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JP4284911B2 - 素子の転写方法 - Google Patents
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JP4284911B2 - 素子の転写方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、素子の分離方法及び素子の転写方法に関し、特に微細素子の分離及び転写に好適な素子の分離方法及び素子の転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子機器等においては、微細な素子、電子部品、電子デバイス、さらにはそれらをプラスチックのような絶縁体に埋め込んだ電子部品等を多数配列することにより構成されたものが広く用いられている。
【0003】
例えばアクティブマトリクス駆動の発光ダイオード(LED)ディスプレイの画素は、アクティブマトリクス駆動用素子(駆動チップ)と各色のLED素子とにより構成されている。そして、駆動チップとLED素子とが同一基板上に配置されるが、駆動素子の厚みが厚い場合にはLED素子からの発光を効率良く利用することができないため、バルクシリコン基板から作製する駆動チップはLED素子の厚みに合わせて数十μm程度まで薄膜化する必要がある。この駆動チップは、ウエハプロセス工程においては基板厚みが1mm程度あるため、これを薄膜化及び画素チップサイズの1mm各以下にペレタイズする必要がある。ペレタイズするために、従来は、図20に示すようにプロセス工程の終了したシリコン基板101のチップ分離領域に所望の仕上がり厚さよりやや深い分離溝102を形成した後、当該シリコン基板101を粘着テープ103で支持基板104に貼り付け、図21に示すようにシリコン基板101の裏面側より所望の厚みまで当該シリコン基板101を研削することでチップ分割を行ういわゆるDBGプロセスが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、分離溝の底まで研削が進むと、シリコン基板にはその主面方向に押される応力が働き、粘着テープの接着性によってはチップずれが発生してしまうという問題がある。さらに、この粘着テープのベースフィルムの伸縮によりチップのピッチがずれてしまい、分離後のチップの転写が正確に行えないという問題もある。また、素子が微細化された場合には、研削が溝に達したときに粘着テープの粘着力では、粘着力不足によりチップを確実に保持することができず、チップが剥離したり、倒れてしまうという問題がある。
【0005】
また、近年、半導体装置に対してその特性向上や歩留りの向上による低コスト化がより一層求められるようになってきているのに伴い、素子形成時の高密度化が急務となっている。
【0006】
例えば薄膜トランジスタ(TFT)液晶の場合には、R、G,Bの3色のLEDからなる一画素の輝度を制御するために、トランジスタ及びキャパシター等からなる素子が必要となる。現在、大型液晶素子などでは、ガラス基板上にこれらの駆動回路を作り込んでいる。しかしながら、基板の大面積化により、面内での特性のばらつきが大きくなり、許容できなくなりつつある。このため、複数の半導体チップを一つのパッケージで構成するMCM(Multi-Chip Module)に代表されるように、駆動回路をシリコン基板上などの他の基板上で作製した後に所望の基板上に拡大転写する技術が注目されている。
【0007】
しかし、TFT素子等の数百μm□サイズの素子の場合、従来のダイヤモンド鋸歯等を使用するダイシングにより素子分離方法では、ダイヤモンド鋸歯の厚みが例えば30μm〜40μm程度あるため、素子分離領域の幅を大きく設定しなければならない。すなわち、ダイシングにおける切断代を確保するため、素子形成時の素子の高密度化が困難であるという問題がある。
【0008】
したがって、本発明は、上述した従来の実情に鑑みて創案されたものであり、基板上に形成された素子を精度良く且つ確実に素子分離し、さらに転写することが可能な素子の分離方法及び転写方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の他の目的は、素子の高密度形成を可能とすることにより半導体装置を安価に提供可能とする素子の分離方法及び転写方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成する素子の分離方法は、素子形成基板上に形成された複数の素子を分離する素子の分離方法であって、素子形成基板の素子が形成された側と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、素子形成基板の複数の素子間を研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
以上のような素子の分離方法では、素子形成基板を薄厚化した後に、エッチングにより素子分離を行うため、素子分離時の素子分離領域が、例えば5μm程度となり、従来のダイシングにより素子分離を行う場合と比べて大幅に狭くなる。そして、このようなエッチングとしては、例えば塩素系ガスを用いたプラズマドライエッチングが好適である。
【0012】
そして、この素子分離方法では、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、チッピングなどの機械的な切削に起因して素子に悪影響が及ぶことが無く、また、分離工程中に素子が剥離したり倒れたりすることがないため、素子の品質が保持されたまま確実に素子分離される。
【0013】
また、以上の目的を達成する本発明に係る素子の転写方法は、素子形成基板上に配列形成された複数の素子の一部を、転写基板に転写する素子の転写方法であって、素子形成基板を中間基板に素子と当該中間基板とが対向するように接着・剥離層により接着する接着工程と、素子形成基板の中間基板と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、素子形成基板の複数の素子間を研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程と、分離された素子を転写基板に転写する転写工程を備えることを特徴とするものである。
【0014】
以上のような本発明に係る素子の転写方法では、素子分離を行う際に、素子形成基板を薄厚化した後にエッチングにより素子分離を行うため、素子分離時の素子分離領域が、例えば5μm程度となり、従来のダイシングにより素子分離を行う場合と比べて大幅に狭くなる。そして、このようなエッチングとしては、例えば塩素系ガスを用いたプラズマドライエッチングが好適である。
【0015】
