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JP4239641B2 - 電子部品の製造方法及びその方法で得られた電子部品 - Google Patents
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JP4239641B2 - 電子部品の製造方法及びその方法で得られた電子部品 - Google Patents

電子部品の製造方法及びその方法で得られた電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の製造方法及びその方法で得られた電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使用される半導体パッケージは、従来にも増して、益々、小型化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】
従来の回路基板は、プリント配線板と呼ばれ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔をパターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリルで貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅めっきを行ってビアホールを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】
このような背景により、近年、ビルドアップ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線板は、樹脂のみで構成される絶縁層と、導体とを積み重ねながら成形される。ビアホール形成方法としては、従来のドリル加工に代わって、レーザー法、プラズマ法、フォト法等多岐にわたり、小径のビアホールを自由に配置することで、高密度化を達成するものである。層間接続部としては、ブライドビア(Blind Via)やバリードビア(Buried Via:ビアホールを導電体で充填した構造)等があり、ビアの上にビアを形成するスタックドビアが可能な、バリードビアが特に注目されている。バリードビアとしては、ビアホールをめっきで充填する方法と、導電性ペースト等で充填する場合とに分けられる。
【0005】
例えば、基板のそりを無くし層間のビアホール接続を確実に行うことを目的とし、絶縁シートの少なくとも片面に配線パターンを有し、絶縁シートの表裏面を貫通して導電性のビアホールを有し、そのビアホールと電気的に接続された表裏面の任意の場所に、接続用電極を設けた回路基板(フィルム回路)どうしを、絶縁層(接着剤層)を介して複数枚積層した構造の多層回路基板であって、前記複数の互いに隣接する回路基板どうしを結合する絶縁層を、100〜300℃の温度に加熱すると粘度が1000ポアズ以下に低下し、前記温度域に10分放置すると少なくとも70〜80%が硬化する、熱硬化性接着剤の硬化層で構成してなる多層回路基板がある(例えば、特許文献1参照。)。この多層回路基板によると、層間接続部の高密度化を図ることができ、接続用電極としてSn−Pbはんだ等、Snを主成分とする合金を用いて300℃以下の温度で、電気的な接続を行ったり、接続用電極表面にAuやSn等を形成しAu−Sn合金等で接続を試みたりしているが、Snを主成分とする合金での接続では、Sn表面を清浄化していないため金属間の濡れ性が悪く、接合が十分に形成されないという問題点がある。
【0006】
また、フィルム回路を接着剤層を介して複数枚積層する際に、少なくとも10kg/cm2以上、好ましくは200〜300kg/cm2の圧力を印加して熱圧着するため、余剰な接着剤層がフィルム回路からフローアウトするため、次のような問題点があった。
(1)余剰な接着剤の硬化物が、積層して得られた多層回路基板の周辺部に付着するだけでなく、多層回路基板の表面に回り込み、不良となってしまう。
(2)圧力の印加により、接続用電極に接続する部分の配線パターンが窪み、配線パターンにうねりが生じてしまう。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−204939号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多層配線板における層間接続のこのような現状の問題点に鑑み、確実に層間接続でき、かつ、余剰な接着剤層のフローアウトや配線パターンのうねりが発生しない多層配線板の製造方法およびそれにより得られる多層配線板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
(1) (A)先端表面に半田層又は半田バンプが形成された電気的接続用導体部Iを有する電子部材と、(B)前記電気的接続用導体部Iに対応して配設された電気的接続用導体部IIを有する被接続電子部材を、接着剤層を介して半田接合させてなる電子部品の製造方法であって、少なくとも前記半田層又は半田バンプを前記接着剤層と接触させ、略無加圧の状態で、該半田層又は半田バンプを形成する半田の融点以上の温度に加熱して、半田層又は半田バンプが加熱により凸形状になろうとする際に、半田層又は半田バンプ頂点付近の接着剤層を排除しつつ、同心円状に半田が濡れ広がって前記電気的接続用導体部IIと半田接合することにより、半田接続部を得ることを特徴とする電子部品の製造方法、(2) 電子部品が多層配線板であって、(A)電子部材が、配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストからなる電気的接続用導体部Iと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層であり、かつ(B)被接続電子部材が、前記導体ポストに対応して配設された層間接続用ランドからなる電気的接続用導体部IIを有する被接続層である第1項に記載の電子部品の製造方法、
