JP4221089B2 - シロキサンを含有する組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシロキサンを含有する組成物に関し、より詳しくは特定構造を持つシロキサン単独または該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物とを併用して表面処理された無機材料、特に磁性体粉末、および上記シロキサン単独または該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物との組合せと無機材料と有機材料からなる組成物、特に合成樹脂磁石材料(および該材料から成形される合成樹脂磁石)、ゴム組成物または封止材用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、工学および工業の著しい発展に伴い、各種材料に対する要求も複雑化、多様化、機能化および過酷化してきている。このような要求には単一の材料では対応しきれない場合が多く、諸要求特性に合わせて材料特性が発現されるように複数の材料を適切に構成した各種複合材料の開発・使用が行われてきた。代表的な複合材料としてガラス繊維と不飽和ポリエステルからなるガラス繊維強化プラスチック(FRP)をはじめ、熱可塑性強化プラスチック(FRTP)、人工大理石、合成樹脂磁石、レジンコンクリート、封止材、シェルモールド、ゴムおよびエラストマー、磁気テープ等が挙げられる。
【0003】
このような複合材料では有機材料と無機材料の界面での状態の良否が複合材料の諸特性に大きく影響を与えることが知られている。一般的に表面改質剤を使用して無機材料の表面を改質し、有機材料と無機材料の濡れ性および接着性の改善を行っている。この表面改質剤としてシラン系およびチタネート系のカップリング剤が一般的に使用されている。
これらのシランカップリング剤は同一分子中に2種以上の異なる反応基を有する有機シラン化合物であり、一方の反応基が無機材料表面と反応し、他方の反応基が有機材料と反応することにより、無機材料を改質するだけでなく、無機材料と有機材料とを結合させる作用を有する。そのため、シランカップリング剤は繊維強化プラスチックにおけるガラス繊維表面処理剤として使用されるのをはじめ、FRTP、人工大理石、合成樹脂磁石、レジンコンクリート、封止材、シェルモールド、ゴムおよびエラストマー、磁気テープ等の無機充填材または無機基材等の無機材料と有機材料とを組み合わせた複合材料において界面改質剤として使用される。さらにシランカップリング剤を複合材料に使用することにより、複合材料の機械的特性、電気的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性等の向上および改善に大きな役割を果たしている。
【0004】
しかしながら、無機材料の種類によっては、シランカップリング剤の持つ界面改質の作用効果に差があり、一部の無機材料に対してはシランカップリング剤が効果をほとんど示さないことが知られている。
例えばシランカップリング剤が有効に作用する無機材料としては石英、砂、ノバキュライト等の天然シリカ;湿式法シリカ、コロイダルシリカ、シリカエアロゲル等の合成シリカ;カオリン、マイカ、タルク、ウオラストナイト、石綿等の天然ケイ酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等の合成ケイ酸塩;アルミナ、水和アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム等の金属酸化物;アルミニウム、銅、ブロンズ等の金属、その他にフェライト系・SmCo系・NdFe系の磁性粉等の機能性無機材料等が挙げられる。これに対して、シランカップリング剤が有効に作用しないか、またはその作用効果が少ない無機材料としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩およびカーボンブラック等が挙げられる。
【0005】
これまで、このような無機材料の種類によって起こるシランカップリング剤の問題点を解消するため種々の手段が提案されてきた。
例えば、特公平3−17764号公報ではシランカップリング剤にアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンを併用することが提案されている。これは上記のシランカップリング剤の持つ欠点を解消する点では少しは効果があるものの、シランカップリング剤とオルガノポリシロキサンが無機固体粒子の表面に作用する際に、一方の成分の効果が得られても他方の成分の効果が十分に得られないという問題が生じ、その結果、複合材料の機械的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工性、加工成形性等の面で十分満足できるものではなかった。
また、特開平5−43696号公報では他の解決手段として下式で表される1分子中に加水分解基と反応性有機基を有する反応性オルガノポリシロキサンの使用が提案されている:
(式中、Y=有機反応性官能基、Z=縮合性シリルアルキル基、Q=ポリオキシアルキレン基、R=H,一価炭化水素基,ハロゲン化アルキル基、M=Y,Z,Q,R、o=0〜500、p,q,r=0〜200)。
これは前記したシランカップリング剤の持つ欠点を解消する点ではある程度の効果を示すものの、複合材料の機械的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性等の面では特公平3−17764号公報に開示の上記手段と同様に十分満足できるものではなった。
また、無機材料と有機材料からなる複合材料の機械的特性等を向上させるために、シランカップリング剤の使用が行われていたが、さらに曲げ強度等の靱性の向上、また、複合材料の製造時における流動性を付与させるために滑剤の使用等種々の提案がされてきた。例えば特公平6−89219号公報ではシランカップリング剤処理したガラス繊維にグリセリン処理することが提案されている。この手段により曲げ強度等の靱性の向上およびスパイラルフロー等の加工成形性の向上が認められるが、処理工程が増え作業効率が低下し、無機材料への濡れ性が悪いため層間剥離を起こしやすく、また、表面に析出する現象が生じていた。さらに、近年、成形時の加工温度が上昇してきているため、グリセリンが揮発・分解し、成形材料中にボイド等が発生する等の問題点があった。
さらに、特開昭60−223859号公報には、シランカップリング剤とポリジメチルシロキサンを併用する方法が記載されているが、ポリジメチルシロキサンは合成樹脂への相溶性が悪いため層間剥離を起こしやすく、しかも使用されるポリジメチルシロキサンは粘度が少なくとも2000mm2 /s(cSt)以上であり取扱いが困難であった。
かかる状況下に上述した従来のシランカップリング剤の持つ欠点の解消および得られる効果を向上させるため、従来のシランカップリング剤では効果が得られない無機材料に対しても有効であり、かつ、靱性等の機械的特性、加工成形性の改善効果が十分満足できるような処理剤の出現がFRP、FRTP、人工大理石、合成樹脂磁石、レジンコンクリート、シェルモールド、エラストマー、磁気テープ、ゴム組成物、封止材等の複合材料を製造および使用する分野で望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のシランカップリング剤では効果の得られなかった無機材料に対しても有効である特定構造を持つシロキサンを提供することであり、また、複合材料製造時において加工成形性が向上し、かつ、成形して得られる複合材料の機械的特性、特に曲げ強度等の靱性、耐水性、耐候性が向上する特定構造を持つシロキサンで処理した無機材料と該シロキサンを含有する組成物を提供することにある。さらに、FRP、FRTP、人工大理石、合成樹脂磁石、レジンコンクリート、シェルモールド、エラストマー、磁気テープ等の複合材料、特に合成樹脂磁石、ゴム組成物、封止材等の用途で非常に有用である、上記シロキサンを使用した複合材料を提供することをも本発明の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究の結果、特定構造を有するシロキサンを用いることにより上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ね本発明に到ったものである。
