JP4354546B2 - 楽器演奏動作検出と楽器演奏動作指導のための装置および方法、並びにそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
楽器演奏動作検出と楽器演奏動作指導のための装置および方法、並びにそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鍵盤楽器の運指を含めた演奏動作の指導を行うために用いて好適な、楽器演奏動作検出装置、楽器演奏動作指導装置、楽器演奏動作検出方法、楽器演奏動作指導方法、楽器演奏動作検出プログラム、および楽器演奏動作指導プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、楽器の演奏指導を行うための様々な技術が提案されている。例えば、演奏する際に使用者に運指を指示するための技術として、特開平7−334073号公報には、押鍵すべき指の位置や動きを、LED表示によって指示する手段が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−334073号公報に記載された発明では、模範となる運指情報を表示するだけであるので、使用者は、模範通りに演奏できたか否かについて、自分自身で判定することは困難であった。
このような問題は、演奏動作を記録し、演奏後に自分の演奏動作を確認することによって解決できる。例えば、特開昭57−54992号公報には、楽器を演奏する事により自動的に譜面を作成する装置が記載されている。この技術を用いれば、作成された譜面と模範となる譜面とを比較することにより、使用者は演奏後に自分が正しい鍵を押下したか否かを確認することができる。
【0004】
しかしながら、譜面が作成されるのは演奏終了後であるので、リアルタイムに間違いを判断することができない上に、作成された譜面を模範となる譜面と比較しなければならず、間違いを認識するためには大変手間がかかるという問題がある。また、譜面に表示される情報は、音程や音長などの音楽情報のみであるので、指示された運指通りに演奏できたか否かについては判断できるものではない。
このように従来の技術では、演奏動作を指導するためには不十分であった。
【0005】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、演奏動作を自動的に検出し、運指を含めた演奏動作の指導をすることができる、楽器演奏動作検出装置、楽器演奏動作指導装置、楽器演奏動作検出方法、楽器演奏動作指導方法、楽器演奏動作検出プログラム、および楽器演奏動作指導プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段とを具備することを特徴とする楽器異演奏動作検出装置を提供する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の楽器演奏動作検出装置において、複数の前記指が左手に属する指と右手に属する指とからなる場合に左右の手が交差したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が左右の手が交差したと判定した場合に、左右の手を交差させた状態における前記複数の指の並びに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける交差対応付け手段とを具備することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の楽器演奏動作検出装置において、前記判定手段は、前記演奏データ出力手段による過去の対応付けの結果を左手に属する指のグループと右手に属する指のグループとに分け、いずれかのグループにおいて単位時間内に操作された前記操作子と直前の単位時間内に操作された前記操作子との距離が閾値を超えた場合に、左右の手が交差したと判定することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の楽器演奏動作検出装置において、前記判定手段は、前記演奏データ出力手段による過去の対応付けの結果を左手に属する指のグループと右手に属する指のグループとに分け、いずれかのグループにおいて単位時間内に操作された複数の前記操作子相互の距離が閾値を超えた場合に、左右の手が交差したと判定することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の楽器演奏動作検出装置特定の距離だけ離れた複数の前記操作子が単位時間内に操作される可能性の高さを表すデータを前記使用者毎に記憶する可能性記憶手段を有し、前記判定手段は、前記可能性記憶手段の記憶内容に基づいて重み付けをした判定を行うことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の楽器演奏動作検出装置において、前記操作子識別情報と前記指識別情報との特定の組合せを予め記憶する組合せ記憶手段を有し、前記演奏データ出力手段は、前記組合せ記憶手段の記憶内容に基づいて、前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付けることを特徴とする。
【0009】
また、請求項7に記載の発明は、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段と、模範となる演奏動作を示す模範演奏データを記憶する模範演奏データ記憶手段と、前記模範演奏データと前記演奏データとを比較する演奏動作比較手段と、前記演奏動作比較手段の比較結果を示す比較データを作成する比較データ作成手段と、前記演奏データおよび前記比較データに基づいて演奏動作指導の情報を表示する表示手段とを具備することを特徴とする楽器演奏動作指導装置を提供する。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の楽器演奏動作指導装置において、前記表示手段は、運指を含めた演奏動作を示す譜面を作成して表示することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の楽器演奏動作指導装置において、前記表示手段は、前記比較手段の比較結果を逐次表示することを特徴とする。
