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JP4284231B2 - 作業車両のキャビン - Google Patents
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JP4284231B2 - 作業車両のキャビン - Google Patents

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Description

本発明は、作業車両のキャビンの構造に関する。より詳細には、キャビン内で発生する不快な音を低減し、キャビン内の居住性を向上させる技術に関する。
従来、作業者が着座する座席の周囲をキャビンで覆ったトラクタは公知となっている。作業車両のキャビンは、通常、フロントピラーやリアピラー等からなるフレームによりその骨格が形成され、上面にはルーフが設けられる。また、キャビンの前後面および左右側面の開口部に、ガラスや樹脂製の透明な風防(フロントガラスやリアガラス等)あるいはドアを設け、ボンネットからキャビン内への騒音や外気の侵入を遮断している。
例えば、特許文献1に記載の如くである。
特開2003−175860号公報
従来の作業車両のキャビンの開口部に設けられた左右のドアやリアガラス、あるいはルーフに設けられた換気用のハッチ等の「開閉部材」は、その一端をヒンジによりフレームに取り付けるとともに、他端側に係止部材(例えばドアノブ)を設け、開閉部材を閉じた状態でフレーム等に係止可能としている。しかし、このような構成の開閉部材は、キャビン内に「こもり音」を発生させる場合がある。こもり音は、作業車両が悪路を走行する際に発生する揺れ、あるいはエンジンや作業機が発生する振動がキャビンのフレームを経て上記開閉部材に伝播し、該開閉部材が振動してキャビン内の容積が変化することによりキャビン内の空気圧が変化し、該空気圧の変化が作業者の耳に音圧として感知されるものである。このようなこもり音はキャビン内の作業者にとって不快なものであり、作業者の疲労の原因の一つとして挙げられる。本発明は、上記の如き状況に鑑み、こもり音を低減して作業者の居住性、快適性を向上させた作業車両のキャビンを提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、キャビン(12)を、サイドフレームユニット(20)と、該サイドフレームユニット(20)の一部に設けられた開口部に、開閉可能に設けられたドア(50)により構成し、該ドア(50)の一端をヒンジ(62・62)により、前記サイドフレームユニット(20)に取り付け、該ドア(50)の他端を係止部材(63)によりサイドフレームユニット(20)に係止可能とし、該ドア(50)の周縁部に、単数または複数の磁性体により構成した被拘束部材(65a・・・)を設けるとともに、該サイドフレームユニット(20)において、該ドア(50)を閉じたときに被拘束部材(65a・・・)と対向する位置に電磁石(175a・・・)により構成した拘束用アクチュエータを付設し、該電磁石(175a・・・)への電力の供給は作業車両の駆動源と連動する発電機(67)により行い、前記係止部材(63)がドア(50)をサイドフレームユニット(20)に係止したことを検知するスイッチ機構(69)を設け、該スイッチ機構(69)と電磁石(175a・・・)とを連動させたものである。
請求項2においては、請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記ドア(50)の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材(65a・・・)をドア(50)の角部に設けたものである。
請求項3においては、請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記ドア(50)の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材(65a・・・)をドア(50)の辺の略中央部に設けたものである。
