JP4289528B2 - 耐摩擦性を有する化粧材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅内装や家具等の表面装飾用の化粧紙等として用いられる化粧材に関する。特に、家具の水平面等に使用できる耐摩耗性等の耐久物性を有する化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば建築物内装、建具等の用途に使用する化粧材のうち、トップコート層とする最表面の透明樹脂層には、ウレタン樹脂等からなる熱硬化性の2液硬化型樹脂や、或いは紫外線や電子線等の電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が、耐摩耗性、耐汚染性表面の耐久物性の点から使用されている。そして、2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂に比べて電離放射線硬化性樹脂ではより優れた表面物性を透明樹脂層に付与できるが、この様な場合でも、特に耐摩耗性や表面硬度をより向上させる為には、該透明樹脂層中にフィラーを添加する事が多い。
例えば、特許第2740943号公報(特開平8−183147号公報)では、基体上に絵柄層を形成した後、その上の最表面層として架橋性樹脂(電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等)にフィラーを含有させた耐摩耗性樹脂層を設けた構成の化粧材を開示している。
また、特開平10−119226号公報では、基体上に絵柄層を形成し、該絵柄層上に、中間層用熱乾燥型電離放射線硬化性樹脂層を形成した上で、最表面層としてトップコート層用電離放射線硬化性樹脂層を形成するが、フィラーは前記の中間層用熱乾燥型電離放射線硬化性樹脂層に含有させた構成の化粧材を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許第2740943号公報の様に、最表面層となる層にフィラーを含有させた場合、水平面に使用できる十分な耐摩耗性等の物性は付与できるが、その反面、フィラーによって表面の艶が低下すると共に、表面にフィラーが頭出しし、表面ざらつき感が生じ、実際にこれを例えば内装用途(水平面)に使用すると、接触したものを損傷させたり、摩耗させたりする問題があった。
一方、前記特開平10−119226号公報の様に、フィラーを最表面層には含有させずに、内部の層(中間層用熱乾燥型電離放射線硬化性樹脂層)に含有させて、その上にトップコート層を設けた場合では、表面が平滑であり、意匠感・表面質感に乏しいものしか得られなかった。
【0004】
そこで、本発明の課題は、耐摩耗性に優れると共に表面のざらつき感も無く、且つ意匠性にも優れた化粧材を提供する事である。また、製造時の加熱も比較的低温(例えば150℃程度)で良く、薄紙や樹脂シート等で高熱で変形し易い様な基体でも可能な化粧材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の耐摩耗性を有する化粧材では、基体上に内部絵柄層を形成し、該内部絵柄層上にフィラーを含有しリコート性を有するリコート性電離放射線硬化性樹脂層を形成し、該リコート性電離放射線硬化性樹脂層上に撥液性インキで前記内部絵柄層の絵柄に同調する様に部分的に撥液性インキ層を形成し、該撥液性インキ層上の全面に硬化性樹脂塗液を塗布して撥液性インキ層部分ではじかせる事で表面に凹凸状に透明樹脂層を形成してなる構成とした。
【0006】
この様に、先ず、フィラーは内部の層の電離放射線硬化性樹脂層に含有させて、且つ該樹脂層をリコート性のリコート性電離放射線硬化性樹脂層として、この上に透明樹脂層を塗布形成してあるので、特に耐摩耗性に優れる上、フィラー添加による表面のざらつき感も発生しない。したがって、内装用途(水平面)等で表面に接触したものを損傷・摩耗させたりする問題を起こさずに、優れた耐摩耗性が得られる。しかも、最表面層としての透明樹脂層は、内部絵柄層に同調させた撥液性インキ層の撥液作用によって(内部絵柄層に同調した)、表面が凹凸状になっているので、意匠感・表面質感も豊かなものとなる。
【0007】
また、本発明の耐摩耗性を有する化粧材は、撥液性インキが、メラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂をバインダーの樹脂として撥液剤を含有する構成とした。この様な内容の撥液性インキを使用する事で、製造時に撥液性インキの硬化の為の加熱に例えば180℃等の高温を必要とせず、比較的低温(例えば150℃程度)での加熱硬化でも可能となり、従来は熱に弱くて使用できなかった薄紙や樹脂フィルム等で高熱で変形し易い様な基体でも使用できる様になる。
