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JP4354692B2 - ポリエステルアミド共重合体の製造方法 - Google Patents
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JP4354692B2 - ポリエステルアミド共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエステルアミド共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性と、高強度とを調和させたポリエステルアミド共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックの廃棄処理に際しての環境への負荷を軽減するために、自然界における「非蓄積性」を特徴とする生分解性プラスチックの開発ならびに使用拡大が重大な関心事となっている。
【0003】
現在までに開発された生分解性プラスチックとしては、代表的なものとして、ポリ乳酸素樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリカプラクトンなどの脂肪族ポリエステル系樹脂があるが、これら生分解性プラスチックには、共通する欠点として、(1)耐熱性が低いこと、(2)強度が低いこと、(3)生分解性の制御が難しいことなどが挙げられ、必ずしも充分な用途ならびに使用の拡大が達成されていない。そこで、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドなどの耐熱性および強度の優れるエンジニアリングプラスチックに共重合体等により生分解性を付与して、主として(1),(2)の欠点を改善しようとする試みがなされている。なかでも、脂肪族ポリアミドは、強度的に優れるだけでなく、生成内にも多く存在するアミド結合を有するため、これと従来よりも知られている生分解性プラスチックの代表である脂肪族ポリエステルとの共重合体により、上記(1)〜(3)の欠点を改善した生分解性プラスチックとしてのポリエステルアミド共重合体を与えることが期待されている。現在までに知られているポリエステルアミド共重合体の製造のための重合方法は、以下のように大きく3種に分類される。
【0004】
モノマー(M/M)法(重合方法1)
一つ目は、原料に全てモノマーを用い、重合反応によりポリエステルアミド共重合体を合成する方法である(例えば、特開平7−102061号公報)。この方法は、古くから知られているが、生分解性を充分に発現させる場合にはモノマーが特定の高価な環状化合物に限定されたり、充分に耐熱性、高強度を発現できなかったりする問題点がある。
【0005】
ポリマー(P/P)法(重合方法2)
二つ目は、アミド成分とエステル成分の原料として、ともに高分子量ポリマーまたは低分子量オリゴマーを用いる方法である(例えば、特開平7−157557号公報)。この方法は、製造するポリエステルアミド共重合体が高価になったり、生成する共重合体の分子量が低く、その分子量を増大させるために、第3成分を使用するなどが必要になり、さらに操作が複雑になると同時にますますポリマーが高価になる。
【0006】
ポリマー/モノマー(P/M)法(重合方法3)
三つ目は、脂肪族ポリアミドと脂肪族ポリエステルの一方の成分の原料はモノマーを使用し、他の原料は高分子量ポリマーまたは低分子量オリゴマーを用いる方法である。例えば、ポリアミドとラクトン化合物とを原料とする方法(特開平4−36320号公報)が知られているが、モノマーの作用するエステル交換後にポリマーの解重合等も促進されるため、得られるポリエステルアミド共重合体の分子量の充分な増大が得られず、強度的にも未だ不満足なものであった。例えば、得られたポリエステルアミド共重合体を成形フィルムの引張強度として、320〜400kg/cm(約30〜40MPa)が報告されている。また、共重合体とともに生成していると解されるポリエステル(ポリラクトン)は、クロロホルム可溶分として製品ポリエステルアミド共重合体から分離されており、製品収率的にも未だ不満足である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑み、実用的に優れた耐熱性、機械強度等の物性を有するとともに、生分解性を有するポリエステルアミド共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、生分解性と、機械的強度、耐熱性を代表とする物性とが調和したポリエステルアミド共重合体を得るためには、ポリエステルアミド共重合体が、それぞれのブロック平均分子鎖長を制御したブロック共重合体の形態を採り、且つ全体の分子量(本発明では溶液粘度(インヘレント粘度)で規定)を高く維持することが望ましいこと、ならびにこのようなポリエステルアミド共重合体を製造するためには、原料として脂肪族ポリアミド(P)と、環状エステルの開環重合体である脂肪族ポリエステル(P)と、環状エステルまたは環状アミド(M)との3種(P/P/M)を用い、これらの混合物を制御された条件下でのエステル−アミド交換および縮重合反応に付す方法(いわばPPM法)が極めて有効であることが見出された。