また、最終的な素子分離工程は機械的な切削に因らないため、チッピングなどの機械的な切削に起因して素子に悪影響が及ぶことが無く、また、分離工程中に素子が剥離したり倒れたりすることがないため、素子の品質が保持されたまま確実に素子分離され、品質の良好な状態で分離された素子が転写される。
【0016】
また、以上の目的を達成する素子の分離方法は、素子形成基板上に形成された複数の素子を分離する素子の分離方法であって、素子形成基板の素子が形成された側の主面に素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して素子形成基板を薄厚化する研削工程と、連結部を除去して素子を分離する分離工程とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
以上のような素子の分離方法では、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削し、その後、連結部を除去して素子を分離する。したがって、連結部の存在により、素子分離のプロセスにおいて素子形成基板の主面方向の応力に起因する不具合の発生が防止される。
【0018】
そして、この素子分離方法では、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、チッピングなどの機械的な切削に起因して素子に悪影響が及ぶことが無く、また、分離工程中に素子が剥離したり倒れたりすることがないため、素子の品質が保持されたまま確実に素子分離される。
【0019】
また、以上の目的を達成する本発明に係る素子の転写方法は、素子形成基板上に配列形成された複数の素子の一部を、転写基板に転写する素子の転写方法であって、素子形成基板の素子を形成した側の主面の素子間に素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、素子形成基板を中間基板に素子と当該中間基板とが対向するように接着・剥離層により接着する接着工程と、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、連結部を除去して素子を分離する分離工程と、分離された素子を転写基板に転写する転写工程を備えることを特徴とするものである。
【0020】
以上のような本発明に係る素子の転写方法では、素子分離を行う際に、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削し、その後、連結部を除去して素子を分離する。したがって、連結部の存在により、素子分離のプロセスにおいて素子形成基板の主面方向の応力に起因する不具合の発生が防止される。
【0021】
そして、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、チッピングなどの機械的な切削に起因して素子に悪影響が及ぶことが無く、また、分離工程中に素子が剥離したり倒れたりすることがないため、素子の品質が保持されたまま確実に素子分離され、品質の良好な状態で分離された素子が転写される。
【0022】
また、本発明においては、中間基板としてレーザー光の照射により形状変化を生じないものを用いるため、レーザ光を用いて素子を剥離する場合においても中間基板が伸縮することが無く、分離された素子のピッチにずれが生じることが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0024】
まず、第1の実施の形態について説明する。本発明に係る素子の分離方法は、素子形成基板上に形成された複数の素子を分離する素子の分離方法であって、素子形成基板の素子が形成された側と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、素子形成基板の複数の素子間を研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程とを備えるものである。
【0025】
また、この素子の分離方法を適用した本発明に係る素子の転写方法は、素子形成基板上に配列形成された複数の素子の一部を転写基板に転写する素子の転写方法であって、素子形成基板を中間基板に素子と当該中間基板とが対向するように接着・剥離層により接着する接着工程と、素子形成基板の中間基板と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、素子形成基板の複数の素子間を研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程と、分離された素子を転写基板に転写する転写工程とを備えるものである。
【0026】
第1の実施の形態では、上記の素子の分離方法及び素子の転写方法を、素子形成基板であるシリコン基板に形成された素子(アクティブチップ)を転写基板に転写する場合を例に説明する。
【0027】
本発明により素子の分離及び転写を行うには、まず、図1に示すように、ウエハプロセス工程が終了し複数の素子が形成された素子形成基板であるシリコン基板1と中間基板である石英基板とを接着・剥離層により接着する。ここでは、接着・剥離層が剥離層3と接着層4とからなる場合について説明する。まず、シリコン基板1の素子2が形成された側の主面上に樹脂を均一に塗布することにより例えば厚み10μm程度の剥離層3を形成する。ここで、剥離層3は、後述するようにレーザー光を照射した際に、アブレーションを起こして素子を固定材料から剥がす役割をするものである。すなわち、これらの材料をレーザー光で一気に昇華させることで素子2を固定材料から剥がす役割をするものである。したがって、剥離層3としては、レーザー光を照射することによりアブレーションを起こしやすい材料を用いる。また、このときの剥離層3形成後に素子形成基板であるシリコン基板1に反りが生じないように低応力の材料を用いることが好ましい。このような剥離層3を構成する材料としては、例えばポリイミド、エポキシ、シリコン、ビルドアップ材料等を用いることができる。また、剥離層3を形成する際の塗布方法は特に限定されるものではなく、ローラを用いた方法や、スピンコーターなど、従来公知の方法を用いることができる。
【0028】
次に、図2に示すように、剥離層3が形成されたシリコン基板1の当該剥離層3上に、接着層4として両面が粘着面とされた固着テープを積層し、さらにその上に光透過性材料からなる中間基板として石英基板5を載置して、素子形成基板であるシリコン基板1と中間基板である石英基板5とを接着する。ここで、中間基板は、後述するように剥離層3にレーザー光を照射する際に、レーザー光が透過可能な光透過性を有し、レーザー光を照射しても延びたり収縮したりする等の形状変化を生じないものを用いる。このような中間基板としては、石英基板5の他にも、例えばサファイヤ基板、あるいは無アルカリ性のガラス等が好適である。また、無アルカリ性のガラスとしては、具体的には、1737(商品名、コーニング社製)などを用いることができる。
【0029】
