JP4356872B2 - 固液分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、堆砂が混入した水の様な固液混合物から、固体である堆砂等を分離する固液分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、例えば、ダム湖底に堆積した砂(堆砂)の浚渫工事の概要が図5に示されている。
図5において、ダム湖M上に停留する台船11には、図示しないポンプ、ホース格納手段、操作員、台船の駆動源、ホース昇降設備、圧縮エア供給手段(例えば、エアコンプレッサ)あるいは水中ポンプ駆動電源等が搭載されている。
そして、台船11から、図示しないエア供給系統を介して圧縮エアが吸い上げホース12Aの開口部近傍に供給され、あるいは図示しない水中ポンプが駆動されている。
【0003】
このようにして、圧縮エアが供給される場合には、圧縮エアが上昇する際に水及び堆砂が連行されてホース12A内を上昇し、また、水中ポンプが駆動されている場合には、水に堆砂が連行されてホース(12A)内に吸引されて上昇する。
そして、台船11からは搬送系統Hを介して、水と(エアと)堆砂との混合物が陸上(例えばダムサイト)の処理プラントPまで搬送される。
処理プラントPでは、水と堆砂とを分離(固液分離処理)して、水は浄化処理が施された後にダム湖に戻され、固液分離されなかった微細な堆砂が再びダム湖に戻されないようにしいている。
また、分離された堆砂は、例えばトラック等の輸送手段Uを用い、所定の廃棄施設まで運搬されて廃棄されている。
一方、台船上に固液分離手段を設けることができれば、このような固液分離処理を行う地上設備が不要になり、全体の設備が簡略化されて好都合である。しかしながら、従来の固液分離処理のための装置は非常に大掛かりで質量も大きいという問題があり、これに対して上記の様な台船では、重い設備の搭載は好ましくなく、また搬送系統の連結も厄介な問題である。
【0004】
また、前記図5で示した浚渫工法では、堆砂吸い込み用のホース12Aによって広範囲に亘る堆砂Sを浚渫することは出来ないので、その吸い込み用ホース12Aの位置は頻繁に移動する必要がある。そのために台船11を頻繁に移動しなければならないが、台船上に質量の大きい設備を搭載するとこのような頻繁な移動が困難になる。
すなわち、台船に搭載される機器の質量を軽減しなければ、広範な範囲の堆砂の除去は困難であり、浚渫工事の施工が困難となるので、従来の浚渫工事で用いられていた台船では、浚渫作業に必要最小限の機器類(ポンプ、ホース格納手段、操作員、台船の駆動源、ホース昇降設備)のみを搭載していた。
【0005】
その他にも、浚渫船を用いてダム湖等の浚渫を行う技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。しかし、上述した問題を解決するものは,提案されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開昭53−142032号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み提案するものであり、地上に固液分離処理用のプラントを設ける必要が無く、かつ能率良く堆砂を浚渫するための固液分離装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の固液分離装置は、(例えばダム湖の様な湖沼、河川、或いは海上に浮上可能に構成された台船に設置されており、)鉛直方向へ延在し且つ上方に向かってその横断面積が減少する様に形成された流路(L)が内部に設けられているケーシング(1)を含み、該ケーシング(1)は、貫通孔を多数形成した透水領域(4:(例えばパンチングポード等で構成された領域:網目状部材、メッシュ部材で構成することも可能)と、ケーシング(1)内に圧縮エア(A)を噴射し且つ噴射されたエア(A)がケーシング(1)内の流路(L)壁面に沿ってスパイラル流(スパイラルフロー)を形成する様に構成されているエア噴射手段(2)と、流路(L)上方に設けられて固体(例えば、堆砂等)を収集する手段(固体収集部5)、とを有し、前記ケーシング(1)内部から前記固体を収集し搬送する手段に至る流路(L)には、該流路(L)の中心軸線上を延在し且つ可撓性を有するガイド部材が設置されている。
【0009】
以上のように構成された本発明の固液分離装置によれば、圧縮エアをケーシング内の流路へ噴出し、エア及び水の(混合物の)スパイラル流をケーシング内に発生させる。このようなエア及び水のスパイラル流によって竜巻と同様な現象がケーシング内の流路に発生するので、固体を中心方向に吸引する力(向心力)と、上昇しようとする力とが生じる。
