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JP4285569B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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JP4285569B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員保護装置にかかり、特に、衝突を予測して乗員を保護する乗員保護装置に関する。
車両の乗員を衝突から保護するための乗員保護装置としては種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、レーダーセンサ、ビデオセンサ、レーザスキャナベースのセンサ等のセンサによって車両が巻き込まれる可能性の有る事故を予測し、事故が予測された場合に、シートバックの角度を調整する際の調整速度よりも早い速度でシートバックを調整することが提案されている。
また、特許文献2に記載の技術では、車両の衝突を予測して第1のプリテンショナ機構を作動し、衝突を判断して第2のプリテンショナ機構を作動することが提案されている。
特表2007−500650号公報 特許第2946995号公報
上述のように乗員保護装置には、種々の技術が提案されているが、これらの技術を組み合わせることによってより確実に乗員を保護することが考えられる。例えば、衝突を予測した場合に、シートバックの角度を調整すると共に、プリテンショナ機構を作動させてシートベルトに張力を付与することが考えられる。
しかしながら、衝突を予測してシートバックを調整することで衝突前までに適正な状態にシートバックを移動することができるが、その作動の際にプリテンショナ機構が作動されてシートベルトに張力が付与されて、シートバックの移動とシートベルトの張力が同時に行われ続けると、シートバック等を駆動するモータの負荷が増えてモータが故障したり、乗員へ過剰な負荷を与えてしまうため改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、シートとシートベルトを弊害なく作動可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、シートの状態を適正状態に調整するシート調整手段と、シートベルトの張力を調整するベルト調整手段と、シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があるか否か判断する判断手段と、前記判断手段によってシートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断された場合に、前記シート調整手段による調整を停止してから、前記ベルト調整手段による調整を開始するように、または前記シート調整手段による調整を開始してから前記ベルト調整手段による調整を開始して前記ベルト調整手段の調整によってシートベルトに所定の張力が付与され始める時間になったところで前記シート調整手段による調整を停止するように、前記シート調整手段及び前記ベルト調整手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、シート調整手段では、シートの状態が調整され、ベルト調整手段では、シートベルトの張力が調整されて、乗員が拘束される。シート調整手段は、例えば、シートのスライド位置やシートバックの角度等を予め定めた適正状態等に調整する。
判断手段では、シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があるか否かが判断される。
そして、制御手段では、判断手段によってシートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断された場合に、シート調整手段による調整を行ってから、ベルト調整手段による調整を開始するように、またはシート調整手段による調整を開始してからベルト調整手段による調整を開始してベルト調整手段の調整によってシートベルトに所定の張力が付与され始める時間になったところでシート調整手段による調整を停止するように、シート調整手段及びシートベルト調整手段が制御される。
すなわち、シートの状態が調整されてからシートベルトの張力が調整されるので、シートとシートベルトを弊害なく作動させることが可能となる。また、シートの調整とシートベルトの張力の調整が故障するまで同時に行われ続けることがなくなり、シートの駆動負荷が増加してモータ等が故障するのを確実に防止することができる。
判断手段は、例えば、請求項2に記載の発明のように、衝突を予測する予測手段によって衝突が予測された場合に、シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断するようにしてもよい。この場合、制御手段は、判断手段によってシートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断された場合に、衝突予測までの時間が第1の時間になったところでシート調整手段による調整を開始し、衝突予測までの時間が第1の時間より短い第2の時間になったところでベルト調整手段による調整を開始する。これによって、衝突が予測された場合に、シートを予め定めた適正状態へ移動してからシートベルトの張力を調整することができ、適正な着座状態で乗員を保護することが可能となる。
