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JP4219995B2 - ジッパー付きカートンの製造方法 - Google Patents
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JP4219995B2 - ジッパー付きカートンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,ジッパーによる易開封性が付与されたカートンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からカートン、特にシールエンドカートンの胴部或いは天板等を所定の形状に開封しようとする場合にジッパーが多用されている。
図5は、従来のジッパー付きカートンの説明図である。図5(a)は前板と天板をS字形ジッパーJで、摘まみ片Tから連続して開封するジッパー付きカートン30−1の場合で、図5(b)は胴部パネルをまず平行して走るL字形ジッパーJで摘まみ片Tから水平に引き裂いてから両側板をミシン目Mで切り離すことによって、後板のヒンジ(図示せず)によってスウィングする被せ蓋が形成されるジッパー付きカートン30−2である。
これらジッパーJは、カートンの打ち抜き工程において、押し罫や打ち抜き刃と共にジッパーを構成する切り込みの形状に従って短い切れ刃によって形成される。
カートン打ち抜き工程においては、押し罫と切れ刃とをカートンブランク展開図どおりに台板に埋め込んだ打ち抜き型と、これを受ける雌型(カウンタープレート上にプレスボード)とを対向するように打抜機に取り付け、この両者の間に板紙を挟んで圧をかけて加工する。
打抜機には、平圧式と輪転式のものがあり、ロングランの作業には抜き型、雌型ともシリンダー状に加工された輪転式のものが使用される。しかし、極めてコストが高くなり、限定された大量生産によるカートンにしか使用されない。従って本発明によるジッパー付きカートンは、汎用性のある平圧式による加工を前提としている。
平圧式の場合の打ち抜き型は、カートンブランク図面を倣って、あるいはカートンブランク図形のデジタルデータに従って出力されるレーザー光で18mmの厚みの合板を積層した台板に溝を彫り、その中に片側が押し罫、切れ刃等になるように加工された帯状の鋼板を埋め込んで製造されている。
ジッパーJは短い切れ刃によって加工されるものであり、刃先がL字形、あるいはS字型の切り込みを形成し、それがジッパーJの引き裂き方向に一列に配列している。この刃先は、0.7mm厚、23.6mm幅の帯状の鋼板の一側端を研ぎ、L字、S字等に折り曲げ加工、焼き入れ等を行って仕上げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の図5に示すようなL字形、あるいはS字形の切り込みが配列するジッパーJによる開封の場合、カートンの摘まみ片Tを指で摘んでジッパーライン方向に正しく、慎重に引っ張れば問題なく開封できるが、開封の仕方には個人差があって、引っ張りの方向が左右いずれかに偏った場合、引き裂きの伝播がジッパーの切り込みに次々に正しく受け継がれず、途中からジッパーラインを外れて開封が不能になり、外れたところから板紙の層間剥離が広がってしまうケースが多い。また図5(b)のように細長い帯状片にカートンを引き裂く場合は、途中で帯状片がちぎれてしまう問題が生じる。この現象は、手首の使い方等に癖のある開け方をした場合に起き、また、ジッパーラインが曲線を描く場合には特に顕著に起きる。なお、カートンによく使用される、坪量が、160g/m2 以上のコートボール等では、板紙の抄造時に5〜6層の漉き合わせがなされているので、引き裂きがジッパーラインを外れた箇所から板紙の層間剥離が広がり易い。
この現象が起きると、付着している層間剥離部分を再度ジッパーから切り取ってやることが必要となり、煩わしく、また切り離されたジッパー周辺は美観を損なうという問題がある。
