しかしながら、前記特許文献2に記載されている技術は、記録ヘッドを従来の2倍搭載しなければならないため、装置の大型化、重量化を招くこととなる。
また、特許文献3に記載されている技術は、記録媒体に浸透する水系のインクを用いる場合において、インクの浸透度合いに応じてインク吐出量を調整するものであり、殆ど記録媒体に浸透せず、インクのドット径の拡がり具合やドットの繋がり具合等が光照射による硬化のタイミングの違いや照射される光の強度等に左右される光硬化型インクには対応していない。
そこで、本発明は以上のような課題を解決すべくなされたものであり、主走査方向における各バンドごとの色調や光沢感の差異の発生を防止して、高精細な画像記録を行うことのできるインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、記録ヘッドを複数回往復走査して、前記記録ヘッドから記録媒体上に光硬化型インクを吐出し、光源照射装置より光を照射し、前記インクを硬化、定着させることにより1つのバンドを形成する画像記録方法において、前記1つのバンドを形成する往復走査の最後の走査時に、前記記録ヘッドからランダムに間引いてインクを吐出させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させながら、記録ヘッドから光硬化型インクを吐出し、吐出されたインクに光照射装置により光を照射することによって画像記録を行い、記録ヘッドを複数回往復走査させることによって1つのバンドを形成する方法であり、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査において、記録ヘッドから吐出されるインクをランダムに間引くようになっている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録方法において、前記1つのバンドを形成する往復走査の最後から2番目の走査時に、前記記録ヘッドからランダムに間引いてインクを吐出させることを特徴とする。
したがって、請求項2に記載の発明では、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後から2番目の走査において、記録ヘッドから吐出されるインクをランダムに間引くようになっている。
請求項3に記載の発明は、光を照射することによって硬化する光硬化型インクを記録媒体上に吐出する記録ヘッドと、
吐出された前記インクに光を照射する光源を備える光照射装置と、
前記記録ヘッドを前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させるヘッド走査手段と、
前記記録ヘッドを複数回往復走査させることによって1つのバンドを形成するように前記ヘッド走査手段を走査し記録を行う際に1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において、前記記録ヘッドから吐出されるインクをランダムに間引くように前記記録ヘッドを制御する制御部とを備えたことを特徴としている。
このような構成を有する請求項3に記載の発明においては、記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させながら、記録ヘッドから光硬化型インクを吐出し、吐出されたインクに光照射装置により光を照射することによって画像記録を行い、記録ヘッドを複数回往復走査させることによって1つのバンドを形成するようになっており、制御部は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査において、記録ヘッドから吐出されるインクをランダムに間引くようになっている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後から2番目の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクをランダムに間引くように前記記録ヘッドを制御することを特徴としている。
したがって、請求項4に記載の発明では、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後から2番目の走査において、記録ヘッドから吐出されるインクをランダムに間引くようになっている。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上なるように前記記録ヘッドを制御することを特徴としている。
このように、請求項5に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において記録ヘッドから吐出されるインク吐出量が、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となるように制御部が記録ヘッドを制御するので、インクドットが記録媒体上で互いに結合するようになっている。
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項3又は請求項5に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを複数配置し、
前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射装置との距離に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
したがって、請求項6に記載の発明によれば、記録ヘッドが複数配置されている場合に、記録ヘッドと光照射装置との距離に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を制御部が決定するようになっている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3、請求項5又は請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、
前記制御部は、インクの種類に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このように、請求項7に記載の発明によれば、記録ヘッドが各色のインクごとに複数配置されている場合に、インクの種類に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を制御部が決定するようになっている。
さらに、請求項8に記載の発明は、請求項3、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このように、請求項8に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、記録媒体の種類に応じて、制御部が決定するようになっている。
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項3、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このように、請求項9に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、画像記録時の画像記録速度に応じて、制御部が決定するようになっている。
請求項10に記載されている発明は、請求項3、請求項5から請求項9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記光照射装置から照射される光の照射強度を測定する照射強度測定手段を備え、
