JP4225158B2 - ガスバリア性積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、エチレンの共重合比の高いEVOHを用いてコーティング剤を得るには、有機溶媒または水と有機溶媒の混合溶媒を用いる必要があり、環境問題の観点からも望ましくなく、また有機溶媒の回収工程などを必要とするため、コスト高になるという問題がある。
しかし、上記公報に提案される方法では、高度なガスバリア性を発現させるためには高温での加熱処理もしくは長時間の加熱処理が必要であり、製造時に多量のエネルギーを要するため環境への負荷が少なくない。
また、高温で熱処理すると、バリア層を構成するPVA等の変色や分解の恐れが生じる他、バリア層を積層しているプラスチックフィルム等の基材に皺が生じるなどの変形が生じ、包装用材料として使用できなくなる。プラスチック基材の劣化を防ぐためには、高温加熱に十分耐え得るような特殊な耐熱性フィルムを基材とする必要があり、汎用性、経済性の点で難がある。
一方、熱処理温度が低いと、非常に長時間処理する必要があり、生産性が低下するという問題点が生じる。
尚、一般にポリマー分子を架橋することにより耐水性は向上するが、ガスバリア性は酸素等の比較的小さな分子の侵入や拡散を防ぐ性質であり、単にポリマーを架橋してもガスバリア性が得られるとは限らず、たとえば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの三次元架橋性ポリマーはガスバリア性を有していない。
しかし、特許文献1〜10に記載される、加熱によって、PVA中の水酸基とポリアクリル酸中もしくはエチレン−マレイン酸共重合体中のCOOHとをエステル化反応させたり、金属架橋構造を導入するという方法では、高湿度下におけるガスバリア性の向上には限界があった。即ち、加熱条件をより高温長時間にしてもある一定の値以上酸素透過度は小さくはならず、むしろ大きくなってしまうと逆転現象が生じた。過酷な加熱条件によって、プラスチック基材や形成されつつあるバリア層が熱劣化したためと考えられる。また、高温長時間という加熱条件は、プラスチック基材や形成されつつあるバリア層の着色やカールをも生起し、この点でも好ましくない。
以上の結果、高湿度下におけるガスバリア性のさらなる向上が益々要求されつつある今日、特許文献1〜10に記載されるコート剤を加熱、硬化するだけでは、より厳しい要求には応えられなかった。
すなわち、第1の発明は、プラスチック基材、ポリビニルアルコール(A)とエチレン−マレイン酸共重合体(B)とを含有するガスバリア層形成用塗料(C)から形成されるガスバリア層(D)、及び2価以上の金属化合物(E)を含有するポリマー層(F)から構成され、前記ガスバリア層(D)の少なくとも一方の面に2価以上の金属化合物(E)を含有するポリマー層(F)が積層されてなるガスバリア性積層体(1)を、水の存在下に加熱処理してなることを特徴とするガスバリア性積層体(3)の製造方法に関する。
第2の発明は、ポリマー層(F)が、プラスチック基材とガスバリア層(D)との間に位置するアンダーコート層(F1)であることを特徴とする上記発明に記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法に関する。
[ガスバリア層形成用塗料(C)]
ガスバリア層形成用塗料(C)は、後述するプラスチック基材等に塗布し、ガスバリア性を付与するためのものであり、PVA(A)とエチレン−マレイン酸共重合体(以下、EMAという)(B)とを含有するものである。
本発明において用いられるPVAは、ビニルエステルの重合体を完全または部分ケン化するなどの公知の方法を用いて得ることができる。
ビニルエステルとしては、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に最も好ましい。
本発明において用いられるエチレン−マレイン酸共重合体(B)は、無水マレイン酸とエチレンとを溶液ラジカル重合などの公知の方法で重合することにより得られるものである。また、本発明の目的を損なわない範囲で他のビニル化合物を少量共重合することも可能である。ビニル化合物としては例えば、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホン酸、プロピレン、イソブチレンなどの炭素数3〜30のオレフィン類や、PVAの水酸基などと反応する反応性基を有する化合物を挙げることができる。
また、本発明で用いられるEMA(B)は重量平均分子量が3000〜1000000であることが好ましく、5000〜900000であることがより好ましく、10000〜800000であることが更に好ましい。
ガスバリア性という観点からは、無機層状化合物の含有量は多い方が好ましい。しかし、無機層状化合物は、水親和性が強く吸湿しやすい。また無機層状化合物を含有する塗料は、高粘度化しやすいので塗装性を損ないやすい。さらに無機層状化合物の含有量が多いと、形成されるガスバリア層やガスバリア性積層体の透明性が低下する。
そこで、これらの観点から無機層状化合物は、PVA(A)とEMA(B)との合計100重量部に対して、1〜300重量部であることが好ましく、2〜200重量部であることがより好ましく、多くとも100重量部であることがさらに好ましい。
