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JP4340918B2 - ディジタル保護制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、ディジタル保護制御装置に係り、特に、ディジタル保護制御装置を構成する構成要素の拡張性の向上及び監視機構を簡易化するのに好適なディジタル保護制御装置に関する。
従来のディジタル保護制御装置は、例えば、非特許文献1に記載されているように、構成要素として、アナログ入力部と、ヒューマンインタフェース部を備えたディジタル演算処理部と、入出力部と、
事故検出部と、PCM通信などの通信インタフェースを備えて構成されている。また、同様のディジタル保護制御装置が、特許文献1に記載されている。
これらのディジタル保護制御装置においては、ディジタル演算処理部が接続されたパラレルのシステムバスに対して、アナログ入力部とPCM通信インタフェース部が並列に接続され、また、入出力部はI/Oバスに並列接続されている。これらのパラレルバスは、ディジタル演算処理部がバスマスタとなってバスコントロールを行い、各構成要素間のデータの転送を行なっている。
特開2004−64892号公報 平成14年電気学会電力・エネルギー部門大会』講演番号215、新形ディジタルリレー(EDR+シリーズ)の開発
しかしながら、従来のディジタル保護制御装置では、各構成要素間のデータ転送にパラレルバスを用いているため、信号線の数が多くなるという問題がある。また、インタフェース回路も多くなり、信号終端のための抵抗等による発熱が大きいなどの課題がある。さらに、各構成要素に故障発生した場合、バスマスタである演算処理部がデータを読み出して確認し、最終的に出力部に異常を出力するようにしている。そのため、各構成要素が自発的に自己の異常を出力できないなどの制約がある。また、ディジタル保護制御装置の機能を拡張するために、拡張に係る構成要素の各プリント基板をパラレルバスに接続する必要があり、ユニットサイズ以上の拡張は困難であることから、別ユニットとして構成する必要があり、システム拡張の柔軟性に制約があった。
そこで、パラレルバスをシリアルバスにすることが考えられるが、シリアルバスの場合は異常又は健全性を示す信号線を特別に設けなければならず、省配線化が達成できない。さらに、シリアルバス自体が異常の場合は、演算処理部で異常を検出しても、外部に対して故障情報を発報できないから、ディジタル保護制御装置側で致命的な異常が発生したにもかかわらず、外部に対してはあたかも正常のように振るまい、系統事故に対して誤って不動作となるという問題がある。
これに対し、バスマスタに専用のマイクロプロセッサ監視手段、例えばウオッチドッグタイマやフリーランタイマなどの監視手段を設け、その監視結果を専用信号線にてI/Oユニット側へ送出するように構成できるが、省配線化に対応することができない問題がある。また、シリアルバス自体の健全性については考慮されていないという問題がある。
本発明は、ディジタル保護制御装置の拡張性の向上及び専用信号線を設けることなくシリアルバスを用いて各演算ユニットの異常を通報可能にして監視機構を簡易化するとともに、信頼性の向上を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、電力系統の電気量を取り込んでディジタル演算により保護制御演算を実行するCPU演算部及び他のユニットとの間のデータ転送を制御する通信制御部を備えた複数の演算ユニットと、系統保護機器を含む外部機器との間でディジタル情報を入出力するI/O部及び他のユニットとの間のデータ転送を制御する通信制御部とを備えたディジタルI/Oユニットと、前記各ユニットに設けられた通信制御部に接続されたシステムバスとを備えたディジタル保護制御装置を対象とする。