(3) 接着剤層が、半田層又は半田バンプの半田溶融前には半田層又は半田バンプと被接続電子部材とが非接触に保たれ、かつ、半田溶融時には溶融した半田層又は半田バンプと被接続電子部材とが接触する厚みに形成されていることを特徴とする第1項または第2項のいずれかに記載の電子部品の製造方法、
) 半田層又は半田バンプ先端面が、あらかじめ平板により加圧され半田層又は半田バンプの厚みが接着剤層の厚みよりも薄くなるように加工されていることを特徴とする第1項ないし第項のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
) 平板がシリコンウエハーの平滑面である第項に記載の電子部品の製造方法。
) 導体ポストが、半田層を形成する半田と同じ半田からなる第2項ないし第項のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
) 接着剤層が、表面清浄化機能を有する接着剤からなる第1項ないし第項のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
) 第1項ないし第項のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法で得られたことを特徴とする電子部品、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
この本発明の電子部品の製造方法においては、具体的には、以下に示す2つの態様を挙げることができる。すなわち、第1の態様は、前記(A)電子部材が、配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストIと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層であり、かつ前記(B)被接続電子部材が、上記導体ポストとの層間接続用ランドIIを有する被接続層である、多層配線板の製造方法であり、第2の態様は、前記(A)電子部材が、主面に配設された外部接続用の端子Iと、該端子Iの先端表面に形成された半田バンプを有する半導体素子であり、かつ前記(B)被接続電子部材が、上記端子Iに対応して配設された外部接続用の端子IIを表面に有する配線基板である、半導体装置の製造方法である。
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。まず、第1の態様の多層配線板の製造方法について、添付図面に従って説明する。図1は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図1(g)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
【0012】
本発明の多層配線板の製造方法としては、まず、金属箔101と絶縁層102からなる2層構造体を用意し、絶縁層102にビアホール103を形成する(図1(a))。2層構造体は、金属箔101上に樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布することにより得ることができる。さらには、市販の樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド付銅箔)のような2層構造体を用意しても良い。また、2層構造体は、ガラスエポキシ両面銅張積層板の一方の銅箔を全面エッチングして得ることもできる。
【0013】
ビアホール103の形成方法は、この製造方法に適する方法であればどのような方法でも良く、レーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチング等が挙げられる。レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、エキシマレーザー等を使用することができる。絶縁層102がガラスエポキシのように補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスを貫通してビアホール103を形成することができる炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。絶縁層102がポリイミド等の補強繊維を含まない場合には、より微細なビアホール103を形成できる紫外線レーザーを使用することが好ましい。また、絶縁層102を感光性樹脂とした場合には、絶縁層102を選択的に感光し、現像することでビアホール103を形成することもできる。
【0014】
