JP4265066B2 - 複数電力系統の融通制御手段 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンビニエンスストアなど複数の電力系統に対して個別に最大使用契約電力を契約する一契約者において、系統間で電力を融通することによって経済的な電力運用を図る融通制御手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、日本における電力料金は、各契約者が電力会社との間で結ぶ最大使用契約電力と使用した電力量によって設定されている。契約者はこの契約電力を越えない範囲で使用が許され、基本料金と呼ばれる契約電力に対応した固定の契約電力料金に、電力の使用量に対応した電力料金を加えた電力料金を支払っている。
【0003】
電力の使用量は時間帯、曜日、季節などによって変動する他、電力系統によってピークを迎える時間帯や季節などが異なっている。このため複数の電力系統に対して個別に最大使用契約電力を契約している一契約者においては、ピークの時間帯のズレなどによってある時間帯、系統間で契約電力の余裕にアンバランスを生じる。このような場合、系統間で契約電力の余裕分を融通し合うことは、法的には認められておらず、また近い将来、認められたとしても電力仕様が異なったり、切り替えのタイミングの同期がとれない等の技術課題が残されている。このような理由から複数の電力系統の中から余裕分を見付け、相互に融通し合って経済的な電力運用を図る手段についてはほとんど検討されていなかった。
【0004】
この点につきコンビニエンスストアを具体例に取り上げ、詳しく説明する。
通常、コンビニエンスストアでは、複数の電力系統に対してそれぞれ異なる契約を結んでいる。例えば冷凍機分電盤、空調機分電盤などは低圧電力系統(以下、動力系統と呼称)、また照明分電盤などは時間帯別電灯系統で契約しており、それぞれの系統毎に最大使用契約電力が決められている。
【0005】
図5はこのような電力系統とこれに繋がる分電盤回路名の一例を示したものである。動力系統に接続された分電盤回路は空調機、小型冷凍機、冷凍ストッカー、リーチインショーケース、多段ショーケース、アイスショーケース、カウンター内冷蔵庫、ショーケース照明である。また電灯系統に接続された分電盤回路は、売り場照明、カウンターバックヤード照明、サイン看板・駐車場照明、店頭看板電源、保温ケース、その他電灯及びコンセントである。
【0006】
また、図6はこのようなコンビニエンスストアの夏季のある一日における電灯系統に接続された四つの分電盤に対する電力消費の推移を示したものである。図において、(1)、(2)、(3)、(4)はそれぞれ売り場照明、カウンター・バックヤード照明、サイン看板・駐車場照明、店頭看板照明を示している。
【0007】
図から明らかなように、(1)の売り場照明と(2)のカウンター・バックヤード照明は24時間ほぼ一定の電力消費で推移しており、(3)のサイン看板・駐車場照明と(4)の店頭看板照明は夜間にのみ電力消費が発生する。(1)と(2)をあわせた消費電力は約3kW、また(3)と(4)の特定分電盤をあわせた夜間の消費電力は約3kWである。したがって電灯系統の契約電力はこれらを合算した値6kWより大きくなければならず、昼間は約3kW以上の契約電力の余裕を生じている。
【0008】
また、図7は同じ日における動力盤に接続された空調機分電盤の消費電力の推移を示したものである。外気温度は夜間に23℃まで下がり、昼間に32℃まで上昇した。これに対応して空調機の冷房用入力も夜間に2kWまで下がり、昼間に7kWまで上昇した。したがって動力系統の契約電力は7kWより大きくなければならず、夜間には約5kW以上の契約電力の余裕を生じている。
【0009】
これら二つの図を比較して分かるように、契約電力に余裕ができる時間帯は略逆位相になっており、電力を融通することができれば、契約電力全体を低減することが可能である。しかしながらこの点については前述の通り、法的な認可が下りておらず、また認可されたとしても、動力系統が3相200Vであるのに対して電灯系統は単相200Vと電力仕様が異なる他、それぞれが切り替わるタイミングも完全に一致していない等の課題が残されている。このため契約者は個別に高い最大使用契約電力を契約して不経済的な運用をしていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各系統毎の電力種別(動力と電灯)の契約電力の最大値を、過剰に設定している事、及び動力と電灯のランニングコストが異なることに着目し、動力系統から電灯系統へと、同一系統内に電力の余裕がある場合、他系統の特定分電盤に電力を融通し、契約電力の低減とランニングコストの低減を図ろうとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
