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JP4301466B2 - クランプ式電流センサ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々のタイプの被測定導体に対し柔軟に対応させて円滑に使用できるフレキシブル性を有し、かつ、低い電流値であっても測定できるクランプ式電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5(イ)は従来からあるフレキシブル性を備えたクランプ式電流センサの一例についての使用時における概略外観図を、図5(ロ)は不使用時における概略外観図を、図6はその内部構造をそれぞれ示すものであり、これらの図によれば、棒状のシリコーンゴムからなる芯材3の外周面4に螺旋状に巻線5を施した上で軟質な絶縁チューブ6を被着することによりセンサ部2が形成されている。
【0003】
また、上記センサ部2には、その一端部と他端部とに相互の嵌合を自在としたキャップ7,8が覆設されており、これらのキャップ7,8には、センサ部2の端面相互を突き合わせた際に双方を一体的に連結する掛合フック(図示せず)が付設されてクランプ式電流センサ1の全体が形成されている。なお、図中の符号9は出力ケーブルを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来からある上記クランプ式電流センサ1によっても被測定導体の形状の如何を問わず柔軟に対応させながらクランプして電流を測定することはできる。
【0005】
しかし、上記クランプ式電流センサ1は、大電流値の測定には向いているものの、磁気コアを備えていない構造のために小さな電流値を測定するのが困難であるという問題があった。
【0006】
さらに、この種の構造を備えたクランプ式電流センサは、一般に比較的大型であることから、コンパクトで操作性にも優れたハンディな構造を備えたものが未だ製品化されていないという不便さもあった。
【0007】
本発明は従来技術にみられた上記課題に鑑み、種々のタイプの被測定導体に対し柔軟に対応させて円滑に使用できるフレキシブル性を有し、かつ、低い電流値であっても測定でき、しかも、その小型化も容易なクランプ式電流センサを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成すべくなされたものであり、その構成上の特徴は、一端部に連結部を有する磁性板状片を前記連結部を残してボビンの一側開口部と他側開口部とから交互に挿入して積層配置してなる複数個の各磁気コアを、それぞれの隣り合う一方の磁気コアの一側開口部の側の各連結部と他方の磁気コアの他側開口部の側の各連結部とを交互に積層させて揺動自在に軸支し、かつ、縦列配置される一連のボビンに対し芯線の始端と終端とを連続させて各別に巻線を施した後に接続させた出力コードを導出させてなる多関節センサ部と、該多関節センサ部を収容して一体的に保持する軟質な絶縁チューブとを備え、該絶縁チューブの一端部と他端部とには、前記多関節センサ部の一端側に位置するボビンの一側開口部から突出する各連結部と、他端側に位置するボビンの他側開口部から突出する各連結部とを交互に積層させて突き合わせるべく、相互の接離が自在に対となって形成された掛合用キャップを付設したことにある。なお、この場合、前記磁性板状片のそれぞれは、各連結部の外周部にその軸支時に同一平面にて対向して隣接する他の各磁性板状片の他端部と当接するストッパーを設け、相互間に相対的に形成される揺動角の規制を自在にして配設するのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一例を示すものであり、そのうち、(イ)は使用時における縦断面図を、(ロ)は不使用時における縦断面図をそれぞれ示す。
【0010】
同図によれば、本発明に係るクランプ式電流センサ11は、多関節センサ部12と、該多関節センサ部12を収容して一体的に保持する例えば厚さが2mm程度のシリコーンゴムや合成樹脂材など、適宜厚さの軟質な中空素材からなる絶縁チューブ31とを少なくとも備えてその全体が構成されている。なお、該絶縁チューブ31としては、例えば蛇腹構造などのように優れた伸縮性や可撓性があらかじめ付与されているものを用いることもできる。