【0009】
上記知見に基づき本発明によれば、脂肪族ポリアミドと、環状エステルの開環重合体である脂肪族ポリエステルとの共重合体からなり、その4.0gをヘキサフルオロイソプロパノール1Lに溶解して得られた溶液についてウベローデ粘度計を用いて25℃で測定した溶液粘度(インヘレント粘度)が0.7dl/g以上であるポリエステルアミド共重合体が得られる
【0010】
発明のポリエステルアミド共重合体の製造方法は、脂肪族ポリアミドと、環状エステルの開環重合体である脂肪族ポリエステルと、環状エステルまたは環状アミドとの混合物を、ポリアミドの融点と約300℃との間の温度で加熱溶融状態で、透明状態になるまで保持してエステル−アミド交換反応を進め、その後、より低い温度で縮重合を進めることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリエステルアミド共重合体の製造方法を、その工程に従って、順次説明する。
【0012】
1.原料
(脂肪族ポリアミド)
本発明のポリエステルアミド共重合体の製造方法において用いる原料の第1は、脂肪族ポリアミドである。この脂肪族ポリアミドは、製品ポリエステルアミド共重合体を構成する脂肪族ポリアミドと実質的に同一モノマーからなるものであるが、本発明の重合工程において、後記する脂肪族ポリエステルあるいはそのモノマーによるエステル−アミド交換反応を受けるため、製品ポリエステルアミド共重合体中の脂肪族ポリアミドのブロック単位よりはかなり大なる分子量を有する。
【0013】
具体的には、脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの縮重合体、環状アミド(ラクタム類)の開環重合体が用いられ、より具体的には、ポリアミド(ナイロン6)、ポリアミド6,6(ナイロン6,6)、ポリアミド12(ナイロン12)、ポリアミド6,10(ナイロン6,10)あるいはこれらの共重合体が用いられる。中でも製品ポリエステルアミド共重合体の強度特性と生分解性の調和を得るためには、ポリアミド6、ポリアミド12等の環状アミドが好ましく、特にポリアミド6(ナイロン6)が好ましい。原料としての脂肪族ポリアミドは、数平均分子量が600〜100,000、特に10,000〜25,000の範囲であることが好ましい。数平均分子量が600未満であると縮合反応時に重合度が上り難く、また100,000を超えると撹拌が困難となり易い。
【0014】
(脂肪族ポリエステル(環状エステルの開環重合体))
本発明のポリエステルアミド共重合体の製造方法において用いる原料の第2は、環状エステルの開環重合体である脂肪族ポリエステルであり、環状エステルの具体例としては、β−ラクトン、γ―ラクトン、δ−ラクトン、ε−ラクトン等のラクトン類、ならびにグリコリド(グリコール酸の環状二重体)およびラクチド(乳酸の環状二量体)等が挙げられるが、特にε−ラクトンの開環重合体であるポリ−ε−ラクトンが好ましく用いられる。原料としての脂肪族ポリエステルは、数平均分子量が500〜500,000、特に4,000〜100,000の範囲であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、縮合反応時に重合度が上り難くなる。また、500,000を超えると、撹拌が困難となり易い。
【0015】
(環状エステルまたは環状アミド)
本発明のポリエステルアミド共重合体の製造方法において用いる原料の第3は、環状エステルまたは環状アミドである。
【0016】
環状エステルの具体例としては、上記脂肪族ポリエステルに対応するラクトン類、グリコリド類が挙げられ、環状アミドの具体例としては上記脂肪族ポリアミドの対応モノマーの好ましい例でもある、ラクタム類が挙げられる。
【0017】
これら環状エステルまたは環状アミドは、脂肪族ポリアミドと脂肪族ポリエステル間の加熱下のエステル−アミド交換を著しく促進して、より低温下でのエステル−アミド交換を可能にし、生成するポリエステルアミド共重合体の低分子量化を防止する作用を有する。環状エステルまたは環状アミドの作用は、脂肪族ポリエステルあるいは脂肪族ポリアミドのモノマーとの構造的近似性が寄与しているとも考えられ、この意味で最も好ましい環状エステルはε−カプロラクトン、最も好ましい環状アミドはε−カプロラクタムである。