特に、前記システムバスは、シリアルバスにより形成され、前記各演算ユニットの前記通信制御部は、前記CPU演算部がアクセス可能な前記各ユニットに対応させた記憶領域を有するグローバルメモリを備え、前記各ユニットに設けられた通信制御部は、前記グローバルメモリを介して他のユニットとの間のデータ転送を設定周期ごとに実行し、前記各演算ユニットの前記CPU演算部は、前記ディジタルI/Oユニットに転送する転送データに自己の異常の有無を示す信号を付して前記グローバルメモリに格納し、前記ディジタルI/Oユニットは、前記異常の有無を示す信号を設定時間受信しないときに外部に警報を出力する異常検出手段を有することを特徴とする。
すなわち、システムバスとしてシリアルバスを採用するとともに、グローバルメモリを介して他のユニットとの間のデータ転送を予め定められた順番で実行するようにすることにより、省配線化及び機能の拡張性を満たすことができる。特に、ディジタル保護制御装置を構成する要素のユニットの組み合わせの自由度が増すという効果がある。例えば、システム外部とのデータの送受を行うヒューマンインターフェースユニット、あるいはPCM通信ユニットなどを容易に加えることができる。
また、グローバルメモリの全ての記憶領域の更新を、演算ユニットの保護制御演算周期によって規定される設定周期ごとに実行することにより、ディジタル保護制御の機能を損なわずにデータ保証を行って信頼性を向上させることができる。
また、各演算ユニットからディジタルI/Oユニットに転送する転送データに自己の異常の有無を示す信号を付して出力するようにし、ディジタルI/Oユニットにより異常の有無を示す信号が設定時間受信されないときに異常を検出するようにしたから、専用の信号線を設けることなく、シリアルバスを用いて各演算ユニットの異常を通報することができる。これにより、省配線化及び監視機構を簡易化でき、かつ信頼性を確保することができる。
本発明の場合において、異常の有無を示す信号を0又は1を交互に繰返す交互信号とし、異常検出手段は交互信号が設定時間以上入力されないときに警報を出力する構成とすることができる。また、CPU演算部は、交互信号を優先度が最も低いタスク処理結果の転送データに付加することが好ましい。
また、本発明は、上記の異常検出手段にえて、ディジタルI/Oユニットの通信制御部に、シリアルバスを介して受信されるシリアルデータの通信異常の頻度が設定頻度を超えたときに外部に警報を出力する第2の異常検出手段を設けることができる。これにより、専用の信号線を設けることなく、シリアルバスの通信機構の健全性をも含めたCPU演算機能の健全性を容易に確認できるため、省配線化及び高信頼度化が図れる。
本発明によれば、ディジタル保護制御装置のシステムバスとしてシリアルバスを用いても、機能の拡張性の向上、監視機構の簡易化、及び信頼性を向上することができる。
以下、本発明のディジタル保護制御装置を、実施例に基づいて説明する。
図1に、本発明のディジタル保護制御装置の一実施例のブロック構成図を示す。図示のように、本実施例のディジタル保護制御装置は、主リレー演算ユニット1と、事故検出演算ユニット2と、主リレー演算ユニット1用の複数のディジタル入出力ユニット3i(i=1、・・・、n)と、事故検出演算ユニット2用のディジタル入出力ユニット4と、ヒューマンインターフェースユニット5と、PCM通信ユニット6とを備え、それらの各ユニットはリアルタイムのシリアルバス7を介して相互にリアルタイムでデータ転送可能に構成されている。
主リレー演算ユニット1は、電圧及び電流などの状態量を入力変換器8から取り込み、予め定めた演算処理に従って主検出演算を実行するようになっている。また、主リレー演算ユニット1は、ディジタル入出力ユニット3iから、外部の遮断器などの保護機器の接点情報、及びディジタル保護制御装置に関係する表示器などの外部機器の状態信号を入力するとともに、外部機器等に対して操作信号を出力するようになっている。
事故検出演算ユニット2は、入力変換器8から電力系統の状態量を取り込み、予め定めた演算処理に従ってフェールセーフ用の事故検出演算を実行するようになっている。また、事故検出演算ユニット2は、ディジタル入出力ユニット4を介して、外部の遮断器などの保護機器の接点情報を取り込むとともに、保護機器に対し操作信号を出力するようになっている。
