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JP4357668B2 - 薄膜太陽電池の製造装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は集積型の薄膜太陽電池の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜太陽電池は、一般に、ガラス等の透光性絶縁基板上に、透明導電膜、非晶質半導体光電変換層(以下、光電変換層という)、及び裏面電極を順に積層して構成されており、その各層(薄膜)はそれぞれ熱CVD、プラズマCVD、スパッタリング等の方法で形成されている。
【0003】
また、集積型の薄膜太陽電池は、レーザビームを用いて直列接続パターンを形成するのが一般的である。その集積構造は、透光性絶縁基板上に透明導電膜を短冊状に形成し、その上に光電変換層及び裏面電極を順に積層した後、1つの透明導電膜、光電変換層、裏面電極からなる単位太陽電池(ユニットセル)の透明導電膜が、隣接する単位太陽電池の裏面電極と接触する構造となるように、その両電極及び光電変換層のパターンを形成するという手順で作製される。
【0004】
そして、以上のような集積型薄膜太陽電池の製造において、透光性絶縁基板上に形成した透明導電膜のパターニング(短冊状に分割)は、YAG基本波レーザ装置からのレーザビームを透光性絶縁基板に薄膜形成面の反対側から入射させて行っており、また、光電変換層及び裏面電極のパターニングは、YAG−SHGレーザ装置からのレーザビームを、同様に透光性絶縁基板に入射させて行っている。このように、光電変換層及び裏面電極のパターニングにYAG−SHGレーザビームを用いている理由は、YAG基本波レーザの第2高調波であるYAG−SHGレーザビーム(波長:0.532μm)は、光電変換層の下地にある透明導電膜を透過し、その透明導電膜に損傷を与えずに加工を行える点にある。
【0005】
なお、YAG基本波レーザ装置と、YAG−SHGレーザ装置とは、発振器並びに光学系がそれぞれYAG基本波用、YAG−SHG用であること以外は、ほぼ同じ装置構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、薄膜太陽電池の製造において、レーザビームによるパターニングを安定した状態で行うには、レーザビームの加工焦点を常に適正に保つことが望ましい。しかし、実際の場合、ガラス基板等の透光性絶縁基板は、厚みのばらつきと反りがあり、さらに、透光性絶縁基板の大面積化を進めるほど基板の撓みが大きくなるため、レーザビームの加工焦点を適正値に保つことは簡単でない。
【0007】
また、薄膜太陽電池の製造においては、透過性絶縁基板を支持するステージがレーザビーム照射により損傷することを避けるために、透過性絶縁基板の周縁部のみを支持する構造のステージが用いられているが、このようなステージを用いても、透過性絶縁基板の周縁部を支持する部分にレーザビームが当たって損傷してしまい、その支持部分の機械的精度を維持できなくなるため、加工焦点に関する問題は依然として残る。また、透過性絶縁基板の周縁部のみを支持する場合、透過性絶縁基板が大型化すると、透過性絶縁基板が撓むか、あるいは反ってしまい、適正なレーザビームの加工焦点が得られなくなる。
【0008】
ここで、薄膜太陽電池の製造において、レーザビームでパターニングされた薄膜は加工残渣となって飛散する。この加工残滓は、非常に微細な粉塵であり、これをそのまま放置することは作業環境を悪化させる上に、加工残滓はレーザ装置の光学系をはじめとする設備や製品に悪影響を与える。
【0009】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたもので、レーザビームの加工焦点を常に適正に保つことのできる機構を備えた薄膜太陽電池の製造装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造装置は、透光性絶縁基板の片面に積層した薄膜を、その薄膜形成面の反対側から透光性絶縁基板に入射するレーザビームでパターニングして薄膜太陽電池を得る製造装置において、透光性絶縁基板の周縁部のみを支持するステージと、このステージに置かれた透光性絶縁基板を平坦な状態に保持する保持機構を備え、前記ステージは、くり抜き凹部を設けて透光性絶縁基板の周縁部に対応させた基板周縁支持部を備え、前記保持機構は、前記くり抜き凹部に設けられた脚部と、該脚部に組み合わされ透光性絶縁基板を支持する基板支持部とを備え、前記脚部および前記基板支持部は、前記脚部の底面から前記基板支持部の上端までの高さを調整して透光性絶縁基板を保持する高さを調整する高さ調整機構を介して組み合わされていることによって特徴づけられる。
