JP4260559B2 - 金属缶の側壁に模様を形成する方法及びそのための金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
現在、ビール、発泡酒、ジュース、緑茶、紅茶、コーヒー、ミネラルウォ−ター等各種飲料に広く用いられている金属缶の胴部側壁に、外観上の意匠性を改善するために凹凸模様を形成することが行われている。本発明は金属缶容量の変更、凹凸模様形成領域の変更が短時間で、容易且つ迅速にできる方法並びにそのための内型及び外型からなる金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、金属缶はビール、ソフトドリンクなどの飲料の小型容器として広く用いられている。それだけに競争が激しく、コストの切り下げが求められ、そのためにメーカー各社はコストダウンに厳しく対応を迫られているとともに意匠性に富んだ差別化商品の開発を求められている。
【0003】
コストダウンの一つの方法として使用材料の薄肉化が挙げられる。しかしビールや炭酸系のソフトドリンクでは耐圧性が要求されるために薄肉化には限界がある。
またコストダウンの第2の方法としては、生産性を高めることであり、金属缶容量のサイズの変更を、缶胴部の直径を同一とし、長さを変えることにより行うことが行われている。例えば、ビール缶としては350mlの金属缶と、500mlの金属缶の直径は同一で約65mmであるが、高さは350mlは約120mm、500mlのそれは約170mmとなっており、絞り・しごきのための装置は共通に使用できるようになっている。
【0004】
これら金属缶の側壁に凹凸模様を形成するための方法として、外表面に凹凸の模様が刻設された内型と弾性体からなる外型とを使用し、両金型間に金属缶本体を挟んで凹凸模様を形成する方法が知られている(第5図参照)(例えば特許文献1参照。)。この場合において、通常内型と外型をセットして組として用いるのが普通であり、直径は同一で、かつ凹凸の形状が同一であっても、金属缶の容量の変更のみならず凹凸状模様を形成させる位置が、胴部側壁の全長、上部、中央部または下部に変わるたびに内型と外型をセットした金型全体を変更することにより行われていた。
内型は形状が複雑であり、制作コストが高く工期がかかるだけでなく、この内型と外型をセットした金型の変更に時間がかかり、工数も必要とするために生産性を大きく低下させるものであった。
【0005】
【特許文献1】
特表平5−503878号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、制作コストの高い内型の保有金型数を大幅に減らすことを可能にするとともに、金属缶の胴部側壁に凹凸模様を形成する場合に、直径が同一であれば、容量(金属缶の全長)が異なる場合、あるいは凹凸状模様を形成させる位置が、胴部側壁の全長、上部、中央部または下部に変わる場合等においても内型は共用し、外型だけの変更で金属缶側壁に凹凸模様を形成する方法並びにそのための金型を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] 金属板の絞り・しごき加工により形成された有底円筒状の金属缶本体内に、外表面に凹凸の模様が刻設された内型を配置し、金属缶本体を挟んで内型に対し外側から弾性体外型を圧接して金属缶胴部側壁に凹凸状の模様を形成する方法において、上記内型として加工対象とする金属缶の最も大なる高さの金属缶に模様を形成できる高さの内型を用い、外型として所望される領域のみに圧接部を設けた外型を用いることを特徴とする金属缶の側壁に模様を形成する方法、
【0008】
[2] 金属缶の胴部側壁の全長にわたり凹凸状模様が形成されている上記[1]に記載の金属缶の側壁に模様を形成する方法、
[3] 金属缶の胴部側壁の上部、ほぼ中央部または下部の少なくともいずれかに凹凸状模様が形成されている上記[1]に記載の金属缶の側壁に模様を形成する方法、
【0009】
[4] 金属缶胴部側壁に凹凸状の模様を形成するための金型として、加工対象とする金属缶の最も大なる高さの金属缶の全領域に模様を形成できる高さ位置まで外表面に凹凸の模様が刻設された内型と凹凸状模様を所望される領域のみに圧接部を設けた弾性体外型からなる金属缶側壁に凹凸模様を形成するための金型、を開発することにより上記の課題を解決した。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において金属缶とはいわゆる2ピース缶であり、凹凸状の模様を形成するのは本体部分であって、有底円筒状で、上部は開口している。この上部開口部は胴部側壁に凹凸の模様を形成した後、所定の形状に上部を絞り、蓋板を着けて金属缶とする。材質的には、アルミニウム缶が主であり、スチール缶においても本発明は適用可能である。
金属缶としては、市場から各種の容量のものが要求されるが、できるだけ金属缶の直径を同一とし、その高さを変えることによりその要望に対応している。従ってビール、ソフトドリンクなどの最も需要の大きい350mlおよび500mlの容器の直径は同一のものを使用している。
【0011】
本発明の対象となる金属缶に凹凸の模様(エンボス)を形成する目的は、主として意匠的な理由からであり、胴部側壁全体に形成する場合もあれば部分的に側壁上部、中間部あるいは下部のいずれか又はそれらを組み合わせてエンボスを形成する場合がある。
【0012】
この凹凸模様を形成するために使用する金型としては、内型と外型からなる金型を使用する。以下図面を参照しながら説明する。
内型としては、金属缶本体に挿入可能な、表面にエンボスすべき凹凸模様を刻設した主として円筒形の金型を用いる。エンボスすべき凹凸模様としては限定するわけではないが、金属缶に意匠性の向上効果を与えるものであれば形状は問わないが、主として金属缶胴部側壁に縦筋を形成させるために、上下方向に凸条の縦筋を有したものが用いられる。該凹凸の模様は、金属缶の内径が同一のものの内、最も長いもの(容量が最大のもの)に合わせて全長にわたって模様が刻設されている。
