバルブ19を開いてシリンダヘッド1aの排出路1bに排出される。そして、この高圧圧縮気体は前記管路P1に流入する。又、前記ピストン13が再度上死点側に移動する際に、前記第1圧縮室14内に気体が流入する。このような二重圧縮の動作が繰り返し行われる。第2圧縮部2〜第4圧縮部4においても同様である。
【0025】
上記実施形態では4気筒1段圧縮機の例で説明したが、本発明はこれに限定されず、他の多気筒1段圧縮機に対しても十分適用できるものである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、複数の圧縮部を備え、各圧縮部で圧縮した圧縮気体を特定の圧縮部のシリンダヘッドに送り込むと共に、前記特定の圧縮部で圧縮した圧縮気体を前記シリンダヘッドに排出して合流させ、前記特定の圧縮部の吐出部から吐出するように構成した多気筒1段圧縮機において、前記特定の圧縮部を除く圧縮部のうち少なくとも1つの圧縮部で圧縮した圧縮気体は、前記特定の圧縮部のシリンダヘッドに送り込まずに前記特定の圧縮部の吐出部に送り込むので、特定の圧縮部での過圧縮を防止し、ピストンリングの早期摩耗を防いで耐久性を向上させる効果を奏する。
【0027】
又、請求項2の発明によれば、請求項1の多気筒1段圧縮機は4気筒1段圧縮機であり、前記特定の圧縮機は第4圧縮部とし、第1圧縮部で圧縮した圧縮気体と、第2圧縮部で圧縮した圧縮気体とを合流して前記第4圧縮部のシリンダヘッド内に送り込むと共に、第4圧縮部で圧縮した圧縮気体を前記シリンダヘッドに排出して合流させ、第3圧縮機で圧縮した圧縮気体は前記第4圧縮部のシリンダヘッドに送り込まずに、当該シリンダヘッドに隣接配置された吐出部内に送り込み、この圧縮気体と、前記シリンダヘッド内で合流した圧縮気体とを合流させて前記吐出部から吐出するので、第4圧縮部での過圧縮を防止し、ピストンリングの早期摩耗を防いで耐久性を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を4気筒1段圧縮機に適用した実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る4気筒1段圧縮機の外観斜視図である。
【図3】第4圧縮部のヘッドシリンダと吐出部とを示す概略説明図である。
【図4】配管形状変化による第4圧縮部のシリンダ内圧力を示すグラフである。
【図5】圧縮部(第1圧縮部)を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…第1圧縮部
2…第2圧縮部
3…第3圧縮部
4…第4圧縮部
4a…シリンダヘッド
4b…排出路
5、6…ヨーク
7…クランクシャフト
8…吐出部
8a…導入路
9、10…通気路
11…吐出管

Claims (2)

  1. 複数の圧縮部を備え、各圧縮部で圧縮した圧縮気体を特定の圧縮部のシリンダヘッドに送り込むと共に、前記特定の圧縮部で圧縮した圧縮気体を前記シリンダヘッドに排出して合流させ、前記特定の圧縮部の吐出部から吐出するように構成した多気筒1段圧縮機において、前記特定の圧縮部を除く圧縮部のうち少なくとも1つの圧縮部で圧縮した圧縮気体は、前記特定の圧縮部のシリンダヘッドに送り込まずに前記特定の圧縮部の吐出部に送り込むことを特徴とする多気筒1段圧縮機。
  2. 前記多気筒1段圧縮機は4気筒1段圧縮機であり、前記特定の圧縮機は第4圧縮部とし、第1圧縮部で圧縮した圧縮気体と、第2圧縮部で圧縮した圧縮気体とを合流して前記第4圧縮部のシリンダヘッド内に送り込むと共に、第4圧縮部で圧縮した圧縮気体を前記シリンダヘッドに排出して合流させ、第3圧縮機で圧縮した圧縮気体は前記第4圧縮部のシリンダヘッドに送り込まずに、当該シリンダヘッドに隣接配置された吐出部内に送り込み、この圧縮気体と、前記シリンダヘッド内で合流した圧縮気体とを合流させて前記吐出部から吐出することを特徴とする請求項1記載の多気筒1段圧縮機。
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