次に、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解めっきにより、導体ポスト104をビアホール103内に形成し、続いて、導体ポスト104の先端表面に、半田層105を形成する(図1(b))。電解めっきにより導体ポスト104を形成すれば、導体ポスト104の先端の形状を自由に制御することができ、導体ポストは、絶縁層102の表層面と同じか、もしくは、表層面より突出していることが望ましい。表層面より導体ポストを突出させることで、導体ポスト先端に形成された半田が溶融し補強構造を形成した半田接合が得られるからである。
【0015】
導体ポスト104の材質としては、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良く、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。特に、銅を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト104が得られる。
【0016】
半田層105の形成方法としては、無電解めっきにより形成する方法、金属箔101を電解めっき用リード(給電用電極)として電解めっきにより形成する方法、半田を含有するペーストを印刷する方法が挙げられる。印刷による方法では、印刷用マスクを導体ポスト104に対して精度良く位置合せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる方法では、導体ポスト104の先端表面以外に半田層105が形成されることがないため、導体ポスト104の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も容易であるため、非常に好適である。
【0017】
半田層105の材質としては、SnやIn、もしくはSn、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Auの少なくとも二種からなる半田を使用することが好ましい。より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田である。
【0018】
次に、金属箔101を選択的にエッチングすることにより、配線パターン106を形成して、接続層110を得る(図1(c))。続いて、絶縁層102の表面に接着剤層108を形成する(図1(d))。接着剤層108の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。接着剤層108の機能としては、金属の表面清浄化機能と接着機能の2機能を有することがより好ましい。なお、図1(d)では、絶縁層102の表面に接着剤層108を形成する例を示したが、図1(e)に示す前記導体ポスト104に対応して配設された層間接続用ランド107を有する被接続層120の表面に接着剤層108を形成しても構わない。もちろん、絶縁層102と被接続層120の両表面に形成しても構わない。
【0019】
次に、接続層110と被接続層120とを位置合わせする(図1(e))。位置合わせは、接続層110および被接続層120に、予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。
【0020】
次に、接着剤層108と、接続層110および被接続層120とを密着させる(図1(f))。密着させる方法としては、例えば、真空プレスまたは加圧式真空ラミネータを用いて、加熱・加圧することにより、接着剤層108を軟化させる方法が挙げられる。上記工程においては、半田層105と層間接続用ランド107とが非接触に保たれていることが好ましい。
【0021】
次いで、接続層110と被接続層120とを、略無加圧の状態で、半田層105を構成する半田の融点以上の温度に加熱して、半田を溶融させるとともに、半田接合させる(図1(g))。最後に、接着剤層108の硬化、ソルダーレジスト形成、個片化等の所望の工程を経て、本発明の多層配線板130を得る。
【0022】
続いて、本発明による多層配線板の製造方法における半田接合の詳細について、図2を用いて説明する。図2は、半田接合時の加熱前後の半田層105の形状を示す断面図である。加熱前の半田層105は、めっきにより形成されたままの形状であるが、加熱後の半田層105aは、溶融半田の表面張力により凸形状、更には最安定なドーム形状になる。加熱前の半田層105と加熱後の半田層105aの高さの差、すなわち、半田溶融前後の半田層の高さ変動は、図2に示す通りである。図1(f)〜(g)の工程においては、このような半田溶融前後の半田層の高さ変動を利用して、半田接合を実現できる。
【0023】
まず、半田層105の先端が層間接続用ランド107に対して非接触となるように、半田層105の厚みや、接着剤層108の厚みを調整しておく(図1(f))。続いて、略無加圧の状態で加熱して、半田層105の半田を溶融させ、溶融半田の表面張力により凸形状になろうとする時に、溶融半田の頂点が層間接続用ランドに点接触するとともに、その接触点から同心円状に半田が濡れ広がって半田接合が実現される(図1(g))。すなわち、接着剤層108を、加熱前には半田層105と層間接続用ランド107とが非接触に保たれ、かつ、加熱時には溶融した半田層105と層間接続用ランド107とが接触する厚みに形成しておくことが、特に好ましい。これにより、加熱前の半田層105が加熱により凸形状になろうとする際に、半田層105頂点付近の接着剤層108を排除しつつ、同心円状に半田が濡れ広がって層間接続用ランド107と半田接合するため、半田接合部に接着剤残り(いわゆる、樹脂噛み)が発生せず、良好な半田接合部を得ることができる。さらには、略無加圧の状態で半田接合を行うため、接着剤層108のフローアウトが殆ど発生せず、多層配線板130の表面に回り込んだりすることがない。