すなわち、本発明は、次式I:
〔式中、
aは0ないし2の整数、bは0ないし20の整数、cは1ないし100の整数を表し、
Rは炭素原子数1ないし20のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アラルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、アセトキシ基またはオキシム基を表すが、2個のRが存在する場合、それらは同じであっても、異なっていてもよく、
R’およびR”は互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、
Xは次式:
(式中、R1 、R2 およびR3 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし10のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、そしてdおよびeは互いに独立して0ないし5の整数を表す)で表される基を表し、そして
Yは炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、アセトキシ基またはオキシム基を表す〕で表されるシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を用いて表面処理された無機材料に関する。
【0008】
本発明はまた、上記シロキサンが次式II:
(式中、a、b、R、XおよびYは上で定義されたものと同じ意味を表す)で表される化合物と次式III:
(式中、R’およびR”は上で定義されたものと同じ意味を表し、そしてnは3ないし8の整数を表す)で表される化合物との反応により得られるポリシロキサンであるか、または上記式I中、RまたはYの少なくとも一方がアルコキシ基を表すシロキサンである上記の表面処理された無機材料に関する。
また、本発明は、上記いずれかのシロキサンと加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物を用いて表面処理された無機材料に関する。
本発明はまた、上記いずれかのシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を用いて表面処理(表面改質とも記載される)された磁性体粉末、および上記いずれかのシロキサンと加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物を用いて表面処理された磁性体粉末に関する。
さらに、本発明は、上記いずれかのシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種、無機材料および合成樹脂、合成ゴムまたは天然ゴムから選ばれる少なくとも一種の有機材料を含有する組成物、および上記いずれかのシロキサンおよび加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物、無機材料および合成樹脂、合成ゴムまたは天然ゴムから選ばれる少なくとも一種の有機材料を含有する組成物に関する。
また、本発明は、上記いずれかのシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種、磁性体粉末および合成樹脂を含有する合成樹脂磁石材料、および上記いずれかのシロキサンおよび加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物、磁性体粉末および合成樹脂を含有する合成樹脂磁石材料、さらには上記いずれかの合成樹脂磁石材料を成形して得られる合成樹脂磁石に関する。
本発明はさらに、上記シロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を無機充填材に対して0.01〜30重量%含有するゴム組成物、および上記シロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を無機充填材に対して0.01〜30重量%含有する封止材用樹脂組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるシロキサンは上記式Iで表される化合物である。
以下に式I中の各置換基について説明する。
Rは炭素原子数1ないし20のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イコシル基またはそれらの異性体;フルオロアルキル基、例えば少なくとも1個のフッ素原子で置換された上記アルキル基、例として−C2 H4 CF3 、−C2 H4 CF2 CF3 等;アリール基、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等;アラルキル基、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等;炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、第三ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基;アセトキシ基またはオキシム基〔次式:R1 R2 C=NO−(式中、R1 およびR2 は互いに独立して水素原子または上記アルキル基を表す)で表される基〕である。
また、aは0ないし2の整数、bは0ないし20、好ましくは0ないし6、特に好ましくは2または3の整数、cは1ないし100、好ましくは1ないし50、特に好ましくは1ないし10の整数である。なお、aが2である場合、2つのRは同じであっても、異なっていてもよい。
R’およびR”は互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、具体例としてはいずれもRに対して例示したものを挙げることができる。
Xは具体的にはビニル基、アミノ基、ジアミノ基、トリアミノ基、ウレイド基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、環状エポキシ基、メルカプト基またはイソシアネート基等である。
Yは炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、アセトキシ基またはオキシム基であり、具体例としてはいずれもRに対して例示したものを挙げることができる。
【0010】
上記式Iで表されるシロキサン中のシロキサン基(−Si−O−)の数はcの値で決まる。このシロキサンの物性を考慮した場合、cの値は上記したように、1ないし100の整数である。cの値が大きすぎると、シロキサンの分子量が大きくなり、高粘度となるため取扱性が悪くなるばかりでなく、無機材料表面への移行性が悪くなるので好ましくない。
また、本発明において使用されるシロキサンは、1分子中に少なくとも1個のアルコキシ基を有することが望ましい。特に、得られる複合材料の機械的強度を考慮した場合、1分子中に2個以上のアルコキシ基の存在が好ましい。アルコキシ基が少ない場合、無機材料との反応性が悪くなり、しかも無機材料中の分散性が低下するので好ましくない。
【0011】
上記式Iで表されるシロキサンの具体例として以下のものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない:
【0012】
本発明において使用される式Iで表される特定構造のシロキサンは、種々の方法により製造することができ、その方法は特に限定されないが、例えば上記式IIで表される化合物と上記式IIIで表される化合物とをアルカリ性化合物または酸性化合物の存在下で反応させることにより製造することができる。
【0013】
上記式IIで表される化合物は公知化合物であり、各置換基の具体例は式Iに対して列挙したものである。式IIで表される化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル−N’−(γ−トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0014】