また、判断手段は、請求項に記載の発明のように、走行状態から判断される車両姿勢の乱れ度合いを表す車両の不安定度を検出する検出手段によって所定の不安定度が検出された場合に、シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断するようにしてもよい。この場合、制御手段は、検出手段によって検出された車両の不安定度が第1の値となった場合に、シート調整手段による調整を開始し、検出手段によって検出された車両の不安定度が第1の値より大きい第2の値になった場合に、ベルト調整手段による調整を開始する。これによって、車両が不安定状態になった場合に、シートを調整してからシートベルトの張力を調整することができ、適正な着座状態で乗員を保護することが可能となる。
なお、制御手段は、請求項に記載の発明のように、シート調整手段による調整を停止するように制御する前に、シートの状態が予め定めた適正状態になった場合に、シート調整手段による調整を停止するようにしてもよいし、請求項に記載の発明のように、シート調整手段による調整を開始後、所定時間経過後にシート調整手段による調整を停止するようにしてもよい。但し、シート調整手段による調整開始後の所定時間とは、車両が衝突した後にシートが調整されることを防止可能な時間である。
また、シート調整手段は、請求項に記載の発明のように、乗員の操作によってシートの状態を調整する際の速度よりも速い速度でシートを適正状態に調整するようにしてもよい。これによって、シートとシートベルトの調整が同時に作動される期間を少なくすることが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、シートとシートベルトの調整が必要な場合に、シートの調整を開始した後に、シートベルトの調整を開始することによって、シートの状態が調整されてからシートベルトの張力が調整されるので、シートとシートベルトを弊害なく作動させることが可能となる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置の車両配置位置を示す図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置の構成を示すブロック図である。
本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10は、図1、2に示すように、前方の障害物までの距離を検出するための前方ミリ波レーダー12、前側方の障害物までの距離を検出するための前側方ミリ波レーダー14、前方を撮影するステレオカメラ16、及び衝突判断ECU(Electronic Control Unit)18を備え、それぞれが周辺監視系バス20に接続されている。周辺監視系バス20に接続された前方ミリ波レーダー12、前側方ミリ波レーダー14、及びステレオカメラ16は、車両周辺を監視して、監視結果を衝突判断ECU18に出力する。
前方ミリ波レーダー12は、フロントグリル中央付近に設けられ、前側方ミリ波レーダー14は、バンパ内の車幅方向両端付近に設けられ、それぞれ車両前方や前側方にミリ波を出射することで対象物から反射してきた電波を受信し、伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差などを基に対象物までの距離や自車との相対速度等を測定するために設けられている。
ステレオカメラ16は、フロントウインドシールド上方の中央付近に設けられ、車両前方を撮影して、周辺の障害物を検出すると共に、障害物までの距離を測定するために設けられている。なお、ステレオカメラ16は、省略した構成としてもよい。
そして、衝突判断ECU18は、前方ミリ波レーダー12、前側方ミリ波レーダー14、及びステレオカメラ16の検出結果を取得して衝突予測を行う。衝突予測については既知の各種技術を適用することができるので、詳細な説明を省略する。
また、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10は、シート34の状態を調整するシート制御ECU22、及びシートベルト32の張力を調整するシートベルト制御ECU24を更に備え、それぞれが車両システムバス30に接続されていると共に、車両システムバス30には、衝突判断ECU18が更に接続されている。
シート制御ECU22は、シート34の各状態を調整するためのシートアクチュエータ26が接続されており、衝突判断ECU18によって衝突が予測された場合に、シートアクチュエータ26の動作を制御して、シートリクライニングやシートスライドを調整し、衝突前までに予め定めた適正状態(適正範囲)にシート34の状態を調整する。本実施形態では、図3に示すように、予め定めたニュートラル位置になるようにシートバックの角度、すなわちリクライニングを調整する。
また、シート制御ECU22は、図示しないスイッチ等によってシート34の状態変更が指示された場合にスイッチの操作状態に応じて、シートアクチュエータ26を動作して、シートスライドやリクライニング等のシート34の状態を変更する。なお、シート制御ECU22は、スイッチの指示によってシートアクチュエータ26を駆動する場合と、衝突が予測された場合に、シートアクチュエータ26を駆動する場合とで異なる速度でシートアクチュエータ26を駆動するようになっており、衝突が予測された場合にシートアクチュエータ26を駆動する場合には、適正な状態にシート34を早急に調整するために、スイッチ操作でシートアクチュエータ26を駆動する場合に比べて速い速度でシート34の状態を調整するようにシートアクチュエータ26を駆動するようになっている。
