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JP4351871B2 - 管推進機 - Google Patents
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JP4351871B2 - 管推進機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方にカッタヘッドを有し後端部に埋設管が取り付けられる先導体を備え、先導体を推進しつつカッタヘッドで地山を掘削するとともに掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を後方へ送って泥土の一部を先導体後部から取り込んで地上に排出するとともに残りを埋設管の外周に導くようにした管推進機に関する。
【0002】
【従来の技術】
管を地中に埋設する工法として、管推進工法と称する工法が従来から知られている。この管推進工法では、カッタヘッドを有する先導体の後方にヒューム管等で形成した埋設管を順次連結し、元押しジャッキと押し台を有し発進立坑に設置される元押し装置によりそれらの埋設管を推進しながら前方の地山をカッタヘッドで掘削して、各埋設管を順次地中に押し込んで埋設して行く方法が一般に用いられている。管推進機は、こうした管推進工法を実施するため、先導体と元押し装置とで構成された装置である。
【0003】
出願人が従来開発したこの種の管推進機では、カッタヘッドで掘削した掘削土砂に、粘性付与液としての添加剤を掘削土砂に注入、撹拌混合することにより塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を後方へ送ってその泥土の一部を先導体後部から取り込んで土砂圧送装置で地上に排出するとともに残りを先導体の後端部に取り付けられた埋設管の外周に導くようにしている。その場合、カッタヘッドの掘削外径を先導体胴部外径よりも十分大きくするとともに、地山に当接して支持される支持部材を先導体胴部の外周に設けることにより、泥土を通過させるための十分大きな間隙を先導体胴部の外周に確保し、ひいては埋設管の外周に十分な量の泥土を導けるようにしている。そのため、埋設管を推進する際、埋設管と周辺地山との摩擦抵抗を低減して埋設管の貫入抵抗を軽減できるとともに、土砂圧送装置での掘削土砂の排出を容易に行うことができる。
【0004】
このような管推進機として、最近、出願人は、先導体本体としての管体の周囲に、地山で支持される円筒状の支持部材を、泥土通路を形成するように設けて、先導体を構成した管推進機を開発した。この管推進機は、支持部材が円筒状であって、先導体を地山で支持するときの支持面積が大きいため、先導体の姿勢の安定性が良く、軟弱地盤帯で使用するときでも、姿勢支持反力が十分に得られる等の多くの利点を備えている。この管推進機に関する発明は、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の管推進機は、その構造上、発進時に大量の泥土や地下水が発進立坑内に浸入する点で難がある。
【0005】
出願人は、こうした問題を解決するため、その後、特許文献1に記載の管推進機を改良した管推進機を提案し、この管推進機に関する発明については、特願2001−276770号として特許出願をした。この管推進機に関する発明は、前記の問題を解決するため、先導体本体としての管体の後方に泥土通路の閉鎖装置を付設したものである。この管推進機を具体化した例では、泥土通路が形成されるように円筒状の支持部材を管体に固定するための断面円弧状のスペーサ部材を、泥土の流通間隙ができるように管体の周方向に間隔を置いて上下左右に配置している。また、圧力流体の供給排出より膨張収縮させて泥土通路の閉鎖及び開放を選択的に行うことができる椀形の弾性体を設けて、泥土通路の閉鎖装置を構成している。この弾性体は、スペーサ部材間の複数の泥土の流通間隙をそれぞれ閉鎖できるように複数配置して、スペーサ部材と相俟って管推進機の発進時に泥土通路を閉鎖することができるようにしている。
【0006】
ところで、この弾性体で閉鎖するためのスペーサ部材間の泥土の流通間隙は、横断面が上下左右に角部を有する円弧状をなしている。こうした横断面形状の泥土の流通間隙を、角部に至るまで椀形の弾性体により十分にシールできるようにするためには、弾性体は、泥土の流通間隙の横断面形状にフィットするように変形することができるように追従性の高いものに製作する必要があり、製作上難がある。こうしたことから、前記特許出願の発明を経済的に実施するため、弾性体を環状に形成して、スペーサ部材とは無関係に環状の弾性体単独で横断面ドーナツ状の泥土通路を閉鎖する構造を採用することとした。
