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JP4354888B2 - ポリエステル樹脂組成物の製造方法および製造装置 - Google Patents
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JP4354888B2 - ポリエステル樹脂組成物の製造方法および製造装置 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物の製造方法及び製造装置に関し、さらに詳しくは繊維用、フイルム用およびその他の成形用途に有用であり、平均粒子径が大きい粗大粒子を実質的に含まない、平均粒子径が0.01〜2.0μmの粒子を緊密分散状態で含有するポリエステル樹脂組成物の製造方法及び製造装置に関する。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレン−2,6−ナフタレートは、その優れた物理的・化学的特性を有するため、繊維、フイルム、その他の成形品として広く使用されている。しかし、その優れた特性にも拘わらず、上記成形品を得る成形工程における成形加工性、あるいは成形品自体での取り扱いにおける滑り性不良による作業性の悪化、製品価値の低下といった好ましくないトラブルが発生することも知られている。
これらの問題を解決するため、ポリエステルに微粒子を含有させて成形品の表面に適度の凹凸をつけ、これによって成形品の表面の滑り性を向上させる方法が数多く提案され、その一部は実用化されている。例えば、酸化珪素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク又はカオリナイトなどの不活性無機微粒子をポリエステルに添加する方法(例えば特許文献1参照。)、或はシリコーン粒子、ポリスチレン粒子などの耐熱性ポリマー粒子をポリエステルに添加する方法(例えば特許文献2参照。)がある。
しかし、これらの粒子を添加する方法は、往々にして粗大粒子が混入することがある。もしこのような粗大粒子が混入すると、例えば磁気テープ用フイルムにおいては、電磁変換特性を低下させたり、ドロップアウトを引き起こす原因となる。また、製版印刷用、マイクロフイルム用などの透明性が要求されるフイルムにおいては、透明性が著しく低下するなど、フイルム品質を損ねてしまう。さらに、繊維用途においては、紡糸時のフィルター詰まりが発生し生産性が低下したり、単糸切れが発生したりして好ましくない。
無機及び/又は有機の微粒子を含有するポリエステル樹脂組成物を製造する方法としては、二軸混練押出機を使用した混練方法が広く知られている。例えば互いに平行でかつ回転自在にチャンバー内に挿通された二本のローターの外周面に、被混練材料を前方へ送りだすスクリューフィード部と、被混練材料を混練溶融するためのニーディングディスクが、軸心方向に交互に配置されたものが知られている(例えば特許文献3参照。)。
しかし、ニーディングディスクは、被混練材料の流動をディスク断面内の回転流動により行うべく、チップクリアランスが極小に設定されていて、チップクリアランスでの材料流動が殆どない。このため、上記のように、ローターの混練部にニーディングディスクを採用した二軸混練押出機では、フィラーのマクロ分散には適しているがミクロ分散には適しておらず、無機質フィラーの分散度の向上には自ずから限界がある。また、無機及び/又は有機微粒子に表面処理を施す例も広く実施されているが、一般的に表面処理には複雑な工程と高度な品質管理を必要とするため、高価となる問題があった。
そこで、近年、無機質フィラーを樹脂に混合して混練する二軸混練押出機においても、無機質フィラーのミクロ分散性を考慮して、ローターの混練部に送り翼と戻し翼とを有するローターセグメントを採用したものが開発されている(例えば特許文献4参照。)。
しかるに、従来のローターセグメント仕様の二軸混練押出機では、チャンバー内面や混練部の早期摩耗を防止するために、混練部の隙間を比較的大きな値に設定しているので、無機質フィラーの分散度の低下をある程度は抑えられるものの、ニーディングディスク並の分散効果しか得られなかった(例えば特許文献4参照。)。
また、二酸化チタン含有ポリエステル樹脂の製造装置として、ローターディスク及び樹脂流と逆向き推進力を有するディスクを直下に有する二軸混練押出機が提案されている(例えば特許文献5参照。)。しかしながら、このようにローターの戻し翼の直下に逆向きスクリューを配置すると、逆向きスクリュー自身は二酸化チタンの分散性をなんら向上させる能力がない。更に、被混練樹脂に圧力を立てて混練分散能を向上させようとしても順方向に流れる樹脂と逆向き流を有する樹脂に滞留部の圧力のバランスを制御することが極めて困難で、ポリエステル樹脂の粘度によってはベントアップ等の工程トラブルを起こす懸念があった。
すなわち、現時点では、無機及び/又は有機微粒子含有ポリエステル樹脂組成物の圧損上昇速度が0ないしその近傍になるまで分散度を向上できる混練・分散仕様の二軸混練押出機を用いたポリエステル樹脂の製造方法は未だ開発されていなかった。
特開昭55−133431号公報 特開平3−115354号公報 特開平5−69438号公報 特開平7−164433号公報 特許第3474716号公報
