JP4300564B2 - 排ガス処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排ガス処理方法及び装置に係り、特に、三酸化硫黄が含まれる排ガスにアンモニアを注入し、生成されたダストを乾式電気集塵装置で捕集することによって排ガス中から三酸化硫黄を除去する排ガス処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
残さ油や石油コークスなどを燃焼すると、その燃焼排ガスには、三酸化硫黄(SO3 )が含まれる。SO3 は、腐食性の高い硫酸ミストとなるおそれがあるので、排ガス中から除去する必要がある。そこで、従来は、燃焼排ガス中にアンモニアガスを注入することによって硫酸アンモニウムなどの反応化合物を生成し、その反応化合物のダストを乾式電気集塵装置で捕集することによって、SO3 を除去していた。
【0003】
アンモニアとSO3 の反応化合物は、アンモニア注入時の排ガス温度やSO3 に対するアンモニアのモル比によって異なり、排ガス温度が高い場合やアンモニアのモル比が小さい場合には、反応化合物として酸性硫安が生成されやすい。酸性硫安は、液化すると腐食性を有するので、電気集塵装置などに防食処理を施さねばならず、コストが増加する問題がある。酸性硫安の生成を抑制するためには、注入アンモニアのモル比を増加すればよいが、その場合には未反応のリークアンモニアが多くなり、これを処理する装置が別途必要になる。
【0004】
このような問題を解消するため、特開平2−265618号公報には、液体のアンモニアを排ガス中に注入し、アンモニアの注入と同時に排ガスの温度を150℃以下に下げる方法が提案されている。また、特開平7−308540号公報には、排ガスを酸性硫安の融点(147℃)以下に調温してからアンモニアを注入する方法が提案されている。これらの方法は、酸性硫安を腐食性のない固体状のダストとして捕集することによって、電気集塵装置の腐食を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SO3 とアンモニアの反応で生成されるダストは、粒径が小さく、単位ガス中に占める粒子の表面積の総和が大きいという問題がある。したがって、このダストを含む排ガスを乾式電気集塵装置に導くと、空間電荷効果によって放電電流が抑制されるため、ダストを十分に帯電できず、集塵効率が低下する。集塵効率を向上させるためには、装置容量を大きくして帯電時間を増加させればよいが、装置の設置スペースや装置重量の面から、より小型の装置が望まれている背景があり、装置を大型化することはできない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、乾式電気集塵装置において、三酸化硫黄とアンモニアの生成化合物を効率良く捕集することのできる排ガス処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る排ガス処理方法は、前記目的を達成するために、三酸化硫黄が含まれる排ガス中にアンモニアを注入し、アンモニアの注入によって生成したダストを電気集塵装置で捕集することによって、前記三酸化硫黄を排ガス中から除去する排ガス処理方法において、前記アンモニアが注入される前の排ガスを冷却手段によって冷却するとともに、一定印加電圧下における前記電気集塵装置の放電電流値を検出し、該放電電流値に基づいて前記冷却手段を制御することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る排ガス処理装置は、前記目的を達成するために、三酸化硫黄が含まれる排ガス中にアンモニアを注入する注入手段と、該注入手段のアンモニア注入によって生成されたダストを捕集する電気集塵装置とを備えた排ガス処理装置において、前記注入手段がアンモニアを注入する前の排ガスを冷却する冷却手段と、一定印加電圧下における前記電気集塵装置の放電電流値を検出する検出手段と、該検出手段により検出された前記放電電流値に基づいて前記冷却手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記排ガス処理方法及び上記排ガス処理装置によれば、一定印加電圧下における前記電気集塵装置の放電電流値を検出し、該放電電流値に基づいて冷却手段を制御する。このとき、電気集塵装置の放電電流値が最大になる冷却手段の冷却量を求め、該冷却量に基づいて冷却手段を制御することが好ましい。冷却手段による冷却量と、電気集塵装置の電流値または電圧値との間には相関関係があり、冷却手段を適切な冷却量に制御すると、電気集塵装置の電流値または電圧値が増加し、電気集塵装置の集塵効率が向上する。
【0010】