【0010】
また、請求項10に記載の発明は、受信手段が、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信ステップと、前記楽器を演奏する使用者の各指に配置された指識別手段が、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別ステップと、演奏データ出力手段が、前記受信ステップで受信された操作子識別情報と前記指識別ステップで出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力するステップであって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力ステップとを具備することを特徴とする楽器演奏動作検出方法を提供する。
【0011】
また、請求項11に記載の発明は、受信手段が、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信ステップと、前記楽器を演奏する使用者の各指に配置された指識別手段が、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別ステップと、演奏データ出力手段が、前記受信ステップで受信された操作子識別情報と前記指識別ステップで出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力するステップであって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力ステップと、演奏動作比較手段が、模範となる演奏動作を示す模範演奏データと前記演奏データとを比較する演奏動作比較ステップと、比較データ作成手段が、前記演奏動作比較ステップでの比較結果を示す比較データを作成する比較データ作成ステップと、表示手段が、前記演奏データおよび前記比較データに基づいて演奏動作指導の情報を表示する表示ステップとを具備することを特徴とする楽器演奏動作指導方法を提供する。
【0012】
また、請求項12に記載の発明は、コンピュータを、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0013】
また、請求項13に記載の発明は、コンピュータを、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段と、模範となる演奏動作を示す模範演奏データを記憶する模範演奏データ記憶手段と、前記模範演奏データと前記演奏データとを比較する演奏動作比較手段と、前記演奏動作比較手段の比較結果を示す比較データを作成する比較データ作成手段と、前記演奏データおよび前記比較データに基づいて演奏動作指導の情報を表示する表示手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について鍵盤楽器を例にして説明する。
【0015】
1.実施形態の構成
1−1.全体構成
図1は、実施形態の全体構成を示す図である。本実施形態は、グローブ100L、100Rを装着した使用者がキーボード200を演奏する際の演奏動作の指導を、本発明にかかる指導装置300によって行うように構成されている。すなわち、使用者は、グローブ100Lを左手に、グローブ100Rを右手に装着して、キーボード200を演奏する。指導装置300は、グローブ100L、100Rおよびキーボード200から押下された鍵およびその鍵を押下した指を特定し、模範となる演奏と比較することによって、演奏動作の指導を行う。
ここで、「演奏動作」とは、例えば鍵を押す、離すといった使用者が鍵盤楽器を操作する運指を含めた動作をいう。演奏動作は、鍵盤楽器を操作した指とその指で操作された鍵を対応づけて特定する。
【0016】
グローブ100L、100Rには、各指の先に押圧を検出する圧電センサが配置されており、演奏者が鍵を押下すると、圧電センサからオン信号が出力されるようになっている。各圧電センサからの出力線は、それぞれ指導装置300に入力されており、指導装置300はこの圧電センサからの出力信号によって、鍵を押下しているか否かという状態を各指毎に検出することができる。
なお、グローブ100L、100Rは、上記の構成のように圧電センサをグローブ内に配置する構成の他にも、圧電センサを配置した指サックを各指に装着するようにしてもよい。
【0017】
キーボード200は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格に対応した電子楽器であり、88鍵を有する鍵盤を備えている(図では一部省略)。使用者が演奏を行うと、キーボード200は例えばキーセンサによって演奏動作を検出し、演奏動作を示す信号(MIDIメッセージ)を出力する。鍵盤楽器では、鍵と発音する音高が一対一で対応しているので、操作された鍵は、MIDI規格において音高を示すノートナンバーを用いて特定される。指導装置300は、MIDIメッセージから、操作された鍵の状態を各鍵毎に検出することができ、ノートナンバーからいずれの鍵が操作されたか特定することができる。
なお、以下の説明においては、キーボード200の鍵を特定して記載する場合もノートナンバーを用いる。例えばC3に相当する鍵は、発音するノートナンバーは60であるので、鍵60と表記する。
【0018】
指導装置300は、CPU1がROM2に記憶されたプログラムに従ってバスを介して接続された各部を制御することによって機能する。バスには、CPU1が動作する際のワークエリアが設定されるRAM3、大容量磁気ディスク記憶装置であるハードディスク(HDD)4、その他、フロッピーディスクなどの外部ディスク媒体10に記録されたデータやプログラムを読み込むための外部ディスクインターフェイス5の他、MIDIインターフェイス6、グローブインターフェイス7、表示部インターフェイス8、プリンタインターフェイス9等の外部機器とのインターフェイスが接続されている。