本発明におけるシロキサンを製造するための、もう一方の原料である式IIIで表される化合物は重合度3〜8の環状ポリシロキサンであり、これもまた公知化合物である。式III中、R’およびR”の具体例としてはRに対して例示したものを挙げることができる。式IIIで表される化合物の具体例としては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラベンジル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13−テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11,13,13,15,15−ヘキサデカメチルシクロオクタシロキサン等を挙げることができる。
【0015】
式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物とを反応させる際に使用されるアルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヒドロキシド等が挙げられる。また、酸性化合物の具体例としては、硫酸、塩酸、リン酸、活性白土、塩化鉄等が挙げられる。この際の反応条件としては通常採用されている条件ならば特に限定されないが、例えば水酸化カリウムを使用する場合、反応温度90ないし150℃、反応時間3ないし24時間が望ましく、また、硫酸を使用する場合は反応温度0〜40℃、反応時間0.5〜12時間が望ましい。
上記アルカリ性化合物または酸性化合物は上記反応を押し進める上で一定量の存在を必要とするが、その使用量は式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物との合計量に対して0.001ないし10重量%程度が望ましい。
【0016】
式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物との反応生成物は反応終了後、常法に従い精製される。すなわち、上記アルカリ性化合物または酸性化合物の残留物を中和し、生成した塩を濾過するか、または加熱分解して分解物を減圧下にて留去する等の方法により除去する。また、未反応の原料は必要に応じて留去される。
【0017】
また、本発明におけるシロキサンは上記した製法例の他に、次の製法でも製造することができる。例えば、上記式IIIおよび下式IVで表される化合物を用いて前記反応を行うことにより得られる生成物と下式V〜VIIで表される化合物とを触媒の存在下、反応温度10〜150℃、反応時間0.5〜100時間で付加反応させることにより製造することができる。
(式中、R、X、Yおよびaは上で定義したものと同じ意味を表し、そしてfは0〜18の整数を表す)。
上記の製法に用いられる化合物の一つである式VIIで表される化合物の具体例としてアリルグリシジルエーテル、アリルメタクリレート、アリルアクリレート等を挙げることができるが、それらに限定されない。
さらに、上記触媒としてはNi、Rh、Pd、Pt等の第8族の遷移金属もしくはそれらの化合物または錯体を用いることができる。塩化白金酸等の白金触媒が比較的安価に入手できるため、これを用いることが好ましい。
【0018】
加水分解性基含有シラン化合物
本発明において上記の新規シロキサンと共に用いられてもよい加水分解性基含有シラン化合物は一般的にシランカップリング剤として広く市販されているものが使用できる。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−N’−(γ−トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルファン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N,N’−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン等も使用可能である。
さらに、有機材料との反応性は持たないが、相溶性の官能基を持つアルコキシシランも有効である。具体的な例として、例えばメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性トリメトキシシラン、ポリエーテル変性トリエトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
上記加水分解性基含有シラン化合物は使用される有機材料である合成樹脂やエラストマーの種類によって適宜選択される。
【0019】
加水分解生成物
本発明において加水分解生成物とは、本発明の式Iで表されるシロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物とを、少量の酸触媒、例えば酢酸、硫酸または塩酸等の存在下、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等を主とする溶剤中で水を添加しながら、アルコキシ基等を加水分解し、ケイ素原子に結合した水酸基を有するシリコーン化合物としたものを意味する。また、上記生成した水酸基の一部は更に脱水縮合してシロキサン結合を形成する。本発明においてはそのように生成した縮合物も加水分解生成物に包含される。なお、上記加水分解反応により得られる生成物は通常多種類の混合物となっており、その分子量は酸触媒の量や水の添加量等を調整することにより適宜制御できる。
本発明において、加水分解生成物が表面処理材として使用される場合、少なくとも1種を単独で使用しても、また少なくとも1種の加水分解生成物を少なくとも1種の式Iで表されるシロキサン、所望により加水分解性基含有シラン化合物と組み合わせて使用してもよい。
【0020】
無機材料
本発明で用いられる無機材料は射出成形積層、トランスファー成形、圧縮成形、コーティング、注型等の各種成形またはコーティング加工において使用されるために適した無機固体粒子であって、具体的にはシリカ、コロイダルシリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、フェライト等の酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム等の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、石膏繊維等の硫酸および亜硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ウオラストナイト、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、カオリン、石綿、ベントナイト、活性白土、砂、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、シリカ系バルーン等のケイ酸塩;アルミニウム、銅等の金属;カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素類、並びにチタン酸カリウム、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性体粉末(これを用いる場合については下で詳しく説明する)、チタン酸ジルコン酸鉛等が挙げられる。
本発明において使用される無機充填材もまた特に制限されず、上記無機材料の中から適宜選択される。そして、本明細書では無機充填材は無機材料に包含されるものとして説明されている。例えば、ゴム組成物のための無機充填材としてはカーボンブラック、ホワイトカーボン、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、亜鉛華等が挙げられ、そして封止材用樹脂組成物のためにはカオリン、タルク、シリカ粉末、ガラス粉末、ケイ酸カルシウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。
【0021】
有機材料
本発明で使用される有機材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性フェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、セルロース、フッ素樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム等の合成ゴムおよび天然ゴム、羊毛、麻、絹、木綿等の天然繊維、木材、紙等の植物加工品等を挙げることができる。