【0024】
半田溶融前後の半田層の高さ変動は、半田層105の厚みに影響するが、半田層105の厚みが厚ければ、それだけ半田溶融前後の半田層の高さ変動が大きくなるため、接着剤層108の厚みを決定してから、半田層105の厚みを決めれば良い。あるいは、半田層105の厚みを決定してから、それに見合う接着剤層108の厚みを決めても良い。さらには、多層配線板130の総厚みの制限から各層の接着剤層108の厚みが制限される場合もあるので、それらも総合して決定すれば良い。
【0025】
なお、上記においては、接着剤層108を、加熱前には半田層105と層間接続用ランド107とが非接触に保たれるような厚みに形成しておく例を示したが、半田接合部の樹脂噛みが多少許容される場合などにおいては、多少接触するような接着剤層108の厚みとしても構わない。その場合も本発明に含まれる。
【0026】
半田層105は、接着剤層が形成される前に、たとえば、シリコンウエハーのような平板を押し当て加圧して、突起している半田層105の先端面を平坦化してもよい。平坦化することで、半田層の高さ変動が大きくなるため、接着剤層を薄くすることができる利点がある。また、たとえば、電解めっき法などにより形成された半田層であって、電流密度の差によって生じる面内半田層厚みの分布がある場合、平坦化することで面内の半田層105の厚みを均一にすることができるため、半田層上の接着剤厚みを均一にすることができる。
【0027】
通常、電解めっきまたは無電解めっきにより得られた半田層105は、半田を構成する各金属が結晶として析出しただけであり、半田として有効に機能させるためには、半田層105にフラックスを塗布してリフローさせる方法がある。このように半田層105をリフローさせた後、接続層110と被接続層120とを熱圧着することが好ましいが、リフローおよびフラックス洗浄の工程が増えるだけでなく、フラックスの洗浄不良(フラックス残渣)の心配があり、この方法を採用するのは得策ではない。本発明においては、接着剤層108に、半田層105の半田の溶融に必要な表面清浄化機能を有する接着剤を用いることにより、半田層105の半田は加熱工程により溶融することができ、また、洗浄工程を必要としないため、特に好ましい。接着剤層108は、半田の融点以上の温度での加熱に伴って粘度が低下していくが、軟化した接着剤層108中で半田層105を溶融させることで、半田層の凸形状の形成と半田接合を可能にする。このときの粘度は50Pa・s以下であることが好ましい。50Pa・sより高いと、半田層105の凸形状の形成、ならびに、層間接続用ランド107と接触、および、半田のぬれ広がりを阻害して、十分な半田接合が行われない恐れがある。
【0028】
本発明における最も重要な点は、半田溶融及び半田接合の工程において、半田溶融前後の半田層の高さ変動により層間接続を行うものであり、更には、被積層物に余剰な圧力をかけずに、樹脂のフローアウトがなく、良好な半田接合部を得ることである。従って、略無加圧の状態とは、熱盤プレス等によるプレス圧力=0の状態のみに限定しているのではない。すなわち、半田溶融前後の半田層の高さを変動させ層間接続が可能で、かつ、接着剤層のフローアウトが発生しない程度の圧力の状態は、本発明に含まれる。
本発明による多層配線板の製造方法においては、略無加圧の状態で積層されることにより、良好な半田接合部が得られ、フローアウトが発生しないばかりでなく、半田接合部(導体ポスト104の部分)付近に局所的な圧力印加がないため、配線パターン106のうねりが発生しない。
【0029】
実際に略無加圧の状態を得る方法としては、例えば、図1(f)に示すような接着剤層と、接続層及び被接続層とを密着させた被積層物を熱盤プレスの間に挟み込み、被積層物に圧力が略かからないように熱盤プレスを制御する方法(熱盤プレス間での圧力開放状態)が挙げられる。熱盤プレスの制御方法としては、圧力センサーで被積層物にかかる圧力を測定し、略無加圧となるように熱盤プレスの間隔(上盤と下盤の間隔)を制御する方法や、油圧プレスの場合には、圧力センサーで被積層物にかかる圧力を測定し、略無加圧となるように油圧を制御する方法などがある。また、接着剤層と、接続層及び被接続層とを密着させた後、被積層物を熱盤プレス間に挟み込み、加熱前の状態において略無加圧となるように(余剰の圧力を掛けないように)熱盤プレスの間隔を調整し、その間隔を変えることなく(間隔を固定した状態で)、加熱する方法もある。この場合、加熱することで被積層物が厚み方向に膨張するが、熱盤プレスの間隔が固定されているため、被積層物に厚み方向膨張分の圧力が加わることになるが、この程度の圧力上昇では接着剤層のフローアウトは発生せず、半田溶融前後の半田層の高さ変動による層間接続が可能である。従って、このような熱盤プレスの制御方法も本発明に含まれる。熱盤プレスを利用することの特徴は、上盤と下盤の間に挟むことで、上盤と下盤から被積層物に熱が加わるため、被積層物の厚み方向の温度勾配が小さくなることである。
【0030】
略無加圧の状態の他の例としては、圧力開放状態が挙げられる。被積層物をリフロー炉に通すような場合、被積層物は外部から圧力がかからない状態(圧力開放状態)であり、そのような状態で熱をかけることができる。また、被積層物を単に熱盤上に設置し、熱盤を昇温させることで、圧力開放状態を得ることもできる。あるいは、被積層物を単にオーブン内に入れることで、圧力開放状態を得ることもできる。