一方、シートベルト制御ECU24は、シートベルト32の巻取動作を行うためのシートベルトアクチュエータ28が接続されており、衝突判断ECU18によって衝突が予測された場合に、シートベルトアクチュエータ28の動作を制御して、シートベルト32の張力を調整する。
ところで、衝突が予測された場合に、シート34の調整とシートベルト32の調整を同時に行うと、シート34の調整を行うためのシートアクチュエータ26の負荷が増えたり、乗員への負荷が増えてしまう。そこで、本実施形態では、衝突が予測された場合に、衝突までの時間が予め定めた時間t1になったところでシート制御ECU22によってシートアクチュエータ26の動作を開始し、衝突までの時間が予め定めた時間t2(t1>t2)になったところでシートベルト制御ECU24によってシートベルトアクチュエータ28の動作を開始する。また、時間t2またはシートベルトアクチュエータ28が作動してシートベルト32に予め定めた張力が付与され始める時間t3(t1>t2>t3)になったところでシート制御ECU22がシートアクチュエータ26の動作を停止するようにしている。
続いて、上述のように構成された本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10の各ECUの処理について詳細に説明する。
まず、衝突判断ECU18で行われる処理について説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10の衝突判断ECU18で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、イグニッションスイッチがオンされた場合に開始し、イグニッションスイッチがオフまたは車両が衝突した場合に終了するものとして説明する。
ステップ100では、前方障害物までの距離が入力されてステップ102へ移行する。すなわち、前方ミリ波レーダー12、前側方ミリ波レーダー14、ステレオカメラ16等の検出結果が入力される。
ステップ102では、相対速度が算出されてステップ104へ移行する。例えば、ミリ波レーダーによって所定時間毎に検出された前方物体までの距離から相対速度が算出される。なお、ステレオカメラ16の撮影結果を画像処理することによって距離を求めて相対速度を算出するようにしてもよい。
ステップ104では、新たにミリ波レーダーの検出結果が入力されてステップ106へ移行する。
ステップ106では、衝突までの時間tが算出され、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。すなわち、前方ミリ波レーダー12、前側方ミリ波レーダー14、ステレオカメラ16等によって検出した前方物体までの距離と、ステップ102で算出した相対速度から衝突までの時間tを算出して、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。
次に、シート制御ECU22で行われる処理について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10のシート制御ECU22で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、イグニッションスイッチがオンされた場合に開始し、イグニッションスイッチがオフまたは車両が衝突した場合に終了するものとして説明する。
ステップ200では、衝突判断ECU18によって算出された衝突予測時間tが入力されてステップ202へ移行する。
ステップ202では、衝突予測時間tが予め定めた時間t1未満になったか否か判定され、該判定が肯定された場合にはステップ204へ移行し、否定された場合にはステップ216へ移行する。
ステップ204では、シート調整中か否か判定される。該判定は、既に衝突時間t1未満となってシートアクチュエータ26が動作しているか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ206へ移行し、肯定された場合にはステップ208へ移行する。
ステップ206では、シートアクチュエータ26が動作開始されることによって、シート調整が開始されてステップ200へ戻る。すなわち、予め定めた角度(角度範囲)にシートバックの角度が調整される。
また、ステップ208では、目標角度、すなわち予め定めたシートバックの角度か否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ210へ移行し、肯定された場合にはステップ214へ移行する。なお、目標角度か否かの判定は、シートアクチュエータ26の駆動量から判定してもよいし、リクライニング角度を検出するセンサを設けて、センサの検出値によって検出するようにしてもよいし、予め定めた適正角度にリミットスイッチを設けてスイッチがオンされたか否かを判定するようにしてもよい。
ステップ210では、シート調整が所定時間経過したか否か判定される。該判定は、衝突後にシート調整が継続されていることを防止するための所定時間が設定され、該所定時間が経過したか否かが判定される。該判定が肯定された場合にはステップ214へ移行し、否定された場合にはステップ212へ移行する。
ステップ212では、衝突予測時間tが予め定めた時間t2未満になったか否か判定され、該判定が肯定された場合にはステップ214へ移行し、否定された場合にはステップ200に戻って上述の処理が繰り返される。なお、ステップ212は、シートベルトアクチュエータ28が動作してシートベルト32の張力が予め定めた張力が付与され始める時間t3(図7(B))になったか否かを判定するようにしてもよい。