【0011】
本発明の製造装置によれば、透光性絶縁基板が置かれるステージを、基板周縁部を支持する構造としているので、レーザビーム照射によりステージ表面が損傷することを防止することができる。また、透光性絶縁基板を平坦な状態に保持する保持機構を設けているので、ステージ上に置いた透光性絶縁基板の撓み・反りを矯正することができ、常に適正な加工焦点を得ることができる。また、脚部および基板支持部は、脚部の底面から基板支持部の上端までの高さを調整して透光性絶縁基板を保持する高さを調整する高さ調整機構を介して組み合わされていることから、簡単な構成で微調整が可能となり、精度の高い加工焦点を得ることができる。
【0012】
ここで、本発明の製造装置に用いる前記基板支持部、軟質材料で構成されていることが好ましい。
【0013】
また、前記ステージ上に置かれた透光性絶縁基板の前記基板周縁支持部に対応する上面側周縁部に、レーザビームを遮断するためのマスクが設けられていることから、レーザビームの照射が避けられない部分つまりステージの基板周縁支持部の損傷を防止することができる。
【0014】
また、透光性絶縁基板の周縁部を前記マスクで保持するように構成されていることから、設備の簡略化をはかることができる。
【0015】
本発明の製造装置において、レーザビームのパターニングにより発生する加工残滓を前記くり抜き凹部の底部中央に連通する集塵ダクトに接続した集塵機によって集塵する集塵システムを備えていることから、作業領域での加工残滓の飛散を減少させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は集積型の薄膜太陽電池の外観図、図2はその薄膜太陽電池の模式的断面図であり、以下、この図1及び図2を参照しつつ、薄膜太陽電池の製造方法の一例を説明する。
【0018】
まず、ガラス基板(透光性絶縁基板)1として、透明導電膜があらかじめ形成されたものを用いる。このガラス基板1には、透明導電膜2がガラス板の片側表面と周端面の全面に形成されており、その透明導電膜2を、YAG基本波レーザビームを用いてパターンニングすることにより、第1の開溝7を形成(スクライブ)して、透明導電膜2を複数の短冊10・・10に分離する。この後、ガラス基板1を純水で洗浄して光電変換層3を形成する。この光電変換層3は、Hp層、Hi層、Hn層からなり、合計の厚みは100nmから600nm程度である。
【0019】
次に、レーザビームを用いて光電変換層3のパターニングを行って第2の開溝8を形成する。この第2の開溝8は、第1の開溝7から所定距離だけ離れた位置に、50μm〜100μm程度の幅で形成する。なお、この第2の開溝8の形成に用いるレーザビームは、透明導電膜2への影響を避けるため、透明導電膜2に対する透過性が良好なSHG−YAGレーザビーム等を使用する。
【0020】
以上の溝加工が完了した後、透明導電膜4及び裏面電極5を形成する。透明導電膜4には比抵抗が小さくて透光性が高いZnOあるいはITOを用いており、また、裏面電極5には反射率の高い金属であるAlやAgを用いている。なお、透明導電膜4の膜厚は50nm〜200nm程度、裏面電極5の膜厚は500nm〜1μm程度である。
【0021】
そして、裏面電極5上にレジスト層6となる樹脂層を数μmから数十μmの厚さで塗布し、乾燥炉等において乾燥させる。そのレジスト層6の塗布には、スプレー方式、スピンコーターなどを採用する。次いで、SHG−YAGレーザビームを用いて、第3の開溝9を、第2の開溝8から所定距離だけ離れた位置に、50μm〜100μm程度の幅で形成することによって、図2に示す構造の集積型の薄膜太陽電池を得る。なお、このような構造において透明導電膜4及びレジスト膜6は省略しても構わない。
【0022】
次に、本発明の製造装置の実施形態を図3〜図6を参照しつつ説明する。
この例の製造装置は、レーザ発振器15、ガラス基板1が置かれるステージ14、所定のスクライブを行うためにステージ14を2次元方向に移動するXテーブル12及びYテーブル13、これらを支える架台11などを主体として構成されており、ステージ14にガラス基板1を、薄膜形成面を下に向けた姿勢で載せ、レーザ発振器15からのレーザビーム16をガラス基板1に照射しながら、Xテーブル12及びYテーブル13を駆動することによって、ガラス基板1に積層した薄膜をパターニングすることができる。この例では、レーザ発振器15として、YAG基本波レーザ装置とYAG−SHGレーザ装置が用いられる。
【0023】