【0011】
多関節センサ部12は、図2に示すようにボビン18に複数枚の磁性板状片14を積層配置して縦列方向に連続させた複数個の磁気コア13と、縦列配置される一連のボビン18に対し始端と終端とが連続する芯線27を用いて各別に順次施された巻線21と、該巻線21から引き出される芯線27の開放端部に接続させて導出された出力コード23とを備えて形成されている。
【0012】
このうち、磁性板状片14は、例えばけい素鋼やパーマロイなどのように透磁率の高い素材が用いられ、その一端部14aには通孔16を有する連結部15を有し、該連結部15を除いた他端部14bへと至る部位には同一幅の板片部18を有してその全体が形成されている。
【0013】
この場合、磁性板状片14における連結部15の外周部には、その軸支時に同一平面にて対向して隣接している他の磁性板状片14の他端部14bとの間で所要の揺動性が確保し得るように該他端部14bに形成されている当接端19と当接して外側方向への揺動が規制される第1ストッパー部17aと、内側方向への揺動が規制される第2ストッパー部17bとからなるストッパー17を設けることにより、図1(ロ)における一点鎖線による囲繞部分を拡大して示す図4(イ),(ロ)からも明らかなように、相互間に相対的に形成される揺動角θの規制を自在としておくのが好ましい。なお、この場合には、互い違いに積層される磁性板状片14はそのいずれもが第1ストッパー部17aを外側に位置させ、第2ストッパー部17bを内側に位置させて配置されることになる。
【0014】
すなわち、図4(イ)に示されるように、一方の側に位置する磁性板状片14と、その軸支時に同一平面にて対向して隣接する他方の側の磁性板状片14とを直線状に縦列配置させた際には、一方の側の磁性板状片14の連結部15に設けられている第1ストッパー部17aが他方の磁性板状片14の他端部14bに設けられている当接端19の外端19aと当接して外側方向に揺動できないようにしておくのが好ましい。
【0015】
また、図4(ロ)に示されるように、一方の側に位置する磁性板状片14と、その軸支時に同一平面にて対向して隣接する他方の側の磁性板状片14とを相対的に内側方向へと所定の揺動角θ(例えば150度)まで揺動させた際には、一方の側の磁性板状片14の連結部15に設けられている第2ストッパー部17bが他方の磁性板状片14の他端部14bに設けられている当接端19の内端19bと当接してそれ以上は内側に揺動できないようにしておくのが好ましい。
【0016】
さらに、絶縁性の合成樹脂からなるボビン21は、略方形を呈する適宜口径の一側開口部24と他側開口部25とを連通させた中空部22aを備えてその周面に巻線26が施される適宜長さの巻胴部22と、該巻胴部22の一側開口部24と他側開口部25とに各別に隆設されたフランジ部23とを備えてその全体が形成されている。
【0017】
しかも、個々の磁気コア13は、図3(イ),(ロ)に示されるように適宜枚数の磁性板状片14の板片部18をボビン21の一側開口部24と他側開口部25とから交互に挿入して積層配置することにより形成されている。つまり、ボビン21の一側開口部24の側から突出している各連結部15と、他側開口部25の側から突出している各連結部15とのそれぞれは、板片部18の板厚分の空隙tを介在させた状況のもとで平行な面相互が対面する配置関係となることになる。
【0018】
このようにして形成された複数個の磁気コア13は、それぞれの隣り合う一方の磁気コア13の一側開口部24の側の各連結部15と他方の磁気コア13の他側開口部25の側の各連結部15とを空隙tを介することにより、それぞれの通孔16が対面合致する位置関係のもとで嵌め合わせた上で、通孔16にリベットやビスなどからなる軸支材20を遊挿させて軸支することにより、該軸支材20の軸方向とは直交する面方向への揺動性が付与された状態のもとで縦列配置されることになる。
【0019】
