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JP4209100B2 - 電力変換装置のノイズ低減装置 - Google Patents
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JP4209100B2 - 電力変換装置のノイズ低減装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電源からの供給電力を交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置のノイズ低減装置に関し、特に供給電源側への伝導性の電磁妨害を抑制した電力変換装置のノイズ低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の電力変換装置を用いた伝導性ノイズの測定装置を示す回路構成図である。
図8において、1は3相(R、S、T相)の電力供給線を有する交流電源、2は交流電源1からグランドへの接地点である。
【0003】
4は電力供給線を介して交流電源1に接続された電力変換装置、5は電力変換装置4からの変換電力が供給される負荷である。
電力変換装置4は、交流直流変換部13、コンデンサ14および直流交流変換部15を備えている。
【0004】
交流直流変換部13は交流電圧を直流電圧に変換し、コンデンサ14は直流電圧を蓄積して平滑し、直流交流変換部15は、直流電圧を交流電圧に変換して負荷5に出力する。
【0005】
16は交流電源1から電力変換装置4への電力供給線に挿入された擬似電源回路網であり、3相の入力端子R、S、Tと、3相の出力端子U、V、Wと、接地点2へのグランド端子Gとを有し、電力変換装置4が発生する伝導性ノイズを測定するように構成されている。
【0006】
一般に、電力変換装置4は、入力側に挿入された擬似電源回路網16の出力端子U、V、W間への高周波電流からなるノイズ(すなわち、ノーマルモードノイズ)と、電力供給線と接地点2(接地線)との間に存在する浮遊キャパシタンスなど(図示せず)を介して流れる高周波電流によるノイズ(すなわち、コモンモードノイズ)とを発生させる。これらのノイズは、擬似電源回路網16により測定される。
【0007】
図9は一般的な擬似電源回路網16を概略的に示す回路構成図である。
図9において、100〜102はリアクトルであり、交流電源1からの各入力端子R、S、Tと、負荷5への出力端子U、V、Wとの間に、それぞれ挿入されている。
【0008】
103〜105は各出力端子U、V、Wに接続されたコンデンサ、106〜108は各コンデンサ103〜105に接続されて直列回路を構成する抵抗器であり、各直列回路は、それぞれ、出力端子U、V、Wと接地点2へのグランド端子Gとの間に挿入されている。
【0009】
次に、図10および図11を参照しながら、図9のように構成された疑似電源回路網16を用いたノイズ定量評価動作について説明する。
図10は一般的な擬似電源回路網16に対してノーマルモードで流れるノイズ経路を示す説明図、図11は擬似電源回路網16に対してコモンモードで流れるノイズ経路を示す説明図である。
【0010】
図10において、電力変換装置4が発生するノーマルモードでのノイズがU−V相間である場合には、太線矢印経路に高周波電流が流れる。
このとき、抵抗器106に電圧V6が発生するので、抵抗器106の両端間の電圧V6を測定することにより、ノイズを定量評価することができる。
【0011】
また、図11において、電力変換装置4が発生するコモンモードでのノイズにより、太線矢印経路に高周波電流が流れる。
この場合も、抵抗器106に電圧V6が発生するので、電圧V6を測定することにより、ノイズを定量評価することができる。
【0012】
なお、一般に、測定対象となる抵抗器106の電圧V6は、ノーマルモードおよびコモンモードの両方でのノイズが重畳して測定される。
また、従来より、上記のような電力変換装置4などが発生するノイズを低減するために、たとえばLCフィルタが用いられている。
【0013】
図12はLCフィルタを用いた従来の電力変換装置のノイズ低減装置を示す回路構成図であり、交流電源1と電力変換装置4との間にLCフィルタが挿入された状態を示している。
【0014】
図12において、110〜112は入力端子R、S、T側に挿入されたコモンモードリアクトル、116〜118は各コモンモードリアクトル110〜112の一端とグランド端子Gとの間に挿入されたコンデンサである。
コモンモードリアクトル110〜112およびコンデンサ116〜118は、コモンモードノイズ用フィルタを構成している。
【0015】
113〜115は出力端子U、V、W側に挿入されたリアクトル、119〜121は出力端子U、V、Wの各2相間に挿入されたコンデンサである。
リアクトル113〜115およびコンデンサ119〜121は、ノーマルモードノイズ用フィルタを構成している。
【0016】