無機層状化合物の好ましい例としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、フッ素
雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト、緑泥石、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、テトラシリリックマイカ、タルク、パイロフィライト、ナクライト、カオリナイト、ハロイサイト、クリソタイル、ナトリウムテニオライト、ザンソフィライト、アンチゴライト、ディッカイト、ハイドロタルサイトなどがあり、膨潤性フッ素雲母又はモンモリロナイトが特に好ましい。
α(MF)・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2(式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、γ、a及びbは各々係数を表し、0.1 ≦α≦2、2≦β≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b=1である。)
MaSi4(Al2-aMga)O10(OH)2・nH2O(式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜0.60である。また、層間のイオン交換性カチオンと結合している水分子の数は、カチオン種や湿度等の条件に応じて変わりうるので、式中ではnH2Oで表す。)
またモンモリロナイトには次式群で表される、マグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイトの同型イオン置換体も存在し、これらを用いてもよい。
MaSi4(Al1.67-aMg0.5+a)O10(OH)2・nH2O
MaSi4(Fe2-a 3+Mga)O10(OH)2・nH2O
MaSi4(Fe1.67-a 3+Mg0.5+a)O10(OH)2・nH2O
(式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.25〜0.60である。)
本発明で用いられるプラスチック基材は、熱成形可能な熱可塑性樹脂から押出成形、射出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いは絞り成形等の手段で製造された、フィルム状基材の他、ボトル、カップ、トレイ等の各種容器形状を呈する基材であってもよく、フィルム状であることが好ましい。
また、プラスチック基材は、単一の層から構成されるものであってもよいし、あるいは例えば同時溶融押出しや、その他のラミネーションによって複数の層から構成されるものであってもよい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレート等が、
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド;
スチレン系共重合体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が、
塩化ビニル系共重合体としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が、
アクリル系共重合体としては、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等がそれぞれ挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合し使用しても良い。
また、本発明のガスバリア性積層体を用いて後述するように包装材を形成する場合、包装材としての強度を確保するために、ガスバリア性積層体を構成するプラスチック基材として、各種補強材入りのものを使用することができる。即ち、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、パルプ、コットン・リンター等の繊維補強材、或いはカーボンブラック、ホワイトカーボン等の粉末補強材、或いはガラスフレーク、アルミフレーク等のフレーク状補強材の1種類或いは2種類以上を、前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として2乃至150重量部の量で配合でき、更に増量の目的で、重質乃至軟質の炭酸カルシウム、雲母、滑石、カオリン、石膏、クレイ、硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ粉、炭酸マグネシウム等の1種類或いは2種類以上を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
さらに、ガスバリア性の向上を目指して、鱗片状の無機微粉末、例えば水膨潤性雲母、クレイ等を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
本発明において用いられるガスバリア性積層体(1)、(2)について説明する。
ガスバリア性積層体(1)、(2)は、上記したようにプラスチック基材とガスバリア層(D)とから構成されるガスバリア性積層体であって、