ヒューマンインターフェースユニット5は、通信ハブ(HUB)9と外部ネットワーク10を経由して、可搬形のヒューマンインターフェース11と接続して通信を行うと共に、操作パネル12から操作情報を取り込むようになっている。また、PCM通信ユニット6は、光モジュール13を介して、保護専用の通信ネットワークである図示していないPCM通信網に接続されている。
各ユニット1、2、5、6内には、それぞれグローバルメモリ(共有メモリ)14が設けられている。また、ディジタル入出力ユニット3、4内には、共有I/O部15と、それぞれアナログ又はディジタル回路で構成したウオッチドッグタイマ16が備えられている。
ここで、図1に示すディジタル保護制御装置の基本動作について説明する。まず、主リレー演算ユニット1と事故検出演算ユニット2は、入力変換器8を介してアナログの状態量データを一定の電気角(例えば、7.5°)刻みで取り込み、アナログディジタル変換した後、フィルタ処理を施して、フィルタ処理された状態量データを用いて、一定の電気角(例えば、30°)刻みで保護演算処理及び保護シーケンス処理を定周期的に行う。
主リレー演算ユニット1による演算の結果、系統に事故が発生したことを検出した場合は、シリアルバス7を経由してディジタル入出力ユニット3iに対して、遮断指令及び外部機器への操作信号を出力する。事故検出演算ユニット2においても同様に、シリアルバス7を経由してディジタル入出力ユニット4に対して、遮断指令及び外部機器への操作信号を出力する。主リレー演算ユニット1と事故検出演算ユニット2から出力された遮断指令は、パワーリレー17により論理積(AND)を取って、最終的な遮断指令として遮断器に出力される。
このように、本実施例によれば、シリアルバス7経由でデータ及び信号を送受できるから、大幅な省配線化が図れる。また、ディジタル保護制御装置の機能を拡張するために、拡張に係る構成要素(ユニット)の各プリント基板は、容易にシリアルバス7に接続することができるから、拡張の自由度が大幅に向上する。
図2を用いて、本実施例の通信制御に係る構成について説明する。図2に示すように、各ユニット1、2、5、6のハードウエアの構成は、ほぼ同一に形成されている。すなわち、各ユニットは、CPU演算部21と、グローバルメモリ14と、通信機構22と、パルストランス23とを備えて構成されている。グローバルメモリ14は、各ユニットに対応させて領域が分けられている。つまり、主リレー演算ユニット1用のM−RY領域、事故検出演算ユニット2用のFD−RY領域、ヒューマンインターフェースユニット5用のHI領域、PCM通信ユニット6用のPCM通信領域、ディジタル入出力ユニット3用のM−I/O領域が設定されている。
CPU演算部21は、自己に対応するグローバルメモリ14の領域とM−I/O領域については読み書きが可能になっており、他の領域については読出しのみが可能になっている。グローバルメモリ14の全領域は、通信機構22によって書込み及び読出しが可能になっている。つまり、グローバルメモリ14の各領域は、各ユニットからアクセス可能であるが、書込み操作については、自局宛に定めた領域しか書込みができないようにして、書き込みデータの保証をしている。また、グローバルメモリ14のM−I/O領域においても、各通信機構22が任意に読出し可能になっている。しかし、書込みについては、主リレー演算ユニット1のM−I/O領域には、主リレー演算ユニット1用のCPU演算部21のみが書込み可能に、事故検出演算ユニット2のM−I/O領域には、事故検出演算ユニット2用のCPU演算部21のみが書込み可能になっている。これは、主リレー演算ユニット1と事故検出演算ユニット2を別基板で構成し、これ対応させてディジタル入出力ユニット3iとディジタル入出力ユニット4の基板を分けておき、単一部品の故障で不要動作が発生しないようにするためである。
