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JP4332949B2 - 有価証券用紙およびそれを用いた有価証券 - Google Patents
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JP4332949B2 - 有価証券用紙およびそれを用いた有価証券 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小切手、約束手形等のための有価証券用紙に関するものであり、さらに詳しくは、チェックライターで印字されている金額が機械処理で確実に読み取りを可能にする有価証券用紙およびそれを用いた有価証券に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顧客(個人、法人)が発行した小切手や約束手形が金融機関で処理される際、チェックライターで印字されている金額の入力処理は、目視にて確認しながら端末入力を行っている。
【0003】
上記のチェックライターとは、凸状の活字にスタンプインキを着けながら有価証券用紙の金座欄(金額が印字される欄)に押圧で縦縞凹凸のエンボスを形成して金額を印字し、数字が改竄されないようにする器具であり、このエンボス度合いやスタンプインキの着き具合は、顧客が所持する個々のチェックライターによってバラツキがあり、さらにまた印字する人によっても濃度のバラツキが生じ、濃度の低いものが多くあるのが現状である。
【0004】
有価証券用紙に当初から決まった金融機関名等の情報は、磁性インキで印刷したりあるいはOCRで読み取りができるように充分な濃度で印刷されているため、この部分の情報は機械読み取りは可能であるが、金座欄には顧客が印字するため上記のような理由で機械読み取りに対して充分な濃度で印字されているとは限らず、このことが機械で自動処理する上で問題点の一つとなっていた。
【0005】
また、例えば偽造のチェックライターによって金額を印字したり、或いはその書体を真似て書いたりした偽造券の真偽判定は、まま困難な場合が多いという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、チェックライターや印字する人が異なっても、印字された金額を確実に機械読み取り、処理を可能にし、真偽判定も容易にする有価証券用紙およびそれを用いた有価証券を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、任意の位置にチェックライターで金額の数字、記号が印字される横長の金座欄を有する用紙本体に、該金座欄より少なくとも横幅が広い基紙にホットメルト型のカーボンインキからなるカーボンインキ層が積層され、該カーボンインキ層は少なくとも該金座欄を完全に覆う面積を有し、該基紙の、該カーボンインキ層が積層されていない該金座欄の外に相当する部分に、該カーボンインキ層と隣接して剥離可能な接着剤層が積層されたカーボン複写紙片が該金座欄を覆うように貼着され、該カーボンインキ層は、無機系の顔料からなる蛍光顔料を含有していることを特徴とする有価証券用紙としたものである。
【0008】
また、請求項2の発明では、前記カーボン複写紙片の貼着は、前記基紙の左右縁に積層された剥離可能な接着剤層で成され、該剥離可能な接着剤層の剥離強度が50〜200gfであることを特徴とする請求項1記載の有価証券用紙としたものである。
【0009】
また、請求項3の発明では、前記カーボンインキ層は、顔料5〜30重量%、油20〜40重量%、ワックス30〜70重量%からなるカーボンインキと、蛍光顔料20〜50重量%、油15〜40%、ワックス20〜50重量%からなる、該カーボンインキと略同量の蛍光インキと、を含むことを特徴とする請求項1または2記載の有価証券用紙としたものである。
【0010】
さらにまた、請求項4の発明では、前記請求項1、2または3に記載の有価証券用紙にチェックライターでPCS値(Print Contrast Signal)が0.8以上の濃度の金額が印字されていることを特徴とする有価証券としたものである。
【0011】
本発明によれば、金座欄を覆うように貼着されたカーボン複写紙片の上からチェックライターで押圧印字すると、カーボンインキ層が用紙本体の金座欄に転写され、金額を示す数字や記号の濃度がPCS値0.8以上に向上し、機械読み取りに耐えうる有価証券用紙が提供できる。
【0012】
上記剥離強度とは、JIS K6854「接着剤の剥離接着強さ試験方法」によるもので、幅25mm、長さ175mmの剥離試験片をテンシロンにより200±20mm/分で180度剥離したときの値である。
また、PCS値とは、次式で定義される反射濃度であり、この値が大きいほど濃度が高い。
PCSP =(RW −RP )/RW
PCSP は、点PのPCS値
W は、測定対象領域内の最大反射率
P は、点Pに於ける反射率
測定機器は、マクベス反射率/濃度計:PCM−II, Bフィルター
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、例えば、小切手や約束手形で代表される有価証券の用紙に関するものであり、さらに詳しくは、図2に示すように、任意の位置に有する金座欄(20)にチェックライターで印字される金額(K)の数字、記号が機械で確実に読取り処理されるような濃度をもつ有価証券(1)を得るための有価証券用紙に関するものである。