本発明においては、無機及び/又は有機微粒子の分散度を向上させ、色相や成形性に優れたポリエステル組成物を得るポリエステル樹脂組成物の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来法において無機及び/又は有機粒子の分散をさほど向上すべく、二軸押出機のスクリュー構成を詳細に検討した結果、特定のスクリュー構成を有するときに、該微粒子の分散性が十分満足するものとなることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明の目的は、ベント付混練二軸押出機へ、繰り返し単位の70モル%以上がエチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート及びエチレンナフタレートよりなるポリエステル群から少なくとも一種選ばれるポリエステルと、平均粒径が0.01〜2μmである無機及び/又は有機の微粒子を添加して混練するポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、
前記の微粒子の前記ベント付二軸混練押出機への添加口が前記ベント付二軸混練押出機内部に配置されたスクリューのフルフライト部に設けられ、かつ前記微粒子の添加口より下流側に、前記の微粒子を混練分散させるための送り翼と戻し翼とを有するローターセグメントが少なくとも3箇所設けられているとともに、ローターセグメントの送り翼と戻し翼の長さの比が、下記式(1)を満たすことを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法及び樹脂組成物の製造装置によって達成できる。
Figure 0004354888
[上記数式中のL(R、m)とは、
L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
:チップ投入部から数えてn番目のローターセグメントであることを表す。
m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
本発明のポリエステル樹脂組成物の連続製造装置によれば、ポリエステル中への微粒子の分散性に優れ、実質的に粒径5μm以上の粗大粒子が存在せず、したがって、繊維、フイルム及び樹脂成形品とする際の成形加工性に優れ、繊維の場合には単糸切れが少なく、フイルムの場合には易滑性とフイルム表面の均一性および耐磨耗性に優れ、そして、樹脂成形品の場合には寸法安定性や耐衝撃性に優れるポリエステル樹脂組成物を連続して製造することができる。
そして、これらのポリエステル樹脂組成物を繊維化工程、薄膜化工程、および種々の立体成型工程に使用しても、ポリエステル樹脂組成物中の粗大粒子あるいは凝集粒子が極めて少ないため、これらの工程に設けられる異物を除去するための濾過体が捕捉する粒子の量を大幅に減少させることができる。さらには濾過圧力の上昇に起因する濾過体の交換周期を延長することができ、長期間に渡って濾過体を安定に使用することが可能となる。また繊維の成形工程においては、紡糸時のフィルター詰まりが発生し、生産性が低下したり、単糸切れが発生したりすることもなくなる。さらに、例えば磁気テープ用フイルムにおいては、電磁変換特性を低下させたり、ドロップアウトを引き起こす原因となったり、製版印刷用、マイクロフイルム用などの透明性が要求されるフイルムにおいては、透明性が著しく低下するなどのフイルム品質を損ねてしまう粗大粒子の発生と混入を防止することができるという顕著な効果を奏する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明におけるポリエステル樹脂とは、繰り返し単位の70モル%以上がエチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート及びエチレンナフタレートよりなるポリエステル群から少なくとも1種選ばれるポリエステルである。具体的には、二価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオールとから合成される線状飽和ポリエステルである。ここで、二価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸ジメチルなどが挙げられる。なかでもテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルが好ましい。
また、ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメタノール、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールなどが挙げられる。これらのなかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましい。
これら二価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体及びジオールは、互いに1種ずつを用いても良いし、2種以上を用いることもできる。
