JP4297737B2 - ジャッキカバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に常備されるジャッキを車両のジャッキ収納部に収納した状態でジャッキ収納部を閉止するジャッキカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両のタイヤを交換する場合等には、車体を浮かせて、それまで接地したタイヤに車体を支持させた状態からタイヤを解放しなくてはならない。このように車体を浮かせるための作業に通常はジャッキを使用する。
【0003】
また、特に、路上等でのタイヤ交換やユーザ自身によるタイヤ交換等のため、通常は携行用のジャッキが車両に常備されている。この種の携行用のジャッキには、一般的にパンタグラフ式のジャッキが採用されている。
【0004】
パンタグラフ式のジャッキは、使用時に接地されるベースに一対のベース側アームが互いに平行な軸周りに回動可能に連結されている。これに対して、使用時に車両の所定部位に係合する荷受部には一対の荷受側アームが互いに平行な軸周りに回動可能に連結されている。
【0005】
一方のベース側アームと一方の荷受側アームとは、一方の連結部にて互いに回動可能に連結されており、他方のベース側アームと他方の荷受側アームとは他方の連結部にて互いに回動可能に連結されている。一方の連結部と他方の連結部との間にはボールねじが設けられている。ボールねじは一方の連結部に形成された雌ねじに螺合した状態で貫通し、更に、先端が他方の連結部に回転自在に軸支されている。
【0006】
ボールねじをその軸心周りに回転させて、一方の連結部を他方の連結部に対して接離移動させることで、ベースと荷受部とが互いに接離し、ベースが接地した状態で荷受部が車体に係合していれば、ベースから荷受部を離間させることで車体が持ち上げられる構造である。
【0007】
以上のようなパンタグラフ式のジャッキを車両に搭載するにあたり、例えば、下記特許文献1では、トランクルーム等に固定したブラケットを用い、このブラケットにジャッキを装着している。ブラケットは全体的に筒状に形成されており、ボールねじの長手方向に沿ってジャッキがブラケットを貫通している。
【0008】
ブラケットを貫通したジャッキは、ベースから荷受部(受具)が離間する方向にボールねじが回転操作される。ベースから荷受部が離間することで、ブラケットに形成された押え具に荷受部が圧接し、押え具とは反対側のブラケットの側壁に形成された小ブラケットにベースが圧接する。
【0009】
このように荷受部とベースとが相反する方向に押え具と小ブラケットに圧接することで、ブラケットにジャッキが装着され、且つ、装着状態でのブラケットのがたつきが防止される構造となっている。
【0010】
但し、このような構造では、上記のように、車両のトランクルーム内でブラケットを固定しなくてはならない。しかも、トランクルームの内部スペースの一部をブラケットが占めることでトランクルームが狭くなり、しかも、ブラケットやジャッキがトランクルーム内で露出することで、トランクルーム内の見栄えを損なうといった欠点がある。
【0011】
上記の特許文献1に開示されたような構造に対して、例えば、車両の室内やトランクルームの内壁(フロア板や内側壁)に開口部を形成して、内壁の裏面側をジャッキの収納部としたり、又は、内壁に車両室内やトランクルームの内方側へ向けて開口した凹形状の収納部を形成して、このような収納部にジャッキを収納する構造もある。さらに、このように収納部にジャッキを収納した状態でジャッキカバーにより収納部を閉止してジャッキを覆い隠す構造もあり、その一例が下記特許文献2に開示されている。
【0012】
特許文献2に開示された構造では、車体の側壁を覆うサイドフィニッシャに開口部が形成され、この開口部を介してサイドフィニッシャの裏面側にジャッキが出し入れされる。サイドフィニッシャの裏面側では側壁にクリップが形成されており、収納部に収納されたジャッキは、ベース側及び荷受部側の各アームが各クリップによって挟持されることで、収納部内で固定、保持される。
【0013】
さらに、特許文献2に開示された構造では、開口部に対応してジャッキカバー(蓋体)が設けられている。ジャッキカバーの裏面には略U字形状のファスナ部材が設けられており、開口部をジャッキカバーで閉止する際にはファスナ部材にジャッキのボールねじ(ねじ軸)が嵌合する。このようにボールねじにファスナ部材が嵌合することで、ボールねじにジャッキカバーが保持される構造となっている。
【0014】
【特許文献1】
実公平5−23423号公報
【特許文献2】