請求項4においては、請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記被拘束部材(65a・・・)とドア(50)との間に、弾性部材(66)を介装したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、キャビン(12)を、サイドフレームユニット(20)と、該サイドフレームユニット(20)の一部に設けられた開口部に、開閉可能に設けられたドア(50)により構成し、該ドア(50)の一端をヒンジ(62・62)により、前記サイドフレームユニット(20)に取り付け、該ドア(50)の他端を係止部材(63)によりサイドフレームユニット(20)に係止可能とし、該ドア(50)の周縁部に、単数または複数の磁性体により構成した被拘束部材(65a・・・)を設けるとともに、該サイドフレームユニット(20)において、該ドア(50)を閉じたときに被拘束部材(65a・・・)と対向する位置に電磁石(175a・・・)により構成した拘束用アクチュエータを付設し、該電磁石(175a・・・)への電力の供給は作業車両の駆動源と連動する発電機(67)により行い、前記係止部材(63)がドア(50)をサイドフレームユニット(20)に係止したことを検知するスイッチ機構(69)を設け、該スイッチ機構(69)と電磁石(175a・・・)とを連動させたので、キャビン内のこもり音の発生を低減し、キャビン内の作業者の居住性、快適性を向上させることが可能である。
また、作業者が小さい力で開閉部材の開閉を行うことが可能である。
また、作業者は特別な操作をせずとも、エンジンが作動している状態で開閉部材を閉めれば電磁石が被拘束部材を拘束するので、作業性に優れる。
請求項2においては、請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記ドア(50)の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材(65a・・・)をドア(50)の角部に設けたので、拘束用アクチュエータが被拘束部材を拘束することにより開閉部材をキャビンの被覆部材に固定する位置の数を最小限として、効果的にこもり音の発生を低減することが可能である。
請求項3においては、請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記ドア(50)の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材(65a・・・)をドア(50)の辺の略中央部に設けたので、拘束用アクチュエータが被拘束部材を拘束することにより開閉部材をキャビンの被覆部材に固定する位置の数を最小限として、効果的にこもり音の発生を低減することが可能である。
請求項4においては、請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記被拘束部材(65a・・・)とドア(50)との間に弾性部材(66)を介装した開閉部材の振動を低減し、こもり音の発生を防止することが可能である。
以下では、図1を用いて本発明に係る作業車両の実施の一形態であるトラクタ201の全体構成について説明する。
なお、本発明に係る作業車両は本実施例のトラクタ201に限らず、コンバインや運搬車等の農業用車両、あるいはバックホーやローダ等の建設機械等、作業者が搭乗して運転操作する作業車両に広く適用可能である。
また、以下の説明では図1中の矢印Aの方向をトラクタ201の前方とし、図1中の紙面手前側をトラクタ201の左側面とする。
トラクタ201の前後には前輪1・1および後輪2・2が支承され、前部のボンネット6内部にはエンジン5が配置される。該ボンネット6の後方にはキャビン12が設けられる。該キャビン12の内部にはステアリングハンドル10が配設され、その後方には座席11が配設される。また、座席11の側部には主変速レバー、副変速レバー、PTO操作レバー等の操作レバー群が配設される。ここで、作業者が作業車両(本実施例ではトラクタ201)を操縦するために操作するもの(本実施例においては、ステアリングハンドル10、操作レバー群等)を総称して「操縦部」とする。エンジン5の後部にはクラッチハウジング7が配置され、クラッチハウジング7の後部にミッションケース9が配設され、エンジン5からの駆動力を前輪1・1および後輪2・2に伝達して駆動する。
以下では、図1および図2を用いて本発明に係る作業車両のキャビンの構成の一形態であるキャビン12の詳細構成について説明する。図1および図2に示す如く、キャビン12はトラクタ201の座席11(より厳密には、作業車両の操縦部)の周囲を覆って風雨や直射日光等から作業者を保護するものであり、主に左右一対のサイドフレームユニット20・20、ロアフレームユニット21、フロントアッパーフレーム23、リアアッパーフレーム24、フロントセンターフレーム81等からなるフレームと、前面風防13と、左右一対のドア50・50と、後面風防51と、キャビン12の上面に設けられたルーフ41等で構成される。
図2に示す如く、左右一対のサイドフレームユニット20・20はキャビン12の側面を成す構造体である。なお、本構成例のサイドフレームユニット20・20は左右略対称に構成されていることから、以下の説明ではキャビン12の左側面側のサイドフレームユニット20についてのみ説明を行う。サイドフレームユニット20は主にフロントピラー40、リアピラー14、サイドアッパーフレーム44、サイドステップフレーム42、フェンダ33等で構成される。