【0018】
より具体的に述べると、ポリカプロラクトンとポリアミド6とを、高温下で(特公昭57−26688号公報)、あるいは水の存在下で加熱下に(特開平7−157557号公報)、エステル−アミド交換反応に付し、ポリエステルアミド共重合体を製造する方法が知られている。しかし、これらのポリマー同士を反応させた系では共重合体反応が完全に進行せず、非晶状態のDSC測定では単一の昇温結晶化温度を示さない。さらに、ポリアミドおよびポリエステル成分の融点と比べてかなり高い温度で反応を行うので、反応が完結するまでにエステルおよびアミド成分に熱分解が生じ、充分な力学的強度が得られないという問題があった。
【0019】
これに対し、本発明に従い、上記脂肪族ポリアミドと脂肪族ポリエステルに加えて、環状エステルまたは環状アミドを共存させることにより、エステル−アミド交換の一応の完了状態を示す透明均質液状態(これに伴い生成ポリエステルアミド共重合体における非晶状態からの昇温過程での結晶化温度が単一化する)が比較的短時間で得られ、その後、より低い温度で縮重合を進めることにより、全体として機械的強度を与えるに充分な高い分子量(溶液粘度)を維持しつつ、生分解性を与えるに充分な程、エステル−アミド交換を進行させたポリエステルアミド共重合体が見出されたのである。
【0020】
本発明等の知見によれば、生成ポリエステルアミド共重合体において、ポリアミドブロック中の平均分子鎖長が3以上であり且つポリエステルアミド共重合体の溶液粘度(インヘレント粘度)が0.7dl/g以上、より好ましくは0.8dl/g以上、更に好ましくは0.9dl/g以上であることが、生成ポリエステルアミド共重合体の耐熱性、機械的強度をはじめとする物理的特性を高くする上で著しく、好ましい。他方、ポリエステルアミド共重合体中のポリエステルブロックの平均分子鎖長は、ポリアミドブロック中のそれより小さく、より具体的には、1〜2の範囲内であることが好ましい。
【0021】
上述した、生成ポリエステルアミド共重合体中における好ましい分子量ならびに平均分子鎖長を実現できるように、上記原料成分の使用が定められる。
【0022】
より具体的には、生成ポリエステルアミド共重合体中におけるポリアミド含量が50〜95モル%、特に60〜90モル%、ポリエステル含量が5〜50モル%、特に10〜40モル%となる割合が好ましく用いられる。また上記3原料(脂肪族ポリアミド、脂肪族ポリエステルおよび環状エステルまたは環状アミド)中において、脂肪族ポリアミドは、25〜85モル%、特に30〜81モル%、脂肪族ポリエステルは4.5〜25モル%、特に9〜20モル%、環状エステルは0.5〜25モル%、特に1〜20モル%、あるいは環状アミドが9〜30モル%、特に9.5〜25モル%の範囲で、上記生成ポリエステルアミド共重合体中のポリアミド含量およびポリエステル含量範囲を満たすように決定される。
【0023】
本発明のポリエステルアミド共重合体の製造方法に従い、上記した脂肪族ポリアミド、脂肪族ポリエステル、および環状エステルまたは環状アミドを、ポリアミドの融点である約190℃と約300℃との間の温度、より好ましくは210〜280℃の範囲の温度でエステル−アミド交換に付す。この際、一般に(無水)酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、テトラ−n−ブチルチタネート等の慣用のエステル交換触媒を、上記原料の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.2〜1.0重量部の範囲で共存させる。上記温度で1〜15時間、特に2〜10時間、原料混合物を保持することにより、エステル−アミド交換の一応の終了を示す透明均質液状態に到達する(これに伴い生成ポリエステルアミド共重合体における非晶状態からの昇温過程での結晶化温度が単一化する)。
【0024】
系が、透明均質液状態に達したら系の温度を可及的速やかに、具体的には150〜260℃、特に170〜230℃、温度範囲(で好ましくはエステル−アミド交換反応温度よりは10℃以上低く、特に20〜100℃低い温度範囲)に低下させて縮重合を進める。透明均質液状態に到達後も、系をエステル−アミド交換温度に止めると、ポリアミドブロックの解重合が進み、生成ポリエステルアミド共重合体の物理特性上要求される平均分子鎖長が3以上の条件が満たされなくなる。
【0025】
この縮重合は、撹拌トルクが上昇し、ほぼ一定になるところまで継続される。
【0026】