【0022】
組成物
無機材料は本発明の特定構造を有するシロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物とで表面処理される。処理手順は限定されないが、無機材料をシランカップリング剤で処理する従来方法により行うことができる。例えば、シロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物とで直接無機材料を処理する方法(直接処理法)や、有機材料と無機材料との混練り時にシロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物とを添加して、無機材料の表面処理と有機材料への配合を同時に行う方法(インテグラルブレンド法)等が利用できる。
直接処理法は上記シロキサンと無機材料または上記シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物と無機材料を混合攪拌することにより行われるが、予め、シロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物を有機溶媒や水系溶媒等の希釈剤に溶解または分散させて使用することが望ましい。例えば希釈剤としてアルコール系溶媒またはアルコール水溶液を用いることが好ましい。また、シロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物は、予め加水分解生成物としてから用いてもよい。
上記の混合攪拌を行う装置は特に限定されないが、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、スーパーミキサー等が使用できる。大きくシェアが加えられるヘンシェルミキサー等の混合機を使用すれば希釈剤を使用しなくとも混合は十分に可能である。また、回転ボールミル、振動ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて添加混合する方法も有効である。
希釈剤を用いて混合攪拌する場合、混合攪拌の後、希釈剤を除去しながら加熱処理を行うことにより無機材料表面にシロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物を十分に反応させる方法が有効である。この際の温度は200℃以下が好ましく、常圧下、減圧下または加圧下のいずれでもよいが、熱処理と同時に希釈剤を除去する場合は常圧以下で行うのが好ましい。特に、希釈剤なしでの混合攪拌は、混合攪拌中に加熱して上記シロキサンと無機材料または該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物と無機材料との縮合反応を進行させることが好ましい。また、攪拌熱で縮合反応を進行させることも可能である。
本発明の組成物で使用されるシロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物の使用量は、無機材料に対して0.01〜30.0重量%であることが望ましく、特に望ましくは0.1〜10.0重量%である。使用量が0.01重量%より少ないと複合材料の機械的強度、加工成形性の向上効果が十分に得られず、30.0重量%よりも多いと曲げ強度等の機械的物性が低下することがある。さらに、本発明のシロキサンを加水分解性基含有シラン化合物と併用する場合、シロキサン/加水分解性基含有シラン化合物の重量比は100/1〜1/100であることが好ましい。シロキサン/加水分解性基含有シラン化合物の重量比が1/100よりも小さい場合(加水分解性基含有シラン化合物が多い場合)、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩およびカーボンブラックに対して処理効果がほとんど無くなる傾向がある。
【0023】
本発明のシロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物により表面処理された無機材料は各種有機材料と混合・攪拌・混練することにより複合材料とすることができる。有機材料は前記したものの中から1種以上のものを適宜選択して使用することができる。混合・攪拌・混練する装置は特に限定されるものではなく、バッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ロール、一軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。先に無機材料を上記シロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物で処理することが効果的であるが、予め樹脂に上記シロキサンまたは該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物を添加しておく方法や混練時に上記シロキサンと無機材料および有機材料または上記シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物と無機材料および有機材料を混練する方法も有効である。また、混練時に各種添加剤や補助資材を加えることも可能である。各種添加剤や補助資材として安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、加工性改良剤、分散剤、中和剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、架橋助剤等が挙げられ、より具体的に例えばジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンとのグラフトまたは交互ブロック共重合体、反応性有機官能基変性ジメチルポリシロキサン(例えばアミノ変性,エポキシ変性,アクリル変性,メルカプト変性等)等である。混練は−50〜400℃の温度領域で行われるが、有機材料が熱硬化性樹脂の場合、樹脂の硬化が進まない温度領域を選択する。混合物に溶剤を添加している場合は混練と同時に溶媒回収を行う方法が有効である。なお、混練工程は必要でなく、スプレードライ等を用いて無機材料表面を処理したり、造粒体を形成させて成形時の加工性の良い材料とする方法も有効である。
【0024】
本発明における特定構造のシロキサンは有機材料と反応する官能基と無機材料と反応する官能基とを併せ持つため、シランカップリング剤と同様の性能を発揮するばかりでなく、さらに特別な分子骨格を有するため、シランカップリング剤の性能を発揮しにくかった材料に対しても有効にその性能を発揮することができる。
さらに、本発明の特定構造のシロキサンを配合した組成物はそれぞれの分野で行われている公知の加工方法によりさらに加工し使用できる。加工して得られた成形材料はその機械的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性等が改善されるため、特に無機材料と有機材料とを組み合わせたFRP、FRTP、人工大理石、合成樹脂磁石、レジンコンクリート、シェルモールド、エラストマー、磁気テープ等の各種複合材料の分野、特に合成樹脂磁石、ゴム組成物、封止材等を製造および使用する分野で有用である。
【0025】
磁性体粉末,合成樹脂磁石材料,合成樹脂磁石
本発明において使用される磁性体粉末は慣用の磁性体粉末、例えばストロンチウムフェライト、バリウムフェライト等のハードフェライト系磁石粉末、アルニコ系磁石粉末、希土類・鉄・ホウ素系磁石粉末である。
本発明の表面改質された磁性体粉末を製造する場合、上記式Iで表されるシロキサンと磁性体粉末との配合比は適宜選択し得るが、一般的には、シロキサン0.05〜10.00重量%、磁性体粉末99.5〜90.00重量%の範囲が好ましく、特にシロキサン0.3〜5.00重量%、磁性体粉末99.7〜95.0重量%の範囲が特に好ましい。シロキサンが少ない場合、合成樹脂との混練および成形時において磁性体粉末の分散性が著しく低下し、成形加工性の改善が得られず、また磁気特性の向上効果が薄い。一方、シロキサンが多過ぎる場合、製品外観が低下するほか、曲げ強度等の機械的物性が低下し、望ましくない。