ステップ214では、シート調整が停止されてステップ200に戻って上述の処理が繰り返される。
一方、ステップ202の判定が否定されてステップ216へ移行すると、シート調整中か否か判定される。すなわち、既にシートアクチュエータ26が動作しているか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ218へ移行し、否定された場合にはステップ200に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ218では、シートアクチュエータ26の動作によってシート調整が行われているので、リセットしてシートアクチュエータ26の動作を停止してステップ200へ戻って上述の処理が繰り返される。なお、リセットとしては、シートアクチュエータ26の動作前の状態に戻すようにシートアクチュエータ26を動作するようにしてもよい。
続いて、シートベルト制御ECU24で行われる処理の流れについて説明する。図6は、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10のシートベルト制御ECU24で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、イグニッションスイッチがオンされた場合に開始するものとして説明する。
ステップ300では、衝突判断ECU18によって算出された衝突予測時間tが入力されてステップ302へ移行する。
ステップ302では、衝突予測時間tが予め定めた時間t2未満になったか否か判定され、該判定が肯定された場合にはステップ304へ移行し、否定された場合にはステップ314へ移行する。
ステップ304では、シートベルト調整中か否か判定される。該判定は、既に衝突時間t2未満となってシートベルトアクチュエータ28が動作しているか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ306へ移行し、肯定された場合にはステップ308へ移行する。
ステップ306では、シートベルトアクチュエータ28が動作開始されることによって、シートベルト調整が開始されてステップ300に戻る。すなわち、シートベルト32に張力が付与される。
また、ステップ308では、予め定めたベルト停止時間(ベルト調整開始してから所望の張力になる時間)になったか否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ310へ移行し、肯定された場合にはステップ312へ移行する。
ステップ310では、衝突したか否か判定される。該判定は、衝突予測時間になったか否かを判定したり、図示しないバンパセンサや加速度センサ等の衝突センサによって衝突を検出したか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ312へ移行し、否定された場合にはステップ300に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ312では、シートベルトアクチュエータ28の動作が停止されて、ベルト調整が停止されて一連の処理を終了する。
一方、ステップ302の判定が否定されてステップ314へ移行すると、ベルト調整中か否か判定される。すなわち、既にシートベルトアクチュエータ28が動作しているか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ316へ移行し、否定された場合にはステップ300に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ316では、シートベルトアクチュエータ28の動作によってシートベルト調整が行われているので、リセットしてシートベルトアクチュエータ28の動作を停止してステップ300へ戻って上述の処理が繰り返される。
すなわち、本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置10は、図7(A)、(B)に示すように、衝突予測時間がt1になったところで、シート34の調整を開始し、衝突予測時間がt2になったところでシートベルト32の調整を開始する。また、衝突予測時間がt2またはシートベルトアクチュエータ28が動作してシートベルト32の張力が予め定めた張力が付与され始める時間t3になったところでシート34の調整を停止する。これによって、シート34の調整とシートベルト32の調整が故障するまで同時に行われ続けることがなくなり、シート34の調整を行うためのシートアクチュエータ26の負荷が増えて故障したり、乗員へ過剰な負荷を与えることを防止することができる。
また、本実施形態では、衝突予測された場合には、乗員の操作によるシート調整よりも速い速度でシート調整を行うので、図7(C)に示すように、シート調整が終了せずにシートベルト調整が開始されて、故障するまで双方の調整が同時に行われ続けたり、乗員へ過剰な負荷を与えることを防止することができる。
なお、シート34の調整量によっては、適正状態への調整が直ぐに完了するため、シート調整開始後にシートベルト32の調整を行うだけで、シート調整の停止判定処理(ステップ212)を省略するようにしても上記実施形態と同様に、シート34の調整とシートベルト32の調整が同時に行われ続けて、故障したり乗員へ過剰な負荷を与えることを防止することが可能である。