第1の発明の場合のガスバリア性積層体(1)は、プラスチック基材とガスバリア層(D)との間に金属化合物(E)を含有するポリマー層(F1)(以下、アンダーコート層、UC層ともいう)を設けるか、もしくはガスバリア層(D)のプラスチック基材から遠い方の面に(非基材側)に金属化合物(E)を含有するポリマー層(F2)(以下、オーバーコート層、OC層ともいう)を設けてなるものである。
さらにプラスチック基材/UC層(F1)/ガスバリア層(D)/OC層(F2)という構成とすることもできる。
また、UC層、OC層の両方を設ける場合、そのいずれか一方に金属化合物(E)が含まれていればよく、
プラスチック基材/UC層(F1)/ガスバリア層(D)/金属化合物(E)を含まないOC層、もしくは
プラスチック基材/金属化合物(E)を含まないUC層/ガスバリア層(D)/OC層(F2)という構成とすることもできる。
また第3の発明の場合のガスバリア性積層体(2)も同様にプラスチックとガスバリア層(D)とから構成されるガスバリア性積層体であって、UC層が2価以上の金属化合物(E)を必須成分とはしない点でのみ、上記第1の発明の場合と相違する。
上記ガスバリア性積層体(1)、(2)、を構成するガスバリア層(D)は、PVA(A)とEMA(B)とを含有するガスバリア層形成用塗料(C)をプラスチック基材や後述するUC層上に塗布し、加熱処理することによってPVA(A)とEMA(B)とのエステル化反応、PVA(A)同士のエーテル化反応の結果形成されるものである。
PVA(A)とEMA(B)との比等によっても影響を受け得るので、バリア層(D)を形成する際の塗料(C)の好ましい加熱処理条件は一概には言えないが、100℃以上300℃以下の温度で行うことが好ましく、120℃以上250℃以下がより好ましく、140℃以上240℃以下がさらに好ましく、160℃以上220℃以下が特に好ましい。
詳しくは、100℃以上140℃未満の温度範囲で90秒以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で1分以上、または180℃以上250℃未満の温度範囲で30秒以上の熱処理を行うことが好ましく、
100℃以上140℃未満の温度範囲で2分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で90秒以上、または180℃以上240℃以上の温度範囲で1分以上の熱処理を行うことがより好ましく、
100℃以上140℃未満の温度範囲で4分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で3分以上、または180℃以上220℃未満の温度範囲で2分程度の熱処理を行うことが特に好ましい。
また、加熱処理時間が長いほど、高湿度下でのガスバリア性は向上する傾向にあるが、生産性およびプラスチック基材の熱による変形、劣化等を考慮すると加熱処理時間は1時間以内であることが好ましく、30分以内であるとより好ましく、20分以内であることが特に好ましい。
本発明において用いられる金属化合物(E)について説明する。
第1の発明の場合、金属化合物(E)は、後述するUC層形成用樹脂組成物もしくはOC層形成用樹脂組成物の少なくともいずれか一方に含まれる。
一方、第3の発明の場合は、水に含まれる。
金属化合物(E)は、2価以上の金属化合物であり、水酸基もしくはカルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。後述するように形成されたガスバリア性積層体(1)、(2)に水が作用し、ガスバリア層(D)に移行した金属化合物(E)が、水酸基もしくはカルボキシル基と反応することによって、好適に架橋構造を形成するものと考えられる。ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩もしくは亜硫酸塩(E1)、
ジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩もしくは有機酸のジルコニウム塩(E2)等が挙げられ、金属化合物(E1)が好ましい。2価以上の金属化合物(E)としては、各群から選ばれる1種を単独で使用することもできるし、各郡内の2種以上を併用することもできるし、各群から選ばれる1種以上を併用することもできる。
2価以上の金属としては、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、AlもしくはZrが好ましく、Mg、Caがより好ましく、Mgがさらに好ましい。
Mg化合物としては、MgO、Mg(OH)2、MgSO4、MgCl2、MgCO2、Mg(CH3COOH) 2、Mg3(PO4) 2等が挙げられ、Ca化合物としては、CaO、Ca(OH)2、CaSO4、CaCl2、CaCO3、Ca(CH3COOH) 2、Ca3(PO4) 2等が挙げられる。
ポリマー層(F)に金属化合物(E)が含有される場合は、MgO、Mg(OH)2、MgSO4等のMg化合物や、CaO、Ca(OH)2、CaSO4等のCa化合物が好ましい。また、ガスバリア性積層体(2)を加熱処理する水に含有される場合は、Mg(OH)2、MgCO2、Mg(CH3COOH) 2、Mg3(PO4) 2等のMg化合物や、Ca(OH)2、CaCO2、Ca(CH3COOH) 2、Ca3(PO4) 2等のCa化合物が好ましく、Mg(OH)2、MgCO2、Ca(OH)2、CaCO2がさらに好ましい。