しかしながら、図12に示した従来装置においては、電力変換装置4に供給される電流が、コモンモードリアクトル110〜112およびリアクトル113〜115に流れるため、各リアクトルが大きくなるうえ、ノーマルモードおよびコモンモードの2つの対策を個別に行う必要があるため、LCフィルタが大型化してしまう。
【0017】
一方、ノイズ低減装置の他の従来例として、たとえば、1998年1月発行の半導体電力変換研究会資料(SPC−98−43)の第63〜68頁に記載された「大容量PWMインバータのコモンモード電圧のアクティブ補償回路」があげられる。
【0018】
図13は上記文献に記載された従来の電力変換装置のノイズ低減装置を概略的に示す回路構成図である。
図13において、130は電力変換装置4の出力端子に接続された電圧検出回路であり、電力変換装置4が出力側で発生するコモンモードの電圧変動を検出する。
【0019】
131は電圧検出回路130の出力端子に接続されたハイパスフィルタ、132、133はハイパスフィルタ131の出力端子に接続された並列のトランジスタである。
【0020】
134〜137はコモンモードリアクトルであり、負荷5の3相の入力端子、トランジスタ132および133の出力端子に、それぞれ挿入されている。
34、35はトランジスタ132、133を駆動する直流電源であり、コモンモードリアクトル137とグランドとの接続点に接続されている。
【0021】
電圧検出回路130は、コモンモードノイズの原因となるコモンモードの電圧変動を検出し、ハイパスフィルタ131は、電圧変動の高周波成分のみを抽出する。
【0022】
トランジスタ132、133およびコモンモードリアクトル134〜137は、負荷5に対するコモンモード電圧印加回路を構成しており、コモンモードでの電圧変動の逆位相となる電圧を負荷5に印加する。
これにより、負荷5を介して発生するコモンモードの電圧変動が抑制され、コモンモードノイズが抑制される。
【0023】
しかしながら、図13に示した従来装置においても、電力変換装置4が供給する電流がコモンモードリアクトル134〜137に流れるため、各リアクトルが大きくなる。
【0024】
また、低減対象となるノイズモードがコモンモードのみであるため、ノーマルモードノイズを減少させることができず、ノーマルモードノイズ低減用のフィルタを別途に挿入しなければならない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電力変換装置のノイズ低減装置は以上のように、図12に示した装置では、コモンモードリアクトル110〜112およびリアクトル113〜115の各リアクトルが大きくなるうえ、LCフィルタが大型化するという問題点があった。
【0026】
また、図13に示した従来装置では、コモンモードリアクトル134〜137の各リアクトルが大きくなるうえ、ノーマルモードノイズ低減用のフィルタを別途に挿入しなければならないという問題点があった。
【0027】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、電力変換装置の供給電流がノイズ低減用のフィルタに流れないように構成することにより、フィルタの小型化を実現した電力変換装置のノイズ低減装置を得ることを目的とする。
【0028】
また、この発明は、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置を得ることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置は、複数の電力供給線を介して電源に接続され、変換電力を負荷に供給するための電力変換装置のノイズ低減装置であって、各電力供給線と接地線との間に挿入された静電容量要素と、静電容量要素の電圧を検出する電圧検出回路と、静電容量要素の電圧に応じた制御電流を各電力供給線側に供給する制御手段とを備え、制御手段は、制御電流により、静電容量要素に存在する高周波電圧成分を抑制するものである。
【0030】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置は、各電力供給線と接地線との間に挿入されたインピーダンス回路を備え、静電容量要素は、第1のコンデンサからなり、インピーダンス回路は、第2のコンデンサおよび抵抗器からなる直列回路からなり、制御手段は、第1のコンデンサの電圧に応じて、第2のコンデンサと抵抗器との接続点に制御電流を供給するものである。
【0031】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置は、各電力供給線と接地線との間に挿入されたコンデンサおよび抵抗器からなる直列回路を備え、静電容量要素は、各電力供給線と接地線との間の浮遊容量からなり、制御手段は、浮遊容量の電圧に応じて、コンデンサと抵抗器との接続点に制御電流を供給するものである。
【0032】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置による静電容量要素は、コンデンサからなり、制御手段は、コンデンサの電圧に応じて、制御電流を各電力供給線に直接供給するものである。