かかる向心力の作用によって固体はケーシング内流路の中心部に吸引され、かつ上昇する。そして、ケーシングの上方に設けられた固体(例えば、堆砂等)を収集する手段で捕集される。そして、例えば搬送ライン等を介して、堆砂貯蔵手段へ搬送すれば良い。
【0010】
一方、スパイラル流を形成したエアおよび水は、ケーシング壁面に設けられた透水部を流れる際に、当該透水部からケーシング外部に排出され、排出管を介して(例えば、台船が停留された湖沼、ダム湖)へ排出される。
【0011】
この様に構成された本発明の固液分離装置を、例えばダム湖のような湖沼、河川、あるいは海上に浮遊可能に構成された台船上にこの装置を設置すれば、簡単な構成による固液分離が可能であり、水と共に水底の堆砂をその装置に導入して固体である堆砂を分離することで水底の浚渫工事が施工出来る。
その際、装置内流路にエアスパイラル流(螺旋状の流れ)を発生する簡単な装置を設ければよいので質量も軽く、台船の移動が妨げられる恐れは無い。
【0012】
なお、浚渫工事においては、固体が分離された水は、そのまま、台船が停留された湖沼(ダム湖等)に戻すことができる。微細な堆砂は、固液分離されているので、湖沼(ダム湖等)に戻されても、その微細な堆砂が拡散してしまうような弊害は、最小限に保たれる。
【0013】
本発明の実施に際して、ケーシング内における(エア及び水の)スパイラル流により、竜巻と同様な現象がケーシング内流路に発生するように前記エア噴射手段によって圧縮エアを噴出するが、その際に、スパイラル流が、流路内に竜巻のような現象を発生させる以上の速度になってしまうと、堆砂のような固体に作用する遠心力の方が、向心力よりも大きくなるので上記作用効果は望めない。その一方、前記エア噴射手段からのエア噴射速度が遅すぎても、上記のような流路内壁に沿ったスパイラル流が発生しない。
したがって、前記エア噴射手段からのエア噴射速度は、固液分離手段の運転条件如何によって、ケース・バイ・ケースで適宜調節する必要がある。そのため、前記エア噴射手段は、エア噴射速度が調整可能に構成されているのが好ましい。
【0015】
発明者の種々研究の結果では、上記のようなガイド部材を設置すれば、前記スパイラル流を発生した際に、ガイド部材を設けない場合に比較して、向心力によって堆砂のような固体が中心に吸引される作用が、より強く発生することが確認されている。
図3で示されているように、ガイド部材の表面で渦が発生し、係る渦によりガイド部材近傍の圧力が流路周縁部の圧力よりも低くなる様な圧力差が発生する。そして、この圧力差により、固体はガイド部材に向かって押圧され、その結果、ガイド部材を設けない場合に比較して、固体が流路の中心に吸引される作用は、より強く発揮されるのである。
【0016】
さらに本発明において、前記固体(例えば、堆砂等)を収集する手段(固体収集部5)はケーシング内の流路との境界領域に逆止構造(例えば、逆支弁)を設けているのが好ましい。
上昇した固体(堆砂等)が流路(L)を落下してしまうことを防止するためである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図示において、同様な部材には同様な符号を付してある。
【0020】
図1において、固液分離装置10には、上方に向けて縮径する円錐状に形成されたケーシング1が設けられ、ケーシング1の内部には、上方に向かって横断面積が減少する様に形成された流路Lが形成されている。
そして、ケーシング1の下方には、水底に向かって垂下されている吸い込み管12が、流路Lに連通する様に設けられている。この吸い込み管12は、図示しないエアリフトあるいは水中ポンプ等の公知の吸い上げ手段によって水底の堆砂が水と共にケーシング1内に導入されるように構成されている。
【0021】
ケーシング1の下方領域の側面にはエア噴出手段2が設けられており、図示しないエア供給手段から圧縮エアAが供給されている。より詳細には、エア供給手段2は、ケーシングの内壁面に形成されたノズルであり、該ノズルは、そこから噴出されたエアが流路Lの壁面に沿ってスパイラル流SR(後述)を形成する様に構成されている。圧縮エアAは、ケーシング1内部に設けられた環状空間2Rを経由して、エア噴出手段2から噴出されるのである。
【0022】
エア噴出手段2からは流路Lに向けて圧縮エアAが噴出され、そのエア流によって、流路L内壁面に沿って竜巻状の上昇流、すなわちスパイラル流SRを発生させるようになっている。