本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたもので、ジッパー引き裂き時に手元が狂って引き裂き方向がジッパーラインと一致しなくとも、また曲線状のジッパーラインであっても、その曲線のカーブの方向の如何を問わず、最後までジッパーラインどおりに開封可能なカートンの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明は、板紙製のカートンの所定の部分に複数の切り込みを形成して構成されるジッパーを設け、ジッパーを引き裂いてカートンの所定の領域を開封することができ、前記切り込みが、L字形の切れ刃Kを片側に有する連続した帯状の打ち抜き型A−1とY字の斜線部のいずれか一本に相当する短い切れ刃K’を片側に有する連続した帯状の打ち抜き型B−1の両者を、平行に、所定の間隔と曲率で、台板に埋め込んで仕上げた打ち抜き型を使用して、直線部と、その直線部の一方の端部から直線的に延びる2本の斜線部とからなるY字状に形成され、前記カートンの所定の部分に、前記切り込みの前記斜線部を開封方向の始端側に配列し、前記直線部を開封方向の終端側に配列して、前記ジッパーが設けられたジッパー付きカートンの製造方法であって、前記切り込みの2本の斜線部によって形成される角度を、60°〜90°とし、前記切り込みの直線部の長さが、直線部の他方の端部とその切り込みに隣接した他の切り込みの斜線部との間の最短距離の2〜3倍とすることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を図面を用いて、更に詳しく説明する。図1は、本発明によるジッパー付きカートンの説明図である。図1(a)は、斜視図であり、図1(b)はカートンブランクの一部展開図であるとともに実施例サンプルの寸法図である。図1に示すように、本発明によるジッパー付きカートン20には、1本の直線部とその一方の端部から直線的に延びる2本の斜線部とからなるY字状の切り込みが、所定のピッチで左右対称に曲線状に配列して構成されたジッパーJが天板の開封領域の両側辺に設けられている。従って、このジッパーJによって、摘まみ片Tを持ち上げると天板を楕円状に綺麗に開封することができる。
【0006】
図2は、ジッパーによる引き裂き状況の説明図である。
図2(a)は、従来のL字形ジッパーの場合であって、ジッパーが引き裂き方向(図(a)では上から下)に従って引き裂かれる時、縦の直線部の終点Pにかかる剪断応力の方向が左の矢印の方向に作用すると、繋ぎ部(終点Pから次の切れ線にいたる部分)は、板紙の層間剥離を起こしながら、引き裂かれ、次の切り込みの切れ線にぶつかれば、層間剥離は一端打ち切られ、次のP点から、また新たな引き裂きが繰り返され、配列したL字形切り込みに引き裂きが次々に伝播し、ジッパーラインに沿って引き裂くことができる。
しかるに、剪断応力の方向が右の矢印のように右側に作用すると、終点Pから起こる層間剥離を受け止める切れ線がないため、図2(a)の右図の斜線で示すように層間剥離部分Mは拡大して開封ができなくなることが往々にして起きる。
これに対して、本発明によるジッパー付きカートン20においては、図2(b)に示すように、直線部の終点Pにおいて作用する剪断応力の方向が左右いずれの方向に偏っても、それを受け止める次の切り込みの斜線部の切れ線が待ち構えているので、右図に示すように終点Pから始まる繋ぎ部の層間剥離層は必ず切断されて大きくならず、引き裂きは次々とY字形の切り込みに伝播し、最後まで綺麗にジッパーラインに沿った開封が可能となる。
【0007】
図2(c)は、好適なY字形の切り込みの説明図であって、2本の斜線部による角度αは、30°〜135°の範囲にあることが好ましく、望ましくは、60°〜90°である。
また、P点から次の切り込みまでの最短距離aに対して、直線部の長さbは1〜4倍の範囲にあることが好ましく、望ましくは2〜3倍である。
この両者は、また切り込みの設計上相関があり、一方だけを自由に変えることはできない。
角度αあるいは最短距離aが大きすぎると直線部の終点Pより起こる層間剥離を受け止められなくなって切り裂き不能となり、また、角度αと最短距離aが小さくなると引き裂き抵抗が少なくなり開封し易くなるが、カートンのジッパーJのあるパネル構造を弱くする問題がある。従って上記の範囲内での好ましい組み合わせでジッパーの設計を行う必要がある。
また、ジッパーにおける切り込みの大きさは、板紙の厚みに従って適宜決めればよい。一般に、カートンに使用される板紙の厚みは0.3〜0.6mmであって、例えば0.5mm厚の板紙(コートボール)の場合に、少なくとも最短距離aが0.7mmであることが構造上必要である。
また最短距離aには限界がある。後述するジッパー打ち抜き型では、型の段階では、0.2mmまでの加工は可能であるが、実際に打ち抜かれた製品では繋ぎ部が繋がらない結果となるからである。