フロントピラー40はサイドフレームユニット20の前部を成す部材であり、キャビン12のルーフ41の右前端または左前端を支持する。フロントピラー40はパイプ状の部材であり、側面視で中途部において略「く」の字型に屈曲している。
リアピラー14はサイドフレームユニット20の後部を成す部材であり、キャビン12のルーフ41の右後端または左後端を支持する。
サイドアッパーフレーム44はサイドフレームユニット20の上部を成す部材であり、その前端はフロントピラー40の上端部に固設され、その後端はリアピラー14の上端部に固設される。
サイドステップフレーム42はサイドフレームユニット20の下前半部を成す部材であり、その前端はフロントピラー40の下端部に固設され、その後端はフェンダ33の前端部に固設される。サイドステップフレーム42は乗降時に作業者が足をかけるステップとしての機能を兼ねる。
フェンダ33はサイドフレームユニット20の下後半部を成す部材であり、その一端はサイドステップフレーム42の後端部に固設され、その後端はリアピラー14の下端部に固設される。フェンダ33は後輪2・2と対向し、後輪2・2により跳ね上げられる土や泥等がキャビン12に侵入することを防止している。
ロアフレームユニット21はキャビン12の下面を構成する構造体である。ロアフレームユニット21は主に左右一対のダウンフレーム26・26、リアセンターフレーム30、ダストカバー29、シート固定部材38、エアカットプレート39、フロントマウントステー27、リアマウントステー28等で構成される。
ダウンフレーム26・26は側面視で略「く」の字型に屈曲され、ロアフレームユニット21の下部から後部にかけての部位を成す部材である。ダウンフレーム26・26の前端部はそれぞれエアカットプレート39の左右の下端部に固設され、後端部はそれぞれリアセンターフレーム30の左右端部に固設される。
リアセンターフレーム30はロアフレームユニット21の後部を成す部材であり、ダウンフレーム26・26の後端部に固設される。
ダストカバー29はロアフレームユニット21の後面を成す部材であり、ダウンフレーム26・26の後部およびリアセンターフレーム30に固設されてロアフレームユニット21の剛性を向上させるとともに、キャビン12の後面下部を閉塞してキャビン12内に土や泥等が侵入することを防止している。
シート固定部材38はダウンフレーム26・26の上方かつリアセンターフレーム30の前方に配置される部材であり、その上面には座席11および操作レバー群が配設される。
エアカットプレート39はロアフレームユニット21の前面を成す部材であり、その下端部はダウンフレーム26・26の前端部に固設される。エアカットプレート39はボンネット6からキャビン12へ騒音や外気が侵入することを防止する機能と、ステアリングハンドル10やその他の計器類、操作ペダル等が設けられる取付部材としての機能を兼ねる。
フロントマウントステー27・27はそれぞれダウンフレーム26・26の前端部に固設される部材であり、ロアフレームユニット21の前部と前記サイドフレームユニット20の前部(サイドステップフレーム42・42)とを固定する機能と、防振部材を介してキャビン12をトラクタ201本体に固定する機能とを兼ねる。
リアマウントステー28・28はそれぞれダウンフレーム26・26の屈曲部に固設される部材であり、ロアフレームユニット21の後部と前記サイドフレームユニット20・20の後部(フェンダ33・33)とを固定する機能と、防振部材を介してキャビン12をトラクタ201本体に固定する機能とを兼ねる。
図1に示す如く、前面風防13は、キャビン12のフレームを構成する部材のうち、フロントアッパーフレーム23、フロントピラー40・40、およびフロントセンターフレーム80で囲まれたキャビン12の前面の開口部に固定される。前面風防13はガラスや樹脂等、透明な材料で構成される。
後面風防51は、キャビン12のフレームを構成する部材のうち、リアアッパーフレーム24、リアピラー14・14、およびリアセンターフレーム30で囲まれたキャビン12の後面の開口部に固定される。後面風防51はガラスや樹脂等、透明な材料で構成される。
以下の説明では、キャビンを構成する部材のうち、操縦部を覆う部材を「被覆部材」とし、該被覆部材の一部に設けられた開口部に開閉可能に設けられた部材を「開閉部材」とする。本構成例の場合、フレーム群やルーフ41等、キャビン12の構造体を成す部材またはそれに固定されている部材が被覆部材に相当し、ドア50・50が開閉部材に相当する。また、前面風防13および後面風防51については、開閉可能な構成とした場合には開閉部材に相当し、フレームに固定される構成とした場合には被覆部材に相当する。