個別に最大使用契約電力を契約した複数の電力系統と、電力系統のそれぞれに繋がる複数の分電盤回路と、電力系統間で電力を融通する融通手段とを備え、時間帯により電力負荷が集中する特定電力系統に対し、適宜、電力余裕のある他の電力系統からの電力を融通する制御手段を設けるように構成したものである。
【0012】
電力余裕のある複数の電力系統の中から、その時間帯で最も料金単価の安い電力系統を判別し、電力負荷が集中している特定電力系統に対して安い他の電力系統からの電力を融通する制御手段を設けるように構成したものである。
【0013】
各電力系統の出力を略直流電圧に変換し、インバータ回路を介して負荷に供給するとともに、電力余裕のある料金単価の安い時間帯において電力を蓄え、電力負荷が集中する特定電力系統の特定時間帯に対し、蓄えられた電力と電力余裕のある複数の電力系統の中から、最も料金単価の安い系統を判別し、最も安い系統から特定電力系統に対して電力を融通する制御手段を設けるように構成したものである。
【0014】
低圧電力系統と都市ガスの二系統の熱源機を有す空調機器において、その時間帯で最も料金単価の安い系統を判別し、この系統の熱源機を利用する制御手段を設けるように構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
太陽光発電住宅における余剰電力を電力会社へ販売することが認可されるなど、近い将来、複数の電力系統の間で余裕分が融通されることが認可されるものと考えられる。ここではこのような展望に基づき、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1による複数電力系統の融通制御手段をコンビニエンスストアの電力系統別分電盤回路に適用した場合を示すブロック図である。
図において1は融通制御手段、2は動力系統の使用電力検知手段、3は電灯系統の使用電力検知手段である。動力系統の使用電力検知手段2と電灯系統の使用電力検知手段3はそれぞれの系統における使用電力を常時検知しており、これら信号は融通制御手段1へと送信される。
【0017】
次に動作を説明する。
前述のように夏季の場合、昼から夜へと時間が経つにつれて外気温度は下がり、動力系統の空調機の使用電力は急にダウンする。このダウンしたタイミングを融通制御手段1は使用電力検知手段2から送られた信号をもとに判別する。そしてこのタイミングに基づき融通制御手段1は、動力系統に生じた3相200Vの契約電力の余裕分から単相200Vを作り出す。この出力は電灯系統の店頭看板照明とサイン看板・駐車場照明の分電盤に繋がれ、それぞれに供給される。
【0018】
ここで従来例で説明したように動力系統の余裕電力は約5kW以上であり、店頭看板照明とサイン看板・駐車場照明を合せた消費電力は約3kWである。したがって動力系統の余裕分に店頭看板照明とサイン看板・駐車場照明を合せた電力を含ませることが可能になる。即ち、タイミングを捕らえて動力系統の電力を電灯系統の電力に変換すれば、動力系統の契約電力をそのままにして電灯系統の店頭看板照明とサイン看板・駐車場照明の分の契約電力をそっくり動力系統に切り替えることができる。これによって電灯系統の契約電力を低減する経済的な運用が可能になる。
【0019】
実施の形態2
図2は本発明の実施の形態2による融通制御手段の構成要素を示す機能ブロック図である。図において4、5はそれぞれ系統1、2における使用電力検知手段、6は系統別契約電力記憶手段、7は余裕電力演算手段、8は従量料金記憶手段、9は室外照明点灯許可申請記憶手段、10は電力融通判定手段、11は電力系統切り替え手段、12は電力変換手段である。
【0020】
次に動作を説明する。
電力系統1、2における使用電力は使用電力検知手段4、5によって検知される。これら検知信号は余裕電力演算手段7に入力し、系統別契約電力記憶手段6からの情報を参照しながら余裕電力系統、余裕電力が算出される。この演算結果は電力融通判定手段10に入力し、従量料金記憶手段8と室外照明点灯許可申請記憶手段9からの情報を参照しながらこの時間において電力料金が最少となる電力系統が選択される。
【0021】
ここで、この選択された電力系統からの余裕電力は電力系統切り替え手段11によって各系統に分配される。この際、異なる系統については電力仕様が異なるため、電力変換手段12によって適合する電力仕様に変換される。