かくして、それぞれの隣り合う一方の磁気コア13の一側開口部24の側の各連結部15と他方の磁気コア13の他側開口部25の側の各連結部15とを揺動自在に軸支して各磁気コア13を縦方向に配列させた後は、縦列配置される一連のボビン21に対しその始端と終端とを連続させて各別に巻線26を施した後に接続させた出力コード28を導出することにより、多関節センサ部12が形成されることになる。なお、この場合における巻線26の処理は、芯線27を整列させた一層巻きで巻き付けたり、整列状態となった二層以上の複層巻きで巻き付けるなどして行うことができる。また、隣り合う一方のボビン21と他方のボビン21との間に位置する芯線27の長さは、揺動時おける断線を防止し得るように配慮した上で適宜定めることができる。
【0020】
一方、絶縁チューブ31の一端部32と他端部33とには、多関節センサ部12の一端側に位置するボビン21の一側開口部24から突出する各連結部15と、他端側に位置するボビン21の他側開口部25から突出する各連結部とを交互に積層させた状態で突き合わせるべく、例えば一端部32には周面に凹陥部36を有する一側キャップ部35を付設し、他端部33には凹陥部36と掛合する掛止腕部38を有する他側キャップ部37がそれぞれ付設されており、これら一側キャップ部35と他側キャップ部37とで相互の接離が自在な掛合用キャップ34が対となって形成されている。なお、一側キャップ部35内には、連結部15を押圧支持するリップ片39を突設しておくのが望ましい。また、一側キャップ部35と他側キャップ部37とは、図示例のように絶縁チューブ31に一体に形成することができるほか、絶縁チューブ31とは別体に形成し、その組立時に接着剤を用いて相互を接合固着したり、加熱溶着するなどして付設することもできる。
【0021】
本発明はこのようにして構成されているので、その使用時には、図示しない適宜の被測定導体を囲繞すべく略円環状に配置した後、図1(イ)に示すように絶縁チューブ31がその一端部32に有する一側キャップ部35の凹陥部36に、絶縁チューブ31がその他端部33に有する他側キャップ部37の掛止腕部38を掛合させることにより、多関節センサ部12の一端側から突出している各連結部15と他端側から突出している各連結部15とを交互に積層させた状態のもとで相互に突き合わせることができる。
【0022】
したがって、本発明に係るクランプ式電流センサ11によれば、被測定導体の形状の如何を問わず柔軟に対応させながら容易にクランプして電流を測定することができる。しかも、該クランプ式電流センサ11は、複数個の磁気コア13を内蔵しているため、出力コード28を介して大きな出力を得ることができるので、低い電流値であって検出することができる。さらに、該クランプ式電流センサ11は、縦列配置される一連のボビン21の巻胴部22のそれぞれにその全周にわたり均一に巻線26が施されているので、囲繞される被測定導体の位置の如何にかかわらず安定的に電流値を検出することができる。
【0023】
一方、不使用時には、絶縁チューブ31がその一端部32に有する一側キャップ部35と、他端部33に有する他側キャップ部37とで形成されている掛合用キャップ34の掛合関係を解除することにより、図1(ロ)に示すようにその全体を略U字形を呈する姿態としたり、一本の棒状を呈する姿態とすることができるので、収納場所や保管場所に関する制約をそれだけ少なくして柔軟に対応させることができる。
【0024】
また、磁性板状片14における連結部15の外周部に第1ストッパー部17aと第2ストッパー部17bとからなるストッパー17が、該磁性板状片14の他端部14bに外端19aと内端19bとからなる当接端19がそれぞれ設けられている場合には、一方の側に位置する磁性板状片14と、その軸支時に同一平面にて対向して隣接する他方の側の磁性板状片14とを直線状に縦列配置させた際に、一方の側の磁性板状片14の第1ストッパー部17aが他方の磁性板状片14の当接端19の外端19aと当接して外側方向に揺動するのを阻止することができので、電流の測定作業を円滑に進めることができる。
【0025】