また、ガスバリア性積層体(1)を加熱処理する水が2価以上の金属化合物(E)を含有する場合には、上記金属化合物を金属イオンの濃度として3ppm〜3000ppm含有することが好ましく、10ppm〜500ppm含有することがより好ましく、20ppm〜300ppm含有することがさらに好ましく、30ppm〜200ppm含有することが最も好ましい。より具体的には、ガスバリア性積層体1m2につき、水中にMgおよびCaが、0.008g以上含まれていることが好ましく、0.08g以上含まれていることがより好ましく、0.8g以上含まれていることがさらに好ましい。
本発明において用いられるUC層について説明する。UC層は、ガスバリア層(D)とプラスチック基材との間に位置し、ガスバリア層(D)の密着性向上の役割を主として担う。
UC層は、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系等種々のポリマーから形成され得、ウレタン系のUC層が好ましい。
(1) ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有するUC用組成物をプラスチック基材上に塗工、加熱し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させ、ウレタン系のUC層を形成することができる。該UC層上に、前記塗料(C)の溶液を塗工し、これを加熱すれば基材/UC層/ガスバリア層からなる積層体を得ることができる。
(2) UC用組成物をプラスチック基材上に塗工、乾燥し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が完了していない、UC層の前駆体を得、該前駆体上に前記塗料(C)の溶液を塗工し、加熱することによってUC層の形成とガスバリア層の形成とを一度に行って、基材/UC層/ガスバリア層を得ることもできる。
(3) あるいは、UC用組成物をプラスチック基材上に塗工後、加熱せずに、前記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、加熱することによってUC層の形成とガスバリア層の形成とを一度に行って、基材/UC層/バリア層からなる積層体を得ることもできる。
UC用組成物に含まれるポリイソシアネートが,ガスバリア層との界面領域において,PVA(A)中の水酸基とも反応し、密着性向上に寄与する他、ガスバリア層の架橋を補助し、耐水性の向上にも効果があると考えられるので、(2)、(3)の方法が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸,シクロヘキサンジカルボン酸の脂肪族多価カルボン酸が挙げられる。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオールなどが挙げられる。
また,これらのポリエステルポリオールの数平均分子量は1000〜10万のものが好ましく,3000〜5万のものがより好ましく,1万〜4万のものがさらに好ましい。
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジ イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、
上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたイソシアヌレート、ビューレット、アロファネート等の多官能ポリイソシアネート化合物、あるいはトリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有の多官能ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIともいう)の三量体である3官能イソシアヌレート体が好ましい。
UC層には上記成分の他に、公知である硬化促進触媒,充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、顔料等の着色剤、可使用時間延長剤等を使用することもできる。
OC層もUC層の場合と同様に種々の材料、種々の方法で形成することができる。
(1) プラスチック基材もしくはUC層上に塗料(C)の溶液を塗工、加熱し、PVA(A)とEMA(B)とが反応したガスバリア層(D)を形成した後、該バリア層(D)上にOC用組成物を塗工し、加熱し、OC層を形成する。
(2) プラスチック基材もしくはUC層上に塗料(C)の溶液を塗工、乾燥し、PVA(A)とEMA(B)との反応が完了はしていないフィルム状の組成物(C)を得、次いでフィルム状の組成物(C)上にOC用組成物を塗工し、加熱し、PVA(A)とEMA(B)との反応及びOC層の形成を同時に行う。
(3) プラスチック基材もしくはUC層上に塗料(C)の溶液を塗工し、乾燥せずにOC用組成物を塗工し、加熱し、PVA(A)とEMA(B)との反応及びOC層の形成を同時に行う。
OC層が金属化合物(E)を含有する場合、金属化合物(E)が、バリア層(D)中に移行し易くなるという点で、(2)、(3)の方法が好ましい。