実開平2−48456号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、パンタグラフ式のジャッキは、ボールねじを回転させることで、両連結部が互いに接離し、これに連動してベースと荷受部とが互いに接離する構造である。したがって、ベース側及び荷受部側の各アームの位置は、ボールねじの回転量に応じて異なる。このため、特許文献2に開示された構造では、ジャッキを収納する際にクリップの位置に各アームの位置が対応するようにボールねじを回転させて各アームの位置を調整しなくてはならない。
【0016】
これに対して、例えば、内壁に車両室内やトランクルームの内方側へ向けて開口した凹形状の収納部を形成する構造の場合には、収納部の内周壁にベース及び荷受部が圧接するまでボールねじを回転させてベースと荷受部とを相対的に離間させれば、ベース及び荷受部が圧接力に対応する反力で内周壁によりジャッキが保持される。このため、このような構造では、上記のようなクリップが不要である。
【0017】
しかしながら、このような構造の場合、収納部内でのジャッキの位置が一義的に決まらない。特に、収納部内へのジャッキの出し入れを繰り返すことで、ベース及び荷受部からの圧接力で収納部の内周壁が僅かに変形してしまい、収納時におけるベースと荷受部との相対的な位置関係に変化が生じる。ベースと荷受部との位置関係が変化することで、ベース及び荷受部の相対的な接離移動方向に沿ったボールねじの位置も変わることがあり、この場合には、ボールねじに保持されたジャッキカバーが、収納部の開口端に対してずれてしまう可能性がある。
【0018】
本発明は、上記事実を考慮して、ジャッキに確実に装着でき、しかも、装着状態で収納部を確実に閉止できるジャッキカバーを得ることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係るジャッキカバーは、接地されるベース部に対して荷受部が接離移動することで荷受部上の重量物を昇降させるジャッキに取り付けられ、所定方向に開口した略凹形状の収納部に前記ジャッキを収納した状態でカバー本体が前記収納部の開口端を閉止するジャッキカバーであって、前記カバー本体に形成され、前記荷受部及び前記ベース部の何れか一方を挟持する挟持部と、前記カバー本体に形成され、前記荷受部及び前記ベース部の何れか他方が前記接離移動の方向に沿ってスライド可能に係合することで前記何れか他方を支持し、前記カバー本体から離間する方向への前記何れか他方の変位を規制する支持部と、を備えることを特徴としている。
【0020】
請求項1に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、カバー本体に形成された挟持部によってジャッキのベース部及び荷受部の何れか一方が挟持される。さらに、カバー本体に形成された支持部により、ジャッキのベース部及び荷受部の何れか他方が支持部により支持され、何れか他方がカバー本体から離間する方向への変位が規制される。
【0021】
このように、前記何れか一方が挟持部により挟持され、前記何れか他方が支持部により支持されることで、カバー本体がジャッキに安定的に取り付けられる。このようにしてカバー本体が取り付けられたジャッキを収納部に収納し、又は、収納部に収納したジャッキにカバー本体を取り付けることで収納部の開口端がカバー本体により閉止され、カバー本体によりジャッキが覆い隠される。
【0022】
ところで、ジャッキは基本的に荷受部がベース部に対して接離移動することで荷受部上の重量物を昇降させる構造である。したがって、収納時におけるベース部に対する荷受部の相対的な位置関係(すなわち、ベース部に対する荷受部の接離方向に沿った位置関係)には、ばらつきが生じる。
【0023】
ここで、本発明に係るジャッキカバーでは、ベース部及び荷受部の何れか他方は、支持部に支持された状態でベース部及び荷受部の何れか一方に対して接離移動方向に変位可能である。このため、上記のようにばらつきが生じても、ベース部及び荷受部の何れか一方を確実に挟持させ、且つ、ベース部及び荷受部の何れか他方を支持部により確実に支持させることができ、この結果、上記のようなばらつきが生じてもカバー本体を確実にジャッキに取り付けることができ、しかも、このようにジャッキに装着した状態で確実に収納部を閉止できる。
【0024】
請求項2に記載の本発明に係るジャッキカバーは、請求項1に記載の本発明において、前記支持部に支持された前記何れか他方に対し、前記接離移動により接離する前記ジャッキの所定部位に干渉可能に前記カバー本体に一体的に設けられ、前記挟持部が前記何れか一方を挟持した状態で前記所定部位に干渉し、前記何れか他方に対して離間する方向への前記所定部位の変位を規制する干渉部を備える、ことを特徴としている。
【0025】