前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測定された前記照射強度に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このような構成を有する請求項10に記載の発明は、照射強度測定手段によって照射強度を測定し、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている。
請求項11に記載されている発明は、請求項3、請求項5から請求項10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定する温湿度測定手段を備え、
前記制御部は、前記温湿度測定手段によって測定された前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このような構成を有する請求項11に記載の発明は、温湿度測定手段によって記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定し、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、温湿度測定手段による測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている。
請求項12に記載されている発明は、請求項3、請求項5から請求項11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このような構成を有する請求項12に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査おいて、前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、選択設定手段によって選択された所望の画質に応じて、制御部が決定するようになっている。
さらに、請求項13に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインク吐出量は、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となるように前記記録ヘッドを制御することを特徴としている。
このように、請求項13に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において記録ヘッドから吐出されるインク吐出量が、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となるように制御部が記録ヘッドを制御するので、インクドットが記録媒体上で互いに結合するようになっている。
さらに、請求項14に記載の発明は、請求項4又は請求項13に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを複数配置し、
前記制御部は、前記記録ヘッドと前記光照射装置との距離に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
したがって、請求項14に記載の発明によれば、記録ヘッドが複数配置されている場合に、記録ヘッドと光照射装置との距離に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を制御部が決定するようになっている。
また、請求項15に記載の発明は、請求項4、請求項13又は請求項14のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、各色のインクごとに複数配置され、
前記制御部は、インクの種類に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このように、請求項15に記載の発明によれば、記録ヘッドが各色のインクごとに複数配置されている場合に、インクの種類に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を制御部が決定するようになっている。
さらに、請求項16に記載の発明は、請求項4、請求項13から請求項15のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このように、請求項16に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、記録媒体の種類に応じて、制御部が決定するようになっている。
さらに、請求項17に記載の発明は、請求項4、請求項13から請求項16のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、画像記録時の画像記録速度に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において、前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このように、請求項17に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、画像記録時の画像記録速度に応じて、制御部が決定するようになっている。
請求項18に記載されている発明は、請求項4、請求項13から請求項17のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記光照射装置から照射される光の照射強度を測定する照射強度測定手段を備え、
前記制御部は、前記照射強度測定手段によって測定された前記照射強度に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このような構成を有する請求項18に記載の発明は、照射強度測定手段によって照射強度を測定し、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている。
請求項19に記載されている発明は、請求項4、請求項13から請求項18のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定する温湿度測定手段を備え、
前記制御部は、前記温湿度測定手段によって測定された前記記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このような構成を有する請求項19に記載の発明は、温湿度測定手段によって記録ヘッドの周囲の温度又は湿度のうち少なくとも何れか一方を測定し、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、温湿度測定手段による測定結果に応じて、制御部が決定するようになっている。
請求項20に記載されている発明は、請求項4、請求項13から請求項19のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御部は、記録される画像の所望の画質に応じて、1つのバンドを形成するために必要な往復走査の最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を決定することを特徴としている。
このような構成を有する請求項20に記載の発明は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方において、前記記録ヘッドから吐出されるインクの間引き率を、選択設定手段によって選択された所望の画質に応じて、制御部が決定するようになっている。