【0014】
そこでまず請求項1の発明は、図1(a)の正面図に示すように、チェックライターで金額が印字される予定の横長の金座欄(20)を有する用紙本体(30)に、該金座欄(20)の横幅(WK)より少なくとも広い横幅(WC)のカーボン複写紙片(10)が該金座欄(20)を覆うように貼着されている有価証券用紙(2)である。
【0015】
また、請求項2の発明は、前記カーボン複写紙片(10)の貼着は、図1(b)の斜視図および図1(c)の図1(a)におけるB−B断面図に示すように、基紙(12)に積層されたカーボンインキ層(14)でなるカーボン複写紙片(10)の基紙(12)の左右縁即ち用紙本体(30)の表面(30a)に有する金座欄(20)の左右端(20a、20b)の外に相当する部分に積層された剥離可能な接着剤層(16)で成されるものである。従ってカーボンインキ層(14)は少なくとも金座欄(20)を完全に覆うように貼着されている。
【0016】
上記剥離可能な接着剤層(16)は、基紙(12)全面に積層されたカーボンインキ層(14)の左右縁の上に積層してもよいが、カーボンインキ層(14)と剥離可能な接着剤層(16)の接着性が劣るという危惧を考慮すると、上記図1(b)に示すように、基紙(12)の左右縁に直接積層した方が好ましい。従って、カーボンインキ層(14)を基紙(12)の左右縁を除いた部分に積層した方がよい。また図1(a)に示すように、金座欄(20)より縦幅も広いカーボン複写紙片(10)とし、その上下縁にも剥離可能な接着剤層を施しても構わない。
【0017】
そこで上記剥離可能なとは、この接着剤層(16)と用紙本体(30)の表面(30a)との剥離強度(接着強度ともいう)が50〜200gfであることである。これは本発明の有価証券用紙(2)のカーボン複写紙片(10)の上からチェックライターで押圧印字後、このカーボン複写紙片(10)を剥離して図2に示すような金額(K)が印字された有価証券(1)とするために、この剥離可能な接着剤層(16)と用紙本体(30)との間で剥離し易いようにするものである。この剥離強度が50gfに満たないと印字以前の保管や操作等の不必要時に剥がれたり、また200gfを越えると剥がそうとしても容易に剥がれず、剥離可能な接着剤層(16)の層間剥離が発生して用紙本体(30)に接着剤が残ったりするので好ましくない。
【0018】
以上のような構成の有価証券用紙(2)を用いて、チェックライターでカーボン複写紙片(10)上から押圧し、このカーボン複写紙片(10)を剥離すると、例えチェックライターや印字する人が異なっても、カーボンインキ層(14)が用紙本体(30)の金座欄(20)に転写され、PCS値が0.8以上の数字や記号が安定して得られ、印字された金額を確実に機械読み取り可能な有価証券を得ることができる。
【0019】
また、請求項3の発明は、図1(b)および図1(c)に示すカーボンインキ層(14)は、蛍光顔料を含有している層でなる有価証券用紙(2)とするものである。
【0020】
このように蛍光顔料を含有しているカーボンインキ層(14)がチェックライターで押圧転写された数字や記号(金額)は、確実に機械読み取りおよび処理が可能なことはいうまでもないが、さらに例えば真偽判定器としてのブラックライト下で金額の数字、記号が発色するので、有価証券の真偽判定をより容易にすることもできる。
【0021】
以下に特にカーボン複写紙片(10)の材料等について説明する。
まずカーボン複写紙片(10)を構成する基紙(12)としては、チェックライターやタイプライター等の押圧で転写可能な薄い複写用紙が使用され、例えば坪量40g/m2 程度のKSコピーブライト(王子製紙社製)、MCP(三島製紙社製)、JCR(本州製紙社製)、NBCP(十絛製紙社製)等が挙げられる。また最近宅配便などで使用されている厚さ10μm程度の合成紙を用いることもできる。
【0022】
また、カーボンインキ層(14)としては、顔料(黒色顔料のカーボンブラック、オイルブラックを主体とし、他青色、赤色、白色顔料が含有)5〜35重量%、油(マシーン油等不乾性油)20〜40重量%、ワックス(植物性ワックスほかパラフィンワックス、ポリエチレンワックス等)30〜70重量%が分散、練肉された約100℃の一般的なホットメルト型カーボンインキを用いて、ゴム凸フレキソ方式あるいはグラビア方式で上記の基紙(12)にパートコートして得られる。
【0023】
また、剥離可能な接着剤層(16)としては、感圧接着剤(粘着剤とも言われている)が好適で、その中でも基紙(12)への浸透、接着のよいエマルジョン型、水溶性型、あるいはホットメルト型が好ましい。例えば、このエマルジョン型としては、アクリルエステルを主体としたアクリル系感圧接着剤が挙げられ、また水溶性型としては、アクリル酸共重合物、アクリルアミド共重合物、ポリエチレンオキサイドなどが使用可能である。また、ホットメルト型としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレンなどのブロック共重合体、ポリアミド、アクリルエステル共重合体などが挙げられ、150〜200℃の加熱温度で溶融して塗布することができ、剥離強度の調整のためこれら樹脂に各種添加剤や相溶性のある樹脂を添加することもできる。
