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JP4226311B2 - モールの製造方法とその製造装置 - Google Patents
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モールの製造方法とその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱可塑性材料から所定横断面形状に形成された長尺のモール成形材の長手方向の端末部を加熱して軟化させた状態で、前記端末部を角部近傍が曲げ中心となるように裏面側に向けて曲げ加工した後、当該端末曲げ加工部の余剰部分を切断することで所定形状の端末カバー部を備えたモールを製造するモールの製造方法とその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性材料から所定横断面形状に形成された長尺のモール成形材(モール素材)の端末部をプレス成形(曲げ加工)する際、モール成形材の端末部を加熱軟化させることなく常温の状態で曲げ加工すると、その曲げ部分が損傷されたり、あるいは、モール成形材自体の弾性復元力によって所定の曲げ形状に形成することができない。
このため、従来、モール成形材の端末部を加熱装置によって加熱軟化した状態で曲げ加工(プレス成形)し、これによって所定形状の端末カバー部を備えたモールを製造するのが一般的である(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2966315号公報(第2−3頁、図1−9)
【非特許文献1】
発明協会公開技法公技番号98−6152号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固定型に対し可動型を型閉じしてこれら両型の成形面の間でモール成形材の端末部を曲げ加工して端末曲げ加工部(端末カバー部)を形成する方法においては、可動型を型閉じする際、その可動型の一部がモール成形材の端末部の表面(意匠面)に接しながら前進(型閉じ動作)する。
このため、端末曲げ加工部(端末カバー部)の表面(意匠面)に可動型による擦り傷等が発生し、見栄えを悪化させるという問題点があった。
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、モールの端末カバー部の表面に対する擦り傷等の発生を防止することができるモールの製造方法とその製造装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係るモールの製造方法は、熱可塑性材料から表裏両面を有する所定横断面形状に形成された長尺のモール成形材の略直線状の長手方向の端末曲げ加工部を加熱して軟化させた状態で、前記端末曲げ加工部を角部又はその近傍が曲げ中心となるように裏面側に向けて曲げ加工した後、前記端末曲げ加工部の余剰部分を切断して所定形状の端末カバー部を形成するモールの製造方法であって、
前記モール成形材の端末曲げ加工部の裏面に接して前記端末カバー部の裏面側を成形する成形面を一側面に有する固定型と、前記固定型に対し型閉じ及び型開き可能で且つ前記端末カバー部の表面側を成形する成形面を一側面に有する可動型とを備えた成形型装置を用い、
前記端末曲げ加工部に、最終的に形成される端末カバー部となる端末部と、この端末部の先端に前記余剰部分を形成するための所定長さの延長部とを有する長尺のモール成形材を準備し、
前記モール成形材の端末部及び延長部分を固定型の前記一側面から突出させた状態で同モール成形材を前記固定型にセットし、
前記端末部及び延長部分を加熱して軟化させた状態で前記可動型を前進させながら型閉じする際、前記可動型の前進方向先端部を前記延長部分に当接させ、前記当接部の移動軌跡を前記端末曲げ加工部の角部又は角部近傍を中心としこの中心から最終的に形成される前記端末カバー部の先端までの距離を半径とし且つ前記固定型にセットされた前記モール成形材の端末曲げ加工部の長手方向の線と最終的に形成される前記端末カバー部の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で前記端末部及び延長部分を前記モール成形材の裏面側に向けて曲げながら可動型を型閉じ位置まで前進させて、前記固定型の成形面と可動型の成形面との間に曲げられた端末曲げ加工部を形成し、
その後に、前記可動型に設けた切断刃を曲げられた前記端末曲げ加工部に向けて前進させて前記余剰部分を切断し、所定形状の端末カバー部を形成することを特徴とする。
【0006】
したがって、請求項1の発明に係るモールの製造方法によると、可動型の前進方向先端部とモール成形材の端末部の延長部分との当接部の移動軌跡を端末曲げ加工部の角部又は角部近傍を中心としこの中心から最終的に形成される端末カバー部の先端までの距離を半径とし且つ固定型にセットされたモール成形材の端末曲げ加工部の長手方向の線と最終的に形成される端末カバー部の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態を保って可動型が前進する。
前記したように、可動型を前進させてモール成形材の端末部及び延長部分を裏面側に向けて曲げることで、固定型と可動型の両成形面の間に曲げられた端末曲げ加工部を形成する。
このため、曲げられた端末曲げ加工部の余剰部分(モール成形材の延長部分から形成される部分)の表面に対してのみ可動型による擦り傷等が発生することがあるが、その他の部分には可動型による擦り傷等が発生しない。
その後、曲げ加工に継続して可動型に設けた切断刃を端末曲げ加工部に向けて前進させて端末曲げ加工部の余剰部分を切断することで、表面(意匠面)に擦り傷等がない外観美麗な端末カバー部(最終製品としてのモールの端末カバー部)を備えたモールを別途の切断工程を必要とせず効率よく製造することができる。
【0007】
請求項2の発明に係るモールの製造方法は、請求項1に記載のモールの製造方法であって、
動型の切断刃の配設位置よりもさらに先端側に押圧体を設け、
記可動型を前進さる際、前記押圧体をモール成形材の延長部分に当接させながら前記端末部及び延長部分を裏面側に向けて曲げ加工することを特徴とする。
したがって、請求項2の発明に係るモールの製造方法によると、固定型に対し可動型を前進させて型閉じする際、可動型の前進方向先端側に設けた押圧体をモール成形材の端末部の延長部分に当接させながら曲げ加工することで、最終製品としてのモールの端末カバー部の表面に押圧体との接触による痕跡が生じない。
【0008】
請求項3の発明に係るモールの製造方法は、請求項1又は2に記載のモールの製造方法であって、
可動型が型閉じしたとき、前記固定型と前記可動型の両成形面の間の間隔寸法をモール成形材の端末部の厚さ寸法よりも小さくなるように設定し、