さらに、シート34を適正状態に調整してからシートベルト32の調整を行うことで、シートベルト32の張力を適正な乗車姿勢で乗員に付与することができるので、シートベルト32による乗員保護を適正に行うことができる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11の構成を示すブロック図である。
第1実施形態では、衝突を予測して衝突までの時間に応じてシート調整とシートベルト調整を行うようにしたが、本実施形態では、車両の不安定度に応じてシート調整とシートベルト調整を行うものである。具体的には、VSC(Vehicle Stability Control)システムを利用して、車両の走行状態を判断して、判断結果に応じてシート調整とシートベルト調整を行うようにしたものである。さらに詳細には、車両の状態(不安定度)が第1の値(例えば、スリップ状態などのVSCシステムによる制御を開始する条件)の場合にシート調整を開始し、車両の状態が第2の値(例えば、ドリフト状態やスピン状態を表す値等)の場合にシートベルト調整を開始するようにしたものである。
本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11は、図8に示すように、車速センサ36、加速度センサ38、舵角センサ40、ヨーレートセンサ42、及びVSC制御ECU44を備え、それぞれが車両状態検出バス45に接続されている。車両状態検出バス45に接続された各センサの検出結果をVSC制御ECU44に出力する。
車速センサ36は、車両の走行速度を検出し、加速度センサ38は、車両に加わる各方向の加速度を検出し、舵角センサ40は、ステアリングの操舵角度を検出し、ヨーレートセンサ42は、車両に発生するヨーレートを検出する。
また、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11は、シートの状態を調整するシート制御ECU46、シートベルトの張力を調整するシートベルト制御ECU48、エンジンを制御するエンジンECU50、及びABS(Anti-lock Brake System)を制御するABS制御ECU52を更に備え、それぞれが車両システムバス58に接続されていると共に、車両システムバス58には、VSC制御ECU44が接続されている。
エンジンECU50は、エンジン制御のために設けられた各センサ(例えば、吸気温センサ、スロットルポジションセンサ、バキュームセンサ、水温センサ等)の検出値に応じてエンジンの動作を制御し、ABS制御ECU52は、ブレーキの動作を制御する。
すなわち、VSC制御ECU44によって車両の不安定度を判断して、判断結果に応じてエンジンECU50やABS制御ECU52等を制御することで車両姿勢を適正な姿勢になるように制御する。なお、VSC制御については、既知の各種技術を適用することが可能であるため詳細な説明を省略する。また、本実施形態では、エンジンとブレーキを制御対象として車両姿勢をコントロールするものを適用するが、これに限るものではなく、各種技術を適用することができる。
シート制御ECU46は、シートの各状態を調整するためのシートアクチュエータ26が接続されており、VSC制御ECU44によって判断された車両の不安定度に応じて、シートアクチュエータ26の動作を制御して、シートリクライニングやシートスライドを調整して予め定めた適正状態(適正範囲)に調整する。例えば、第1実施形態と同様に、図3に示すように、予め定めたニュートラル位置になるようにシートバックの角度、すなわちリクライニングを調整する。
また、シート制御ECU46は、図示しないスイッチ等によってシートの状態変更が指示された場合にスイッチの操作状態に応じて、シートアクチュエータ26を動作して、シートスライドやリクライニング等のシートの状態を変更する。なお、シート制御ECU46は、スイッチの指示によってシートアクチュエータ26を駆動する場合と、車両の不安定度に応じてシートアクチュエータを駆動する場合とで異なる速度でシートアクチュエータ26を駆動するようになっており、車両の不安定度に応じてシートアクチュエータ26を駆動する場合には、適正な状態にシートを早急に調整するために、スイッチ操作でシートアクチュエータ26を駆動する場合に比べて速い速度でシートの状態を調整するようにシートアクチュエータ26を駆動するようになっている。
シートベルト制御ECU48は、シートベルト32の巻取動作を行うためのシートベルトアクチュエータ28が接続されており、VSC制御ECU44によって車両の不安定度が所定の値になった場合に、シートベルトアクチュエータ28の動作を制御して、シートベルト32の張力を調整する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、シートの調整とシートベルトの調整を同時に行うと、シートの調整を行うためのシートアクチュエータ26の負荷が増えたり、乗員への負荷が増えてしまう。そこで、本実施形態では、車両の不安定度を判断して、不安定度が第1の値となったところでシート制御ECU46によってシートアクチュエータ26の動作を開始し、車両の不安定度が第2の値(第1の値よりも車両の不安定度が大きい値)となったところでシートベルト制御ECU48によってシートベルトアクチュエータ28の動作を開始する。また、車両の不安定度が第2の値またはシートベルトアクチュエータ28が作動してシートベルト32に予め定めた張力が付与され始める時間t3になったところでシート制御ECU46がシートアクチュエータ26の動作を停止するようにしている。
続いて、上述のように構成された本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11の各ECUの処理について詳細に説明する。