各バンドの最後の走査において吐出するインクの吐出量は、記録画像を視認した場合に最も画質に影響を及ぼすものであるが、請求項1に記載された発明によれば、この最後の走査において吐出するインクをランダムに間引いている。このため、吐出されたインクの記録媒体上での結合をランダムに生じさせ、主走査方向に移動する記録ヘッドの往路と復路とで、記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
また、最後の走査において吐出するインクのみを間引くので、画像全体のインク量が大きく低下することがなく、記録画像の濃度が薄くなることがない。このため、各バンドごとの記録画像の色調や光沢感に差異の発生のみを防止して高精細な画像記録を行うことが可能となる。
1バンドを形成するために多数回の走査を行う場合には、始めの数回の走査によってほとんどの画素が埋まるため、最後の走査のみならず最後から2番目の走査において吐出するインクをランダムに間引くようにしてもほとんど画質に影響を及ぼさない。そして、画素がほとんど埋まった後は、できるだけ吐出させるインクを間引いた方がインクドット同士の結合をランダムにして記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止することができる。請求項2に記載された発明によれば、最後の走査と最後から2番目の走査との双方においてそれぞれ吐出させるインクをランダムに間引くので、1回の走査において間引くインクを多くする場合に比べて、より均一にインクを吐出させることができ、画像表面を平滑化させて、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
各バンドの最後の走査において吐出するインクの吐出量は、記録画像を視認した場合に最も画質に影響を及ぼすものであるが、請求項3に記載された発明によれば、この最後の走査において吐出するインクをランダムに間引いている。このため、吐出されたインクの記録媒体上での結合をランダムに生じさせ、主走査方向に移動する記録ヘッドの往路と復路とで、記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
また、最後の走査において吐出するインクのみを間引くので、画像全体のインク量が大きく低下することがなく、記録画像の濃度が薄くなることがない。このため、各バンドごとの記録画像の色調や光沢感に差異の発生のみを防止して高精細な画像記録を行うことが可能となる。
1バンドを形成するために多数回の走査を行う場合には、始めの数回の走査によってほとんどの画素が埋まるため、最後の走査のみならず最後から2番目の走査において吐出するインクをランダムに間引くようにしてもほとんど画質に影響を及ぼさない。そして、画素がほとんど埋まった後は、できるだけ吐出させるインクを間引いた方がインクドット同士の結合をランダムにして記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止することができる。請求項4に記載された発明によれば、最後の走査と最後から2番目の走査との双方においてそれぞれ吐出させるインクをランダムに間引くので、1回の走査において間引くインクを多くする場合に比べて、より均一にインクを吐出させることができ、画像表面を平滑化させて、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項5に記載された発明によれば、最後の走査において吐出させるインク吐出量を、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上としているので、最後の走査においてランダムに吐出されたインクのうち隣接するインク同士が結合して、記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、記録ヘッドが光照射装置の近くに位置するときは記録媒体上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりインクが着弾後すぐに硬化する。これに対して、記録ヘッドが光照射装置と離れた位置にあるときは記録媒体上に吐出されたインクにすぐに光が照射されないことによりインクが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑化する。請求項6に記載された発明によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して最後の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、例えば、画像記録速度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインクジェット記録装置においても高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
複数色のインクを用いて画像記録を行う場合、インクの種類によりインクドットの結合し易さや硬化の仕方に差異がある場合もある。請求項7に記載された発明によれば、インクの種類に応じて最後の走査において吐出させるインクの間引き率を決定するため、様々なインクに対応して高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
記録媒体はその種類によりインク吸収性や表面エネルギーの大小等が異なるため、記録媒体に着弾した後のインクの広がり方は記録媒体の種類によって異なる。請求項8に記載された発明によれば、記録媒体に応じて、インクの間引き率の調整を適切に行うことができ、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、画像記録速度が速いと記録媒体上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりインクが着弾後すぐに硬化する。これに対して、画像記録速度が遅いと記録媒体上に吐出されたインクにすぐに光が照射されないことによりインクが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑化する。請求項9に記載された発明によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して最後の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、例えば、画像記録速度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインクジェット記録装置においても高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
記録媒体上に吐出されたインクの硬化具合は光照射装置の光照射量に応じて異なり、光照射量が多ければ記録媒体に着弾後すぐにインクが硬化するが、光照射量が少ない場合にはインクは着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化する。請求項10に記載された発明によれば、このようなインクの硬化具合の違いを考慮して最後の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、インク硬化までに必要とされる走査回数が異なるような場合でも適切に対応することができ、常に高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