前記固定型と前記可動型の両成形面の間で端末曲げ加工部を圧縮すると共に両成形型面に密着させることを特徴とする。
したがって、請求項3の発明に係るモールの製造方法によると、型を閉じたときに加熱軟化している材料が圧縮され、端末曲げ加工部の表面が可動型の成形面を転写した状態で外観美麗に形成される。
【0009】
請求項4の発明に係るモールの製造方法は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモールの製造方法であって、
第1材料からなる裏面側部と、この裏面側部の表面に積層一体化されかつ前記第1材料よりも熱変形温度及び硬度が高い第2材料からなる表面側部とを備えたモール成形材を用いることを特徴とする。
したがって、請求項4の発明に係るモールの製造方法によると、モール成形材の端末部及び延長部分を加熱して軟化させた状態で曲げ加工する際に、モール成形材の第1材料よりも熱変形温度及び硬度が高い第2材料がもつ特性によって、前記軟化状態にある端末部及び延長部分が自重で不測に変形(垂れ下がり)することが防止される。
このため、可動型が前進して型閉じする際に、その可動型の所定部分を延長部分に正確に接触させて端末部及び延長部分を所定の曲げ中心において曲げ加工することができる。
【0010】
請求項5の発明に係るモールの製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモールの製造方法であって、
モール成形材の端末部及び延長部分を曲げ加工する前に、裏面側部分を熱変形温度以上に加熱して軟化させ、表面側部分を裏面側よりも低い温度に加熱して軟化させることを特徴とする。
したがって、請求項5の発明に係るモールの製造方法によると、モール成形材の端末部及び延長部分を曲げ加工する際に、端末部及び延長部分の表面側部分が裏面側部分よりも軟化程度が低い状態に保たれることで、端末部の表面が損傷されることを防止することができる。
【0011】
請求項6の発明に係るモールの製造装置は、熱可塑性材料から表裏両面を有する所定横断面形状に成形され、長手方向の端末に略直線状の端末曲げ加工部が形成された長尺のモール成形材の前記端末曲げ加工部を加熱して軟化させ、前記端末曲げ加工部を前記モール成形材の裏面側に向けて曲げ加工した後、前記端末曲げ加工部の余剰部分を切断して所定形状の端末カバー部を形成するためのモールの製造装置であって、
前記製造装置は固定型と、固定型に対して開閉可能な可動型とからなり、
前記固定型は、曲げ加工時に前記端末曲げ加工部の裏面に接して前記端末カバー部の裏面側を成形する成形面が形成された一側面と、前記モール成形材をセットする際に端末曲 げ加工部を前記一側面から突出させた状態にセットして位置決めする長手方向の位置決め部とを備え、
前記可動型は、曲げ加工時に前記端末曲げ加工部の表面に接して前記端末カバー部の表面側を成形する成形面が形成された一側面と、前記固定型に向けて型閉じするときに前記モール成形材の端末曲げ加工部の端末部よりも更に先端側に形成された延長部分に当接して端末曲げ加工部を曲げる押圧用先端部と、前記押圧用先端部よりも後退した位置に固定型の前記一側面に向けて前進し前記延長部分から生じる余剰部分を切断する切断刃と、前記切断刃に連結されて同切断刃を進退動させる駆動源とを備えていることを特徴とする。
したがって、請求項6の発明に係るモールの製造装置によると、請求項1のモールの製造方法を容易に実施することができる。
【0012】
請求項7の発明に係るモールの製造装置は、請求項6に記載のモールの製造装置であって、
可動型には、固定型に対し前進して型閉じする際にモール成形材の延長部分に当接しながら、前記モール成形材の端末部及び延長部分を裏面側に向けて曲げ加工するための押圧体が、前記可動型の前進方向先端側でかつ同可動型の切断刃の配設位置よりもさらに先端側に位置して設けられていることを特徴とする。
したがって、請求項7の発明に係るモールの製造装置によると、固定型に対し可動型を前進させて型閉じする際、可動型の前進方向先端側に設けた押圧体をモール成形材の延長部分に当接させながら曲げ加工することで、最終製品としてのモールの端末カバー部の表面に押圧体との接触による痕跡が生じない。
【0013】
請求項8の発明に係るモールの製造装置は、請求項6又は7に記載のモールの製造装置であって、
可動型が型閉じしたとき、前記固定型と前記可動型の両成形面の間で端末曲げ加工部を圧縮すると共に両成形型面に密着させるために、前記固定型と前記可動型の両成形面の間の間隔寸法をモール成形材の端末部の厚さ寸法よりも小さくなるように設定してあることを特徴とする。
したがって、請求項8の発明に係るモールの製造装置によると、端末曲げ加工部の表面が可動型の成形面を転写した状態で外観美麗に形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
この発明の実施の形態1を図1〜図15にしたがって説明する。
図1はモールが車両のルーフパネルの上面に装着された状態を示す斜視図である。図2は図1のII−II線に沿う横断面図である。図3は図1のIII−III線に沿う横断面図である。図4はモールを一部破断して示す斜視図である。
図1〜図3に示すように、車両のルーフパネル1の両サイド部には、モール(この実施の形態1ではルーフサイドモール)10を装着するための前後方向に延びるモール装着溝2が凹設されている。このモール装着溝2は、上部寄りに段差面3を有する段差溝状に形成されている。そして、モール装着溝2は、その下部に横断面略あり溝状をなす下溝部4と、その下溝部4の上部開口において、段差面3を底部とする上溝部5とをそれぞれ備えている。
【0015】
図4に示すように、長手方向の端末部に端末カバー部11を一体に備えたモール10は、図5〜図8に示す長尺の押出成形材であるモール成形材15の長手方向端部の略直線状の端末部17がプレス成形によって曲げ加工されることで製造される。
また、図5〜図8に示すように、モール成形材15は、硬質(JISーK7215によるデュロメータ硬さがHDA80〜100程度)の熱可塑性材料(例えば、熱可塑性合成樹脂、熱可塑性エラストマー)の押出成形によって長尺に形成され、かつモール装着溝2に沿うモール本体(この発明の第1材料からなる裏面側部に相当する)20と、そのモール本体20の表面側の長手方向に沿って設けられかつモール本体20よりも硬度及び溶融温度が高い熱可塑性材料より形成された硬質(JISーK7215によるデュロメータ硬さがHDD40〜60程度)の意匠層(この発明の第2材料からなる表面側部に相当する)22と、を一体に備えている。
【0016】
また、この実施の形態1において、モール本体20は、その横断面において、装飾体21と、支持体23とを一体に有している。そして、装飾体21の表面側の長手方向に沿って意匠層22が層状に設けられている。