まず、VSC制御ECU44で行われる処理について説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11のVSC制御ECU44で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図9の処理は、イグニッションスイッチがオンされた場合に開始し、イグニッションスイッチがオフされた場合に終了するものとして説明する。
ステップ400では、各センサ(車速センサ36、加速度センサ38、舵角センサ40、ヨーレートセンサ42等)の検出値が入力されてステップ402へ移行する。
ステップ402では、各センサの検出値に基づいて車両状態が判断されてステップ404へ移行する。車両状態の判断としては、各種既知の技術を適用することができ、例えば、スリップ状態、ドリフト状態、スピン状態等の車両の状態(不安定度)を判断する。
ステップ404では、判断された車両の状態が不安定状態か否か判定され、該判定が肯定された場合にはステップ406へ移行し、否定された場合にはステップ400に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ406では、車両安定制御が行われてステップ400に戻って上述の処理が繰り返される。すなわち、エンジンECU50やABS制御ECU52等を制御して、車両姿勢が安定するように制御が行われる。
次に、シート制御ECU46で行われる処理について説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11のシート制御ECU46で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、イグニッションスイッチがオンされた場合に開始し、イグニッションスイッチがオフされた場合に終了するものとして説明する。
ステップ500では、VSC制御ECU44によって判断された車両状態が入力されてステップ502へ移行する。
ステップ502では、車両の不安定度が第1の値以上か否か判定される。該判定は、例えば、第1の値としてスリップ状態やドリフト状態か否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ504へ移行し、否定された場合にはステップ516へ移行する。
ステップ504では、シート調整中か否か判定される。該判定は、既に車両の不安定度が第1の値以上となってシートアクチュエータ26が動作しているか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ506へ移行し、肯定された場合にはステップ508へ移行する。
ステップ506では、シートアクチュエータ26が動作開始されることによって、シート調整が開始されてステップ500へ戻る。すなわち、予め定めた角度(角度範囲)にシートバックの角度が調整される。
また、ステップ508では、目標角度、すなわち予め定めたシートバックの角度か否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ510へ移行し、肯定された場合にはステップ514へ移行する。なお、目標角度か否かの判定は、シートアクチュエータ26の駆動量から判定してもよいし、リクライニング角度を検出センサを設けて、センサの検出値によって検出するようにしてもよいし、予め定めた適正角度にリミットスイッチを設けてスイッチがオンされたか否かを判定するようにしてもよい。
ステップ510では、シート調整が所定時間経過したか否か判定される。該判定は、車両が不安定となって衝突した後にシート調整が継続されていることを防止するための所定時間が設定され、該所定時間が経過したか否かが判定される。該判定が肯定された場合にはステップ514へ移行し、否定された場合にはステップ512へ移行する。
ステップ512では、車両の不安定度が第2の値以上になったか否か判定される。該判定は、例えば、第2の値としてスリップ状態やドリフト状態がスピン状態へ移行したか否か等を判定し、該判定が肯定された場合にはステップ514へ移行し、否定された場合にはステップ500に戻って上述の処理が繰り返される。なお、ステップ512は、シートベルトアクチュエータ28が動作してシートベルト32の張力が予め定めた張力が付与され始める時間t3になったか否かを判定するようにしてもよい。
ステップ514では、シート調整が停止されてステップ500に戻って上述の処理が繰り返される。
一方、ステップ502の判定が否定されてステップ516へ移行すると、シート調整中か否か判定される。すなわち、既に車両の不安定度が第1の値以上となってシートアクチュエータ26が動作しているか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ518へ移行し、否定された場合にはステップ500に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ518では、シートアクチュエータ26の動作によってシート調整が行われているので、リセットしてシートアクチュエータ26の動作を停止してステップ500へ戻って上述の処理が繰り返される。なお、リセットとしては、シートアクチュエータ26の動作前の状態に戻すようにシートアクチュエータ26を動作するようにしてもよい。