また、未延伸フィルムに塗布して乾燥した後、延伸処理することもできる。例えば、乾燥後、テンター式延伸機に供給してフィルムを走行方向と幅方向に同時に延伸(同時2軸延伸)、熱処理することもできる。あるいは、多段熱ロール等を用いてフィルムの走行方向に延伸を行った後に塗料等を塗布し、乾燥後、テンター式延伸機によって幅方向に延伸(逐次2軸延伸)してもよい。また、走行方向の延伸とテンターでの同時2軸延伸を組み合わせることも可能である。
本発明におけるガスバリア層の厚みは、積層体のガスバリア性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが望ましい。
塗料(C)を塗布した後、一端加熱処理することによって、PVA(A)とEMA(B)とのエステル化反応が生起し、最終のガスバリア性積層体の前駆体ともいうべきガスバリア層(D)が形成され、ガスバリア性積層体(1)又は(2)が生成される。第1の発明の場合は、ガスバリア性積層体(1)を水の存在下に加熱処理することによって、一方第3の発明の場合は、ガスバリア性積層体(2)を金属化合物(E)含有水の存在下に加熱処理することによって、それぞれ飛躍的にガスバリア性の向上したガスバリア性積層体(3)を得ることができる。もちろんガスバリア性積層体(1)を金属化合物(E)含有水の存在下に加熱処理することもできる。
ガスバリア層(D)中に金属化合物(E)を導入する方法としては、種々の方法が挙げられる。
(1) 金属化合物(E)を含有するガスバリア層形成用塗料組成物から、ガスバリア層を形成する。
(2) ガスバリア層形成用塗料組成物から、ガスバリア層を形成した後に、外部からガスバリア層(D)中に金属化合物(E)を導入する。
本発明は、後者(2)の方法を利用するものであり、第1の発明は、バリア層に隣接するポリマー層(F)中の金属化合物(E)を利用するものであり、第3の発明は、水中の金属化合物(E)を利用するものである。
これに対し、何故バリア性が向上するのかその詳細な機構はまだ不明ではあるが、上述したように、塗料(C)を加熱処理してなるガスバリア層(D)に、水の存在下に加熱しつつ金属化合物(E)を導入することによって、プラスチック基材自体及びバリア層の熱劣化を伴うことなく、従来よりもはるかにガスバリア性に優れたガスバリア性積層体(3)を得ることができる。ガスバリア性積層体(1)、(2)を水の存在下に加熱処理することによって、金属化合物(E)がポリマー層(F)から隣接するバリア層(D)中に移行したり、水中からバリア層(D)中に移行したりして、PVA(A)とPVA(A)とを架橋させたり、PVA(A)とEMA(B)とを架橋させたり、EMA(B)とEMA(B)とを架橋させたりすることによって、密な構造を形成し、その結果高湿度下における酸素ガスバリア性を向上し得たものと考えられる。そこで、本発明では、金属化合物(E)を金属架橋剤もしくは単に架橋剤ということもある。
また、金属化合物(E)は、ガスバリア層(D)の厚さ方向に均一に移行し架橋するに寄与することが好ましいが、濃度分布があってもかまわない。
しかし、一般には水難溶性、水不溶性といわれるものであって、水の作用条件を制御することによっても十分使用し得る。
(a) ガスバリア性フィルムを水(湯)に浸漬する。
(b) ガスバリア性フィルムに水(湯)を霧状、シャワー状にして吹き付ける。
(c) ガスバリア性フィルムを高湿度下におく。
(d) ガスバリア性フィルムを水蒸気にさらす。
いずれの方法も水がより作用し易いように、ガスバリア性積層体(1)、(2)を加熱したり、環境温度を高くしたり、必要に応じて加圧したり、減圧したりすればよい。ガスバリア性積層体(2)を処理する場合には、金属化合物(E)を含有する水で処理すればよい。
例えば(a)、(b)、(d)の方法の場合、水の温度や環境温度は90℃以上であることが好ましく、95℃以上であることより好ましく、100〜140℃であることがより好ましく、110〜130℃であることが最も好ましい。また、処理時間は、1分以上であることが好ましく、10分以上であるとさらに好ましく、20分以上であることが最も好ましい。水の温度や環境温度はより高く、処理時間はより長い方が好ましいが、生産性、経済性、省エネルギー等の観点から、温度は高くても140℃程度、時間は長くても1時間程度が現実的である。
このようにガスバリア性積層体(1)、(2)を水の存在下に加熱処理することによって、金属化合物(E)に由来する架橋構造の形成以外にも、バリア層(D)自体に何らかの変化が生じている可能性も考えられ、ガスバリア性が飛躍的に向上する。
例えば、25℃、80%相対湿度の条件下で測定した酸素透過度が、処理前は25cc・μm/m2・24h・atm程度だったものが、水の存在下に加熱処理することによって、0.4cc・μm/m2・24h・atm程度にまで低下することができる。
即ち、ガスバリア性積層体(1)や(2)を得、これを用いて食品包装容器を得、食品を収容した後、加圧下に水蒸気で120℃、30分程度レトルト処理(殺菌処理)することによって、食品包装容器を構成していたガスバリア性積層体(1)や(2)のガスバリア性を向上させ、ガスバリア性積層体(3)とすることができる。