【0008】
また、本発明の耐摩耗性を有する化粧材は、上記構成の化粧材に於いて、透明樹脂層を形成する硬化性樹脂塗液が熱硬化性樹脂からなる構成とした。この様に、透明樹脂層に熱硬化性樹脂を使用する事により、安価且つ平易に優れた耐摩耗性が得られる。
【0009】
また、本発明の耐摩耗性を有する化粧材は、前記構成の化粧材に於いて、透明樹脂層を形成する硬化性樹脂塗液が電離放射線硬化性樹脂からなる構成とした。この様に、透明樹脂層に電離放射線硬化性樹脂を使用する事により、極めて優れた耐摩耗性が得られる。
また、本発明の耐摩耗性を有する化粧材の製造方法は、基体上に内部絵柄層を形成し、該内部絵柄層上にフィラーを含有しリコート性を有するリコート性電離放射線硬化性樹脂層を形成し、該リコート性電離放射線硬化性樹脂層を架橋硬化後、該リコート性電離放射線硬化性樹脂層上にメラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂がバインダーの樹脂で撥液剤を含有する撥液性インキで前記内部絵柄層の絵柄に同調する様に部分的に撥液性インキ層を形成し、該撥液性インキ層上の全面に硬化性樹脂塗液を塗布して撥液性インキ層部分ではじかせる事で表面に凹凸状に透明樹脂層を形成するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の耐摩耗性を有する化粧材について、実施の形態を説明する。
【0011】
先ず、図1は、本発明の耐摩耗性を有する化粧材Dの一形態を示す断面図であり、化粧材Dは、基体1上に、内部絵柄層2として全ベタ層2A及び全ベタ層2A上の柄パターン層2Bとが形成された上に、フィラーFを含有するリコート性電離放射線硬化性樹脂層3が形成され、更にリコート性電離放射線硬化性樹脂層3の上に、撥液性インキで内部絵柄層3の絵柄に同調する様に部分的に撥液性インキ層4を形成し、この撥液性インキ層4上の全面に硬化性樹脂塗液を塗布して撥液性インキ層部分ではじかせる事で表面に凹凸状に透明樹脂層5を形成した構成である。
【0012】
なお、透明樹脂層4に用いる硬化性樹脂としては、熱可塑性樹脂でも良いが、好ましくは硬化性樹脂、例えば熱硬化性樹脂、より好ましくは電離放射線硬化性樹脂を用いるのが、耐摩耗性の他、耐汚染性の点でも良い。
また、撥液性インキには、メラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂をバインダーの樹脂とし撥液剤を含有する撥液性インキを用いると、撥液性インキの加熱硬化を低温(例えば150℃程度)で出来、基体として薄紙や樹脂フィルム等の高熱に弱い基体も使用できる点で好ましい。
【0013】
以下、更に各層について詳述する。
【0014】
〔基体〕
基体1としては、形状、材質、その他特性等は特に制限は無い。例えば形状は、シートの他、板、立体物などでも良い。また、材質は、紙系、木質系、金属系、無機非金属系(セラミック系、非セラミックス窯業系等)、樹脂系等である。また、インキ浸透性のあるもの(紙、不織布等)、インキ浸透性の無いもの(樹脂シート等)、いずれでも良い。
中でも紙系、或いは樹脂系のシート(フィルム)は代表的であり、これらを基体として用いれば、本発明の化粧材は化粧シートとなり得る。特に、本発明に於いて撥液性インキに、前記アミノアルキド樹脂等からなる特定のインキを用いる形態では、製造時に撥液性インキの加熱硬化に例えば180℃等の高温加熱が不要で、比較的低温(例えば150℃程度)で良く、従来は熱に弱くて使用できなかった薄紙等の紙系や樹脂系(シート)の基体でも使用でき、これら基体は好適な基体である。
【0015】
紙系では、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等の紙である。また、紙は、紙の繊維間乃至は他層と紙との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止の為、紙に、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでも良い。
【0016】
また、紙系以外の繊維質基体としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、硝子等の繊維からなる不織布等も用いられる。不織布は前記紙系の場合と同様に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでも良い。
【0017】
樹脂系では、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等の樹脂等の樹脂材料がある。これら樹脂は、シート、板、立体物として使用される。