インクは記録ヘッド周囲の温度が低い場合や湿度が高い場合には硬化し難く、記録媒体に着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化するが、温度が高い場合や湿度が低い場合には硬化し易いという特性を有する。請求項11に記載された発明によれば、このようなインクの特性を考慮して最後の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項12に記載された発明によれば、1バンドごとに画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止しつつ、マット調、グロス調といった画質をユーザが任意に選択することができる。このため、高精細な画像記録を行うことができるとともに、希望に合った画質の画像を得ることができるという効果を奏する。
請求項13に記載された発明によれば、最後の走査及び最後から2番目の走査のうち少なくともいずれか一方の走査において吐出させるインク吐出量を、記録媒体に着弾した際のドット径が隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上としているので、最後の走査又は最後から2番目の走査においてランダムに吐出されたインクのうち隣接するインク同士が結合して、記録画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止して、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、記録ヘッドが光照射装置の近くに位置するときは記録媒体上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりインクが着弾後すぐに硬化する。これに対して、記録ヘッドが光照射装置と離れた位置にあるときは記録媒体上に吐出されたインクにすぐに光が照射されないことによりインクが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑化する。請求項14に記載された発明によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して最後の走査又は最後から2番目の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、例えば、画像記録速度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインクジェット記録装置においても高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
複数色のインクを用いて画像記録を行う場合、インクの種類によりインクドットの結合し易さや硬化の仕方に差異がある場合もある。請求項15に記載された発明によれば、インクの種類に応じて最後の走査又は最後から2番目の走査において吐出させるインクの間引き率を決定するため、様々なインクに対応して高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
記録媒体はその種類によりインク吸収性や表面エネルギーの大小等が異なるため、記録媒体に着弾した後のインクの広がり方は記録媒体の種類によって異なる。請求項16に記載された発明によれば、記録媒体に応じて、インクの間引き率の調整を適切に行うことができ、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
光硬化型のインクを用いて画像記録を行う場合、画像記録速度が速いと記録媒体上に吐出されたインクに即座に光が照射されることによりインクが着弾後すぐに硬化する。これに対して、画像記録速度が遅いと記録媒体上に吐出されたインクにすぐに光が照射されないことによりインクが着弾後硬化するまでの間に周囲に広がって平滑化する。請求項17に記載された発明によれば、このようなインクの硬化タイミングを考慮して最後の走査又は最後から2番目の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、例えば、画像記録速度の異なる記録動作を切り替えて行うことのできるインクジェット記録装置においても高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
記録媒体上に吐出されたインクの硬化具合は光照射装置の光照射量に応じて異なり、光照射量が多ければ記録媒体に着弾後すぐにインクが硬化するが、光照射量が少ない場合にはインクは着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化する。請求項18に記載された発明によれば、このようなインクの硬化具合の違いを考慮して最後の走査又は最後から2番目の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、インク硬化までに必要とされる走査回数が異なるような場合でも適切に対応することができ、常に高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
インクは記録ヘッド周囲の温度が低い場合や湿度が高い場合には硬化し難く、記録媒体に着弾後すぐに硬化せず周囲に広がって平滑化するが、温度が高い場合や湿度が低い場合には硬化し易いという特性を有する。請求項19に記載された発明によれば、このようなインクの特性を考慮して最後の走査又は最後から2番目の走査において吐出させるインクの間引き率を決定することにより、高精細な画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求項20に記載された発明によれば、1バンドごとに画像の色調や光沢感に差異が生じることを防止しつつ、マット調、グロス調といった画質をユーザが任意に選択することができる。このため、高精細な画像記録を行うことができるとともに、希望に合った画質の画像を得ることができるという効果を奏する。
以下、図1から図6を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第一の実施形態について説明する。
まず、図1に示すように、本実施の形態において、インクジェット記録装置1は、シリアルプリント方式によるインクジェット記録装置1であり、このインクジェット記録装置1には、平板状に形成され記録媒体Pを非記録面から支持するプラテン2が設けられている。
プラテン2の上方には、プラテン2の長手方向に延在する棒状のガイドレール3が設けられている。このガイドレール3には、キャリッジ4が支持されており、キャリッジ4はヘッド走査手段としてのキャリッジ駆動機構11(図2参照)によりガイドレール4に沿って主走査方向A,Bに往復走査自在となっている。
また、インクジェット記録装置1には、複数の搬送ローラ5等により構成され、主走査方向A,Bと直交する搬送方向Xに記録媒体Pを送るための記録媒体搬送機構12(図2参照)が設けられている。記録媒体搬送機構12は、搬送ローラ5を回転させることによって、画像記録時において、キャリッジ4の動作に合わせて記録媒体Pの搬送と停止とを繰り返し、記録媒体Pを搬送方向Xの上流側から下流側に間欠的に搬送するようになっている。
