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JP4305275B2 - Pwm変調における過変調防止回路 - Google Patents
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本発明は、デジタルオーディオアンプやモータードライバなどで使用されるPWM(Pulse Width Modulation)変調器に有用な過変調防止回路に関する。
例えば、デジタルオーディオアンプに使用されているPWM変調器は、等価的に図5に示されるPWM変調器1のような回路構成となっており、変調波である(アナログ)オーディオ信号2のレベルVと、搬送波である三角波(所謂ノコギリ波を含む。)3のレベルVとを比較器Comp3にて比較演算し、PWM変調されたPWM出力信号4(レベルV)を出力する。
図6及び図7は、上記PWM変調器1の搬送波である三角波3(例えば±1.0V振幅の400KHzの三角波)のレベルVと、変調波である緩やかな曲線の(アナログ)オーディオ信号2のレベルVと、PWM出力信号4のレベルVとを対比した波形図である。
上記従来のパルス変調器1において、図6から判るように三角波3の最大振幅よりオーディオ信号2の最大振幅が常に小さい場合は問題なく変調されるが、図7に示されるようにオーディオ信号2の振幅が三角波3の最大振幅より大きくなったような場合には、所謂過変調モード(変調度100%超え)となり、PWM出力信号4のレベルVが高電圧側又は低電圧側に張り付いてパルスが無くなる期間が発生する。
デジタルオーディオアンプなどにおいて、PWM変調器に前記過変調モードが生じると、出力段のパワーMOSFETの発熱およびローパスフィルタのコイルの発熱につながる。
また、図7に示されるように三角波(ノコギリ波を含む)3の最大振幅とオーディオ信号2の比較演算時の振幅がほぼ同じ大きさの場合、丸で囲んだ部分に示されるように変調パルスが極めて細くなって正常な短形波状に出力されない崩れたパルス波形(所謂ひげパルス)になる場合があるが、このように変調パルスの波形が崩れるとオーディオ特性(歪率など)の悪化が生じるので問題となる。
さらに、上記崩れたパルス波形(ひげパルス)は、出力段での応答時間によっては、パワーMOSFETのスイッチングに出力されずに前述の過変調モードとなる場合が有り得る。
而して、現行のPWM変調器におけるPWM変調の最大変調度は、上記過変調モードとなるのを回避するために、常に変調度90%以下に収まるように(三角波3の最大振幅より超えないように)リミッターを設けて前記比較器Comp3に入力される変調波であるオーディオ信号2の振幅制限を施す手段が講じられていることが多い。
なお、一般のオーディオ機器における過変調防止回路として、下記[特許文献1]には、ビデオテープレコーダ等のFM記録系等に設置されて記録すべきオーディオ信号の過変調を防止する過変調防止回路の発明が記載されている。これは、オーディオ信号を増幅するとともに、オーディオ信号の検波出力によってキャパシタを充電し、その充電電圧に応じて前記オーディオ信号に対数圧縮特性を付与するノイズリダクション回路と、このノイズリダクション回路を通過した前記オーディオ信号のレベルを検出し、このレベルに応じて前記キャパシタを急速に充電させる急速充電回路とを備えた構成となっている。
また、下記[特許文献2]には、FM記録・再生方式のVTRの音声信号の信号振幅を制限するリミッタ回路の発明が開示されている。これはFM記録・再生方式のVTRの音声信号記録時の振幅制限に対し、再生時に振幅拡張を行い、信号振幅を必要に応じて伸縮させ、記録、再生モードに無関係に実質的にダイナミックレンジを改善する目的で創案されたものであり、リミッタ回路は複数の入力信号の中から選択された入力信号に応じて増幅器に対する帰還回路の信号経路を選択し、その信号経路の選択によってその帰還回路に対して電圧リミッタを付加するというものである。
特開平2−44570号公報
特開昭62−232206号公報