【0019】
1−2.データ構成
ここで、本実施形態で用いられるデータ構成について説明する。まず、本実施形態では、個々の演奏動作を示す演奏動作データとして、MIDI規格に従ったデータ(MIDIメッセージ)を用いる。
MIDIメッセージは、図2に示すように、メッセージの種類を示すステータスバイトと、各メッセージ毎に定義されたデータバイトとから構成されている。本実施形態では、主に、ノートオンメッセージおよびエクスクルーシブメッセージを用いて説明する。
【0020】
ノートオンメッセージは、演奏動作のうち押鍵を示すメッセージであり、ステータスバイトにはノートオンを示すデータが割り当てられる(図2(a)参照)。続くデータバイトには、押下した鍵を示すノートナンバー、鍵を押下した強さを示すベロシティが割り当てられる。例えば、キーボード200の鍵60が押下されると、ノートナンバーが60となるノートオンメッセージが作成されて、キーボード200から出力される。また、ノートオフメッセージは、離鍵動作を示すメッセージでありノートオンメッセージと対となって出力される。ノートオンメッセージが出力されてからノートオフメッセージが出力されるまでが、押鍵から離鍵までの動作を示すことになる。
【0021】
エクスクルーシブメッセージは、MIDI規格上ではデータバイトに定義のないメッセージであるが、本実施形態では、演奏動作のうち、鍵を押下した指(運指)を示すメッセージとして用いる(図2(b)参照)。
すなわち、押下した鍵および押下した指を示す2種類のデータを割り当てるためのデータバイトを定義する。
まず、第1のデータバイトには、押下した鍵を示すノートナンバーを割り当てる。第2のデータバイトには、押下した指を示す指ナンバーを割り当てる。指ナンバーは、例えば右手の親指を1R、人指し指を2R、中指3R、薬指4R、小指5Rとし、左手の親指を1L、人指し指を2L、中指3L、薬指4L、小指5Lとする。
運指を示すエクスクルーシブメッセージは、後に説明するように、グローブ100L、100Rのそれぞれの指に配置された圧電センサの出力信号のオン状態と、キーボード200から出力されたノートオンメッセージとの相関関係から、指導装置300によって作成される。例えば、右手の親指(1R)で鍵60を押下すると、第1のデータバイトに60が、第2のデータバイトに2Rが割り当てられたエクスクルーシブメッセージが作成される。
【0022】
また、エクスクルーシブメッセージは、演奏者の運指が模範となる運指と一致するか否かを示すデータとしても用いられる。すなわち、上述の第1および第2のデータバイトによって示される運指が、模範となる運指と一致していないときは、エラーマークを第3のデータバイトに対して割り当てる(図2(c)参照)。ただし、模範となる運指と一致している場合は、エラーマークは割り当てられない。
【0023】
また、各MIDIメッセージに後述する時間情報を付加したデータを「MIDIデータブロック」とする(図2(d)参照)。
そして、1曲を通した演奏動作を示すデータを「演奏データ」とする。この場合、演奏データは、複数のMIDIデータブロックから構成され、一定のフォーマットに従って構成されている。
また、「模範演奏データ」は、模範となる演奏動作を示す演奏データであり、複数の模範演奏動作データ(MIDIブロック)から構成される。
【0024】
MIDIデータブロックは、図2(d)に示すように、MIDIメッセージ毎に時間情報が付される。時間情報には、各演奏動作の開始時間情報および演奏動作の継続時間情報が含まれる。
本実施形態では、開始時間情報は、小節番号とその小節内でのステップタイムとによって示される。ステップタイムとは、4分音符のクロック数(分解能)によって決定した単位時間を1ステップとして、小節線に対する経過時間をステップ数で表したものである。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため分解能を2として、1ステップは8分音符1拍の長さに対応している。小節番号は、演奏データを作成する際に設定する拍数から決定される。例えば、4/4拍子であれば、8ステップ毎に小節線が入ることになる。
また、演奏動作の継続時間情報もステップ数で示される。なお、演奏動作の継続時間情報は、主に音符の種類を決定するために用いられる。例えば、演奏動作時間が1ステップであれば8分音符に相当し、2ステップであれば4分音符に相当する。
【0025】
図3(a)は、模範となる演奏を譜面に示した図であり、図4(a)は、図3(a)の演奏に対応した模範演奏データを示したものである。また、図3(b)は、使用者の演奏を譜面に示した図であり、この譜面に示す通りに演奏された場合に作成される演奏データを、図4(b)に示す。
なお、図4(a)(b)では、指使いを示したデータ(エクスクルーシブメッセージ)のみを表示し、他の演奏動作を示すデータ(ノートオンメッセージなど)は省略している。また、時間情報は、開始時間情報のみを表示し、継続時間情報は省略している。
【0026】
ここで、図4(b)の先頭のデータからは、図3に示す譜面の最初の音符(第1小節第1ステップタイム)について、使用者は鍵60を右手親指(1R)で押下していることがわかる。
一方、図4(a)を参照すると、模範演奏データの第1小節第1ステップタイムも、ノートナンバー60で指ナンバーが1Rである。このように、同一小節同一ステップタイムにおいてノートナンバーと指ナンバーとが一致している場合は、使用者は模範通りに演奏できた場合である。
ところが、第1小節第8ステップタイムでは、模範演奏データではノートナンバー65で指ナンバーが2Rであるにもかかわらず、演奏データでは、ノートナンバー67で指ナンバーが3Rとなっている。このように演奏データと模範演奏データとが一致しない場合は、指ナンバーを特定するエクスクルーシブメッセージの第3のデータバイトに、さらにエラーマークを自動的に割り当てている。このエラーマークによって、使用者が演奏動作を間違えたことを識別できるようになっている。
【0027】
1−3.指導装置300の構成