中間基板として、従来の粘着テープを用いた場合には、後の工程で接着層13にレーザー光を照射した際に、粘着テープが焼けて延びたり収縮したりしてしまうため、分離された素子のピッチにずれが生じてしまい、精度良く転写を行うことができない。この問題は、素子が微細化されるほど影響が大きくなり、転写精度を確保することが困難となる。
【0030】
しかしながら、本発明においては、中間基板としてレーザー光を照射しても形状変化を生じないものを用いるため、後の工程で素子を分離した際にも素子が保持されている中間基板が伸縮することが無く、分離された素子のピッチにずれが生じることが防止されており、精度良く素子の転写を行うことが可能とされる。
【0031】
次に、図3に示すように石英基板5に固定されたシリコン基板1を例えば研磨機6により機械的に研削して例えば厚み30〜100μm程度に薄厚化する。このとき、シリコン基板1は、石英基板5と反対側の主面、すなわち、素子2が形成された側と反対側の主面を研削するがシリコン基板1を研削する手段としては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)やBGAなどを用いることができる。また、本発明においては、シリコン基板1の薄厚化は、このような機械的な研削に限定されるものではなく、例えばドライエッチングによりシリコン基板1を全面的にエッチバックすることによりシリコン基板1を研削することも可能である。
【0032】
次に、薄厚化したシリコン基板1の裏面、すなわち、上記において研削を施した側の主面に後述するドライエッチングにおいて使用するマスクとして、図4に示すようにSiマスク7を形成する。Siマスク7を形成するには、例えばスピンコートによりシリコン基板1の研削を施した側の主面にレジストなどの樹脂材料を塗布する。次いで、フォトリソグラフィによりパターニングして所望の領域、すなわち、素子領域を開口させる。そして、パターニングされたレジストをマスクとしてSiをプラズマCVDにより成膜する。その後、レジストを除去することによりSiマスク7を形成することができる。マスク材料としては、塩素系ガスに耐性を有するものであれば特に限定されることはなく、Siの他に例えばSiOやSi等を用いることができる。
【0033】
次いで、薄厚化したシリコン基板1の裏面、すなわち、上記において研削を施した側の主面を、Siマスク7を用いて塩素系ガス、例えばCClによるプラズマドライエッチングを行う。これにより、Siマスク7が形成されていない部分、すなわち、素子分離領域のみがエッチングされ、その結果、図5に示すように各素子が分離される。ここで、プラズマドライエッチングに用いる塩素系ガスとしては、CClの他にSiCl、Cl等を用いることができる。
【0034】
次いで、転写基板である無アルカリガラス基板8に石英基板5上において素子分離された素子2を転写する。まず、無アルカリガラス基板8上に素子2を接着するための接着層9を例えばスクリーン印刷等により塗布して形成する。ここで、転写基板としては、無アルカリガラス等のガラス基板やプラスチック基板等を用いることができる。また、接着層9は、例えばアクリル系樹脂等を用いることができる。そして、接着層9を形成した無アルカリガラス基板8上の所定の位置に石英基板5を位置合わせし、転写する素子2と接着層8とを対向させる。その後、図6に示すように、石英基板5の裏面側、すなわち、シリコン基板1と反対側から、例えば波長248nmのクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー光を転写する素子2の上部、すなわち転写する素子2に対応する剥離層3に選択的に照射する。これにより、剥離層3がKrFエキシマレーザー光で一気に昇華させることで素子を石英基板5から引きはがす。すなわち、剥離層3がアブレーションを起こし、素子2は石英基板5から剥離して無アルカリガラス基板8上に形成された接着層9により無アルカリガラス基板8に接着される。以上により、素子分離された素子を中間基板から転写基板に選択的に転写することができる。
【0035】
以上において説明したように、本発明においては、素子形成基板であるシリコン基板1を薄厚化した後に素子分離領域のみをドライエッチングして各素子2を分離する。従来のダイヤモンド鋸歯等を使用するダイシングにより素子分離を行う場合、回転砥石鋸歯の厚みが例えば30μm〜40μm程度あるため、素子分離領域の幅を大きく設定しなければならず、素子形成基板における素子の高密度形成が図れなかった。
【0036】
しかしながら、本発明においては、エッチングにより素子分離を行うため、素子分離時の素子分離領域は、例えば5μm程度と、ダイシングにより素子分離を行う場合と比べて大幅に狭くすることが可能である。その結果、素子形成基板に高密度で素子を形成することが可能となり、素子の低コスト化を図ることが可能となる。
【0037】
また、従来のダイシングによる素子分離の場合、素子分離時の素子のチッピング、すなわち、素子の欠けの発生が顕在化する。しかしながら、上述したように各素子2を分離することにより、従来のダイシングにおいて問題となっていた素子分離時の素子2のチッピング、すなわち素子周辺部の欠けを防止することができ、素子2のチッピングによる不良品の発生を防止することができる。そして、品質の良好な素子を転写することが可能となる。その結果、歩留まりを向上させることができ、生産性を向上させることが可能となるため、素子の低コスト化を図ることが可能となる。
【0038】
また、ダイシングにより素子分離を行う場合は、チッピング防止のために加工速度を上げることができないため、低速加工となり、素子分離プロセスが著しく長時間化する。しかしながら、本発明においては、素子形成基板全面を一括して素子分離することができるため、素子分離プロセス時間を大幅に短縮することが可能である。したがって、生産性を向上させることができ、素子の低コスト化を図ることが可能となる。
【0039】
また、本発明において最終的な素子の分離は機械的な切削に因らず、素子自体に無理な応力が加わることが無い。このため、素子自体が薄膜化された場合においても素子分離が素子の品質に影響を与えることはなく、素子の薄膜化と品質との両立を実現することが可能となる。
【0040】
そして、この素子分離方法では、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、機械的な切削により発生するシリコン基板の主面方向の応力により分離工程中に素子が剥離したり倒れたりすることがないため、素子の品質が保持されたまま確実に素子分離することが可能とされ、良好な品質の素子を転写することが可能となる。そして、この効果は素子が微細化された場合に特に有効である。
【0041】
なお、上記においては素子形成基板がシリコン基板1である場合について説明したが、本発明においては、素子形成基板はシリコン基板1に限定されるものではなく、例えばIII−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体からなる層を有するものを用いることができ、具体的には、GaAs基板、GaP基板、GaN基板などを例示することができる。