図1に示すように、キャリッジ4には、本実施形態におけるインクジェット記録装置1で使用される各色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)。)に対応した4つの記録ヘッド6が搭載されている。各記録ヘッド6は、外形が略直方体状に形成されており、長手方向が互いに平行となるように並んで配置されている。記録ヘッド6の記録媒体Pに対向する面には、記録ヘッド6の長手方向に沿って列状に形成された複数のインク吐出口(図示せず)が設けられ、各記録ヘッド6はインク吐出口からそれぞれインクを吐出させるようになっている。なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の色を使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッドがキャリッジに搭載される。
また、記録ヘッド6の近傍には記録ヘッド6の周囲の温度及び湿度を測定する温湿度測定手段としての温湿度センサ(図2参照)が設けられている。温湿度センサは、例えば、温度検出素子としてのサーミスタと湿度検出素子を備える高分子抵抗式湿度センサからなり、記録ヘッド6の周囲の環境温湿度を検知するものである。なお、温湿度測定手段はここに例示したものに限定されず、他の構成のものを適用してもよい。
記録ヘッド6のうちキャリッジ4の側壁と隣接して設けられている記録ヘッド6とキャリッジ4の両側壁との間には、光照射装置としての紫外線照射装置7が配設されている。
紫外線照射装置7は、記録媒体Pの上に吐出され着弾したインクを硬化定着させる光として紫外線を照射する紫外線光源(図示せず)を有している。この紫外線光源としては、例えば高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、半導体レーザー、冷陰極管、エキシマーランプ、又はLED(Light Emitting Diode)等を適用することが可能である。
また、紫外線照射装置7の近傍には紫外線照射装置7から照射される紫外線の照射強度を測定する照射強度測定手段としての紫外線センサ(図2参照)が設けられている。紫外線センサは、例えば、シリコンセンサと光学フィルタを備える受光部で光を受光して紫外線の照度を検知するものである。なお、照射強度測定手段はここに例示したものに限定されず、他の構成のものを適用してもよい。
本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線が照射されることにより硬化する性質を具備する光硬化型インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化型インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、この両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物である。
また、記録媒体Pとしては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質からなる記録媒体Pが適用可能である。また、記録媒体Pの形態としては、ロール状、カットシート状、板状等の各種形態が適用可能である。
次に、図2から図6を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録装置1の制御構成について説明する。
図2に示すように、インクジェット記録装置1には、装置各部を制御するための制御部8が設けられており、この制御部8は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)を備え、各種の処理プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、画像データ等の各種データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)等からなる記憶部9を備えている。制御部8は、ROMに記録された処理プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するようになっている。
また、インクジェット記録装置1は、記録媒体Pの種類や画像記録条件等を入力する入力部10を有しており、入力部10から入力された情報は、制御部12に送られるようになっている。入力部10は、例えばキーボードや操作パネルであり、ユーザーは入力部10を操作することにより画像記録に用いる記録媒体Pや所望の画像記録速度、解像度等の各種画像記録条件を選択、設定することができるようになっている。
また、制御部8には、温湿度センサ13、紫外線センサ14によって測定された測定結果等が送られるようになっており、制御部8は、送られた結果に基づいて各部の制御を行うようになっている。
また、制御部8は、キャリッジ駆動機構11を制御してキャリッジ4を主走査方向A,Bに往復走査させるとともに、キャリッジ4の動作に合わせて記録媒体Pを搬送方向Xに間欠搬送させるように、記録媒体搬送機構12の動作を制御するようになっている。
さらに、制御部8には、図示しない外部装置から記録画像に関する画像データが送られるようになっており、制御部8は、送られてきた画像データ及び入力部10から入力された情報等に基づいて記録ヘッド6を動作させる。これにより、各記録ヘッド6から適切な間引き率のインクが吐出され、記録媒体P上に所定の画像を記録されるようになっている。
ここで、インクの間引き率とは記録ヘッド6の吐出口数に対する記録ヘッド6の吐出口からインクが吐出されない吐出口数であり、制御部8は決定された間引き率のインクを吐出するように各記録ヘッド6から吐出させる吐出口数を調整するようになっている。
また、制御部8は、紫外線照射装置7を制御して記録媒体P上に吐出されたインクに対して紫外線を照射するようになっている。
ここで、本実施形態における制御部8によるインク吐出量の制御について説明する。
図3は、1つの記録ヘッド6に着目したときに、各バンドの画像形成を行う記録ヘッド6の対応個所を示した図である。図3に示すように、1回の搬送で搬送される記録媒体Pの送り幅を1バンドといい、本実施形態においては、1バンドを3回走査することによって画像記録を行うようになっている。すなわち、例えば、図3における記録媒体の1番上のバンドは、主走査往路方向Aに沿って第1走査が行われ記録ヘッド6の一端側から吐出されるインクによって1走査目の画像記録が行われる。そして、主走査復路方向Bに沿って第2走査が行われ、記録ヘッド6のほぼ中央部から吐出されるインクによって2走査目の画像記録が行われる。さらに、再度主走査往路方向Aに沿って第3走査が行われ、記録ヘッド6の他端側から吐出されるインクによって3走査目の画像記録が行われることによって1バンド中の全ての画素について記録が完了する。
制御部は、前記3回の走査のうち最後の走査におけるインク吐出がランダムに間引かれるように、記録ヘッド6の各インク吐出口のうち、各バンドにおける最後の走査において記録される部分にインクを吐出するインク吐出口からランダムにインクが吐出されないように記録ヘッド6を制御するようになっている。インク吐出量は、インクが記録媒体Pに着弾したときのドット径が、隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となることが好ましい。このようにすることによって、最後の走査において吐出されたインクが隣接するインクと重なり合ったり、結合したりすることを確実におこなうことができる。