なお、図3〜図6には、薄膜太陽電池の製造装置において、一般に取付けられているマスク機構等の記載は省略している。
【0024】
さて、この実施形態の製造装置においては、ガラス基板1を支持する構造に特徴がある。その詳細を以下に説明する。
【0025】
まず、この実施形態では、図4に示すように、ステージ14に、くり抜き凹部14aを設けて、ガラス基板1の周縁部のみを支持する構造としている。このような構造を採用しているのは、ステージ14の表面にレーザビームが照射された場合、そのビーム強度によってはステージ材料そのものに加工損傷が加わる点、及び、透明導電膜2あるいは光電変換層3(もしくは、それらに加えて裏面電極5等)をパターニングした際に発生する加工残滓が、ステージ14の表面に付着して、そのステージ表面の平滑性が損なわれることを避けるためである。
【0026】
ここで、ステージ14を図4に示すような構造として、ガラス基板1の周縁部のみを支持するようにした場合、ガラス基板1が大型化すると、ガラス基板1に、図6の2点鎖線で示すような撓み25が生じたり、あるいはガラス基板1が反ってしまうことがあり、このような状態になると、適正なレーザビーム加工焦点が得られなくなる。そこで、この実施形態では、ステージ14のくり抜き凹部14a内に2つの保持機構100を設け、これら保持機構100によって、ガラス基板1の撓み・反りを矯正し、ガラス基板1を平坦な状態に保持することにより、常に適正なレーザビーム加工焦点が得られるようにしている。
【0027】
保持機構100は、図6に示すように、脚部18、基板支持部19及び高さ調整ネジ20を組み合わせたもので、高さ調整ネジ20の操作により、脚部18の底面から基板支持部19の上端までの高さ、つまりガラス基板1の保持高さを微調整することができる。なお、保持機構100は、レーザビームによるパターニング部分を避け、基板支持部19にレーザビーム16が照射されないような位置を選んで設置する。
【0028】
以上の構造の保持機構100において、基板支持部19は、透明導電膜2あるいは裏面電極5の膜面に直接接触するので、基板支持部19の材質に硬質の金属等を用いると、これらの薄膜面に損傷を与える恐れがある。薄膜面が損傷した場合、起電力が生じない等の電気的特性に悪影響を与え、また外観不良となる恐れがあるので、基板支持部19には、薄膜面を損傷しないような軟質材料を用いる必要がある。具体的には、四弗化テフロン等の樹脂が挙げられる。なお、四弗化テフロン製の基板支持部19を用いた場合、薄膜面に損傷を与えることなく加工を行えることが可能であった。
【0029】
ここで、レーザビームを用いた加工においては、レーザビームを安定して発振させるために、加工中においてレーザ発振器の発振を停止しないという加工法が一般的であり、本実施形態においても、同様にレーザビームを発振したままの状態を維持して加工を行う。このため、短冊10から短冊10への移動過程においてもレーザビームは発振状態にあり、ガラス基板1の周縁部にもレーザビーム16が照射され、ステージ14の基板周縁支持部17(図4)の表面が損傷を受けることになる。これを防止するため、本実施形態では、図5及び図6に示すように、ガラス基板1の上面側周縁部を覆うマスク21、22を設けている。
【0030】
このようにマスク21、22を設けておくことにより、ガラス基板1の周縁部に向けてレーザビームが進行しても、その進行がマスク21、22によって遮断されるので、ステージ14の基板周縁支持部17の表面が損傷を受けることがなく、レーザビーム加工焦点に影響が及ぶことがなくなる。
【0031】
なお、この例では、マスク21、22にシリンダ23を組み合わせて、それらマスク21、22が、ガラス基板1の周縁部を押さえるホルダとして機能するように構成している。
【0032】
また、レーザビームを用いた加工において、レーザビームでパターニングされた薄膜は微粒子状の加工残滓24となって飛散する(図6参照)。これを放置することは作業環境を悪化させる上に、光学系の汚染、製品の汚染の原因ともなり好ましくない。そこで、本実施形態では、図6に示すように、ステージ14のくり抜き凹部14aの底部中央に連通する集塵ダクト26を設置し、この集塵ダクト26に集塵機27を接続して、パターニング時に発生する加工残滓24を回収するという方式を採用しており、このような集塵システムにより、作業領域におる加工残滓の飛散を減少させることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜太陽電池の製造装置によれば、透光性絶縁基板が置かれるステージを、基板周縁部のみを支持する構造とするとともに、そのステージに置かれた透光性絶縁基板を平坦に保持する保持機構を設けているので、簡単の構成のもとに、レーザビームの加工焦点を適正値に保つことができ、常に安定したパターニングを実現できる。
