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JP4326366B2 - 金属ベース回路基板 - Google Patents
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Description

本発明は、出力用半導体と制御用半導体とを共に実装してなる混成集積回路に用いるに好適な金属ベース回路基板に関する。
金属板上に無機フィラ−を充填したエポキシ樹脂等からなる絶縁層を設け、その上に回路を配設した金属ベース回路基板が、熱放散性に優れることから高発熱性電子部品を実装する回路基板として用いられている。
混成集積回路を搭載する回路基板に関しては、半導体素子の高集積化により、出力用半導体素子等が小型化されると共に、同一基板上にさまざまな種類の半導体素子に加えて抵抗体チップ等をも搭載するという手法が主流となってきている。それぞれの半導体素子や電子部品毎に要求される基板特性が異なるために、部分的にそれぞれの半導体素子や電子部品に対応する特性を有する回路基板が要求されている。
このため、例えば特許文献1に開示されているような、異種の絶縁層を組み合わせた回路基板が提案されている。しかし、このような複合絶縁基板では、それを製造する工程が繁雑なために、コストアップになる上に、異種絶縁層を小面積内で複雑に組み合わせることが技術的に容易でなく、回路基板の大幅な小型化が達成し得ないという問題があった。
特開平6−90071号公報。
また、通常、金属ベース回路基板を用いる混成集積回路においては、出力用半導体と前記出力用半導体の動作を制御する制御用半導体が金属ベース回路基板の回路上に共に実装されるが、金属ベース回路基板に要求される特性としては、前者については静電容量は若干大きいが熱伝導性に優れる特性が要求され、後者については熱伝導率は若干犠牲にしても静電容量が極めて低い特性が要求される。
しかしながら、制御用半導体を静電容量が極めて低くなるように工夫された回路上に載置する時、場合によっては、制御用半導体からの補熱放散が十分でなく、動作時間を十分に確保出来ない場合があることが判った。
本発明者は、前記の問題解決を図るためにいろいろ検討した結果、少なくとも制御半導体と直接電気接続されている回路部分の下部に低誘電率部分を設けるときに、制御半導体からの熱を十分に放散し、しかも雑音特性に優れ、十分に高周波動作にも対応できる混成集積回路が得られるという知見を得て、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、同一回路基板上において、部分的に基板特性を変化させることで、多様な種類の半導体素子や電子部品等を搭載できるようにすることを可能とし、特に、制御用半導体や出力用半導体を併せ持つ混成集積回路用に好適な金属ベース回路基板を提供することを目的としている。
本発明は、金属板と、前記金属板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた回路と、前記回路上に実装される複数の半導体とからなる混成集積回路に用いられる金属ベース回路基板であって、前記回路の半導体搭載部ではない部分の一部について、当該部分の下部の金属板に低誘電率部分を設け、しかも低誘電率部分が、前記金属板の表面に窪み部分を設け、当該窪み部分に無機質充填剤を含有している樹脂を充填したことを特徴とする金属ベース回路基板であり、好ましくは、窪み部分の側壁が35〜65°の傾きを有していることを特徴とする前記の金属ベース回路基板である。
また、本発明は、無機充填剤が、溶融シリカからなり、しかも前記溶融シリカは、平均粒径0.3〜5.0μmのものを3.5〜45.0体積%、平均粒径6〜30μmのものを18.0〜80.0体積%含有していることを特徴する前記の金属ベース回路基板である。
本発明の金属ベース回路基板は、発熱量の多い制御用半導体を含む複数の半導体を有する混成集積回路に用いられる金属ベース回路基板であり、前記の構造を採用することによって、つまり、制御用半導体と直接接続されている回路下に低誘電部分を存在させることで制御用半導体の動作特性を確保しつつ、制御用半導体で発生した熱は回路そして絶縁層を通じて、直ぐに金属板へと放散されるので、例えば、従来の金属ベース回路基板では適用できなかったマクロストリップライン等の高周波フィルター、高周波電源、オーディオ用のデジタルアンプ等の混成集積回路にも適用が可能となり、産業上新たな用途を拡大出来るという効果を有する。