【0007】
本発明の特徴を理解しやすくするため、ここでは、こうした環状の弾性体による泥土通路の閉鎖装置を設けた管推進機を従来の技術として位置付けて、この従来の技術の技術内容を、図6乃至図10に基づいて以下に詳述する。図6は、発進前に弾性体を収縮させているときの従来の技術の管推進機における要部の縦断面図、図7は、図6の管推進機の要部の横断面図、図8は、発進時に弾性体を膨張させているときの従来の技術の管推進機における要部の縦断面図、図9は、発進終了後に弾性体を収縮させているときの従来の技術の管推進機における要部の縦断面図、図10は、従来の技術の管推進機を発進立坑内で発進させているときの状態を示す縦断面図である。
【0008】
これらの図において、1は前方にカッタヘッド7を有する円筒状の前内管、2は後方に接続管5を介して埋設管が取り付けられる円筒状の後内管、3は前内管1の周囲に間隔を置いて取り付けられた円筒状の前外管、4は後内管2及び接続管5の周囲に間隔を置いて取り付けられた円筒状の後外管、5は後内管2の後端に取り付けられた埋設管接続用の接続管、6は内管1,2及び接続管5の外周と外管3,4の内周との間に形成された、泥土を通過させるための泥土通路、7は回転駆動されて前方の地山を掘削するカッタヘッド、8は後内管2の下部周壁に設けられ泥土通路6の泥土を取り込む泥土取り込み口、9は後内管2の後方に接続され、後内管2内の土砂圧送ポンプ(図示せず)で圧送される泥土を発進立坑18を経て地上に導く排土管である。
【0009】
前内管1と後内管2とは、両管1,2の外径がカッタヘッド7の掘削外径よりも小さくなるように形成している。また、これら前内管1と後内管2とは、隣接端部を揺動可能に中折れシール(図示せず)を介して嵌合するとともに、周方向に配列した少なくとも3基の中折れジャッキ(図示せず)で接続して、これらの中折れジャッキのストローク差により管1,2を上下左右に中折れできるようにしている。前外管3と後外管4とは、前内管1と後内管2とをこうして中折れ動作させた際にこの動作に追従して中折れ動作できるようにするため、隣接端部を互いに干渉しないように若干の間隔を設けて引き離している。
【0010】
前外管3や後外管4は、それぞれ、前内管1や後内管2及び接続管5との間に環状の泥土通路6を形成するように、前内管1及び後内管2の外周に間隔を置いてスペーサ(図示せず)で固定的に取り付けている。これらの前外管3及び後外管4は、こうした泥土通路6を形成する働きのほか、地山で支持されて先導体を支持する支持部材としての働きもする。この筒状の支持部材としての前外管3及び後外管4は、ここでは、カッタヘッド7の掘削外径と実質上同径に形成しているが、前内管1及び後内管2との間に、必要量の泥土を通過させるに足るだけの間隔の泥土通路6を形成し、かつ、カッタヘッド7の掘削外径を実質上超えない外径にするのであれば、必ずしも、掘削外径と同径に形成する必要はない。
【0011】
カッタヘッド7には、その前端中心部分に、粘性付与液としての添加剤を放射状に注入するように、図示していない添加剤注入孔が設けられており、この添加剤注入孔から注入した添加剤を掘削土砂に撹拌混合して塑性流動性のある泥土を生成できるようにしている。この泥土は、環状の泥土通路6により後方へ送られて、その一部が泥土取り込み口8から後内管2内に取り込まれた後、後内管2内の土砂圧送ポンプにより、排土管9を通じて地上に圧送される。図10には、こうした泥土を符号Mで表している。
【0012】
接続管5は、図示しない埋設管を嵌合させることにより埋設管を後内管2の後方に接続できるようにする働きをする。そのため、接続管5の後端部には、埋設管を嵌合して固定するための埋設管の固定部5aが付設されている。埋設管は、発進立坑18内で後内管2の後方に接続され、順次継ぎ足されながら発進立坑18内の元押し装置10で推進される。その際、排土管9は、この埋設管7の内部に敷設した状態で後内管2の後方に順次継ぎ足される。この従来の技術の管推進機では、前内管1と後内管2と接続管5とを設けて先導体本体を構成しており、この先導体本体に前外管3及び後外管4を設けて先導体を構成している。また、この先導体と次に述べる元押し装置10とで管推進機を構成している。
【0013】