また、本発明におけるポリエステルには、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸若しくはトリメリット酸モノカリウム塩などの多価カルボン酸又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム若しくはジメチロールプロピオン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を少量共重合しても良い。
なお、ポリエステルは、前記の例示した化合物から常法によって得ることができる。すなわち、二価カルボン酸とジオールをエステル化反応させた後、高温、減圧下にて重縮合させるか、二価カルボン酸のエステル形成性誘導体とジオールをエステル交換反応後、高温、減圧下にて重縮合させることで製造することができる。
本発明において、ポリエステルに添加する微粒子は、無機粒子でも有機粒子でも良い(以下、単に「微粒子」と略称することもある)。また、その平均粒子径は、0.01〜2.0μmであることが必要である。該微粒子の平均粒子径が2.0μmを越えると、従来の技術の欄で詳細に述べたような粗大粒子の混入に伴う種々の問題を惹起するため、好ましくない。一方、該微粒子の平均粒子径が0.01μmより小さくなっても良いが、実用上これよりも小さくすることの利点が少なく、あえて0.01μmより小さくする必要もない。一方で却って表面積が大きくなる故、混練工程における樹脂の劣化、微粒子の再凝集を誘起したりすることが起こりうるため、好ましくない。好ましい平均粒径の範囲は0.03〜1.8μmである。
ここで、無機粒子としては、コロイダルシリカ、湿式シリカ、乾式シリカなどの酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリナイト、チャイナクレー、タルク、アルミナ、ゼオライト、グラファイト、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック又は硫酸バリウム等の粒子を例示することができる。有機粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂又は架橋シリコーン樹脂等の微粒子を例示することができる。また、これらの微粒子は、例えば特開平7−247119号公報、特開平4−7336号公報などで提案されている様に、微粒子の表面を粒子内部の組成とは異なる化合物で被覆していても、シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤などで高価となり過ぎない範囲で処理されていても一向に構わない。なかでも、酸化珪素、酸化チタン、アルミナ、ポリスチレン、架橋シリコーン樹脂の微粒子、或いはこれらの微粒子の表面を他の化合物で被覆した微粒子が好ましい。
また、ポリエステルに添加する前記の微粒子の量は、ポリエステル樹脂組成物中に占める割合で、0.01〜70重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜65重量%、更により好ましくは0.05〜60重量%である。
以上に述べたポリエステル樹脂組成物については、以下に述べる製造方法によって得ることができる。本発明において用いられる製造方法は、ベント付二軸混練押出機であって粒子の添加口がベント付二軸混練押出機内部に配置されたスクリューのフルフライト部に設けられ、前記の微粒子を混練分散させるための送り翼と戻し翼とを有するローターセグメントを前期添加口よりスクリュー軸心方向下流側に少なくとも3箇所設けられている装置を使用することが必要である。ここでベントラインは縮合重合型の高分子樹脂の1種であるポリエステル樹脂からの副生物の除去のために必要である。ベント口を設けていないと、ポリエステル樹脂の加水分解および熱劣化が著しくなるため好ましくない。本発明におけるベント付二軸混練押出機は、ローターセグメントが3〜5箇所あることが好ましい。ローターセグメントが2箇所しかないと微粒子の混練分散が不十分なものとなるため好ましくない。ローターセグメントが5箇所を超えると樹脂の推進力が不足し、ベントアップを生じやすくなるため好ましくない。
更に本発明においては、各ローターセグメントの送り翼と戻し翼の長さの比が、下記式(1)を満たすことが必要である。
Figure 0004354888
[上記数式中のL(R、m)とは、
L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
:チップ投入部から数えてn番目のローターセグメントであることを表す。
m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
上記式(1)は、戻り翼スクリューに対する送り比が順次、大きくなっていることを示し、樹脂が送り方向に向かって緊密に昇圧させ、混練効果を大きく向上させることができる。なお、上記式中すべて同時に等号を取っても一向に構わない。不等式から外れる場合すなわち、戻りの翼の長さ比が大きくなることは、送り方向に沿って樹脂を送らないので、混練効果を向上させることが困難となりトラブルを誘発しやすくなるので好ましくない。
さらに本発明においてローターセグメントの長さは下記式(2)を満足することが望ましい。