【0042】
また、上記においては、接着・剥離層が剥離層3と接着層4との2層からなる場合について説明したが、本発明においては接着・剥離層は、剥離層3と接着層4との2層からなるものに限定されず、接着・剥離層は例えば接着剤層単層からなるものであってもよい。すなわち、図7に示すようにシリコン基板1上に接着・剥離層として接着剤層10が形成され、当該接着材層10によりシリコン基板1が石英基板5に接着された構成とされても良い。このような構成の場合には、接着・剥離層である接着材層10にレーザー光を照射すると接着材層10がレーザー光を吸収してアブレーションを起こすことにより剥離可能となるものである。したがって、接着剤としては、レーザー光を照射することによりアブレーションを起こしやすい材料を用いる。このような接着剤としては、例えばエポキシ系の接着剤を用いることができる。
【0043】
また、剥離層3にレーザー光を照射する際には、他の素子にレーザー光が当たらないように専用のマスクを用いて石英基板5の全面にレーザー光を照射しても良い。マスクを用いることにより、確実に転写する素子にのみレーザー光を照射することができるため、より確実に選択転写を行うことができる。
【0044】
また、レーザーブレーションを行う際に剥離層に照射するレーザー光としては、KrFエキシマレーザー光の他にYAGレーザー光などを用いることができる。
【0045】
また、転写基板である無アルカリガラス基板8上には、上述した接着層9の代わりにシリコン層を設けておくことによっても、中間基板である石英基板5から剥離した素子2を確実に捕獲し、素子2の位置ずれや素子の損傷を防止して転写することが可能である。
【0046】
次に、本発明に係る他の素子の分離方法及び素子の転写方法について説明する。本発明に係る他の素子の分離方法は、素子形成基板上に形成された複数の素子を分離する素子の分離方法であって、素子形成基板の素子が形成された側の主面に素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して素子形成基板を薄厚化する研削工程と、連結部を除去して素子を分離する分離工程とを備えるものである。
【0047】
また、この素子の転写方法を適用した本発明に係る素子の転写方法は、素子形成基板上に配列形成された複数の素子の一部を転写基板に転写する素子の転写方法であって、素子形成基板の素子を形成した側の主面の素子間に素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、素子形成基板を中間基板に素子と当該中間基板とが対向するように接着・剥離層により接着する接着工程と、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、連結部を除去して素子を分離する分離工程と、分離された素子を転写基板に転写する転写工程とを備えるものである。
【0048】
第2の実施の形態では、上記の素子の分離方法及び素子の転写方法を、素子形成基板であるシリコン基板に形成された素子(アクティブチップ)を転写基板に転写する場合を例に説明する。
【0049】
本発明により素子の分離及び転写を行うには、まず、図8に示すように、ウエハプロセス工程が終了し、薄膜、回路パターン等が形成された素子形成基板であるシリコン基板11の素子12が形成された側の主面上に接着・剥離層を形成する。ここでは、接着・剥離層が剥離層13と接着層15とからなる場合について説明する。
【0050】
ここで、剥離層13は、後述するようにレーザー光を照射した際に、アブレーションを起こして素子を固定材料から剥がす役割をするものである。すなわち、これらの材料をこれらの材料をレーザー光で一気に昇華させることで素子12を固定材料から剥がす役割をするものである。したがって、剥離層13としては、レーザー光を照射することによりアブレーションを起こしやすい材料を用いる。また、このときの剥離層13形成後に素子形成基板であるシリコン基板1に反りが生じないように低応力の材料を用いることが好ましい。
【0051】
このような剥離層13を構成する材料としては、例えばポリイミド、エポキシ、シリコン、ビルドアップ材料等を用いることができる。また、剥離層13を形成する際の塗布方法は特に限定されるものではなく、ローラを用いた方法や、スピンコーターなど、従来公知の方法を用いることができる。
【0052】
また、素子12を後述する中間基板に確実に接着するため、ゲル状の接着材を用いる。このような接着剤としては、例えばエポキシ系の接着剤を用いることができる。接着剤の塗布方法は特に限定されるものではなく、ローラを用いた方法や、スピンコーターなど、従来公知の方法を用いることができる。
【0053】
次に、図9に示すように剥離層13が形成されたシリコン基板11に、素子12を分離するための素子分離溝14を当該剥離層の上から形成する。ここで、シリコン基板の厚みは1mm程度であり、素子分離溝は例えば100μm程度の深さで形成する。素子分離溝14の深さは特に限定されるものではなく、素子12の厚みより大きい値であれば良く、作製される素子12により適宜設定すればよい。また、シリコン基板11の素子分離溝14の形成は、例えば回転ブレードにより形成する方法、シリコン基板1上にレジストを形成してパターニングすることにより素子の分離領域を開口させた後、例えば水酸化カリウム、硝酸、フッ酸系溶液によるウエットエッチングにより形成する方法、またはCCl等によるプラズマドライエッチング法などにより行うことができる。
【0054】
次に、素子分離溝14が形成されたシリコン基板11上に接着剤を塗布して接着層15を形成する。接着剤は、素子分離溝14に入り込まないように選択的に塗布する。接着剤の塗布方法は特に限定されず、接着剤の付いたローラをシリコン基板11上で転がすなど、公知の方法を用いることができる。ここで、接着剤は、ゲル状の接着剤を用いる。
【0055】
次に、剥離層13、接着層15が形成されたシリコン基板11上に図10に示すように光透過性材料からなる中間基板である石英基板16を配し、例えば200℃の温度で30分の熱処理をすることにより接着剤を加熱硬化させて図11に示すように石英基板16をシリコン基板11に接着する。本発明においては、このようにゲル状の接着剤を用いて素子形成基板であるシリコン基板11を中間基板である石英基板16に接着するため、シリコン基板11が確実に石英基板16に接着される。その結果、後の工程の途中においても分離した素子12が石英基板16から剥がれたり、また、石英基板16上において倒れたりすることがない。また、中間基板としては、光透過性を有し、レーザー光を照射しても伸びたり収縮したりする等の形状変化を生じないものを用いる。このような中間基板としては、石英基板16の他にガラス基板が好適である。ここで、中間基板として、従来の粘着テープを用いた場合には、後の工程で接着層13にレーザー光を照射した際に、粘着テープが焼けて延びたり収縮したりしてしまうため、分離された素子のピッチにずれが生じてしまい、精度良く転写を行うことができない。この問題は、素子が微細化されるほど影響が大きくなり、転写精度を確保することが困難となる。