【0026】
磁性体粉末の表面改質は通常この分野で行われている公知の方法で行われ得る。例えば、上記シロキサンと磁性体粉末を混合攪拌することにより行われるが、予めシロキサンを有機溶媒や水系溶媒等の希釈剤に溶解または分散した後に混合攪拌を行うことが好ましい。この場合の希釈剤としてはアルコール系溶媒またはアルコール水溶液が用いられる。また、磁性体粉末の表面改質処理に際し、添加剤、例えばシランカップリング剤やそのオリゴマー、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンとのグラフトまたは交互ブロック共重合体、反応性有機官能基変性ジメチルポリシロキサン(例えばアミノ変性,エポキシ変性,アクリル変性,メルカプト変性等)等、滑剤、脂肪酸およびその塩等を併用してもよい。
上記の混合攪拌を行う装置は特に限定されないが、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、スーパーミキサー等が使用できる。大きくシェアが加えられるヘンシェルミキサー等の混合機を使用すれば希釈剤を使用しなくとも混合は十分に可能である。また、回転ボールミル、振動ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて混合攪拌することもできる。
【0027】
希釈剤を用いて混合攪拌する場合、混合攪拌の後、希釈剤を除去しながら加熱処理を行うことにより磁性体粉末表面にシロキサンを十分に反応させる方法が有効である。
希釈剤なしで、または希釈剤と共に混合攪拌する場合の温度は200℃以下が好ましく、常圧下、減圧下または加圧下のいずれでもよいが、熱処理と同時に希釈剤を除去する場合は常圧以下で行うのが好ましい。また、希釈剤なしでの混合攪拌は、混合攪拌機または粉砕機中で加熱してシロキサンと磁性体粉末との縮合反応を進行させることが好ましい。なお、積極的な加熱を行うことなしに、攪拌熱で縮合反応を進行させることも可能である。混合攪拌の継続時間は適宜選択される。
【0028】
上記シロキサン、磁性体粉末および合成樹脂からなる合成樹脂磁石材料もまた本発明を構成する。この合成樹脂磁石材料は、上に記載した表面改質した磁性体粉末と合成樹脂の混合物をバッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ロール、1軸押出機、2軸押出機等を用いて−50〜300℃の温度領域で混合・攪拌・混練して得ることができる。このように予め磁性体粉末をシロキサンで処理しておくことが好ましいが、合成樹脂にシロキサンを添加しておき、これを磁性体粉末と混合する方法や、未処理の磁性体粉末、シロキサンおよび合成樹脂を混練する方法を採用することもでき、上記3成分が混合される方法であれば、その方法は制限されない。また、合成樹脂磁石材料にも、添加剤、例えばシランカップリング剤、アルコキシシランおよびそれらの加水分解生成物、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンとのグラフトまたは交互ブロック共重合体、反応性有機官能基変性ジメチルポリシロキサン(例えばアミノ変性,エポキシ変性,アクリル変性,メルカプト変性等)等、滑剤、脂肪酸およびその塩等を加えてもよい。
【0029】
本発明において使用される合成樹脂は特に制限されないが、従来合成樹脂磁石に使用されているいずれの合成樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、シリコン樹脂またはそれらの変性物等を単独で、または組み合わせて使用できる。
熱硬化性樹脂を用いる場合、混練温度は該樹脂の硬化が進行しない温度領域を選択する。合成樹脂磁石材料の製造の際に、溶剤を添加している場合は混練と同時に溶剤回収を行うことが有効である。なお、混練工程を行わずに、スプレードライ等を用いて磁性体粉末を処理したり、粒体を形成させて成形時に加工性の良好な材料とする方法等も有効である。
本発明の合成樹脂磁石材料の形態は特に制限されないが、上記のようにして各材料および必要に応じて配合される添加剤を加熱混練後、切断しペレット形状であることが、使用性等の点から好ましい。また、成形加工性等の点から、上記のようにスプレードライ等により得られる粒体であってよい。
【0030】
本発明の合成樹脂磁石材料は、主としてエレクトロニクス分野で使用される。本発明の合成樹脂磁石材料をこれらの用途に使用する場合、該材料はそれぞれの分野で行われている公知の加工方法により処理され得る。例えば、上記材料に成形処理を施して合成樹脂磁石を製造することができる。中でも高い磁気特性を有する合成樹脂磁石を製造する方法としては、磁場をかけながら行う圧縮成形、押出成形、射出成形等のいずれかの方法が挙げられる。特に圧縮成形法では表面平滑性および磁気特性に優れた合成樹脂磁石が得られる。
成形体は通常、さらに着磁を行って永久磁石としての性能を高める。着磁は慣用の方法、例えば静磁場を発生させる電磁石、パルス磁場を発生するコンデンサー着磁器等によって行われる。着磁を十分に行うための磁場強度は好ましくは10kOe以上、さらに好ましくは30kOe以上である。
本発明の上記合成樹脂磁石材料から得られる合成樹脂磁石もまた本発明を構成する。本発明の合成樹脂磁石は、エレクトロニクス分野を始めとする各種分野においてマグネットロール、モーター、スイッチ等として使用され得る。
【0031】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
シロキサンの合成例
合成例1
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの4つ口セパラブルフラスコに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン99.7g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン200.3g、25%ナトリウムメトキシド0.48gを加え、150℃で5時間攪拌した。50℃以下に冷却後、氷酢酸を0.24g加えて1時間さらに攪拌し、次いで減圧加熱下で未反応物を除去した後、濾過を行い生成物を得た。
得られた生成物の物性値を測定したところ、屈折率1.402、アミノ当量650(理論値665)であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(36H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.9(2H,Si−C−CH2 ),2.0H(9H,O−C−CH3 ),3.0(2H,N−CH2 ),4.0(6H,Si−OCH2 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量600のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンAと記載する)であることが確認された。
【0033】
合成例2
合成例1で使用したγ−アミノプロピルトリエトキシシランに代えてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン99.9g、また1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサンを200.1g使用した以外、合成例1と同様に反応を行った。
得られた生成物の物性値を測定したところ、屈折率1.425、アミノ当量321(理論値334)であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(36H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),3.0(6H,N−CH2 ),3.8(9H,Si−OCH3 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量600のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンBと記載する)であることが確認された。
【0034】
合成例3