次に、図5を参照して、指導装置300の構成について説明する。図5では、指導装置300の機能をブロック化して示してあるが、各機能はCPU1の動作によって実現される。ただし、模範演奏記憶部302は、RAM3内の所定領域に設定される。この模範演奏記憶部302には、CD(コンパクトディスク)などの記録媒体400から模範演奏データが転送されるようになっている。以下、指導装置300の各機能について説明する。
【0028】
まず、MIDIコンバータ301は、グローブ100L、100Rおよびキーボード200から入力される信号に基づいて、MIDIメッセージおよびMIDIデータブロックを作成するものである。
データ比較部303は、MIDIコンバータ301と模範演奏記憶部302から入力されるデータとを比較するものであり、エラー情報作成部304は、比較結果に基づいてエラー情報を作成するものである。
表示部305は、エラー情報に基づいて、使用者の演奏に間違いがあったことを表示するものである。
また、データ記憶部306は、演奏データを記憶するものであり、譜面作成部307は、データ記憶部306に記憶され演奏データに基づいて、エラー情報(エラーマーク)を表示した譜面を作成してプリント出力するものである。
【0029】
2.実施形態の動作
次に、上記構成を有する実施形態の動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、使用者が演奏を開始するに先だって、記録媒体400から模範演奏記憶部302に模範演奏データを読み込む(S101)。そして、読み込まれた模範演奏データの拍数や分解能等に基づいて、作成する演奏データの拍数や分解能等の設定を行う。使用者が演奏することによって検出される信号には、ここで設定されたデータに基づいて、時間情報が付与される。模範演奏データからこれらの情報を読み込むのは、模範演奏データと演奏データとを比較する際に、時間の基準を合わせるためである。
【0030】
次に、ステップS101における初期設定が完了すると、演奏可能な状態となり、使用者は演奏を開始する(S102)。演奏開始の際は、図示せぬ録音スイッチ等の操作によって演奏の記録開始を指示する。
演奏が開始されると、MIDIコンバータ301は、グローブ100L、100Rおよびキーボード200から出力される信号を読み込み、演奏動作を検出し、検出された情報に基づいてMIDIデータブロックを作成して、データ比較部303に出力する(S103)。
【0031】
ここで、MIDIコンバータ301のMIDIデータブロック作成動作について説明する。なお、ここでは、運指情報を示すエクスクルーシブメッセージの作成について説明し、その他のMIDIメッセージから作成されるMIDIデータブロックについては、周知であるシーケンサのリアルタイム入力機能と同様であるので説明は省略する。
【0032】
図7は、MIDIデータブロック作成動作を示すフローチャートである。
まず、グローブ100L、100Rから入力されるオン信号および、キーボード200から入力されるMIDIメッセージ信号にクオンタイズを行う(S201)。クオンタイズとは、入力される信号を最小単位時間に量子化することであり、本実施形態では、最小単位時間を1ステップタイムとしている。すなわち、図8に示すように、実際には同時に押下されて同時の演奏動作を示すはずの信号のタイミングがずれて入力される場合(図8▲1▼参照)でも、同じステップタイムに入力された信号として扱われるようになる(図8▲2▼参照)。
【0033】
なお、一つの演奏動作の動作時間は、ノートオンメッセージが入力されてから、ノートオフメッセージが入力されるまでの時間によって決定される。例えば、右手親指(1R)が、鍵60を2ステップタイム長だけ押下していた場合は、図8▲3▼に示すように、第1ステップタイムにおいてノートオンメッセージおよびグローブ100Rからのオン信号が入力され、第3ステップタイムにおいてノートオフメッセージが入力された場合には、一つの演奏動作が2ステップタイム分(4分音符1拍分)なされたものとして扱う。
しかし、第2ステップタイムにおいて検出されるグローブ100Rのオン信号については、第1ステップタイムにおける演奏動作の継続に伴う入力信号と判断される。
【0034】
次に、同じステップタイムにおいて、データが複数あるか否かを判定する(S202)。複数のデータがないと判定された場合は(S202;NO)、指ナンバーとノートナンバーの組み合わせは一つしかないので、その組み合わせでエクスクルーシブメッセージを作成し、時間情報を付してMIDIデータブロックを作成する(S204)。
【0035】
同じステップタイムに複数のノートナンバーと指ナンバーがある場合には(S202;YES)、押下された鍵と押下した指とを一致させてエクスクルーシブメッセージを作成しなくてはならない。そこで、MIDIコンバータ301は、ROM2に記憶されたプログラムに従って、押下された鍵と押下した指との割り当てを行う(S203)。そして、一致させたエクスクルーシブを作成し、時間情報を付してMIDIデータブロックを作成する(S204)。
【0036】
ここで、図9に示すフローチャートを参照して、押下された鍵と押下した指とを対応つける場合の動作について説明する。
まず、グローブ100Lまたは100Rから検出されたオン信号が全て同じグローブからの出力信号であるか否かを判定する(S301)。
全て同じグローブからの出力信号であると判定された場合は(S301;YES)、次に、それらの手が右手、すなわちグローブ100Rからの出力信号であるか否かを判定する(S302)。そして、右手であると判定された場合は(S302;YES)、鍵盤は使用者に対して向かって左から音高の低い順にならんでいるので、ノートナンバーの小さい順に指ナンバーの小さいものを割り当てる。
逆に、左手であると判定された場合は(S302;NO)、ノートナンバーの小さい順に指ナンバーの大きいものを割り当てる。
【0037】