【0056】
しかしながら、本発明においては、中間基板としてレーザー光を照射しても形状変化を生じないものを用いるため、後の工程で素子を分離した際にも素子が保持されている中間基板が伸縮することが無く、分離された素子のピッチにずれが生じることが防止されており、精度良く素子の転写を行うことが可能とされる。
【0057】
次に、図12に示すようにシリコン基板11を裏面側から研削して薄厚化する。このとき、シリコン基板11は、先に設けた素子分離溝14の底部に所定の厚みの連結部17を残した状態に研削する。このように、素子分離溝14の底部に連結部17を残すことにより素子12同士が連結された状態が保持されるため、研削により生じるシリコン基板11の主面方向の応力により素子が剥がれたり、倒れることが防止される。したがって、接着力の比較的弱い接着剤を用いることも可能となり、接着剤の選択の自由度が大きなものとなる。ここで、連結部の厚みは一例として例えば、基板の厚みが70μm程度の場合には、5μm〜50μm程度とすることができるが、特に限定されることはなく、適宜変更可能である。
【0058】
次いで、連結部17を機械的手段に因らずに除去する。すなわち、石英基板16の裏面、すなわち上記において研削した側の主面を、例えば塩素系ガスであるCClのプラズマドライエッチングによりエッチングする。これにより、図13に示すように素子分離溝14の底部に残された連結部17が除去され、その結果、各素子が分離される。ここで、プラズマドライエッチングに用いるガスとしては、CClの他にSiCl、Cl等を用いることができる。
【0059】
次いで、転写基板である無アルカリガラス基板18に石英基板16上において素子分離された素子12を転写する。まず、無アルカリガラス基板18上に素子12を接着するための接着層19を例えばスクリーン印刷等により塗布して形成する。ここで、転写基板としては、無アルカリガラス等のガラス基板やプラスチック基板等を用いることができる。また、接着層19は、例えばアクリル系樹脂等を用いることができる。そして、接着層19を形成した無アルカリガラス基板18上の所定の位置に石英基板16を位置合わせし、転写する素子12と接着層18とを対向させる。その後、図14に示すように、石英基板16の裏面側、すなわち、シリコン基板11と反対側から、例えば波長248nmのクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー光を転写する素子2の上部、すなわち転写する素子12に対応する剥離層3に選択的に照射する。これにより、剥離層13をKrFエキシマレーザー光で一気に昇華させることで素子12を石英基板16から引き剥がす。すなわち、剥離層13がアブレーションを起こし、素子12は石英基板16から剥離して無アルカリガラス基板18上に形成された接着層19により無アルカリガラス基板18に接着される。以上により、素子分離された素子を中間基板から転写基板に選択的に転写することができる。
【0060】
以上において説明したように、本発明においては、素子形成基板であるシリコン基板11を薄厚化する際に所定の厚みの連結部17を残した状態に研削し、当該連結部をエッチングすることにより連結部17を除去して素子分離を行う。従来のダイシングによる素子分離においては、シリコン基板11の主面方向の応力が発生するため素子が中間基板上から剥がれたり、中間基板上において倒れたりするという問題があった。そして、素子が微細化されるほど素子と中間基板との接着力を保持することが困難となるため、この問題は、素子が微細化されるほど顕著となる。
【0061】
しかしながら、本発明においては、連結部17により、薄厚化の研削の際に生じるシリコン基板11の主面方向の応力により素子が剥がれたり、倒れたりすることがない。そして、エッチングにより最終的な素子分離を行うため、シリコン基板11の主面方向の応力が発生することがなく、素子は中間基板の所定の位置に接着された状態で素子分離を行うことができる。また、本発明においては、シリコン基板11を中間基板である石英基板16に接着する際にゲル状の接着剤を用いているため、粘着テープなどのゾル状の接着剤を用いた場合と比較して、より確実に素子12を中間基板である石英基板16に接着することが可能とされ、素子分離の工程中において素子12が石英基板16から剥がれたり、また、石英基板16上において倒れたりすることがない。
【0062】
したがって、本発明においては、素子分離時にシリコン基板の主面方向の応力に起因する不良品の発生が防止されている。その結果、歩留まりを向上させることができ、生産性を向上させることが可能となるため、素子の低コスト化を図ることが可能となる。そして、この効果は素子が微細化された場合に特に有効である。
【0063】
また、ダイシングによる素子分離の場合、回転砥石鋸歯の厚みが例えば30μm〜40μm程度あるため、素子分離領域の幅を大きく設定しなければならず、素子形成基板における素子の高密度形成が図れなかった。しかしながら、本発明においては、最終的な素子分離をエッチングにより行うため、素子分離溝もエッチングで形成することにより、素子分離時の素子分離領域を例えば5μm程度と、ダイシングにより素子分離を行う場合と比べて大幅に狭くすることが可能である。その結果、素子形成基板に高密度で素子を形成することが可能となり、素子の低コスト化を図ることが可能となる。
【0064】
また、ダイシングにより素子分離を行う場合は、チッピング防止のために加工速度を上げることができないため、低速加工となり、素子分離プロセスが著しく長時間化する。しかしながら、本発明においては、素子形成基板全面を一括して素子分離することができるため、素子分離プロセス時間を大幅に短縮することが可能である。したがって、生産性を向上させることができ、素子の低コスト化を図ることが可能となる。
【0065】
また、本発明における素子の最終的な分離は機械的な切削に因らず、素子自体に無理な応力が加わることが無い。このため、素子自体が薄膜化された場合においても素子分離が素子の品質に影響を与えることはなく、素子の薄膜化と品質との両立を実現することが可能となる。
【0066】
なお、上記においては素子形成基板がシリコン基板1である場合について説明したが、本発明においては、素子形成基板はシリコン基板1に限定されるものではなく、例えばIII−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体からなる層を有するものを用いることができ、具体的には、GaAs基板、GaP基板、GaN基板などを例示することができる。
【0067】