上記排ガス処理方法及び上記排ガス処理装置において、前記放電電流値が最大になる前記冷却量を定期的に更新することが好ましい。これにより、排ガスの成分などが経時的に変化しても、常に高い集塵効率を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係る排ガス処理方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0012】
図1は、本発明に係る排ガス処理装置10のフローを示す概略図である。
【0013】
同図に示すように、排ガス処理装置10は、ボイラ12の後段に、脱硝装置14、エアヒータ16、冷却装置18、乾式電気集塵装置20、湿式脱硫装置22、湿式電気集塵装置24、煙突26が順に配設され、これらがダクト28a〜28gによって連通されている。
【0014】
ボイラ12は、重油、残さ油、重質油、石油コークス等の石油系燃料を燃焼させ、硫黄酸化物を多く含む約400℃の燃焼排ガスを後段に排出する。ボイラ12から排出された排ガスは、まず、脱硝装置14に導入され、排ガス中のNOx が除去される。次いで、排ガスは、エアヒータ16に導入されて熱回収され、約170℃に冷却される。エアヒータ16は、排ガスから回収した熱によって燃焼用空気(不図示)を昇温させ、この燃焼用空気をボイラ12に供給する。
【0015】
エアヒータ16を通過した排ガスは、冷却装置18に導入される。冷却装置18の内部にはノズル30が設けられ、このノズル30には、配管32が連通されている。したがって、配管32を介してノズル30に水を供給すると、ノズル30から水が噴霧され、冷却装置18を通過する排ガスが冷却される。
【0016】
配管32には、流量調節バルブ34が配設され、この流量調節バルブ34の開度を調節することによって、ノズル30に供給される水の流量が調節される。すなわち、ノズル30から噴霧される水の流量(以下、スプレ水の流量)が調節され、よって、冷却装置18を通過する排ガスの温度が調節される。なお、流量調節バルブ34は信号ケーブルを介して制御装置36に接続されており、制御装置36によってその開度が調節される。
【0017】
冷却装置18と乾式電気集塵装置20とを連通する配管28dには、アンモニア注入配管40が設けられ、このアンモニア注入配管40からアンモニアガスが排ガス中に注入される。注入されたアンモニアは排ガス中のSO3 と反応し、硫安を生成する。
【0018】
硫安のダストを含む排ガスは、乾式電気集塵装置20に導入される。乾式電気集塵装置20は、排ガス中のダストに荷電を与え、帯電したダストをクーロン力によって捕集する。
【0019】
ダストが捕集された排ガスは、湿式脱硫装置22に導入される。湿式脱硫装置22は、消石灰や水酸化マグネシウム等のスラリを排ガス中に噴霧することによって、主に排ガス中の二酸化硫黄を吸収除去する。
【0020】
二酸化硫黄が除去された排ガスは、湿式電気集塵装置24に導入され、排ガス中のミストが除去される。以上により、排ガス中から硫黄酸化物などの有害物質が除去され、その排ガスが、煙突26から大気に放出される。
【0021】
ところで、乾式電気集塵装置20には、放電電流値を検出する電流検出器38が設けられている。電流検出器38は信号ケーブルを介して制御装置36に接続される。制御装置36は、電流検出器38から出力された検出信号に基づいて、乾式電気集塵装置20の放電電流値とスプレ水の流量(すなわち、流量調節バルブ34の開度)との関係を求める。そして、適切なスプレ水の流量を求め、求めた流量となるように流量調節バルブ34を調節する。
【0022】
以下に、乾式電気集塵装置20の放電電流値とスプレ水の流量との関係について説明する。図2は、図1に示す排ガス処理装置10で実験を行った結果であり、SO3 濃度が30ppm の排ガスを冷却装置18に導入し、流量調節バルブ34の開度を調節してスプレ水の流量を変化させながら、乾式電気集塵装置20の入口でのフライングダストの粒径、及び、乾式電気集塵装置20での一定印加電圧下における放電電流値を測定したものである。
【0023】
図2から分かるように、スプレ水の流量を変化させると、これに伴ってフライングダストの平均粒径や乾式電気集塵装置20の放電電流値も変化する。具体的には、平均粒径や放電電流値は、スプレ水の流量が約4.8(L/h) の時をピークとして、約4.3〜5.3(L/h) の範囲で著しく増加している。
【0024】
乾式電気集塵装置20の集塵性能は、一般にダスト粒径や放電電流値に影響され、これらの大きい方が集塵効率が高い。したがって、スプレ水の流量を約4.3〜5.3(L/h) の範囲に、好ましくは約4.8(L/h) に調節すれば、大きな放電電流が流れ、図3に示す如く、乾式電気集塵装置20の集塵効率が上昇することになる。
【0025】
次に上記の如く構成された排ガス処理装置10の作用について説明する。
【0026】