また、本発明の金属ベース回路基板は、前記の構造に加え、低誘電部分が特定な形状を有していて、更に特定の溶融シリカが無機充填剤として用いられているので、一層優れた誘電特性を有しており、信頼性高く半導体素子が動作でき、惹いては混成集積回路の動作信頼性を高めることができるという効果がある。
以下、図を用いて本発明を説明する。
図1は、本発明に係る金属ベース回路基板を用いた混成集積回路の例である。当該混成集積回路に於いては、金属板1と、絶縁層2と、回路5とからなる金属ベース回路基板の、前記回路5上に、複数の半導体、即ち、出力用半導体7と制御用半導体8が搭載されている。出力用半導体7は、熱の放散を助長する目的で、回路5との接続にヒートスプレッダー6を介することが多いが、これを用いないこともある。また、制御用半導体8は、通常大きな発熱をともなわないことから回路5にヒートスプレッダーを介することなく接合されるが、ヒートスプレッダーを介しても勿論構わない。更に、図1に於いて、制御用半導体8からの信号は回路5並びにボンディングワイヤー4を通じて出力用半導体7に電気的に接合されている。本発明は、少なくとも制御用半導体8に直接に電気接続されている回路の下に、低誘電率部分3を設けていることを特徴としており、このような構造を採用することにより、従来の金属ベース回路基板が適用出来なかった、制御用半導体からの補熱放散が十分でなく、動作時間を十分に確保出来ないような用途の混成集積回路にも適用出来るという特徴を有するものである。
本発明において、金属板1に代えてその一部に、当該金属板よりも低誘電率の材質のものを置換すればよく、その材質に格別の制限はないが、例えば、金属板1の表面に窪み部分を設け、当該窪み部分に無機質充填剤を含有している樹脂を充填したものであることが、従来公知の金属ベース回路基板の製造方法を大きな工程変更をすることなく得ることができ、しかも絶縁層2並びに金属板1との接合性に富むものを選択しやすいことから、格別に好ましい。
また、前記窪み部分に関しては、本発明者の検討に拠れば、その側壁が35〜65°の傾きを有していることが好ましい。35°未満の場合には、側壁部の面積が大きくなり、静電容量を確保するために窪み部分を十分に大きくする必要があるし、65°を越える傾きの場合には窪み部分の側壁と底面とに角が有る場合に当該角部に空隙を残留しやすく、いずれの場合も得られる金属ベース回路基板の電気的特性を劣化する場合が起こりやすくなる。更に、窪み部分の底面形状に関しては、格別これを定める必要はないものの、平面状であることが、金属板に窪みを形成させる方法として、プレス加工、切削加工等の機械的方法或いは化学薬品によるエッチング等の化学的方法等の量産性に優れる製造方法を適用出来ることから、好ましい。
更に、窪み部の形状については、金属ベース回路基板を上方より眺めた時に凹部の広がりが、混成集積回路として使用されるときに、制御用半導体を搭載する回路、高周波等の信号の伝わる回路より大きければ良く、厚さ(深さ)については、絶縁層を形成する絶縁接着剤の材質等によって異なるものの、通常50〜800μmあれば良い。また、窪み部深さは個々の窪み部により変化しても構わないが、いずれも同じ深さとするとき一度に加工できることから好ましい。
更に、本発明において、前記窪み部分に充填する無機質充填剤を含有している樹脂については、低誘電率であればどのようなものでも構わないが、高熱伝導性であることが好ましい。
前記無機質充填剤としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化硼素等が挙げられ、このうち酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化硼素は低誘電率と高熱伝導率とをバランス良く低誘電率部分が得られるので好ましい。無機質充填剤の構成粒子の形状に特に規定はないが、流動性向上のため球状ものが好ましく、さらに空洞を有する無機質充填剤を用いると低誘電率部分の誘電率が更に低下し一層好ましい。ことに、本発明者の検討結果に拠れば、平均粒径0.3〜5.0μmのものを3.5〜45.0体積%、平均粒径6〜30μmのものを18.0〜80.0体積%含有している溶融シリカは、高充填性に優れ、その結果として、低誘電率と高熱伝導率とのバランスの良い低誘電率部分が安定して確実に得られることから、一層好ましい。
