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JP4295033B2 - 合成樹脂製ワッシャー - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば木材や鉄骨等の硬質材にウレタン製断熱材等の圧縮変形可能な軟質材を頭部付きファスナーで固定する場合に使用するのに好適な合成樹脂製ワッシャーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物の壁等を断熱構造とする場合において、断熱材の取付け手段として、断熱材を構造材や基礎壁に接着剤で固定することが行われている。しかし、これでは取付け作業が面倒であるのみならず、建物を解体するにおいて断熱材の取り外しが厄介であり、また、張り外した断熱材に木片が付着していることなどがあるため後の処理が厄介である。
【0003】
他方、断熱材をねじで固定すると、上記のような問題はない。しかし、断熱材は柔らかいため通常の木ねじやドリルねじによる固定では、ねじの頭部による押さえが弱いため必要な固定機能を確保することができない。そこで、断熱材をねじで固定するにおいて合成樹脂製ワッシャーが使用される。
【0004】
この合成樹脂製ワッシャーとして、前記ねじの頭部が嵌る略筒状の胴部と、この胴部の上端から半径外向きに突出するフランジ部とを備えたものがある(例えば特許文献1及び2参照)。このワッシャーは、断熱材の外表面から突出しないように、断熱材に沈み込ませた状態で使用される。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−159412号公報
【特許文献2】
特開平10−229751号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ねじは熱伝導率の大きい金属製であることが多い。他方、特許文献1及び2に記載されたワッシャーの構成では、ねじの頭部は断熱材の外表面側に露出したままになっている。
【0007】
そして、このワッシャーを外断熱工法に採用すると、ねじの頭部は屋外に露出することになるため、建物の内外で温度差があるとねじを通じて建物の内外に集中的に伝熱が行われ、断熱機能を低下させるおそれがあった。
【0008】
そこで本発明は、このような現状を改善することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明に係る合成樹脂製ワッシャーは、ねじや釘等のファスナーの頭部がすっぽり嵌まり込む凹所が形成されている椀型のワッシャー本体と、ファスナーの頭部が外側に露出しないようにワッシャー本体の凹所に嵌まり込むキャップ体とを備えており、前記ワッシャー本体の外周面は、ファスナーの軸部が嵌まる一端部が小径で凹所の開口縁の側に位置する他端部が大径となるテーパ状に形成されており、このワッシャー本体のうち他端部でかつ凹所よりも外側の部位に、前記キャップ体を、ワッシャー本体の凹所内に嵌脱し得るようにヒンジを介して一体に接続しており、前記ワッシャー本体のうちファスナーの軸部が挿通する底部に、前記ファスナーの軸部で突き破られ得る強度の底板を形成している一方、前記ワッシャー本体における前記凹所の内周面には、円周方向に沿って前記キャップ体の抜け止め手段を形成しており、前記ワッシャー本体の前記凹所には前記キャップ体が外側にはみ出ずに嵌まるように構成されており、前記ワッシャー本体のうち凹所の開口縁から外側に広がる外端面に、前記キャップ体を凹所に嵌め入れると前記ヒンジが嵌まり込み得る逃がし溝を形成しているというものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載した合成樹脂製ワッシャーにおいて、前記ワッシャー本体のうち凹所の開口縁から外側に広がる外端面を、凹所の開口縁の部分が高くて半径外側に行くに従って低くなるテーパ面に形成しているというものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の作用・効果】