次に、具体的にどの画素に吐出されるインクをランダムに間引くかについて、図4(a)を参照しつつ説明する。図4(a)は、ヘッド解像度と画像解像度とが同じであって、1バンドを3回の走査で記録する場合に、各画素に何走査目でインクが吐出されるかをドットマトリクスとして表したものであり、横方向の1列が1バンドを表している。図中の各マスは、それぞれ1画素を表しており、1から3までの数字は各画素に対して何回目の走査でインクが吐出されるかを示している。例えば、図4(a)において、1列目のバンドを記録する際には、1走査目で図4(a)における左端の画素(図中画素1)を記録し、2走査目、3走査目で画素2、画素3を順に記録していく。さらに、2列目のバンドを記録する際には、1列目のバンドの記録においては2回目の走査となる走査が1回目の走査となり、1列目のバンドにおける1走査目から数えて4走査目となる走査が3回目の走査となるというように、各バンドは、画像記録を開始する走査を1走査ずつずらしながら記録されるようになっている。
そして、このようにして記録を行う場合、図4(a)において斜線で表す部分、すなわち、各バンドを記録する最後の走査である3回目の走査におけるインクの吐出を、ランダムに間引くようになっている。
なお、1バンドを記録するのに必要とされる走査回数は3回に限定されず、例えば6回の走査で1バンドを形成するようにしてもよく、この場合には、各バンドにおける最後の走査となる6回目の走査において吐出されるインクの吐出をランダムに間引くようにする。例えば、主走査を6回に分けて行う場合であって画像解像度がヘッド解像度の2倍である場合には、各画素に何走査目でインクが吐出されるかを表すドットマトリクスは図4(b)に示すようになる。図4(b)において、横方向の2列が1バンドを表し、図中の各マスは、それぞれ1画素を表している。1から6までの数字は各画素に対して何走査目にインクが吐出されるかを示しており、制御部は、各バンドを記録する最後の走査となる6回目の走査におけるインクの吐出をランダムに間引くようになっている。
次に、インクの間引き率をどの程度にするかは、1バンドを形成するために最後の走査において吐出されたインクが着弾したときのドット径や、ドット径が着弾後にどの程度拡大するかによる。記録媒体Pに着弾したときのドット径の大きさや、着弾後にドット径が拡大する程度は、記録媒体Pの種類、先に着弾しているインクの硬化度合い、紫外線の照射タイミング、すなわち、インクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの時間や、インクの種類、紫外線照射装置7から照射される紫外線の照射強度、記録ヘッド6の周囲の環境温湿度等によって異なる。各バンドごとの色調や光沢感等のばらつきを抑えて高精細な画像形成を行うためには、各バンドを記録する最後の走査におけるインクの間引き率は、インクが記録媒体P上でランダムに互いに結合する量であることが好ましいため、最後の走査において記録ヘッド6から吐出させるインクの間引き率は、着弾したときのドット径と着弾後のドット径の拡大の程度との関係で決定される。
まず、図5に示すように、インクは、先に着弾しているインクの状態によって着弾後のドット径に差異を生じる。先に着弾しているインクが未硬化である場合や半硬化の状態にある場合には、その上にインクを吐出させてもドット径が小さいのに対して、先に着弾しているインクが十分に硬化している場合には、その上にインクを吐出させるとインクのドット径が大きくなる傾向にある。
また、図6に示すように、インクは着弾する記録媒体Pのインク吸収性や表面エネルギーの大小によって着弾後のドット径に差異を生じる。例えば、OPP(延伸ポリプロピレン)のように表面エネルギーの小さい記録媒体Pに着弾した場合には、インクのドット径は記録媒体P上で大きくなる傾向にある。逆に、ユポのように比較的表面エネルギーの大きい記録媒体Pに着弾した場合には、インクのドット径は記録媒体P上で小さくなる傾向にある。
したがって、先に着弾しているインクの硬化度合いや、記録媒体Pの種類によりインクのドット径が大きくなる場合には、制御部8は、インクのドット径が小さくなる条件の場合と比較して記録ヘッド6から吐出させるインク間引き率を大きくするようになっている。
次に、図5、図6に示すように、一般に照射タイミングが遅くなるに従ってインクのドット径が拡大する傾向にある。そして、この照射タイミングは、各記録ヘッド6と紫外線照射装置7との距離や画像記録を行う速度に左右される。すなわち、例えば、図1におけるイエロー(Y)やブラック(K)のように紫外線照射装置7に近い位置にある記録ヘッド6からインクが吐出された場合には、インクが吐出された後すぐに紫外線が照射されるのに対して、シアン(C)やマゼンタ(M)のように紫外線照射装置7から離れた位置にある記録ヘッド6からインクが吐出された場合にはインクが吐出されてから紫外線が照射されるまでに時間がかかり、照射タイミングが遅くなる。また、キャリッジ4の移動方向の下流側に位置する記録ヘッド6から吐出されたインクほど、インクが吐出されてから紫外線が照射されるまでに時間がかかり、照射タイミングが遅くなる。さらに、画像記録を行う速度が速い場合には、記録ヘッド6を搭載したキャリッジ4の移動速度が速くなることから、照射タイミングは早くなり、逆に、画像記録を行う速度が遅い場合には、記録ヘッド6を搭載したキャリッジ4の移動速度が遅くなることから、照射タイミングは遅くなる。そして、照射タイミングが遅くなると、記録媒体P上に着弾したインクが紫外線が照射されるまでの間に広がってドット径が拡大することから、制御部8は、照射タイミングが遅くなる場合ほど、インクの間引き率を大きくするように記録ヘッド6を制御するようになっている。
また、インクが、ドット径が拡大し易い種類のものである場合や硬化し難いものである場合には、隣接するインクドット同士が結合し易い。そこで、制御部8は、このような性質を有するインクについては、各バンドの最後の走査におけるインクの間引き率を他の種類のインクに比して大きくするようになっている。
また、インクは記録媒体Pに着弾したインクに対して照射される紫外線量が多いほど硬化し易く、この紫外線量は紫外線照射装置7から照射される照射強度と照射される時間との積である。したがって、同じ照射タイミングで紫外線を照射しても、紫外線照射装置7から照射される紫外線の照射強度が強いほどインクは硬化し易く、ドット径が小さくなる。このため、制御部8は、紫外線センサ14によって検知された紫外線の照射強度に基づいて、照射強度が弱いほど各バンドの最後の走査におけるインクの間引き率を大きくするようになっている。
さらに、インクは高温低湿度のときに硬化し易く、低温高湿度のときに硬化し難いという特性がある。このため、制御部8は、温湿度センサ13によって検知された記録ヘッド6の周囲の環境温湿度に基づいて、環境温湿度が低温高湿度である場合には、各バンドの最後の走査におけるインクの間引き率を小さくするようになっている。
なお、制御部8の記憶部9には、例えば、以上のようなインクの硬化具合を左右する要素ごとに記録ヘッド6から吐出させるインクの吐出量を決定するためのインク間引き率補正テーブル(図示せず)が格納されており、制御部8は、このインク間引き率補正テーブルを参照しつつ記録ヘッド6から吐出させるインク間引き率を決定するようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置1に送られると、送られた画像データは制御部8の記憶部9に記憶される。そして、ユーザーにより入力部10から画像記録を開始する信号、記録媒体Pの種類及び各種の画像記録条件等が入力され、また、温湿度センサ13や紫外線センサ14によって検知された結果が送られると、制御部8は記憶部9からインク間引き率補正テーブルを読み出して、入力された情報及び各種センサによって検知された結果等各種の条件に適合するように、1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインク間引き率を決定する。