10は先導体や埋設管を推進する元押し装置、11は発進立坑18に設置され押し台13を移動可能に支持するフレーム、12は先導体1や埋設管に推進力を付与する元押しジャッキ、13はこの元押しジャッキ12の推進力を伝達して先導体や埋設管を押し込む押し台、14はフレーム21の前端部に設置され先導体や埋設管を水平に支持する管支持部材、16は発進時に先導体外周面と地山との隙間をシールして発進立坑18への地下水や土砂等の浸入を防止するエントランスパッキング、17はこのエントランスパッキング16を取り付けるためのエントランスパッキング取付部材、18は管埋設の出発点となる発進立坑である。
【0014】
元押し装置10は、フレーム11、元押しジャッキ12、押し台13及び管支持部材14を設けて構成されている。フレーム11は、先導体の発進方向に向けて所定間隔で左右(紙面直角方向に)一対設けられ、両フレーム11の後端部には、元押しジャッキ12を取り付けるためのジャッキ支え台11aをそれぞれ立設している。これらのジャッキ支え台11aは、元押しジャッキ12による先導体の推進時に発進立坑18の坑壁で支持して反力を取れるように配置している。元押しジャッキ12は、フレーム11に対応して一対設けられ、ピストンロッド部をジャッキ支え台11aに取り付けるとともに、シリンダ部を押し台13に、これを前後何れの方向にも移動させる得るように連結する。押し台13には、その前後方向の移動を円滑に行えるようにするため、下端部にローラ13aを付設している。エントランスパッキング16及びエントランスパッキング取付部材17は、発進立坑18の発進口周囲に設けられてリング状をなす。
【0015】
以上のような構造を備えた従来の技術の管推進機は、元押し装置10で先導体を推進しつつカッタヘッド7を回転駆動すると、地山を掘削して掘削穴を形成する。また、こうして掘削穴を掘削する過程で、粘性付与液を掘削土砂へ注入しカッタヘッド7で撹拌混合して塑性流動性のある泥土を生成し、この泥土を後方へ送る。そうすると、泥土は、環状の泥土通路6に圧入、充填されて同通路6を通過し、一部は、後内管2に設けた泥土取り込み口8に取り込まれて土砂圧送ポンプにより地上に圧送、排出されるとともに、残りは、後内管2の後端部に取り付けた埋設管の外周に導かれて泥土層を形成する。この管推進機は、こうして埋設管の外周に形成された泥土層で埋設管の貫入抵抗を軽減しながら先導体を前外管3及び後外管4で地山に支持されて掘進する。
【0016】
その場合、先導体を地山で支持するための支持部材としての前外管3及び後外管4は、円筒状をなしていて支持面積が大きいため、姿勢の安定性が良く、施工する地山が軟弱土であてっも、姿勢支持反力が十分に得られるとともに、泥土通路6の間隙が良好に保持されて、泥土が泥土通路6の後側まで十分に行き渡ることとなる。また、発進終了後は、埋設管の外周面と地山の隙間がエントランスパッキング16でシールされて、発進立坑18への地下水や土砂等の浸入を防ぐことができる。こうした点は、特許文献1に記載の管推進機と共通している。
【0017】
しかしながら、発進終了前には、前外管3及び後外管4の外周面と地山との隙間をエントランスパッキング16でシールしているものの、泥土通路6の後端開口が発進立坑18内に通じているため、特許文献1に記載の管推進機では、発進時に、泥土や地下水等が泥土通路6を通じてその後端開口から発進立坑18内に大量に浸入することは避けられない。こうした問題を解決するため、出願人は、前述したように、先導体本体における土砂取り込み口の後方に泥土通路の閉鎖装置を付設した前記特願2001−276770号の特許出願の発明を提案した。図6乃至図10に示す従来の技術の管推進機では、この特許出願の発明を実施する場合に泥土通路の閉鎖装置を困難なく製作できるようにするため、その閉鎖装置をなす弾性体24を前記のように環状に形成する構造を採用した。
【0018】
そこで、この従来の技術の管推進機における泥土通路の閉鎖装置20の構造やその問題点等を以下に説明する。
【0019】
20は先導体本体の最後部をなす接続管5に取り付けられた、泥土通路6を閉鎖するための泥土通路の閉鎖装置、21は弾性体24の内側と接続管5の外周面との間に形成され圧力流体を封入することができる流体封入室、22はこの流体封入室21に圧力流体を供給したり流体封入室21から圧力流体を排出したりするためのホースによる流体給排路、23は弾性体24を接続管5の外周側に取り付けるための弾性体取付部材、24は弾性変形部24aと固定部24bとを有し接続管5の外周を囲繞するように取り付けられた環状の弾性体、24aは膨張及び収縮させてそれぞれ泥土通路6の閉鎖及び開放を行うことができる弾性体24の弾性変形部、24bは弾性体取付部材23で接続管5の外周側に固定されるフランジ状の弾性体24の固定部である。
【0020】