【0022】
このように本実施の形態は、時間帯によって電力料金が異なる特定電力系統がある点に着目し、余裕電力と料金単価を勘案しながら料金面で、その時間帯に最も適した電力系統を選択することにより経済的な電力運用を図ろうとするものである。
【0023】
この点につき前述のコンビニエンスストアを例に取り上げて詳しく説明する。時間帯別電灯の電灯契約の価格は図6に示すように、昼間に対応する朝7時から夜23時までの時間帯では従量料金が32.25円/kWhであり、夜間に対応する夜23時から朝7時までの時間帯では従量料金が6.15円/kWhである。
【0024】
したがって屋外照明の店頭看板照明とサイン看板・駐車場照明については23時から6時までの時間帯では安い従量料金で使用できる。しかし、夕方17時から深夜23時までの時間帯は高い料金32.25円/kWhを使用しなければならず、電灯料金は割高となっている。
【0025】
一方、動力系統の夏季従量料金は図7に示すように24時間、常時11.55円/kWhになっている。この料金単価は昼間の電灯従量料金(32.25円/kWh)より安くなっているが、夜間の電灯従量料金(6.15円/kWh)より高くなっている。
【0026】
したがって17時から23時までの時間帯では、屋外照明用分電盤2個に、動力系統の電源を投入すれば経済的であることが分かる。この時の、従量料金の月当たりの低減額は、
4時間/日×(32.25円/kWh―11.55円/kWh)×3kW×30日/月=7000円/月 式(1)
となり、年間では84000円の経済効果が期待される。
【0027】
このように電力料金が最少の電力系統を判定し、負荷が集中している特定電力系統へ電力の融通を実施すれば、経済的な電力運用が可能になることが分かる。
【0028】
なお、図では二つの系統で説明したが、これ以上の数であっても同様である。また3相200Vの動力系統を単相200Vの電灯系統に変換するには3相200Vの3線から適当な2線をスイッチング手段で選択すれば簡単に出来る。
【0029】
実施の形態3
これまでの実施の形態1、2は複数の電力系統間で契約電力を融通しあうことを前提にしたが、実施の形態3では現行法に近い適用例について示す。
図3は本発明の実施の形態3による構成を示す機能ブロック図である。
【0030】
図において、20は動力系統の3相200Vの電源、21は電灯系統の単相200Vの電源、22、23はそれぞれスイッチ回路、24は3相200V電源を直流電圧に変換するための整流回路、25はインバータ回路、26は負荷である空調機、27は充放電回路、28は蓄電池、29はスイッチ回路、30は電気機器、31は整流回路、32はインバータ回路、33は負荷の照明器である。
【0031】
次に動作を説明する。
まず通常動作について説明する。スイッチ回路22とスイッチ回路23はOFFの状態にあり、3相200Vの電源20からの電圧は整流回路24によって略直流電圧に変換される。この略直流電圧はインバータ回路25に入力され、負荷である空調機26を駆動する。この時、電力の一部は充放電回路27によって蓄電池28に蓄えられる。
【0032】
またこの時スイッチ回路29はONの状態にあり、電灯系統の単相200Vの電源21からの電圧は負荷の電気機器30に直接入力され、これを駆動する他、スイッチ回路29を介して整流回路31に入力され、略直流電圧に変換された後、インバータ回路32に入力され、負荷の照明器33を駆動する。
【0033】
次に、動力系統の3相200Vの電源20に余裕があり、これを電灯系統に融通する場合について説明する。
スイッチ回路29はOFFの状態となり、照明器33は単相200Vから遮断される。この時、同時にスイッチ回路22とスイッチ回路23はONの状態になり、3相200Vの整流して得られた略直流電圧は、インバータ回路32に入力され、照明器33を駆動する。
【0034】
ここで、前述の蓄電池28に蓄えられた電力は、例えば電灯系統が高い料金単価となる時間帯において充放電回路27によって放電され、経済的な電力運用のために使用される。このように3相200V、単相200Vを一旦、略直流電圧に変換することにより系統間の電力融通が簡単になる他、電力料金単価の安い時間帯を利用して電力を蓄え、電力料金単価の高い時間帯を安い電力でまかなうことができるので、一層経済的な運用が可能となる。
【0035】
実施の形態4