請求項2に記載の本発明に係るジャッキカバーによれば、ジャッキを操作してベース部に対して荷受部を離間させると、ベース部及び荷受部の何れか他方に対してジャッキの所定部位が離間しようとするが、ベース部及び荷受部の何れか一方が挟持部により挟持された状態でベース部に対して荷受部を離間させようとすると、カバー本体に設けられた干渉部がジャッキの所定部位に干渉する。
【0026】
このように、所定部位に干渉部が干渉することでベース部及び荷受部の何れか他方から離間する方向への所定部位の変位が規制される。ベース部及び荷受部のうち挟持部に挟持される方は、ベース部から荷受部を離間させる方向へジャッキを操作すると所定部位と同様に支持部に支持された方(すなわち、ベース部及び荷受部の何れか他方)に対して離間しようとする。
【0027】
このため、所定部位が干渉部に干渉されて変位が規制されることにより、間接的に挟持部に挟持される方(すなわち、ベース部及び荷受部の何れか一方)の変位が規制され、確実に挟持部により挟持される。
【0028】
また、このように、挟持部に挟持される方や所定部位の変位が干渉部によって規制されても、支持部では接離移動方向に沿って変位可能にベース部及び荷受部の何れか他方を支持するため、接離移動方向に沿ったベース部と荷受部との位置関係にばらつきが生じても支持部によりベース部及び荷受部の何れか他方は確実に支持される。
【0029】
請求項3に記載の本発明に係るジャッキカバーは、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記ジャッキと前記カバー本体との対向方向に沿って貫通し、前記ベース部及び前記荷受部の何れか他方を構成する挿込部が貫通した状態で挿し込まれると共に、前記接離移動方向に沿った寸法が前記挿込部よりも長いスリットを前記カバー本体に形成し、前記カバー本体のうち、前記ジャッキと前記カバー本体との対向方向に沿って前記スリットを通過した前記挿込部と対向し、前記挿込部に対して前記ジャッキ側から当接する当接部を前記支持部とした、ことを特徴としている。
【0030】
請求項3に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、カバー本体にスリットが形成されており、ベース部及び荷受部の何れか他方を構成する挿込部がスリットを貫通した状態で挿し込まれると、挿込部の少なくとも一部がカバー本体を介してジャッキとは反対側に位置する。
【0031】
カバー本体のうち、ジャッキとカバー本体との対向方向に沿ってスリットを通過した挿込部と対向する部分は当接部とされ、当接部が挿込部の一部に当接することでカバー本体に対してジャッキが離間する方向へのジャッキの変位が規制される。
【0032】
このように、当接部が挿込部に当接することで、ベース部及び荷受部の何れか他方が支持される。
【0033】
また、スリットは、ベース部と荷受部との接離移動方向に沿った寸法が挿込部よりも長い。このため、当接部が挿込部に当接した状態であっても、挿込部板はスリットの内側で接離移動方向に変位できる。したがって、上記のように接離移動方向に沿ったベース部と荷受部との位置関係にばらつきが生じても、ベース部及び荷受部の何れか一方を挟持部に確実に挟持させつつ、スリットを通過した挿込部に当接部を当接させて支持させることができる。
【0034】
請求項4に記載の本発明に係るジャッキカバーは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記ジャッキと前記カバー本体との対向方向に沿って前記カバー本体から前記ジャッキ側に延出されると共に、前記対向方向及び前記接離移動方向の双方に対して直交する方向に沿って互いに対向して形成され、当該延出方向側の端部に形成された爪部が前記何れか一方に弾性的に係合することで前記何れか一方を挟持する一対の挟持爪を含めて前記挟持部を構成し、更に、前記一対の挟持爪の間で前記カバー本体に開口部を形成した、ことを特徴としている。
【0035】
請求項4に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、カバー本体から延出された一対の挟持爪の各爪部が、ベース部及び荷受部の何れか他方の両側から弾性的に係合することで前記何れか他方が挟持される。
【0036】
また、一対の挟持爪の間ではカバー本体に開口部が形成されている。したがって、前記何れか他方が一対の挟持爪の間に位置すればカバー本体を介してジャッキとは反対側からでも開口部を介して前記何れか他方を視認できる。これにより、挟持爪により前記何れか他方が挟持されたか否かを容易に確認できる。
【0037】