ところで、合成樹脂は金属に比べて熱伝導率が低い。このため、本願発明のように構成すると、例えば外断熱工法において断熱材をねじや釘等のファスナーで固定することに使用すると、ファスナーを通じて建物の内外に熱が大きく伝達することを防止又は著しく抑制することができる。
【0016】
このため、断熱材の固定手段としてねじ等のファスナーを使用することによる利点、すなわち、断熱材の取付け・取り外しの作業が容易でしかも取り外し後の処理が容易であるという利点を損なうことなく、断熱性能を確保することができるのである。
【0017】
ところで、ワッシャー本体にキャップ体が外側から被さる形態であると、ワッシャー本体を断熱材の内部に完全に沈み込ませることはできず、するとワッシャーが部分的ながら断熱材の外側に露出するため、この部材を配置するにおいて邪魔になる等の問題が発生する。すなわち、ワッシャーは断熱材の内部に完全に沈み込ませ得るのが好ましい。
【0018】
この点、本願発明ではキャップ体はワッシャー本体の凹所内に嵌まり込んでいるため、ワッシャー本体を断熱材の内部に沈み込ませた状態でキャップ体を嵌脱させることができ、このため、ワッシャーが他の部材の邪魔になることもない。すなわちキャップ体を設けたことによって新たな問題が生じることはないのである。換言すると、新たな問題を生じさせることなく、ねじの頭部をキャップ体で覆うことができるのである。
【0019】
本願発明のようにワッシャー本体の外周面をテーパ状に形成すると、ねじでの締め込みによってワッシャー本体を断熱材等に沈み込ませるにおいて、断熱材に対するキャップ本体の沈み込み抵抗を小さくできるため、断熱材等の固定作業を軽快に行える利点がある。
【0020】
また、本願発明のように構成すると、キャップ体はワッシャー本体と一体に保管や運搬が行われるため、キャップ体の紛失を皆無とすることができる。更に、本願発明のように構成すると、例えば断熱材等をいったん締結してキャップ体をワッシャー本体に嵌め込んでからねじを締め込み直すというような場合でもキャップ体が脱落することを防止できるため、作業性に優れている。
【0021】
本願発明のように構成すると、ファスナーの軸部が底板を突き破ることにより、底板がバーリング加工したのと同様に筒状の状態になってファスナーの軸部に密着するため、ワッシャー本体とファスナーとの間のシール性を格段向上して通気や水分が通ることを著しく抑制でき、その結果、断熱材の締結に使用すると断熱効果をより向上させることができる。また、水分の透過を抑制して錆びや腐りも抑制できる。
【0022】
ところで、建物における外断熱工法のように断熱材をファスナーで構造材に締結する場合、他の部材の邪魔にならないように、ワッシャーは断熱材の表面からはみ出ないように設定するのが好ましい。しかして、本願発明のように構成すると、ワッシャー本体を過度に深く断熱材に埋め込まなくても良いため、締結作業を軽快に行える利点がある。
【0023】
また、キャップ体をワッシャー本体の凹所に嵌め込んだ状態では、ヒンジの付け根部は多少ながら外向きに突出した状態になるが、請求項2のようにワッシャー本体の外端面をテーパ状に形成すると、ワッシャー本体を断熱材に過度に埋め込まなくてもヒンジの付け根が断熱材の表面からはみ出ることを防止できる利点がある。請求項2と請求項3を組み合わせると特に好適である。
【0024】
なお、本願発明は、断熱材の固定には限らず、例えばクッション材の固定などの各種の断熱材を固定することに適用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(1).第1実施形態(図1〜図3)
図1〜図3は第1実施形態を示している。図1は使用前の状態の平面図、図2は図3のIII−III視断面図、図3は使用状態の断面図である。
【0027】
この実施形態のワッシャー1は、例えば木製の壁パネル2の外面に軟質材としてのウレタン製断熱材3をラッパ頭タイプの木ねじ4で固定するという外断熱工法に使用される。断熱材3はある程度の力を掛けると圧縮変形し得る。
【0028】
なお、以下の説明では、便宜上、「上・下」の用語を使用するが、これは、ワッシャー1に木ねじ4を挿入する方向から見て手前側を上、前方側を下と称する。
【0029】