前記樹脂に関しては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、各種エンジニアプラスチック、或いはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、AS樹脂などの熱可塑性樹脂、更に、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などが用いることができるが、このうち絶縁層と同じ樹脂を用いることが好ましく、また、金属板との密着性が良いことからエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
本発明に於いて、金属板としては、熱伝導性に優れた材質のものであればどのようなものであっても構わないが、アルミニウム、アルミニウム合金、銅及び銅合金が高熱伝導であることから、好ましく選択される。また、金属板の厚みとしては、特に制限はないが0.3mm〜4.0mmが一般的に用いられる。
本発明に於いて、絶縁層の組成、特性も極めて重要である。絶縁層は、無機質充填剤を含有する樹脂で構成され、前記無機質充填剤としては、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化硼素、マグネシア(酸化マグネシウム)、硫酸バリウム、酸化亜鉛、シリカ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の電気絶縁性の無機化合物が用いられ、アルミナ、窒化硼素、窒化アルミニウム、シリカが安価で入手容易であることから、好ましく用いられる。このうち、アルミナ並びに窒化アルミニウムは球状で高充填でき、極めて高熱伝導性の絶縁層を容易に得ることができることから一層好ましく選択される。
樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、各種エンジニアプラスチック、或いはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、AS樹脂などの熱可塑性樹脂、更に、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などが用いられるが、特に、金属板との接合性に富むことからエポキシ樹脂が好ましく選択される。
即ち、本発明に於いては、無機質充填剤と樹脂との組み合わせに関して、アルミナ、窒化硼素、窒化アルミニウム、シリカの1種以上を含有するエポキシ樹脂が、金属板や回路を形成する金属箔との密着力が高く、しかも硬化後に熱伝導率の高い絶縁層や静電容量の小さな絶縁層を容易に得ることができるので、好ましい組み合わせである。また、前記低誘電率部分を構成する無機質充填剤を含有する樹脂についても同様である。
未硬化状態の無機質充填剤を含有する樹脂(以下、単に「絶縁接着剤」という)の所定部分への塗布方法としては、一般的に、ロールコーター、グラビアコーター、寄付コーター、スクリーン印刷等を用いることができる。また、絶縁剤接着剤は、単一層もしくは複数層にする。複数層の場合、工程が長くなる分コストアップになるが、耐絶縁破壊特性が向上するとともに、絶縁層の厚さ精度を向上させることができる特徴がある。
本発明に於いて、回路並びにそれを形成するための金属箔の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、銀、チタニウムのいずれか、これらの金属を2種類以上含む合金、或いは前記金属又は合金を使用したクラッド箔等を用いることができる。また、前記金属箔の製造方法は電解法でも圧延法で作製したものでもよく、金属箔上にはNiメッキ、Ni−Auメッキ、半田メッキなどの金属メッキがほどこされていてもかまわないが、絶縁接着剤との接着性の点から金属箔(回路)の絶縁接着剤に接する側の表面はエッチングやメッキ等により予め粗化処理されていることが一層好ましい。
本発明の金属ベース回路基板の回路には、絶縁層を介して金属板に接しているものと、絶縁層と低誘電率部分とを介して金属板に接しているものとがある。本発明の金属ベース回路基板を用いて混成集積回路を製造する際に、後者の回路上に抵抗チップ並びにコンデンサチップ等の制御用電子部品を搭載することで、制御用半導体からの信号の歪みを低減することができるし、また、前者の回路上に出力用半導体や制御用半導体等を搭載することで、半導体の過度の温度上昇とそれによる誤動作を防止することができ、その結果、混成集積回路全体として高信頼性の動作を確保することができるという効果を得ることができる。