続いて、シートベルト制御ECU48で行われる処理の流れについて説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11のシートベルト制御ECU48で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図11の処理は、イグニッションスイッチがオンされた場合に開始するものとして説明する。
ステップ600では、VSC制御ECU44によって判断された車両状態が入力されてステップ602へ移行する。
ステップ602では、車両の不安定度が第2の値以上になったか否か判定される。該判定は、例えば、スリップ状態やドリフト状態がスピン状態へ移行したか否か等を判定し、該判定が肯定された場合にはステップ604へ移行し、否定された場合にはステップ614へ移行する。
ステップ604では、シートベルト調整中か否か判定される。該判定は、既に車両の不安定度が第2の値以上となってシートベルトアクチュエータ28が動作しているか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ606へ移行し、肯定された場合にはステップ608へ移行する。
ステップ606では、シートベルトアクチュエータ28が動作開始されることによって、シートベルト調整が開始されてステップ600に戻る。すなわち、シートベルト32に張力が付与される。
また、ステップ608では、予め定めたベルト停止時間(ベルト調整開始してから所望の張力になる時間)になったか否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ610へ移行し、肯定された場合にはステップ612へ移行する。
ステップ610では、衝突したか否か判定される。該判定は、車速センサ36や加速度センサ38の値等から衝突したか否かを判定したり、図示しないバンパセンサによって衝突を検出したか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ612へ移行し、否定された場合にはステップ600に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ612では、シートベルトアクチュエータ28の動作が停止されて、ベルト調整が停止されて一連の処理を終了する。
一方、ステップ602の判定が否定されてステップ614へ移行すると、ベルト調整中か否か判定される。すなわち、既にシートベルトアクチュエータ28が動作しているか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ616へ移行し、否定された場合にはステップ600に戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ616では、シートベルトアクチュエータ28の動作によってシートベルト調整が行われているので、リセットしてシートベルトアクチュエータ28の動作を停止してステップ600へ戻って上述の処理が繰り返される。
すなわち、本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置11は、車両の不安定度が第1の値以上になったところで、シートの調整を開始し、車両の不安定度が第2の値以上になったところでシートベルトの調整を開始する。また、車両の不安定度が第2の値またはシートベルトアクチュエータ28が動作してシートベルト32の張力が予め定めた張力が付与され始める時間t3になったところでシートの調整を停止する。これによって、シートの調整とシートベルトの調整が故障するまで同時に行われ続けることがなくなり、第1実施形態と同様に、シートの調整を行うためのシートアクチュエータ26の負荷が増えて故障したり、乗員へ過剰な負荷を与えることを防止することができる。
また、本実施形態においても、車両が不安定な状態が検出された場合には、乗員の操作によるシート調整よりも速い速度でシート調整を行うので、図7(C)に示すように、シート調整が終了せずにシートベルト調整が開始されて故障するまで双方の調整が同時に行われ続けたり、乗員へ過剰な負荷を与えることを防止することができる。
なお、シートの調整量によっては、適正状態への調整が直ぐに完了するため、シート調整開始後にシートベルトの調整を行うだけで、シート調整の停止判定処理(ステップ512)を省略するようにしても上記実施形態と同様に、シートの調整とシートベルトの調整が同時に行われ続けて故障したり、乗員へ過剰な負荷を与えることを防止することができる。
さらに、本実施形態においても、シートを適正状態に調整してからシートベルトの調整を行うので、シートベルトの張力を適正な乗車姿勢で乗員に付与することができるので、シートベルトによる乗員保護を適正に行うことができる。
なお、上記の各実施形態では、複数のECUで各フローチャートの処理を行う構成として説明したが、これに限るものではなく、単一のECUで各フローチャートの処理を行う構成としてもよい。
また、上記の各実施形態では、図1に示したように前側のシート34やシートベルト32を調整する場合について説明したが、これに限るものではなく、各位置のシートやシートベルトを調整する場合に適用するようにしてもよい。