このワッシャー1は、例えばポリプロピレン樹脂等のような合成樹脂製のもので、ワッシャー本体5とキャップ体6とから成っている。ワッシャー本体5は、木ねじ4における頭部4aの座面が重なる部分とその外側に広がる部分とで椀型に形成されており、このため、ワッシャー本体5は、木ねじ4の頭部4aがすっぽり嵌まる凹所7を備えている。
【0030】
ワッシャー本体5は、下部(一端部)が小径で上部(他端部)に行くほど大径のテーパ状(台錐状)に形成されている。また、ワッシャー本体5の上端面は半径外側に行くに従って低くなる傾斜面(テーパ面)になっており、このため、ワッシャー本体5の外周縁5aは上端面よりもやや低くなっている。そして、この外周縁に、キャップ体6が撓み変形自在な(或いは屈曲自在な)ヒンジ9を介して一体に繋がっており、キャップ体6は、ヒンジ9を屈曲させることにより、ワッシャー本体5における凹所7の内部に嵌脱させることができる。
【0031】
ワッシャー本体5における凹所7の内周面には、キャップ体6の抜け止め手段の一例としての内向き突起10を円周方向に沿って複数個(実施形態では3個)形成している。また、ワッシャー本体5における凹所7の内周縁には、ヒンジ9が嵌まり込む逃がし溝11を形成している。キャップ体6のうち凹所7に嵌め込んだときに内側に位置する面には凹み6aを形成している。
【0032】
ワッシャー本体5における凹所7は、木ねじ4の頭部4a及びキャップ体5が外側にはみ出ない深さになっている。本実施形態ではラッパ頭式木ねじ4に対応した仕様としていることから、ワッシャー本体5のうち木ねじ4の頭部4aの座面が当たる部分はテーパ面12になっている。
【0033】
また、ワッシャー本体5の内面の下部には、テーパ面13が連続するストレート部13を形成している。このようにストレート部13を形成しているのは、木ねじ4の頭部4aの片当たりを無くして、木ねじ4でワッシャー本体5をしっかりと押さえるためである。
【0034】
ストレート部13の底部は膜状(或いは薄板状)の底板8で塞がれている。そして、図3に示すように、ワッシャー1の使用状態では、木ねじ4の軸部4bで底板8は突き破られる。また、ワッシャー1はその全体が断熱材の肉厚部内に沈み込んだ状態で使用される。換言すると、ワッシャー1は断熱材3の外表面から突出しない状態で使用される。
【0035】
より正確に述べると、ワッシャー本体5の全体が断熱材3の内部に沈み込むまで木ねじ4をねじ込んでから、キャップ体5をワッシャー本体5の凹所7に嵌め入れて押圧する。すると、キャップ体6は弾性に抗しての変形により、内向き突起10群を乗り越えて凹所7に入り込み、その状態が保持される。また、例えばドライバでこじることにより、キャップ体6をワッシャー本体5から離脱させることができる。
【0036】
本実施形態のようにワッシャー本体5に底板8を設けておくと、底板8が木ねじ4の軸部4bで突き破られることにより、底板8はバーリング加工したのと同様の筒部8aとなって木ねじ4の軸部4bを抱きしめた状態(密着した状態)になる。このため、木ねじ4の箇所で空気や水分が流通することを遮断して、断熱効果をより向上することができる(なお、木ねじ4の先端が底板8の中心に案内されるように、底板8の中心部に小穴を空けておいたり、底板8の中心部だけをより薄肉に形成するなどしておいても良い)。
【0037】
ところで、ヒンジ9を曲げることによってキャップ体6をワッシャー本体5の凹所7に嵌め入れるが、ヒンジ9を曲げるにはその付け根箇所にある程度の寸法の曲率が必要であるため、仮にワッシャー本体5の上面がフラットであると、ヒンジ9の付け根がワッシャー本体5の上面から突出することになり、すると、ヒンジ9の付け根と他の壁部材(例えばサイディング)との干渉を回避するには、木ねじ4を強くねじ込んでワッシャー本体5を断熱材3の内部に深く沈めなければならない。このため締結作業に強い力が必要となる。
【0038】
これに対して本実施形態のようにワッシャー本体5の外周縁5aを頂面よりも低くすると、ワッシャー本体5を断熱材3に過度に深く沈め込まなくても、ヒンジ9の付け根が断熱材3の表面から露出することを防止できるため、締結作業を軽快に行える利点がある。
【0039】