弾性体24は、流体給排路22を通じて図示しないポンプから流体封入室21に圧力流体を供給すると、図8に示すように、弾性変形部24aの径方向断面が半円状になるように膨張して泥土通路6を閉鎖する。また、その流体封入室21内の圧力流体を流体給排路22を通じて排出すると、弾性変形部24aに外力が作用していないときには、図6に示すように、弾性変形部24aの径方向断面が偏平状になるように収縮して泥土通路6を開放する。圧力流体としては、空気、作動油等、所望の流体を使用することができる。
【0021】
弾性体24の固定部24bは、接続管5に固定される部分であって、流体封入室21への流体封入時に変形すると不都合であるので、弾性変形部24aよりも変形しにくいように形成している。弾性体取付部材23は、ボルトと、弾性体24の固定部24bを接続管5と協働して挟持するための挟持部材とで構成されている。弾性体24を接続管5に取り付けるときには、フランジ状の埋設管の固定部5aを接続管5に固着する前に、環状の弾性体24をその弾性を利用して接続管5に嵌合した後、弾性体24の固定部24bを接続管5と共に挟持部材で挟んでから、この挟持部材と固定部24bをボルトで接続管5に螺着する。
【0022】
こうした構造を備えた従来の技術の管推進機にあっては、発進する際、泥土通路6を、土砂取り込み口8の後方に設けた泥土通路の閉鎖装置20により閉鎖する。そうすると、発進過程で生成された泥土を土砂取り込み口8に取り込んで土砂圧送ポンプで地上に排出することが可能になる。そのため、発進の初期段階から土砂圧送ポンプで泥土の排出量を制御して適切な値の泥土圧を立てることができ、切羽を適切な泥土圧で支持することができる。その結果、掘削穴周辺の地山の崩壊を防止するとともに切羽周辺からの地下水の湧出を泥土圧で抑止することができて安全な施工を行うことができる。また、泥土通路6を泥土通路の閉鎖装置20で閉鎖するため、泥土や地下水が泥土通路6の後端開口から発進立坑18内に浸入するのを防止することができる。発進終了後は、泥土通路5の後端開口がエントランスパッキング16により発進立坑28と隔離されるので、泥土通路の閉鎖装置20を開放して通常時の掘進を行うことができる。
【0023】
【特許文献1】
特開平11ー2094号公報(第4−6頁、図1)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、泥土通路6は、泥土が泥土圧よりも低い通過抵抗で無理なく通過できる断面が保持されるようにすることが必要であり、そうでないと、埋設管の外周に泥土が満遍なく行き渡らないため、管推進時における埋設管の貫入抵抗を有効に軽減することはできない。そのため、泥土通路6は、泥土が通過しにくい狭隘な個所ができず、かつ、泥土中の異物(礫等)や粘性の高い土砂が堆積しにくい構造にして、泥土の流れが阻害されないようにすることが必要である。こうしたことから、従来の技術の管推進機では、弾性体24の収縮時における弾性変形部24aが泥土通路6の内周面とできるだけ面一になるようにその径方向断面を偏平状にすることにより、泥土通路6を狭める凸部や土砂等の堆積しやすい凹部が泥土通路6に形成されないように泥土通路の閉鎖装置20を構成している。
【0025】
しかしながら、この泥土通路の閉鎖装置20は、弾性体24を収縮させた場合において、発進前には、図6に示すように弾性変形部24aの径方向断面が偏平状に保持されるものの、発進終了後の通常掘進時には、弾性変形部24aに泥土圧が作用することにより、弾性変形部24aは、図9に示すように中央部に窪みが生じるように変形する。弾性体24にこうした窪みができると、この窪みに泥土中の異物や高粘性の土砂等が堆積して、これらの堆積物により泥土の流れが阻害されることとなる。さらに、このように泥土の流れが阻害されて、その流速が落ちると、泥土が弾性体24の個所だけではなく、泥土通路6の各所で詰まりやすなり、こうした事態が進展すると、やがて、先導体は、掘削土砂を地上に排出することができなくなって掘進不能となる。
【0026】
こうしたことを回避するため、泥土圧に対抗して弾性変形部24aの偏平状態が保てるように流体封入室21に非圧縮性の高い流体を封入することにより、弾性変形部24aに窪みができないように手当したとしても、地上の流体供給源と流体封入室21の間を結ぶ流体給排路22が先導体の掘進の進展に伴って長くなると、弾性変形部24aは、不可避的に生じる流体給排路22の僅かな膨張やその内部の流体の僅かな収縮によっても少なからず変形するため、弾性変形部24aが窪むのを防ぐことは至難の業である。さらに、弾性変形部24aが礫等の硬い異物で押しつけられたときには、もはや、弾性変形部24aの変形を防ぐことはできず、その変形によって生じた窪みに異物が堆積されることとなり、これを契機に、泥土通路6の閉塞が進展して、泥土通路6内での泥土の流れが阻害されることとなる。