以下では、図1、図3および図4を用いて、本発明に係る開閉部材の第一構成例である左右一対のドア50・50の詳細構成について説明する。ドア50・50は、キャビン12のフレームを構成する部材のうち、フロントピラー40、リアピラー14、サイドアッパーフレーム44、サイドステップフレーム42、およびフェンダ33で囲まれたキャビン12の左右側面の開口部にそれぞれ設けられる。なお、本実施例のドア50・50は左右略対称に構成されていることから、以下の説明においてはキャビン12の左側面に設けられたドア50についてのみ説明する。
ドア50は、主に胴体部61、ヒンジ62・62、係止部材63、ウェザーストリップ64等で構成される。
胴体部61は、キャビン12内の作業者が側方の視界を確保可能とするために、透明なガラスや樹脂等の材料で構成される。
ヒンジ62・62はドア50の後端を回動可能にキャビン12のフレーム(本構成例においてはリアピラー14)に取り付けるものである。なお、本構成例においてはヒンジ62・62によりドア50の後端をキャビン12のフレームに取り付けているが、ヒンジによりドアの前端を取り付けても、ドアの上端を取り付けても良い。
係止部材63はドア50の前端、すなわち、ドア50においてヒンジ62・62が取り付けられている方の端部(後端)の反対側の端部に設けられ、ドア50が閉じた状態において、該ドア50の前端をキャビン12のフレーム(本構成例の場合、フロントピラー40)に係止可能とするものである。係止部材63はドアノブ63a、係止爪収容部63b、係止爪63c、ボタン63d等で構成される。
ドアノブ63aは、作業者が手で握ってドア50の開閉を行うための取手であり、ドア50の外面(キャビン12の外部と対向する面)に設けられる。
係止爪収容部63bはドア50の内面(キャビン12の内部空間と対向する面)に設けられる。係止爪収容部63bは、係止爪63cを収容可能に構成され、該係止爪63cを係止爪収容部63bから突出、および係止爪収容部63bに収容するための機構(図示せず)が設けられる。
係止爪63cは係止爪収容部63bから突出可能に構成され、ドア50が閉じた状態において、キャビン12のフレーム(本構成例の場合、フロントピラー40)側に設けられた係合部材(図示せず)と係合し、該ドア50の前端部をキャビン12のフレーム(本構成例の場合、フロントピラー40)に係止するための部材である。
ボタン63dは係止爪63cを係止爪収容部63b内に収容(退避)させる、すなわち、ドア50を開ける際に係止爪63cとキャビン12のフレーム(本構成例の場合、フロントピラー40)側に設けられた係合部材(図示せず)との係合を解除するためのボタンである。ボタン63dは作業者がドアノブ63aを握った手で操作可能な位置に設けられ、ドア50の内側及び外側に設けられる。
ウェザーストリップ64はゴムや樹脂等の弾性材料で構成され、ドア50の周縁部を被覆している。ウェザーストリップ64はドア50を閉じたときにキャビン12の開口部の周縁部と当接して風雨の侵入を防止するとともに、キャビン12に伝播した振動によりドア50が小刻みにフレームと衝突し、不快な振動音を発生させるのを軽減するものである。
構成例のドア50の内面には、計六個の被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fが設けられている。被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fは、磁石と磁力により吸着可能な材料(例えば鉄等の金属片からなる磁性体や永久磁石等)で構成され、いずれもドア50の周縁部に設けられる。
一方、キャビン12のフレームにおいて、ドア50を閉じた状態で被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fと対向する位置には、それぞれ拘束用アクチュエータとして永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fが設けられている。該永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fは磁石の構成の一形態であり、フェライト磁石等の永久磁石からなる。永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fはドア50を閉じたときに被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fと吸着する(すなわち、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fは永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fに拘束される)。
なお、開閉部材は本実施例の如くドア50・50に限定されず、フレームの開口部に開閉可能に設けられ、開閉可能な構成とした場合のキャビン12の前面風防(フロントガラス)13や後面風防(リアガラス)51、あるいはルーフ41に設けられた換気用のハッチ(図示せず)等も開閉部材に含まれる。