ステップS301の判定において、同時に両手で鍵を押しており、グローブ100L、100Rのいずれからもオン信号が検出されたと判定された場合は(S301;NO)、まず、左右の手が交差していないものとして割り当てを行う。すなわち、ノートナンバーの小さい順に、左手グローブ100Lのオン状態になっている指ナンバーの大きい順に割り当て(S305)、残りのノートナンバーの小さい順に、右手グローブ100Rのオン状態になっている指ナンバーの小さい順に割り当てる(S306)。
【0038】
次に、左右の手が交差している場合であるか否かを判定する(S307)。左右の手が交差して演奏する場合があるからである。
ここで、左右の手が交差しているか否かの判定方法について説明する。このステップ(S307)における判定の前に、左右の手が交差していない場合を前提に割り当てを行っているが、この割り当てが不自然であれば左右の手が交差していると考えられる。
【0039】
演奏する際に左右の手を交差させるか否かを人間が判断する場合は、主に曲の流れで判断する。そこで、本実施形態では、各ステップタイムにおいてノートナンバーと指ナンバーとの割り当てが確定する度に、左右それぞれの手が押下した鍵のノートナンバーの度数を示すテーブルを時系列で作成する。そして、左右の手が交差しているか否かの判定を行う場合は、この頻度テーブルを参照する。
図10は、頻度テーブルの例である。図中(a)は右手の、(b)は左手の第4小節第6ステップタイムまでの頻度を示している。テーブルは1ノートナンバーごとに1行が対応しており、各列は、割り当てが確定する度に新しく作成される。なお図10中では、使用されなかったノートナンバーは省略している。
図10に示した例では、右手(a)ではこれまでに29回データが作成されており、また、左手(b)ではこれまでに15回データが作成されており、それぞれ図に示す分布になっている。
【0040】
ステップS305、S306において割り当てたノートナンバーが、過去に押下した鍵のノートナンバーの分布と比較して大きな隔たりがある場合は、左右の手が交差していると判定する。大きな隔たりとは、参照したノートナンバーが、割り当てられている手のテーブルの直前のノートナンバーの数値に比較して、1オクターブ以上離れている場合である。この場合は、ノートナンバーの差が12以上になる。
また、通常、片手が同時に押下する鍵は1オクターブ以上は離れない。そこで、片手に割り当てられたノートナンバーの組み合わせのうち、12以上はなれたノートナンバーが含まれる場合も左右の手が交差していると判定する。
【0041】
例えば、図3、図4に示す演奏では、第4小節の第7ステップタイムでは、キーボード200からはノートナンバー67、79、83、88のノートオンメッセージが入力され、グローブ100L、100Rからは、5L、2L、1L、3Rのオン信号が入力される。まず、S305、S306における割り当てでは、5Lが67、2Lが79、1Lが83、3Rが88と対応付けているが、左手の度数テーブル(図11(b))では、直前に押鍵されたノートナンバー48と、5Lに割り当てられた67とはノートナンバーの差が19であるので不自然と判断される。また、67、69、83を左手に割り当てると、(最高ノートナンバー83)−(最低ノートナンバー67)=16差があるので、片手で同時に押下する範囲を越えており、やはり不自然と判定される。このような場合に、左右が交差している場合として判定される。
【0042】
そして、左右の手が交差していないと判定された場合は(S307;NO)、ステップS305、S306における割り当てが確定する。
しかし、ステップS307の判定において左右の手が交差していると判定された場合は(S307;YES)、改めて割り当てを行う。すなわち、ノートナンバーの小さい順に、右手グローブ100Rのオン状態になっている指ナンバーの小さい順に割り当て、(S308)、残りのノートナンバーの小さい順に、左手グローブ100Lのオン状態になっている指ナンバーの大きい順に割り当てる(S309)。
【0043】
説明を再び図6に示すフローチャートに戻す。上述のように、ステップS103においてして作成されたMIDIデータブロックは、データ比較部303に入力される。
データ比較部303は、入力されたMIDIデータブロックのステータスがエクスクルーシブであるか否かを判定し(S104)、エクスクルーシブではないと判定した場合は(S104;NO)、MIDIデータブロックをデータ記憶部306に出力し、データ記憶部306は、演奏データとしてMIDIデータブロックを記憶する(S108)。
【0044】
一方、エクスクルーシブであると判定した場合は(S104;YES)、模範演奏記憶部302に記憶された模範演奏データから、MIDIコンバータ301から入力されたMIDIデータブロックと同じ開始時間に対応するMIDIデータブロックを読み出す。そして、MIDIコンバータ301から入力されたMIDIデータブロックと比較し、ノートナンバーおよび指ナンバー同士が一致するか否か判定する(S105)。
【0045】
ステップS105の判定において、模範演奏データのMIDIデータブロックと、MIDIコンバータ301から入力されたMIDIデータブロックのデータの内容が一致すると判定された場合は(S105;YES)、MIDIコンバータ301から入力されたMIDIデータブロックをデータ記憶部306に出力し、演奏データとして記憶させる(S108)。
【0046】
一方、ステップS105の判定において、模範演奏データのMIDIデータブロックと、MIDIコンバータ301から入力されたMIDIデータブロックのデータの内容が一致しないと判定された場合は(S105;NO)、MIDIコンバータ301から入力されたMIDIデータブロックをエラー情報作成部304に出力する。エラー情報作成部304は、MIDIデータブロックの第3のデータバイトにエラーマークを割り当てる(S106)。
【0047】
そして、エラー情報作成部304は、エラー信号を表示部305に出力する。表示部305は、エラー信号が入力されると、エラーメッセージを表示する(S106)。エラーメッセージは、例えば、液晶パネルやLEDによって表示され、この表示によって、使用者は演奏の間違いをリアルタイムで指摘されることになる。
【0048】