また、上記においては、接着・剥離層が剥離層13と接着層15との2層からなる場合について説明したが、本発明においては接着・剥離層は、剥離層13と接着層15との2層からなるものに限定されず、接着・剥離層は例えば接着剤層単層からなるものであってもよい。すなわち、図15に示すようにシリコン基板11上に接着・剥離層として接着剤層20が形成され、当該接着材層20によりシリコン基板11が石英基板16に接着された構成とされても良い。このような構成の場合には、接着・剥離層である接着材層20にレーザー光を照射すると接着材層10がレーザー光を吸収してアブレーションを起こすことにより剥離可能となるものである。したがって、接着剤としては、レーザー光を照射することによりアブレーションを起こしやすい材料を用いる。このような接着剤としては、例えばエポキシ系の接着剤を用いることができる。
【0068】
また、上記においては、シリコン基板11の裏面全面をエッチングすることにより連結部17を除去したが、マスクを設けて連結部17のみをエッチングして連結部17を除去しても良い。そして、上記においては、ドライエッチングにより連結部17を除去する場合について説明したが、これに限定されることはなく、ウエットエッチングにより連結部17を除去することも可能である。
【0069】
また、剥離層3にレーザー光を照射する際には、他の素子にレーザー光が当たらないように専用のマスクを用いて石英基板5の全面にレーザー光を照射しても良い。マスクを用いることにより、確実に転写する素子にのみレーザー光を照射することができるため、より確実に選択転写を行うことができる。
【0070】
また、レーザーブレーションを行う際に剥離層に照射するレーザー光としては、KrFエキシマレーザー光の他にYAGレーザー光などを用いることができる。
【0071】
また、転写基板である無アルカリガラス基板18上には、上述した接着層19の代わりにシリコン層を設けておくことによっても、中間基板である石英基板16から剥離した素子12を確実に捕獲し、素子12の位置ずれや素子の損傷を防止して転写することが可能である。
【0072】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、上述した第2の実施の形態においてエッチングの代わりにレーザー光を用いて素子分離する場合について説明する。
【0073】
まず、第2の実施の形態と同様にして素子形成基板であるシリコン基板11を中間基板である石英基板16に接着し、シリコン基板11の裏面を研削して図12に示すように連結部17を残した状態で薄厚化する。
【0074】
次いで、転写基板である無アルカリガラス基板18上に素子12を接着するための接着層19を例えばスクリーン印刷等により塗布して形成する。そして、接着層19を形成した無アルカリガラス基板18上の所定の位置に石英基板16を位置合わせし、転写する素子12と接着層18とを対向させる。その後、図14に示すように、石英基板16の裏面側、すなわち、シリコン基板11において素子12が形成された側から、例えば波長248nmのクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー光を転写する素子2の上部、すなわち転写する素子12に対応する剥離層3及び当該素子12を他の素子と連結している連結部17に選択的に照射する。これにより、レーザー光が照射された連結部17のシリコンが昇華し、除去され、その結果、所望の素子12が分離される。また、これと同時に、剥離層13をレーザー光で一気に昇華させることにより素子12を石英基板16から引き剥がす。すなわち、剥離層13がアブレーションを起こし、素子12は石英基板16から剥離して無アルカリガラス基板18上に形成された接着層19により無アルカリガラス基板18に接着される。ここで、照射エネルギーや波長などのレーザー光の照射条件を選択することにより、シリコンの昇華と剥離層13のアブレーションとの双方を同時に生じさせ、上記のように素子12を転写することができる。以上により、素子分離された素子を中間基板から転写基板に選択的に転写することができる。
【0075】
以上のような方法においても上述した第2の実施の形態において説明した本発明の効果を得ることができ、効率的、且つ確実に素子の分離及び転写を行うことができる。さらに、レーザー光の照射のみで素子の最終的な分離と転写とを行うことができるため、工程を簡略化することができ、またプロセス時間をさらに短縮することが可能である。
【0076】
また、上記においては、素子の最終的な分離と転写とを同時に行う場合について説明したが、素子の最終的な分離と転写とを同時に行わずに、先に連結部17を除去し、その後に分離された素子12の転写を行っても良い。この場合には、連結部17を除去する際と分離された素子12を転写する際とでレーザー光の照射条件を変えても良い。また、連結部17を除去する際には、シリコン基板11の薄厚化のための研削を施した側からレーザー光を照射しても良い。
【0077】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態では、上述した第3の実施の形態において、素子分離溝14を先に形成し、その後に剥離層13を形成する場合について説明する。
【0078】
まず、図16に示すように素子形成基板であるシリコン基板11に素子分離溝14を形成する。そして、図17に示すように素子分離溝14が形成されたシリコン基板11上に剥離層13を形成する。このとき、素子分離溝14に剥離層13の樹脂が入り込まないようにする。
【0079】
次いで、図18に示すように中間基板である石英基板16の主面にゲル状の接着剤を塗布して接着層15を形成する。そして、剥離層13が形成されたシリコン基板11と、接着層15が形成された石英基板16とを剥離層13と接着層15とが対向するように重ね合わせ、例えば200℃の温度で30分の熱処理をすることにより接着剤を加熱硬化させて石英基板16をシリコン基板11に接着する。
【0080】
次に、図19に示すようにシリコン基板11を裏面側から研削して薄厚化する。このとき、シリコン基板11は、先に設けた素子分離溝14の底部に所定の厚みの連結部17を残した状態に研削する。
【0081】
次いで、転写基板である無アルカリガラス基板18上に素子12を接着するための接着層19を例えばスクリーン印刷等により塗布して形成する。そして、接着層19を形成した無アルカリガラス基板18上の所定の位置に石英基板16を位置合わせし、転写する素子12と接着層18とを対向させる。その後、図14に示すように、石英基板16の裏面側、すなわち、シリコン基板11と反対側から、例えば波長248nmのクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザー光を転写する素子2の上部、すなわち転写する素子12に対応する剥離層3及び当該素子12を他の素子と連結している連結部17に選択的に照射する。これにより、レーザー光が照射された連結部17のシリコンが昇華し、除去され、その結果、所望の素子12が分離される。また、これと同時に、剥離層13がアブレーションを起こし、素子12は石英基板16から剥離して無アルカリガラス基板18上に形成された接着層19により無アルカリガラス基板18に接着される。以上により、素子分離された素子を中間基板から転写基板に選択的に転写することができる。