熱処理のみを行ったフィルムは25℃、80%RHの雰囲気下に放置した後Modern Control社製、酸素透過試験器OX−TRAN TWINを用い、25℃、80%RHにおける酸素透過度を求めた。また同様にして、熱処理後、水の存在下に加熱処理したフィルムは、処理後25℃、80%RHにおける酸素透過度を求めた。具体的には、25℃、80%RHに加湿した酸素ガス及び窒素ガス(キャリアーガス)を用いた。
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET
但し、
Ptotal:PVA(A)とEMA(B)とを含有するガスバリア層形成用塗料(C)から形成されたフィルム(=ガスバリア層(D))、及びプラスチック基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)層とからなる積層フィルムの酸素透過度。UC層を有する場合には、フィルム(=ガスバリア層(D))、UC層及びプラスチック基材の酸素透過度。
Pfilm:PVA(A)とEMA(B)とを含有するガスバリア層形成用塗料(C)から形成されたフィルム層(=ガスバリア層(D))の酸素透過度。
PPET:プラスチック基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)層の酸素透過度。UC層を有する場合には、UC層及びプラスチック基材の酸素透過度。
ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン200(Tg67℃)、Mn=17000)を酢酸エチル/MEK混合溶媒に溶解したものに、酸化マグネシウムをポリエステル100重量部に対して5重量部添加し、ビーズミルを用いて分散した。この溶液に、ポリイソシアネート(住友化学(株)製、スミジュール3300)を、ポリエステルとポリイソシアネートの重量比が60/40になるように調整し、混合溶液を得た。この混合溶液にジブチルすずラウリレート1%MEK溶液、MEKおよび酢酸エチルを混合し、固形分約14%のプライマー組成物(=UC層形成用組成物)を得た。
PVAとEMAの重量比が表1に示すようになるように、上記PVA水溶液と上記EMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液(=バリア層形成用塗料)を得た。
比較例1で得た積層フィルム1を、オートクレーブを用いて熱水中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理し、積層フィルム3を得た(実施例1)。
比較例1及び実施例1で得た積層フィルム及びフィルム層(=ガスバリア層)の酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
PVAとEMAの重量比が表1に示すようになるように、比較例1及び実施例1で用いたPVA水溶液とEMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液を得た。得られた水溶液を用いた以外は、比較例1及び実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロン200(Tg67℃)、Mn=17000)を酢酸エチル/MEK混合溶媒に溶解したものと、ポリイソシアネート(住友化学(株)製、スミジュール3300)を、ポリエステルとポリイソシアネートの重量比が60/40になるように調整し、混合溶液を得た。この混合溶液にジブチルすずラウリレート1%MEK溶液、MEKおよび酢酸エチルを混合し、酸化マグネシウムを含まない固形分約14%のプライマー組成物(=UC層形成用組成物)を得た。上記プライマーを用いた以外は、比較例1と同様にして、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
PVAとEMAの重量比が表1に示すようになるように、実施例1で用いたPVA水溶液とEMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液を得た。
2軸延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、比較例5で用いた酸化マグネシウムを含まないプライマー組成物を実施例1の場合と同様にして塗工し、乾燥し、積層フィルムを得た。この積層フィルム上に、上記PVA、EMA混合液をバーコーターNo.6を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで200℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ2μmの皮膜を形成し、積層フィルム2を得た。
次いで、得られた積層フィルム2を、オートクレーブを用いて100ppm水酸化マグネシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理し、積層フィルム3を得た。
得られた積層フィルム及びフィルム層(=ガスバリア層)の酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
オートクレーブを用いて100ppm炭酸マグネシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