【0024】
上記のような感圧接着剤を各印刷方式に応じた粘度に調整して、上記横長のカーボン複写紙片(10)を構成する基紙(12)の左右縁あるいは周縁に、ゴム凸フレキソ方式、グラビア方式あるいはスクリーン方式のいずれかでパートコートし、剥離可能な接着剤層(16)を形成することができる。
【0025】
以上のようにして図1(b)に示すような基紙(12)にカーボンインキ層(14)と剥離可能な接着剤層(16)がパートコートされたカーボン複写紙片(10)は、図3に示すようにその剥離可能な接着剤層(16)面をシリコン(52)が塗布されている剥離紙(50)に一担貼着しておき、有価証券用紙の製造時に、この剥離紙(50)からカーボン複写紙片(10)を剥がして、図1(c)に示すように用紙本体(30)の金座欄(20)を覆うように貼着すればよい。
【0026】
さらにまた、カーボンインキ層(14)に含有させる蛍光顔料としては、蛍光染料と合成樹脂固溶体でなるものや無機系の顔料でなるものがあるが、上記のカーボンインキ層(14)はワックス系のホットメルト型であることから前者の蛍光染料では耐熱性に劣り発光を阻害する危惧があり、よって後者の耐熱性に優れる無機系の顔料が好ましく用いられる。その無機系の蛍光顔料として例えば、200〜300nmの波長域の光にのみ発光するZn2 SiO4 /Mn、CaWO4 等、または300〜450nmの波長域の光にのみ発光するZnS/Mn等またはこれらの混合物が好適に使用され、前記のカーボンインキに、略同量の例えば前記蛍光顔料20〜50重量%、油15〜40重量%、ワックス20〜50重量%分散混合させた蛍光インキを混合したインキを、ゴム凸フレキソ方式またはグラビア方式等で蛍光顔料入りのカーボンインキ層(14)を形成することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、チェックライターで金額を表示する数字、記号が印字される横長の金座欄を有する用紙本体に、基紙にカーボンインキ層が積層されたカーボン複写紙片が該金座欄を覆うように貼着され、その貼着は、前記基紙の左右縁に積層された剥離可能な接着剤層で成されているので、チェックライターで押圧し、このカーボン複写紙片を剥離すると、チェックライターや印字する人が異なっても、PCS値が0.8以上の数字や記号が安定して得られ、印字された金額を確実に機械読み取り処理可能な有価証券を得ることができる。
【0028】
また、カーボン複写紙片のカーボンインキ層は、蛍光顔料を含有しているので、確実な機械読み取りと処理を可能にするとともに、さらにブラックライト下で発色するので、有価証券の真偽判定を容易にすることもできる。
【0029】
従って本発明は、小切手や約束手形等のための有価証券用紙として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有価証券用紙の一実施の形態を説明するもので、
(a)は、その正面図である。
(b)は、それを構成するカーボン複写紙片の一実施の形態を説明する斜視図である。
(c)は、図1(a)のB−B断面図である。
【図2】本発明の有価証券用紙を用いた有価証券の一事例を説明する正面図である。
【図3】本発明の有価証券用紙を構成するカーボン複写紙片の製造工程中の一実施の形態を説明する側断面図である。
【符号の説明】
1‥‥有価証券
2‥‥有価証券用紙
10‥‥カーボン複写紙片
12‥‥基紙
14‥‥カーボンインキ層
16‥‥剥離可能な接着剤層
20‥‥金座欄
20a‥‥金座欄の左端
20b‥‥金座欄の右端
30‥‥用紙本体
30a‥‥用紙本体の表面
50‥‥剥離紙
52‥‥シリコン
K‥‥金額
WC‥‥カーボン複写紙片の幅
WK‥‥金座欄の幅

Claims (4)

  1. 任意の位置にチェックライターで金額の数字、記号が印字される横長の金座欄を有する用紙本体に、該金座欄より少なくとも横幅が広い基紙にホットメルト型のカーボンインキからなるカーボンインキ層が積層され、該カーボンインキ層は少なくとも該金座欄を完全に覆う面積を有し、該基紙の、該カーボンインキ層が積層されていない該金座欄の外に相当する部分に、該カーボンインキ層と隣接して剥離可能な接着剤層が積層されたカーボン複写紙片が該金座欄を覆うように貼着され、
    該カーボンインキ層は、無機系の顔料からなる蛍光顔料を含有していることを特徴とする有価証券用紙。
  2. 前記剥離可能な接着剤層の剥離強度が50〜200gfであることを特徴とする請求項1記載の有価証券用紙。
  3. 前記カーボンインキ層は、顔料5〜30重量%、油20〜40重量%、ワックス30〜70重量%からなるカーボンインキと、蛍光顔料20〜50重量%、油15〜40%、ワックス20〜50重量%からなる、該カーボンインキと略同量の蛍光インキと、を含むことを特徴とする請求項1または2記載の有価証券用紙。
  4. 前記請求項1、2または3に記載の有価証券用紙にチェックライターでPCS値(Print Contrast Signal)が0.8以上の濃度の金額が印字されていることを特徴とする有価証券。
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