Figure 0004354888
[上記数式中のL(R、m)、とは、
L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
:チップ投入部から数えてk番目のローターセグメントであることを表す。
m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
すなわち、ローターの送り翼と戻り翼の各々の総和を比較したとき、送り翼の長さが長いことを示す。送り翼の長さがこの範囲より短いと、樹脂の送液機能が極端に低下するため、ベントアップの原因となる。一方送り翼の長さがこの範囲より長いと、樹脂を送る作用が強すぎてローター部における樹脂の滞留時間が短くなるため、混練効果が極端に低減することになり好ましくない。本発明は、全体的な樹脂の昇圧パターンを良好に形成していることができるが、一方、局所的な昇圧による混練力向上の手段を併用することは好ましい場合が多い。
本発明においては、更に各ローターセグメントの直ぐ下流側に、前記微粒子を解砕分散させる機能を持ちかつ推進力を持たないニーディングディスクを配置することが好ましい。送り機能を有さないニーディングディスクを配置することでポリエステル樹脂の樹脂滞留部位を提供し、高い混練力をかけることにより、混練分散を飛躍的に高めることができる。本発明においては、またニーディングディスクの直ぐ下流側に被混練材料の流れに対する抵抗機能を発現し、各混練部に背圧を生じさせて被混練材料を充満させる抵抗部分が設けられていることが好ましい。更にその抵抗部分に逆送りフルフライト部が配置されていることが好ましい。
本発明におけるベント付二軸混練押出機の混練において、ローターセグメントの最外周端である撹拌縁と、ベント付二軸混練押出機のバレルの内径との差であるチップクリアランスは混練分散の強度を制御する因子のひとつである。そのチップクリアランスδとバレル内径Dの比δ/Dが0.004〜0.01の範囲であることが好ましい。チップクリアランス比が0.004より小さいとポリエステル樹脂の剪断発熱が著しくなり、樹脂の劣化を招くので好ましくなく、0.01を超えるとポリエステル樹脂と微粒子との混練が不十分になり、樹脂による真空系とのシール性が効かなくなり、真空度低下による加水分解を誘発するので好ましくない。好ましいチップクリアランス比の範囲はδ/Dは、0.005〜0.008である。
本発明は、無機及び/又は有機微粒子とポリエステル樹脂とをベント付二軸混練押出機中で混練分散させるものであるが、無機粒子及び/又は有機粒子の添加方法について特に制限するものではない。粉体としてポリエステル樹脂と同一の供給口より供給してもよいし、ポリエステル樹脂を投入し、ベント付二軸混練押出機中で溶融した部位で粉体添加する方法でもよい。また、無機粒子及び/又は有機微粒子をスラリー又は溶液とし、液体添加ノズルを通じてベント付二軸混練押出機に供給してもよい。本発明者らの検討によれば、例えば微粒子を水及び/または沸点240℃未満の分散媒とスラリー化し、添加すると添加の定量性、スラリーのフィルター処理が可能となるため粗大粒子除去が可能となるため好ましい場合が多い。スラリー又は溶液の濃度としては好ましくは1〜70重量%の範囲である。濃度が1%より低いと所望の微粒子を添加するために多量の媒体を投入しなければならず、媒体自身のコストや脱気のため多大なエネルギーを要するため、好ましくない。また70重量%を超えるとスラリーまたは溶液の粘度が高くなり、沈降または析出等が発生し、定量的添加が困難となり、スラリー又は溶液の粘度が高くなるため好ましくない。水及び/又は沸点が240℃以下の有機化合物」を用いる。なお、該有機化合物としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素化合物、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、エチレングリコールエーテルなどのエーテル類、その他としてエステル類、ケトン類、アミン類などが挙げられ、なかでも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、β−オキシエチルエーテル、β−オキシエチルメチルエーテルが好ましい。また、前記の微粒子をスラリーとするにあたり、これらの水及び/又は有機化合物媒体は、単独で用いても良いし、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。
ここで、前記の微粒子と水及び/又は有機化合物媒体とのスラリーは、常法によって調製することができる。すなわち、微粒子を水及び/又は有機化合物媒体のスラリーとした後、粉砕又は解砕し、さらに分級処理を加えてもよい。逆に、分級処理後に粉砕又は解砕してもよい。あるいは、乾式にて、粉砕又は解砕及び/又は分級処理を加えた後、微粒子を水及び/又は有機化合物媒体のスラリーとしてもよい。あるいは、乾式と湿式の方法を適宜組み合わせても良い。例えば、乾式で粉砕した後にスラリー化して湿式で分級処理しても良いし、乾式で解砕及び/又は分級処理した後に湿式で粉砕処理しても良い。