さらに、一方の側に位置する磁性板状片14と、その軸支時に同一平面にて対向して隣接する他方の側の磁性板状片14とを内側方向へと揺動させた際には、一方の側の磁性板状片14の第2ストッパー部17bが他方の磁性板状片14の当接端19の内端19bと当接して内側方向に所定の揺動角θ以上に揺動するのを阻止することができるので、使用時に形成される円環形状をより確実な均一な状態にすることができる。
【0026】
なお、多関節センサ部12を形成する際の巻線26処理は、直線的に配列させたボビン21に対して行うことができるので、自動巻線機も汎用機で足りることからそれだけ製品コストの引き下げに寄与させることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、クランプ式電流センサの全体に揺動性が付与されているので、被測定導体に対し柔軟に対応し得るのみならず、その収納場所や保管場所についても柔軟に対処することができ、作業性の向上に寄与させることができる。
【0028】
また、本発明に係るクランプ式電流センサには、巻線を施した磁気コアを内蔵させてあるので、低い電流値であっても精度を高くして安定的に検出することができる。
【0029】
さらに、磁性板状片における連結部の外周部にストッパーを設けてある場合には、外側方向へと揺動するのを阻止できるばかりでなく、内側方向に所定の揺動角以上に揺動することをも阻止することができるので、操作性の向上に有効に寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す縦断面図であり、このうちの(イ)は使用時における状態を、(ロ)は不使用時における状態をそれぞれ示す。
【図2】本発明を構成する磁気コア相互の連結状態を要部を分解して示す説明図。
【図3】本発明を構成する磁気コア単体の構成例につき、平面図を(イ)として、側面図を(ロ)としてそれぞれ示す。
【図4】本発明を構成する磁気コア相互の揺動状態につき、外側方向への揺動規制状態を(イ)として、内側方向への揺動規制状態を(ロ)としてそれぞれ示す。
【図5】従来からあるフレキシブル性を備えたクランプ式電流センサの一例につき、使用時における概略外観図を(イ)として、不使用時における概略外観図を(ロ)としてそれぞれ示す。
【図6】図5のクランプ式電流センサの内部構造を示す要部説明図。
【符号の説明】
11 クランプ式電流センサ
12 多関節センサ部
13 磁気コア
14 磁性板状片
14a 一端部
14b 他端部
15 連結部
16 通孔
17 ストッパー
17a 第1ストッパー部
17b 第2ストッパー部
18 板片部
19 当接端
20 軸支材
21 ボビン
22 巻胴部
22a 中空部
23 フランジ部
24 一側開口部
25 他側開口部
26 巻線
27 芯線
28 出力コード
31 絶縁チューブ
32 一端部
33 他端部
34 掛合用キャップ
35 一側キャップ部
36 凹陥部
37 他側キャップ部
38 掛止腕部
39 リップ片

Claims (2)

  1. 一端部に連結部を有する磁性板状片を前記連結部を残してボビンの一側開口部と他側開口部とから交互に挿入して積層配置してなる複数個の各磁気コアを、それぞれの隣り合う一方の磁気コアの一側開口部の側の各連結部と他方の磁気コアの他側開口部の側の各連結部とを交互に積層させて揺動自在に軸支し、かつ、縦列配置される一連のボビンに対し芯線の始端と終端とを連続させて各別に巻線を施した後に接続させた出力コードを導出させてなる多関節センサ部と、該多関節センサ部を収容して一体的に保持する軟質な絶縁チューブとを備え、該絶縁チューブの一端部と他端部とには、前記多関節センサ部の一端側に位置するボビンの一側開口部から突出する各連結部と、他端側に位置するボビンの他側開口部から突出する各連結部とを交互に積層させて突き合わせるべく、相互の接離が自在に対となって形成された掛合用キャップを付設したことを特徴とするクランプ式電流センサ。
  2. 前記磁性板状片のそれぞれは、各連結部の外周部にその軸支時に同一平面にて対向して隣接する他の各磁性板状片の他端部と当接するストッパーを設け、相互間に相対的に形成される揺動角の規制を自在にして配設したことを特徴とする請求項1記載のクランプ式電流センサ。
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