【0027】
本発明は、従来の技術にみられるこうした問題を解決するために創作されたものであり、その技術課題は、円筒状の支持部材を設けて先導体を構成し泥土通路の閉鎖装置を付設した管推進機において、泥土通路の閉鎖装置の製作が困難でなくその付設により泥土の流れが阻害されない管推進機を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明のこうした技術課題は、
前方にカッタヘッドを有し後端部に埋設管が取り付けられる管状の先導体本体と、泥土を通過させるための泥土通路を形成するようにその先導体本体の外周に間隔を置いて固定され地山で支持される円筒状の支持部材とで構成された先導体を備え、先導体を推進しつつカッタヘッドで地山を掘削するとともに掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を、先導体本体と支持部材との間に形成された泥土通路により後方へ送ってその泥土の一部を先導体本体の土砂取り込み口に取り込んで地上に排出するとともに残りを埋設管の外周に導くようにした管推進機において、
内側に圧力流体を封入することにより膨張させて泥土通路を閉鎖したり、その圧力流体を排出することにより収縮させて泥土通路を開放したりすることができる環状の弾性体を、先導体本体の外周を囲繞するように土砂取り込み口の後方に設けるとともに、弾性体とは別体に、この弾性体の内に、その収縮時に泥土圧に対抗して弾性体の径方向断面を偏平状に保持することができる形状保持部材を装着して構成した泥土通路の閉鎖装置を付設したこと、
により達成される。
【0029】
こうした泥土通路の閉鎖装置を付設した本発明の管推進機にあっては、発進する際、先導体本体の外周と円筒状の支持部材との間に形成された泥土通路を、土砂取り込み口の後方に設けた環状の弾性体を膨張させることにより閉鎖する。そうすると、発進過程で生成された泥土を土砂取り込み口に取り込んで地上に排出することが可能になるとともに、泥土や地下水が泥土通路を通じてその後端開口から発進立坑内に大量に浸入するのを防止することもできる。こうして先導体が発進立坑の発進口を通過した後は、泥土通路の後端開口が発進立坑と隔離されるので、弾性体を収縮させることにより泥土通路を開放して通常時の掘進を行うことができる。
【0030】
その弾性体の内には、特に形状保持部材を装着しているので、弾性体は、その収縮時に泥土圧に対抗して径方向断面が形状保持部材により常時偏平状に保持される。そのため、礫等の異物や粘性の高い土砂等が堆積しやすい窪みや泥土通路を狭めるような突出部が弾性体に生じることはなく、泥土通路内での泥土の流れが阻害されることはない。また、弾性体は、円筒状の支持部材に密接させやすい環状をなしていているため、格別追従性の高いものに製作しなくても、膨張時に泥土通路を良好に閉鎖することができて、製作には困難が伴わない。このように、泥土通路の閉鎖装置を付設した本発明の管推進機では、泥土通路の閉鎖装置の製作が困難ではなく、その付設により泥土の流れが阻害されることもない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した例を図1乃至図5に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。
【0032】
図1は、本発明を具体化した第1の例の管推進機における要部の縦断面図で、弾性体を収縮させているときの状態を示す図、図2は、図1の管推進機における要部の横断面図、図3は、弾性体を膨張させているときの状態を示す図1と同様の図、図4は、図1の管推進機において弾性体と形状保持部材を取り付ける方法を説明するための断面図、図5は、本発明を具体化した第2の例の管推進機における要部の横断面図で、弾性体を収縮させているときの状態を示す図である。これらの図において図6乃至図10と同一の符号を付けた部分は、これら図6乃至図10と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0033】
以下に述べる第1の例及び第2の例の管推進機は、何れも、従来の技術に係る管推進機と同様、前方にカッタヘッド7を有し後端部に埋設管が取り付けられる管状の先導体本体と、泥土を通過させるための泥土通路6を形成するようにその先導体本体の外周に間隔を置いて固定され地山で支持される円筒状の支持部材とで構成された先導体を備えている。また、先導体本体は、前方にカッタヘッド7を有する前内管1、後内管2及び埋設管接続用の接続管5を設けて構成され、支持部材は、前外管3及び後外管4を設けて構成されていて、この点も、従来の技術のものと変わらない。