また、樹脂系では、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂板、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、その他各種繊維質基体に含浸硬化させて複合化した所謂FRP(繊維強化プラスチック)板、等の樹脂板も有る。
【0018】
また、木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等の木質材料がある。木質系はシート、板、立体物として使用される。
また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料がある。金属系はシート(箔)、板、立体物として使用される。
また、無機非金属系では、例えば、押し出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非セラミックス窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス系材料等がある。無機非金属系は主として板や立体物として使用される。
【0019】
或いは、上記各種材料の2種以上を接着剤、熱融着等の公知の手段により積層して複合化した基体等も挙げられる。例えば、樹脂含浸紙やFRP等はその一例でもある。
【0020】
また、その他特性は、例えばイキン浸透性の有無等である。例えば、インキ浸透性の無い基体は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン系樹脂等による樹脂シート等であり、インキ浸透性の有る基体は、例えば印刷用純白紙、紙間強化紙、硬化性樹脂を含浸させた含浸紙等の紙類、織布、不織布等のその他の繊維質基体である。
【0021】
基体の厚みは、形状、材質、用途等にもよるが、例えば紙系の様な繊維質基体を使用する場合は、坪量で50〜150g/m2 程度で、厚みが50〜300μm程度が望ましい。
【0022】
〔内部絵柄層〕
内部絵柄層2は、目的とする意匠表現や要求物性等に応じて、化粧材に於ける従来公知の形成方法・材料で形成すれば良く、特に限定は無い。なお、内部絵柄層の「内部」とは、基体に対して表面側に導管溝柄等として形成される撥液性インキ層に対して内側である事を明示的に示す為の表現である。
【0023】
内部絵柄層2は、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、電子写真複写、手描(例えば筆描等)等の従来公知の印刷等による形成方法及び材料で形成すれば良い。内部絵柄層が表す絵柄は任意であり、用途に合わせて、例えば木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等である。なお、全面ベタの全ベタ層はグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法によって塗料で形成する事もできる。
なお、内部絵柄層としては、全面に形成される全ベタ層2Aと、所望のパターン形状を表現する為に部分的に形成される柄パターン層2Bとがある。全ベタ層2Aと柄パターン層2Bとは各々単独で使用される事もあるが、通常は、下地としての全ベタ層2Aとその上に形成した柄パターン層2Bとの組合せが多い(図1参照)。
【0024】
内部絵柄層用のインキ(又は塗料)は、一般的なインキ(又は塗料)同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダーの樹脂には、例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂等といった汎用の樹脂を選択出来、単体又はこれらを含む混合物として使用する。但し、リコート性電離放射線硬化性樹脂層との密着性の点で、バインダーの樹脂としては、ニトロセルロース系やアクリル樹脂系は望ましい樹脂である。
【0025】
また、着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を使用すれば良い。
【0026】
〔リコート性電離放射線硬化性樹脂層〕
リコート性電離放射線硬化性樹脂層3は、層中にフィラーを含有し、且つリコート性(後塗装適性)を有する電離放射線硬化性樹脂からなる層である。また、本発明ではこのリコート性電離放射線硬化性樹脂層は、該層上に他の層を形成する前に完全硬化させた後でも密着良く積層できる。したがって、リコート性電離放射線硬化性樹脂層を未硬化又は半硬化等の完全硬化前の状態を維持して、該層上に撥液性インキ層や透明樹脂層を、印刷・塗工等で形成しなくても密着良く積層できる。