この意匠層22は、モール本体20の押出成形と同時に共押出による溶着で一体に形成することもできる。また、意匠層22を前記特性を有する材料から予めテープ状に形成し、そのテープ状の意匠層22をモール本体20成形用の押出成形用ダイに供給してモール本体20の押出成形と同時に、その装飾体21の表面に貼り付けることによって、モール本体20(装飾体21)の表面側の長手方向に沿って一体化することもできる。
【0017】
また、モール本体20の支持体23は、装飾体21の裏面から垂下状に形成された脚部24と、その脚部24の下端から左右方向にそれぞれ張り出された張出部25、26とを一体に有している。さらに、各張出部25、26の先端部には、モール装着溝2の下溝部4の両溝壁面に弾性変形して係合する弾性に富む軟質(JISーK7215によるデュロメータ硬さがHDA60〜80程度)の非発泡の熱可塑性材料又は発泡の熱可塑性材料よりなる弾性リップ27、28がそれぞれ延出されている。
また、この実施の形態1において脚部24の根元部近傍には、モール本体20の長手方向に連続しかつモール本体20の伸縮を防止するため本体材料よりも剛性及び耐伸縮性を有する金属板あるいはワイヤー等よりなる芯材30が埋設(インサート)されている。
【0018】
図5と図7に示すように、モール成形材15の端末部近傍16から端末部17にかけて、そのモール本体20の支持体23は、その脚部24の芯材30が埋設されている根元部近傍を残して他の部分、すなわち、脚部24の下半部及び張出部25、26が切断加工等によって除去されている。
また、図5と図8に示すように、モール成形材15の端末部17から後述する延長部分18にかけて、端末カバー部11を形成するのに充分な所定長さ寸法を有するとともに、モール本体20の装飾体21を残して他の部分、すなわち、脚部24の上半部も切断加工等によって除去され、装飾体21が残されている。
また、モール成形材15は、その端末部17の先端に、最終的に形成される端末カバー部11よりも所定長さだけ余剰部分19aを形成するための延長部分18を有して長尺直線状に形成されている。
【0019】
次に、前記したモール成形材15の端末部17及び延長部分18をプレス成形(曲げ加工)してモール10を製造するモールの製造装置(成形型装置ともいう)を図9と図10にしたがって説明する。
図9はモールの製造装置全体を簡略化して示す説明図である。図10は固定型にモール成形材がセットされた状態を示す説明図である。
図9と図10において、固定台51の上面の所定位置には、モール成形材15が位置決め固定されてセットされる固定型(下型)52が設置されている。
この固定型52上には、その上面と平行してモール成形材15の一般部の支持体23と、端末部近傍16の脚部24が上方から嵌込まれてモール成形材15の幅方向の位置ずれを阻止する第1の位置決め溝52aと、この第1の位置決め溝52aよりも浅い第2の位置決め溝52cとが段部52bを介してモール成形材15の長手方向に平行して形成されている。なお、段部52bはモール成形材15の長手方向の位置を決めるための突き当て部である。第1の位置決め溝52aの底面には、モール成形材15の長手方向の位置ずれを阻止してモール成形材15を固定するための先端が尖った複数の位置決め固定ピン53が突設されている。また、固定型52の一側面には、第1の位置決め溝52a及び第2の位置決め溝52cと角度θ(例えば90度)をなすように成形面520が形成されている。この成形面520は固定型52に可動型80が型閉じしたときにモール成形材15の端末部17の裏面側を形成するための成形面となる。
【0020】
図9に示すように、固定台51上には複数のガイドポスト55とガイドブッシュ56によって可動盤60が、ガイドポスト55と交差する方向への移動が阻止されて同ガイドポスト55の方向に進退動(例えば、上下動)可能に配設されている。この可動盤60は油圧シリンダー駆動のプレスラム58によって前進され、図示しない戻しばねの弾発力によって所定の後退端位置まで後退されるようになっている。すなわち、可動盤60は、モール成形材15の長手方向に沿う軸線を基準線とすると、その基準線に対し一定の方向(直交方向、例えば、上下方向)に進退動可能に配設されている。なお、図9中、符号57はガイドブッシュ56の戻しばねである。
【0021】
図9と図10に示すように、固定台51と対面する可動盤60の一側面(下面)には、固定台51に対し型閉じ及び型開き動作してモール成形材15の端末部17をプレス成形するための可動型(上型)80が配設されている。この可動型80は、固定型52に対し可動型80が型閉じしたときにモール成形材15の端末部近傍16を固定型52と協働して挟む狭持面80aと、その狭持面80aと角度(この実施の形態1では90度の角度)θで交差し、端末部17の表面側の曲げ面を成形する成形面800とを有している。したがって、固定型52と可動型80との間には、固定型52に対し可動型80が型閉じしたときにモール成形材15の端末部17を所定の曲げ角度θ(この実施の形態1では略直角)に曲げ加工する成形面520、800により成形空間(キャビティ)が形成される。
【0022】
また、この実施の形態1において、図17に示すように、固定型52に対し可動型80が所定の型閉じ位置に型閉じした状態において、固定型52と可動型80の両成形面520、800の間に端末曲げ加工部19を圧縮すると共に両成形面520、800に密着させて、固定型52と可動型80の両成形面520、800の間の間隔寸法をモール成形材15の端末部17の厚さ寸法よりも僅かだけ小さくなるように設定してある。
また、図14〜図17に示すように、可動型80は、固定型52に向けて型閉じするときに固定型52にセットされたモール成形材15の延長部分18に当接しかつ裏面側に向けて曲げ加工する押圧用先端部801と、押圧用先端部801よりも後側に位置した部分において進退可能に設けられかつ端末部17及び延長部分18の曲げ加工部である端末曲げ加工部19に向けて前進して余剰部分19aを切断する切断刃805と、を備えている。
この実施の形態1において、可動型80の前進方向先端側に位置して押圧用先端部801として機能する押圧体802が一体に設けられている。
また、切断刃805は、可動型80の押圧体802上側に形成されたガイド孔に沿って進退可能に組み付けられ、流体圧シリンダ810等を駆動源として進退動作されるようになっている。
【0023】
図9と図10に示すように、可動型80は、可動盤60の一側面に案内レール75による案内機構によって同可動盤60の進退方向に直交する方向、すなわち上下方向に直交する横方向に移動案内されるようになっている。