デジタルオーディオアンプやモータドライバとしては、PWM変調器における最大変調度は性能、効率の面からすれば、過変調モードにならないことを前提として可及的に100%に近い高い数値が望ましいが、前述のように、ノイズ等の外因で過変調モードになるのを防止するには或る程度許容される最大変調度を抑えなくてはならず、高くても90%程度にしか設定できない状況にあった。
仮に、PWM変調器における最大変調度が安定して確実に定まるようにして、従来よりも高い100%に近い数値に設定することができれば高性能のデジタルオーディオアンプやモータドライバが実現できるであろう。
この点、上記公知文献における過変調防止回路やリミッタ回路の技術は、FM変調に関するものであってPWM変調に係るものではなく、PWM変調における過変調防止のための技術的な応用可能性の示唆は皆無である。
結局、現時点ではPWM変調における過変調防止手段として、前述のオーディオ信号2などの変調波に対するPWM変調前の振幅制限による手法が汎用技術としてあるのみであり、最大変調度は高くとも90%程度に留まっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、デジタルオーディオアンプやモータードライバなどに用いられているPWM変調における過変調モードの発生及びひげパルスの発生を防止するとともに、最大変調度を任意の値、例えば90%を超える100%に可及的に近い値に安定して設定可能にする過変調防止回路を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)PWM変調器1における搬送波である三角波3のレベルVと、PWM変調器1における変調波2の高電圧側の許容される最大変調度に対応する高電圧側電圧レベルVとを、第1の比較器Comp1にて比較して前記三角波3と同期する高電圧側最大変調度パルス信号Vを出力し、前記三角波3のレベルVと、前記変調波2の低電圧側の許容される最大変調度に対応する低電圧側電圧レベルVとを、第2の比較器Comp2にて比較して前記三角波3と同期する低電圧側最大変調度パルス信号Vを出力する最大変調度パルス信号生成手段12と、
PWM変調器1によるPWM変調後のPWM出力信号4と、前記高電圧側最大変調度パルス信号Vとを入力して、それらの論理積のパルス信号Vを出力する論理積回路13と、前記論理積回路13の出力信号Vと、前記低電圧側最大変調度パルス信号Vとを入力して、それらの論理和のパルス信号VをPWM出力信号14として出力する論理和回路15と、からなる最大変調度パルス信号注入手段12と、を備えることを特徴とするPWM変調における過変調防止回路20を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係るPWM変調における過変調防止回路は、上記のように構成されているため、
(1)極めて簡単な回路構成でありながら、PWM変調における過変調モードを完全に防止することが可能となる。
(2)PWM変調器を用いたデジタルオーディオアンプやモータドライバーなどの出力段ドライバの発熱防止に加えて、出力デバイスの長寿命化をも図ることができる。
(3)注入するパルス信号のパルス幅を任意の値に確実に設定することができるので、最大変調度を自由に設定することが可能である。例えば、最大変調度を95%という100%に近い数値に設定することができる。
(4)許容される最大変調度に対応する高電圧側電圧レベルと低電圧側電圧レベルを可変として制御することで、PWM変調器の最大変調度を自由に設定することが可能である。
(5)最大変調度が安定化することで、ひげパルスの発生が防止できる。
本発明に係るPWM変調における過変調防止回路の最良の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る過変調防止回路の概要を説明するための概念図である。図2は本発明に係る過変調防止回路の最大変調度パルス信号生成手段を説明するための図である。図3は従来のPWM変調器の等価的な回路図に付加された本発明に係る過変調防止回路の全体回路図である。図4は本発明に係る過変調防止回路の各ノードでの信号波形のタイミングチャート(シミュレーション)である。