【0034】
本発明の薄膜太陽電池の製造装置において、保持機構には、透光性絶縁基板を支持する高さを調整するための高さ調整機構を設けておけば、精度の高い加工焦点を得ることができる。
【0035】
本発明の薄膜太陽電池の製造装置において、ステージ上に置かれた透光性絶縁基板の上面側周縁部に、レーザビームを遮断するためのマスクを設けておけば、ステージの基板周縁支持部の損傷を防止することができる。また、この場合、マスクを用いて透光性絶縁基板の周縁部を保持するように構成すれば、設備の簡略化をはかることができる。
【0036】
本発明の薄膜太陽電池の製造装置において、レーザビームのパターニングにより発生する加工残滓を、透光性絶縁基板の下方側から集塵するように構成しておけば、作業領域での加工残滓の飛散を減少させることができ、これにより作業環境を保全することができるとともに、設備・製品への加工残滓の付着による悪影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】集積型の薄膜太陽電池の外観を示す平面図(A)及び側面図(B)である。
【図2】集積型の薄膜太陽電池の構造を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態の要部構造を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に用いるステージの構造を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に適用するマスクを模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に用いるステージの構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(透光性絶縁基板)
2 透明導電膜
3 光電変換層(非晶質半導体光電変換層)
4 透明導電膜
5 裏面電極
6 レジスト
7 開溝
8 開溝
9 開溝
10 短冊
11 架台
12 Xテーブル
13 Yテーブル
14 ステージ
15 レーザ発振器
16 レーザビーム
17 基板周縁支持部
100 保持機構
18 脚部
19 基板支持部
20 高さ調整ネジ
21,22 マスク
23 シリンダ
24 加工残滓
25 撓み
26 集塵ダクト
27 集塵機

Claims (5)

  1. 透光性絶縁基板の片面に積層した薄膜を、その薄膜形成面の反対側から透光性絶縁基板に入射するレーザビームでパターニングして薄膜太陽電池を得る製造装置において、
    透光性絶縁基板の周縁部のみを支持するステージと、このステージに置かれた透光性絶縁基板を平坦な状態に保持する保持機構とを備え、
    前記ステージは、くり抜き凹部を設けて透光性絶縁基板の周縁部に対応させた基板周縁支持部を備え、
    前記保持機構は、前記くり抜き凹部に設けられた脚部と、該脚部に組み合わされ透光性絶縁基板を支持する基板支持部とを備え
    前記脚部および前記基板支持部は、前記脚部の底面から前記基板支持部の上端までの高さを調整して透光性絶縁基板を保持する高さを調整する高さ調整機構を介して組み合わされていること
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造装置。
  2. 前記基板支持部は、軟質材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池の製造装置。
  3. 前記ステージ上に置かれた透光性絶縁基板の前記基板周縁支持部に対応する上面側周縁部に、レーザビームを遮断するためのマスクが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜太陽電池の製造装置。
  4. 透光性絶縁基板の周縁部を前記マスクで保持するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の薄膜太陽電池の製造装置。
  5. レーザビームのパターニングにより発生する加工残滓を前記くり抜き凹部の底部中央に連通する集塵ダクトに接続した集塵機によって集塵する集塵システムを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一つに記載の薄膜太陽電池の製造装置。
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