【0033】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置による静電容量要素は、各電力供給線と接地線との間の浮遊容量からなり、制御手段は、浮遊容量の電圧に応じて、制御電流を各電力供給線に直接供給するものである。
【0034】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置による制御手段は、ハイパスフィルタ、減算器、演算制御器および電流発生器を含み、ハイパスフィルタは、電圧検出回路の出力信号に含まれる高周波成分を通過させ、減算器は、ハイパスフィルタの出力信号をゼロ信号から減算し、演算制御器は、減算器の出力信号に基づいて電流指令値を算出し、電流発生器は、電流指令値に応じた電流値を制御電流として出力するものである。
【0035】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置は、各電力供給線と静電容量要素との接続点と電源との間に挿入されたインピーダンス要素を備え、インピーダンス要素には、電源の電圧と静電容量要素の電圧との差分電圧が印加されるものである。
【0036】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置によるインピーダンス要素は、リアクトルからなるものである。
【0037】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置による電源は、交流電源からなるものである。
【0038】
また、この発明に係る電力変換装置のノイズ低減装置による電源は、直流電源からなるものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック構成図であり、前述(図8参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0040】
図1において、3は第1のコンデンサ(以下、単に「コンデンサ」という)であり、交流電源1の各電力供給線と接地点2に接続された接地線との間に挿入されている。ここでは、煩雑さを回避するために、コンデンサ3は、1相分のみについて示されている。
【0041】
6は各電力供給線と接地点2(接地線)との間に挿入された第2のコンデンサ(以下、単に「コンデンサ」という)であり、コンデンサ3と同様に、1相分のみについて示されている。
【0042】
7はコンデンサ6の一端と接地点2との間に挿入された抵抗器であり、コンデンサ3とともに直列回路を構成している。
8はコンデンサ3の電圧V3を検出する電圧検出回路である。
【0043】
9は検出されたコンデンサ3の電圧V3のうち高周波成分を通過させるハイパスフィルタ、10はハイパスフィルタ9の出力信号V9をゼロ信号から減算する減算器、11は減算器10の出力信号に基づいて電流指令値Icom*を算出する演算制御器、12は電流指令値Icom*に応じた電流値Icomを制御電流として出力する電流発生器である。
【0044】
ハイパスフィルタ9、減算器10、演算制御器11および電流発生器12は、コンデンサ3の電圧に応じた制御電流Icomを各電力供給線側に供給するための制御手段を構成している。
この場合、制御電流Icomは、コンデンサ6と抵抗器7との接続点にを供給される。
【0045】
なお、ここでは、各相(3相)に対応した制御手段のうち、1相分の回路要素のみを示しているが、他の2相についても同様の構成であるため、図示を省略している。
【0046】
図2はこの発明の実施の形態1による制御手段(ハイパスフィルタ9、減算器10、演算制御器11および電流発生器12)を詳細に示す回路構成図である。図2において、20は入力端子に挿入されたコンデンサ、21はコンデンサ20と接地点2との間に挿入された抵抗器であり、これらはCR時定数回路からなるハイパスフィルタ9を構成している。
【0047】
22はコンデンサ20の一端に接続された抵抗器、23は抵抗器22の一端に接続された抵抗器である。
24は抵抗器22、23と関連して減算器10および演算制御器11を構成するオペアンプであり、抵抗器22の一端を反転入力とし、抵抗器23を反転入力端子へのフィードバック抵抗器としている。
【0048】
25、26、28、29、33は抵抗器、27、30は各抵抗器25、26、28、29に関連したオペアンプ、31、32はオペアンプ27の出力端子に接続された並列のトランジスタ、34、35はトランジスタ31、32を駆動する直流電源であり、これらは電流発生器12を構成している。
【0049】
抵抗器25は、接地点2とオペアンプ27の反転入力端子との間に挿入され、抵抗器26は、オペアンプ24の出力端子とオペアンプ27の非反転入力端子との間に挿入されている。
【0050】
抵抗器28は、オペアンプ30の出力端子とオペアンプ27の非反転入力端子との間に挿入され、抵抗器29はトランジスタ31および32の出力端子とオペアンプ27の反転入力端子との間に挿入されている。
【0051】
抵抗器33は、トランジスタ31および32の出力端子とオペアンプ30の非反転入力端子との間に挿入されており、抵抗器33の一端は、電流発生器12の出力端子となっている。
【0052】