1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインク間引き率を決定すると、1バンドを何走査で記録するか、記録ヘッド6の解像度に対して画像解像度はいくつか等により、記録ヘッド6のインク吐出口にうちどの部分のインクを間引くかを決定する。なお、最後の走査におけるインク間引き率の決定とインク吐出口にうちどの部分のインクを間引くかの決定とはここに例示した順に決定される場合に限定されず、例えば、同時に決定されてもよい。
インク間引き率等が決定されると、制御部8が記録媒体搬送機構12を制御することにより記録媒体Pが順次搬送方向Xの上流側から下流側に間欠搬送される。また、制御部8がキャリッジ駆動機構11を制御することによりキャリッジ4を記録媒体Pの上を主走査往路方向A、主走査復路方向Bに沿って往復走査させるとともに、制御部8は各記録ヘッド6を制御することにより所定の吐出量のインクを所定の画素に吐出させる。記録媒体P上に吐出されたインクに紫外線照射装置7から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体P上に画像が記録される。
以上のように、本実施形態によれば、インクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの照射タイミング、インクや画像記録に用いる記録媒体Pの種類、紫外線の照射強度、記録ヘッド周囲の環境温湿度といった各種条件により、1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインクの吐出をランダムに間引くので、記録された画像の画質に最も影響を及ぼす1バンドごとの色調や光沢感の差異等を生じ難く、高精細な画像記録を行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、記録ヘッド6と紫外線照射装置7との距離、画像記録速度、インクの種類、記録媒体Pの種類、紫外線照射装置7から照射される紫外線の照射強度、及び環境温湿度といった各要素を全て考慮して、1つのバンドを形成するために必要な往復走査において記録ヘッド6から吐出するインク間引き率をどの程度にするかを決定することとしたが、これらのうちの何れか1以上の要素に基づいてインク間引き率を決定してもよい。この場合、例えば、紫外線照射装置7から照射される紫外線の照射強度を考慮しない場合には、紫外線センサ14を設ける必要がない。また、環境温湿度を考慮しない場合には、温湿度センサ13を設ける必要がなく、装置構成を簡易化することができる。
また、本実施形態においては、1つの制御部8によってキャリッジ駆動機構11によりキャリッジ4を主走査方向A,Bに往復走査させ、記録ヘッド7を動作させて所定のインクを吐出させる等、装置各部の制御を行うようにしたが、制御構成はここに例示したものには限定されず、例えば、キャリッジ駆動機構によりキャリッジを主走査方向に往復走査させる制御部と記録ヘッドを動作させて所定のインクの吐出を制御する制御部とを別個に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、紫外線照射装置7を一群に設けられた記録ヘッド6の両側に配置するようにしたが、紫外線照射装置7の配置はこれに限定されず、各記録ヘッド6の間にもそれぞれ紫外線照射装置7を設けるようにしてもよい。また、紫外線照射装置7は、キャリッジ4の上に搭載されている場合に限られず、キャリッジ4の外に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、紫外線を照射することにより硬化するインクを用いて画像記録を行うものとしたが、インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波といった紫外線以外の光を照射することにより硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その光を照射する光源を適用する。
また、本発明によるインクジェット記録装置1で使用する記録ヘッド6は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、例えば、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等のうち、いずれの吐出方式を用いても構わない。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の第二の実施形態について説明する。なお、第二の実施形態は、制御構成のみが第一の実施形態と異なるものであるので、以下においては、特に第一の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、インクジェット記録装置は、第一の実施形態と同様の記録ヘッド及び紫外線照射装置(いずれの図示せず)を備え、各種のプログラム等を格納する記憶部を有する制御部(いずれも図示せず)を備えている。第一の実施形態と同様、制御部には温湿度センサ、紫外線センサから検知結果が送られるようになっており、制御部はこれらの結果に基づいて記録ヘッドから吐出させるインク間引き率を調整するようになっている。
特に、本実施形態においては、制御部は、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査の際と最後から2番目の走査の際との両方において、記録ヘッドから吐出するインク間引き率を制御するようになっており、第一の実施形態と同様に、制御部は、記録ヘッドと紫外線照射装置との距離、画像記録速度、インクの種類、記録媒体の種類、紫外線照射装置から照射される紫外線の照射強度、及び環境温湿度各種条件に基づいて、最後の走査において吐出させるインクの間引き率、最後から2番目の走査において吐出させるインクの間引き率をそれぞれ決定するようになっている。この場合、最後の走査及び最後から2番目の走査において吐出されたインクが隣接するインクドットと重なり合ったり、結合したりすることを確実におこなうためには、インクが記録媒体に着弾したときのドット径が、隣接して着弾するインクドットとのドット間距離以上となることが好ましい。
なお、第一の実施形態と同様に、制御部の記憶部には、例えば、以上のような各種の条件ごとに記録ヘッドから吐出させるインクの吐出量を決定するためのインク間引き率補正テーブル(図示せず)が格納されており、制御部は、このインク間引き率補正テーブルを参照しつつ記録ヘッドから吐出させるインク間引き率を決定するようになっている。なお、インク間引き率補正テーブルは、最後の走査の際と最後から2番目の走査の際とのそれぞれについて用意されていてもよいし、両者が対応付けられたテーブルが一つ用意されていてもよい。
なお、その他の構成は、第一実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置に送られると、送られた画像データは制御部の記憶部に記憶される。制御部は、第一の実施形態の場合と同様に、記憶部からインク間引き率補正テーブルを読み出して、各種の情報及び各種センサによって検知された結果等各種の条件に適合するように、1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査と最後から2番目の走査におけるインク間引き率を決定する。
1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査と最後から2番目の走査におけるインク間引き率を決定すると、1バンドを何走査で記録するか、記録ヘッドの解像度に対して画像解像度はいくつか等により、記録ヘッドのインク吐出口にうちどの部分のインクを間引くかを決定する。