ところで、本発明に係るジャッキカバーを、例えば、合成樹脂材による一体成形品として形成する場合、上記のような互いに対向する一対の挟持爪のような突出部分が所謂アンダーカットになることが多く、成形用の金型が複雑になり、コストが高くなる。
【0038】
しかしながら、本発明に係るジャッキカバーでは、カバー本体を貫通する開口部が一対の挟持爪の間に形成されているため、金型の型締め型開きの方向を挟持爪の延出方向とすれば、一対の挟持爪の間がアンダーカットにならず、金型の構造を簡素化できる。これにより、コストを安価にできる。
【0039】
【発明の実施の形態】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るジャッキカバー10の斜視図が示されており、図2には本ジャッキカバー10の平面図が示されている。これらの図に示されるように、ジャッキカバー10は、例えば、合成樹脂材のインジェクション成形により一体成形されたカバー本体12を備えている。
【0040】
カバー本体12は全体的に平面視で略矩形(略長方形)の平板状に形成されており、その長手方向寸法は、図1に示されるパンタグラフ式の携行用のジャッキ14を構成する一方のベース側アーム16と一方の荷受部側アーム18とを連結する連結部20と、他方のベース側アーム16と他方の荷受部側アーム18とを連結する連結部22との間隔が最も長くなった収納形状での連結部20、22間の間隔よりも充分に長い。また、カバー本体12の幅方向寸法は、上記の収納形状におけるジャッキ14のベース部24と荷受部26との間隔よりも長い。
【0041】
さらに、カバー本体12には縦壁28が形成されている。縦壁28はカバー本体12の厚さ方向一方の側へ向けてカバー本体12の外周部の一部を除いた部分から連続して立設されている。縦壁28の立設方向側の端部からはフランジ部30が延出されている。フランジ部30は厚さ方向が概ねカバー本体12の厚さ方向と同方向とされ、図4に示されるように、車体に形成された収納部32の開口縁に対応して形成されている。
【0042】
図4に示される収納部32は、車体を構成するフロアパネル60に形成されており、例えば、図示しない運転席の下側で略車両上方側へ向けて開口した凹形状(上端が開口した箱状)に形成されている。収納部32の開口端の形状は、例えば、略車両左右方向に沿って長手方向で且つ略車両前後方向に沿って幅方向とされた略矩形(略長方形)とされており、その内側には収納形状となったジャッキ14を収納できる大きさとなっている。
【0043】
一方、図1及び図2に示されるように、カバー本体12の長手方向略中央部で且つ幅方向中間部には開口部34が形成されている。開口部34は、平面視でカバー本体12の長手方向に沿って長手の略矩形とされており、カバー本体12の厚さ方向に沿って貫通している。さらに、図1に示されるように、開口部34の長手方向両端部の極近傍からは、カバー本体12の厚さ方向一方の側へ向けて挟持部としての挟持爪36が立設されている。
【0044】
図3に示されるように、挟持爪36は板状部38を備えている。板状部38は厚さ方向一方の面と開口部34の内周部とが略面一になるように、カバー本体12の裏面に形成されている。また、両板状部38の間隔L1は、図1に示されるジャッキ14の荷受部26の幅寸法L2よりも僅かに大きく、カバー本体12の裏面側にジャッキ14を配置した状態では、両板状部38の間に荷受部26を配置することができる。
【0045】
さらに、板状部38は板状部38自身の幅方向を軸方向とする軸周りに、各々の先端部が互いに接離する方向へ弾性変形可能とされている。また、板状部38の裏面(互いに相反する方向の側の面)には、補強リブ40が形成されており、板状部38の弾性変形を規制し、一定の大きさ以上の押圧力が作用していなければ板状部38が弾性変形しないようになっている。
【0046】
さらに、図3に示されるように、各板状部38の先端には互いに対向する方向へ向けて爪部42が突出形成されている。各爪部42の間隔はL3、ジャッキ14の荷受部26の幅寸法L2よりも小さく、板状部38の間に荷受部26が位置した場合には、荷受部26の幅方向両端側から荷受部26の内側に爪部42が入り込む構造となっている。
【0047】
一方、図1及び図2に示されるように、開口部34の幅方向一端側には把持部44が形成されている。把持部44はカバー本体12の長手方向に沿って互いに対向した縦壁46を備えている。縦壁28はカバー本体12を部分的に縦壁28の立設方向(下方)とは反対側に向けて立設することで形成されている。
【0048】
これらの縦壁46の立設方向側(上方側)の端部は天板部48により連結されている。したがって、把持部44は正面視で縦壁28の立設方向側(下方)へ向けて開口した凹形状となっており、開口部34側から把持部44の内側に複数本の指、例えば、人指し指、中指、薬指の三本の指を並べた状態で挿し入れることができるようになっている。