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、ビニルトリエトキシシラン89.9g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン210.1g、水酸化カリウム0.5gを加え、100℃で6時間、還流攪拌した。反応液を冷却した後、酢酸を1.5g加えて攪拌し、減圧下で未反応物を除去した後、濾過した。このようにして屈折率1.402の生成物を得た。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(36H,Si−CH3 ),2.0(9H,Si−O−C−CH3 ),4.0(6H,Si−OCH2 ),6.1(3H,CH2 =CH−Si)。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量650のピークを示した。また、この化合物をIRで分析したところ、1600cm-1にビニル基に帰属される吸収を有していた。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンCと記載する)であることが確認された。
【0035】
合成例4
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン81.4g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン218.6g、硫酸9gを加え、常温にて7時間、攪拌した。炭酸水素ナトリウムを45g加えて攪拌し、減圧下で未反応物を除去した後、濾過した。
得られた生成物の物性値を測定したところ、屈折率1.411であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(54H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),2.0(5H,Si−C−CH2 ,C=CCH3 −CO),3.5(9H,Si−OCH3 ),4.2(2H,COO−CH2 −C),5.6(1H,CH2 =C),6.2(1H,CH2 =C)。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量900のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンDと記載する)であることが確認された。
【0036】
合成例5
合成例4で使用したγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代えてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン140.7g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン159.3gを使用した以外、合成例4と同様に反応を行った。
これにより屈折率1.431の生成物を得た。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(18H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.7(1H,HS−),1.9(2H,Si−C−CH2 ),2.5(2H,Si−C−CH2 ),3.8(9H,Si−OCH3 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量400のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンEと記載する)であることが確認された。
【0037】
合成例6
合成例4で使用したγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代えてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン68.2g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン231.8gを使用した以外、合成例4と同様に反応を行った。
これにより屈折率1.413の生成物を得た。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(54H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.7(1H,HS−),1.9(2H,Si−C−CH2 ),2.5(2H,Si−C−CH2 ),3.8(9H,Si−OCH3 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量850のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンFと記載する)であることが確認された。
【0038】
合成例7
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トリメトキシシラン107.8g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン392.2g、硫酸15gを加え、常温にて7時間、攪拌した。炭酸水素ナトリウムを75g加えて攪拌し、減圧下で未反応物を除去した後、濾過し、中間体を得た。
次に攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた500ミリリットルの4つ口セパラブルフラスコに、上記中間体241.6g、トルエン90gを加え、80℃に加熱した。80℃になったのを確認し、塩化白金酸1ppmを加え、アリルグリシジルエーテル58.4gを0.5時間かけて滴下し、その後、80℃で4時間攪拌した。次に反応溶液を冷却し、炭酸水素ナトリウムを1.5g加えて中和し,減圧下で未反応物および溶剤を除去し、濾過した。
このようにして得られた生成物の物性値を測定したところ、屈折率1.416であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(36H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.7(2H,Si−C−CH2 ),2.7(2H,O−CH2 −C−C−Si),3.2(2H,C−O−CH2 ),3.6(3H,O−CH2 −CH),3.8(9H,O−CH3 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量700のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンGと記載する)であることが確認された。
【0039】
合成例8
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、トリメトキシシラン77.4g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン422.6g、硫酸15gを加え、常温にて7時間、攪拌した。炭酸水素ナトリウムを75g加えて攪拌し、減圧下で未反応物を除去した後、濾過し、中間体を得た。
次に攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた500ミリリットルの4つ口セパラブルフラスコに、上記中間体255.6g、トルエン90gを加え、80℃に加熱した。80℃になったのを確認し、塩化白金酸1ppmを加え、アリルグリシジルエーテル44.4gを0.5時間かけて滴下し、その後、80℃で4時間攪拌した。次に反応溶液を冷却し、炭酸水素ナトリウムを1.5g加えて中和し,減圧下で未反応物および溶剤を除去し、濾過した。
このようにして得られた生成物の物性値を測定したところ、屈折率1.411であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(54H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.7(2H,Si−C−CH2 ),2.7(2H,O−CH2 −C−C−Si),3.2(2H,C−O−CH2 −),3.6(3H,O−CH2 −CH−),3.8(9H,−O−CH3 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量900のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するシロキサン(以下、シロキサンHと記載する)であることが確認された。