【0013】
材質的には、硬質で耐摩耗性のある材質であれば種類は問わないが、金属、セラミックス、硬質樹脂などが挙げられ、精密加工が可能で摩耗が少なく、靱性に優れている金属が最も好ましい。特に摩耗防止のために、スチールにハードクロムメッキなどの加工をしたものが好適である。
このエンボス加工は、加工速度ができるだけ速いことが必要であり、内型に対する金属缶本体の着脱も重力によって行うのでは遅いので、真空により金属缶本体を取り付け、エンボス加工後は加圧空気により取り外しを行うか、これをノッックピンなどのメカニカルな方法で強制的に着脱を行うことが要求される。
【0014】
また外型は、円筒形の、内型とは逆にゴム等の弾力性のある材質を選び、金属缶胴部側壁を内型との間に挟んで圧接することによりエンボス加工をするものである。金属缶に凹凸模様を形成させる領域のみが内型に圧接できればよいので、それ以外の部分は内型に圧力を与えない様な形状であれば特に制限はない。
【0015】
従来は、図5(a)、(b)に示す様に金属缶13、14の高さに合わせて内型11、12を作り、その凹凸の模様も凹凸模様を形成させる領域に合わせて刻設し、外型24、25もその凹凸模様に合わせた専用の外型をセットとして組み合わせて使用していたため、容器のサイズや模様の位置の変更に際していちいち専用の内型及び外型からなる金型に交換する必要があり、操作が煩雑で生産性を低下させコストアップの要因になっていた。
【0016】
これに対し図1〜3に示す様に、本発明の内型1は、金属缶の内径が同一のものの内、最も長いもの(容量が最大のもの)に合わせて全長にわたって凹凸状模様が刻設されており、外型は最長の金属缶3の全長に凹凸模様を形成する場合には図1に示す様に外型21は全長に亘り圧接部Aが設けられており、金属缶胴部側壁にエンボス加工を行う。得られた金属缶本体3は缶全長に亘り凹凸模様が付与される。
缶の長さが短い(容量が小さい)場合においても、図2に示す様に内型1は同一のものを使用し、外型22として圧接部Aは短い缶4の略全長に亘る部分に形成されており、これにより全長に亘り凹凸模様のエンボス加工した金属缶本体4が得られる。Bは非圧接部である。
図3に、容量的には図2と同じではあるが、凹凸模様の形成位置が異なる場合を示す。この場合は、内型1は図1および図2と同じものを使用するが、外型23は、その圧接部Aが胴部側壁の凹凸模様を形成させる領域(この場合は側壁中央部)だけに設けられているので、中央部のみに凹凸模様を形成した金属缶本体5が得られることになる。Bは外型23の上下に形成された非圧接部である。
【0017】
なお、内型1に刻設される外表面の凹凸模様の断面は、例えば図4に示す様に形成されており、外型21、22、23は、圧接部Aと非圧接部Bとからなっており、両者共に高速回転出来る様になっている。なお、凹凸模様を備えた各種金属缶の製造においては、外型のみの交換で内型を取り替える必要がないので生産性が大幅に向上する。
また内型1つに対し、各種の必要な外型のみを別に準備すればよいので、これまで多数準備していた高価な内型を削減できるメリットがある。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、内型と外型を使用して金属缶の側壁に模様を形成する場合において、金属缶の容量(高さ)が変わった場合や、形成する凹凸模様の位置が変わった場合においても、共通の内型を使用し、外型のみ交換するだけでよいので、内型の制作コストを削減でき、かつ生産性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型を用いて最大の金属缶の全長に凹凸模様を形成するケースの概念図。
【図2】本発明の金型を用いて小なる金属缶の全長に凹凸模様を形成するケースの概念図。
【図3】本発明の金型を用いて小なる金属缶の中央部のみに凹凸模様を形成するケースの概念図。
【図4】本発明に係る内型および外型の断面図。
【図5】従来の内型と外型の組合せの概念図。
【符号の説明】
1 本発明の内型
21 本発明の外型(1)
22 本発明の外型(2)
23 本発明の外型(3)
3 本発明の方法により製造された容量が最大の金属缶
4 本発明の方法により製造された容量が小なる金属缶
5 本発明の方法により製造された中央部のみに凹凸模様を形成した金属缶
24 従来の外型
25 従来の外型
A 外型に形成された圧接部
B 外型に形成された非圧接部
Claims (4)
- 金属板の絞り・しごき加工により形成された有底円筒状の金属缶本体内に、外表面に凹凸の模様が刻設された内型を配置し、金属缶本体を挟んで内型に対し外側から弾性体外型を圧接して金属缶胴部側壁に凹凸状の模様を形成する方法において、該金属缶として直径が同一で高さの異なる製品の胴部側壁に凹凸状の模様を形成するに際し、上記内型として加工対象とする金属缶の最も大なる高さの金属缶に模様を形成できる高さの共有内型を用い、外型として所望される領域のみに圧接部を設けた各種の外型を用いることを特徴とする金属缶の側壁に模様を形成する方法。
- 金属缶の胴部側壁の全長にわたり凹凸状模様が形成されている請求項1に記載の金属缶の側壁に模様を形成する方法。
- 金属缶の胴部側壁の上部、ほぼ中央部または下部の少なくともいずれかに凹凸状模様が形成されている請求項1に記載の金属缶の側壁に模様を形成する方法。
- 直径が同一で高さの異なる金属缶胴部側壁に凹凸状の模様を形成するための金型として、加工対象とする金属缶の最も大なる高さの金属缶の全領域に模様を形成できる高さ位置まで外表面に凹凸状の模様が刻設された共有内型と凹凸状模様を所望される領域のみに圧接部を設けた各種の弾性体外型からなる金属缶側壁に凹凸模様を形成するための金型。
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