また、可動型80は、モータ、流体圧シリンダ等を駆動源とする駆動機構によって、可動盤60の進退動作時にその可動盤60の進退方向に直交する方向に進退動作されて固定型52に対し型閉じ及び型開き動作する。すなわち、固定型52に対し可動型80は、可動盤60の進退方向とそれに直交する方向との合成方向である斜め方向に進退動作して型閉じ及び型開き動作するようになっている。また、可動型80の進退動速度を制御することにより、いかなる方向にも固定型52に対して接近、離反できる。
また、可動型80の前進方向先端部に位置する押圧体802とモール成形材15の延長部分18との当接部の移動軌跡を端末曲げ加工部19の角部又は角部近傍(図14において、曲げ中心位置P)を中心としこの中心から最終的に形成される端末カバー部11の先端までの距離を半径とし且つ固定型52にセットされたモール成形材15の端末曲げ加工部19の長手方向の線と最終的に形成される端末カバー部11の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で端末部17及び延長部分18をモール成形材15の裏面側に向けて曲げながら可動型80を型閉じ位置まで前進させて、固定型52の成形面520と可動型80の成形面800との間に曲げられた端末曲げ加工部19を形成するようになっている。
【0024】
この実施の形態1において、可動型80の駆動機構は、駆動源としての電動モータ(例えば、サーボモータ)71と、電動モータ71の回転動が直線運動に変換されて移動される送り軸72とを備えている。そして、送り軸72の先端部が可動型80に連結されている。
また、可動盤60の進退量に応じて、その可動盤60の進退方向に直交する方向に可動型80が所望とする進退量において移動制御されるように、モータ71は、制御装置90によって作動制御される。なお、固定型52に対し可動型80を型閉じする際、大きな型閉じ力を必要とするときには可動型80を移動させる機構として、前記機構に代えてボールネジを用いた送り機構を用いると、型閉じ時に可動型80が移動方向と逆方向に押し戻されることがないので好ましい。
【0025】
また、固定台51と可動盤60とのうち、一方の部材には可動盤60の進退量を計測する可動ゲージ軸85が設けられ、他方の部材には、可動ゲージ軸85の位置を検出する検出器86が設けられている。そして、検出器86の検出信号が制御装置90に送られ、その検出信号に基づいてモータ71が予め設定されたプログラムに基づいて作動制御されるようになっている。すなわち、可動型80の移動軌跡は前記プログラムによって決定される。
なお、プレスラム58を駆動する油圧シリンダーに接続されている油圧経路に設けられた切換弁(電磁弁)87は制御装置90によって切換制御されることで、プレスラム58を上昇又は下降させるようになっている。
また、可動型80の内部には、同可動型80を一定の温度に保つための冷媒が供給される冷媒流路82が必要に応じて内設されている(図10参照)。また、固定型52にも同様にして冷媒流路が形成されているが図示は省略されている。
【0026】
可動盤60の所定位置には、曲げ加工される端末部17以外の部分でモール成形材15の所定位置を押さえて長手方向の位置ずれを防止する押え手段(ストリッパー)が配設されている。
この押え手段は、図10に示すように、可動盤60の所定位置に貫通して進退可能に設けられ、その一端(下端)に押え板61aを有し、他端(上端)にストッパ板61bを有する軸状の押え体61と、その押え体61の軸回りにおいて、押え板と可動盤60との間に弾性伸縮可能に設けられかつ押え体61を弾発する圧縮コイルばねよりなる押圧ばね62と、を備えて構成されている。
また、図10に示すように、固定台51と可動盤60との間には、可動盤60を前進端位置(下死点)で停止させるストッパ手段が配設されている。
この実施の形態1において、ストッパ手段は、固定台51側に固定状態で配置される固定ストッパ体66と、可動盤60側に進退可能にねじ込まれかつ締付ナット69によって所望とする位置に移動調整可能に固定される調整用ストッパ体67とを備えて構成されている。そして、調整用ストッパ体67が任意に移動調整されることで、可動盤60の前進端位置(下死点)が任意に調整されるようになっている。
【0027】
固定台51上には、固定型52にセットされたモール成形材15の端末部17を加熱軟化させるための加熱装置が固定型52の一側に隣接して設置されている。加熱装置としては赤外線加熱装置が用いられている。
また、この実施の形態1においては、赤外線加熱装置として近赤外線加熱装置101が用いられている。
図9と図10に示すように、近赤外線加熱装置101は、近赤外線ランプ(例えば、ハロゲンランプ)102と、その近赤外線ランプ102の光を集めて焦点を形成するように反射する反射鏡103とを備えている。これにより、近赤外線ランプ102の光をモール成形材15の加熱に必要とする領域にだけ照射できて、他の加熱不要部分を加熱することが防止されるようになっている。
また、この実施の形態1においては、反射鏡103の焦点距離よりも離れた位置でモール成形材15の端末部17におけるモール本体20の装飾体21の裏面側の要加熱領域にだけ略均一に近赤外線を照射するように、固定型52にセットされたモール成形材15の端末部17の位置と近赤外線加熱装置101の近赤外線ランプ102との距離が設定されている。これにより加熱に要するエネルギーが効率的に用いられ、また加熱不要部分であるモール成形材15の一般部や可動型80には前記光が照射されず、好ましくない温度上昇を防止できる。
【0028】
また、この実施の形態1において、モール成形材15の端末部17におけるモール本体20の装飾体21の裏面側に近赤外線を照射する際、近赤外線の照射を時間の経過と共に断続させ、また照射量を時間の経過と共に大小に交互に変化させ、モール本体20の装飾体21の裏面を輻射によって加熱し、表面側の意匠層22に向けて伝導による加熱によって略均等に加熱させるようになっている。
例えば、図12に示すように、近赤外線ランプ102の出力を時間の経過にともなって波形状をなすように制御したり、あるいは、図13に示すように、近赤外線ランプ102に対する電源を時間の経過にともなってON・OFF制御することによって近赤外線の照射量を時間の経過と共に大小に交互に変化させることができる。
【0029】
次に、前記したモールの製造装置の作用説明とともに、モールの製造方法を図10〜図17にしたがって説明する。
まず、図5に示すように、長手方向の端末部17の先端に、最終的に形成される端末カバー部11よりも所定長さだけ長い余剰部分19aを形成するための延長部分18を有する長尺のモール成形材15を準備する。