以上のように、略無加圧の状態とは、圧力開放状態、熱盤プレス間での圧力開放状態、リフロー炉内での圧力開放状態、熱盤上での圧力開放状態、オーブン内での圧力開放状態、熱盤プレス間での間隔固定状態などが挙げられる。
【0031】
以上の工程により、層間接続用ランド107と導体ポスト104とを半田層105にて半田接合し、各層間を接着剤層108にて接着した多層配線板130を得ることができる。なお、図1(g)では、被接続層120に対して接続層110を1層のみ積層した例を示したが、図1(g)で得られた多層配線板130の上にさらにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多層配線板を得ることもできる。また、そのような複数層の積層を逐次(逐次積層)行っても良いし、一括積層を行っても良い。
【0032】
図3(a)〜(b)は、本発明の多層配線板の製造方法に用いる接続層110の他の例を示す断面図である。接続層310a,310bが接続層110と異なるのは、導体ポスト104および半田層105の構成である。接続層310aにおいては、導体ポスト304が絶縁層の表層面から突出しない構造になっているものである。接続層310bについては、導体ポスト304そのものが半田から構成されるものである。いずれの接続層310a,310bの積層方法も、基本的には接続層110の場合と同様であり、これらの構造も本発明に含まれるものとする。
【0033】
次に、第2の態様の半導体装置の製造方法について、添付図面に従って説明する。
この半導体装置の製造方法は、好ましくは半導体フリップチップを、ノンフローアンダーフィル方式で配線基板に実装する方法であって、第5図は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法の例を説明するための工程図で、第5図(d)は得られた半導体装置の構造を示す断面図である。
本発明の半導体装置の製造方法としては、まず外部接続用の端子II502を有する配線基板501上に、接着剤層503を設ける(第5図(a))。次いで、主面に配設された外部接続用の端子I505の先端表面に形成された半田バンプ506を有する半導体素子(好ましくは半導体フリップチップ)504を、接着剤層503上に貼り付ける(第5図(b))。このとき、半導体フリップチップの主面に形成された半田バンプ506は、フォトリソグラフィーと電解半田めっきなどによって形成された半田バンプの場合、リフローにより球形状にすることが一般的であるが、本発明においては、リフロー前の形状でも半田接続を行うことができる。あるいは、球形状の半田バンプを平滑な平板などによってプレスすることでフラットニング処理されていることが好ましい。ただ、半田溶融時に高さ変動するような形状であれば何ら制限するところは無い。さらに、接着剤層503は、あらかじめ半田バンプが形成された半導体素子側に形成しても何ら問題は無い。
次に半田バンプ506を形成する半田の融点以上の温度に加熱し、半田バンプ506を溶融させる。接着剤層503に表面清浄化機能を有する樹脂を用いることにより、半田バンプ506は表面の酸化膜が還元され、溶融状態となる。この際、半田溶融前後の半田層の高さ変動を利用して、半田接合をさせるが、詳細は本発明の第1の態様で述べたとおりであるので省略する。この際、接着剤層503の粘度は50Pa・s以下であることが好ましい。さらに加熱して接着剤層503を硬化させて半導体素子504と配線基板501とを接着させる(第5図(d))。
このようにして、配線基板上に、半導体素子(好ましくは半導体フリップチップ)がノンフローアンダーフィル方式で実装された信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
【0034】
本発明において接着剤層108を形成する接着剤は、半田表面や被接続金属表面に存在する酸化膜の除去機能や、酸化膜の還元機能などを示す表面清浄化機能を有し絶縁信頼性の高い性能を有するものであることが、より好ましい。半田の加熱溶融工程において、半田表面と層間接続用ランドを、接着剤層と接触させることで、接着剤の表面清浄化機能により、半田層の表面の酸化膜が還元されて溶融し、溶融半田の表面張力により、半田層の凸形状を形成することができ、また、層間接続用ランドを形成する金属表面を清浄化することができる。両表面を清浄化することで、半田が非接合表面に接触したとき、被接合表面に対して濡れ拡がろうとする力が働き、半田接合部における接着剤層が排除される。これより、接着剤層を用いた半田接合には、樹脂残りが発生しにくく、且つその電気的接続信頼性は高いものとなる。
【0035】
本発明に用いる前記好ましい接着剤としては、例えば、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂と、その硬化剤として作用する樹脂の組み合わせからなる樹脂組成物が挙げられる。
【0036】
本発明において接着剤に用いる少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好ましく、これらの1種以上を用いることができる。また、フェノールフタリン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸なども好ましい。
【0037】