本発明の着想は、振幅制限のない変調波が入力される従来のPWM変調器1のPWM変調後のPWM出力信号4に対して、何らかの手段で過変調モードの部分にのみ周期的かつ所望のタイミングでパルス信号を注入すれば、PWM変調後のPWM出力信号4が過変調モードになったとしても前記パルス信号が注入されたPWM出力信号は確実に過変調モードが解消されるという点にある。
図1における本発明の過変調防止回路20は、上記着想を実現するものであり、従来のPWM変調器1における変調波2の高電圧側及び低電圧側の許容される最大変調度(例えば95%)のPWM出力信号にそれぞれ対応する高電圧側最大変調度パルス信号V及び低電圧側最大変調度パルス信号VをPWM変調に用いる搬送波3と同期して生成する最大変調度パルス信号生成手段11と、前記高電圧側最大変調度パルス信号Vと前記低電圧側最大変調度パルス信号VとをPWM変調器1によるPWM変調後のPWM出力信号4の高電圧側及び低電圧側における過変調の部分にのみそれぞれ注入する最大変調度パルス信号注入手段12と、を備える構成となっている。
ここに、上記最大変調度パルス信号生成手段11は、例えば図2に示されるように、従来のPWM変調器1における搬送波である三角波3のレベルVと、PWM変調器1における変調波であるオーディオ信号2の高電圧側の許容される最大変調度(例えば95%)に対応する高電圧側電圧レベルVとを、第1の比較器Comp1にて比較して前記三角波3と同期する高電圧側最大変調度パルス信号Vを出力するとともに、前記三角波3のレベルVと、前記変調波であるオーディオ信号2の低電圧側の許容される最大変調度(例えば95%)に対応する低電圧側電圧レベルVとを、第2の比較器Comp2にて比較して前記三角波3と同期する低電圧側最大変調度パルス信号Vを出力する構成となっている。
而して、上記高電圧側最大変調度パルス信号V及び上記低電圧側最大変調度パルス信号Vの各パルス幅は許容される最大変調度になっている状態が続く最小幅のパルスで構成されていることになる。
図3には、振幅制限のない変調波(オーディオ信号)2が入力される前記従来の等価的なPWM変調器1のPWM変調後のPWM出力信号4(レベルV)に対して、前記最大変調度パルス信号生成手段11と、PWM変調後のPWM出力信号4に対する具体的な最大変調度パルス信号注入手段12(論理積回路と論理和回路で構成されている。)からなる本発明の過変調防止回路20を付加した構成の全体回路が示されている。
図3の最大変調度パルス信号注入手段12は、PWM変調後のPWM出力信号4(レベルV)と、前記最大変調度パルス信号生成手段11における第1の比較器Comp1の出力する高電圧側最大変調度パルス信号Vとを、入力してそれらの論理積のパルス信号Vを出力する論理積回路13と、前記論理積回路13の出力信号Vと、前記最大変調度パルス信号生成手段11における第2の比較器Comp2の出力する低電圧側最大変調度パルス信号Vと、を入力してそれらの論理和のパルス信号VをPWM出力信号14として出力する論理和回路15と、からなる極めてシンプルな回路構成となっている。
図4に示される上記回路構成の各ノードでの電圧タイミングチャート(シミュレーション)から判るように、従来のPWM出力信号4(レベルV)には、過変調モードが存在するが、前記最大変調度パルス注入手段12のパルス信号V(過変調を防止したPWM出力信号14)は注入された高電圧側最大変調度パルス信号V及び低電圧側最大変調度パルス信号Vにより過変調モードが無くなっている。なお、過変調でない部分では、高電圧側最大変調度パルス信号V及び低電圧側最大変調度パルス信号Vは本来のPWM出力信号にマスクされて回路論理的に注入されてないように見える。
また、従来発生していたひげパルスは同じタイミングで注入された高電圧側最大変調度パルス信号V或いは低電圧側最大変調度パルス信号Vに重畳されて消されている。
以上から明らかなように、本発明の過変調防止回路20を付加したPWM変調器では、前記最大変調度パルス信号生成手段11における高電圧側電圧レベルVと低電圧側電圧レベルVを任意に設定することで、PWM変調の最大変調度を自由に且つ安定確実に設定することが可能になる。
