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JP4224459B2 - たばこ用フィルター - Google Patents
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Description

本発明は、たばこ主流煙中のアルデヒド類の量を低減できるたばこ用フィルターに関する。
たばこの喫煙に際して、喫煙者により吸引される主流煙中には様々な化学成分が存在する。これらの化学成分のうちホルムアルデヒドに代表されるアルデヒド類は通常のたばこ用フィルターでは吸着除去が難しいものであった。このため、たばこ主流煙中からアルデヒド類を除去することが要望されている。
従来、たばこ主流煙中のアルデヒド類を吸着して除去するために、フィルターなどに種々の添加剤を添加することが試みられている。
しかし、従来の添加剤を使用した場合には、たばこの喫味が悪くなるなどの問題があった。
本発明の目的は、たばこの喫味を悪くするなどの影響が少なく、しかもたばこ主流煙中のアルデヒド類を効果的に低減させることができるたばこ用フィルターを提供することにある。
本発明の一態様に係るたばこ用フィルターは、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と、保湿剤とを含有することを特徴とする。
本発明において、前記塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩は、アルギニン、アルギニン塩、リジン、リジン塩、ヒスチジン、ヒスチジン塩、オルニチン、オルニチン塩、シトルリン、シトルリン塩、ヒドロキシジン、ヒドロキシジン塩からなる群より選択される。本発明において、前記保湿剤は、グリセリン、プロピオン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムからなる群より選択される。
本発明のたばこ用フィルターにおいては、前記塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩が、3.5mg以上含有されていることが好ましい。
本発明のたばこ用フィルターにおいて、前記塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と前記保湿剤との比率は1:1から1:2の範囲であることが好ましい。
本発明のたばこ用フィルターを用いれば、たばこ主流煙中のアルデヒド類を効果的に低減させることができる。
本発明者らは、たばこ主流煙中のアルデヒド類を低減するための添加剤をさまざまな観点から検討した結果、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩が有効であることを見出した。塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩としては、たとえばアルギニン、アルギニン塩、リジン、リジン塩、ヒスチジン、ヒスチジン塩、オルニチン、オルニチン塩、シトルリン、シトルリン塩、ヒドロキシジン、ヒドロキシジン塩からなる群より選択されるものが用いられる。このうち、たとえばアルギニンおよびその塩などは食品添加物として認められている。
また、本発明者らは、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と保湿剤とを併用すると、たばこ主流煙中のアルデヒド類をより効果的に低減することができることを見出した。保湿剤としては、グリセリン、プロピオン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムからなる群より選択されるものが用いられる。
塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と保湿剤との担持体(フィルター素材)としては、アセテートトウ、紙、パルプ不織布など、通常のフィルターろ材を用いることができる。
本発明に係るたばこ用フィルターでは、以下のような機構によってたばこ主流煙中のアルデヒド類が低減すると考えられる。まず、たばこ主流煙中のアルデヒド類が、フィルターに担持されている保湿剤に保持されている水に溶解する。さらに、水に溶解したアルデヒド類は、フィルターに担持されている塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と反応してフィルター内に捕捉される。保湿剤はアルデヒド類を溶解させる水を安定に保持する作用を有する。
本発明のたばこ用フィルターにおいて、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩の含有量を3.5mg以上としたのは、この量より少ないとアルデヒド類の低減効果が十分に得られにくいためである。
本発明のたばこ用フィルターにおいて、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と保湿剤との比率を1:1から1:2の範囲としたのは、この範囲をはずれるとアルデヒド類の低減効果が十分に得られにくいためである。