インク間引き率等が決定されると、制御部が記録媒体搬送機構を制御することにより記録媒体Pが順次搬送方向の上流側から下流側に間欠搬送される。また、制御部がキャリッジ駆動機構を制御することによりキャリッジを記録媒体の上を主走査方向に沿って往復走査させるとともに、制御部は各記録ヘッドを制御することにより所定の吐出量のインクを所定の画素に吐出させる。記録媒体上に吐出されたインクに紫外線照射装置から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体上に画像が記録される。
以上のように、本実施形態によれば、インクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの照射タイミング、インクや画像記録に用いる記録媒体の種類、紫外線の照射強度、記録ヘッド周囲の環境温湿度といった各種条件により、1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査及び最後から2番目の走査におけるインク間引き率を変化させるので、記録された画像の画質に最も影響を及ぼす1バンドごとの色調や光沢感の差異等を生じ難く、高精細な画像記録を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、最後の走査の際と最後から2番目の走査の際との両方において、記録ヘッドから吐出するインク間引き率をそれぞれ決定するとしたが、両走査におけるインク間引き率は同量であってもよいし、最後の走査において記録ヘッドから吐出させるインク間引き率を、最後から2番目の走査において記録ヘッドから吐出させるインク間引き率よりも大きくするものとしてもよい。なお、最後の走査の方がより記録画像の画質等に影響を及ぼすため、最後の走査におけるインク間引き率は最後から2番目の走査におけるインク間引き率と同量とするか、又は最後の走査におけるインク間引き率の方がより大きくなくなるように段階的にインク間引き率を大きくすることが好ましい。
なお、本発明が本実施の形態に限られないことは、第一の実施形態と同様である。
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の第三の実施形態について説明する。なお、第三の実施形態は、装置構成の一部と制御構成のみが第一の実施形態と異なるものであるので、以下においては、特に第一の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、インクジェット記録装置は、第一の実施形態と同様の記録ヘッド及び紫外線照射装置(いずれの図示せず)を備え、各種のプログラム等を格納する記憶部を有する制御部(いずれも図示せず)を備えている。第一の実施形態と同様、制御部には温湿度センサ、紫外線センサから検知結果が送られるようになっており、制御部はこれらの結果に基づいて記録ヘッドから吐出させるインク吐出量を調整するようになっている。
特に、本実施形態においては、図示しない入力部から所望の画質を選択することが可能となっており、制御部は、選択された画質となるように、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査において、記録ヘッドから吐出するインク間引き率を大きくするようになっており、第一の実施形態と同様に、制御部は、記録ヘッドと紫外線照射装置との距離、画像記録速度、インクの種類、記録媒体の種類、紫外線照射装置から照射される紫外線の照射強度、及び環境温湿度各種条件に基づいて、最後の走査において吐出させるインクの間引き率を決定するようになっている。
すなわち、インクドットが記録媒体に着弾後、互いに結合せずに独立して硬化すると、記録画像の表面で反射光が散乱しやすくなるため、光沢感のないマット調の画質の画像を得ることができる。これに対して、インクドットが互いに結合すると、記録画像の表面が平滑化されて光沢感のあるグロス調の画質の画像を得ることができる。したがって、所望の画質としてマット調が選択されたときには、インクドットが互いに結合する箇所が少ないように、制御部は、最後の走査において吐出させるインクの間引き率を大きくするようになっている。これに対して、所望の画質としてグロス調が選択されたときには、ある程度インクドットを結合させる必要があるため、制御部は、マット調が選択されたときに比べて最後の走査において吐出させるインクの間引き率を小さくするようになっている。
なお、制御部の記憶部には、例えば、画像記録速度、インクの種類といった各種の条件及び所望する画質ごとに記録ヘッドから吐出させるインクの間引き率を決定するためのインク間引き率補正テーブル(図示せず)が格納されており、制御部は、このインク間引き率補正テーブルを参照しつつ記録ヘッドから吐出させるインク間引き率を決定するようになっている。
なお、その他の構成は、第一実施形態及び第二実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図示しない外部装置から入力された画像データがインクジェット記録装置に送られると、送られた画像データは制御部の記憶部に記憶される。さらに入力部からマット調、グロス調といった所望の画質が選択、入力される。制御部は、第一の実施形態の場合と同様に、記憶部からインク間引き率補正テーブルを読み出して、各種の情報、各種センサによって検知された結果等各種の条件、及び選択された画質に適合するように、1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインク間引き率を決定する。
1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインク間引き率を決定すると、1バンドを何走査で記録するか、記録ヘッドの解像度に対して画像解像度はいくつか等により、記録ヘッドのインク吐出口にうちどの部分のインクを間引くかを決定する。
インク間引き率等が決定されると、制御部が記録媒体搬送機構を制御することにより記録媒体が順次搬送方向の上流側から下流側に間欠搬送される。また、制御部がキャリッジ駆動機構を制御することによりキャリッジを記録媒体の上を主走査方向に沿って往復走査させるとともに、制御部は各記録ヘッドを制御することにより所定の吐出量のインクを所定の画素に吐出させる。記録媒体上に吐出されたインクに紫外線照射装置から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体上に画像が記録される。
以上のように、本実施形態によれば、インクが吐出されてから紫外線が照射されるまでの照射タイミング、インクや画像記録に用いる記録媒体の種類、紫外線の照射強度、記録ヘッド周囲の環境温湿度といった各種条件により、1バンドを形成するために必要な走査のうち最後の走査におけるインク間引き率を変化させるので、記録された画像の画質に最も影響を及ぼす1バンドごとの光沢感の差異等を生じ難く、高精細な画像記録を行うことが可能となる。
さらに、所望の画質に応じてインク間引き率を調整するので、ユーザがマット調の画像、グロス調の画像を任意に選択し、希望に沿う画質の画像を得ることができる。
なお、本実施形態では、1つのバンドを形成するために必要な往復走査のうち、最後の走査の際のみ記録ヘッドから吐出するインク間引き率を大きくするものとしたが、第二の実施形態と同様に、最後の走査の際と最後から2番目の走査の際との両方において、記録ヘッドから吐出するインク間引き率を大きくするものとしてもよい。