なお、図2に示した電流発生器12は、たとえば1987年1月1日発行の「アナログIC活用ハンドブック」(CQ出版社)の第76〜77頁に記載された構成と同様なので、詳細説明を省略する。
【0053】
次に、図1に示したこの発明に実施の形態1による動作について説明する。
まず、電力変換装置4内の交流直流変換部13は、交流電源1から交流電力を得て直流電力に変換し、コンデンサ14は、変換された直流電力を蓄積する。
【0054】
コンデンサ14に蓄積された直流電力は、直流交流変換部15により任意の交流電力に変換されて負荷5を駆動する。
このような電力変換の過程において、電力変換装置4が高周波スイッチングを行うことは公知であり、スイッチングにともなって発生した伝導性ノイズは、接地点2に接続された接地線または電力供給線を介して交流電源1に現れる。
【0055】
そこで、交流電源1の各電力供給線に接続されたコンデンサ3は、伝導性ノイズの原因となる高周波電流をバイパスすることにより、交流電源1への伝導性ノイズを低減させる。
【0056】
電力変換装置4と交流電源1との間に挿入された擬似電源回路網16は、前述のように、交流電源1にて発生する伝導性ノイズを測定する装置である。
なお、伝導性ノイズの測定を行わずに、電力変換装置4を実際の運用に供させる場合には、擬似電源回路網16は取り除かれる。
【0057】
図1において、伝導性ノイズは、コンデンサ3が発生する高周波電圧に起因する。
したがって、制御手段は、コンデンサ6を介してコンデンサ3に高周波の制御電流Icomを注入し、コンデンサ3が発生する高周波電圧を抑制する。
【0058】
具体的には、電圧検出回路8によりコンデンサ3の電圧V3を検出し、ハイパスフィルタ9により高周波電圧成分V9を抽出し、抽出した高周波電圧成分V9をゼロとするために、ゼロの電圧指令と一致するように演算制御器11を動作させる。
【0059】
すなわち、演算制御器11は、高周波電圧成分V9をゼロとするための電流指令Icom*を電流発生器12に入力し、電流発生器12は、電流指令Icom*と一致した制御電流Icomを出力する。
【0060】
このとき、コンデンサ6と抵抗器7との接続点に流れ込む制御電流Icomは、高周波成分のみなので、そのほとんどがコンデンサ6を介して電力供給線に流れ、結果として、コンデンサ3に流れ込む。
【0061】
このように、制御電流Icomは、コンデンサ3に現れていた高周波電圧をゼロにするように作用し、これにより、擬似電源回路網16にて測定される伝導性ノイズが抑制されることになる。
【0062】
次に、図3を参照しながら、この発明の実施の形態1による伝導性ノイズの抑制動作について説明する。
図3はコンデンサ3の電圧V3、ハイパスフィルタ9の出力電圧V9および電流指令値Icom*の各波形を示す波形図である。
【0063】
図3において、コンデンサ3の電圧V3は、交流電源1の出力電圧に高周波電圧が重畳した波形となる。
なお、交流電源1の周波数は、高調波電圧からなるノイズ周波数よりもかなり低いので、ノイズ周波数が認識できるように拡大すると、おおむね直流電圧に近似することができる。
【0064】
したがって、図3のように、コンデンサ3の電圧V3は、直流電圧Aにノイズ周波数(高調波電圧)が重畳したように簡略化して示すことがきる。
ハイパスフィルタ9の出力電圧V9は、コンデンサ3の電圧V3の高周波成分を抽出した波形となる。
【0065】
演算制御器11は、ハイパスフィルタ9の出力電圧V9をゼロとするためのフィードバック制御を実行し、出力電圧V9の極性を反転した電流指令値Icom*を出力する。
【0066】
以下、前述のように、電流発生器12は、電流指令値Icom*に相当する制御電流Icomを直列回路の接続点に実際に注入してフィードバック制御することにより、コンデンサ3の電圧V3の高周波成分を抑制させる。
【0067】
このように、コンデンサ3の電圧V3の高周波成分を抑制し、ノーマルモードおよびコモンモードの区別なくノイズを低減することにより、電力変換装置4が発生して擬似電源回路網16で検出される伝導性ノイズを抑制することができる。
【0068】
また、コンデンサ3の電圧V3の高周波電圧のみを制御対象とすることにより、電流発生器12からの制御電流Icomを低電流出力とし、すなわち電流発生器12内のトランジスタ31、32の容量を小さくすることができ、低コスト化を実現することができる。
【0069】
さらに、コンデンサ6と抵抗器7との接続点に制御電流Icomを注入することにより、コンデンサ3に存在する交流電源1による低周波成分のほとんどがコンデンサ6に現れ、抵抗器7には高周波電圧のみが現れる。
【0070】
したがって、電流発生器12への印加電圧は、高周波電圧のみとなり、交流電源1が有する大きな振幅の低周波成分(基本波成分)が電流発生器12に印加されることはないので、電流発生器12の耐圧、すなわち直流電源34、35の電圧やトランジスタ31、32の耐圧を低く設定することができる。
【0071】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、コンデンサ6と抵抗器7との接続点に制御電流Icomを供給したが、各電力供給線に制御電流Icomaを直接供給してもよい。