これに対して、撥液性インキ層や透明樹脂層等を、リコート性電離放射線硬化性樹脂を完全硬化前の状態としてその上に形成し、この後で、リコート性電離放射線硬化性樹脂層を完全硬化させる場合には、撥液性インキ層や透明樹脂層形成時には、リコート性電離放射線硬化性樹脂層は非粘着状態としなければ、印刷機や塗工機で撥液性インキ層や透明樹脂層を形成する事ができない。
ところが、リコート性電離放射線硬化性樹脂層が完全硬化後でも撥液性インキ層や透明樹脂層を密着良く形成できる場合には、リコート性電離放射線硬化性樹脂層は完全硬化前の状態では粘着状態でも液状状態でも良く、要求物性等に応じて電離放射線硬化性樹脂をその分自由に選択できる利点がある。
【0027】
なお、本発明で言う「リコート性」とは、この(リコート性)電離放射線硬化性樹脂層上に、塗膜として、ウレタン系樹脂、電離放射線硬化性樹脂、メラミンアルキド樹脂、その他樹脂等からなる、撥液性インキ層や透明樹脂層を、インキや塗液によって積層した際に、実使用上十分な密着性が保持されることを意味する。具体的には例えば、JIS K 5400 で規定する付着性試験(リコート後の塗膜表面のシリコーンや汚れを消しゴムで除去した後、カッターナイフで少なくともリコート性電離放射線硬化性樹脂層にまで達する切り込みを入れ、表面に貼り付けたセロハン粘着テープを剥がして塗膜の剥離状況で評価する方法等)で、リコート性電離放射線硬化性樹脂層と、その上に形成された撥液性インキ層や透明樹脂層との層間で、これら層同士が剥離しない密着強度を有する事である。
なお、内部絵柄層に同調してパターン状に形成する撥液性インキ層はインキを用いた印刷で積層し、一旦は全面に塗布する透明樹脂層は通常は塗工で形成する。そこで、「リコート」、すなわち、再塗工(或いは再塗装)は、塗工法のみならず印刷等の他の手法による積層に対する意味も包含する。
【0028】
この様なリコート性電離放射線硬化性樹脂層に用いる電離放射線硬化性樹脂としては、分子中にアクリロイル基等のラジカル重合性不飽和結合、又はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーからなる組成物で、紫外線や電子線等の電離放射線により硬化可能なものが用いられる。また、プレポリマー、モノマーは単体又は複数種を混合して用いる。なお、ここで電離放射線とは、分子を重合或いは架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる。
【0029】
通常、プレポリマーには、不飽和ポリエステル類、ポリアクリレート類、カチオン重合型エポキシ類等が使用され、モノマーには、スチレン系、アクリル酸エステル系、不飽和カルボン酸アミド等が使用される
【0030】
例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用できる。なお、(メタ)アクリレートとはメタクリレート又はアクリレートの意味である。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
【0031】
また、分子中にラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モノマーでは、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマーでは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0032】
なお、リコート性を電離放射線硬化性樹脂からなる層に付与してリコート性電離放射線硬化性樹脂層とする為には、電離放射線硬化性樹脂硬化物の平均架橋間分子量が200〜1000程度になる様に設計する事が好ましい。平均架橋間分子量を制御する手段として、平均架橋間分子量を上げる場合は、添加モノマー濃度を減らす、プレポリマーやアクリレートモノマーの官能基数を減らすといった手段がある。一方、平均架橋間分子量を下げる場合は、逆にモノマー濃度を増やしたり、3官能以上のアクリレートモノマーを添加してやれば良い。なお、平均架橋間分子量とは、平均架橋間分子量=全体の分子量/架橋点の数であり、全体の分子量はΣ(各成分の配合モル数×各成分の分子量)であり、架橋点の数はΣ〔{(各成分の官能基数−1)×2}×各成分のモル数〕である。
【0033】
なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0034】
なお、電離放射線の線源としては、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト型蛍光灯、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主として用いられる。