通信機構22は、パルストランス23を介してシリアルバス7に接続され、シリアルバス7から入力される送信データをグローバルメモリ14の指定された領域に格納するとともに、グローバルメモリ14の指定された領域のデータをシリアルバス7に出力するようになっている。各通信機構22は、各グローバルメモリ14に対し、予め定めた周期でアクセスして、データを順次更新するように動作する。パルストランス23は、各ユニット及びディジタル入出力ユニット3n、4の電気的な絶縁をとるために設けられている。これにより、通信機構22が故障しても、シリアルバス7の信号に影響を及ぼさないようにしている。また、通信機構22には、時間管理手段24が設けられている。
また、図2に示すように、ディジタル入出力ユニット3i、4には、時間管理手段24を有する通信機構22と、パルストランス23と、複数のウオッチドッグタイマ16i(i=1、・・・、N)と、OR回路26と、補助リレードライバ27、29と、補助リレー28、30と、絶縁入力部31を備えて構成されている。主リレー演算ユニット1又は事故検出演算ユニット2から外部機器に出力される操作指令等は、シリアルバス7からパルストランス23と通信機構24を介して取り込まれ、補助リレードライバ29と補助リレー30を介して対応する外部機器に出力される。また、外部からの状態信号は、絶縁入力部31を介して取り込まれる。
複数のウオッチドッグタイマ16iは、いわゆるフリーランタイマにより構成され、それぞれ各ユニット1、2、5、6等に対応して設けられている。ウオッチドッグタイマ16iは、各ユニット1、2、5、6等から通信機構22を介して入力される健全性を示す2値信号(以下、健全信号という。)を受けて再トリガ(リトリガ)されるようになっている。つまり、健全信号は、HからL、又はLからHへ交互に切り替わる交互信号であり、ウオッチドッグタイマ16iに印加される交互信号が、予め定めた時間以上変化しない場合に、異常信号(タイムアウト信号)を出力する。いずれかのウオッチドッグタイマ16iから異常信号が出力されると、OR回路26と補助リレードライバ27を介して補助リレー28から外部に警報が出力される。
ここで、本実施例のシリアルバス7の構成、各ユニット1〜6間におけるデータ伝送の仕組みについて説明する。シリアルバス7は、伝送時間の最大遅延時間を保証した条件で動作させる。この最大遅延時間は、伝送速度とシリアルバス7に接続された構成要素(ユニット)の数で決定される最大の遅延時間のことを指す。一般には、通信手段としてイーサネット(登録商標)通信を用い、プロトコルとしてTCP/IPを用いるが、通信上のデータの衝突を許容しているが、最大遅延時間については保証されていない。本実施例においては、各ユニット1〜6に対して、シリアルバス7を占有する時間を順番に割当てて、シリアルバス7の伝送線路上でデータ衝突がないようにしてデータ送信すること特徴とする。
ところで、省配線化したシリアルバス7に、各ユニットの健全性もしくは異常を示す信号を伝送する専用信号線を設けることは得策ではない。そこで、本実施例では、省配線化を維持しつつ、シリアルバス7自体及び各ユニットの健全性を容易に確認できる仕組みを講じている。
まず、リアルタイムのシリアルバス7については、主リレー演算ユニット1と事故検出演算ユニット2のリアルタイム処理として必要な電気角(例えば、30°=1.38ms又は1.66ms)以内に、各ユニット間でデータ転送できれば、本実施例のディジタル保護制御装置としての性能を損なうことはない。
また、各ユニットが健全であることを、シリアルバス7を介してディジタル入出力ユニット3、4の共有I/O部15に伝えるようにする。具体的には、各ユニット間で伝送する伝送データのフォーマット中に、特定の情報ビットを予め設け、各ユニットの動作の度にそのビット情報をH又はLに交互に書き換えて伝送する。共有I/O部15では、通信データからそのビット情報を抽出し、抽出したビット情報の内容に合わせて、予め設けたウオッチドッグタイマ16iをリトリガする。このウオッチドッグタイマ16iは、トリガされなければカウントアップし、予め定めた設定時間を経過すると、異常信号を出力するように動作する。この異常信号により共有I/O部15に備えた補助リレーを駆動して、外部に警報を発するようになっている。