次に、図10に示すように、可動盤60が後退端位置に配置され可動型80が型開きされた状態において、図5と図10に示すように、モール成形材15の一般部と端末部近傍16との境界部の段差部25aを固定型52の第1、第2の位置決め溝52a、52cの段差部52bに突き当てて長手方向の位置決めをしながら、固定型52の第1、第2の位置決め溝52a、52cにモール成形材15の一般部の支持体23と、端末部近傍16の脚部24の上半部とがそれぞれ嵌込まれる。この際、位置決め溝52aの底面の複数の位置決め固定ピン53によってモール成形材15が仮固定されてセットされる。
前記したようにモール成形材15をセットする際、モール成形材15の端末部17及び延長部分18は固定型52の一側からはみ出してセットされ、また、端末部17と端末部近傍16との境界部の段差部24aをなす脚部24の端面が固定型52の一側から僅かに出っ張った状態となり、この段差部24a、すなわち脚部24の端面は、後に端末部17裏面と溶着される。
【0030】
ここで、近赤外線加熱装置101の近赤外線ランプ102が点灯(ON)される。すると、モール成形材15の端末部17におけるモール本体20の装飾体21の裏面側に近赤外線ランプ102が発する近赤外線が照射される(図10と図11の矢印参照)。ここで、近赤外線の照射幅が端末部17の幅と略一致するかあるいは端末部17の幅よりもやや広い幅に照射するのが好ましい。
これによって、モール成形材15の端末部17において、その意匠層22がモール本体20の装飾体21よりも軟化程度が低い状態を保ってモール成形材15の端末部17が加熱軟化される。
【0031】
また、近赤外線を照射する際、図12に示すように、近赤外線ランプ102の出力を時間の経過にともなって波形状をなすように制御したり、あるいは、図13に示すように、近赤外線ランプ102に対する電源を時間の経過にともなってON・OFF制御することによって近赤外線の照射量を時間の経過と共に大小に交互に変化させることが望ましい。
この場合、モール成形材15の端末部17及び延長部分18において、モール本体20の装飾体21がその裏面から表面側の意匠層22に向けて輻射による加熱と伝導による加熱によって略均等に軟化される。このとき、意匠層22は、前記した材料特性により、仮に装飾体21と同一温度に加熱されても装飾体21よりも軟化程度が低い状態を保つ。
また、モール成形材15の端末部17及び延長部分18を曲げ加工する際に、端末部17の表面側部分の意匠層22の温度が裏面側部分のモール本体20(装飾体21)の温度よりも低い状態に保たれることが望ましい。これにより、その後の曲げ加工時において、端末部17の意匠層22の表面が損傷されることを防止することができる。
【0032】
その後、近赤外線の照射を停止しかつモール成形材15の端末部17が軟化状態にある間に、プレスラム58によって可動盤60が前進(この場合下降)端位置に向けて前進される。
まず、可動盤60が所定位置まで前進され、押え体61の押え板61aがモール成形材15の意匠層22に最初に当接する。引き続く可動盤60の前進動作によって押圧ばね62が弾性的に圧縮され、その押圧ばね62の弾発力によって押え体61を介してモール成形材15が固定型52に押し付けられる。これによって、固定ピン53がモール成形材15の支持体23の底面に食い込み、固定型52上にモール成形材15が長手方向に位置ずれしないように強固に固定される。この時点で可動型80は、その下側の先端部801が延長部分18の上側に間隙を保って重なり合う位置まで移動してきている。
次に、可動盤60がさらに前進すると共に、モータ71が作動する。そして、送り軸72によって可動型80が可動盤60の前進方向に直交する方向、すなわち、この実施の形態1では上下方向に直交する横方向に前進される。
これによって、可動型80は、可動盤60の前進方向と、それに直交する方向との合成方向である斜め方向に前進動作して固定型52に対し型閉じ動作する。
【0033】
固定ストッパ体66に対し可動盤側の調整用ストッパ体67が当接する前進端位置に向けて可動盤60が前進され、可動型80が斜め方向の前進端位置、すなわち型閉じ位置に向けて前進される。
【0034】
図14に示すように、可動型80が所定位置まで前進すると、可動型80の前進方向先端部に位置する押圧体802の押圧用先端部の底面がモール成形材15の延長部分18に当接する。その後は可動型80の押圧力がモール成形材15の延長部分18に作用する。これによって、モール成形材15の端末部17及び延長部分18が下方に向けてしだいに曲げられる(図15参照)。
引き続いて可動型80が、図16に示すように型閉じ位置まで前進されることによって、モール成形材15の端末部17及び延長部分18が所定の曲げ角度θ(略直角)にプレス成形(曲げ加工)されると共に、固定型52と可動型80の成形面520、800との間で端末部17及び延長部分18が圧縮されると共に両成形面520、800に密着する。そして、略直角状に曲げ加工された端末部17及び延長部分18によって所定形状の端末曲げ加工部19が形成される。なお、前記曲げ加工によって、端末部17の根元の裏面と端末部近傍16との境界部の段差部24a(脚部24の端面)とが相互に溶着されるので、端末曲げ加工部(最終製品としてのモール10の端末カバー部11)19が元の形状に戻ろうとするのをさらに防止することができる。
【0035】
この実施の形態1において、可動型80の移動軌跡は、可動型80が型閉じ直前位置から型閉じ位置までは角度θの1/2の線上を移動するようにプログラムが定められている。これによって、図14と図15に示すように、固定型52に対し可動型80を前進させて型閉じする際、可動型80の前進方向先端部に位置する押圧体802と、モール成形材15の延長部分18との当接部の移動軌跡を端末曲げ加工部19の角部又は角部近傍(図14において、曲げ中心位置P)を中心としこの中心から最終的に形成される端末カバー部11の先端までの距離を半径とし且つ固定型52にセットされたモール成形材15の端末曲げ加工部19の長手方向の線と最終的に形成される端末カバー部11の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で端末部17及び延長部分18をモール成形材15の裏面側に向けて曲げながら可動型80を型閉じ位置まで前進させて、固定型52の成形面520と可動型80の成形面800との間に曲げられた端末曲げ加工部19を形成する。
【0036】
前記したようにモール成形材15の端末部17及び延長部分18からなる曲げ加工部分19を曲げ加工した後、その曲げ加工に継続して制御装置90によって作動制御される流体圧シリンダ810を駆動源として切断刃805が端末曲げ加工部19に向けて前進される。そして、図17に示すように、切断刃805によって端末曲げ加工部19の余剰部分19aが切断されることで、所定形状の端末カバー部11を備えたモール10が製造される。