【0082】
以上のような方法においても上述した第2の実施の形態において説明した本発明の効果を得ることができ、効率的、且つ確実に素子の分離及び転写を行うことが可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明に係る素子の分離方法は、素子形成基板上に形成された複数の素子を分離する素子の分離方法であって、上記素子形成基板の上記素子が形成された側と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、上記素子形成基板の上記複数の素子間を上記研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程とを備えるものである。
【0084】
以上のような本発明に係る素子の分離方法では、素子形成基板を薄厚化した後にエッチングにより素子分離を行うため、素子分離時の素子分離領域を大幅に狭くすることが可能となる。また、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、高品質な状態が保持されたまま確実に素子分離することができる。したがって、素子形成基板における素子の高密度形成が可能となり、もって、半導体装置を安価に提供することが可能となる。
【0085】
また、本発明に係る素子の転写方法は、素子形成基板上に配列形成された複数の素子の一部を、転写基板に転写する素子の転写方法であって、上記素子形成基板を中間基板に上記素子と当該中間基板とが対向するように接着・剥離層により接着する接着工程と、上記素子形成基板の上記中間基板と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、上記素子形成基板の上記複数の素子間を上記研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程と、上記分離された素子を転写基板に転写する転写工程とを備えるものである。
【0086】
以上のような本発明に係る素子の転写方法では、素子分離を行う際に、素子形成基板を薄厚化した後にエッチングにより素子分離を行うため、素子分離時の素子分離領域を大幅に狭くすることが可能となる。また、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、高品質な状態が保持されたまま確実に素子分離することができ、高品質の素子を転写することができる。したがって、素子形成基板における素子の高密度形成が可能となり、もって、半導体装置を安価に提供することが可能となる。
【0087】
また、本発明に係る素子の分離方法は、素子形成基板上に形成された複数の素子を分離する素子の分離方法であって、上記素子形成基板の上記素子が形成された側の主面に素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、上記素子形成基板の上記素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して上記素子形成基板を薄厚化する研削工程と、上記連結部を除去して素子を分離する分離工程とを備えるものである。
【0088】
以上のような本発明に係る素子の分離方法では、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削し、その後、連結部を除去して素子を分離する。したがって、連結部の存在により、素子分離のプロセスにおいて素子形成基板の主面方向の応力に起因する不具合の発生を防止することができる。また、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、高品質な状態が保持されたまま確実に素子分離することができる。したがって、基板上に形成された素子を精度良く且つ確実に素子分離することが可能となり、もって、半導体装置を安価に提供することが可能となる。
【0089】
また、本発明に係る素子の転写方法は、素子形成基板上に配列形成された複数の素子の一部を、転写基板に転写する素子の転写方法であって、上記素子形成基板の上記素子を形成した側の主面の素子間に素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、上記素子形成基板を中間基板に上記素子と当該中間基板とが対向するように接着・剥離層により接着する接着工程と、上記素子形成基板の上記素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、上記連結部を除去して素子を分離する分離工程と、上記分離された素子を転写基板に転写する転写工程とを備えるものである。
【0090】
以上のような本発明に係る素子の転写方法では、素子分離を行う際に、素子形成基板の素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削し、その後、連結部を除去して素子を分離する。したがって、連結部の存在により、素子分離のプロセスにおいて素子形成基板の主面方向の応力に起因する不具合の発生が防止することができる。また、最終的な素子分離工程が機械的な切削に因らないため、高品質な状態が保持されたまま確実に素子分離することができ、高品質の素子を精度良く且つ確実に転写することが可能となり、もって、半導体装置を安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図4】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図5】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図6】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図7】本発明に係る第1の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図8】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図9】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図10】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図11】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図12】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図13】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図14】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図15】本発明に係る第2の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図16】本発明に係る第4の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図17】本発明に係る第4の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図18】本発明に係る第4の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図19】本発明に係る第4の実施の形態のプロセスを説明する工程図である。