以上の如く、本発明に係る作業車両のキャビンの実施の一形態であるキャビン12は、ドア50・50の一端(後端)をヒンジ62・62によりリアピラー14に取り付け、ドア50・50の他端(前端)を係止部材63・63によりフロントピラー40に係止可能とし、各ドア50の周縁部に単数または複数の(本実施例の場合、六個の)被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを設けるとともに、該フレームにおいて、各ドア50を閉じたときに該被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fと対向する位置に永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fを設け、各ドア50を閉じたときに被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fにより拘束させるものである。
このように構成することは、以下の如き利点を有する。すなわち、従来のキャビンは、ドアを閉じたときに、ヒンジが取り付けられている部分、および係止部材が係止されている部分のみが被覆部材に固定されている。そのため、作業車両が悪路を走行することにより発生する揺れや、エンジンや作業機が発生する振動がキャビンのフレームを経てドアに伝播すると、ドアにおいて被覆部材に固定されていない部分が振動してキャビン内の容積が変化する。そして、ドアにおいて被覆部材に固定されていない部分が振動することによりキャビン内の空気圧が変化して「こもり音」が発生する。
これに対して、本発明に係るキャビン12は、ドア50を閉じたときに、ヒンジ62・62が取り付けられている部分、および係止部材63が係止されている部分に加えて、永久磁石75a・75b・75c・75d・75e・75fが被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを拘束している部分も、キャビン12の被覆部材と固定されている。
そのため、作業車両が悪路を走行することにより発生する揺れや、エンジンや作業機が発生する振動がキャビンの被覆部材を経てドアに伝播しても、ドア50において被覆部材に固定されていない部分の長さ(すなわち、ドア50の周縁部において被覆部材に固定されている部分で挟まれた長さ)が短く、ドア50の振動によるキャビン12内の容積の変化量が小さい(言い換えれば、振動時の開閉部材の振幅が小さい)。従って、「こもり音」の発生を低減し、キャビン12内の作業者の居住性、快適性を向上させることが可能である。
また、ドア50をキャビン12の被覆部材に固定する箇所が多くなることにより、従来よりもドア50とキャビン12のフレームとの密着性が増し、外部の騒音がキャビン12内に侵入することを防止することが可能である。
なお、開閉部材に設けられる被拘束部材の個数については、本構成例の如く六個には限定されず、開閉部材の形状や材質、厚さ等に応じて適宜選択することが望ましい。
また、本構成例に示す如く、ドア50の形状が略多角形である場合には、被拘束部材をドア50の角部(被拘束部材65a・65b・65c・65dに相当する)、または、ドア50の辺の略中央部(被拘束部材65e・65fに相当する)に設けることが好ましい。このように構成することにより、開閉部材がキャビンの被覆部材へ固定される位置の数を最小限として、効果的にキャビン12内の容積の変化量を小さくし(言い換えれば、振動時の開閉部材の振幅を小さくして)、こもり音の発生を低減することが可能である。
なお、被拘束部材が設けられる開閉部材の周縁部は、本構成例の如く「開閉部材の内面側かつ開閉部材の端面近傍」に限定されず、「開閉部材の端面(上端面や側端面、下端面等)」や、「開閉部材の外面側かつ開閉部材の端面近傍」も含まれる。
以下では、図5を用いて、本発明に係る開閉部材の構成例であるドア150の詳細構成について説明する。なお、ドア150を構成する部材のうち、前記ドア50と略同じ構成の部材には同じ部材番号を付して説明を省略するものとし、前記ドア50との相違点についてのみ説明する。
ドア150が前記ドア50と異なる点は、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65f(図5においては被拘束部材65a・65bのみ図示)と胴体部61との間にゴムや樹脂等の弾性材料からなる弾性部材66・66・・・を介装したことである。このように構成することにより、ドア150の振動をさらに低減し、こもり音の発生を防止することが可能である。
以下では、図6を用いて、本発明に係る開閉部材の実施例であるドア250の詳細構成について説明する。なお、ドア250を構成する部材のうち、前記ドア50と略同じ構成の部材には同じ部材番号を付して説明を省略するものとし、前記ドア50との相違点についてのみ説明する。