また、可動型80が型閉じされた状態において、切断刃805は元の後退位置まで後退されるとともに、端末カバー部11が冷却固化される。その後、可動盤60及び可動型80が元の後退端位置まで後退される。そして、端末カバー部11を備えたモール10が固定型52から脱型されることで、最終製品としてのモール10の製造工程が完了する。
【0037】
前記したように、この実施の形態1によると、可動型80の前進方向先端側でかつ同可動型80の切断刃805の配設位置よりもさらに先端側に押圧体802が設けられている。そして、固定型52に対し可動型80を前進させて型閉じする際、可動型80の押圧体802とモール成形材15の延長部分18との当接部の移動軌跡を端末曲げ加工部19の角部又は角部近傍(図14において、曲げ中心位置P)を中心としこの中心から最終的に形成される端末カバー部11の先端までの距離を半径とし且つ固定型52にセットされたモール成形材15の端末曲げ加工部19の長手方向の線と最終的に形成される端末カバー部11の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で端末部17及び延長部分18をモール成形材15の裏面側に向けて曲げながら可動型80を型閉じ位置まで前進させて、固定型52の成形面520と可動型80の成形面800との間に曲げられた端末曲げ加工部19を形成するようになっている。
このため、端末曲げ加工部19の余剰部分19a(モール成形材15の延長部分18から形成される部分)の表面に対してのみ可動型80の押圧体802による擦り傷等が発生することがあるが、その他の部分には可動型80の押圧体802による擦り傷等が発生しない。
その後、曲げ加工に継続して可動型80に設けた切断刃805を端末曲げ加工部19に向けて前進させて端末曲げ加工部19の余剰部分19aを切断することで、表面(意匠面)に擦り傷等がない外観美麗な端末カバー部11(最終製品としてのモールの端末カバー部11)を備えたモール10を効率よく製造することができる。
【0038】
また、固定型52に対し可動型80が所定の型閉じ位置に型閉じした状態において、固定型52と可動型80の両成形面520、800の間の間隔寸法をモール成形材15の端末部17の厚さ寸法よりも小さくなるように設定し、固定型52と可動型80の両成形面520、800の間に端末曲げ加工部19を圧縮すると共に両成形面520、800に密着させて形成するようになっている。
このため、端末曲げ加工部19の表面が可動型80の成形面800を転写した状態で外観美麗に形成される。
【0039】
また、この実施の形態1において、モール成形材15は、第1材料からなる裏面側部のモール本体20(装飾体21)と、そのモール本体20の表面に積層一体化されかつ第1材料よりも熱変形温度及び硬度が高い第2材料からなる表面側部の意匠層22を備えている。これによって、モール成形材15の端末部17を加熱して軟化させた状態で曲げ加工する際に、モール成形材15の第1材料よりも熱変形温度及び硬度が高い第2材料がもつ特性によって、軟化状態にある端末部17が自重で不測に変形することが防止される。
このため、可動型80が前進して型閉じする際に、その可動型80の押圧体802を延長部分18に正確に接触させて端末部17及び延長部分18を所定の曲げ中心、すなわち、端末カバー部11の角部近傍(図14において、曲げ中心位置P)を中心として正確に曲げ加工することができる。
また、この実施の形態1において、モール成形材15の端末部17及び延長部分18を曲げ加工する前に、モール成形材15の端末部17において、その端末部17のモール本体20の部分を熱変形温度以上でかつ意匠層22の部分を熱変形温度以下の温度で加熱して軟化させる。これにより、モール成形材15の端末部17及び延長部分18を曲げ加工する際に、端末部17の意匠層22側部分の軟化程度がモール本体20側部分の軟化程度よりも低い状態に保たれることで、端末部17の表面が損傷されることを防止することができる。
【0040】
なお、前記した実施の形態1においては、可動型80に押圧用先端部801を有する押圧体802が一体に設けられ、流体圧シリンダ810等を駆動源として進退動作される切断刃805が可動型80の押圧体802上側に形成されたガイド孔に沿って押圧体802とは独立して進退可能に組み付けられた場合を例示したが、図18に示すように、押圧体802と切断刃805とを一体に形成し、可動型80の下側に流体圧シリンダ810等を駆動源として両者を同時に進退可能に装着してもよい。
【0041】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2を図19にしたがって説明する。
図19に示すように、可動盤60の一側面に案内レール75による案内機構によって同可動盤60の進退方向に直交する方向(例えば、上下方向に直交する横方向)に移動案内される可動型80の駆動機構を実施の形態1とは異なるカム従動子77とカム溝78によって構成されるカム機構に変更したものである。
すなわち、可動盤60の前進方向に直交する方向にカム従動子77とカム溝78によって可動型80を前進させて型閉じする際には、可動型80の押圧体802とモール成形材15の延長部分18との当接部の移動軌跡を端末曲げ加工部19の角部又は角部近傍を中心としこの中心から最終的に形成される端末カバー部11の先端までの距離を半径とし且つ固定型52にセットされたモール成形材15の端末曲げ加工部19の長手方向の線と最終的に形成される端末カバー部11の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で端末部17及び延長部分18をモール成形材15の裏面側に向けて曲げながら可動型80を型閉じ位置まで前進させて、固定型52の成形面520と可動型80の成形面800との間に曲げられた端末曲げ加工部19を形成するようになっている。
この実施の形態2において、可動型80の側面には、曲げ角度をθとしたとき、角度が1/2・θの角度となる斜めの状態で棒状のカム従動子(カムフォロア)77が固定されている。一方、固定型52の側面には、カム従動子77に対応して複数のローラ78a、78bが回転可能に装着されている。これら複数のローラ78a、78bの間でカム従動子77を移動案内するカム溝78を形成している。
この実施の形態2のその他の構成は、前記実施の形態1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
【0042】
したがって、この実施の形態2においても、近赤外線加熱装置101によってモール成形材15の端末部17の意匠層22がモール本体20の装飾体21よりも軟化程度が低い状態を保ってモール成形材15の端末部17及び延長部分18が加熱軟化される。
その後、プレスラム58によって可動盤60が前進端位置に向けて前進される際、可動型80がカム従動子77とカム溝78によるカム作用によって可動盤60の前進方向と、それに直交する方向との合成方向である斜め方向に前進して型閉じ動作する。