エラー情報作成部304は、エラーマークを割り当てたMIDIデータブロックをデータ記憶部306に出力し、データ記憶部306は、演奏データとしてMIDIデータブロックを記憶する(S108)。
ステップS108においてMIDIデータブロックが記憶されると、次に、演奏が終了したか否かが判定される(S109)。例えば、演奏終了スイッチが操作がされた場合や、一定時間以上入力がなかった場合は、演奏が終了したと判定する。
演奏が終了していないと判定された場合は(S109;NO)、ステップS103に戻り、次の演奏動作を検出して(S103)、MIDIデータブロックを作成する(S104)。
【0049】
一方、演奏が終了したと判定した場合は(S109;YES)、譜面作成部307は、データ記憶部306に記憶された演奏データを読み出し、演奏データに基づいて譜面を作成して出力する(S110)。使用者は、出力された譜面によって、自分がどのように演奏したか把握することができる。なお、ノートナンバーや演奏時間から音符を作成する技術は、例えば特開昭57−54992号公報などに開示されているように公知であるので説明は省略する。
各音符には、それぞれに指ナンバーを付すものとし、模範演奏データと一致していなかった箇所については、例えば白黒反転表示や強調表示などで間違いを指摘する。図11は、出力する譜面の例である。図示した例では、演奏者が間違えた箇所は、白抜き文字で指ナンバーを示している。このような表示によって間違いを指摘する。
【0050】
このように、使用者がキーボード200の演奏を行うと、指導装置300が演奏データを作成し、演奏データの作成過程において、模範演奏データと比較することによって使用者の演奏動作の間違いを検出した場合には、エラー情報を作成して演奏データに含めるとともに、表示して演奏者に通知するので、使用者は、演奏しながらリアルタイムに自分の間違いを認識することができる。
また、作成された演奏データと模範演奏データとの一致・不一致を指使いまで含めて譜面の形態で出力できるので、どの箇所に演奏動作の間違いがあったのかを、演奏後に容易に認識することができる。
【0051】
3.変形例
なお、本発明は既述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような各種の変形が可能である。
【0052】
上記実施形態は、模範演奏データと比較して演奏者の演奏動作の間違いを指摘するようにしているが、比較を行わないモードがあってもよい。このようなモードは、模範演奏データを作成したり、単に運指情報を含む譜面を自動的に作成するモードとして用いる。
【0053】
また、上記実施形態では、演奏データはMIDI規格を用いて作成しているが、これに限らず、音楽情報をデジタル信号によって扱うことができる規格であればどのようなものでもよく、独自の規格のデータであってもよい。
演奏動作の間違いを示すエラーコードは、指ナンバーを特定するエクスクルーシブメッセージのデータバイトに割り当てているが、エラーを示す独立のメッセージを用いてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、時間情報には、小節毎のステップタイムを用いているが、曲の開始からのステップタイムを用いてもよい。また、前の演奏動作からの時間間隔を記録する相対時間を用いてもよい。
演奏データ作成のときは、模範演奏データの時間情報にあわせて作成するようにしているが、演奏データは独立して時間情報を設定できるようにしてもよい。この場合は、比較する際に、読み込んだ模範演奏データの時間情報の設定を演奏データ用の設定に調整できるようにすればよい。例えば、模範演奏データの分解能の設定が演奏データの設定の2倍であれば、データを比較する際は、演奏データに付したステップタイムの2倍のステップタイムの模範演奏データを比較すればいよい。
【0055】
また、実施形態のように、運指の間違いに限らず、長さ、強さ等の他の演奏動作の要素も判定してよい。これら他の要素もMIDIメッセージから判定することができる。このように様々な要素を判定すれば、さらにきめ細かい指導が可能となる。
さらに、演奏データに含まれたエラーマークを用いて、演奏結果を採点できるようにしてもよい。例えば、全ステップタイム数に対するエラーマークが含まれている割合や、エラーマークの連続回数などを算出することによって求める。採点結果が出力されることによって、使用者は数量的に演奏の上達度を判断することができる。
また、演奏データを基に演奏終了後に自動演奏をするようにしてもよい。使用者は、自分の演奏がリプレイされることによって、視覚、聴覚の両方で間違いを認識することができる。
【0056】
演奏データは、指導装置300内で用いられるだけでなく、例えばネットワーク通信や可搬型の記録媒体を介して他のコンピュータ等との間で入出力できるようにしてもよい。このように演奏データを交換できるようにすれば、遠隔地にいる人に対しても演奏指導を行うことができる。
また、上記実施形態では、使用者の間違いを表示で指摘するだけであるが、例えば特開平7−334073号公報に記載されているように、各鍵の近傍にLEDを設けて、模範演奏の運指情報を表示できるようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、指導装置300の動作を制御するためのプログラムはROM2に記憶されているものとしたが、これに限らず、CD−ROMやフロッピーディスク、光磁気ディスク等の可搬型の記録媒体(図1では外部ディスク10)に記録されたデータをハードディスク4等の記憶装置に転送できるように構成してもよい。このようにすれば、制御プログラム等の追加(インストール)や更新(バージョンアップ)の際に便利である。また、可搬型の記録媒体から直接RAM3へデータを転送するようにしてもよい。
さらに、可搬型の記録媒体経由ではなく、通信インターフェイス経由で、ハードディスク4等の記録装置上の制御プログラム等を通信ネットワーク側からダウンロードするようにしてもよい。
【0058】