【0049】
また、図1に示されるように、カバー本体12の幅方向に沿った開口部34の他方の側には、縦壁46の立設方向側(上方側)と略同方向へ向けて縦壁50が立設されており、更に、縦壁50の立設方向側の端部からは天板部52が開口部34とは反対側(すなわち、カバー本体12の幅方向他方の側)へ向けて延出されている。天板部52はカバー本体12の長手方向に沿って長手とされている。
【0050】
天板部52の長手方向両端部は、カバー本体12とは連続しておらず、天板部52の長手方向両端部とカバー本体12との間にはスリット54が形成されている。スリット54は、カバー本体12の幅方向に沿って長手方向とされており、カバー本体12の幅方向他方の側のスリット54の端部はカバー本体12の幅方向他端部にて開口している。
【0051】
カバー本体12の長手方向に沿った一方のスリット54から他方のスリット54までの間隔は、両ベース側アーム16を回転自在に軸支するベース部24の取付部24Aにおけるカバー本体12の長手方向に沿った寸法よりも大きく、カバー本体12の長手方向に沿った取付部24Aの両端部から、取付部24A及びベース側アーム16に対して離間する方向へ屈曲形成された幅広部24Bの挿込部としての側壁24Cが、対応するスリット54に入り込めるようになっている(図2参照)。
【0052】
また、上記のように側壁24Cがスリット54に入り込んだ状態では、側壁24Cがカバー本体12よりも上方側に位置するが、カバー本体12のうち、その上面にて側壁24Cと対向する部分は支持部としての当接部12Aとされ、側壁24Cがスリット54に入り込んだ状態では下方から側壁24Cに当接する。
【0053】
一方、図1に示されるように、天板部52と開口部34との間でカバー本体12の裏面側には、干渉部としての一対のボス56が突出形成されている。一対のボス56は、カバー本体12の長手方向に沿ったカバー本体12の略中央からそれぞれ相反する方向へ略等距離だけ離間した位置に形成されている。
【0054】
また、これらのボス56は、上述した一対の挟持爪36よりもカバー本体12の長手方向外側に形成されており、一対の挟持爪36に荷受部26を保持させた状態では、各ボス56がカバー本体12の幅方向に沿って対向する荷受部側アーム18の壁面18Aに当接する構造となっている。
【0055】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、ジャッキ14に対する本ジャッキカバー10の装着方法の説明を通して、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0056】
本ジャッキカバー10をジャッキ14に装着する際には、ジャッキ14を上述した収納部32に収納する前又は収納した状態で、ジャッキ14のベース部24に対し荷受部26側からカバー本体12の幅方向他端側を斜め上方から接近させる。このようにカバー本体12をベース部24に接近させて幅広部24Bの側壁24Cを対応するスリット54に入れ込ませる。
【0057】
次いで、側壁24Cを所定量スリット54に入れ込ませた状態で、カバー本体12の長手方向を軸方向とする軸周りにカバー本体12の幅方向他端側を下方へ回動させて荷受部26及び荷受部側アーム18にカバー本体12を接近させる。これにより、先ず、両挟持爪36の爪部42が荷受部26に当接する。
【0058】
この爪部42が荷受部26に当接した状態で更にカバー本体12を下方へ回動させると、各挟持爪36の板状部38が互いに離間する方向へ弾性変形する。この状態で荷受部26による両爪部42への干渉が解除されるまでカバー本体12を回動させると、板状部38が自らの弾性により復元し、両爪部42が荷受部26の内側に入り込む。
【0059】
ここで、上述したように、挟持爪36の間ではカバー本体12に開口部34が形成されているため、本ジャッキカバー10を介してジャッキ14とは反対側から見ていても、開口部34を介して荷受部26の位置を確認できる。これにより、挟持爪36に荷受部26を容易に挟持させることができる。
【0060】
また、本ジャッキカバー10をインジェクション成形により合成樹脂材の一体成形品として形成する場合、上記のような挟持爪36をカバー本体12の裏面から突出形成すると、挟持爪36の間が所謂アンダーカットの構造となる。ここで、本ジャッキカバー10では、挟持爪36の間に開口部34を形成した構造であるため、挟持爪36の間がアンダーカットとならず、本ジャッキカバー10を成形するための金型の構造を簡素化でき、コストを安価にできる。
【0061】