固液混合物はこのスパイラル流SRにより巻き込まれ、或いは、スパイラル流SRによって連行されて、矢印Uで示す様に流路L内を上昇する。
【0023】
ケーシング1の上方領域には、透水部4が設けられている。透水部4には多数の開口Qが形成されており、スパイラル流SRを構成する水及び/又はエアは、その遠心力により半径方向外方への力を受けるので、透水部4の多数の開口Qを介してケーシング1の外部に排出される。
一方、固液混合物の固体は、スパイラル流SRの作用により流路Lの中心部近傍を移動するので、半径方向外方への力は受けず、透水部4の多数の開口Qから排出されない。
その結果、スパイラル流SRを構成する固液混合物の内、液体(或いは、水及び/又はエア)のみが透水部4でケーシング外へ排出され、固体は流路Lの中心部近傍を上昇し続ける。すなわち、透水部4において、固液混合物から液体(或いは、水及び/又はエア)のみが分離される。そして、流路Lの半径方向中心部は堆砂濃度が増加し続ける。
【0024】
透水部4の最上方には、比較的断面積の大きな開口4Rが形成されており、固液混合物の残存する液体(或いは、水及び/又はエア)成分の大部分が、開口4Rからケーシング1外へ排出される。その結果、開口4Rよりも上方においては、液体の含有率は極めて小さくなる。
図1において、ケーシング1外へ排出される液体(或いは、水及び/又はエア)は、矢印Wで示す。
なお、分離した水(ケーシング1外へ排出される液体W)は、図1ではケーシング1外に排出されるのみであるが、図4で示す例では、外周部3から排出管9によって湖水Mに戻されている。
【0025】
再び図1において、ケーシング1の流路Lの上方には、固体、例えば堆砂、を収集する固体収集部5が設けられている。換言すれば、固体収集部5は前記固体、例えば堆砂を捕集する手段でもある。
固体収集部5には、その内部のケーシング1からの開口部に逆流防止手段6が設けられている。図示の実施形態では、逆流防止手段6はリード式の逆止弁として示されており、固体の上昇する力が強い場合は図1で実線で示す様に開放状態となるが、上昇する力が低下した場合には、点線で示す様に(符号6S)閉鎖状態となり、固体収集部5中に到達した固体(例えば堆砂)が、流路Lに逆流或いは落下してしまうことを防止する。
【0026】
なお、図4で示す様に搬出管8及び貯蔵手段13を設け、固体収集部5で収集或いは捕集された堆砂を、搬出ラインである搬出管8で流せしめて、貯蔵手段13で貯蔵されるように構成しても良い。
【0027】
図2は本発明の第2実施形態を示している。
図2に示すように、ケーシング1内の流路Lには、その中心軸に沿ってチェーン(ガイド部材)7が垂下されている。その他の構成については、図1と同様である。
図2においても、図1の第1実施形態と同様に、ケーシング1の下方領域に設けられたエア噴出手段(噴出量調整可能なノズル)2から、流路Lの接線方向に圧縮エアAを噴出すれば、ケーシング1下方の吸い込み管12から流路Lに導入された固液混合物に対して、竜巻状に旋回する上昇流(スパイラル流SR)を生じさせるように構成されている。また、ケーシング1の上方領域には多数の貫通孔Qが穿孔された透水部4が形成されており、スパイラル流SRから液体(水及び/又はエア)が固液混合物から分離して排出される様に構成されている。
【0028】
従って、図2で示す第2実施形態においても、固液分離装置10内の流路Lを流れる固液混合物は、エア噴出手段2からその接線方向に噴出される圧縮エアAの作用により、竜巻状のスパイラル流SRとなって上昇する。そして、固液混合物の流れの中心部には固体(堆砂等)が集まり、半径方向外方には液体が存在するので、透水部4の作用により、液体はケーシング1の外部に排出されて、固液分離が行われる。
【0029】
上述した様に、第2実施形態に係る固液分離装置10では、ケーシング1内の流路Lの中心軸に沿ってガイド部材、例えばチェーン7、が垂下している。発明者の実験によれば、この様なガイド部材を垂下することにより、ガイド部材(チェーン7)を設置しない場合に比較して、流路Lの中心軸に堆砂が集中し易くなり、より大量の堆砂が水及びエアから分離されることが確認されている。
【0030】
図3の(A)で示す様に、ガイド部材、例えばチェーン7が存在する場合、チェーン7の表面に多数の渦VGが発生する。渦VGが圧損として作用する結果、チェーン7の近傍の圧力は、その両サイドの圧力に比較して、低くなる。図2の実施形態の例でいえば、流路Lの中心軸に沿って垂下しているチェーン7周辺の圧力が、流路Lの半径方向外方領域の圧力よりも低くなり、その結果、図3(A)において矢印PDで示す様な力(差圧に起因する力)が作用する。