【0034】
そして、先導体を元押し装置10で推進しつつカッタヘッド7で地山を掘削するとともに、カッタヘッド7から掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を、先導体本体と支持部材との間に形成された環状の泥土通路6により後方へ送ってその泥土の一部を後内管2の土砂取り込み口8に取り込んで、土砂圧送ポンプにより排土管9を通じて地上に排出するとともに残りを埋設管の外周に導くようにしており、基本的な構造は、従来の技術に係る管推進機と変わらない。さらに、土砂取り込み口8の後方には、従来の技術のものと同様、泥土通路の閉鎖装置を付設している。
【0035】
第1の例及び第2の例の管推進機が従来の技術に係る管推進機と異なる点は、この泥土通路の閉鎖装置の構造である。そこで、以下に、各例の管推進機に付設する泥土通路の閉鎖装置30,30’について説明する。
【0036】
まず、図1乃至図4に基づき第1の例の管推進機について説明すると、30は接続管5に取り付けられた、泥土通路6を閉鎖するための第1の例の管推進機における泥土通路の閉鎖装置、31は流体封入室21と同様の流体封入室、32は後述する形状保持部材35を貫通して流体封入室31に圧力流体を供給するためのホースによる流体給排路、33は弾性体34を接続管5の外周側に取り付けるためのボルトと挟持部材とからなる弾性体取付部材、34は弾性体24と同様の環状の弾性体、34aは弾性変形部24aと同様の弾性体34の弾性変形部、34bは固定部24bと同様の弾性体34の固定部、35は弾性体34とは別体に、この弾性体34の弾性変形部34aの内に装着されその収縮時に泥土圧に対抗して弾性変形部34aの径方向断面を偏平状に保持することが可能な第1の例の管推進機における形状保持部材である。
【0037】
弾性体取付部材33の挟持部材は、弾性体取付部材23の挟持部材と同様、弾性体34の固定部34bをボルトで接続管5に螺着する際に接続管5と協働して挟持する働きをするが、ここに示す例では、弾性変形部34aの前後にできる環状の凹部を埋める働きもする。そのため、前後の各挟持部材は、その環状の凹部に合致するリング状の部材を分割したもので構成して、接続管5に装着したときに、その挟持部材の外周面が後内管2の外周面や接続管5における埋設管の固定部5aの外周面と隣接部においてほぼ揃うようにしている。
【0038】
第1の例における形状保持部材35は、泥土通路6内の泥土圧が作用しても実質上変形せず、かつ、図4に示すよう縮小させるように変形させることが可能な合成ゴム等の弾性材料で形成している。この形状保持部材35は、接続管5の外径とほぼ同径の中央孔を有する環状をなして、接続管5の外周に密着して装着できるように形成しており、径方向断面が偏平状をなしている。形状保持部材35には、その径方向に、流体給排路32を挿通して先端開口を流体封入室31に導入するための流体給排路挿通孔35aを形成している。
【0039】
こうした形状保持部材35を、弾性体34と共に接続管5に取り付けるときには、図4に示すように、形状保持部材35を縮小させるように変形させてから弾性体34内に装着した後、弾性体24を接続管5に取り付けるときと同様にして取り付ける。第1の例の管推進機では、このように形状保持部材35を環状の弾性部材により構成したので、形状保持部材35を縮小変形させて弾性体34内に装着することができて泥土通路の閉鎖装置を簡便に付設することができる。形状保持部材35を用意することに代えて、これと同様の形状の凸部を接続管5の外周面に予め突設しておく方法も考えられるが、弾性体34の固定部34bは、固定部24bと同様、弾性変形部34aと比べて弾性変形しにくいため、弾性体34を接続管5の凸部に装着することは困難である。
【0040】
次に、図5に基づき第2の例の管推進機について説明すると、30’は接続管5に取り付けられた、泥土通路6を閉鎖するための第2の例の管推進機における泥土通路の閉鎖装置、35’は弾性体34の弾性変形部34aの内側に装着されその収縮時に泥土圧に対抗して弾性変形部34aの径方向断面を偏平状に保持することが可能な第2の例の管推進機における形状保持部材である。なお、図5におて図1乃至図4と同一の符号を付けた部分は、これらの図と同等の部分を表している。
【0041】