一方、以上のように、各挟持爪36が荷受部26に係合して挟持した状態で、カバー本体12を自らの幅方向一方の側へ移動させると、両ボス56が荷受部側アーム18の壁面18Aに当接する。これにより、カバー本体12の幅方向に沿った本ジャッキカバー10に対するジャッキ14の位置決めがなされる。
【0062】
また、この状態では、板状部38が荷受部26に干渉することでカバー本体12の長手方向に沿った本ジャッキカバー10に対するジャッキ14の相対的な変位が制限される。さらに、この状態では、基本的にジャッキ14は本ジャッキカバー10の裏面側に位置しており、ジャッキ14とジャッキカバー10とが互いに接近する方向の変位は、互いが干渉しあうことで規制される。
【0063】
さらに、図2に示されるように、幅広部24Bの側壁24Cはスリット54を通過している。これにより、側壁24Cのうち、カバー本体12の長手方向に沿ってスリット54よりも外側に位置する部分では、カバー本体12のうち、当接部12Aよりも上側に側壁24Cが位置する。このため、当接部12Aが側壁24Cを下方から支持することになる。
【0064】
さらに、荷受部26の内側に係合して荷受部26を挟持した各挟持爪36の爪部42もまた下方ら荷受部26を支持するため、カバー本体12の厚さ方向に沿って本ジャッキカバー10から離間する方向へのジャッキ14の変位も規制される。これにより、ジャッキ14に確実にジャッキカバー10が装着され、ジャッキ14を収納部32に収納した状態では、確実に収納部32の開口端を本ジャッキカバー10によって閉止できる。
【0065】
これにより、開口部34やジャッキ14を本ジャッキカバー10によって覆い隠せる車両室内の外観品質(見た目)を向上できる。
【0066】
また、ジャッキ14を上記の収納形状にした状態であっても、ユーザによってベース部24と荷受部26との間隔は異なる。また、収納部32への収納状態でベース部24と荷受部26とを互いに離間させて収納部32の内壁にベース部24と荷受部26とを圧接させて、収納部32内でのジャッキ14のがたつきを防止する構造とした場合には、ベース部24と荷受部26とが最も接近した収納形状に比べるとベース部24と荷受部26との間隔が大きい。このように、収納部32にジャッキ14を収納する場合であっても、ベース部24と荷受部26との間隔にはばらつきがある。
【0067】
ここで、本ジャッキカバー10では、荷受部26が挟持爪36に挟持され、しかも、荷受部側アーム18の壁面18Aにボス56が当接している。このため、カバー本体12の幅方向に沿った他方の側への本ジャッキカバー10に対するジャッキ14の変位は規制されている。
【0068】
しかしながら、ベース部24側では、当接部12Aが下方からベース部24の幅広部24Bを支持しているものの、スリット54に側壁24Cが入り込んでいる構造であるため、スリット54の長手方向には側壁24Cは変位することができる。すなわち、本ジャッキカバー10をジャッキ14に装着した状態であっても、ベース部24はカバー本体12の幅方向に沿って変位可能であり、しかも、変位しても当接部12Aによる幅広部24Bの支持が損なわれることがない。
【0069】
このため、上記のように、ベース部24と荷受部26との間隔にばらつきがあっても、挟持爪36による荷受部26の挟持を損なわず、また、カバー本体12による幅広部24B(ベース部24)の支持を損なうことなく、確実にジャッキ14にジャッキカバー10を装着して、収納部32に収納したジャッキ14及び収納部32の開口端を本ジャッキカバー10によって覆い隠すことができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、荷受部26を挟持爪36で挟持し、スリット54に幅広部24Bの側壁24Cを通して当接部12Aによってベース部24を支持させる構造であった。しかしながら、本発明がこのような構造に限定されるものではない。ジャッキ14の構造にもよるが、本実施の形態とは逆に、挟持爪36でベース部24を挟持して、カバー本体12で荷受部26を下方から支持する構造としてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、車体のフロアパネル60に形成した収納部32にジャッキ14を収納する構造に適用されるジャッキカバー10であった。しかしながら、本発明がフロアパネル60に形成された収納部32に対応する構成に限定されるものではない。例えば、車体の内壁に形成した収納部に対応する構成であってもよいし、車両室内ではなく、例えば、トランクルームの内壁や底壁に形成した収納部に対応する構成であってもよい。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、ベース部及び荷受部の何れか他方は、支持部に支持された状態でベース部及び荷受部の何れか一方に対して接離移動方向に変位可能な状態で支持されるため、ベース部と荷受部との間隔にばらつきが生じても、挟持部と支持部とでジャッキを確実に支持させることができ、その結果、カバー本体を確実にジャッキに取り付けることができ、収納部にジャッキを収納した状態での収納部を確実に閉止できる。