フィルター素材に、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と保湿剤とを含有させるには、スプレー噴霧、ディッピング、ローラー転写などの方法を用いることができる。
また、フィルター素材に、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩および保湿剤に加えて、活性炭を組み合わせて含有させてもよい。
フィルターチップの形態は、プレーン、デュアル、トリプル以上のマルチセグメント、プラグ−スペース−プラグなどが可能であり、フィルターチップ中の一部または全てのセグメントに塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩および保湿剤を含有させることができる。
本発明のたばこ用フィルターは、シガレットのたばこ部の吸口側に取り付けられるフィルターでもよいし、シガレットホルダーのような喫煙治具の形態のフィルターでもよい。
以下の実施例において採用した、たばこ主流煙中のアルデヒド類の測定方法は、捕集物質として2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を用い、生成した誘導体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定するものである。この方法により同時に測定可能な対象物質は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、メチルエチルケトンおよびn−ブチルアルデヒドの8成分である。以下においては、測定対象物質であるアルデヒド類(カルボニル化合物)のうち、ホルムアルデヒドについて実施例を記述する。
まず、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)9.51gをアセトニトリル1Lに溶解し、60%過塩素酸5.6mLを加えて超純水で2Lにメスアップして捕集液を調製した。
図1を参照して測定装置の概要を説明する。図1に示すように、捕集用洗気瓶11にDNPH捕集液12を入れる。洗気瓶11の容量は250mLであり、DNPH捕集液12の量を100mL、デッドボリューム(dead volume)を150mLとした。この洗気瓶11を氷水バス13に入れて氷冷する。洗気瓶11内の捕集液12に、シガレット1が取り付けられるガラス管14の下端を浸漬する。洗気瓶11のデッドボリュームに連通するように、ガラス管15およびケンブリッジパッド(Cambridge pad)16を取り付け、ケンブリッジパッド16と自動喫煙器17とを接続する。
ガラス管14にシガレット1を取り付け、ISO準拠の標準喫煙条件でシガレット1を自動喫煙させる。すなわち、シガレット1本につき、空パフ1回で2秒間35mL吸煙する動作を58秒間隔で繰り返す。主流煙がバブリングしている間に、上記カルボニル化合物8成分はDNPHによって誘導体化される。測定用シガレットは2本とした。
上記のようにして生成した誘導体をHPLCによって測定する。まず、捕集液を濾過した後、Trizma Base液で希釈する(捕集液4mL:Trizma Base液6mL)。この液をHPLCで測定する。HPLC測定条件は以下の通りである。
カラム:HP LiChrospher 100RP-18(5μ)250×4mm
ガードカラム:HP LiChrospher 100RP-18(5μ)4×4mm
カラム温度:30℃
検出波長:DAD356nm
注入量:20μL
移動相:3相によるグラジエント(A液:アセトニトリル30%、テトラヒドロフラン10%およびIPA1%を含有する超純水水溶液、B液:アセトニトリル65%、テトラヒドロフラン1%およびIPA1%を含有する超純水水溶液、C液:アセトニトリル100%)。
図2の断面図を参照して、試料として用いたシガレットの構造を説明する。図2に示すように、このシガレットは、たばこ刻み21を巻紙22により巻装したたばこ部20と、フィルター31を成形紙32により巻装したフィルター部30とを、チップペーパー40によって取り付けたものである。フィルター材料としては、例えばセルロースアセテート繊維のトウを使用することができる。
塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩および保湿剤を添加した試験用フィルターを用いたシガレットを試験に供する際には、市販のタール6mgのシガレットからアセテートフィルターを切断してたばこ部を取り出し、これを試験用フィルターと接続して試料を作製した。試験用フィルターに塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩および保湿剤を添加するには、アトマイザーを用いた。
試験1
ベースフィルターとして長さ25mmのアセテートフィルターを用意した。また、ベースフィルターに水6.5mgを含有させた参照用の試験フィルターを用意した。さらに、ベースフィルターに水6.5mgおよび添加剤3.5mgを含有させた試験フィルターを用意した。添加剤としては、含窒素塩基性物質である、L−アルギニン、アルギニン−グルタミン酸塩、ギ酸ヒドラジド、アンモニア、アセトアミド、または尿素を用いた。