また、均一なスラリーを得るために、本発明の効果を損なわない範囲で分散剤を添加してもよい。なお、該分散剤の具体例としては、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ビニル化合物とカルボン酸系単量体との共重合物の塩、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、アンモニア、各種のアンモニア塩、カセイソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダなどの各種のソーダ塩、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヒドロキサイドなどのオニウム化合物等を挙げることができる。
本発明においては、前述した説明に鑑み、ポリエステル樹脂組成物の製造に係る特定の製造装置を使用することによって目的を達成することができる。本発明において用いられる製造装置は、ベント付二軸混練押出機であって微粒子の添加口がベント付二軸混練押出機内部に配置されたスクリューのフルフライト部に設けられ、前記の微粒子を混練分散させるための送り翼と戻し翼とを有するローターセグメントを前記添加口よりスクリュー軸心方向下流側に少なくとも3箇所設けられていることが必要である。好ましくは3〜5箇所設けられていることである。ここでベントラインは縮合重合型の高分子樹脂の1種であるであるポリエステル樹脂からの副生物の除去のために必要である。ベント口を設けていないと、ポリエステル樹脂の加水分解および熱劣化が著しくなるため、好ましくない。本発明におけるベント付混練二軸押出機は、ローターセグメントが少なくとも3箇所必要である。ローターセグメントが2箇所しかないと微粒子の混練分散が不十分なものとなるため好ましくない。
本発明においては、各ローターセグメントの直ぐ下流側に、前記微粒子を解砕分散させる機能を持ちかつ推進力を持たないニーディングディスクを配置することが好ましい。送り機能を有さないニーディングディスクを配置することでポリエステル樹脂の樹脂滞留部位を提供し、高い混練力をかけることにより、混練分散を飛躍的に高めることができる。
本発明においては、ニーディングディスクの直ぐ下流側に被混練材料の流れに対する抵抗機能を発現し、各混練部に背圧を生じさせて被混練材料を充満させる抵抗部分が設けられていることが必要である。更にその抵抗部分に逆送りフルフライト部が配置されていることが好ましい。
本発明におけるベント付二軸混練押出機の混練において、ローターセグメントの最外周端である撹拌縁とバレルの内径との比であるチップクリアランスは混練分散の強度を制御する因子のひとつである。そのチップクリアランスδとバレル内径Dの比δ/Dが0.004〜0.01の範囲であることが好ましい。チップクリアランスが0.004より小さいとポリエステル樹脂の剪断発熱が著しくなり、樹脂の劣化を招くので好ましくなく、0.01を超えるとポリエステル樹脂と微粒子との混練が不十分になり、樹脂による真空系とのシール性が効かなくなり、真空度低下による加水分解を誘発するので好ましくない。好ましいクリアランスの範囲はδ/Dは、0.005〜0.008である。
本発明は、無機及び/又は有機微粒子とポリエステル樹脂とをベント付二軸混練押出機中で混練分散させるものであるが、無機粒子及び/又は有機粒子の添加方法について特に制限するものではない。粉体としてポリエステル樹脂と同一の供給口より供給してもよいし、ポリエステル樹脂を投入し、ベント付二軸混練押出機中で溶融した部位で粉体添加する方法でもよい。また、無機粒子及び/又は有機微粒子をスラリー又は溶液とし、液体添加ノズルを通じてベント付二軸混練押出機に供給してもよい。
本発明の実施の形態について以下に説明する。本発明の実施例において使用する用語の定義は以下の通りである。
(1)粒子の平均粒子径:
島津製作所製CP−50型Centrifugal Particle Size Analyserを用いて測定した時に得られる遠心沈降曲線をもとに算出した各粒径の粒子とその存在量とのcumulative曲線から、50mass percentに相当する粒径を読み取った値を指すものとする(「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参照)。
(2)ポリエステル樹脂及び組成物の固有粘度(IV):
テトラクロロエタン及びフェノールの4:6(重量)の混合溶媒を用いて35℃で常法に従い測定した。
(3)色相:
ミノルタ(株)製CHROMOMETER CR−200型を用いて測定した。
[実施例1]
樹脂投入口、スラリー投入ノズル及び真空ベントを2箇所ずつ有する神戸製鋼(株)製ベント付二軸混練押出機KTX−73にローターディスクの送り翼及び戻し翼を3箇所設置し、そのL/Dを表1に示す通りに有するスクリューを設置した。ローターディスクの最外周端とバレル内部のチップクリアランス比δ/Dは0.005に設定した。なおその3箇所のローターディスクそれぞれからなるローターセグメントはスラリー投入ノズルよりスクリュー軸心下流側にあった。更に、ローターセグメント部のすぐ下流側にニーディングディスクが配置されており、ニーディングディスクのすぐ下流側に逆送りフルフライトスクリューがある抵抗部分が配置されていた。樹脂投入口より、帝人ファイバー(株)製のベースとなるポリエチレンテレフタレート樹脂SDを35部/hの供給速度で、スクリューのフルフライト部に設けられたスラリー投入ノズルよりチタン工業製二酸化チタンKA−30の25%水スラリーを140部/hの供給速度で投入し、バレル温度、260℃、スクリュー回転数250rpmで混練押出し、二酸化チタン含有量50%、固有粘度0.48の二酸化チタン含有ポリエステル組成物を得た。