上記した本発明の製造方法を経て得られるポリエステルアミド共重合体は、上述したように脂肪族ポリアミドと脂肪族ポリエステルのブロック共重合体の形態をなし、数平均分子量に対応するインヘレント粘度が0.7dl/g以上、好ましくは0.8dl/g以上、更に好ましくは0.9dl/g以上、ポリアミドブロックの平均分子鎖長が3〜10、より好ましくは4〜8、ポリエステルブロックの平均分子鎖長が1〜2、より好ましくは1.2〜1.7の範囲のものとなる。また昇温時において、10〜150℃の温度範囲に単一の結晶化温度を、また150〜210℃の範囲に融点を示すものとなる。
【0027】
本発明によるポリエステルアミド共重合体は、改良された物理特性を有する生分解性プラスチックとして、釣糸、魚網、農業用ネットなどの繊維製品、押出、延伸を経て食品 装材料等として有用な各種フィルム製品に成形利用され得る。
【0028】
[実施例]
以下、実施例、比較例により更に具体的に本発明を説明する。各例において得られたポリエステルアミド共重合体については、以下の物性の測定を行った。
【0029】
1.熱的性質
パーキン・エルマー社製DSC7を用いて測定を行った。測定温度域は10℃〜250℃。昇降温速度は10℃/分。
【0030】
2.一次構造(13C−NMRによる構造解析方法)
・エステル/アミド比率
ポリエステル・ポリアミドの各カルボニル炭素ピークの大きさで比率を求める。
【0031】
・結合比率
エステル結合および結合に関与しているカルボニル炭素に隣接しているメチレン炭素ピークに着目する。エステル−アミド交換反応によりアミド−エステル、エステル−アミドピークが生成したとき、それら結合に関与したカルボニル炭素に結合したメチレン炭素のピークはシフトする。元のピークとシフトしたピークとの比率とエステル/アミド比率からアミド−アミド、アミド−エステル、エステル−エステル、エステル−アミド、の各結合比率を求めることが可能である。
【0032】
・平均ブロック長
生成したポリラクトンアミドが1本の分子鎖として重合したと仮定し、それを先ほど求めた結合比率に当てはまるように配列した結果から求めることができる。
【0033】
3.生分解性(コンポスト条件下)
菱三プロダクツ社製、微生物酸化分解装置(製品名「MODA」)を用いて測定した。すなわち、微粉化した試料10gを、微生物源および海砂と混合して、反応筒に充填し、58℃に保持したこの反応筒に、炭酸ガスを除去した空気を20ml/分の速度で45日間供給する。反応筒からは、微生物分解による二酸化炭素アンモニアおよび水が反応するが、このうち、二酸化炭素のみを選択的に回収して、その量を測定し、試料中の全炭素量から発生すべき二酸化炭素量との割合を計算し、その割合が3%以上のものを生分解性あり、3%未満のものを生分割性なしとした。
【0034】
4.溶液粘度
ヘキサフルオロイソプロパノール1Lに対して4.0gの試料量となるように試料溶液を作成。その試験溶液を25℃の水浴中でウベローデ粘度計を用いて粘度測定した。
【0035】
5.直線強度
◎試料作成
φ35mの押出機を用い、下記の条件で径が約0.2mmのモノフィラメントを成形した。
【0036】
【外1】
・押出温度:195℃
・冷却槽温度:5℃
・1段延伸:4.30倍@23℃
・2段延伸:1.57倍@140℃
・総延伸倍率:6.75倍
・熱処理および緩和:なし
【0037】
◎強度測定
得られたモノフィラメントについて、オリエンテック社製テンシロン(RTM−100型)を用いて引張り強度を測定した。
【0038】
【外2】
・試験温度:23℃
・試料長:300mm
・引張り速度:300mm/min
【0039】
(実施例1)
反応容器中に、6ナイロン、ポリカプロラクトンおよびε−カプロラクトンを、70:21:9モル比で投入し、窒素雰囲気中、220℃に保持し、その後260℃まで設定温度を上げた。6ナイロンの溶融後、徐々に撹拌速度を上げ、更に270℃まで系の温度を上昇させた後、全仕込量100重量部に対し0.5重量部の酢酸亜鉛(触媒)を添加して、エステル−アミド交換反応を開始した。
【0040】
270℃で反応を続け、約6時間経過後に系内が白濁状態から透明均質化状態まで変化したので、エステル−アミド交換の終了と判定し、撹拌継続下、系を220℃まで温度降下させた。この温度で約10時間縮重合を継続し、その後冷却することにより、本発明によるポリエステルアミド共重合体を得た。
【0041】
得られたポリエステルアミド共重合体は、融点=180℃、昇温結晶化温度=27℃(単一)、ポリアミドブロックにおける平均分子鎖長=5.7、ポリエステルブロックにおける平均分子鎖長=1.4、インヘレント粘度(ηinh)=1.0dl/gを示した。また58℃、45日間の微生物酸化条件下でのコンポスト処理により約15%の炭酸ガスの発生率を示し、生分解性有りと判定された。更に径約0.2mmのモノフィラメントを形成して、直線引張り強度を測定したところ、670MPaの値を示した。
