JP4305139B2 - ガスバリア性積層体及び該積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムは、強度、透明性、成形性に優れていることから、包装材料として幅広い用途に使用されている。しかし、これらの熱可塑性樹脂フィルムは酸素等のガス透過性が大きいので、一般食品、レトルト処理食品、化粧品、医療用品、農薬等の包装に使用した場合、長期間保存する内にフィルムを透過した酸素等のガスにより内容物の変質が生じることがある。
しかし、上記公報に提案される方法では、高度なガスバリア性を発現させるためには高温での加熱処理もしくは長時間の加熱処理が必要であり、製造時に多量のエネルギーを要するため環境への負荷が少なくない。
また、高温で熱処理すると、バリア層を構成するPVA等の変色や分解の恐れが生じる他、バリア層を積層しているプラスチックフィルム等の基材に皺が生じるなどの変形が生じ、包装用材料として使用できなくなる。プラスチック基材の劣化を防ぐためには、高温加熱に十分耐え得るような特殊な耐熱性フィルムを基材とする必要があり、汎用性、経済性の点で難がある。
一方、熱処理温度が低いと、非常に長時間処理する必要があり、生産性が低下するという問題点が生じる。
尚、一般にポリマー分子を架橋することにより耐水性は向上するが、ガスバリア性は酸素等の比較的小さな分子の侵入や拡散を防ぐ性質であり、単にポリマーを架橋してもガスバリア性が得られるとは限らず、たとえば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの三次元架橋性ポリマーはガスバリア性を有していない。
しかし、特許文献1〜10に記載される、加熱によって、PVA中の水酸基とポリアクリル酸中もしくはエチレン−マレイン酸共重合体中のCOOHとをエステル化反応させたり、金属架橋構造を導入するという方法では、バリア性の向上には限界があった。すなわち、常温高湿度下での測定ではバリア性はさほど劣化しないが、より高温高湿度下に放置することでバリア性が劣化する、という問題点が生じた。
これは、加熱処理によってプラスチック基材や形成されつつあるバリア層が熱劣化したり、高温高湿度下に放置することによってバリア層の分子鎖が緩んだためと考えられる。また、高温長時間という加熱条件は、プラスチック基材や形成されつつあるバリア層の着色やカールをも生起し、この点でも好ましくない。
以上の結果、高温高湿度下におけるガスバリア性のさらなる向上が益々要求されつつある今日、特許文献1〜10に記載されるコート剤を加熱、硬化するだけでは、より厳しい要求には応えられなかった。
すなわち、第1の発明は、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A1)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体に関する。
第3の発明は、印刷層(E)がさらに設けられていることを特徴とする上記発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関する。
第5の発明は、アミノ基含有ポリマーが、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを構成成分とするポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記第4の発明に記載のガスバリア性積層体に関し、
第6の発明は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び/又はジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする上記第5の発明に記載のガスバリア性積層体に関する。
第9の発明は、オレフィン―マレイン酸共重合体が、エチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする上記第8の発明に記載のガスバリア性積層体に関する。
第11の発明は、2価以上の金属化合物が、カルボキシル基と反応し得る、Mg化合物及び/又はCa化合物であることを特徴とする上記第10の発明に記載のガスバリア性積層体に関する。
以下、本発明の積層体の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。図1〜図8は、本発明の積層体の断面の構成を示す概略図である。
本発明のガスバリア性積層体(I)は、図1に示すように、プラスチック層(C)の片面にポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)を積層した構造を基本構成としている。
図4は、プラスチック層(C)の片面にポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)又はポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層(A2)を積層し、プラスチック層(C)のガスバリア層(B)が積層されていない面に印刷層(E)を積層した態様を示す。
具体的には、プラスチック層(C)の片面に、アンダーコート層(D)を介して、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)又はポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層(A2)を積層し、プラスチック層(C)のガスバリア層(B)が積層されていない面に印刷層(E)を積層した態様を示す。
以下に、各々の層について詳細に説明する。
オーバーコート層(以下、OC層)(A1)、(A2)は、後述するガスバリア層(B’)上に塗布し、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得るためのものであり、
OC層(A1)は、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるものであり、
OC層(A2)は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属化合物を含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるものである。
本発明で使用するアミノ基含有ポリマーは、分子内に2個以上のアミノ基を有するポリマーであり、ポリビニルアミン、ポリビニルジアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリアリルジアルキルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミド、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂や、
アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(CH2CH2Oユニットの繰り返しが1〜6のものが好ましい)、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等、の水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーや、
(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等、のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーが挙げられる。
また、この他にも、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