また、電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。電子線の照射量は、通常2〜15Mrad程度である。
【0035】
リコート性電離放射線硬化性樹脂層中にフィラーFを含有させる事によって、耐摩耗性が向上する。この様なフィラーとしては、例えば、α−アルミナ、シリカ、炭化ケイ素等の無機粒子、架橋アクリル樹脂ビーズ等の有機粒子等を上記した電離放射線硬化性樹脂からなる組成物に添加して使用する。フィラーの粒子形状、粒径は任意であるが、リコート性電離放射線硬化性樹脂層を形成する為の塗液の塗工装置の摩耗の問題から球状が望ましい。またフィラーの粒径は平均粒径で通常はリコート性電離放射線硬化性樹脂層の厚みの0.3〜2倍程度とするのが良い。0.3未満では十分な耐摩耗性を得にくく、2を超えるとリコート性電離放射線硬化性樹脂層の表面にフィラーがはみ出して脱落する恐れが出る。くわえて、表面凹凸の為に撥液性インキ層や透明樹脂層の印刷適性・塗工適性が悪くなる。
なお、フィラーの含有量は、リコート性電離放射線硬化性樹脂層を透して下の内部絵柄層が見える程度以上の透明性が損なわれない範囲内で、要求物性等により適宜量とすれば良い。
【0036】
そして、上記の様な組成物からる電離放射線硬化性樹脂は、通常は常温(室温乃至は適宜加熱した塗工温度において)にて液状の塗液として、ロールコート、フローコート等の従来公知の塗工法で塗工する。
なお、リコート性電離放射線硬化性樹脂層の厚さは、要求される耐摩耗性の程度等の要求物性に応じて適宜厚さとすれば良く特に制限は無いが、例えば10〜50μm程度とする。
【0037】
〔撥液性インキ層〕
撥液性インキ層4は、撥液性インキでパターン状に部分的に、印刷や塗工等の公知の手法で、リコート性電離放射線硬化性樹脂層上に形成すれば良い。この際、印刷法等で、内部絵柄層の絵柄に同調する様に部分的に撥液性インキ層を形成すれば、より高意匠の化粧材が得られる点で好ましい。例えば、内部絵柄層は木目柄として、この木目柄に同調した柄として、この撥液性インキ層で木目導管溝柄を形成する等である。
なお、図1は概念図であり、(部分形成されている)全ての撥液性インキ層4は内部絵柄層2の構成要素となる柄パターン層2Bの上に大体位置する様に描いてある。しかし、例えば柄パターン層2Bb上には撥液性インキ層4を描いて無い様に、全ての柄パターン層2B上に必ず撥液性インキ層4があるとは限らない事は、もちろん、従来公知の絵柄同調の場合と同様である。
【0038】
すなわち、撥液性インキ層4は、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、電子写真複写、手描(例えば筆描等)等の従来公知の印刷等による形成方法及び材料で形成すれば良い。撥液性インキ層が表す絵柄は任意であり、用途に合わせて、例えば木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様等である。なお、スプレー塗装等の塗工法によっても部分的に形成できるので、塗工法で形成しても良い。塗工の場合は塗液を用いるが、本発明ではこの場合も含めて、撥液性「インキ」層、撥液性「インキ」と呼ぶ事にする。
【0039】
撥液性インキ層を形成する為の撥液性インキは、バインダー等からなるビヒクル、撥液剤、これに適宜加える、顔料や染料等の着色剤、その他添加剤からなる。バインダーの樹脂としては、基本的には特に限定されず、ウレタン樹脂、電離放射線硬化性樹脂等でも良いが、特に、メラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との(2元)混合樹脂は好ましい樹脂である。それは、従来公知の樹脂系である、尿素とメラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との3元混合樹脂が、硬化に170℃以上の加熱処理を必要としたのに対して、前記した2元混合樹脂は、150℃程度のより低温での加熱で硬化させる事ができるからである。この為、従来は熱に弱くて使用できなかった薄紙や樹脂フィルム等の基体を使用した化粧材とする事も可能となる。
【0040】
また、撥液性インキ層に撥液性を付与する為の撥液剤としては、汎用の撥液剤を使用すれば良い。例えば、非反応性シリコーンやポリエチレンワックス等の1種又は2種以上を撥液剤として使用する。なお、撥液剤は、インキに対して、通常1〜10重量部程度添加する。添加量がこれより少ないと撥液効果が不足し、例えば木目導管溝柄でその導管の細い部分等で透明樹脂層を完全にはじききらない。また、添加量がこれより多いと、リコート性電離放射線硬化性樹脂層との密着が悪くなる。