【0008】
また、このようなY字形ジッパーが今日迄自由に使用できなかった理由は、平圧式の打ち抜き型の製造技術にある。すなわち、前述のように、板紙ブランクの打ち抜き型において、切れ刃は、すべて細長い帯状の鋼板の片側を加工したものであり、切れ刃と反対側は、台板の溝に埋め込まれている。従って埋め込まれる深さと長さが大きいほど、耐久性があり、板紙を打ち抜いた刃先を板紙から引き抜く時に切れ刃が台板から抜け落ちることがなくなる。しかるに、Y字形の切り込みを従来の方法で製作するとなると、Y字の上半分の斜線部の左右いずれか一本に相当する短い切れ刃を従来のL型の切れ刃に対して隣接して埋め込めばよいが、埋め込み幅がなさすぎて直ぐに抜け落ちてしまうという問題がある。
そこで、本発明によるジッパー付きカートン20の場合は、次に説明するような耐久性のあるジッパー打ち抜き型を使用している。
【0009】
図3は、Y字形ジッパーの打ち抜き型の一例を示す説明図である。このY字形ジッパーの打ち抜き型は、先ず、図3に示すように、従来のL字形の切れ刃Kを片側に有する連続した帯状の打ち抜き型A−1とY字の斜線部のいずれか一本に相当する短い切れ刃K’を片側に有する連続した帯状の打ち抜き型B−1の両者を、図3の平面図に示すように、平行に、所定の間隔と曲率(図示せず)で、台板に埋め込んで仕上げたものである。なお、埋め込まれる部分はUで示されている。図4は、Y字形ジッパーの打ち抜き型の他の例を示す説明図である。このY字形ジッパーの打ち抜き型は、長尺ではないが、切れ刃K,K’部より全長を倍近く長くした2種の打ち抜き型A−2,B−2を平面図に示すような配置でY字形になるように組み合わせて、台板に埋め込んで仕上げたものである。同じく埋め込み部はUで示されている。
【0010】
【実施例】
図1に示すような幅100mm、奥行き130mm、高さ30mmの本発明によるジッパー付きカートンの実施例サンプルを、丸井製紙(株)製、コートボール310g/m2 、厚み0.36mmの板紙を使用し、天板部に、前記の図3の打ち抜き刃を用いて、縦10mm,横0.66mmの大きさの構成単位を10個、曲率が100mmRになるように配列して作成した。一方において、従来のL字形のジッパーを設けた以外は全て同一仕様の試作例サンプルを作成し、カートンの開封比較テストを行った。以上の両サンプルによる引き裂き開封の結果は、実施例サンプルの場合は、いかなる開封方法でも最後まで完全にジッパーラインに沿って容易に開封できたが、試作例では慎重に開封しない限り途中でジッパーラインを外れてしまい完全な開封ができなかった。
【0011】
【発明の効果】
本発明によるジッパー付きカートンによれば、切り込みがY字形のジッパーを開封領域の周辺部に設けることによって、いかなる癖のある開け方をしてもジッパーラインどおりに、またそれが曲線であっても、正しく、容易に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるジッパー付きカートンの説明図
【図2】ジッパーによる引き裂き状態説明図
【図3】Y字形ジッパーの打ち抜き型の一例を示す説明図
【図4】Y字形ジッパーの打ち抜き型の他の例を示す説明図
【図5】従来のジッパー付きカートンの説明図

Claims (1)

  1. 板紙製のカートンの所定の部分に複数の切り込みを形成して構成されるジッパーを設け、ジッパーを引き裂いてカートンの所定の領域を開封することができ、前記切り込みが、L字形の切れ刃Kを片側に有する連続した帯状の打ち抜き型A−1とY字の斜線部のいずれか一本に相当する短い切れ刃K’を片側に有する連続した帯状の打ち抜き型B−1の両者を、平行に、所定の間隔と曲率で、台板に埋め込んで仕上げた打ち抜き型を使用して、直線部と、その直線部の一方の端部から直線的に延びる2本の斜線部とからなるY字状に形成され、前記カートンの所定の部分に、前記切り込みの前記斜線部を開封方向の始端側に配列し、前記直線部を開封方向の終端側に配列して、前記ジッパーが設けられたジッパー付きカートンの製造方法であって、
    前記切り込みの2本の斜線部によって形成される角度が、60°〜90°であり、前記切り込みの直線部の長さが、直線部の他方の端部とその切り込みに隣接した他の切り込みの斜線部との間の最短距離の2〜3倍であることを特徴とするジッパー付きカートンの製造方法
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