したがって、専用信号線を設けなくても、主リレー演算ユニット1や事故検出演算ユニット2などのユニットが異常となって健全信号が出力されないとき、共有I/O部15のウオッチドッグタイマ16が自ずとタイムアップするので、異常が発生したことを容易に認識できる。また、シリアルバス7に異常が発生した場合においても同様に、ウオッチドッグタイマ16がタイムアップするのでシステムとして異常であることを容易に認識できる。
各通信機構22の通信制御は、図3に示すように、グローバルメモリ14と接続されたユニット1、2、5、6の各通信機構22に対して、例えばユニット1、2、5、6の順番で周期TLAN毎にシリアルバス7をアクセスできる権利が与えられる。シリアルバス7へのアクセス権が与えられた通信機構22は、シリアルバス7にアクセスしてグローバルメモリ14へのデータ書込みを行う。シリアルバス7へのアクセス権がない通信機構22はアクセス権が廻ってくるのを待機する。一つの通信機構22の動作が完了すると、シリアルバス7をアクセスできる権利を次の通信機構22に渡す。アクセス可能になった通信機構22は、シリアルバス7にアクセスしてグローバルメモリ14へのデータを書き込む。このような動作を順番に実施し、再度、通信機構22にアクセス権を廻すようにする。これら一連の動作を時間TCPU毎の一定時間で行うようにしてリアルタイム性を保証する。すなわち、データ転送の最大遅延時間を保証する。
図4に、シリアルバス7のリアルタイム通信制御の詳細動作のタイムチャートを示す。同図は、各ユニットのCPU演算部21と、グローバルメモリ14及び通信機構22と、シリアルバス7側間における動作手順を時系列的に示したものである。まず、各CPU演算部21は、定周期TCPU周期毎(例えば、電気角30°毎)に、情報部及びデータ部からなる自局データをグローバルメモリ14に書込む。この書込む信号の中に、健全性を示す健全信号を1ビット確保し、健全信号の内容を正常であれば、現在のH(又はL)の状態から逆の状態L(又はH)へ変化させて送出する。
通信機構22では一定間隔にアクセスする権利であるトークンを、他の通信機構22との間で順番に回しながら送信動作を行う。通信機構22では、自局宛のトークンを検出し、グローバルメモリ14内の自局データをシリアルバス7側に送信し、応答信号を待ち、応答信号確認後、送信終了情報を送出する。
その後、トークンを次局に渡し、一連のサイクルを終了する。この一連のサイクルは当然ながら、TCPU周期より短くなければリアルタイム性が保証できないため、十分短い間隔とする。しかも、全ての局の転送動作時間についても、TCPU周期より短くする。
このようにすることで、シリアルバス7にてリアルタイムに情報を送受することができる。当然ながら、シリアル信号であるため、冗長符号をつけることで、通信不良の検出や、データ訂正することも可能であり、高信頼化できることは言うまでもない。
図5〜図7を参照して、本実施例の動作タイミングを説明する。図5において、CPU演算部は周期TOP毎に割込み信号が入力され、この割込み信号に対応した割込み処理、例えば、リアルタイム処理となるディジタルフィルタ演算処理、保護演算処理、シーケンス処理などを実行する。
次に、リアルタイムOSのタスク処理として登録した優先度付きのタスク処理を実行する。この実施例では、タスク1から順に優先度が高いものとして説明する。割込処理が終了すると、タスク処理2が起動され、その後、優先度が高いタスク1が起動され、処理がタスク1に移行する。タスク1の処理中に割込みが発生し、タスク処理よりも優先度が高い割込み処理を実行する。
割込み処理が終了すると、タスク1が先ほどの続きの処理を実行する。タスク1処理終了後、処理中であったタスク2の処理を再開し処理する。その後、タスク3の処理を実行する。このタスク3の処理の中で、ウオッチドッグタイマ(WDT)16iをクリアするための健全信号を書く。例えば、始めに1(=H)を書込む。次のタスク3の処理が実行する際に、WDT16iをクリアするための0(=L)を書く。このようにして、WDT16iがタイムアップする時間内に、1と0を交互に書くように動作する。