また、木ねじ4等のビスを使用する場合、鍋頭のビスを使用することもできるが、本実施形態のようにキャップ体6に凹み6aを形成すると、ビスの頭部が鍋頭であってもキャップ体5との干渉を回避できる利点がある。
【0040】
(2).変形例(図4)
図4に示す変形例では、キャップ体6の抜け止め手段として、凹所7の内周面に環状係合溝10′を形成している。このように環状係合溝10′を形成するとシール効果を向上できる利点がある。環状係合溝10′に代えて、環状突起を形成しても良い。
【0041】
(3).参考例(図5〜図7)
図5〜図7では参考例を示している。図5は使用前の状態の平面図、図6は図5のVI−VI視断面図、図7は使用状態の断面図である。この参考例は、キャップ体6は、引き千切り可能なブリッジ状連結部14を介してワッシャー本体5に一体に繋がっている。また、キャップ体6の抜け止め手段としてワッシャー本体5に環状溝10′を形成している。他の構成は第1実施形態と同じである(但し、ヒンジが存在しないため逃がし溝11も存在しない)。
【0042】
この参考例では、キャップ体6をワッシャー本体5から引き千切ってから、ワッシャー本体5の凹所7に嵌め込むことになる。具体的には、キャップ体6を付けた状態でワッシャー本体5を締め付けて、それからキャップ体6を引き千切っても良いし、ねじ込みに先立ってキャップ体6を引き千切っても良い(前者の方が、キャップ体6の紛失を防止できるので好ましい)。
【0043】
本願発明は、図示した実施形態に限らず様々な態様に具体化できる。例えば、ワッシャー本体及びキャップ体は平面視円形には限らず、平面視八角形や六角形等の他の形態に形成しても良い。
【0044】
また、ワッシャー本体の外面はテーパ状に形成することには限らず、ストレート状に形成することも可能である。更に、本体のワッシャーとセットで使用されるねじの種類には限定はなく、例えばドリルねじやタッピンねじなどの各種のねじを使用できる。また、頭部の形状や鍋頭や皿頭、或いは六角頭等の各種のものを使用できる。
【0045】
更に、用途は断熱材の固定には限らず、例えばクッション材の固定等にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の片面図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】第1実施形態の使用状態の断面図である。
【図4】変形例の断面図である。
【図5】参考例の片面図である。
【図6】図4のVI−VI視断面図である。
【図7】参考例の使用状態の断面図である。
【符号の説明】
1 ワッシャー
2 建物の壁パネル
3 断熱材
4 ねじ(木ねじ)
5 ワッシャー本体
6 キャップ体
7 凹所

Claims (2)

  1. ねじや釘等のファスナーの頭部がすっぽり嵌まり込む凹所が形成されている椀型のワッシャー本体と、ファスナーの頭部が外側に露出しないようにワッシャー本体の凹所に嵌まり込むキャップ体とを備えており、
    前記ワッシャー本体の外周面は、ファスナーの軸部が嵌まる一端部が小径で凹所の開口縁の側に位置する他端部が大径となるテーパ状に形成されており、このワッシャー本体のうち他端部でかつ凹所よりも外側の部位に、前記キャップ体を、ワッシャー本体の凹所内に嵌脱し得るようにヒンジを介して一体に接続しており、
    前記ワッシャー本体のうちファスナーの軸部が挿通する底部に、前記ファスナーの軸部で突き破られ得る強度の底板を形成している一方、前記ワッシャー本体における前記凹所の内周面には、円周方向に沿って前記キャップ体の抜け止め手段を形成しており、前記ワッシャー本体の前記凹所には前記キャップ体が外側にはみ出ずに嵌まるように構成されており、
    前記ワッシャー本体のうち凹所の開口縁から外側に広がる外端面に、前記キャップ体を凹所に嵌め入れると前記ヒンジが嵌まり込み得る逃がし溝を形成している、
    合成樹脂製ワッシャー。
  2. 前記ワッシャー本体のうち凹所の開口縁から外側に広がる外端面を、凹所の開口縁の部分が高くて半径外側に行くに従って低くなるテーパ面に形成している、
    請求項1に記載した合成樹脂製ワッシャー。
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