また、上記の第1実施形態では、前方ミリ波レーダー12、前側方ミリ波レーダー14、ステレオカメラ16の検出結果等を用いて衝突を予測するようにしたが、これに限るものではなく、既知の衝突予測の技術を適用することができる。例えば、レーザーレーダや赤外線カメラ等の検出結果を用いて衝突を予測する技術を適用するようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態では、VSCシステムを用いて車両の不安定度を求めるようにしたが、これに限るものではなく、例えば、ABSの動作状態等から車両の不安定度を求めるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置の車両配置位置を示す図である。 本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置の構成を示すブロック図である。 シートの適正状態の一例を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置の衝突判断ECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置のシート制御ECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置のシートベルト制御ECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 (A)は本発明の第1実施形態に係わる乗員保護装置のシート調整とシートベルト調整の開始タイミングを説明するための図であり、(B)はシート停止タイミングを変更した場合を示す図であり、(C)はシート調整が終了せずにシートベルト調整が開始されて同時に調整が行われる場合を示す図である。 本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置のVSC制御ECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置のシート制御ECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係わる乗員保護装置のシートベルト制御ECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10、11 乗員保護装置
12 前方ミリ波レーダー
14 前側方ミリ波レーダー
16 ステレオカメラ
18 衝突判断ECU
20 周辺監視系バス
22、46 シート制御ECU
24、48 シートベルト制御ECU
26 シートアクチュエータ
28 シートベルトアクチュエータ
30、58 車両システムバス
32 シートベルト
34 シート

Claims (6)

  1. シートの状態を適正状態に調整するシート調整手段と、
    シートベルトの張力を調整するベルト調整手段と、
    シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があるか否か判断する判断手段と、
    前記判断手段によってシートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断された場合に、前記シート調整手段による調整を停止してから、前記ベルト調整手段による調整を開始するように、または前記シート調整手段による調整を開始してから前記ベルト調整手段による調整を開始して前記ベルト調整手段の調整によってシートベルトに所定の張力が付与され始める時間になったところで前記シート調整手段による調整を停止するように、前記シート調整手段及び前記ベルト調整手段を制御する制御手段と、
    を備えた乗員保護装置。
  2. 前記判断手段は、衝突を予測する予測手段によって衝突が予測された場合に、シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断し、
    前記制御手段は、前記判断手段によってシートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断された場合に、衝突予測までの時間が第1の時間になったところで前記シート調整手段による調整を開始し、衝突予測までの時間が第1の時間より短い第2の時間になったところで前記ベルト調整手段による調整を開始することを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記判断手段は、走行状態から判断される車両姿勢の乱れ度合いを表す車両の不安定度を検出する検出手段によって所定の不安定度が検出された場合に、シートの状態及びシートベルトの張力を調整する必要があると判断し、
    前記制御手段は、前記検出手段によって検出された前記車両の不安定度が第1の値となった場合に、前記シート調整手段による調整を開始し、前記検出手段によって検出された前記車両の不安定度が前記第1の値より大きい第2の値になった場合に、前記ベルト調整手段による調整を開始することを特徴とする請求項に記載の乗員保護装置。
  4. 前記制御手段は、前記シート調整手段による調整を停止するように制御する前に、シートの状態が予め定めた適正状態になった場合に、前記シート調整手段による調整を停止することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の乗員保護装置。
  5. 前記制御手段は、前記シート調整手段による調整を開始後、所定時間経過後に前記シート調整手段による調整を停止することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の乗員保護装置。
  6. 前記シート調整手段は、乗員の操作によってシートの状態を調整する際の速度よりも速い速度でシートを前記適正状態に調整することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の乗員保護装置。
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