これによって、可動型80の押圧体802とモール成形材15の延長部分18との当接部の移動軌跡を端末曲げ加工部19の角部又は角部近傍を中心としこの中心から最終的に形成される端末カバー部11の先端までの距離を半径とし且つ固定型52にセットされたモール成形材15の端末曲げ加工部19の長手方向の線と最終的に形成される端末カバー部11の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で可動型80が前進して型閉じする。そして、モール成形材15の端末部17及び延長部分18が所定の曲げ角度θ(略直角)にプレス成形(曲げ加工)された端末曲げ加工部19が形成される。
前記したように、カム従動子77とカム溝78によるカム機構によって可動型80の駆動機構を構成することで、可動型80に正確な繰り返し作動を行わせることができ、また、モールの製造装置の構造を簡略化することができる。
また、カム従動子77の設定角度は1/2・θ(例えば45度)が好ましいが、可動型80に対するカム従動子77の取付位置(取付角度)を適宜に変えることによって任意に調整、設定することができる。
また、カム従動子77とカム溝78は、前記実施の形態2とは逆に固定型52にカム従動子77を、可動型80にカム溝78を設けるようにしてもよい。
なお、可動型80の移動軌跡は、可動型80が型閉じ直前位置から型閉じ位置までは角度θの1/2の線上を移動するようにすることは実施の形態1と同様である。
【0043】
なお、この発明に係るモールの製造方法とその製造装置は、前記実施の形態1及び2に限定するものではない。
例えば、前記実施の形態1及び2においては、加熱装置として近赤外線加熱装置101、中赤外線加熱装置、遠赤外線加熱装置が用いられる場合を例示したが、このような赤外線加熱装置の他、温風(熱風)による加熱装置を用いることも可能である。
また、前記実施の形態1〜3においては、モール10(モール成形材15)の主体部を構成するモール本体20の装飾体21の表面長手方向に沿って意匠層22が積層状に設けられた場合を例示したが、意匠層22は必要に応じて設けられるものであり、意匠層22の無い構造であってもよい。
また、前記実施の形態1及び2においては、モール10がルーフモールである場合を例示したが、ルーフモールの他、サイドプロテクタモール、バンパモール等のモールであってもこの発明のモールの製造装置を実施することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の発明に係るモールの製造方法によれば、端末曲げ加工部の余剰部分となる延長部分を可動型によって押圧して曲げ加工することができるため、意匠面に擦り傷等がない外観美麗な端末カバー部を備えたモールを良好に製造することができる。
また、曲げ加工に継続して可動型に設けた切断刃によって端末曲げ加工部の余剰部分(延長部分)を切断することで、別途の工程(場所)で端末曲げ加工部の余剰部分を切断する手間、すなわち、固定型からモール成形材を脱型した後、そのモール成形材の端末曲げ加工部の余剰部分を切断具によって切断する手間を省くことができ、その分だけモールの製造効率を高めることができる。
【0045】
請求項2の発明に係るモールの製造方法によれば、請求項1の発明の作用効果に加え、最終製品としてのモールの端末カバー部に押圧体との接触による痕跡が生じないため、外観美麗な端末カバー部を備えたモールを製造することができる。
請求項3の発明に係るモールの製造方法によれば、請求項1又は2の発明の作用効果に加え、端末曲げ加工部の意匠面をより一層外観美麗に形成することができる。
請求項4の発明に係るモールの製造方法によれば、請求項1〜3のいずれか一項の発明の作用効果に加え、可動型が前進して型閉じする際に、その可動型の所定部分を延長部分(余剰部分)に正確に接触させて端末部及び延長部分を所定の曲げ中心において曲げ加工することができる。このため、端末曲げ加工部の曲げ中心が不測に位置ずれして不良品となる不具合を防止することができる。
【0046】
請求項5の発明に係るモールの製造方法によれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明の作用効果に加え、モール成形材の端末部及び延長部分を曲げ加工する際に、端末部の表面が損傷されることを防止することができ、表面に傷がない外観美麗な端末カバー部を備えたモールを製造することができる。
請求項6の発明に係るモールの製造装置によれば、請求項1のモールの製造方法を容易に実施することができ、外観美麗な端末カバー部(最終製品としてのモールの端末カバー部)を備えたモールを効率よく製造することができる。
請求項7の発明に係るモールの製造装置によれば、請求項6の発明の作用効果に加え、最終製品としてのモールの端末カバー部に押圧体との接触による痕跡が生じないため、外観美麗な端末カバー部を備えたモールを製造することができる。
請求項8の発明に係るモールの製造装置によれば、請求項6又は7の発明の作用効果に加え、端末曲げ加工部の意匠面をより一層外観美麗に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るモールが車両のルーフパネルの上面に装着された状態を示す斜視図である。
【図2】 同じく図1のII−II線に沿う横断面図である。
【図3】 同じく図1のIII−III線に沿う横断面図である。
【図4】 同じくモールを一部破断して示す斜視図である。
【図5】 同じくモール成形材の一般部から端末部及び延長部分を示す側面図である。
【図6】 同じく図5のVI−VI線に沿うモール成形材の一般部の横断面図である。
【図7】 同じく図5のVII−VII線に沿うモール成形材の端末部近傍の横断面図である。
【図8】 同じく図5のVIII−VIII線に沿うモール成形材の端末部の横断面図である。
【図9】 同じくモールの製造装置の全体を簡略化して示す説明図である。
【図10】 同じく固定型にモール成形材がセットされた状態を示す説明図である。
【図11】 同じく近赤外線加熱装置とモール成形材の端末部との関係を示す図10のXI−XI線に沿う横断面図である。
【図12】 同じく近赤外線加熱装置の近赤外線ランプによる近赤外線の照射量を時間の経過と共に大小に変化させるために近赤外線ランプの出力を時間の経過にともなって波形状をなすように制御した実施形態を示す説明図である。
【図13】 同じく近赤外線加熱装置の近赤外線ランプによる近赤外線の照射量を時間の経過と共に大小に変化させるために近赤外線ランプに対する電源を時間の経過にともなってON・OFF制御した実施形態を示す説明図である。
【図14】 同じく可動型の押圧体がモール成形材の延長部分に当接した初期の状態を示す説明図である。