次に紡糸工程で、SDチップ及び上述の二酸化チタン含有ポリエステル樹脂組成物を各々160℃で6時間乾燥し、各々の定量供給機で最終的な二酸化チタン濃度が3%となるように送り出した。紡糸には2400メッシュのパックフィルターを備えた紡糸パックを使用し、紡糸温度290℃、紡速1200m/分で紡糸したのち、160℃で延伸、熱セットし、84dtex24フィラメントの丸断面糸を得た。24Hr連続で紡糸したときの断糸回数は1回、パックフィルターの詰まり度合いを示すパック圧の上昇は、0.3MPa/日であった。このような断糸回数が増えたり、パック圧の上昇は長期連続紡糸運転を行う際に障害となるので、成形性の目安となる。表1〜3に設定条件と結果を示した。
[実施例2〜3]
二酸化チタンの平均粒径、並びにKTX−73のローターディスクの送り翼、戻し翼、ニュートラル型ニーディングディスク及び戻りフライトスクリューの構成を表1、表2に示すとおりに設定した以外、実施例1と同様に実施した。結果を表3に示した。
[比較例1〜2]
二酸化チタンの平均粒径、KTX−73のスクリュー設定を表1、表2に示す通りに設定した。結果を表3に示した。
[実施例4]
実施例1に示したベント付二軸混練押出機において、ベースとなるポリエステルとして固有粘度0.71のポリエステル樹脂を100部/hの供給速度で、ポリエステル製糸性向上剤として、粉砕と分級により平均粒径を2.0μmとしたポリメチルメタクリレート(PMMA)を粉体として2部/hの供給速度でポリエステル樹脂投入口より添加した。得られたポリエステル樹脂チップの固有粘度は0.62であった。得られたチップを160℃で6時間乾燥し、1000メッシュのパックフィルターを有する紡糸パックを用いて紡速4000m/分で紡糸した。24hr紡糸したときの断糸は0回、パック圧上昇は0.3MPa/日であった。表1〜3に設定条件と結果を示した。
[比較例3]
表2に示したスクリュー構成のベント付二軸混練押出機を用いてPMMAを混練押出した以外は実施例4と同様に行なった。結果、混練不十分のため、ポリマーどうしが明らかに均一分散していなかった。吐出口での脈動が激しく、サンプルの採取が困難であった。
Figure 0004354888
Figure 0004354888
表中、第3ローター部のL(R,1)/L(R,2)=0(なし)とは使用した装置に第3ローター部がなかったことを表す。
Figure 0004354888
以上に述べた本発明のポリエステル組成物の連続製造装置によれば、ポリエステル中への微粒子の分散性に優れ、実質的に粒径5μm以上の粗大粒子が存在せず、したがって、繊維、フイルム、及び樹脂成形品とする際の成形加工性に優れ、繊維の場合には単糸切れが少なく、フイルムの場合には易滑性とフイルム表面の均一性および耐磨耗性に優れ、そして、樹脂成形品の場合には寸法安定性や耐衝撃性に優れるポリエステル組成物を連続して製造することができる。
そして、これらのポリエステル組成物を繊維化工程、薄膜化工程、および種々の立体成型工程に使用しても、ポリエステル組成物中の粗大粒子あるいは凝集粒子が極めて少ないため、これらの工程に設けられる異物を除去するための濾過体が捕捉する粒子の量を大幅に減少させることができ、さらには濾過圧力の上昇に起因する濾過体の交換周期を延長することができ、長期間に渡って濾過体を安定に使用することが可能となる。また、繊維の成形工程においては、紡糸時のフィルター詰まりが発生し、生産性が低下したり、単糸切れが発生したりすることもなくなる。さらに、例えば磁気テープ用フイルムにおいては、電磁変換特性を低下させたり、ドロップアウトを引き起こす原因となったり、製版印刷用、マイクロフイルム用などの透明性が要求されるフイルムにおいては、透明性が著しく低下するなどのフイルム品質を損ねてしまう粗大粒子の発生と混入を防止することができるという顕著な効果を奏する。

Claims (11)

  1. ベント付二軸混練押出機へ、繰り返し単位の70モル%以上がエチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート及びエチレンナフタレートよりなるポリエステル群から少なくとも一種選ばれるポリエステルと、平均粒径が0.01〜2μmである無機及び/又は有機の微粒子を添加して混練するポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、
    前記の微粒子の前記ベント付二軸混練押出機への添加口が前記ベント付二軸混練押出機内部に配置されたスクリューのフルフライト部に設けられ、かつ前記微粒子の添加口より下流側に、前記の微粒子を混練分散させるための送り翼と戻し翼とを有するローターセグメントが少なくとも3箇所設けられているとともに、ローターセグメントの送り翼と戻し翼の長さの比が、下記式(1)を満たすことを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0004354888