また、本発明にかかる鍵盤楽器の演奏指導装置を、上記制御プログラムをインストールした市販のパーソナルコンピュータ等によって実現してもよい。この場合は、パーソナルコンピュータ等はMIDIインターフェイスを実装したものを用い、グローブ100L、100Rはパーソナルコンピュータの入出力規格に応じたものを用いればよい。もちろん、この場合にも、上記制御情報や制御プログラム等のデータの配布方法としては、ROM等の不揮発性メモリに予め格納しておく方法、可搬型の記録媒体に格納して配布する方法、および通信インターフェイス経由で配布する方法等が考えられる。
【0059】
また、上記実施形態では、MIDIメッセージとグローブ100L、100Rの出力信号から一定のアルゴリズムに従って、操作した指と操作された鍵との対応をつけているが、予めノートナンバーと指ナンバーを一致させるパターンをデータベース化して記憶しておいてもよい。データベースには、一つの指で複数の鍵を押す場合のパターンや、グリッサンド奏法のように、指を滑らしながら速く音階を変化させた場合のパターンなどを記憶してもよい。さらに、使用回数が増加する度に比較などの判断精度が上がるように学習機能(例えば、ニューラルネットやファジー理論を利用)を持たせてもよい。
また、鍵と指との対応付けにおいて、明らかに押されるはずのない組み合わせを記憶しておき、その組み合わせは除外するようにしてもよい。例えば、使用者から向かって一番左に位置する最低音の鍵を、右手で押すことはないというように記憶しておく。この組み合わせが検出された場合には、誤動作として判定するようにしてもよい。
【0060】
上記実施形態では、同時に片手で押される鍵の範囲は1オクターブ以内として判断しているが、手の大きさには個人差があるので、指を広げたときに指が届く鍵の範囲が異なる。そこで、予め使用者の指が届く鍵の範囲を調べて、ある範囲の鍵が同時に押される可能性を数値化したものを記憶できるようにしてもよい。この数値に基づいて、重み付けをした判定を行うようにすれば、使用者に応じてきめ細かい指導が可能となる。
【0061】
また、運指の割り当ての際に、頻度テーブルを用いているが、頻度テーブルを演奏データとして保存するようにしてもよい。そして、模範演奏データに保存された頻度テーブルと比較することによって、演奏の開始間もないときでも精度よく左右交差を判定することができる。
【0062】
上記実施形態では、鍵盤楽器について説明したが、鍵盤楽器に限ることなく、ギターなどの弦楽器、サックスなどの管楽器においても、同様に実施可能である。また、MIDIギターのように、演奏出力をMIDI情報形式で出力可能な場合には、演奏操作部の被操作状態の検出は、出力されるMIDIデータをそのまま利用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、運指を含めた演奏動作を自動的に検出して演奏データを作成し、運指を含めた演奏動作を出力することができる(請求項1、5)。
また、作成された演奏動作データと模範演奏動作データとを比較することによって、演奏動作の間違い情報を表示することができる(請求項2、6)。
また、運指を含めた演奏動作や、間違い情報を譜面で出力することができるので、容易に演奏動作を確認できるようになる(請求項3)。
また、間違い情報を逐次出力するので、その都度演奏動作の間違いを確認することができる(請求項4)。
さらに、鍵盤楽器の演奏指導プログラムを記録媒体に記録することによって、汎用のコンピュータを用いて実現可能となる(請求項7、8)。
このように、本発明によれば、演奏動作を自動的に検出して、運指を含めた演奏動作の効果的な指導をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】 実施形態で用いるデータ構成を示す図である。
【図3】 演奏される譜面の例を示した図である。
【図4】 演奏データの構成例を示した図である。
【図5】 指導装置300の構成を示した図である。
【図6】 実施形態の動作の概略を示すフローチャートである。
【図7】 MIDIデータブロック作成動作を示すフローチャートである。
【図8】 クオンタイズを説明する図である。
【図9】 指と鍵とを対応付ける動作を示すフローチャートである。
【図10】 頻度テーブルの例を示した図である。
【図11】 出力する譜面の例を示した図である。
【符号の説明】
1……CPU、2……ROM、3……RAM、4……ハードディスク、5……外部ディスクインターフェイス、6……MIDIインターフェイス、7……グローブインターフェイス、8……表示部インターフェイス、9……プリンタインターフェイス、10…外部ディスク媒体、100L、100R……グローブ(指状態検出手段)、200……キーボード、300……指導装置、400……記録媒体、301……MIDIコンバータ(操作部状態検出手段、演奏動作特定手段、演奏動作データ作成手段)、302……模範演奏記憶部(模範演奏動作データ記憶手段)、
303……データ比較部(演奏動作比較手段)、304……エラー情報作成部(比較データ作成手段、演奏動作出力手段)、306……データ記憶部、305……表示部、307……譜面作成部(表示手段)
Claims (13)
- 複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、
前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、
前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段と
を具備することを特徴とする楽器演奏動作検出装置。 - 複数の前記指が左手に属する指と右手に属する指とからなる場合に左右の手が交差したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が左右の手が交差したと判定した場合に、左右の手を交差させた状態における前記複数の指の並びに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける交差対応付け手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の楽器演奏動作検出装置。 - 前記判定手段は、前記演奏データ出力手段による過去の対応付けの結果を左手に属する指のグループと右手に属する指のグループとに分け、いずれかのグループにおいて単位時間内に操作された前記操作子と直前の単位時間内に操作された前記操作子との距離が閾値を超えた場合に、左右の手が交差したと判定することを特徴とする請求項2に記載の楽器演奏動作検出装置。