ディジタル入出力ユニット3i、4では、通信周期毎にデータの受信を行うが、WDTクリアの健全信号を受信するとWDTクリア処理を実行する。WDT16iのフリーランタイマは図のように一定周期で増加する動作をし、健全信号にてフリーランタイマを初期状態の0に戻す。このケースでは、正常に健全信号を受信しているため、故障出力は発報されない。
図6は、図5に示した正常な状態から、CPU演算部21が停止した異常ケースのタイミング例である。図において、タスク3を起動した状態でCPUが停止したケースである。最初は健全信号によりWDTクリアを正常にできたが、次の健全信号が受信できないため、WDT16iのフリーランタイマは増加し続け、タイムアップレベルを超えたところで、WDTタイムアウトとなり、故障出力を発報する。このようにして、本実施例によれば、CPUの異常をシリアルバス7の信号として適用することで、特別な監視信号を持たずに実現できる。
図7は、CPU演算部21は正常であるが、シリアルバス7が異常になったときのタイミング例を示すものである。CPU演算部21は正常に動作できるため、割込み処理や、タスク処理が実行できる。しかし、シリアルバス7が異常になり、健全信号がディジタル入出力ユニット3、4に入力されないため、WDT16iのフリーランタイマのリクリアができない。したがって、WDT16iのフリーランタイマが増加し続け、タイムアップレベルを超えたところでWDTタイムアウトになり、故障出力が発報される。
本実施例によれば、シリアルバス7に特別な監視信号線を設ける必要がないから、シリアルバス7に非常に適した構成がとれ、高信頼度化を図ることができる。
ここで、本実施例の主リレー演算ユニット1(又は、事故検出演算ユニット2)の内部構成の例を図8に示し、ヒューマンインタフェース5の内部構成例を 図9に示す。図8に示すように、主リレー演算ユニット1は、電力系統から入力変換器8により電圧変換した複数の状態量を取り込み、サンプリングによる折返し誤差を防止するために、それぞれアナログフィルタ31によりフィルタリングする。マルチプレクサ32により、アナログフィルタ31の出力信号を順次切替えて、A/D変換器33にてディジタル信号に変換してメモリ34に格納する。マイクロコントローラ35は、ローカルバス36を介してメモリ34からディジタル信号に変換された状態量を取り込み、系統事故時に発生する低次高調波成分を除去するディジタルフィルタ処理を行うとともに、保護演算及びシーケンス処理を実行する。マイクロコントローラ35内には、演算実行するCPUコアと、浮動小数点演算機構FPUと、フィルタ演算プログラム及び通信処理プログラムを予め格納しておくROMと演算用RAM、並びに周辺回路と割込制御機構が備えられている。タイミング制御回路37は、定周期毎の通信周期を管理するものであり、電気角30°毎のCPUへの割込み信号の発行や、マルチプレクサ32へのチャンネル切替信号、A/D変換器33へのA/D変換タイミング指令、メモリ34への書込み信号などの信号を出力する。通信機構22は、グローバルメモリ14を内部に有しており、通信機構22はパルストランス23を経由してシリアルバス7に接続されている。通信機構22は、マイクロコントローラ35から書き込まれたデータをグローバルメモリ14に蓄積し、このデータを定周期に各ユニットに分配するように動作する。
一方、ヒューマンインタフェース5は、図9に示すように、シリアルバス7とイーサネット(登録商標)41の2つの通信ネットワークに対応するようになっている。図において、ヒューマンインタフェース5は、マイクロコントローラ42及びコントローラバス43を備え、このコントローラバス43に演算・処理用のワークRAM44、データセーブ用メモリ45、通信機構22、通信機構22に内蔵されたグローバルメモリ14、及びLAN通信機構46が密結合されている。コントローラ42は図8のマイクロコントローラ35と同じ機能を有するが、格納されているプログラムが異なる。LAN通信機構46は、パルストランス47を経由して、外部のネットワーク41に出力すると共に、外部のネットワーク41からの信号を取り込む。つまり、LAN通信機構46は、図1に示した通信ハブ9を経由して、外部イーサネット(登録商標)ワーク10に接続し、可搬式のヒューマンインタフェース12との通信情報を授受することで遠隔対応化が図られている。また、通信機構22は、図8に示した通信機構22と同様にパルストランス23を介してシリアルバス7に接続されている。