【0073】
また、請求項2に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、ジャッキの所定部位が干渉部に干渉されて変位が規制されることで、挟持部にベース部及び荷受部の何れか一方を確実に挟持させることができる。
【0074】
さらに、請求項3に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、ベース部と荷受部との位置関係にばらつきが生じても、ベース部及び荷受部の何れか一方を挟持部に確実にさせつつ、スリットを通過した挿込部に当接部を当接させて支持させることができる。
【0075】
請求項4に記載の本発明に係るジャッキカバーでは、カバー本体を貫通する開口部が一対の挟持爪の間に形成されているため、金型の型締め型開きの方向を挟持爪の延出方向とすれば、一対の挟持爪の間がアンダーカットにならず、金型の構造を簡素化できる。これにより、コストを安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るジャッキカバーの斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るジャッキカバーの平面図である。
【図3】挟持爪の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るジャッキカバーで収納部を閉止した状態の概略を示す側面図である。
【符号の説明】
10 ジャッキカバー
12 カバー本体
12A 当接部(支持部)
14 ジャッキ
24 ベース部
26 荷受部
32 収納部
34 開口部
36 挟持爪(挟持部)
42 爪部
54 スリット
56 ボス(干渉部)
Claims (4)
- 接地されるベース部に対して荷受部が接離移動することで荷受部上の重量物を昇降させるジャッキに取り付けられ、所定方向に開口した略凹形状の収納部に前記ジャッキを収納した状態でカバー本体が前記収納部の開口端を閉止するジャッキカバーであって、
前記カバー本体に形成され、前記荷受部及び前記ベース部の何れか一方を挟持する挟持部と、
前記カバー本体に形成され、前記荷受部及び前記ベース部の何れか他方が前記接離移動の方向に沿ってスライド可能に係合することで前記何れか他方を支持し、前記カバー本体から離間する方向への前記何れか他方の変位を規制する支持部と、
を備えることを特徴とするジャッキカバー。 - 前記支持部に支持された前記何れか他方に対し、前記接離移動により接離する前記ジャッキの所定部位に干渉可能に前記カバー本体に一体的に設けられ、前記挟持部が前記何れか一方を挟持した状態で前記所定部位に干渉し、前記何れか他方に対して離間する方向への前記所定部位の変位を規制する干渉部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のジャッキカバー。 - 前記ジャッキと前記カバー本体との対向方向に沿って貫通し、前記ベース部及び前記荷受部の何れか他方を構成する挿込部が貫通した状態で挿し込まれると共に、前記接離移動方向に沿った寸法が前記挿込部よりも長いスリットを前記カバー本体に形成し、
前記カバー本体のうち、前記ジャッキと前記カバー本体との対向方向に沿って前記スリットを通過した前記挿込部と対向し、前記挿込部に対して前記ジャッキ側から当接する当接部を前記支持部とした、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のジャッキカバー。 - 前記ジャッキと前記カバー本体との対向方向に沿って前記カバー本体から前記ジャッキ側に延出されると共に、前記対向方向及び前記接離移動方向の双方に対して直交する方向に沿って互いに対向して形成され、当該延出方向側の端部に形成された爪部が前記何れか一方に弾性的に係合することで前記何れか一方を挟持する一対の挟持爪を含めて前記挟持部を構成し、更に、前記一対の挟持爪の間で前記カバー本体に開口部を形成した、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のジャッキカバー。
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