ドア250が前記ドア50と異なる点は、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65f(図6においては被拘束部材65a・65bのみ図示)を拘束する拘束用アクチュエータを、電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175f(図6においては電磁石175a・175bのみ図示)とし、該電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fに、発電機67から配線68、スイッチ機構69、配線70a・70b・70c・70d・70e・70f(図6においては配線70a・70bのみ図示)を経て電力を供給する構成としたことである。ここで、発電機67は、トラクタ201のエンジン5と連動して電力を発生する(エンジン5が回転駆動されているときのみ電力を発生させる)ものである。なお、電磁石への電力供給源として、発電機67に換えてトラクタ201に具備される蓄電池(バッテリー)等を用いることも可能である。
このように構成することは以下の如き利点を有する。すなわち、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを拘束する拘束用アクチュエータを永久磁石とした場合には、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fと永久磁石との距離が近くなる(すなわち、ドアが閉じた状態となる)と、両者の間に常に磁力が作用する。そのため、ドアの開閉が多少重くなる(作業者がドアの開閉に要する力が大きくなる)という問題がある。これに対して、ドア250の如く、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを拘束する拘束用アクチュエータを電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fとした場合には、ドア250の開閉時には通電を停止して、電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fと被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fとの間に磁力を作用させずに拘束を解除し、ドア250をキャビン12のフレームに固定するときにのみ通電して、電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fと被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fとの間に磁力を作用させて拘束することが可能である。従って、ドア250の開閉が容易である(言い換えれば、作業者が小さい力でドア250の開閉を行うことが可能である)。
また、拘束用アクチュエータを永久磁石とした場合には、当該永久磁石と被拘束部材との間に作用させ得る磁力の大きさは、作業者によるドアの開閉が可能な範囲に規制される。これに対して、ドア250の如く、被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを拘束する拘束用アクチュエータを電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fとした場合には、当該拘束用アクチュエータと被拘束部材との間に作用させ得る磁力の大きさを、作業者によるドアの開閉が不可能な範囲としても(すなわち、強い力で拘束しても)特に問題はない。従って、磁石と被拘束部材との磁力による吸着力をより強固にして、ドアの振動を抑制することが可能である。
また、本実施例におけるスイッチ機構69は、係止部材63の係止爪63cがフレーム(フロントピラー40)と係合する部分に設けられる。スイッチ機構69は、発電機67から配線68を経て該スイッチ機構69に供給された電力を、係止爪63cが被覆部材と係合した(係止部材63がドア250をフレーム側に係止した)ことを検知した場合にのみ配線70a・70b・70c・70d・70e・70f(図6においては配線70a・70bのみ図示)を経て電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fに供給する構成としている。つまり、ボタン63dを押すことによりスイッチ(検知手段)がオフとなり、該スイッチに連動して電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fへの通電が停止され、電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fが作動しないようにしている。このように構成することにより、作業者は特別な操作をせずともドア250を閉めれば電磁石175a・175b・175c・175d・175e・175fが被拘束部材65a・65b・65c・65d・65e・65fを拘束するので、作業性に優れる。