150mm×150mm×1.5mmのアルミニウム板上の所望の位置に、熱硬化型レジストインクを塗布し、エッチングにより深さ300μm、窪み部分の側壁の傾きを43°に形成した後、レジストインクを除去した。
その後、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP828)へ平均粒径2μmのアルミナ(日本軽金属社製、LS−20)を45体積%含有するように配合し、混合して絶縁接着剤Aを作製した。
また、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP828)へ平均粒径1.7μmの溶融球状シリカ(電気化学工業社製、FB−1SDX)37体積%と平均粒径11.3の溶融球状シリカ(電気化学工業社製、FB−550)を40体積%含有するように配合し、混合して絶縁接着剤Bを作製した。
絶縁接着剤Bを、前記窪み部を有するアルミニウム板上に塗布した後、前記絶縁接着剤Aを窪み部以外の部分の絶縁層の厚さが50μmになるように塗布した。更に、銅箔を前記絶縁接着剤A上にラミネートして金属ベース基板を得た。
前記金属ベース基板について、所望の位置をエッチングレジストでマスクして銅箔をエッチングした後、エッチングレジストを除去し洗浄乾燥することで、回路を形成し、金属ベース回路基板とした。回路形成に当たり、前記窪み部分のある位置に制御用半導体から直接に電気接続される抵抗チップやコンデンサが搭載される回路を形成し、また、前記窪み部分のない位置には、出力用半導体や制御用半導体を搭載する回路を形成した。
前記操作で得られた金属ベース回路基板について、絶縁破壊電圧および単位面積あたりの静電容量を測定した。絶縁破壊電圧の測定は、JIS C2110に基づき測定した。また、前記単位面積当たりの静電容量の測定にあたっては、LCRメーターにより測定周波数1MHzのときの静電容量を求めるとともに、当該測定部分の回路の絶縁接着剤と接する部分の面積を求め、前記静電容量を前記回路面積で除して求めた。金属ベース回路基板の主要な作製条件と測定結果を表1に示す。
Figure 0004326366
次に、前記金属ベース回路基板を用いて、図1に例示される、混成集積回路を作成した。尚、当該混成集積回路は、制御用半導体としてはデジタル信号IC、出力用半導体としてMOS−FETを搭載したデジタルアンプである。この混成集積回路を動作周波数1.2MHzで動作させたところ、正常に動作することを確認した。
(比較例)実施例1において、窪みのない、平坦なアルミニウム板を用い、また、当該アルミニウム板上に絶縁接着剤Aを50μmの厚みで塗布したこと以外は、実施例1と同じ手順で、金属ベース基板、そして金属ベース回路基板を作製した。この金属ベース回路基板の測定結果は表1に併せて示した。更に、実施例1同様にデジタルアンプを作製し、動作確認を行ったが、誤動作した。
本発明の金属ベース回路基板は、静電容量が小さいので出力用半導体を制御する抵抗チップやコンデンサ等の電子部品を搭載するのに好適な回路部分と、静電容量は若干大きいものの熱伝導性に優れるので放熱が必要な出力用半導体や制御用半導体を搭載するのに好適な回路部分とを併せ持っており、動作信頼性の高い混成集積回路を提供できるので、産業上非常に有用である。
本願発明の金属ベース回路基板を用いた混成集積回路の一例を示す図。
符号の説明
1 金属板
2 絶縁層
3 低誘電率部分
4 ボンディングワイヤー
5 回路
6 ヒートスプレッダー
7 出力用半導体
8 制御用半導体

Claims (3)

  1. 金属板と、前記金属板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた回路と、前記回路上に実装される複数の半導体とからなる混成集積回路に用いられる金属ベース回路基板であって、前記回路の半導体搭載部ではない部分の一部について、当該回路部分の下部の金属板に低誘電率部分を設け、しかも低誘電率部分が、前記金属板の表面に窪み部分を設け、当該窪み部分に無機質充填剤を含有している樹脂を充填したことを特徴とする金属ベース回路基板
  2. 窪み部分の側壁が35〜65°の傾きを有していることを特徴とする請求項記載の金属ベース回路基板。
  3. 無機質充填剤が、溶融シリカからなり、しかも前記溶融シリカは、平均粒径0.3〜5.0μmのものを3.5〜45.0体積%、平均粒径6〜30μmのものを18.0〜80.0体積%含有していることを特徴する請求項1又は請求項2記載の金属ベース回路基板。
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