図10に、本発明のディジタル保護制御装置の主要部の他の実施例の構成図を示す。本実施例が、実施例1と相違する点は、ディジタル入出力ユニット3i、4の構成が異なることにある。すなわち、図10に示すように、本実施例のディジタル入出力ユニット3i、4は、通信機構22にCRC(Cyclic Redundancy Check)検定回路54を設け、CRCエラーを検出した場合に異常検出信号48をCRC異常頻度検出部49に出力する。
ここで、CRC検定方法は、一般的に知られている検定方法であり、送信側で送信データに対してCRC検定のために予め決定した多項式により生成したデータ(冗長データ)を求め、この冗長データを送信データに付加して送信する。
生成多項式としては、P(X)=X16+X12+X+1などの、CRC−CCITTなどが知られており、ハイレベル手順に属するHDLCのプロトコルに採用されている。送信データを上記の生成多項式で除算し、除算した結果の余りがチェックコードとなる。一般には、割り算ではなく、桁上がりのないXOR演算にて実施する。
受信側では、冗長データを含んで受信したデータを生成多項式で除算して余りがあるか否かをチェックする。余りが0の場合は誤りなし、0でないときは誤りありと判定する。この判定を、1伝文ごとに行うため、毎通信時ごとにチェックできる。例えば、一過性的なデータ欠落などにより発生する伝送異常は、次の送信タイミングには回復する可能性がある。このため、頻度監視を行い、一過性的なデータ欠落が多発するようであれば、永久故障の事前現象と見て、早期に故障確定とする。
つまり、CRC異常頻度検出部49は、CRC異常検出信号48の頻度を検出し、頻度が設定値を超えたときに補助リレードライバ51及び補助リレー52を経由して、外部に異常状態の警報を出力するようになっている。例えば、10sタイマ50が10sカウントする間にCRC異常検出信号48が2回以上発生した場合に警報信号を出力する。また、10sタイマ50は、10sカウント信号ごとに、CRC異常頻度検出部49の記憶内容を消去するクリア信号53を出力するようになっている。
すなわち、一般的な通信LSIはCRC異常を検出する機能は有しているが、その異常情報はホストコントローラがないと読み出すことはできない。本実施例では、ホストコントローラがなくても、異常信号を積極的に出力するように構成したものである。
特に、実施例1の場合において、何らかの通信異常が正常に戻らないケースの場合、WDT16iがクリアされないから、最終的に装置の故障信号が外部に出力される。その通信異常が一過性の場合、通信品質が悪いことが懸念される。具体的には、保護リレーユニット内の伝送が、外乱ノイズの影響や通信ICが壊れかけている現象により影響を受けていることがある。このような状況において、WDTによって異常確定するまでの間の不安定な期間の動作においても、頻度監視にて故障検出することができ、外部警報できる。すなわち、CRC検定は毎回の通信が正常か異常かの判定が可能であるため、一過性の異常が長く続く場合、監視の盲点をなくすことができる。したがって、CRC異常信号をモニタリングすれば、ディジタル保護制御装置内の通信品質の良悪を把握することが可能であり、この監視結果より、通信機構の監視が可能である。
図11に、図10図に示した実施例の動作のタイミング例を示す。図示のように、CRCチェックが正常であれば、異常信号は出力されないため、当然ながら、外部に対して異常出力は出力されない。また、CRC異常を検出した場合、このように構成したディジタル入出力ユニット3、4は、コントローラを実装しなくても、継続した通信異常の状態を外部に報告することが可能である。
すなわち、本実施例のような省配線化したシステムでは、シリアル通信の状態監視が非常に重要になるため、このような手段を実装することで、高信頼度なシステムを構築することができる。