なお、スイッチ機構69の構成については、係止部材により開閉部材が被覆部材に係止されたこと、または、開閉部材がフレームの開口部を閉じた状態であること、を検知した場合に電磁石に通電する構成であれば他の構成でも良い。また、係止部材により開閉部材が被覆部材に係止されたこと、または、開閉部材が被覆部材の開口部を閉じた状態であること、を検知する検知手段としては光センサ等のセンサ類、あるいはタッチスイッチ等が挙げられる。
本実施例の場合、電磁石への電力の供給源がエンジン5と連動する発電機であるため、エンジン5が作動していないときには電磁石への通電は行われないが、キャビン12に振動が伝播するときは、通常はエンジンが作動している状態であるから特に問題はない。
また、本実施例においては、ヒンジおよび係止部材の他に開閉部材をキャビンのフレームに固定する手段として、キャビンのフレーム側に拘束用アクチュエータとして永久磁石または電磁石を設け、開閉部材側に永久磁石または電磁石に磁力により拘束される磁性体からなる被拘束部材を設ける構成としたが、(1)キャビンのフレーム側にエア吸引可能な吸盤を設け、開閉部材側に該吸盤が吸着可能な平滑面を形成する構成、または、(2)キャビンのフレーム側にソレノイド(摺動するピンを有する)またはエアシリンダまたは油圧シリンダまたは電動シリンダからなるアクチュエータを設け、該開閉部材の周縁部をフレーム側に押し付ける(または引きつける)、あるいは、外方向へ押しつける、若しくは、該開閉部材の周縁部を保持する(または面の中央側に面と平行に押しつける)構成、または、(3)中空のチューブをドア外周に貼設して(例えばウェザーストリップ64の代わりにチューブを用いて)該チューブの中空部にエアを送る構成、としても同様の効果を奏する。
本発明に係る作業車両の構成の一形態であるトラクタの左側面図。 本発明に係るキャビンのフレームを示す分解斜視図。 本発明に係るキャビンのドアの第一構成例を示す側面図。 本発明に係るキャビンのドアの第一構成例を示す正面模式図。 本発明に係るキャビンのドアの第二構成例を示す正面模式図。 本発明に係るキャビンのドアの実施例を示す正面模式図。
12 キャビン
50 ドア(開閉部材)
62 ヒンジ
63 係止部材
65a・65b・65c・65d・65e・65f 被拘束部材
75a・75b・75c・75d・75e・75f 永久磁石(拘束用アクチュエータ)
201 トラクタ(作業車両)

Claims (4)

  1. キャビン(12)を、サイドフレームユニット(20)と、該サイドフレームユニット(20)の一部に設けられた開口部に、開閉可能に設けられたドア(50)により構成し、該ドア(50)の一端をヒンジ(62・62)により、前記サイドフレームユニット(20)に取り付け、該ドア(50)の他端を係止部材(63)によりサイドフレームユニット(20)に係止可能とし、該ドア(50)の周縁部に、単数または複数の磁性体により構成した被拘束部材(65a・・・)を設けるとともに、該サイドフレームユニット(20)において、該ドア(50)を閉じたときに被拘束部材(65a・・・)と対向する位置に電磁石(175a・・・)により構成した拘束用アクチュエータを付設し、該電磁石(175a・・・)への電力の供給は作業車両の駆動源と連動する発電機(67)により行い、前記係止部材(63)がドア(50)をサイドフレームユニット(20)に係止したことを検知するスイッチ機構(69)を設け、該スイッチ機構(69)と電磁石(175a・・・)とを連動させたことを特徴とする作業車両のキャビン。
  2. 請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記ドア(50)の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材(65a・・・)をドア(50)の角部に設けたことを特徴とする作業車両のキャビン。
  3. 請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記ドア(50)の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材(65a・・・)をドア(50)の辺の略中央部に設けたことを特徴とする作業車両のキャビン。
  4. 請求項1記載の作業車両のキャビンにおいて、前記被拘束部材(65a・・・)とドア(50)との間に、弾性部材(66)を介装したことを特徴とする作業車両のキャビン。
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