本発明において接着剤に用いるフェノール性水酸基を有する樹脂の、硬化剤として作用する樹脂としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等が用いられる。具体的にはいずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール系等のフェノールベースの樹脂や、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
【0038】
フェノール性水酸基を有する樹脂は、接着剤中に、5wt%以上80wt%以下で含まれることが好ましい。5重量%未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下し、半田接合できなくなる恐れがある。また、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下する恐れがある。フェノール性水酸基を有する樹脂の硬化剤として作用する樹脂の配合量は、例えば、エポキシ基当量またはイソシアネート基当量が、少なくともフェノール性水酸基を有する樹脂のヒドロキシル基当量に対し0.5倍以上、1.5倍以下が好ましいが、良好な金属接合性と硬化物物性が得られる場合はこの限りではない。また、接着剤には、上記成分の他に、無機充填材、硬化触媒、着色料、消泡剤、難燃剤、カップリング剤等の各種添加剤や、溶剤を添加しても良い。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0040】
実施例
<接着剤ワニスの調合>
クレゾールノボラック樹脂(住友デュレズ(株)製,PR−HF−3)106gと、フェノールフタリン(東京化成製)105gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、RE−810NM)450gとを、メチルエチルケトン165gに溶解し、接着剤ワニスを作製した。
【0041】
<多層配線板の製造>
銅箔(金属箔101、厚み18μm)、ポリイミド樹脂絶縁層(絶縁層102、厚み25μm)からなるフレキシブルプリント配線用基板(住友ベークライト製、A1フレキ)のポリイミド樹脂絶縁層にUV−YAGレーザーを用いて、トップ径:45μm、ボトム径が35μmのビアホール(ビアホール103)を1600個形成した。ビアホール内部およびビアホール周辺部を過マンガン酸樹脂エッチング液にて清浄化した後、裏面の銅箔を電解めっき用リード(給電用電極)として電解銅めっきを行ってビアホールを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト104)を形成した。ここで、銅ポストの直径が45μmとなるよう、電解銅めっきの時間を調整した。次に、銅ポストの表面に、Sn−Ag半田層(半田層105)を電解めっきによって5μmの厚みで形成した。なお、半田層の先端表面の絶縁層表面から突出している高さは、10μmであった。次に、銅箔を選択的にエッチングして、配線パターン(配線パターン106)を形成した。以上の工程により、接続層(接続層110)を得ることができた。
【0042】
次に、得られた接続層に対して、バーコートにより、上記で得た接着剤ワニスを、絶縁層の表面、すなわちSn−Ag半田層が形成された面に塗布後、80℃で20分乾燥し、15μm厚の接着剤層(接着剤層108)を形成した。
【0043】
一方、厚み12μm銅箔が両面に形成されたFR−5相当のガラスエポキシ両面銅張積層板(住友ベークライト製、ELC)を用い、銅箔表面に配線パターン(図示せず)および層間接続用ランドを選択的に金めっきし、さらに金めっきをエッチングレジストとして銅箔をエッチングして、配線パターンと層間接続用ランド(層間接続用ランド107)を形成し、被接続層(被接続層120)を得ることができた。層間接続用ランドは、位置合わせ許容誤差を考慮して、200μm径とした。
【0044】
次に、上述の工程により得られた接続層(2層分)と被接続層(1層分)に予め形成されている位置決めマークを画像認識装置により読み取り、両者を位置合わせし、100℃の温度で仮圧着して接続層(2層分)と、被接続層(1層分)とを密着させ、3層分の積層体を得た。仮圧着したサンプルを断面観察したところ、半田層と層間接続用ランドとは非接触であり、約5μm程度の間隙(接着剤層)があった。
【0045】
最後に、仮圧着したサンプルを、熱盤プレスを用いて、略無加圧の状態で、半田の融点(219℃)以上に加熱して多層配線板を得た。このときの、温度および圧力のプロファイル(条件▲1▼)を図4(a)に示した。ここで用いた真空プレスは、圧力センサーで被積層物にかかる圧力を測定し、略無加圧となるように熱盤プレスの間隔(上盤と下盤の間隔)を制御する機構を有するものである。
【0046】
比較例
仮圧着工程までは、実施例と同様の操作で行い、仮圧着したサンプルを、加熱とほぼ同時に加圧し、更に加熱加圧を続けて本圧着して多層配線板を得た。このときの、温度および圧力のプロファイル(条件▲2▼)を図4(b)に示した。
【0047】
<半田接合部の観察と接合強度測定>
条件▲1▼および条件▲2▼で、積層されて得られた多層配線板の接続層側の配線パターンを回路厚み分だけエッチングした後、接続層および被接続層の界面、すなわち、接着剤層の界面で両者を引き剥がすと、導体ポストと絶縁層が、その界面で引き剥がされ、半田接合した導体ポストが被接続層の層間接続用ランドに転写した形で残される。この導体ポストを、万能ボンドテスター(デイジ社製、2400PC)を用いてシェア強度を測定した結果を表1に示す。