- 前記判定手段は、前記演奏データ出力手段による過去の対応付けの結果を左手に属する指のグループと右手に属する指のグループとに分け、いずれかのグループにおいて単位時間内に操作された複数の前記操作子相互の距離が閾値を超えた場合に、左右の手が交差したと判定することを特徴とする請求項2に記載の楽器演奏動作検出装置。
- 特定の距離だけ離れた複数の前記操作子が単位時間内に操作される可能性の高さを表すデータを前記使用者毎に記憶する可能性記憶手段を有し、
前記判定手段は、前記可能性記憶手段の記憶内容に基づいて重み付けをした判定を行う ことを特徴とする請求項4に記載の楽器演奏動作検出装置。 - 前記操作子識別情報と前記指識別情報との特定の組合せを予め記憶する組合せ記憶手段を有し、
前記演奏データ出力手段は、前記組合せ記憶手段の記憶内容に基づいて、前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器演奏動作検出装置。 - 複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、
前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、
前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段と、
模範となる演奏動作を示す模範演奏データを記憶する模範演奏データ記憶手段と、
前記模範演奏データと前記演奏データとを比較する演奏動作比較手段と、
前記演奏動作比較手段の比較結果を示す比較データを作成する比較データ作成手段と、
前記演奏データおよび前記比較データに基づいて演奏動作指導の情報を表示する表示手段と
を具備することを特徴とする楽器演奏動作指導装置。 - 前記表示手段は、運指を含めた演奏動作を示す譜面を作成して表示することを特徴とする請求項7に記載の楽器演奏動作指導装置。
- 前記表示手段は、前記比較手段の比較結果を逐次表示することを特徴とする請求項7に記載の楽器演奏動作指導装置。
- 受信手段が、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信ステップと、
前記楽器を演奏する使用者の各指に配置された指識別手段が、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別ステップと、
演奏データ出力手段が、前記受信ステップで受信された操作子識別情報と前記指識別ステップで出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力するステップであって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力ステップと
を具備することを特徴とする楽器演奏動作検出方法。 - 受信手段が、複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信ステップと、
前記楽器を演奏する使用者の各指に配置された指識別手段が、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別ステップと、
演奏データ出力手段が、前記受信ステップで受信された操作子識別情報と前記指識別ステップで出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力するステップであって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力ステップと、
演奏動作比較手段が、模範となる演奏動作を示す模範演奏データと前記演奏データとを比較する演奏動作比較ステップと、
比較データ作成手段が、前記演奏動作比較ステップでの比較結果を示す比較データを作成する比較データ作成ステップと、
表示手段が、前記演奏データおよび前記比較データに基づいて演奏動作指導の情報を表示する表示ステップと
を具備することを特徴とする楽器演奏動作指導方法。 - コンピュータを、
複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、
前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、
前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - コンピュータを、
複数の操作子を備えた楽器から送信された操作子識別情報であって、操作された前記操作子を示す操作子識別情報を受信する受信手段と、
前記楽器を演奏する使用者の各指に配置され、前記各指の状態に基づいて、前記操作子を操作した指を示す指識別情報を出力する指識別手段と、
前記受信手段で受信された操作子識別情報と前記指識別手段から出力された指識別情報とを対応付けた演奏データを単位時間毎に生成し、該演奏データを出力する手段であって、前記単位時間内に複数の前記指によって複数の前記操作子が操作された場合に、該操作子の並びと該指の並びとに基づいて前記操作子識別情報と前記指識別情報とを対応付ける演奏データ出力手段と、
模範となる演奏動作を示す模範演奏データを記憶する模範演奏データ記憶手段と、
前記模範演奏データと前記演奏データとを比較する演奏動作比較手段と、
前記演奏動作比較手段の比較結果を示す比較データを作成する比較データ作成手段と、
前記演奏データおよび前記比較データに基づいて演奏動作指導の情報を表示する表示手段
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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