上記した力PDが固液混合物の流れ中の固体成分に作用するため、チェーン7を設けない場合に比較して、チェーン7を設けた場合の方が、固体は流路Lの中心に集中するのである。
【0031】
図3の(B)において、縦軸に固体が集中する割合を概念的に表示し、横軸に流路Lにおける半径方向位置を示すと、管路Lにおける固体が集中する傾向(特性)が示される。発明者の実験によれば、図3(B)の実線がチェーン7を設けた場合で、点線が設けない場合である。図3(B)から明らかな様に、チェーン7を設けた方が、流路Lの中心部に固体(堆砂等)が集中している。
【0032】
図4は、図1或いは図2の実施形態に係る固液分離装置10の何れかが、台船11上に搭載して、ダム湖底の堆砂Sの浚渫を行っている状態を示している。但し、固液分離装置10の適用は、ダム湖に浮かべた台船11上に取り付けられる場合以外にも適用可能である。
【0033】
図4において、湖水(M)上に停留された台船11上には、詳細を後記する固液分離装置10と、その固液分離装置10で分離された堆砂Dが貯蔵される貯蔵手段13とが搭載されている。
ダム湖M上の所定位置に台船11を停泊させ、吸い込み管12を水底の堆砂S中に垂下して吸い上げ手段(図示なし)によって水と共に堆砂Sが固液分離装置10に導入されている。
【0034】
固液分離装置10には圧縮エアAが導入され、透水部4(図4では図示せず:図1、図2参照)において、固液混合物の流れから水或いはエアが分離され、分離された後の水とそのエアは、排出管9から湖水に戻される。
水と分離された堆砂Sは、固体収集部5に捕集され、搬出ライン8から貯蔵手段13に貯留される。
台船11は、順次移動することで広範な範囲の浚渫を行い、貯蔵手段13に溜まった堆砂Dは、適宜陸揚げされて輸送手段によって廃棄施設へ運搬される。
【0035】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
例えば、本発明の固液分離装置は、台船上に架装されて浚渫の用途に用いられるものに限定される訳ではない。
【0036】
【発明の効果】
本発明による作用効果は下記の通り。
(1) 固液分離装置は軽量コンパクトであり、台船に容易に搭載できる。
(2) それと共に陸上への搬送系統を必要としないので台船の移動が容易であり、広範な範囲の浚渫工事を能率良く施工できる。
(3) 簡単な構造で、固液混合物から固体と液体とを分離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固液分離装置を台船上に設置した一実施形態を説明する構成図。
【図2】 本発明の第2実施形態の詳細を示す断面図。
【図3】 第2実施形態における要部の作用を説明すると共に、固体が集中する状態或いは特性を示す図。
【図4】 本発明の浚渫装置の実施の態様を説明する図。
【図5】 従来の浚渫工事を説明する図。
Claims (2)
- 鉛直方向へ延在し且つ上方に向かってその横断面積が減少する様に形成された流路が内部に設けられているケーシングを含み、該ケーシングは、貫通孔を多数形成した透水領域と、ケーシング内に圧縮エアを噴射し且つ噴射されたエアがケーシング内の流路壁面に沿ってスパイラル流を形成する様に構成されているエア噴射手段と、流路上方に設けられて固体を収集する手段とを有し、前記ケーシング内部から前記固体を収集し搬送する手段に至る流路には、該流路の中心軸線上を延在し且つ可撓性を有するガイド部材が設置されていることを特徴とする固液分離装置。
- 前記固体を収集する手段はケーシング内の流路との境界領域に逆止構造を設けた請求項1記載の固液分離装置。
Priority Applications (1)
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| JP2003181011A JP4356872B2 (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 固液分離装置 |
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| JP2003181011A JP4356872B2 (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 固液分離装置 |
Publications (2)
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