【0072】
図4はこの発明の実施の形態2を示す回路構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「a」を付して、詳述を省略する。
【0073】
図4において、前述の実施の形態1と異なる部分は、電流発生器12aから出力される制御電流Icomaが各電力供給線に直接供給され、電流発生器12aの出力端子が擬似電源回路網16を介して交流電源1に接続されていることである。
【0074】
この場合、電流発生器12aにおいて、トランジスタ31、32(図2参照)の耐圧が大きく設定され、直流電源34、35の電圧が高く設定されていれば、図4のように、電流発生器12aの出力端子を交流電源1に直接接続することができる。
【0075】
このように、電流発生器12aの出力端子を交流電源1に直接接続することにより、図1に示した直列回路(コンデンサ6および抵抗器7)を省略することができるので、さらに低コスト化を実現することができる。
【0076】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、各電力供給線と接地点2(接地線)との間にコンデンサ3を挿入したが、コンデンサ3に代えて、各電力供給線と接地線との間の浮遊容量CFを用いてもよい。
【0077】
図5はこの発明の実施の形態3を概略的に示す回路構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「b」を付して、詳述を省略する。
【0078】
図5において、前述の実施の形態1と異なる部分は、コンデンサ3が省略されていることに加えて、交流電源1の各電力供給線と接地点2(接地線)との間に電圧検出回路8が直接接続されていることである。
【0079】
この場合、制御手段は、電圧検出回路8からの浮遊容量電圧VFに応じて、各電力供給線に制御電流Icombを流し、各電力供給線と接地線2との間の浮遊容量CFに存在する高周波電圧成分をゼロとする。
【0080】
図5のように、疑似電源回路網16(または、交流電源1)と接地点2との間に浮遊容量CFが存在する場合には、コンデンサ3の代替として浮遊容量CFを利用することができ、制御手段は、浮遊容量電圧VFに含まれる高周波電圧V9がゼロとなるように動作する。
【0081】
ここでは、制御電流Icombを直列回路内の接続点に供給したが、図4のように、各電力供給線に直接供給してもよい。
このように、電圧検出回路8に関連したコンデンサ3を省略することにより、さらに低コスト化を実現することができる。
【0082】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態1〜3では、電力変換装置4の入力側に擬似電源回路網16を挿入した状態で説明したが、インピーダンス要素(リアクトル)を挿入してもよい。
【0083】
図6はこの発明の実施の形態4を概略的に示す回路構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「c」を付して、詳述を省略する。
【0084】
図6において、前述の実施の形態1と異なる部分は、電力変換装置4の入力側に、疑似電源回路網16に代えて、リアクトル40〜42が挿入されていることである。
すなわち、リアクトル40〜42は、各電力供給線とコンデンサ3との接続点と交流電源1との間に挿入されている。
【0085】
前述のように、実際の電力変換装置4の運用にあたっては、伝導ノイズの測定器として機能する擬似電源回路網16が取り外され、交流電源1が直接的に電力変換装置4に接続される。
【0086】
このとき、交流電源1に系統インピーダンスが存在する場合には、コンデンサ3(または、コンデンサ3に相当する浮遊容量CF)の電圧V3と交流電源1との電圧差分が系統インピーダンスに印加されるので、コンデンサ3(または、浮遊容量CF)の高周波電圧を制御することができる。
【0087】
しかしながら、交流電源1に存在する系統インピーダンスがゼロの場合(または、十分な大きさでない場合)には、コンデンサ3(または、浮遊容量CF)に対して常に交流電源1の電圧がほぼそのまま印加されるので、コンデンサ3(または、浮遊容量CF)の高周波電圧を制御することができなくなる。
【0088】
これを回避するために、図6に示すように、交流電源1と電力変換装置4の間にリアクトル40〜42を挿入し、コンデンサ3(または、浮遊容量CF)の電圧V3と交流電源1との差分電圧をリアクトル40〜42に印加する。
【0089】
これにより、交流電源1に存在する系統インピーダンスが小さい場合でも、コンデンサ3(または、浮遊容量CF)の電圧V3の高周波成分を抑制することができ、交流電源1に現れる伝導性ノイズを抑制することができる。
【0090】
また、リアクトル40〜42は、高周波の差分電圧のみが印加されればよいので、従来(図9〜図12参照)のノイズ低減用(フィルタ用)リアクトルと比べて、小容量で低コストなもので実現することができる。
【0091】
実施の形態5.