また、本発明によれば、ディジタル保護制御装置の複数の構成要素間で送受するデータをシリアルバスで伝送可能に構成できるから、CPU演算部、入力部及び出力部が同一ユニット内でなく、離れた位置に設置しても構成ができる。その結果、分散配置したI/O機器制御用途にも適用できる。
本発明のディジタル保護制御装置の実施例1のブロック構成図である。 実施例1の特徴部の詳細構成を示すブロック構成図である。 実施例1の通信制御の動作概要を説明する図である。 実施例1の通信制御の動作を示すタイミングチャートである。 実施例1の主リレー演算ユニット又は事故検出演算ユニットの詳細構成図である。 実施例1のヒューマンインタフェースユニットの詳細構成図である。 実施例1の演算ユニット等の正常時における動作タイミングの一例を示す図である。 実施例1の演算ユニット等の異常時における動作タイミングの一例を示す図である。 実施例1の通信系の異常時における動作タイミングの一例を示す図である。 本発明のディジタル保護制御装置の実施例2の特徴部の詳細構成を示すブロック構成図である。 実施例2の通信系の異常時における動作タイミングの一例を示す図である。
符号の説明
1 主リレー演算ユニット
2 事故検出演算ユニット
3i ディジタル入出力ユニット
4 ディジタル入出力ユニット
5 ヒューマンインタフェースユニット
6 PCM通信ユニット
7 シリアルバス
14 グローバルメモリ
15 共有I/O部
16 ウォッチドッグタイマ
22 通信機構

Claims (5)

  1. 電力系統の電気量を取り込んでディジタル演算により保護制御演算を実行するCPU演算部及び他のユニットとの間のデータ転送を制御する通信制御部を備えた複数の演算ユニットと、系統保護機器を含む外部機器との間でディジタル情報を入出力するI/O部及び他のユニットとの間のデータ転送を制御する通信制御部とを備えたディジタルI/Oユニットと、前記各ユニットに設けられた通信制御部に接続されたシステムバスとを備えたディジタル保護制御装置において、
    前記システムバスは、シリアルバスにより形成され、
    前記各演算ユニットの前記通信制御部は、前記CPU演算部がアクセス可能な前記各ユニットに対応させた記憶領域を有するグローバルメモリを備え、
    前記各ユニットに設けられた通信制御部は、前記グローバルメモリを介して他のユニットとの間のデータ転送を設定周期ごとに実行し、
    前記各演算ユニットの前記CPU演算部は、前記ディジタルI/Oユニットに転送する転送データに自己の異常の有無を示す信号を付して前記グローバルメモリに格納し、
    前記ディジタルI/Oユニットは、前記異常の有無を示す信号を設定時間受信しないときに外部に警報を出力する異常検出手段を有することを特徴とするディジタル保護制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記異常の有無を示す信号は、0又は1を交互に繰返す交互信号であり、
    前記異常検出手段は前記交互信号が設定時間以上入力されないときに警報を出力することを特徴とするディジタル保護制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記CPU演算部は、前記交互信号を優先度が最も低いタスク処理結果の転送データに付加することを特徴とするディジタル保護制御装置。
  4. 請求項1において、
    前記ディジタルI/Oユニットの通信制御部は、前記シリアルバスを介して受信されるシリアルデータの通信異常の頻度が設定頻度を超えたときに外部に警報を出力する第2の異常検出手段を有することを特徴とするディジタル保護制御装置。
  5. 請求項2において、
    前記異常検出手段は、前記各演算ユニットに対応して設けられ、前記交互信号が入力されたときに再トリガされ、前記交互信号が前記設定時間以上入力されないときに異常信号を出力する複数のウオッチドッグタイマを備え、該複数のウオッチドッグタイマの異常信号のOR回路出力により警報を出力することを特徴とするディジタル保護制御装置。
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