    [上記数式中のL(R、m)とは、
    L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
    :チップ投入部から数えてn番目のローターセグメントであることを表す。
    m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
  2. ローターセグメントの長さが下記式(2)を満足する請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0004354888
    [上記数式中のL(R、m)、とは、
    L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
    :チップ投入部から数えてk番目のローターセグメントであることを表す。
    m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
  3. ローターセグメントの戻し翼の直ぐ下流側に、前記微粒子を解砕分散させる機能を持ちかつ推進力を持たないニーディングディスクを配置し、ニーディングディスクの直ぐ下流側に被混練材料の流れに対する抵抗機能を発現し、各混練部に背圧を生じさせて被混練材料を充満させる抵抗部分が設けられている請求項1又は2記載のポリエスエル樹脂組成物の製造方法。
  4. 抵抗部分に逆送りフルフライトスクリューが配置されている請求項3記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  5. ローターセグメントの最外周端である撹拌縁とベント付二軸混練押出機のバレルの内径との差であるチップクリアランスと、ベント付二軸混練押出機のバレルの内径の比(チップクリアランス比)が0.004〜0.01の範囲である請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  6. 平均粒子径が0.01〜2.0μmの無機及び/又は有機の微粒子を水及び/又は沸点が240℃以下の有機化合物媒体とのスラリーとして添加する請求項1〜5のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  7. ベント付二軸混練押出機へ、繰り返し単位の70モル%以上がエチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート及びエチレンナフタレートよりなるポリエステル群から少なくとも一種選ばれるポリエステルと、平均粒径が0.01〜2μmである無機及び/又は有機の微粒子を添加して混練するポリエステル樹脂組成物を製造する際に用いる装置であって、
    前記の微粒子の前記ベント付二軸混練押出機への添加口が前記ベント付二軸混練押出機内部に配置されたスクリューのフルフライト部に設けられ、かつ前記微粒子の添加口より下流側に、前記の微粒子を混練分散させるための送り翼と戻し翼とを有するローターセグメントが少なくとも3箇所設けられているとともに、ローターセグメントの送り翼と戻し翼の長さの比が、下記式(1)を満たすことを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造装置。
    Figure 0004354888
    [上記数式中のL(R、m)とは、
    L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
    :チップ投入部から数えてn番目のローターセグメントであることを表す。
    m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
  8. ローターセグメント長が下記式を満足する請求項7記載のポリエステル樹脂組成物の製造装置。
    Figure 0004354888
    [上記数式中のL(R、m)、とは、
    L:翼の長さ(mm)とローター径(mm)の比(L/D)を表す。
    :チップ投入部から数えてk番目のローターセグメントであることを表す。
    m:m=1;送り翼であることを表す。 m=2;戻し翼であることを表す。]
  9. 抵抗機能を発現するセグメントが逆送りフルフライトスクリューである請求項7又は8記載のポリエステル樹脂組成物の製造装置。
  10. ローターセグメントの最外周端である撹拌縁とベント付二軸混練押出機のバレルの内径との差であるチップクリアランスと、ベント付二軸混練押出機のバレルの内径の比(チップクリアランス比)が0.004〜0.01の範囲である請求項7〜9のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造装置。
  11. 液体添加ノズルを有する請求項7〜10のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造装置。
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