【0048】
<金属接合部断面観察>
上記で得られた多層配線板の金属接合部(半田接合部)の断面を電子顕微鏡(SEM)により観察し、金属接合状態を評価した。その結果をまとめて表1に示した。
【0049】
【表1】
Figure 0004239641
【0050】
まず、接合強度について比較すると、比較例の導体ポストシェア強度の平均値は1バンプあたり28gであったのに対して、実施例の導体ポストシェア強度はバンプあたり39gで、約1.4倍の強度を示した。このことから、仮圧着後に半田層の融点温度以上に加熱して半田接合させる工程、すなわち、本発明の優位性は明白である。また、断面観察から、接合部に接着剤層を介在することなく接合していることも確認されたことから、凸形状に変形しようとする半田層が、その頂点と被接合面が接触して、その接触点から接着剤を排除しながら同心円状に半田が濡れ広がったことが示唆され、これからも本発明の優位性は明白である。さらに、断面観察から、実施例においては配線パターンのうねりが観察されず、比較例においては、3層のうち、中央の層(2層目)の配線パターンの半田接合部(導体ポストにより圧力がかかる部分)にうねりが生じていた。また、実施例においては、接着剤層のフローアウトが殆ど見られず、比較例においては、接着剤層のフローアウトが見られた。これらのことからも、本発明の優位性は明白である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、確実に層間接続でき、かつ、余剰な接着剤層のフローアウトや配線パターンのうねりが発生しない多層配線板の製造方法を提供でき、それにより得られる多層配線板は電子部品の高密度集積化や、高密度実装化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である。
【図2】 本発明に用いる半田溶融前後の半田層の高さ変動を説明するための断面図である。
【図3】 本発明の多層配線板の製造方法に用いる接続層の他の例を示す断面図である。
【図4】 実施例および比較例の加熱加圧条件を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態による半導体装置の製造方法の例を示す断面図である。
【符号の説明】
101 金属箔
102 絶縁層
103 ビアホール
104、304 導体ポスト
105、105a、305 半田層
106 配線パターン
107 層間接続用ランド
108、503 接着剤層
110、310a、310b 接続層
120 被接続層
130 多層配線板
501 配線基板
502 外部接続用の端子II
504 半導体素子
505 外部接続用の端子I
506 半田バンプ

Claims (8)

  1. (A)先端表面に半田層又は半田バンプが形成された電気的接続用導体部Iを有する電子部材と、(B)前記電気的接続用導体部Iに対応して配設された電気的接続用導体部IIを有する被接続電子部材を、接着剤層を介して半田接合させてなる電子部品の製造方法であって、少なくとも前記半田層又は半田バンプを前記接着剤層と接触させ、略無加圧の状態で、該半田層又は半田バンプを形成する半田の融点以上の温度に加熱して、半田層又は半田バンプが加熱により凸形状になろうとする際に、半田層又は半田バンプ頂点付近の接着剤層を排除しつつ、同心円状に半田が濡れ広がって前記電気的接続用導体部IIと半田接合することにより、半田接続部を得ることを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 電子部品が多層配線板であって、(A)電子部材が、配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストからなる電気的接続用導体部Iと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層であり、かつ(B)被接続電子部材が、前記導体ポストに対応して配設された層間接続用ランドからなる電気的接続用導体部IIを有する被接続層である請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 接着剤層が、半田層又は半田バンプの半田溶融前には半田層又は半田バンプと被接続電子部材とが非接触に保たれ、かつ、半田溶融時には溶融した半田層又は半田バンプと被接続電子部材とが接触する厚みに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 半田層又は半田バンプ先端面が、あらかじめ平板により加圧され半田層又は半田バンプの厚みが接着剤層の厚みよりも薄くなるように加工されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  5. 平板がシリコンウエハーの平滑面である請求項に記載の電子部品の製造方法。
  6. 導体ポストが、半田層を形成する半田と同じ半田からなる請求項2〜のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  7. 接着剤層が、表面清浄化機能を有する接着剤からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の電子部品の製造方法で得られたことを特徴とする電子部品。
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