【0040】
合成例9
合成例1で使用したフラスコに、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン99.9g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン200.1g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.48gを加え、120℃で5時間攪拌した。次に150℃に加熱し触媒を分解した後、減圧下加熱して未反応成分を除去した。
得られた生成物の物性値を測定したところ、25℃での粘度25mm2 /s(cSt)、屈折率1.425、アミノ当量321(理論値334)であった。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量600のピークを示した。
【0041】
合成例10
合成例1で使用したフラスコに、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン109.4g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン190.6g、ナトリウムメトキシド0.48gを加え、150℃で5時間攪拌した。50℃以下に冷却後、氷酢酸を0.24g加えて1時間さらに攪拌し、次いで減圧加熱下で未反応物を除去した後、濾過を行い生成物を得た。
得られた生成物の物性値を測定したところ、25℃での粘度26mm2 /s(cSt)、屈折率1.485、アミノ当量689(理論値699)であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(36H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.9(2H,Si−C−CH2 ),3.0(2H,N−CH2 ),3.8(9H,Si−OCH3 ),7.2−7.5(5H,Ar−H)。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量650のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するポリシロキサン(以下、シロキサンIと記載する)であることが確認された。
【0042】
合成例11
合成例1で使用したフラスコに、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランの50重量%メタノール溶液163.0g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン137.0g、ナトリウムメトキシド0.48gを加え、150℃で5時間攪拌した。50℃以下に冷却後、氷酢酸を0.24g加えて1時間さらに攪拌し、次いで減圧加熱下で未反応物を除去した後、濾過を行い生成物を得た。
得られた生成物の物性値を測定したところ、25℃での粘度30mm2 /s(cSt)、屈折率1.405、アミノ当量692(理論値708)であった。また、この生成物の 1H−NMRの分析では次のようなスペクトルが観測された:δ(ppm)0.3(36H,Si−CH3 ),0.7(2H,Si−CH2 ),1.9(2H,Si−C−CH2 ),2.0(9H,O−C−CH3 ),3.4(2H,N−CH2 ),4.0(6H,Si−OCH2 )。上記生成物のGPCによる分析を行ったところ、スチレン換算で数平均分子量680のピークを示した。
以上のことから、得られた生成物は次の平均構造を有するポリシロキサン(以下、シロキサンJと記載する)であることが確認された。
【0043】
実施例1
合成樹脂としてポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、PPS樹脂と記載する)、無機材料として炭酸カルシウムを使用して複合材料を作成し、その物性を評価した。
具体的にはPPS樹脂(呉羽化学製)100重量部、平均繊維径0.8μm、平均繊維長25μm、平均アスペクト比31の炭酸カルシウム(丸尾カルシウム製)および各種表面処理剤を下の表1に示す配合比で加え、ブレンダーで2分間混合した後、これを押出機でシリンダー温度310℃にて溶融混練して押出し、PPS樹脂のペレットを作成した。次いで、このペレットを用いて1mmφ×10mmLのキャピラリーにより、温度310℃、剪断速度1200/secにおける溶融粘度を測定した。さらに、射出成形機でシリンダー温度320℃、金型温度150℃でASTM D638に準拠した引張試験片、およびASTM D790に準拠した曲げ試験片を成形し、引張強度および曲げ強度を測定した。評価結果は表1に記載した。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例2
合成樹脂として不飽和ポリエステル樹脂、無機材料としてガラスパウダーを使用して複合材料を作成し、その物性を評価した。
具体的には不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒製,商品名G−227)100重量部、表2に示す配合の表面処理剤で予め処理した、または未処理のガラスパウダー(フェロー製,商品名フリット3134)40重量部、メチルエチルケトンパーオキサイド(以下、MEKPOと記載する)1.5重量部およびナフテン酸コバルト1.5重量部を加え、十分混合し、減圧脱泡した後、型枠に注入し、室温で12時間硬化させ、さらに60℃にて6時間硬化させ、型から外し、5cm×5cmの大きさの試験片を作成した。該試験片を用いてJIS A5705に準拠して、煮沸を12サイクル行い、煮沸前後の試験片の光透過率の評価をJIS A5705に準拠して行った。さらに、曲げ強さの測定をASTM D638に準拠して行った。評価結果は表2に記載した。
【0046】
【表2】
【0047】
実施例3
(A)合成樹脂磁石として6−ナイロン、無機材料としてストロンチウムフェライト粉末を使用して複合材料を作成し、その物性を評価した。
具体的には6−ナイロン(宇部興産製)23重量部に、表3に示す配合の表面処理剤で予め処理した、または未処理のストロンチウムフェライト粉末(平均粒径1.20μm)200重量部を加え、十分攪拌混合し、その後、二軸混練押出機を用いて250℃で混練し、ペレット状の合成樹脂磁石材料を得た。この得られた合成樹脂磁石成形材料を加熱溶融して10kOeの磁場を印加した後、冷却固化して特性評価用の試験片を作成し、磁気および機械的強度を測定した。合成樹脂磁石材料のMI(メルトインデックス)の測定は275℃、荷重15.4kgの条件で測定を行った。得られた合成樹脂磁石成形体の磁気特性はBHトレーサーを用いて外部磁場140kOeで測定した。曲げ強さの測定をASTM D630に準拠して行った。評価結果は表3に記載した。
【0048】
【表3】
【0049】
(B)表面改質された磁性体粉末,合成樹脂磁石材料および合成樹脂磁石についての別の実施例を次に示す。
平均粒径1.1μmのストロンチウムフェライト粉末89.5重量%をヘンシェルミキサーで攪拌しながらシロキサンA(実施例3−3)、シロキサンI(実施例3−4)またはシロキサンJ(実施例3−5)0.5重量%を添加し混合した。それぞれのストロンチウムフェライト粉末とシロキサンとの混合物を乾燥機にて110℃で1時間加熱乾燥して、表面改質された磁性体粉末を得た。その後、再びヘンシェルミキサーにてこの表面改質された磁性体粉末に6−ナイロン10.0重量%を添加しさらに混合した。この混合物を2軸押出機を用いて250℃で混練押出し、ペレット状の合成樹脂磁石材料を得た。この合成樹脂磁石材料を加熱溶融して10kOeの磁場を印加した後、冷却固化して特性評価用の試験片を作成し、磁気特性および機械的強度を測定した。測定結果を合成樹脂磁石材料のメルトインデックス(MI)と共に下の表4に示した。