制御装置36は、まず、流量調節バルブ34の開度を調節してスプレ水の流量を変化させながら、電流検出器38で乾式電気集塵装置20の電流値を検出する。これにより、図2に示すようなデータ、すなわち、スプレ水の流量と放電電流値との相関関係が得られる。制御装置36は、このデータに基づき、放電電流が増加するような、スプレ水の適切な流量(例えば約4.3〜5.3(L/h) )を求める。
【0027】
次に、制御装置36は、流量調節バルブ34の開度を調節し、ノズル30から適切な流量のスプレ水を噴霧する。これにより、乾式電気集塵装置20における放電電流が増加するので、乾式電気集塵装置20は、常に高い集塵効率を得ることができる。
【0028】
このように本実施の形態によれば、電流検出器38の検出値に基づいてスプレ水の流量を適切な値に制御するので、大きな放電電流が流れ、常に高い集塵効率を得ることができる。
【0029】
また、本実施の形態は、電流検出器38の実測値から適切なスプレ水の流量を求めるので、排ガス中のSO3 濃度が不明であっても高い集塵効率を得ることができる。
【0030】
なお、上述した実施の形態において、制御装置36は、適切なスプレ水の流量を定期的に更新するとよい。すなわち、定期的に、スプレ水の流量を変化させながら電流検出器38で電流値を検出し、それによって得られたデータから適切な流量を求める。そして、新たに得られたスプレ水の流量になるように流量調節バルブ34を制御する。これにより、例えば排ガスの成分が経時的に変化する場合であっても、常に高い捕集効率を得ることができる。
【0031】
また、上述した実施の形態は、乾式電気集塵装置20の電流値を電流検出器38で検出し、この電流値に基づいて流量調節バルブ34を制御したが、これに限定するものではなく、乾式電気集塵装置20の電圧値を検出し、この電圧値に基づいて制御を行ってもよい。
【0032】
また、上述した実施の形態は、スプレ水の流量を調節することによって排ガスの冷却量を調節したが、これに限定するものではなく、噴霧する水の温度を制御してもよい。さらに、他の冷却方法によって排ガスの温度を調節してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る排ガス処理方法及び装置によれば、電気集塵装置の電流値または電圧値に基づいて冷却手段の適切な冷却量を求め、この適切な冷却量となるように冷却手段を制御したので、電気集塵装置の電流値または電圧値が増加し、電気集塵装置の集塵効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排ガス処理装置のフローを示す図
【図2】図1の排ガス処理装置を用いて行った実験結果を示す図
【図3】スプレ水量と集塵率との関係を示す図
【符号の説明】
10…排ガス処理装置、12…ボイラ、14…脱硝装置、16…エアヒータ、18…冷却装置、20…乾式電気集塵装置、22…湿式脱硫装置、24…湿式電気集塵装置、26…煙突、28a〜28g…ダクト、30…ノズル、32…配管、34…流量調節バルブ、36…制御装置、38…電流検出器、40…アンモニア注入配管
Claims (6)
- 三酸化硫黄が含まれる排ガス中にアンモニアを注入し、アンモニアの注入によって生成したダストを電気集塵装置で捕集することによって、前記三酸化硫黄を排ガス中から除去する排ガス処理方法において、
前記アンモニアが注入される前の排ガスを冷却手段によって冷却するとともに、一定印加電圧下における前記電気集塵装置の放電電流値を検出し、該放電電流値に基づいて前記冷却手段を制御することを特徴とする排ガス処理方法。 - 前記電気集塵装置の前記放電電流値が最大になる前記冷却手段の冷却量を求め、該冷却量に基づいて前記冷却手段を制御することを特徴とする請求項1記載の排ガス処理方法。
- 前記放電電流値が最大になる前記冷却量を定期的に更新することを特徴とする請求項2記載の排ガス処理方法。
- 三酸化硫黄が含まれる排ガス中にアンモニアを注入する注入手段と、該注入手段のアンモニア注入によって生成されたダストを捕集する電気集塵装置とを備えた排ガス処理装置において、
前記注入手段がアンモニアを注入する前の排ガスを冷却する冷却手段と、
一定印加電圧下における前記電気集塵装置の放電電流値を検出する検出手段と、
該検出手段により検出された前記放電電流値に基づいて前記冷却手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする排ガス処理装置。 - 前記制御手段は、前記電気集塵装置の前記放電電流値が最大になる前記冷却手段の冷却量を求め、該冷却量に基づいて前記冷却手段を制御することを特徴とする請求項4記載の排ガス処理装置。
- 前記制御手段は、前記放電電流値が最大になる前記冷却量を定期的に更新することを特徴とする請求項5記載の排ガス処理装置。
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