また、上記実施の形態1〜4では、電力供給線が交流電源1からの電力供給線である場合を示したが、電力供給線を介して供給される電源が直流電源であっても同等の作用効果を奏する。
【0092】
図7はこの発明の実施の形態5を概略的に示す回路構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「d」を付して、詳述を省略する。
【0093】
図7において、直流電源1dからの直流電力は、正極および負極の電力供給線を介して電力変換装置4dに供給される。
電力変換装置4dは、電力供給線に接続されたコンデンサ14と、負荷5に交流電力を供給する直流交流変換部15とを備えている。
【0094】
この場合も、煩雑さを回避するために、コンデンサ3、直列回路(コンデンサ6および抵抗器7)および制御手段は、それぞれ1相分のみについて示されている。
【0095】
図7のように、電力変換装置4dへの供給電源として直流電源1dを用いた場合も、電力変換装置4dが発生する高周波ノイズによる電圧が直流電源1dの系統側に現れないようにすることができる。
【0096】
さらに、ここでは、実施の形態1(図1参照)の回路構成に直流電源1dを適用した場合を示したが、各実施の形態2〜4(図4〜図6参照)の回路構成に適用しても、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、複数の電力供給線を介して電源に接続され、変換電力を負荷に供給するための電力変換装置のノイズ低減装置であって、各電力供給線と接地線との間に挿入された静電容量要素と、静電容量要素の電圧を検出する電圧検出回路と、静電容量要素の電圧に応じた制御電流を各電力供給線側に供給する制御手段とを備え、制御手段は、制御電流により、静電容量要素に存在する高周波電圧成分を抑制して、電力変換装置の供給電流がノイズ低減用のフィルタに流れないように構成したので、フィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0098】
また、この発明によれば、各電力供給線と接地線との間に挿入されたインピーダンス回路を備え、静電容量要素は、第1のコンデンサからなり、インピーダンス回路は、第2のコンデンサおよび抵抗器からなる直列回路からなり、制御手段は、第1のコンデンサの電圧に応じて、第2のコンデンサと抵抗器との接続点に制御電流を供給するようにしたので、比較的簡単な回路構成でフィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0099】
また、この発明によれば、各電力供給線と接地線との間に挿入されたコンデンサおよび抵抗器からなる直列回路を備え、静電容量要素は、各電力供給線と接地線との間の浮遊容量からなり、制御手段は、浮遊容量の電圧に応じて、コンデンサと抵抗器との接続点に制御電流を供給するようにしたので、さらにコストダウンおよびフィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0100】
また、この発明によれば、静電容量要素は、コンデンサからなり、制御手段は、コンデンサの電圧に応じて、制御電流を各電力供給線に直接供給するようにしたので、比較的簡単な回路構成でフィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0101】
また、この発明によれば、静電容量要素は、各電力供給線と接地線との間の浮遊容量からなり、制御手段は、浮遊容量の電圧に応じて、制御電流を各電力供給線に直接供給するようにしたので、さらにコストダウンおよびフィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0102】
また、この発明によれば、制御手段は、ハイパスフィルタ、減算器、演算制御器および電流発生器を含み、ハイパスフィルタは、電圧検出回路の出力信号に含まれる高周波成分を通過させ、減算器は、ハイパスフィルタの出力信号をゼロ信号から減算し、演算制御器は、減算器の出力信号に基づいて電流指令値を算出し、電流発生器は、電流指令値に応じた電流値を制御電流として出力するようにしたので、比較的簡単な回路構成でフィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0103】
また、この発明によれば、各電力供給線と静電容量要素との接続点と電源との間に挿入されたインピーダンス要素を備え、インピーダンス要素には、電源の電圧と静電容量要素の電圧との差分電圧が印加されるようにしたので、電源に存在する系統インピーダンスが小さい場合でも、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0104】
また、この発明によれば、インピーダンス要素は、リアクトルからなるので、電源に存在する系統インピーダンスが小さい場合でも、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0105】
また、この発明によれば、電源は、交流電源からなるので、交流電源を用いた場合でも、フィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【0106】