【0041】
なお、撥液性インキ層には、前記内部絵柄層の場合と同様に、着色剤を含有させても良い。それには、着色剤で着色した撥液性インキで形成すれば良い。着色剤には、前記内部絵柄層で列記した如き公知の着色剤が使用できる。例えば、木目導管溝柄を撥液性インキ層で表現する場合には、黒色等の暗色の撥液性インキ層とすると良い。
【0042】
〔透明樹脂層〕
透明樹脂層5は、撥液性インキ層4が形成された後のリコート性電離放射線硬化性樹脂層上に、化粧材の最表面層として位置して、化粧材表面性状を決める層である。最表面層としての透明樹脂層の存在によって、リコート性電離放射線硬化性樹脂層が該層中のフィラーの存在によって、たとえその表面が粗面化しても、化粧材表面としては表面ざらつき感を無くす事が可能となる。また、耐摩耗性向上目的で含有させるフィラーは下層のリコート性電離放射線硬化性樹脂層に含有させ、この透明樹脂層には含有させる必要が無いので、最表面層にフィラーを含有させた場合に起き得る表面ざらつき感、またそれによって起きる、化粧面が水平面用途で使用したときの接触物の損傷・摩耗、等の問題を防げる。しかも、最表面層としてのこの透明樹脂層によって、表面は単なる平滑面以外に粗面としたり艶調整も任意にできるので、意匠感・表面質感に富んだ化粧材に出来る事になる。
【0043】
この様な透明樹脂層5としては、汎用のオーバーコート剤が使用可能である。特に耐摩耗性の点で表面性能を向上する為には、オーバーコート剤は硬化性樹脂を用いたものが好ましい。該硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等で良い。
透明樹脂層(一般的にはトップコート層とも言う)の塗布形成は、ロールコート等の公知の塗工法、或いはグラビア印刷等の公知の印刷法で形成すれば良い。そして、撥液性インキ層が形成済みのリコート性電離放射線硬化性樹脂層上に、塗工や印刷等によって施されたオーバコート剤は、その固化前の流動状態に於いて、撥液性インキ層部分ではじかれて、撥液性インキ層部分が凹部となって、その後、乾燥、硬化等で固化する事で、凹凸状に透明樹脂層が形成される。
【0044】
上記熱硬化性樹脂としては、2液硬化型樹脂が使用できる。例えば、2液硬化型ウレタン樹脂等である。2液硬化型ウレタン樹脂としては、主剤にアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールを用い、架橋剤(硬化剤)に2,4−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートを用いた公知のウレタン樹脂から適宜選択すれば良い。
また、上記電離放射線硬化性樹脂としては、前述したリコート性電離放射線硬化性樹脂層で述べた如き電離放射線硬化性樹脂を使用できる。但し、透明樹脂層ではリコート性は不要な為、リコート性を配慮したフィラー添加及び樹脂選定は必要無い。
【0045】
なお、透明樹脂層中には、耐摩耗性向上目的のフィラーは必須では無いが、表面ざらつき感が出でない程度であれば、フィラーを含有させても良い。含有させるフィラーは前述リコート性電離放射線硬化性樹脂層で述べた如きフィラーである。
【0046】
また、透明樹脂層中には、その表面性状を所望のものとする為に、例えば艶調整の為に、フィラーを含有させても良い。例えば、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の公知の艶消し剤を使用すれば良い。艶調整によって、透明樹脂層は艶有りから艶消しまでの間の任意の艶感を表現でき、意匠感・表面質感に富んだ化粧材が得られる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の耐摩耗性を有する化粧材を実施例及び比較例により更に説明する。なお、以下において、「部」とあるのは全て質量(重量)基準である。
【0048】
〔実施例1〕
図1の如き層構成の化粧材Dを次の様にして作製した。シート状の基体1とする化粧原紙として、アクリル樹脂ラテックスを含浸した樹脂含浸紙の片面に、内部絵柄層2として、グラビア印刷法で厚み2μmの全ベタ層(着色ベタ層)2Aと木目柄の柄パターン層2Bとをこの順に形成した。なお、全ベタ層には、バインダーの樹脂がアクリル樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合物で着色剤が添加されたインキを使用した。また、柄パターン層には、バインダーの樹脂がニトロセルロース系樹脂とアルキド樹脂との混合物で着色剤が添加されたインキを使用した。次いで、下記の(電子線硬化型の)リコート性電離放射線硬化性樹脂塗料を用いて厚み25μmの塗膜を塗工形成した後、電子線照射装置を用いて電子線照射を行い塗膜を架橋硬化させて、フィラーFとしてアルミナを含有するリコート性電離放射線硬化性樹脂層3を形成した。