【図20】従来のDBGプロセスを説明する図である。
【図21】従来のDBGプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板、2 素子、3 剥離層、4 接着層、5 石英基板、6 研磨機、7 Siマスク、8 転写基板、9 接着層

Claims (28)

  1. 複数の素子が配列形成された素子形成基板とレーザー光に対して透過性を有し、レーザー光を照射しても形状変化の生じない中間基板とを、レーザー光を照射するとアブレーションを起こす接着・剥離層によって、上記素子と当該中間基板とが対向するように接着する工程と、
    上記素子形成基板の上記中間基板と反対側の主面を研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、
    上記素子形成基板の上記複数の素子間を上記研削が施された研削面側からエッチングすることにより素子を分離する分離工程と、
    上記接着・剥離層にレーザー光を照射し、アブレーションを起こすことで上記分離された素子を転写基板に転写する転写工程と、を含む
    素子の転写方法。
  2. 上記レーザー光は、エキシマレーザー光またはYAGレーザー光である請求項記載の素子の転写方法。
  3. 上記レーザー光を選択的に上記接着・剥離層に照射することにより、上記素子を選択転写する請求項記載の素子の転写方法。
  4. 上記光透過性を有する中間基板が石英基板、サファイヤ基板、無アルカリガラス基板のいずれかである請求項記載の素子の転写方法。
  5. 上記接着・剥離層は、接着層と剥離層とが積層してなり、上記剥離層は上記素子に当接して設けられ、上記接着層は上記中間基板に当接して設けられる請求項1記載の素子の転写方法。
  6. 上記剥離層は少なくともポリイミド、エポキシのいずれかを含有して構成される請求項記載の素子の転写方法。
  7. 上記エッチングはドライエッチングである請求項1記載の素子の転写方法。
  8. 上記ドライエッチングは塩素系ガスを用いて行う請求項記載の素子の転写法。
  9. 上記塩素系ガスは、SiCl、CCl、Clのいずれかである請求項記載の素子の転写方法。
  10. 上記分離工程は、
    上記研削面上にマスクを形成するマスク形成工程と、
    上記マスクを用いて上記素子形成基板の上記複数の素子間を上記研削が施された研削面側からエッチングするエッチング工程と、を含む請求項1記載の素子の転写方法。
  11. 上記素子形成基板は、Si、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体のいずれかよりなる層を有する請求項1記載の素子の転写方法。
  12. 上記III−V族化合物半導体は、GaAs、GaP、GaNのいずれかである請求項11記載の素子の転写方法。
  13. 複数の素子が配列形成された素子形成基板の前記素子を形成した側の主面の素子間に、素子分離溝を形成する分離溝形成工程と、
    上記素子形成基板とレーザー光に対して透過性を有し、レーザー光を照射しても形状変化の生じない中間基板とを、レーザー光を照射するとアブレーションを起こす接着・剥離層によって、上記素子と当該中間基板とが対向するように接着する工程と、
    上記素子形成基板の上記素子分離溝が形成された側と反対側の主面を上記素子分離溝の底部に所定の厚みの連結部を残した状態に研削して当該素子形成基板を薄厚化する研削工程と、
    上記連結部を除去して素子を分離する分離工程と、
    上記接着・剥離層にレーザー光を照射し、アブレーションを起こすことで上記分離された素子を転写基板に転写する転写工程と、を含む
    素子の転写方法。
  14. 上記レーザー光は、エキシマレーザー光またはYAGレーザー光である請求項13記載の素子の転写方法。
  15. 上記レーザー光を選択的に上記接着・剥離層に照射することにより、上記素子を選択転写する請求項13記載の素子の転写方法。
  16. 上記光透過性を有する中間基板が石英基板、サファイヤ基板、無アルカリガラス基板のいずれかである請求項13記載の素子の転写方法。
  17. 上記接着・剥離層は、接着層と剥離層とが積層してなり、上記剥離層は上記素子に当接して設けられ、上記接着層は上記中間基板に当接して設けられる請求項13記載の素子の転写方法。
  18. 上記剥離層は少なくともポリイミド、エポキシのいずれかを含有して構成される請求項17記載の素子の転写方法。
  19. 上記分離工程において、上記連結部にレーザー光を照射することにより当該連結部を除去する請求項13記載の素子の転写方法。
  20. 上記レーザー光を上記素子形成基板の上記素子が形成された側から照射する請求項19記載の素子の転写方法。
  21. 上記レーザー光を上記研削が施された側から照射する請求項19記載の素子の転写方法。
  22. 上記分離工程において、上記連結部をエッチングすることにより当該連結部を除去する請求項13記載の素子の転写方法。
  23. 上記エッチングはドライエッチングである請求項22記載の素子の転写方法。
  24. 上記ドライエッチングは塩素系ガスを用いて行う請求項23記載の素子の転写法。
  25. 上記塩素系ガスは、SiCl、CCl、Clのいずれかである請求項24記載の素子の転写方法。
  26. 上記エッチングはウエットエッチングである請求項22記載の素子の転写方法。
  27. 上記素子形成基板は、Si、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体のいずれかよりなる層を有する請求項13記載の素子の転写方法。
  28. 上記III−V族化合物半導体は、GaAs、GaP、GaNのいずれかである請求項27記載の素子の転写方法。
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