【図15】 同じく可動型の押圧体の押圧力によってモール成形材の端末部及び延長部分が折り曲げられた途中の状態を示す説明図である。
【図16】 同じくモール成形材の端末部及び延長部分が所定角度に折り曲げられた状態を示す説明図である。
【図17】 同じく切断刃によってモール成形材の端末曲げ加工部の余剰部分が切断されて所定形状の端末カバー部が形成された状態を示す説明図である。
【図18】 同じく押圧体と切断刃とが一体に形成された実施態様を示す説明図である。
【図19】 この発明の実施の形態2を示し、可動型の駆動機構がカム従動子とカム溝を備えたカム機構によって構成された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 モール
11 端末カバー部
15 モール成形材
17 端末部
18 延長部分
19 端末曲げ加工部
19a 余剰部分
20 モール本体
22 意匠層
51 固定台
52 固定型
60 可動盤
80 可動型
520 成形面
800 成形面

Claims (8)

  1. 熱可塑性材料から表裏両面を有する所定横断面形状に形成された長尺のモール成形材の略直線状の長手方向の端末曲げ加工部を加熱して軟化させた状態で、前記端末曲げ加工部を角部又はその近傍が曲げ中心となるように裏面側に向けて曲げ加工した後、前記端末曲げ加工部の余剰部分を切断して所定形状の端末カバー部を形成するモールの製造方法であって、
    前記モール成形材の端末曲げ加工部の裏面に接して前記端末カバー部の裏面側を成形する成形面を一側面に有する固定型と、前記固定型に対し型閉じ及び型開き可能で且つ前記端末カバー部の表面側を成形する成形面を一側面に有する可動型とを備えた成形型装置を用い、
    前記端末曲げ加工部に、最終的に形成される端末カバー部となる端末部と、この端末部の先端に前記余剰部分を形成するための所定長さの延長部とを有する長尺のモール成形材を準備し、
    前記モール成形材の端末部及び延長部分を固定型の前記一側面から突出させた状態で同モール成形材を前記固定型にセットし、
    前記端末部及び延長部分を加熱して軟化させた状態で前記可動型を前進させながら型閉じする際、前記可動型の前進方向先端部を前記延長部分に当接させ、前記当接部の移動軌跡を前記端末曲げ加工部の角部又は角部近傍を中心としこの中心から最終的に形成される前記端末カバー部の先端までの距離を半径とし且つ前記固定型にセットされた前記モール成形材の端末曲げ加工部の長手方向の線と最終的に形成される前記端末カバー部の長手方向の線とで決定される円弧領域の外側に位置させた状態で前記端末部及び延長部分を前記モール成形材の裏面側に向けて曲げながら可動型を型閉じ位置まで前進させて、前記固定型の成形面と可動型の成形面との間に曲げられた端末曲げ加工部を形成し、
    その後に、前記可動型に設けた切断刃を曲げられた前記端末曲げ加工部に向けて前進させて前記余剰部分を切断し、所定形状の端末カバー部を形成することを特徴とするモールの製造方法。
  2. 請求項1に記載のモールの製造方法であって、
    動型の切断刃の配設位置よりもさらに先端側に押圧体を設け、
    記可動型を前進さる際、前記押圧体をモール成形材の延長部分に当接させながら前記端末部及び延長部分を裏面側に向けて曲げ加工することを特徴とするモールの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のモールの製造方法であって、
    可動型が型閉じしたとき、前記固定型と前記可動型の両成形面の間の間隔寸法をモール成形材の端末部の厚さ寸法よりも小さくなるように設定し、
    前記固定型と前記可動型の両成形面の間で端末曲げ加工部を圧縮すると共に両成形型面に密着させることを特徴とするモールの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモールの製造方法であって、
    第1材料からなる裏面側部と、この裏面側部の表面に積層一体化されかつ前記第1材料よりも熱変形温度及び硬度が高い第2材料からなる表面側部とを備えたモール成形材を用いることを特徴とするモールの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモールの製造方法であって、
    モール成形材の端末部及び延長部分を曲げ加工する前に、裏面側部分を熱変形温度以上に加熱して軟化させ、表面側部分を裏面側よりも低い温度に加熱して軟化させることを特徴とするモールの製造方法。
  6. 熱可塑性材料から表裏両面を有する所定横断面形状に成形され、長手方向の端末に略直線状の端末曲げ加工部が形成された長尺のモール成形材の前記端末曲げ加工部を加熱して軟化させ、前記端末曲げ加工部を前記モール成形材の裏面側に向けて曲げ加工した後、前 記端末曲げ加工部の余剰部分を切断して所定形状の端末カバー部を形成するためのモールの製造装置であって、
    前記製造装置は固定型と、固定型に対して開閉可能な可動型とからなり、
    前記固定型は、曲げ加工時に前記端末曲げ加工部の裏面に接して前記端末カバー部の裏面側を成形する成形面が形成された一側面と、前記モール成形材をセットする際に端末曲げ加工部を前記一側面から突出させた状態にセットして位置決めする長手方向の位置決め部とを備え、
    前記可動型は、曲げ加工時に前記端末曲げ加工部の表面に接して前記端末カバー部の表面側を成形する成形面が形成された一側面と、前記固定型に向けて型閉じするときに前記モール成形材の端末曲げ加工部の端末部よりも更に先端側に形成された延長部分に当接して端末曲げ加工部を曲げる押圧用先端部と、前記押圧用先端部よりも後退した位置に固定型の前記一側面に向けて前進し前記延長部分から生じる余剰部分を切断する切断刃と、前記切断刃に連結されて同切断刃を進退動させる駆動源とを備えていることを特徴とするモールの製造装置。
  7. 請求項6に記載のモールの製造装置であって、
    可動型には、固定型に対し前進して型閉じする際にモール成形材の延長部分に当接しながら、前記モール成形材の端末部及び延長部分を裏面側に向けて曲げ加工するための押圧体が、前記可動型の前進方向先端側でかつ同可動型の切断刃の配設位置よりもさらに先端側に位置して設けられていることを特徴とするモールの製造装置。
  8. 請求項6又は7に記載のモールの製造装置であって、
    可動型が型閉じしたとき、前記固定型と前記可動型の両成形面の間で端末曲げ加工部を圧縮すると共に両成形型面に密着させるために、前記固定型と前記可動型の両成形面の間の間隔寸法をモール成形材の端末部の厚さ寸法よりも小さくなるように設定してあることを特徴とするモールの製造装置。
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