そのため、アミノ基含有ポリマーは、よりカチオン性であることが望ましく、アミノ基が可能な限り多いことが望ましいが、塗膜や積層体としての諸物性等からアミノ基含有モノマーと、その他のモノマーとのコポリマーを用いることが好ましい。
その他のモノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーといったカチオン性を阻害するアニオン性のモノマーより、水酸基含有モノマーや、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステルなどが好ましい。
2価以上の金属化合物を含有することによって、隣接するガスバリア層(B)中に架橋構造を形成し得る。2価以上の金属化合物は、カルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。カルボキシル基と反応することによって、好適に架橋構造を形成する。ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
後述するように、本発明において形成されたガスバリア層(B’)は、アミノ基含有ポリマーを含むOC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することによって最終のガスバリア層(B)を形成する。この時、アミノ基含有ポリマーと2価以上の金属化合物を含有したOC層形成用塗料を用いた場合、金属化合物がOC層形成用塗料からガスバリア層(B’)に移行し、バリア層(B’)内のカルボキシル基と反応することによって、アミノ基含有ポリマーのみの架橋構造より、さらに好適に架橋構造を形成し、より高温高湿度下でのバリア性に優れたバリア層(B)を形成するものと考えられる。
本発明で使用するポリアルコール系ポリマー(a−1)は、分子内に2個以上の水酸基を有するポリマーであり、PVA、エチレンービニルアルコール共重合体、糖類や、
水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等、のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーや、
クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
これは、金属化合物によって、隣接するガスバリア層(B)中に架橋構造を形成し得るためだと考えられる。架橋構造を形成したバリア層(B)は高温高湿度下に放置した後もバリア性に優れる。
そのため、ポリアルコール系ポリマー(a−1)は2価以上の金属化合物と塩を形成しないものが好ましい。水酸基含有モノマーと、その他のモノマーとのコポリマーを用いる場合は、その他のモノマーとしては、カルボキシル基があると金属化合物がバリア層に移行し難くなるため、カルボキシル基含有モノマーよりメタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステルなどが好ましい。
2価以上の金属化合物を含有することによって、隣接するガスバリア層(B)中に架橋構造を形成し得る。2価以上の金属化合物は、カルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。カルボキシル基と反応することによって、好適に架橋構造を形成する。ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
後述するように、本発明において形成されたガスバリア層(B’)は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と金属化合物を含むOC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することによって最終のガスバリア層(B)を形成する。この時、金属化合物がOC層形成用塗料からガスバリア層(B’)に移行し、バリア層(B’)内のカルボキシル基と反応することによって好適に架橋構造を形成し、より高温高湿度下でのバリア性に優れたバリア層(B)を形成するものと考えられる。
2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩もしくは亜硫酸塩(M1)、
ジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩もしくは有機酸のジルコニウム塩(M2)等が挙げられ、金属化合物(M1)が好ましい。2価以上の金属化合物としては、各群から選ばれる1種を単独で使用することもできるし、各郡内の2種以上を併用することもできるし、各群から選ばれる1種以上を併用することもできる。
2価以上の金属としては、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、AlもしくはZrが好ましく、Mg、Caがより好ましく、Caがさらに好ましい。
Mg化合物としては、MgO、Mg(OH)2、MgSO4、MgCl2、MgCO3、Mg(NO3)2、Mg(CH3COOH) 2、Mg3(PO4) 2、等が挙げられ、Ca化合物としては、CaO、Ca(OH)2、CaSO4、CaCl2、CaCO3、Ca(NO3)2、Ca(CH3COOH) 2、Ca3(PO4) 2等が挙げられ、MgO、Mg(OH)2、MgCO3、MgCl2、Mg(NO3)2、MgSO4等のMg化合物や、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、CaCl2、Ca(NO3)2、CaSO4等のCa化合物が好ましく、MgCl2、Mg(OH)2、MgCO2、CaCl2、Ca(OH)2CaCO2、がさらに好ましい。
架橋剤としては、OC層形成用塗料やガスバリア層形成用塗料に含有されるアミノ基や水酸基、カルボキシル基と反応するものが好ましく、そのような架橋剤としてはイソシアネート化合物、エポキシ化合物、ジアミン化合物、ジアルヒデヒド化合物、メラミン系化合物、ビスオキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられ、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。
本発明におけるOC層(A1)、(A2)の厚みは、高温高湿度下に放置した後の積層体のガスバリア性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが望ましい。
[ガスバリア層(B)]
本発明のガスバリア層は、後述するプラスチック層(C)等に塗布し、ガスバリア性を付与するためのものであり、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されるものである。即ち、ガスバリア層形成用塗料を塗布した後、加熱処理を行うことによってポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとのエステル化反応が生起し、最終のガスバリア層(B)の前駆体ともいうべきガスバリア層(B’)が生成される。該前駆体に、上述のOC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することで、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得ることができる。
本発明で使用するポリアルコール系ポリマー(b−1)は、分子内に2個以上の水酸基を有するポリマーであり、PVA、エチレンービニルアルコール共重合体、糖類や、
ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリグリセリン(メタ)アクリレートといった水酸基を有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