比較のために、上記においてシロキサンA、IまたはJの代わりにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量%用い、そしてストロンチウムフェライト粉末88.6重量%および6−ナイロン10.9重量%を配合した以外は上記と同様に試験片を成形し、各種特性値を測定した(比較例3−3)。測定結果を合成樹脂磁石材料のMIと共に下の表4に示した。
【0050】
【表4】
【0051】
実施例4
合成樹脂としてエポキシ樹脂、無機材料として石英粉を使用して複合材料を作成し、その物性を評価した。
具体的にはエポキシ樹脂(BAKELITE製,商品名ERL−2774)180重量部に、表5に示す配合の表面処理剤で予め処理した、または未処理の石英粉100重量部、無水テトラヒドロフタル酸65重量部、ベンジルジメチルアミン1重量部を加え、十分混合し、120℃で16時間硬化させ、さらに180℃にて1時間硬化させ、試験片を作成した。このASTM D150に基づいて作成した試験片を8時間煮沸前後の誘電率および誘電正接を測定した。評価結果は表5に記載した。
【0052】
【表5】
【0053】
実施例5
合成樹脂としてスチレン−ブタジエンゴム共重合ゴム(以下、SBRと記載する)およびブタジエンゴム(以下、BRと記載する)、無機材料として沈降シリカを使用して複合材料を作成し、その物性を評価した。
具体的にはSBR1712を100重量部、BRを30重量部、沈降シリカを70重量部、各種添加剤および各種表面処理剤を表6に示す配合で加え(表中の配合比率は全て重量部で示す)、バンバリーミキサーとロールを用いて混合混練し、コンパウンドを得た。該コンパウンドをそのtC90と同じ時間だけ160℃でプレス加硫し、物性を評価した。評価結果は表6に記載した。
【0054】
【表6】
【0055】
【発明の効果】
本発明における特定構造を有するシロキサンまたはその加水分解生成物は、シリカや磁性粉等の無機材料だけでなく、従来のシランカップリング剤ではその性能を発揮しにくかった炭酸カルシウム等の無機材料に対しても、表面改質効果を十分に付与し得るものである。また、上記シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物とを併用するか、それらの加水分解生成物を使用することにより、無機材料に対する、より高い表面改質効果が得られる。このように、上記シロキサン、該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物で表面処理された本発明の無機材料は、無機材料の種類に関係なく表面改質が十分になされているため、有機材料への充填率および分散性が高く、その結果、加工成形性が向上し、しかも得られる複合材料の靱性等の機械的特性や耐水性を改善することができる。
従って、本発明の特定構造を有するシロキサン、該シロキサンと加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物を使用した複合材料はFRP、FRTP、人工大理石、合成樹脂磁石、レジンコンクリート、シェルモールド、エラストマー、磁気テープ等をはじめとする各種複合材料、特に合成樹脂磁石、ゴム組成物、封止材等に対する複雑化、多様化、機能化、過酷化してきている要求に対応できるものであり、非常に有用であり、かつ好適である。
特に、本発明のシロキサンまたはその加水分解生成物を用いて表面処理(表面改質)された磁性体粉末は合成樹脂中への分散性に優れ、しかも合成樹脂中への高充填化が可能であり、さらに合成樹脂中への配向率を向上させることができるものであり、従来要望されていた機械的強度および成形加工性に優れた合成樹脂磁石のための磁性体粉末として適している。また、特定のシロキサンまたはその加水分解生成物、磁性体粉末および合成樹脂とからなる本発明の合成樹脂磁石材料は、最大エネルギー積等の磁気特性が優れ、かつ曲げ強度等の機械的特性にも優れるばかりでなく、成形加工時におけるメルトインデックスが高く、流動性に優れているため、成形加工性が非常に高い。このため、本発明の合成樹脂磁石材料から成形される合成樹脂磁石は高い成形加工性で得られ、しかも磁気特性および機械的強度に優れており、小型化、軽量化、高精密度化が求められているエレクトロニクス分野に幅広く使用できる。
Claims (13)
- 次式I:
〔式中、
aは0ないし2の整数、bは0ないし20の整数、cは1ないし100の整数を表し、
Rは炭素原子数1ないし20のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アラルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、アセトキシ基またはオキシム基を表すが、2個のRが存在する場合、それらは同じであっても、異なっていてもよく、
R’およびR”は互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、
Xは次式:
(式中、R1、R2およびR3は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし10のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、そしてdおよびeは互いに独立して0ないし5の整数を表す)で表される基を表し、そして
Yは炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、アセトキシ基またはオキシム基を表す〕で表されるシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を用いて表面処理された無機材料。 - シロキサンが上記式I中、RまたはYの少なくとも一方がアルコキシ基を表すものである請求項1または2記載の表面処理された無機材料。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンと加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物を用いて表面処理された無機材料。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を用いて表面処理された磁性体粉末。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンと加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物を用いて表面処理された磁性体粉末。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種、無機材料および合成樹脂、合成ゴムまたは天然ゴムから選ばれる少なくとも一種の有機材料を含有する組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンおよび加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物、無機材料および合成樹脂、合成ゴムまたは天然ゴムから選ばれる少なくとも一種の有機材料を含有する組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種、磁性体粉末および合成樹脂を含有する合成樹脂磁石材料。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンおよび加水分解性基含有シラン化合物またはそれらの加水分解生成物、磁性体粉末および合成樹脂を含有する合成樹脂磁石材料。
- 請求項9または10記載の合成樹脂磁石材料を成形して得られる合成樹脂磁石。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を無機充填材に対して0.01〜30重量%含有するゴム組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシロキサンまたはその加水分解生成物の少なくとも1種を無機充填材に対して0.01〜30重量%含有する封止材用樹脂組成物。
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