また、この発明によれば、電源は、直流電源からなるので、直流電源を用いた場合でも、フィルタの小型化を実現するとともに、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノイズの両方を同時に低減することのできる電力変換装置のノイズ低減装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を概略的に示す回路構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による制御手段を詳細に示す回路構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による動作を示す波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を概略的に示す回路構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3を概略的に示す回路構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4を概略的に示す回路構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5を概略的に示す回路構成図である。
【図8】 従来の電力変換装置を用いた伝導性ノイズの測定装置を示す回路構成図である。
【図9】 一般的な擬似電源回路網を概略的に示す回路構成図である。
【図10】 一般的な擬似電源回路網に対してノーマルモードで流れるノイズ経路を示す説明図である。
【図11】 一般的な擬似電源回路網に対してコモンモードで流れるノイズ経路を示す説明図である。
【図12】 LCフィルタを用いた従来の電力変換装置のノイズ低減装置を示す回路構成図である。
【図13】 従来のコモンモードノイズ抑制装置の一例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 交流電源、1d 直流電源、2 接地点、3、6 コンデンサ、4、4d電力変換装置、5 負荷、7 抵抗器、8 電圧検出回路、9 ハイパスフィルタ、10 減算器、11、11a〜11d 演算制御器、12、12a〜12d 電流発生器、40、41、42 リアクトル、Icom*、Icoma*〜Icomd* 電流指令値、Icom、Icoma〜Icomd 制御電流、
V3 コンデンサの電圧、VF 浮遊容量の電圧。

Claims (10)

  1. 複数の電力供給線を介して電源に接続され、変換電力を負荷に供給するための電力変換装置のノイズ低減装置であって、
    前記各電力供給線と接地線との間に挿入された静電容量要素と、
    前記静電容量要素の電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記静電容量要素の電圧に応じた制御電流を前記各電力供給線側に供給する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記制御電流により、前記静電容量要素に存在する高周波電圧成分を抑制することを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。
  2. 前記各電力供給線と前記接地線との間に挿入されたインピーダンス回路を備え、
    前記静電容量要素は、第1のコンデンサからなり、
    前記インピーダンス回路は、第2のコンデンサおよび抵抗器からなる直列回路からなり、
    前記制御手段は、前記第1のコンデンサの電圧に応じて、前記第2のコンデンサと前記抵抗器との接続点に前記制御電流を供給することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  3. 前記各電力供給線と前記接地線との間に挿入されたコンデンサおよび抵抗器からなる直列回路を備え、
    前記静電容量要素は、前記各電力供給線と前記接地線との間の浮遊容量からなり、
    前記制御手段は、前記浮遊容量の電圧に応じて、前記コンデンサと前記抵抗器との接続点に前記制御電流を供給することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  4. 前記静電容量要素は、コンデンサからなり、
    前記制御手段は、前記コンデンサの電圧に応じて、前記制御電流を前記各電力供給線に直接供給することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  5. 前記静電容量要素は、前記各電力供給線と前記接地線との間の浮遊容量からなり、
    前記制御手段は、前記浮遊容量の電圧に応じて、前記制御電流を前記各電力供給線に直接供給することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  6. 前記制御手段は、ハイパスフィルタ、減算器、演算制御器および電流発生器を含み、
    前記ハイパスフィルタは、前記電圧検出回路の出力信号に含まれる高周波成分を通過させ、
    前記減算器は、前記ハイパスフィルタの出力信号をゼロ信号から減算し、
    前記演算制御器は、前記減算器の出力信号に基づいて電流指令値を算出し、
    前記電流発生器は、前記電流指令値に応じた電流値を前記制御電流として出力することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  7. 前記各電力供給線と前記静電容量要素との接続点と前記電源との間に挿入されたインピーダンス要素を備え、
    前記インピーダンス要素には、前記電源の電圧と前記静電容量要素の電圧との差分電圧が印加されることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  8. 前記インピーダンス要素は、リアクトルからなることを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  9. 前記電源は、交流電源からなることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
  10. 前記電源は、直流電源からなることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の電力変換装置のノイズ低減装置。
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