例えば、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられる。
本発明で使用するポリカルボン酸系ポリマーは、分子内に2個以上のカルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリマーであり、カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸が挙げられ、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸が好ましい。
例えば、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられる。
したがって、本発明においては、特記しない限り、マレイン酸単位と無水マレイン単位とを総称してマレイン酸単位という。
また、本発明で用いられるオレフィン−マレイン酸共重合体は、重量平均分子量が3000〜1000000であることが好ましく、5000〜900000であることがより好ましく、10000〜800000であることが更に好ましい。
ガスバリア性という観点からは、無機層状化合物の含有量は多い方が好ましい。しかし、無機層状化合物は、水親和性が強く吸湿しやすい。また無機層状化合物を含有する塗料は、高粘度化しやすいので塗装性を損ないやすい。さらに無機層状化合物の含有量が多いと、形成されるガスバリア層やガスバリア性積層体の透明性が低下する。
そこで、これらの観点から無機層状化合物は、ポリアルコール系ポリマー(b−1)と、ポリカルボン酸系ポリマーとの合計100重量部に対して、1〜300重量部であることが好ましく、2〜200重量部であることがより好ましく、多くとも100重量部であることがさらに好ましい。
無機層状化合物の好ましい例としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、フッ素
雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト、緑泥石、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、テトラシリリックマイカ、タルク、パイロフィライト、ナクライト、カオリナイト、ハロイサイト、クリソタイル、ナトリウムテニオライト、ザンソフィライト、アンチゴライト、ディッカイト、ハイドロタルサイトなどがあり、膨潤性フッ素雲母又はモンモリロナイトが特に好ましい。
ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとの比によっても影響を受け得るので、ガスバリア層形成用塗料の好ましい加熱処理条件は一概には言えないが、100℃以上300℃以下の温度で行うことが好ましく、110℃以上250℃以下がより好ましく、120℃以上220℃以下がさらに好ましく、130℃以上200℃以下がさらに好ましく、140℃以上180℃以下が特に好ましい。
詳しくは、100℃以上140℃未満の温度範囲で90秒以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で1分以上、または180℃以上250℃未満の温度範囲で30秒以上の熱処理を行うことが好ましく、
100℃以上140℃未満の温度範囲で2分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で90秒以上、または180℃以上220℃以上の温度範囲で1分以上の熱処理を行うことがより好ましく、
100℃以上140℃未満の温度範囲で4分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で3分以上、または180℃以上210℃未満の温度範囲で2分程度の熱処理を行うことが特に好ましい。
加熱処理の温度が低すぎるあるいは時間が短すぎると、架橋反応が不十分となり、ガスバリア層(B’)の耐水性が不十分となり、しいては最終のガスバリア層(B)及び、最終のガスバリア性積層体の耐水性が不十分となる。また、加熱処理を300℃を超える温度で行うと、形成されるガスバリア層(B’)、(B)及びプラスチック層(C)に変形、皺熱分解等が生じ、その結果ガスバリア性等の物性低下が引き起こされ易い。
本発明におけるガスバリア層の厚みは、積層体のガスバリア性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが望ましい。
本発明で用いられるプラスチック層(C)は、熱成形可能な熱可塑性樹脂から押出成形、射出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いは絞り成形等の手段で製造された、フィルム状基材の他、ボトル、カップ、トレイ等の各種容器形状を呈する基材であってもよく、フィルム状であることが好ましい。
また、プラスチック層(C)は、単一の層から構成されるものであってもよいし、あるいは例えば同時溶融押出しや、その他のラミネーションによって複数の層から構成されるものであってもよい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレート等が、
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド;
スチレン系共重合体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が、
塩化ビニル系共重合体としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が、
アクリル系共重合体としては、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等がそれぞれ挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合し使用しても良い。
また、本発明のガスバリア性積層体を用いて包装材を形成する場合、包装材としての強度を確保するために、ガスバリア性積層体を構成するプラスチック層(C)として、各種補強材入りのものを使用することができる。即ち、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、パルプ、コットン・リンター等の繊維補強材、或いはカーボンブラック、ホワイトカーボン等の粉末補強材、或いはガラスフレーク、アルミフレーク等のフレーク状補強材の1種類或いは2種類以上を、前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として2乃至150重量部の量で配合でき、更に増量の目的で、重質乃至軟質の炭酸カルシウム、雲母、滑石、カオリン、石膏、クレイ、硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ粉、炭酸マグネシウム等の1種類或いは2種類以上を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
さらに、ガスバリア性の向上を目指して、鱗片状の無機微粉末、例えば水膨潤性雲母、クレイ等を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
プラスチック層(C)の厚みについては、特に制限はなく種類により最適厚みは異なるが、一般的には強度やハンドリングの点から3〜500μmの範囲である。好ましくは6〜100μmの範囲のものである。
本発明において用いられるアンダーコート層(以下、UC層ともいう)について説明する。UC層(D)は、ガスバリア層(B)と、プラスチック層(C)基材との間に位置し、ガスバリア層の密着性向上の役割を主として担う。
UC層(D)は、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系等種々のポリマーから形成され得、ウレタン系のUC層が好ましい。