【0049】
リコート性電離放射線硬化性樹脂塗料
ウレタンアクリレート 30部
2官能アクリレート系オリゴマー 20部
3官能アクリレート系オリゴマー 10部
シリコーンアクリレート 3部
球状α−アルミナ(平均粒径25μm) 20部
【0050】
次いで、上記リコート性電離放射線硬化性樹脂層上に、前記内部絵柄層の柄と同調する様に、2液硬化型の撥液性インキ(バインダーの樹脂がメラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂で、撥液剤としてシリコーンオイルを含有し、有機酸触媒で硬化させるタイプ)で、木目導管溝柄をグラビア印刷して、150℃15秒にて加熱乾燥硬化させ、撥液性インキ層4を形成した。
【0051】
次に、下記の2液硬化型でウレタン系のトップコート剤をグラビア塗工法により全面に塗工して厚み3μmの透明樹脂層を形成した。次いで、60℃で3日間熱乾燥して透明樹脂層を完全硬化させて、化粧シートとなる図1の如き化粧材Dを得た。
【0052】
2液硬化型ウレタン系トップコート剤
ポリエステルポリオール 100部
変性ポリイソシアネート 15部
スリップ剤(シリコーンオイル) 5部
希釈溶剤(酢酸エチル+トルエン) 適当量
【0053】
〔実施例2〕
図1の如き構成の化粧材Dを次の様にして作製した。実施例1において、内部絵柄層を形成後、リコート性電離放射線硬化性樹脂層の形成に用いた塗料を下記の低艶の塗料(フィラーとして球状α−アルミナを含有し、低艶化の艶調整の為に不定形シリカ及び微粉末シリカを添加)に変更し、実施例1同様に硬化させた。
【0054】
低艶のリコート性電離放射線硬化性樹脂塗料
ウレタンアクリレート 30部
2官能アクリレート系オリゴマー 20部
3官能アクリレート系オリゴマー 10部
シリコーンアクリレート 3部
不定形シリカ(平均粒径1.8μm) 15部
微粉末シリカ(平均粒径0.1μm) 2部
球状α−アルミナ(平均粒径25μm) 20部
【0055】
次いで、実施例1同様に撥液性インキ層を形成後、下記のトップコート剤を塗布して電子線照射装置を用いて電子線照射を行い塗膜を架橋硬化させて、低艶の透明樹脂層を形成して、化粧材を得た。
【0056】
トップコート剤
アクリレートオリゴマー 50部
1,6−ヘキサンジオールアクリレート 40部
不定形シリカ(平均粒径1.8μm) 8部
微粉末シリカ(平均粒径0.1μm) 1部
両末端メタクリレート変成シリコーン 1部
【0057】
〔比較例1〕
図2の如き化粧材Dとして、実施例1に於いて、基体1上に内部絵柄層2を形成後、リコート性電離放射線硬化性樹脂層3及び撥液性インキ層4の形成を省略して、(撥液性インキ層が無い為にはじかれず表面が凹凸状で無く平坦な)厚み3μmの透明樹脂層51のみを実施例1同様に形成したものを化粧材Dとした。
【0058】
〔比較例2〕
図3の如き化粧材Dとして、実施例1に於いて、撥液性インキ層4及び透明樹脂層5の形成を省略して、リコート性電離放射線硬化性樹脂層3を最表面層とした他は、実施例1と同様にして化粧材Dとした。
【0059】
電離放射線硬化性樹脂塗料
ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート 50部
トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート 20部
球状α−アルミナ(平均粒径25μm) 20部
不定形シリカ(平均粒径1.8μm) 8部
微粉末シリカ(平均粒径0.1μm) 1部
両末端メタクリレート変性シリコーン 1部
【0060】
〔比較例3〕
図4の如き化粧材Dとして、実施例1に於いて、基体1上に内部絵柄層2を形成後、リコート性電離放射線硬化性樹脂層3に代わる層として、実施例1で用いたトップコート剤(フィラー未含有)を用いて、フィラーを含有しない厚さ3μmの電離放射線硬化性樹脂層31をグラビア印刷法で全面に形成した他は、実施例1同様にして、撥液性インキ層4及び透明樹脂層5を形成して化粧材Dを得た。
【0061】
〔比較例4〕
図5の如き化粧材Dとして、実施例1に於いて、撥液性インキ層4の形成を省略して、透明樹脂層を表面が凹凸状で無く平坦な透明樹脂層51として形成した他は、実施例1と同様にして化粧材Dを得た。
【0062】
〔性能評価〕
耐摩耗性と、表面ざらつき感として表面滑り性を、下記の様にして評価して、表1及び表2の結果を得た。
【0063】
▲1▼耐摩耗性:JIS K6902(熱硬化性樹脂化粧板試験方法)に準じた方法で試験評価した。