この第2の例の管推進機は、泥土通路の閉鎖装置30’における形状保持部材35’の構造を除いて第1の例の管推進機と実質的に変わらない。この形状保持部材35’は、第1の例における形状保持部材35のような環状の部材を分割して得られる複数個の円弧状の保持部材片35’x,35’y,35’zにより構成したものである。形状保持部材35’は、泥土通路6内の泥土圧が作用しても実質上変形しないものであれば、弾性材料だけに限らず、硬質材料等の所望の材料で形成することができ、この点も形状保持部材35とは異なる。
【0042】
保持部材片35’x,35’y,35’zは、これらを逐次弾性体34の弾性変形部34aに装着して環状に組み立てるが、その組立を行いやすくするため、それぞれ、両端部を外周方向に切り欠いて形成した切欠き35’bを設けて、内周側だけを突き合わせることができるようにしている。また、これらのうちの一つの保持部材片35’xには、流体給排路32を挿通するための流体給排路挿通孔35aと同様の流体給排路挿通孔35’aを径方向に形成している。
【0043】
こうした泥土通路の閉鎖装置30,30’を付設した第1の例及び第2の例の管推進機にあっては、発進する際、先導体本体の外周と円筒状の支持部材との間に形成された泥土通路6を、土砂取り込み口8の後方に設けた環状の弾性体34の弾性変形部34aを膨張させることにより閉鎖する。そうすると、発進過程で生成された泥土を土砂取り込み口8に取り込んで地上に排出することが可能になるとともに、泥土や地下水が泥土通路6を通じてその後端開口から発進立坑18内に大量に浸入するのを防止することもできる。こうして先導体が発進立坑18の発進口を通過した後は、泥土通路6の後端開口が発進立坑18とエントランスパッキング16により隔離されるので、弾性変形部34aを収縮させることにより泥土通路6を開放して通常時の掘進を行うことができる。
【0044】
弾性体34の弾性変形部34aの内側には、特に形状保持部材35,35’を装着しているので、弾性変形部34aは、その収縮時に泥土圧に対抗して径方向断面が形状保持部材35,35’により常時偏平状に保持される。そのため、礫等の異物や粘性の高い土砂等が堆積しやすい窪みや泥土通路6を狭めるような突出部が弾性変形部34aに生じることはなく、泥土通路6内での泥土の流れが阻害されることはない。また、弾性変形部34aは、円筒状の支持部材に密接させやすい環状をなしていているため、格別追従性の高いものに製作しなくても、膨張時に泥土通路6を良好に閉鎖することができて、製作には困難が伴わない。
【0045】
このように、泥土通路の閉鎖装置30,30’を付設したを付設した第1の例及び第2の例の管推進機では、泥土通路の閉鎖装置30,30’の製作が困難ではなく、その付設により泥土の流れが阻害されることもない。その結果、切羽の掘削土砂を所望の速度で円滑に地上に排出することができて管推進工法を効率的かつ安全に実施できるとともに、弾性変形部34aの無理な変形を形状保持部材35,35’により抑止することができて泥土通路の閉鎖装置30,30’の耐用年数を長くすることができる。
【0046】
特に、第1の例の管推進機では、形状保持部材35を環状の弾性部材により構成したので、形状保持部材35を縮小させるように弾性変形させれば、弾性体34内に装着することができて、泥土通路の閉鎖装置30を簡便に付設することができる。また、第2の例の管推進機では、形状保持部材35’を複数個の円弧状の保持部材片35’x,35’y,35’zにより分割構成したので、形状保持部材35’を、第1の例のように弾性変形させることを要することなく弾性体34内に装着することができて、形状保持部材35’を所望の材料で形成することができる。これらの何れの例も、特に、弾性変形部34aの前後にできる環状の凹部を弾性体取付部材33の挟持部材で埋めるようにしているので、その凹部に異物や土砂等が堆積する危惧もない。
【0047】
以上述べた例では、泥土通路の閉鎖装置30,30’を接続管5に設けているが、閉鎖装置30,30’は、要は、先導体の発進時に地下水や泥土通路6内の泥土を土砂取り込み口8に取り込んで地上に排出することを可能にしつつ泥土通路6の後端開口から発進立坑18内に流出できないようにすればよいので、先導体本体における土砂取り込み口15の後方個所に設ければよい。ここでは、本発明の技術内容を中折れ式の管推進機を例にして説明したが、管状の先導体本体の外周に泥土通路6を形成するように円筒状の支持部材を固定することにより先導体を構成し、塑性流動性のある泥土を、その泥土通路6を通じて埋設管の外周に導くようにした管推進機であれば、本発明は、先導体を中折れさせない通常の管推進機にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、「課題を解決するための手段」の項に示した手段を採用しているので、本発明によれば、円筒状の支持部材を設けて先導体を構成し泥土通路の閉鎖装置を付設した管推進機において、泥土通路の閉鎖装置の製作が困難でなくその付設により泥土の流れが阻害されない管推進機が得られる。その結果、管推進工法を安全に実施できるとともに、弾性変形部の無理な変形を形状保持部材により抑止することができて泥土通路の閉鎖装置の耐用年数を長くすることができる。