【0042】
ポリエステルアミド共重合体の製造の概要および特性測定結果を、以下の実施例、比較例についての結果とまとめて、後記表1に示す。
【0043】
(実施例2)
270℃でのエステル−アミド交換反応を、約6時間での透明液状態の到達後、更に4時間継続する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルアミド共重合体を製造し、物性測定を行った。
【0044】
その結果、ポリアミドのインヘレント粘度および平均分子鎖長の低下が認められ、モノフィラメントの直線引張り強度も320MPaと低下したが、それでも、従来法により得られたレベル(後記比較例3によれば55MPa)に比べれば、かなり高い強度が得られた。
【0045】
(実施例3)
原料として、6ナイロン、ポリカプロラクトンおよびε−カプロラクタムを、49:30:21のモル比で用い、エステル−アミド交換反応を温度300℃で1.3時間行う以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルアミド共重合体を製造し、物性を測定した。
【0046】
(比較例1)
原料として、6ナイロン、ポリカプロラクトンおよびε−カプロラクトンを、50:35:15のモル比で用い、220℃での縮重合反応を行わない以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルアミド共重合体を製造し、物性を測定した。
【0047】
(比較例2)
市販の6ナイロン(ユニチカ社製「A1020BRL」)を用いて、比較のための物性測定を行った。融点、インヘレント粘度、直線強度等は、実施例のポリエステルアミド共重合体よりも若干高い温度を示したが、コンポスト処理における炭酸ガス発生量は0%であり、生分解性は全く認められなかった。
【0048】
(比較例3)
原料として、6ナイロン、ポリカプロラクトンおよびε−カプロラクトンを、70:30のモル比で用い、エステル−アミド交換反応を温度280℃で2時間行い、220℃での縮重合反応を行わない以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルアミド共重合体を製造し、物性を測定した。
【0049】
得られたポリエステルアミド共重合体は、DSC昇温時に13℃と21℃にそれぞれ結晶化温度のピークを示し、エステル−アミド交換反応が不充分であることを示すとともに、直線引張り強度も55MPaとかなり低い値を示した。
【0050】
(比較例4)
特開平7−157557号公報の記載に準じて、P/P法によりポリエステルアミドを製造した。すなわち、原料として、6ナイロン、ポリカプロラクトンを70:30のモル比で投入し、そこへ水4重量部および触媒0.5重量部を添加した。窒素雰囲気下で270℃まで加熱し、撹拌しながら4時間反応を行った。その後、装置内雰囲気を減圧状態にし、水を留出させ、十分にトルクが上がったところで常圧に戻し、排出した後に溶融反応物を放冷して、共重合体を得た。
【0051】
上記実施例および比較例の結果は、まとめて次の表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0004354692
【0053】
【発明の効果】
上記表1に示す実施例と比較例との対比で示すように、本発明によれば、脂肪族ポリアミドと、環状エステルの開環重合体である脂肪族ポリエステルと、環状エステルまたは環状アミドとの混合物を、エステル−アミド交換反応および、より低温下での縮重合反応に逐次付すことにより、生分解性に優れ、且つ高強度・高耐熱性で代表される物理特性にも優れ、釣糸、魚網および農業用ネットをはじめとする繊維製品、ならびに食品をはじめとする各種内容物の包装材料として優れた適性を示すポリエステルアミド共重合体が提供される。

Claims (2)

  1. 脂肪族ポリアミドと、環状エステルの開環重合体である脂肪族ポリエステルと、環状エステルまたは環状アミドとの混合物を、ポリアミドの融点と300℃との間の温度で加熱溶融状態で、透明状態になるまで保持してエステル−アミド交換反応を進め、その後、より低い温度で縮重合を進めることを特徴とするポリエステルアミド共重合体の製造方法。
  2. 脂肪族ポリアミドがポリアミド6であり、環状エステルがε−カプロラクトンであり、環状アミドが、ε−カプロラクタムである請求項のポリエステルアミド共重合体の製造方法。
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