例えば、PWM変調器の搬送波としての三角波3のレベルVが±1.0V振幅の400KHzの場合に、最大変調度を95%に設定したい場合、三角波3のレベルVは周期2.5μsで、その2.5%の62.5nsが前記高電圧側最大変調度パルス信号Vと低電圧側最大変調度パルス信号Vのパルス幅となる。したがって、前記高電圧側電圧レベルVと低電圧側電圧レベルVをこれに合わせて一定(約±0.975V)に設定すればよい。勿論、許容される最大変調度は95%に限らず100%に可及的に近い値に設定することも可能である。
視点を変えて、図3中の過変調防止回路20において、V、Vの電圧を外部制御回路(マイコン等)で可変にコントロールすることで、注入する高電圧側最大変調度パルス信号Vと低電圧側最大変調度パルス信号Vのパルス幅を状況に応じて自由に変化させることができ、PWM変調器の最大変調度を簡単且つ精度良くコントロールできることが判る。
なお、図3中の過変調防止回路20の最大変調度パルス信号注入手段12の論理積回路13と論理和回路15の組み合わせは最もシンプルなものであるが、勿論、他の論理回路の構成でも実現可能である。
また、前記最大変調度パルス信号生成手段11では、搬送波である三角波3から高電圧側最大変調度パルス信号Vと低電圧側最大変調度パルス信号Vを生成しているが、他の手段として、PWM変調器1における三角波3を生成する基となっている図示されない矩形パルス信号から生成することもできる。
さらに、従来のPWM変調器の変調後のPWM出力信号に最大変調度のパルス信号を注入するという本発明の過変調防止回路の着想は、PDM(パルス持続変調)にも応用することができる。
本発明に係る過変調防止回路の概要を説明するための概念図である。 本発明に係る過変調防止回路の最大変調度パルス信号生成手段を説明するための図である。 従来のPWM変調器の等価的な回路図に付加された本発明に係る過変調防止回路の全体回路図である。 本発明に係る過変調防止回路の各ノードでの信号波形のタイミングチャート(シミュレーション)である。 従来のPWM変調器を等価的に示した回路図である。 従来のPWM変調器の搬送波である三角波のレベルVと、変調波である(アナログ)オーディオ信号のレベルVと、PWM出力信号のレベルVを対比した波形図である。 従来のPWM変調器の過変調モードとなる場合の三角波のレベルVと、オーディオ信号のレベルVと、PWM出力信号のレベルVを対比した波形図である。
符号の説明
2 最小幅パルス信号生成手段
3 最小幅パルス注入手段
4 論理積回路
5 論理和回路
20 過変調防止回路
Comp1 第1の比較器
Comp2 第2の比較器
Comp3 比較器
P1 上側の最小幅パルス
P2 下側の最小幅パルス
(アナログ)オーディオ信号
搬送波である三角波(所謂ノコギリ波を含む。)
PWM出力信号
上側最小幅パルス信号
下側最小幅パルス信号
最大レベル電圧
最小レベル電圧
論理積回路の出力信号
論理和のパルス信号(過変調なしPWM出力信号)

Claims (1)

  1. PWM変調器における搬送波である三角波のレベルと、PWM変調器における変調波の高電圧側の許容される最大変調度に対応する高電圧側電圧レベルとを、第1の比較器にて比較して前記三角波と同期する高電圧側最大変調度パルス信号を出力し、前記三角波のレベルと、前記変調波の低電圧側の許容される最大変調度に対応する低電圧側電圧レベルとを、第2の比較器にて比較して前記三角波と同期する低電圧側最大変調度パルス信号を出力する最大変調度パルス信号生成手段と、
    PWM変調器によるPWM変調後のPWM出力信号と、前記高電圧側最大変調度パルス信号とを入力して、それらの論理積のパルス信号を出力する論理積回路と、前記論理積回路の出力信号と、前記低電圧側最大変調度パルス信号とを入力して、それらの論理和のパルス信号をPWM出力信号として出力する論理和回路と、からなる最大変調度パルス信号注入手段と、
    を備えることを特徴とするPWM変調における過変調防止回路。
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