オートクレーブを用いて100ppm水酸化カルシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
オートクレーブを用いて100ppm炭酸カルシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて100ppm塩化マグネシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて30ppm水酸化マグネシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて30ppm炭酸マグネシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて30ppm水酸化カルシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて30ppm炭酸カルシウム水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて、塩素イオン30ppm、硫酸イオン40ppm、硝酸イオン11.6ppm炭酸イオン25.7ppm、マグネシウムイオン5.1ppm、カルシウムイオン21ppm、ナトリウムイオン27ppmを含有する水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いて、塩素イオン3.8ppm、硫酸イオン5.0ppm、硝酸イオン1.5ppm、炭酸イオン3.2ppm、マグネシウムイオン0.6ppm、カルシウムイオン2.6ppm、ナトリウムイオン3.4ppmを含有する水溶液中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
オートクレーブを用いてイオン交換水中(120℃、1.2kgf/cm2)で30分間処理した以外は、実施例5と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルム及びフィルム層の酸素透過度を測定した結果を表1に示す
Claims (10)
- プラスチック基材、ポリビニルアルコール(A)とエチレン−マレイン酸共重合体(B)とを含有するガスバリア層形成用塗料(C)から形成されるガスバリア層(D)、及び2価以上の金属化合物(E)を含有するポリマー層(F)から構成され、前記ガスバリア層(D)の少なくとも一方の面に2価以上の金属化合物(E)を含有するポリマー層(F)が積層されてなるガスバリア性積層体(1)を、水の存在下に加熱処理してなることを特徴とするガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- ポリマー層(F)が、プラスチック基材とガスバリア層(D)との間に位置するアンダーコート層(F1)であることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- プラスチック基材上に直に、又はアンダーコート層を介してプラスチック基材上にポリビニルアルコール(A)とエチレン−マレイン酸共重合体(B)とを含有するガスバリア層形成用塗料(C)を塗布し、熱処理してなるガスバリア性積層体(2)を、2価以上の金属化合物(E)を含有する水の存在下に加熱処理してなることを特徴とするガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- アンダーコート層が、ガラス転移温度が0℃以上のポリエステルポリオールとポリイソシアネートとから形成されることを特徴とする請求項2又は3記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- 2価以上の金属化合物(E)が、水酸基もしくはカルボキシル基と反応し得ることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- 2価以上の金属化合物(E)が、2価以上の金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、燐酸塩のうち一種以上を含有することを特徴とする請求項3ないし5いずれか記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- 2価以上の金属化合物(E)が、2価以上の金属の水酸化物、炭酸塩のうち一種以上を含有することを特徴とする請求項3ないし5いずれか記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- 2価以上の金属が、Mg及び/又はCaであることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- ポリビニルアルコール(A)とエチレン−マレイン酸共重合体(B)との重量比が90/10〜10/90であることを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
- 水の存在下に90℃以上で加熱処理してなることを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載のガスバリア性積層体(3)の製造方法。
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