本発明の実施の形態4は動力系統の電力と都市ガスを併用して運用する場合について示す。実施の形態2と比較すると、運用の対象になる系統が電力にとどまらず、都市ガスまで含めたものに拡張されている。つまり電力系統、都市ガスの中からその時間帯で料金単価の最も安い系統を選択して経済的な運用を図ることを目的にしている。
【0036】
図4に実施の形態4における構成要素のブロック図である。図おいて制御回路40からの信号に基づき分流機41よって動力系統の3相200Vの電源による電気熱源機42もしくは都市ガスによるガス熱源機43のいずれかが選択されて空調機が経済的に運用される。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0038】
複数の電力系統と個別に最大使用契約電力を契約する一契約者において、電力系統間で電力を融通する融通手段を設け、時間帯により電力負荷が集中している特定電力系統に対し、適宜、電力余裕のある他の電力系統からの電力を融通するように構成したのでトータルの契約電力の低減ができる。
【0039】
また、電力余裕のある複数の電力系統の中から、その時点で最も料金単価の安い電力系統を判定し、この電力系統からの電力を電力負荷が集中している特定電力系統に対して融通するように構成したので、トータルの契約電力を低減できると共に、ランニングコストを低減できる。
【0040】
また、各電力系統の出力を略直流電圧に変換して負荷に供給し、かつ電力余裕のある料金単価の安い時間帯において電力を蓄え、電力負荷が集中する特定電力系統の特定時間帯に対し、蓄えられた電力と電力余裕のある複数の電力系統の中から最も料金単価の安い系統を判別し、この系統から特定電力系統に対して電力を融通するように構成したので、トータルの契約電力を低減できると共に、ランニングコストを低減できる。
【0041】
また、低圧電力系統と都市ガスの二系統の熱源機を有す空調機器において、その時間帯で最も料金単価の安い系統を判別し、その系統の熱源機を利用するようにしたので、ランニングコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる融通制御手段をコンビニエンスストアの電力系統に適用した場合の構成を示したブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係わる融通制御手段の構成を示した機能ブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係わる融通制御手段をコンビニエンスストアの電力系統に適用した場合の構成を示したブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態4に係わる構成要素のブロック図である。
【図5】 従来のコンビニエンスストアにおける電力種別と分電盤回路名を示したブロック図である。
【図6】 従来のコンビニエンスストアにおいて、夏季のある一日の電灯系統における各分電盤の消費電力の推移と時間帯別電灯の電灯契約の価格を示した図である。
【図7】 従来のコンビニエンスストアにおいて、夏季のある一日の動力系統における各分電盤の消費電力の推移と夏季従量料金を示した図である。
【符号の説明】
1 融通制御手段、2 動力系統の使用電力検知手段、3 電灯系統の使用電力検知手段、4 系統1における使用電力検知手段、5 系統2における使用電力検知手段、6 系統別契約電力記憶手段、7 余裕電力演算手段、8 従量料金記憶手段、9 室外照明点灯許可申請記憶手段、10 電力融通判定手段、11電力系統切り替え手段、12 電力変換手段、20 3相200Vの電源、21 単相200Vの電源、22 スイッチ回路、23 スイッチ回路、24 整流回路、25 インバータ回路、26 空調機、27 充放電回路、28 蓄電池、29 スイッチ回路、30 電気機器、31 整流回路、32 インバータ回路、33 照明器、40 制御回路、41 分流機、42 電気熱源機、43ガス熱源機
Claims (2)
- 個別に使用契約電力を契約した複数の電力系統と、前記複数の電力系統に接続され前記電力系統間で電力を融通する融通手段と、前記複数の電力系統の電力を検出し余裕電力を演算するとともに、時間帯および季節に応じた電力料金を記憶させる料金記憶手段からの情報に基づき融通電力を判定する判定手段と、を備え、前記判定手段の判定に基づき室外照明用電力に前記融通電力を使用することを特徴とする制御手段。
- 前記判定手段は、室外照明点灯許可申請の情報に基づき判定する請求項1記載の制御手段。
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