(1) ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有するUC用組成物をプラスチック層(C)上に塗工、加熱し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させ、ウレタン系のUC層(D)を形成することができる。該UC層(D)上に、前記ガスバリア層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱すればガスバリア層(B’)を形成することができる。該バリア層(B’)上に、前記OC層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱することによって、プラスチック層(C)/UC層(D)/ガスバリア層(B)/OC層(A1又はA2)からなる積層体を得ることができる。
(2) UC用組成物をプラスチック層(C)上に塗工、乾燥し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が完了していない、UC層(D)の前駆体を得、該前駆体上に前記バリア層形成用塗料の溶液を塗工し、加熱することによってUC層(D)の形成とガスバリア層(B’)の形成とを一度に行い、その後、該バリア層(B’)上に、前記OC層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱することによって、プラスチック層(C)/UC層(D)/ガスバリア層(B)/OC層(A1又はA2)からなる積層体を得ることもできる。
(3) あるいは、UC用組成物をプラスチック層(C)上に塗工後、加熱せずに、前記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、加熱することによってUC層(D)の形成とガスバリア層(B’)の形成とを一度に行い、その後、該バリア層(B’)上に、前記OC層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱することによって、プラスチック層(C)/UC層(D)/ガスバリア層(B)/OC層(A1又はA2)からなる積層体を得ることもできる。
UC用組成物に含まれるポリイソシアネートが,ガスバリア層(B)との界面領域において、ポリアルコール系ポリマー(b−1)中の水酸基とも反応し、密着性向上に寄与する他、ガスバリア層の架橋を補助し、耐水性の向上にも効果があると考えられるので、(2)、(3)の方法が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の脂肪族多価カルボン酸が挙げられる。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオールなどが挙げられる。
また、これらのポリエステルポリオールの数平均分子量は1000〜100000のものが好ましく、3000〜50000のものがより好ましく、10000〜40000のものがさらに好ましい。
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフエニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジ イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、
上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたイソシアヌレート、ビューレット、アロファネート等の多官能ポリイソシアネート化合物、あるいはトリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有の多官能ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIともいう)の三量体である3官能イソシアヌレート体が好ましい。
UC層には上記成分の他に、公知である硬化促進触媒、充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、顔料等の着色剤、可使用時間延長剤等を使用することもできる。
印刷層(E)は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより形成される文字、絵柄等である。
包装材を形成した際の印刷層(E)の位置によって、いわゆる表刷りタイプと裏刷りタイプとがあり、本発明における印刷層(E)はどちらであってもよい。
印刷層(E)の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。
印刷層(E)は、ガスバリア性積層体のどこかに含まれていればよく、全面に形成されたものでもよいし、一部に形成されたものでもよいし、全く形成されないものでも良い。印刷層(E)の位置としては、以下に示すような例が挙げられる。
・ OC層(A1又はA2)/バリア層(B)/UC層(D)/ONy(C)/印刷層(E)、
・ OC層(A1又はA2)/バリア層(B)/UC層(D)/印刷層(E)/ONy(C)、
・ OC層(A1又はA2)/印刷層(E)/バリア層(B)/UC層(D)/ONy(C)、
・ 印刷層(E)/OC層(A1又はA2)/バリア層(B)/UC層(D)/ONy(C)。
積層体のバリア性は、各実施例又は比較例のコンディショニング条件下に放置した後、Modern Control社製、酸素透過試験器OX−TRAN TWINを用い、25℃、80%RHにおける酸素透過度を求めた。具体的には、25℃、80%RHに加湿した酸素ガス及び窒素ガス(キャリアーガス)を用いた。
・OC層/バリア層/プラスチック層の場合
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET+1/POC
・バリア層/プラスチック層の場合
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET
・OC層/プラスチック層の場合
1/Ptotal=1/PPET+1/POC
但し、
Ptotal:オーバーコート層(A1又はA2)と、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、及びプラスチック層(C)とからなる積層フィルムの酸素透過度。UC層を有する場合には、OC層、バリア層、UC層及びプラスチック層の酸素透過度。
Pfilm:ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)の酸素透過度。
PPET:プラスチック層(C)の酸素透過度。UC層を有する場合には、UC層及びプラスチック層(C)の酸素透過度。
POC:オーバーコート層(A1又はA2)の酸素透過度。
PVA(クラレ(株)製、ポバール105(ポリビニルケン化度98〜99%、平均重合度約500))を熱水に溶解後、室温に冷却することにより、PVA水溶液を得た。別途、エチレン−無水マレイン酸共重合体(以下、EMA)(重量平均分子量100000)を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和したEMA水溶液を調整した。
PVAとEMAの重量比(固形分)が表1に示すようになるように、上記PVA水溶液と上記EMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液(=バリア層形成用塗料)を得た。