▲2▼表面滑り性:30kPaの荷重で綿布を押し当てた状態で、10cmの距離を10往復擦り付け、綿布の傷み具合を目視観察して評価した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
表1の如く、比較例(比較例1及び3)に比べて、実施例(実施例1及び2)の耐摩耗性が向上し、表面が削られた際にも、実施例では導管柄が簡単に消失せず意匠性が保持されることが確認された。
また、表2の如く、実施例(実施例1及び実施例2)では、比較例2に比べて、実使用上問題の無い耐摩耗性を有しながら、表面滑り性として滑らかな表面を持つ事が確認された。なお、比較例4も実施例2同様に耐摩耗性及び表面滑り性は良好だが、表面に導管による凹凸が無く平滑で、表面質感に乏しかった。
【0067】
【発明の効果】
▲1▼本発明の耐摩耗性を有する化粧材によれば、耐摩耗性を向上させる為のフィラーは内部の層の電離放射線硬化性樹脂層に含有させて、且つ該樹脂層をリコート性のリコート性電離放射線硬化性樹脂層として、この上に透明樹脂層を塗布形成してあるので、特に耐摩耗性に優れる上、フィラー添加による表面のざらつき感も発生しない。したがって、内装用途(水平面)等で表面に接触したものを損傷・摩耗させたりする問題を起こさずに、優れた耐摩耗性が得られる。しかも、最表面層としての透明樹脂層は、内部絵柄層に同調させた撥液性インキ層の撥液作用によって(内部絵柄層に同調した)、表面が凹凸状になっているので、意匠感・表面質感も豊かなものとなる。
▲2▼また、透明樹脂層に熱硬化性樹脂を使用する事により、安価且つ平易に優れた耐摩耗性が得られる。
▲3▼また、透明樹脂層に電離放射線硬化性樹脂を使用する事により、極めて優れた耐摩耗性が得られる。
【0068】
▲4▼また、撥液性インキとして、メラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂をバインダーの樹脂として撥液剤を含有するインキを使用する事で、製造時に撥液性インキの硬化の為の加熱に例えば180℃等の高温を必要とせず、比較的低温(例えば150℃程度)での加熱硬化でも可能となり、従来は熱に弱くて使用できなかった薄紙や樹脂フィルム等で高熱で変形し易い様な基体でも使用できる様になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐摩耗性を有する化粧材の一形態を例示する断面図。
【図2】本発明以外の化粧材の一例を示す断面図。
【図3】本発明以外の化粧材の一例を示す断面図。
【図4】本発明以外の化粧材の一例を示す断面図。
【図5】本発明以外の化粧材の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 基体
2 内部絵柄層
2A 全ベタ層
2B 柄パターン層
2Ba 柄パターン層
3 リコート性電離放射線硬化性樹脂層
31 (フィラー未含有の)電離放射線硬化性樹脂層
4 撥液性インキ層
5 透明樹脂層
51 (平坦な)透明樹脂層
D 化粧材
F フィラー
Claims (4)
- 基体上に内部絵柄層を形成し、該内部絵柄層上にフィラーを含有しリコート性を有するリコート性電離放射線硬化性樹脂層を形成し、該リコート性電離放射線硬化性樹脂層上にメラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂がバインダーの樹脂で撥液剤を含有する撥液性インキで前記内部絵柄層の絵柄に同調する様に部分的に撥液性インキ層を形成し、該撥液性インキ層上の全面に硬化性樹脂塗液を塗布して撥液性インキ層部分ではじかせる事で表面に凹凸状に透明樹脂層を形成した、耐摩耗性を有する化粧材。
- 透明樹脂層を形成する硬化性樹脂塗液が熱硬化性樹脂からなる、請求項1記載の耐摩耗性を有する化粧材。
- 透明樹脂層を形成する硬化性樹脂塗液が電離放射線硬化性樹脂からなる、請求項1記載の耐摩耗性を有する化粧材。
- 基体上に内部絵柄層を形成し、該内部絵柄層上にフィラーを含有しリコート性を有するリコート性電離放射線硬化性樹脂層を形成し、該リコート性電離放射線硬化性樹脂層を架橋硬化後、該リコート性電離放射線硬化性樹脂層上にメラミンアルキド樹脂とニトロセルロース系樹脂との混合樹脂がバインダーの樹脂で撥液剤を含有する撥液性インキで前記内部絵柄層の絵柄に同調する様に部分的に撥液性インキ層を形成し、該撥液性インキ層上の全面に硬化性樹脂塗液を塗布して撥液性インキ層部分ではじかせる事で表面に凹凸状に透明樹脂層を形成した、耐摩耗性を有する化粧材の製造方法。
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