各々のフィルターを上記のたばこ部と接続し、上述した測定方法に従ってシガレット1本当りの主流煙中のホルムアルデヒド流出量(μg/cig)を測定した。その結果を図3に示す。図3から、ベースフィルターに水のみを含有させた場合よりもホルムアルデヒド流出量を低減できる添加剤として、塩基性アミノ酸であるL−アルギニンおよび塩基性アミノ酸塩であるアルギニン−グルタミン酸塩が特に有効であることがわかる。
なお、ホルムアルデヒド流出量を低減するには、フィルター中のL−アルギニンおよびアルギニン−グルタミン酸塩の含有量は3.5mg以上であることが好ましいことがわかっている。
試験2
ベースフィルターにL−アルギニン3.5mgを含有させ、さらに水の含有量を種々変化させた。このように水の含有量が異なるフィルターを上記のたばこ部と接続し、上述した測定方法に従って主流煙中のホルムアルデヒド流出量(μg/cig)を測定した。その結果を図4に示す。図4から、フィルター中のL−アルギニン含有量が3.5mgである場合、水含有量が5mg以上であれば、主流煙中のホルムアルデヒドを有効に低減できることがわかる。
試験3
ベースフィルターにL−アルギニンおよび保湿剤としてグリセリンを含有させ、フィルター中の水分の増加量を調べた。L−アルギニンの含有量は3.5mg、7.0mgまたは10.5mgとした。グリセリンの含有量は18mgまたは52mgとした。その結果を図5に示す。図5から、保湿剤(グリセリン)の含有量に従って、フィルター中に保持できる水分量を増加できることがわかる。
試験4
ベースフィルターにL−アルギニン3.5mgのみを含有させ、保湿剤を添加しない参照用の試験フィルターを用意した。また、ベースフィルターにL−アルギニン3.5mgと種々の保湿剤を含有させた試験フィルターを用意した。保湿剤としては、グリセリン、キシリトール、パントテン酸ナトリウム、PCAナトリウム、乳酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、D−マンノース、または塩化カルシウムを用いた。
各々のフィルターを上記のたばこ部と接続し、上述した測定方法に従ってシガレット1本当りの主流煙中のホルムアルデヒド流出量(μg/cig)を測定した。その結果を図6に示す。図6から、ベースフィルターにL−アルギニンのみを含有させた場合よりもホルムアルデヒド流出量を低減できる保湿剤として、グリセリン、乳酸ナトリウムおよびプロピオン酸ナトリウムが有効であることがわかる。また、これらの保湿剤はフィルター製造工程妥当性もある。
試験5
ベースフィルターにL−アルギニン3.5mgおよび保湿剤として乳酸ナトリウムをL−アルギニンに対して種々の比率で含有させた試験フィルターを作製した。このとき、L−アルギニンと乳酸ナトリウムとの比率は、1:1、1:2または1:3とした。
各々のフィルターを上記のたばこ部と接続し、上述した測定方法に従ってシガレット1本当りの主流煙中のホルムアルデヒド流出量(μg/cig)を測定した。その結果を図7に示す。図7から、ベースフィルターにL−アルギニンと乳酸ナトリウムを1:1または1:2の比率で含有させることにより、主流煙中のホルムアルデヒドを有効に低減できることがわかる。
図1は本発明の実施例において用いたたばこ主流煙中のホルムアルデヒドの測定装置を示す図。 図2は本発明の実施例におけるシガレットの断面図。 図3はフィルター中に添加される各種塩基性物質による、ホルムアルデヒド流出量を示す図。 図4はフィルター中にL−アルギニンとともに添加される水の量と、ホルムアルデヒド流出量との関係を示す図。 図5はフィルター中にL−アルギニンとともに添加されるグリセリンの量と、フィルター中の水分増加量との関係を示す図。 図6はフィルター中にL−アルギニンとともに添加される各種保湿剤による、ホルムアルデヒド流出量を示す図。 図7はフィルター中に添加されるL−アルギニンとグリセリンとの比率と、ホルムアルデヒド流出量との関係を示す図。

Claims (1)

  1. アルギニン、アルギニン塩、リジン、リジン塩、ヒスチジン、ヒスチジン塩、オルニチン、オルニチン塩、シトルリン、シトルリン塩、ヒドロキシジンおよびヒドロキシジン塩からなる群より選択される塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と、グリセリン、プロピオン酸ナトリウムおよび乳酸ナトリウムからなる群より選択される保湿剤とを含有し、前記塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩の含有量が3.5mgないし10.5mgであり、前記塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸塩と前記保湿剤との比率が1:1から1:2の範囲であることを特徴とするたばこ用フィルター。
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