【0049】
本発明の管推進機を具体化する場合に、特に、請求項2に記載のように具体化すれば、形状保持部材を環状の弾性部材によりに構成したことにより、形状保持部材を縮小させるように弾性変形させれば、弾性体内に装着することができて、泥土通路の閉鎖装置を簡便に付設することができる。また、請求項3に記載のように具体化すれば、形状保持部材を環状の部材を分割して得られる複数個の円弧状部材により構成したことにより、形状保持部材を弾性変形させることなく弾性体内に装着することができて、形状保持部材を所望の材料で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の例の管推進機における要部の縦断面図で、弾性体を収縮させているときの状態を示す図である。
【図2】図1の管推進機における要部の横断面図である。
【図3】弾性体を膨張させているときの状態を示す図1と同様の図である。
【図4】図1の管推進機において弾性体と形状保持部材を取り付ける方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明を具体化した第2の例の管推進機における要部の横断面図で、弾性体を収縮させているときの状態を示す図である。
【図6】発進前に弾性体を収縮させているときの従来の技術の管推進機における要部の縦断面図である。
【図7】図6の管推進機の要部の横断面図である。
【図8】発進時に弾性体を膨張させているときの従来の技術の管推進機における要部の縦断面図である。
【図9】発進終了後に弾性体を収縮させているときの従来の技術の管推進機における要部の縦断面図である。
【図10】従来の技術の管推進機を発進立坑内で発進させているときの状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 前内管
2 後内管
3 前外管
4 後外管
5 接続管
6 泥土通路
7 カッタヘッド
8 土砂取り込み口
9 排土管
10 元押し装置
16 エントランスパッキング
18 発進立坑
20,30,30’ 泥土通路の閉鎖装置
21,31 流体封入室
22,32 流体給排路
23,33 弾性体取付部材
24,34 弾性体
24a,34a (弾性体24,34の)弾性変形部
24b,34b (弾性体24,34の)固定部
35,35’ 形状保持部材
35’x,35’y,35’z 保持部材片

Claims (3)

  1. 前方にカッタヘッドを有し後端部に埋設管が取り付けられる管状の先導体本体と、泥土を通過させるための泥土通路を形成するようにその先導体本体の外周に間隔を置いて固定され地山で支持される円筒状の支持部材とで構成された先導体を備え、先導体を推進しつつカッタヘッドで地山を掘削するとともに掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を、先導体本体と支持部材との間に形成された泥土通路により後方へ送ってその泥土の一部を先導体本体の土砂取り込み口に取り込んで地上に排出するとともに残りを埋設管の外周に導くようにした管推進機において、
    内側に圧力流体を封入することにより膨張させて泥土通路を閉鎖したり、その圧力流体を排出することにより収縮させて泥土通路を開放したりすることができる環状の弾性体を、先導体本体の外周を囲繞するように土砂取り込み口の後方に設けるとともに、弾性体とは別体に、この弾性体の内に、その収縮時に泥土圧に対抗して弾性体の径方向断面を偏平状に保持することができる形状保持部材を装着して構成した泥土通路の閉鎖装置を付設したことを特徴とする管推進機。
  2. 形状保持部材を、環状の弾性部材により構成したことを特徴とする請求項1に記載の管推進機。
  3. 形状保持部材を、環状の部材を分割して得られる複数個の円弧状部材により構成したことを特徴とする請求項1に記載の管推進機。
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