上記DM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液0.53部、及びブチルセルソルブ(以下、BC)/水=2/1混合溶媒2.71部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:300ppmである。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記DM/MMA、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
得られた積層体を、40℃、90%RHの雰囲気下に7日間放置した以外は実施例1と同様にして、酸素透過度を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.24部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.56部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.79部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:2000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.28部、及びBC/水=2/1混合溶媒4.07部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:1000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.14部、及びBC/水=2/1混合溶媒4.21部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:500ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けてIPA/精製水=2/1の混合溶媒135部を仕込み、70℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりDM20部、HEMA20部、IPA/精製水混合溶媒27.1部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−501」)0.44部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間反応を継続した。重合終了後、固形分19.1%のDM/HEMA共重合体溶液を得た。
上記DM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液0.53部、及びブチルセルソルブ(以下、BC)/水=2/1混合溶媒3.12部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:300ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.65部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例1で用いたPVA、EMA混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ1.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例4で用いたDM/MMA、金属化合物混合液(=OC層形成用塗料)をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液0.56部、及びBC/水=2/1混合溶媒4.2部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:2000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層フィルムを、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
硝酸カルシウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、10wt%の硝酸カルシウム溶液を調整した。別途、炭酸ナトリウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、1wt%の炭酸ナトリウム溶液を調整した。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と硝酸カルシウム溶液1.64部、炭酸ナトリウム溶液0.53部、及びブチルセルソルブ(以下、BC)/水=2/1混合溶媒2.18部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:300ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と硝酸カルシウム溶液1.64部、及びBC/水=2/1混合溶媒2.71部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
PVA(クラレ(株)製、ポバール124(ポリビニルケン化度98〜99%、平均重合度約2400))を熱水に溶解後、室温に冷却することにより、15wt%のPVA124水溶液を得た。
上記PVA水溶液3.33部と塩化カルシウム水溶液1.11部、炭酸ナトリウム水溶液1.06部、及び精製水4.5部とを混合し、樹脂固形分5%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記PVA124、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ1.5μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
エチレン−無水マレイン酸共重合体(以下、EMA)(重量平均分子量100000)を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和したEMA水溶液を調整した。
PVAとEMAの重量比(固形分)が表1に示すようになるように、実施例11で用いたPVA124水溶液と上記EMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて精製水70部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりグリセリンメタクリレート(以下、GLM)(日本油脂(株)製、「ブレンマーGLM」)30部、精製水20部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−50」)0.3部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続した。重合終了後、精製水81部を十分に撹拌しながら添加し、固形分15%のポリグリセリンメタクリレート(以下、PGLM)水溶液を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
ポリアリルアミン(以下、PAA−H)を精製水で調整して、固形分10重量%のPAA−A水溶液を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
ポリビニルアミン(以下、PVAM)を精製水で調整して、固形分10重量%のPVAM水溶液を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
なお、実施例11〜15は参考例である。
ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロンGK880(Tg84℃)、Mn=18000)を酢酸エチル/MEK混合溶媒に溶解し、この溶液に、ポリイソシアネート(住友化学(株)製、スミジュール3300)を、ポリエステルとポリイソシアネートの重量比が60/40になるように調整し、混合溶液を得た。この混合溶液にジブチルすずラウリレート1%MEK溶液、MEKおよび酢酸エチルを混合し、固形分約14重量%のプライマー組成物(=UC層形成用組成物)を得た。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記DM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで120℃2分熱処理を行い、厚さ1.5μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、オートクレーブを用いて95℃の熱水中60分間処理(=ボイル処理)した後の積層体の酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液1.06部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.68部、及びBC/水=2/1混合溶媒1.5部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られた積層体を、実施例16と同様にしてボイル処理した後、酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.61部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.04部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られた積層体を、実施例16と同様にしてボイル処理した後、酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液1.06部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.61部、及びBC/水=2/1混合溶媒1.98部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られた積層体を、実施例16と同様にしてボイル処理した後、酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.56部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.34部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.45部とを混合し、OC樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:2000ppm、CO3:0ppmである。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記DM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで120℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
ポリアクリル酸(以下、PAA)として、和光純薬工業(株)社製のポリアクリル酸25%溶液(数平均分子量150000)を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和した、固形分10%PAA水溶液を調整した。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例21で用いたPGLM、PAA混合液(=バリア層形成用塗料)をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例20で用いたDM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液(=OC層形成用塗料)をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで120℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
(B)・・・ガスバリア層
(C)・・・プラスチック層
(D)・・・アンダーコート層
(E)・・・印刷層
(I)・・・ガスバリア性積層体
Claims (12)
- アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A1)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体。
- ガスバリア層(B)とプラスチック層(C)との間にアンダーコート層(D)が設けられていることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積層体。
- 印刷層(E)がさらに設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のガスバリア性積層体。
- アミノ基含有ポリマーが、アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマーであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のガスバリア性積層体。
- アミノ基含有ポリマーが、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを構成成分とするポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載のガスバリア性積層体。
- ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び/又はジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項5記載のガスバリア性積層体。
- ポリアルコール系ポリマー(b−1)が、ポリビニルアルコール、糖類、及びグリセリン(メタ)アクリレートのホモポリマーもしくはコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載のガスバリア性積層体。
- ポリカルボン酸系ポリマーが、オレフィン―マレイン酸共重合体、又はポリ(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載のガスバリア性積層体。
- オレフィン―マレイン酸共重合体が、エチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする請求項8記載のガスバリア性積層体。
- オーバーコート層(A1)が、2価以上の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載のガスバリア性積層体。
- 2価以上の金属化合物が、カルボキシル基と反応し得る、Mg化合物及び/又はCa化合物であることを特徴とする請求項10記載のガスバリア性積層体。
- ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料を、プラスチック層(C)の少なくとも一方の面に直接もしくはプラスチック層(C)の少なくとも一方の面に設けられたアンダーコート層(D)上に塗工、加熱し、ガスバリア層(B')を形成し、該ガスバリア層(B')上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料を塗工、加熱し、オーバーコート層(A1)を形成することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法。
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